【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。尚、本項において括弧内に記載した図面内参照符号などは理解を容易化するための一例である。
【0008】
〔1〕<ドライブアンプのバイアス電圧供給経路にバッファアンプを配置>
半導体装置(1)は、処理回路(3)と、前記処理回路の処理に基づいて複数ビットの駆動信号を並列出力するドライバ回路(2)とを有する。前記ドライバ回路は、ビット単位で前記駆動信号を出力する複数のドライブアンプ(10)と、前記ドライブアンプに動作電流を流す電流源トランジスタのバイアス電圧を生成するバイアス電圧生成回路(12,12a,12b)と、前記バイアス電圧生成回路のバイアス電圧出力端子から前記複数のドライブアンプにバイアス電圧を供給する経路に配置された、差動入力を持つ負帰還型のバッファアンプ(11,11a,11b)と、を有する。
【0009】
これによれば、ドライブアンプの出力動作に起因してバイアス電圧にノイズが載っても、その変動はバッファアンプによって速やかにもとの電圧に復帰される。バッファアンプの出力経路にノイズが載ってもその出力の収束時間に大幅な遅れを生じない。
【0010】
〔2〕<ボルテージフォロアアンプ>
項1において、前記バイアス電圧生成回路(12a)は、ゲート・ドレイン間が結合された定電流トランジスタ(MN13)とミラー電流を流す負荷トランジスタ(MP12)との接続ノードの電圧を前記バイアス電圧として出力する。前記バッファアンプ(11)はその非反転入力端子が前記接続ノードに結合され、反転入力端子にその出力端子が帰還接続されて成る。
【0011】
これによれば、バッファアンプとしてボルテージフォロアをバイアス電圧生成回路の出力側に配置するだけで項1の作用効果を得ることができる。
【0012】
〔3〕<バッファアンプの出力を定電流トランジスタに帰還してそのオフセットによる影響を緩和>
項1において、前記バッファアンプは、その非反転入力端子が前記接続ノードに結合され、反転入力端子にその出力端子が帰還接続されて成る。前記バイアス電圧生成回路(12a)は、定電流トランジスタ(MN13a)とミラー電流を流す負荷トランジスタ(MN12)との接続ノードの電圧を前記バイアス電圧として出力し、前記定電流トランジスタのゲートが前記バッファアンプの出力に帰還接続されて成る。
【0013】
これによれば、バイアス電圧生成回路の定電流トランジスタはバイアス電圧に代えてバッファアンプの出力電圧が負帰還されるから、その帰還量にはバッファアンプのオフセットのオフセット分が加味される。したがって、ボルテージフォロアとしてのバッファアンプに無視し得ないオフセットがある場合にその影響を緩和することができる。
【0014】
〔4〕<バッファアンプのオフセットに応じてバイアス電圧を調整可能なバイアス電圧生成回路>
項1において、前記バイアス電圧生成回路(12b)は、夫々ゲート・ドレイン間が結合され並列配置された複数の定電流トランジスタ(MN13,MN14,MN16)と、前記複数の定電流トランジスタによる電流経路を選択データに基づいて選択する選択回路(MN15,MN17)と、前記複数の定電流トランジスタに共通接続されミラー電流を流す負荷トランジスタ(MP12)とを有し、前記複数の定電流トランジスタと前記負荷トランジスタとが共通接続される接続ノードの電圧を前記バイアス電圧として出力する。
【0015】
これによれば、バイアス電圧生成回路が出力するバイアス電圧は選択回路による電流経路の選択状態に応じて数段階の中から選択することができる。したがって、バッファアンプのオフセットに応じてバイアス電圧を増減することでその影響を緩和することができる。
【0016】
〔5〕<サイズの異なる定電流トランジスタによる電流経路をスイッチトランジスタで選択>
項4において、前記複数の定電流トランジスタは相互に異なるトランジスタサイズを有する。前記選択回路は前記定電流トランジスタに直列接続されたスイッチトランジスタを有する。前記スイッチトランジスタは前記選択データに基づいてスイッチ制御される。
【0017】
これによればオン状態にすべきスイッチトランジスタを選択することにより簡単にオフセットの影響を緩和することができる。
【0018】
〔6〕<電流経路の選択を行う選択データを入力する外部入力端子>
項4において、前記半導体装置の外部から前記選択データを入力する外部入力端子(TRM0,TRM1)を有する。
【0019】
これによれば、外部入力端子のプルアップ又はプルダウンなどによって選択回路による選択状態を決定することができる。
【0020】
〔7〕<電流経路の選択を行う選択データを書換え可能に保持する記憶回路>
項4において、前記選択データを書換え可能に保する記憶回路(13)を有する。
【0021】
これによれば、選択回路による選択状態を決定するのにパワーオンリセット処理などで記憶回路に選択データを初期設定する動作を行えばよい。
【0022】
〔8〕<オフセットに応じて差動入力トランジスタのサイズ比可変のバッファアンプ>
項1において、前記バッファアンプ(11b)は、反転入力端子の入力トランジスタ(MN24)に対する非反転入力端子の入力トランジスタ(MN26、MN27,MN29)のトランジスタサイズ比を選択データに基づいて選択する選択回路(MN28,MN30)を有する。
【0023】
これによれば、反転入力端子側の入力トランジスタに対する非反転入力端子側の入力トランジスタのトランジスタサイズ比を選択回路で選択することによりバッファアンプのオフセット調整を行うことができる。
【0024】
〔9〕<非反転入力端子のサイズの異なる入力トランジスタをスイッチトランジスタで選択>
項8において、前記非反転入力端子の入力トランジスタは相互にトランジスタサイズが相違されて並列された複数の入力トランジスタから成る。前記選択回路は前記入力トランジスタに直列接続されたスイッチトランジスタを有する。前記スイッチトランジスタは前記選択データに基づいてスイッチ制御される。
【0025】
これによればオン状態にすべきスイッチトランジスタを選択することにより簡単にオフセットを調整することができる。
【0026】
〔10〕<トランジスタサイズ比の選択を行う選択データを入力する外部入力端子>
項8において、前記半導体装置の外部から前記選択データを入力する外部入力端子(TRM0,TRM1))を有する。
【0027】
これによれば、外部入力端子のプルアップ又はプルダウンなどによって選択回路による選択状態を決定することができる。
【0028】
〔11〕<トランジスタサイズ比の選択を行う選択データを書換え可能に保持する記憶回路>
項8において、前記選択データを書換え可能に保する記憶回路(13)を有する。
【0029】
これによれば、選択回路による選択状態を決定するのにパワーオンリセット処理などで記憶回路に選択データを初期設定する動作を行えばよい。
【0030】
〔12〕<ドライブアンプのバイアス電圧供給経路にバッファアンプを配置>
電子機器(100)は、表示データを出力するホスト装置(103)と、前記表示データを入力して液晶表示駆動信号を出力する液晶表示ドライバ(1a)と、前記液晶表示駆動信号を入力して画像表示を行う表示装置(102)とを有する。前記液晶表示ドライバは、表示データの処理回路(110〜115)と、前記処理回路による処理に基づいて複数ビットの液晶駆動信号を並列出力するドライバ回路(2a)とを有する。前記ドライバ回路は、ビット単位で前記駆動信号を出力する複数のドライブアンプ(10)と、前記ドライブアンプに動作電流を流す電流源トランジスタ(MN6)のバイアス電圧を生成するバイアス電圧生成回路(1212a,12b)と、前記バイアス電圧生成回路のバイアス電圧出力端子から前記複数のドライブアンプにバイアス電圧を供給する経路に配置された、差動入力を持つ負帰還型のバッファアンプ(11,11a,11b)と、を有する。
【0031】
これによれば、ドライブアンプの出力動作に起因してバイアス電圧にノイズが載っても、その変動はバッファアンプによって速やかにもとの電圧に復帰される。バッファアンプの出力経路にノイズが載ってもその出力の収束時間に大幅な遅れを生じない。これは、表示装置の高精細化の進展によって、表示ライン単位で階調電圧信号を出力する時間が更に短くなっても表示品質の劣化防止に資するものである。
【0032】
〔13〕<ボルテージフォロアアンプ>
項12において、前記バイアス電圧生成回路(12a)は、ゲート・ドレイン間が結合された定電流トランジスタ(MN13)とミラー電流を流す負荷トランジスタ(MP12)との接続ノードの電圧を前記バイアス電圧として出力する。前記バッファアンプ(11)はその、非反転入力端子が前記接続ノードに結合され、反転入力端子にその出力端子が帰還接続されて成る。
【0033】
これによれば、バッファアンプとしてボルテージフォロアをバイアス電圧生成回路の出力側に配置するだけで項1の作用効果を得ることができる。
【0034】
〔14〕<バッファアンプの出力を定電流トランジスタに帰還してそのオフセットによる影響を緩和>
項12において、前記バッファアンプはその、非反転入力端子が前記接続ノードに結合され、反転入力端子にその出力端子が帰還接続されて成る。前記バイアス電圧生成回路(12a)は、定電流トランジスタ(MN13a)とミラー電流を流す負荷トランジスタ(MN12)との接続ノードの電圧を前記バイアス電圧として出力し、前記定電流トランジスタのゲートが前記バッファアンプの出力に帰還接続されて成る。
【0035】
これによれば、バイアス電圧生成回路の定電流トランジスタはバイアス電圧に代えてバッファアンプの出力電圧が負帰還されるから、その帰還量にはバッファアンプのオフセットのオフセット分が加味される。したがって、ボルテージフォロアとしてのバッファアンプに無視し得ないオフセットがある場合にその影響を緩和することができる。
【0036】
〔15〕<バッファアンプのオフセットに応じバイアス電圧を調整可能なバイアス電圧生成回路>
項12において、前記バイアス電圧生成回路(12b)は、夫々ゲート・ドレイン間が結合され並列配置された複数の定電流トランジスタ(MN13,MN14,MN16)と、前記複数の定電流トランジスタによる電流経路を選択データに基づいて選択する選択回路(MN15,MN17)と、前記複数の定電流トランジスタに共通接続されミラー電流を流す負荷トランジスタ(MP12)とを有し、前記複数の定電流トランジスタと前記負荷トランジスタとが共通接続される接続ノードの電圧を前記バイアス電圧として出力する。
【0037】
これによれば、バイアス電圧生成回路が出力するバイアス電圧は選択回路による電流経路の選択状態に応じて数段階の中から選択することができる。したがって、バッファアンプのオフセットに応じてバイアス電圧を増減することでその影響を緩和することができる。
【0038】
〔16〕<サイズの異なる定電流トランジスタによる電流経路をスイッチトランジスタで選択>
項15において、前記複数の定電流トランジスタは相互に異なるトランジスタサイズを有する。前記選択回路は前記定電流トランジスタに直列接続されたスイッチトランジスタを有する。前記スイッチトランジスタは前記選択データに基づいてスイッチ制御される。
【0039】
これによればオン状態にすべきスイッチトランジスタを選択することにより簡単にオフセットの影響を緩和することができる。
【0040】
〔17〕<オフセットに応じて差動入力トランジスタのサイズ比可変のバッファアンプ>
項12において、前記バッファアンプ(11b)は、反転入力端子の入力トランジスタ(MN24)に対する非反転入力端子の入力トランジスタ(MN26、MN27,MN29)のトランジスタサイズ比を選択データに基づいて可変に選択する選択回路(MN28,MN30)を有する。
【0041】
これによれば、反転入力端子側の入力トランジスタに対する非反転入力端子側の入力トランジスタのトランジスタサイズ比を選択回路で選択することによりバッファアンプのオフセット調整を行うことができる。
【0042】
〔18〕<非反転入力端子のサイズの異なる入力トランジスタをスイッチトランジスタで選択>
項17において、前記非反転入力端子の入力トランジスタは相互にトランジスタサイズが相違されて並列された複数の入力トランジスタから成る。前記選択回路は前記入力トランジスタに直列接続されたスイッチトランジスタを有する。前記スイッチトランジスタは前記選択データに基づいてスイッチ制御される。
【0043】
これによればオン状態にすべきスイッチトランジスタを選択することにより簡単にオフセットを調整することができる。