【課題】表示装置の音量設定値が0(ゼロ:消音状態)に設定されている場合でも、視覚に障害があるユーザにガイダンス情報の内容を確実に通知することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置100は、表示部2と、ガイダンス情報を有するガイダンス音声と、映像に関連する報を有する非ガイダンス音声とを出力する出力部4と、音量設定を行う設定部51と、ガイダンス音声および非ガイダンス音声の出力レベルを制御する音声出力処理部14とを備える。そして、音声出力処理部14は、ガイダンス音声の出力レベルを非ガイダンス音声の出力レベル以上の値とし、かつ、非ガイダンス音声の出力レベルが0のときガイダンス音声の出力レベルを0よりも大きい値にする。
所定の音量設定値に基づく前記第1信号の出力レベルと前記第2信号の出力レベルとの差は、前記所定の音量設定値よりも大きい音量設定値に基づく前記第1信号の出力レベルと前記第2信号の出力レベルとの差よりも大きい、請求項1または2に記載の表示装置。
第1の音量設定値から前記第1の音量設定値よりも大きい第2の音量設定値の範囲において、所定の音量設定値に基づく前記第1信号の出力レベルと前記第2信号の出力レベルとの差と、前記所定の音量設定値とは異なる音量設定値に基づく前記第1信号の出力レベルと前記第2信号の出力レベルとの差とは、略等しい値である、請求項1に記載の表示装置。
前記第1の音量設定値から前記第1の音量設定値よりも大きい前記第2の音量設定値の範囲において、前記所定の音量設定値における前記第1信号の出力レベルと前記第2信号の出力レベルとは、略等しい値である、請求項6に記載の表示装置。
前記第1の音量設定値から前記第1の音量設定値よりも大きい前記第2の音量設定値の範囲において、前記所定の音量設定値における前記第1信号の出力レベルと前記第2信号の出力レベルとは異なる値である、請求項6に記載の表示装置。
前記テーブルは、音量設定値に対し、前記第1信号の所定の出力レベルが対応付けられた第1テーブルと、前記第1信号の所定の出力レベルとは異なる出力レベルが対応付けられた第2テーブルとを含み、
前記制御部は、前記第1テーブルまたは前記第2テーブルのいずれか一方に基づいて、前記第1信号の出力レベルを制御する、請求項14に記載の表示装置。
前記制御部は、音量設定値の変更に伴い、前記第1信号と前記第2信号との両方の出力レベルの値を変更する制御を行う、請求項1〜15のいずれか1項に記載の表示装置。
前記第1信号は、表示装置に対して行われた操作に関する情報、および、表示装置の状態に関する情報を通知する音声である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたガイダンス装置では、ガイダンス装置の音量設定値がたとえば0(ゼロ:消音状態)に設定されている場合には、非ガイダンス音声の音量出力値のみならずガイダンス音声の音量出力値0(ゼロ)に設定されてしまう。このため、ガイダンス装置の音量設定値が0(ゼロ)に設定されている場合には、ガイダンス音声(ガイダンス情報)が発せられない(出力されない)ので、視覚に障害があるユーザに、ガイダンス音声(ガイダンス情報)の内容を通知することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表示装置の音量設定値が0(ゼロ:消音状態)に設定されている場合でも、視覚に障害があるユーザにガイダンス情報の内容を確実に通知することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による表示装置は、表示部と、ガイダンス情報を有する第1信号と、映像に関連する音声情報を有する第2信号とを出力する出力部と、音量設定を行う設定部と、第1信号および第2信号の各々の出力レベルを制御する制御部と、を備え、制御部は、第1信号の出力レベルを第2信号の出力レベル以上の値とし、かつ、第2信号の出力レベルが0のとき第1信号の出力レベルを0よりも大きい値にする。
【0008】
この発明の一の局面による表示装置では、上記のように、ガイダンス情報を有する第1信号の出力レベルを映像に関連する音声情報を有する第2信号の出力レベル以上の値とし、かつ、第2信号の出力レベルが0のとき第1信号の出力レベルを0よりも大きい値にする制御部を設ける。これにより、表示装置の音量設定値が0(ゼロ)に設定されている場合でも、0(ゼロ)よりも大きい音量のガイダンス情報を有する第1信号を出力することができる。また、第2信号の出力レベルが0以外の値の場合にも第1信号の出力レベルが第2信号の出力レベル以上の値となるので、第2信号に加えて第1信号を出力することができる。これらの結果、表示装置の音量設定値が0(ゼロ:消音状態)に設定されている場合でも、ガイダンス情報を有する第1信号により、視覚に障害があるユーザにガイダンス情報の内容を確実に通知することができる。
【0009】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、音量設定値の所定の変化に基づく、第1信号の出力レベルの変化量は、第2信号の出力レベルの変化量以下の値である。このように構成すれば、音量設定値の増加(または減少)に伴う第2信号の出力レベルの増加量(または減少量)よりも、第1信号の出力レベルの増加量(または減少量)を抑制することができるので、音量設定値の増加(または減少)に伴う第1信号の急激な出力レベルの変化が回避される分、視覚に障害があるユーザは、映像に関連する音声情報(第2信号)を聞き取ることに支障のない程度で、ガイダンス情報(第1信号)を同時に聞き取ることができる。
【0010】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1信号および第2信号の波形の傾きa、bは、a≦bの関係を有する。このように構成すれば、傾きa≦傾きbであることによって、音量設定値の増加(または減少)に伴う第2信号の出力レベルの増加量(または減少量)よりも、第1信号の出力レベルの増加量(または減少量)を確実に抑制することができる。したがって、音量設定値の増加(または減少)に関係なく、視覚に障害があるユーザは、映像に関連する音声情報(第2信号)を聞き取ることに支障のない程度で、ガイダンス情報(第1信号)を確実に聞き取ることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、上記波形は、出力レベルと音量設定値との特性を示す波形である。
【0012】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、所定の音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差は、この所定の音量設定値よりも大きい音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差よりも大きい。このように構成すれば、音量設定値が大きくなるのに伴って、第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差が縮小されるので、ガイダンス情報(第1信号)の出力レベルの値が大きくなり過ぎるのを抑制するとともに、視覚に障害があるユーザに対して適切な出力レベルの値でガイダンス情報を出力することができる。
【0013】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1の音量設定値から第1の音量設定値よりも大きい第2の音量設定値の範囲において、所定の音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差と、この所定の音量設定値とは異なる音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差とは、略等しい値である。このように構成すれば、音量設定値を変更した場合でも、第2信号の出力レベルの値に対して所定の音量分(一定値の音量)だけ大きい出力レベルの値で、第1信号を出力することができる。したがって、視覚に障害があるユーザは、音量設定値を変更した場合でも、容易に第1信号を聞き取ることができる。
【0014】
上記所定の音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差と、この所定の音量設定値とは異なる音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差とが略等しい値である構成において、好ましくは、第2の音量設定値よりも大きい音量設定値の範囲において、第1信号の出力レベルは、所定の範囲内の値である。このように構成すれば、第1信号の出力レベルを第2の音量設定値よりも大きい音量設定値にした場合であっても、第1信号の出力レベルが最大の値または最大近傍の値(所定の範囲内)に維持されるので、第1信号の出力レベルを最大にする音量設定値以上の音量設定値の範囲においては、ガイダンス情報を有する第1信号が障害となって映像に関連する音声情報を示す第2信号が聞きづらくなるのを回避することができる。
【0015】
上記所定の音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差と、この所定の音量設定値とは異なる音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差とが略等しい値である構成において、好ましくは、第1の音量設定値以下の音量設定値の範囲において、第1信号の出力レベルは所定の範囲内の値である。このように構成すれば、音量設定値が小さくなるにしたがって第1信号の出力レベルが同じように小さくされてしまう場合と異なり、音量設定値が小さくされても、視覚に障害があるユーザは出力レベルが所定の範囲内に維持された第1信号を適切に聞き取ることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、第1の音量設定値は、音量設定可能な範囲の中間点における音量設定値である。このように構成すれば、音量設定可能な範囲のうちの中間点以下の範囲において、音量設定値が小さくされても第1信号の出力レベルを所定の範囲内に維持することができるので、視覚に障害があるユーザは出力レベルが所定の範囲内に維持された第1信号を容易に聞き取ることができる。また、中間点よりも音量設定値が大きい範囲では、ユーザは、ガイダンス情報を有する第1信号および映像に関連する音声情報を有する第2信号の両方を適切に聞き取ることができる。
【0017】
上記所定の音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差と、この所定の音量設定値とは異なる音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差とが略等しい値である構成において、好ましくは、第1の音量設定値から第1の音量設定値よりも大きい第2の音量設定値の範囲において、所定の音量設定値における第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとは、略等しい値である。このように構成すれば、第1の音量設定値から第2の音量設定値以下の範囲において、ガイダンス情報を有する第1信号の出力レベルの値が大きくなり過ぎるのを抑制しつつ、適切な出力レベルの値でこの第1信号を出力することができる。
【0018】
上記所定の音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差と、この所定の音量設定値とは異なる音量設定値に基づく第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとの差とが略等しい値である構成において、好ましくは、第1の音量設定値から第1の音量設定値よりも大きい第2の音量設定値の範囲において、所定の音量設定値における第1信号の出力レベルと第2信号の出力レベルとは異なる値である。このように構成すれば、音量設定値を変更した場合でも、第2信号の出力レベルの値に対して所定の出力レベル分(音量分)だけ大きい出力レベルの値で、第1信号を出力することができるので、視覚に障害があるユーザは、容易に第1信号を聞き取ることができる。
【0019】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1信号の出力レベルは所定の範囲内の値である。このように構成すれば、第1信号の出力レベルを適切な値に設定しておけば、どのような音量設定値においても、十分に聞き取ることが可能な均一の音量で、視覚に障害があるユーザはガイダンス情報を有する第1信号を聞き取ることができる。
【0020】
この場合、好ましくは、設定部の音量設定可能な範囲は、第1信号の出力レベルの値が第2信号の出力レベルの値以上となる範囲に設定されている。このように構成すれば、設定部の音量設定可能な範囲内におけるどのような音量設定値にされていても、第1信号の出力レベルの値を第2信号の出力レベルの値以上に設定することができるので、視覚に障害があるユーザは、映像に関連する音声情報を有する第2信号が出力されている間中、ガイダンス情報を有する第1信号を確実に聞き取ることができる。
【0021】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、設定部の音量設定に対応した音量設定値に対して、第1信号および第2信号の出力レベルがそれぞれ対応付けられたテーブルをさらに備え、制御部は、テーブルに基づき第1信号および第2信号の出力レベルを制御する。このように構成すれば、表示装置における第2信号の出力レベルが0(ゼロ)に設定されている場合でも、第1信号の出力レベルを0(ゼロ)にしないようにする演算を毎回行う場合と異なり、テーブルを用いて、迅速に第1信号の出力レベルを0(ゼロ)にしないようにすることができるとともに、制御部の演算による負荷が増大するのを抑制することができる。また、表示装置における第2信号の出力レベルが0(ゼロ)以外に設定されている場合でも、テーブルを用いて、迅速に第1信号の出力レベルを第2信号の出力レベル以上に保持することができる。
【0022】
この場合、好ましくは、テーブルは、音量設定値に対し、第1信号の所定の出力レベルが対応付けられた第1テーブルと、第1信号の所定の出力レベルとは異なる出力レベルが対応付けられた第2テーブルとを含み、制御部は、第1テーブルまたは第2テーブルのいずれか一方に基づいて、第1信号の出力レベルを制御する。このように構成すれば、第1テーブルと第2テーブルとを適宜切り替えることによって、第1信号の出力レベルを、第1信号の内容に応じてより適した出力レベル(出力音量値)にすることができる。たとえば、通知しなければ視覚障害のあるユーザの利便性を低下させるような通知を行う場合(チャンネル変更操作に関する情報をガイダンス情報として出力する場合)にも、確実にガイダンス情報(第1信号)を通知することができる。
【0023】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、制御部は、音量設定値の変更に伴い、第1信号と第2信号との両方の出力レベルの値を変更する制御を行う。このように構成すれば、音量設定値に併せて、第1信号および第2信号の両方を使用状況に適した出力レベルの値にそれぞれ変更することができる。
【0024】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1信号は、表示装置に対して行われた操作に関する情報、および、表示装置の状態に関する情報を通知する音声である。このように構成すれば、視覚に障害があるユーザに、表示装置に対して行われる操作に関する情報、および、表示装置の状態に関する情報を通知することができる。
【0025】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第2信号は、表示部に表示される映像に関連する音声である。このように構成すれば、表示部に表示される映像に関連する音声が第1音量である(出力されない)設定の場合でも、第1信号を出力することができる。
【0026】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、放送信号を受信する受信部をさらに備え、第2信号は、受信部からの音声に対応している。このように構成すれば、放送信号に含まれる第2信号を出力する音量設定値が第1音量に設定されている場合でも、第1信号をユーザが視聴可能に容易に出力することができる。
【0027】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、コンテンツ再生装置に接続する接続部をさらに備え、第2信号は、接続部から入力された音声に対応している。このように構成すれば、コンテンツ再生装置からコンテンツに含まれる第2信号を出力する音量設定値が第1音量に設定されている場合でも、第1信号をユーザが視聴可能に容易に出力することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、上記のように、表示装置の音量設定値が0(ゼロ:消音状態)に設定されている場合でも、視覚に障害があるユーザにガイダンス情報の内容を確実に通知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
[第1実施形態]
(表示装置の全体構成)
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の第1実施形態による表示装置100の構成について説明する。
【0032】
図1に示すように、表示装置100は、リモコン50により操作可能なテレビジョン装置である。リモコン50の設定部51により、表示装置100に対して、音量設定値の変更操作が行うことが可能である。リモコン50の各種設定部52により、表示装置100に対して、各種操作(たとえばチャンネル変更操作)が行うことが可能である。表示装置100は、たとえば、リモコン50を用いて表示装置100に対して行われた操作に関する情報、および、表示装置100の状態に関する情報を通知する音声などの「ガイダンス音声」を出力することが可能である。また、表示装置100は、ガイダンス音声とは異なる「非ガイダンス音声」を出力することが可能に構成されている。第1実施形態において、非ガイダンス音声とは、たとえば、表示部2に表示される映像に関連する音声である。なお、上記したガイダンス音声および非ガイダンス音声は、それぞれ、特許請求の範囲の「ガイダンス情報を有する第1信号」および「映像に関連する音声情報を有する第2信号」の一例である。
【0033】
表示装置100は、SoC(system on chip)1を備える。SoC1は、表示装置100の全体の制御を行うように構成されている。SoC1の詳細は、後述する。また、表示装置100は、映像を表示する表示部2を備える。表示部2は、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD;liquid crystal display)である。また、表示装置100は、音声信号を増幅するアンプ3をさらに備える。
【0034】
また、表示装置100は、アンプ3により増幅された音声信号を出力する出力部4を備える。出力部4は、アンプ3とスピーカ9との間に配置されている。また、出力部4は、ガイダンス音声と、非ガイダンス音声とを出力するように構成されている。表示装置100は、リモコン50の設定部51により設定された音量設定値に対応する出力音量値のもとで、ガイダンス音声および非ガイダンス音声を出力するように構成されている。なお、出力音量値は、特許請求の範囲の「出力レベル」の一例である。
【0035】
また、表示装置100は、リモコン信号受信部5を備える。リモコン信号受信部5は、リモコン50から発せられた信号(リモコン通信信号)を受信するように構成されている。また、表示装置100は、放送信号を受信する受信部(チューナ)6を備える。また、表示装置100は、接続部7を備える。接続部7は、たとえば、HDMI(High−Definition Multimedia Interface、登録商標)規格に準拠した端子である。そして、接続部7を介して接続された外部のコンテンツ再生装置(図示せず)から伝送されたHDMI(登録商標)規格に準拠した音声・映像信号を受信するように構成されている。
【0036】
また、表示装置100は、接続部8をさらに備える。接続部8は、たとえば、Video入力端子である。接続部8は、接続部8を介して外部のコンテンツ再生装置(図示せず)から伝送されたVideo信号を受信するように構成されている。Video信号は音声信号および映像信号を含んでいる。
【0037】
(SoCの詳細な構成)
SoC1は、各種処理部(CPU)を含んでいる。より具体的には、SoC1は、映像信号処理部11を備える。映像信号処理部11は、CPUを含み、受信部6により受信された放送信号に含まれる映像データを処理し、表示部2に出力する機能を有する。また、映像信号処理部11は、接続部7または8を介して受信したHDMI(登録商標)規格に準拠した映像データまたはVideo信号の映像データを処理し、表示部2に出力する機能を有する。
【0038】
また、SoC1は、音声信号処理部12を備える。音声信号処理部12は、CPUを含み、受信部6により受信された放送信号に含まれる音声データを処理し、音声出力処理部14に出力する機能を有する。また、音声信号処理部12は、接続部7または8を介して受信したHDMI(登録商標)規格に準拠した音声データまたはVideo信号の音声データを処理し、音声出力処理部14に出力する機能を有する。また、SoC1は、リモコン受信信号処理部13を備える。リモコン受信信号処理部13は、CPUを含み、リモコン信号受信部5により受信されたリモコン50からの信号を処理する機能を有する。
【0039】
また、SoC1は、音声出力処理部14を備える。音声出力処理部14は、CPUを含み、音声出力に関する制御処理を行うように構成されている。音声出力処理部14により処理された信号に基づいて、出力部4から音声信号が出力される。また、音声出力処理部14は、記憶領域(記憶部)140を有する。記憶領域140には、出力音量値テーブルT1が記憶されている。
図2に示すように、出力音量値テーブルT1は、音量設定値に対して、非ガイダンス音声の出力音量値およびガイダンス音声の出力音量値がそれぞれ対応付けられたテーブルである。
図2中の下部のグラフは、出力音量値テーブルT1に示された数値を、横軸に音量設定値、縦軸を出力音量値として、プロットしたものである。なお、
図2のグラフにおいて、実線は音量設定値に対するガイダンス音声の出力音量値を示し、破線は、音量設定値に対する非ガイダンス音声の出力音量値を示している。なお、出力音量値テーブルT1は、特許請求の範囲の「テーブル」の一例である。
【0040】
また、音声出力処理部14は、音声信号処理部12により処理された非ガイダンス音声と、後述するガイダンス音声処理部15により生成されたガイダンス音声とを、出力音量値テーブルT1に基づいて出力するように構成されている。また、
図1に示すように、SoC1は、ガイダンス音声処理部15を備える。ガイダンス音声処理部15は、ガイダンス音声を生成させるように構成されている。なお、音声出力処理部14は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0041】
そして、第1実施形態では、
図2に示すように、音声出力処理部14(
図1参照)は、リモコン50の設定部51(
図1参照)により、非ガイダンス音声の音量設定値が「0(消音状態)」(以降、0レベルという)に設定された場合に、この0レベルよりも大きい出力音量値で出力部4からガイダンス音声を出力する制御を行うように構成されている。この場合、音声出力処理部14は、音量設定値に対して、非ガイダンス音声の出力音量値およびガイダンス音声の出力音量値がそれぞれ対応付けられた出力音量値テーブルT1に基づいて、0レベル(消音状態)よりも大きい出力音量値でガイダンス音声を出力する制御を行う。つまり、音声出力処理部14は、各音量設定値に対して、ガイダンス音声の出力音量値が0レベルにならないように設定された出力音量値テーブルT1を用いた音声出力制御を行うように構成されている。また、音量設定値が増加するにしたがって、ガイダンス音声の出力音量値が増加されるように構成されている。したがって、視覚に障害があるユーザにとっては、非ガイダンス音声を聞きつつ、ガイダンス音声についても容易に聞き取ることが可能に構成されている。
【0042】
また、第1実施形態では、音声出力処理部14は、非ガイダンス音声の音量が0レベル以外のときに、ガイダンス音声の音量を非ガイダンス音声の音量以上とする制御を行う。詳細には、非ガイダンス音声の音量設定値が変更可能な0レベル(最小値)以上99レベル以下の範囲において、0レベルよりも大きい出力音量値でガイダンス音声が出力されるとともに、非ガイダンス音声の音量設定値がその上限となる100レベル(最大値)では、非ガイダンス音声の音量とガイダンス音声の音量とが略等しくなるように構成されている。すなわち、音声出力処理部14は、ガイダンス音声が出力される場合には、常に0レベルよりも大きい出力音量値で、このガイダンス音声を出力するような制御を行う。したがって、出力音量値テーブルT1には、音量設定値が0レベル(最小値)以上99以下では、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値よりも大きく、音量設定値が「100」(最大値)では、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値と等しくなるように、音声出力処理部14による音声出力制御を行うことが予め規定されている。
【0043】
また、第1実施形態では、所定の音量設定値とこの所定の音量設定値と異なる音量設定値に基づくガイダンス音声の各々の出力音量値の差は、所定の音量設定値とこの所定の音量設定値と異なる音量設定値に基づく非ガイダンス音声の各々の出力音量値の差よりも小さい。具体例には、
図2中のグラフにおいて、ガイダンス音声の出力音量値および非ガイダンス音声の出力音量値は、音量設定値(横軸)の増加(減少)に伴って略直線的に増加(減少)するように出力音量値テーブルT1は構成されている。そして、たとえば、音量設定値V1におけるガイダンス音声の出力音量値と、この音量設定値V1よりも大きい音量設定値V2におけるガイダンス音声の出力音量値の差分(音量設定値V1およびV2間の実線で示された直線状のグラフ(波形)の傾きa:変化率a)が、同じ音量設定値V1からV2への変化における非ガイダンス音声の出力音量値の差分(音量設定値V1およびV2間の破線で示された直線状のグラフ(波形)の傾きb:変化率b)よりも小さくなる(a<bである)ように構成されている。したがって、音量設定値の増加(または減少)に伴う非ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)よりも、ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)が抑制されている。なお、
図2中の実線で示されるグラフは、ガイダンス音声の出力音量値と音量設定値との特性を示す波形であり、
図2中の破線で示されるグラフは、非ガイダンス音声の出力音量値と音量設定値との特性を示す波形である。
【0044】
また、所定の音量設定値に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との差は、この所定の音量設定値よりも大きい音量設定値に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との差よりも大きい。具体例には、
図2中のグラフにおいて、音量設定値V1におけるガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ1よりも、音量設定値V2におけるガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ2のほうが小さい。換言すると、音量設定値が大きくなるにつれて音量差Δは音量差Δ1から音量差Δ2へと小さくなる。反対に、音量差Δは、音量設定値が小さくなるにつれて音量差Δ2から音量差Δ1へと大きくなる。すなわち、音声出力処理部14は、出力音量値テーブルT1を用いて、音量設定値を変更可能な全ての範囲(0レベル以上100レベル以下)において、音量設定値が大きくなるにつれて、ガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との差分(音量差Δ)を小さくするように設定された音声出力制御を行う。この場合、音声出力処理部14は、音量設定値の変更に伴い、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値に対して所定の音量差Δだけ大きくなるように、非ガイダンス音声の出力音量値とガイダンス音声の出力音量値との両方を設定(変更)する制御を行う。これにより、音量設定値の増加(または減少)に伴う非ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)よりも、ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)が抑制されるように構成されている。
【0045】
なお、音声出力処理部14は、音量設定値を変更可能な全ての範囲(0レベル以上100レベル以下)において、0レベルよりも大きい出力音量値でガイダンス音声を出力する制御を行う。また、音声出力処理部14は、音量設定値の変更に伴い、非ガイダンス音声の出力音量値とガイダンス音声の出力音量値との両方を設定する制御を行う。また、音量設定値を変更可能な全ての範囲(0レベル以上100レベル以下)において、ガイダンス音声は、音量設定値の変化に対して線形性の変化をする(
図2中のグラフが直線的に変化する)ように構成されている。第1実施形態における表示装置100は、上記のように構成されている。
【0046】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0047】
第1実施形態では、上記のように、ガイダンス情報を有するガイダンス音声の出力音量値(出力レベル)を映像に関連する音声情報を有する非ガイダンス音声の出力音量値(出力レベル)以上の値とし、かつ、非ガイダンス音声の出力音量値(出力レベル)が0レベル(消音状態)のときガイダンス音声の出力レベルを0よりも大きい値にする音声出力処理部14を設ける。これにより、表示装置100の音量設定値が0レベルに設定されている場合でも、0レベルよりも大きい出力音量値のガイダンス音声を出力することができる。また、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル以外の値の場合にもガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値以上の値となるので、非ガイダンス音声に加えてガイダンス音声を出力することができる。これらの結果、表示装置100の音量設定値が0レベル(消音状態)に設定されている場合でも、ガイダンス音声により、視覚に障害があるユーザにガイダンス音声の内容を確実に通知することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、音量設定値の所定の変化(V1からV2への変化など)に基づくガイダンス音声の出力音量値の変化量を、非ガイダンス音声の出力音量値の変化量以下の値になるように構成する。これにより、音量設定値の増加(または減少)に伴う非ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)よりも、ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)を抑制することができるので、音量設定値の増加(または減少)に伴うガイダンス音声の急激な出力音量値の変化が回避される分、視覚に障害があるユーザは、映像に関連する音声(非ガイダンス音声)を聞き取ることに支障のない程度で、ガイダンス音声を同時に聞き取ることができる。
【0049】
また、第1実施形態では、音量設定値(
図2のグラフ横軸)の変化に対するガイダンス音声の出力音量値の変化率a(音量設定値V1およびV2間の実線で示されたグラフ(波形)の傾きa)と、非ガイダンス音声の出力音量値の変化率b(音量設定値V1およびV2間の破線で示されたグラフ(波形)の傾きb)とは、a<bの関係を有する。これにより、傾きa<傾きbであることによって、音量設定値の増加(または減少)に伴う非ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)よりも、ガイダンス音声の出力音量値の増加量(または減少量)を確実に抑制することができる。したがって、音量設定値の増加(または減少)に関係なく、視覚に障害があるユーザは、映像に関連する音声(非ガイダンス音声)を聞き取ることに支障のない程度で、ガイダンス音声を同時に聞き取ることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、音量設定値V1に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ1を、この音量設定値V1よりも大きい音量設定値V2に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ2よりも大きく構成する。これにより、音量設定値が大きくなるのに伴って、ガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δが、音量差Δ1から音量差Δ2へと縮小されるので、ガイダンス音声の出力音量値が大きくなり過ぎるのを抑制するとともに、視覚に障害があるユーザに対して適切な出力音量値でガイダンス音声を出力することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、設定部51の音量設定に対応した音量設定値に対して、ガイダンス音声および非ガイダンス音声の出力音量値(出力レベル)がそれぞれ対応付けられた出力音量値テーブルT1を備える。そして、出力音量値テーブルT1に基づきガイダンス音声および非ガイダンス音声の出力音量値(出力レベル)を制御するように音声出力処理部14を構成する。これにより、表示装置100における非ガイダンス音声の出力音量値が0レベルに設定されている場合でも、ガイダンス音声の出力音量値を0レベルにしないようにする演算を毎回行う場合と異なり、出力音量値テーブルT1を用いて、迅速にガイダンス音声の出力音量値を0レベルにしないようにすることができるとともに、音声出力処理部14の演算による負荷が増大するのを抑制することができる。また、表示装置100における非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル以外に設定されている場合でも、出力音量値テーブルT1を用いて、迅速にガイダンス音声の出力音量値を非ガイダンス音声の出力音量値以上に保持することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、音量設定値の変更に伴い、ガイダンス音声と非ガイダンス音声との両方の出力音量値(出力レベル)を変更する制御を行うように音声出力処理部14を構成する。これにより、音量設定値に併せて、ガイダンス音声および非ガイダンス音声の両方を使用状況に適した出力音量値にそれぞれ変更することができる。
【0053】
また、第1実施形態では、ガイダンス音声は、表示装置100に対して行われた操作に関する情報、および、表示装置100の状態に関する情報を通知する音声である。これにより、視覚に障害があるユーザに、表示装置100に対して行われる操作に関する情報、および、表示装置100の状態に関する情報を通知することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、非ガイダンス音声は、表示部2に表示される映像に関連する音声である。これにより、表示部2に表示される映像に関連する音声が0レベル(消音状態)である設定の場合でも、ガイダンス音声を出力することができる。
【0055】
また、第1実施形態では、放送信号を受信する受信部6を設け、非ガイダンス音声は、受信部6からの音声に対応している。これにより、放送信号に含まれる音声(非ガイダンス音声)を出力する音量設定値が0レベル(消音状態)に設定されている場合でも、ガイダンス音声をユーザが視聴可能に容易に出力することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、コンテンツ再生装置に接続する接続部7を設け、非ガイダンス音声は、接続部7から入力された音声に対応している。これにより、コンテンツ再生装置からコンテンツに含まれる音声(非ガイダンス音声)を出力する音量設定値が0レベル(消音状態)に設定されている場合でも、ガイダンス音声をユーザが視聴可能に容易に出力することができる。
【0057】
また、第1実施形態では、音量設定値の変更に伴い、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値に対して所定の音量差Δ分だけ大きくなるように、非ガイダンス音声の出力音量値とガイダンス音声の出力音量値との両方を設定する制御を行うように音声出力処理部14を構成する。これにより、音量設定値を変更した場合でも、非ガイダンス音声の出力音量値に対して所定の音量分大きい出力音量値で、ガイダンス音声を出力することができるので、容易にガイダンス音声を聞き取ることができる。
【0058】
また、第1実施形態では、出力音量値テーブルT1を記憶する記憶領域(記憶部)140を設ける。これにより、記憶領域(記憶部)140に記憶された出力音量値テーブルT1を用いて、迅速にガイダンス音声の出力音量値を0レベル(消音状態)にしない制御を行うことができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、
図1および
図3を参照して、第2実施形態による表示装置200の構成について説明する。第2実施形態では、音量設定値を変更可能な全範囲において、音量設定値が大きくなるにつれて、ガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δを小さくする第1実施形態と異なり、音量設定値を変更可能な一部の範囲において、音量設定値が大きくなるにつれて、ガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δを小さくする構成について説明する。なお、出力音量値テーブルが異なる点を除いて、第2実施形態の装置構成は、上記第1実施形態の装置構成と実質的に同一である。また、出力音量値テーブルT2は、特許請求の範囲の「テーブル」の一例である。
【0060】
図1に示すように、音声出力処理部214の記憶領域(記憶部)240には、出力音量値テーブルT2が記憶されている。第2実施形態では、音声出力処理部214は、出力音量値テーブルT2に基づいて、0レベルよりも大きい出力音量値でガイダンス音声を出力する制御を行うように構成されている。つまり、
図3に示すように、音声出力処理部214は、各音量設定値に対して、ガイダンス音声の出力音量値が0レベルにならないように設定された出力音量値テーブルT2を用いた音声出力制御を行うように構成されている。なお、音声出力処理部214は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0061】
また、音声出力処理部214は、音量設定値に対する非ガイダンス音声の出力音量値の変化率よりも小さい変化率になるようにガイダンス音声の出力音量値を設定する制御を行うように構成されている。また、音声出力処理部214は、音量設定値の変更に伴い、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値に対して一定の音量差Δcだけ大きくなるように、非ガイダンス音声の出力音量値とガイダンス音声の出力音量値との両方を設定する制御を行うように構成されている。詳細には、音声出力処理部214は、音量設定値の変更に伴い、ガイダンス音声の出力音量値を最大にする音量設定値(たとえば音量設定値Vc)よりも小さい音量設定値において、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値に対して一定の音量差Δcだけ大きくなるように、非ガイダンス音声の出力音量値とガイダンス音声の出力音量値との両方を設定する制御を行うように構成されている。換言すると、0レベルからこの0レベルよりも大きい音量設定値Vcの範囲において、音量設定値V1に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ1と、この音量設定値V1とは異なる音量設定値V2に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ2とは、略等しい(Δ1≒Δ2≒Δcである)。そして、0レベルから音量設定値Vcの範囲においては、音量設定値V1(または音量設定値V2)におけるガイダンス音声の出力音量値と、非ガイダンス音声の出力音量値とは、互いに異なる。なお、0レベルおよび音量設定値Vcは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の音量設定値」および「第2の音量設定値」の一例である。
【0062】
また、音声出力処理部214は、ガイダンス音声の出力音量値を最大にする音量設定値(音量設定値Vc)以上の音量設定値において、ガイダンス音声の出力音量値を一定(100レベル)にする制御を行うように構成されている。すなわち、音量設定値Vcよりも大きい音量設定値の範囲においては、ガイダンス音声の出力音量値は、所定の範囲内であるように設定されている。
【0063】
以上のように、第2実施形態では、ガイダンス音声の出力音量値は、0レベルから音量設定値Vcまでの音量設定値の範囲では非ガイダンス音声の出力音量値と同様の一定の変化率(グラフの傾き)で変化し、音量設定値Vc以降の音量設定値の範囲では一定(100レベル)となる。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0064】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
第2実施形態では、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル(消音状態)のときガイダンス音声の出力音量値を0レベルよりも大きくし、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル以外のときガイダンス音声の出力音量値を非ガイダンス音声の出力音量値以上とする音声出力処理部214を設ける。これにより、上記第1実施形態と同様、表示装置200の音量設定値が0レベル(消音状態)に設定されている場合でも、0レベルよりも大きい出力音量値のガイダンス音声により、視覚に障害があるユーザにガイダンスの内容を確実に通知することができる。
【0066】
また、第2実施形態では、0レベルから音量設定値Vcの範囲において、音量設定値V1に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ1と、この音量設定値V1とは異なる音量設定値V2に基づくガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値との音量差Δ2とを、略等しい値になるように構成する。これにより、音量設定値を変更した場合でも、非ガイダンス音声の出力音量値に対して所定の音量分(一定値の音量)だけ大きい出力音量値で、ガイダンス音声を出力することができる。したがって、視覚に障害があるユーザは、音量設定値を変更した場合でも、容易にガイダンス音声を聞き取ることができる。
【0067】
また、第2実施形態では、ガイダンス音声の出力音量値を所定の範囲内(一定の100レベル)にするように構成する。これにより、ガイダンス音声の出力音量値を音量設定値Vcよりも大きい音量設定値にした場合であっても、ガイダンス音声の出力音量値が最大の値または最大近傍の値(一定の100レベル)に維持されるので、ガイダンス音声の出力音量値を最大にする音量設定値以上の音量設定値の範囲においては、ガイダンス音声が障害となって非ガイダンス音声が聞きづらくなるのを回避することができる。
【0068】
また、第2実施形態では、0レベルから音量設定値Vcの範囲において、音量設定値V1(音量設定値V2)におけるガイダンス音声の出力音量値と、非ガイダンス音声の出力音量値とを、互いに異ならせる。これにより、音量設定値を変更した場合でも、非ガイダンス音声の出力音量値に対して所定の出力音量値分(音量差Δc)だけ大きい出力音量値で、ガイダンス音声を出力することができるので、視覚に障害があるユーザは、容易にガイダンス音声を聞き取ることができる。
【0069】
また、第2実施形態では、音量設定値の変更に伴い、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値に対して音量差Δcだけ大きくなるように、非ガイダンス音声の出力音量値とガイダンス音声の出力音量値との両方を設定する制御を行うように音声出力処理部214を構成する。これにより、音量設定値を変更した場合でも、非ガイダンス音声の出力音量値に対して所定の音量分だけ大きい出力音量値で、ガイダンス音声を出力することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
[第3実施形態]
次に、
図1および
図4を参照して、第3実施形態による表示装置300の構成について説明する。第3実施形態では、音量設定値が大きくされた場合、音量設定値を変更可能な全範囲においてガイダンス音声の出力音量値を大きくする第1実施形態と異なり、音量設定値が大きくされた場合、音量設定値を変更可能な一部の範囲においてガイダンス音声の出力音量値を大きくする構成について説明する。なお、出力音量値テーブルが異なる点を除いて、第3実施形態の装置構成は、上記第1実施形態の装置構成と実質的に同一である。
【0071】
図1に示すように、音声出力処理部314の記憶領域(記憶部)340には、出力音量値テーブルT3が記憶されている。第3実施形態では、音声出力処理部314は、出力音量値テーブルT3に基づいて、0レベルよりも大きい出力音量値でガイダンス音声を出力する制御を行うように構成されている。つまり、
図4に示すように、音声出力処理部314は、各音量設定値に対して、ガイダンス音声の出力音量値が0レベルにならないように設定された出力音量値テーブルT3を用いた音声出力制御を行うように構成されている。なお、音声出力処理部314は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。また、出力音量値テーブルT3は、特許請求の範囲の「テーブル」の一例である。
【0072】
第3実施形態では、音声出力処理部314は、音量設定値の設定可能な範囲のうち、音量設定値が0レベルから最大音量設定値よりも小さくかつ0レベルよりも大きい値(音量設定値Vd)までの範囲では、ガイダンス音声の出力音量値を一定(所定の範囲内)にする制御を行うように構成されている。また、音声出力処理部314は、音量設定値の設定可能な範囲のうち、音量設定値が0レベルから最大音量設定値(100レベル)の半分未満(50レベル未満)の範囲では、ガイダンス音声の出力音量値を一定(所定の範囲内)にする制御を行い、最大音量設定値の半分以上(50レベル以上)の値から最大音量設定値以(100レベル以下)の範囲では、ガイダンス音声の出力音量値を、非ガイダンス音声の出力音量値と略一致させる制御を行うように構成されている。なお、音量設定値Vdおよび最大音量設定値(100レベル)は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の音量設定値」および「第2の音量設定値」の一例である。
【0073】
詳細には、音声出力処理部314は、音量設定値Vdよりも小さい設定音量値では、音量設定値の変更に伴い、ガイダンス音声の出力音量値が非ガイダンス音声の出力音量値に対して所定の音量差Δdだけ大きくなるように、非ガイダンス音声の出力音量値とガイダンス音声の出力音量値との両方を設定する制御を行う。また、音声出力処理部314は、音量設定値Vdよりも小さい設定音量値では、ガイダンス音声の出力音量値を一定にする制御を行う。また、一定のガイダンス音声の出力音量値は、音量設定値Vdにおける非ガイダンス音声の出力音量値に略一致させている。なお、第3実施形態では、音量設定値Vdは、「50レベル」(最大音量設定値の中間点(半分の値))であるが、他の値であってもよい。すなわち、この音量設定値Vdは、ユーザにより所望の値に変更されてもよい。
【0074】
また、音声出力処理部314は、音量設定値Vdから音量設定値Vdよりも大きい最大音量設定値(100レベル)の範囲において、音量設定値Vdにおけるガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値とを、略等しい値にする制御を行う。この場合、音声出力処理部314は、音量設定値Vd以上の設定音量値では、音量設定値の変更に伴い、音量設定値に対するガイダンス音声の出力音量値の変化率(実線のグラフ(波形)の傾き)が、音量設定値に対する非ガイダンス音声の出力音量値の変化率(破線のグラフ(波形)の傾き)に略等しい値になるような音声出力処理を行う。
【0075】
以上のように、第3実施形態では、ガイダンス音声の出力音量値は、音量設定値Vdまでの音量設定値の範囲において一定(実線のグラフの傾き≒0)であり、音量設定値Vc以降の音量設定値の範囲においては、非ガイダンス音声と略等しい一定の変化率で変化する。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0076】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0077】
第3実施形態では、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル(消音状態)のときガイダンス音声の出力音量値を0レベルよりも大きくし、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル以外のときガイダンス音声の出力音量値を非ガイダンス音声の出力音量値以上とする音声出力処理部314を設ける。これにより、上記第1実施形態と同様、表示装置300の音量設定値が0レベル(消音状態)に設定されている場合でも、0レベルよりも大きい出力音量値のガイダンス音声により、視覚に障害があるユーザにガイダンスの内容を確実に通知することができる。
【0078】
また、第3実施形態では、音量設定値Vd以下の音量設定値の範囲において、ガイダンス音声の出力音量値を所定の範囲内(一定値)にするように構成する。これにより、音量設定値が小さくなるにしたがってガイダンス音声の出力音量値が同じように小さくされてしまう場合と異なり、音量設定値が小さくされても、視覚に障害があるユーザは出力レベルが所定の範囲内(一定値)に維持されたガイダンス音声を適切に聞き取ることができる。
【0079】
また、第3実施形態では、音量設定値Vdを音量設定可能な範囲(0レベル以上100レベル以下)の中間点(50レベル)における音量設定値として構成する。これにより、音量設定可能な範囲(0レベル以上100レベル以下)のうちの中間点(50レベル)以下の範囲において、音量設定値が小さくされてもガイダンス音声の出力音量値を所定の範囲内(一定値)に維持することができるので、視覚に障害があるユーザは出力音量値が所定の範囲内(一定値)に維持されたガイダンス音声を容易に聞き取ることができる。また、中間点よりも音量設定値が大きい範囲(50レベルよりも大きく100レベル以下)では、ユーザは、ガイダンス音声および映像に関連する音声を示す非ガイダンス音声の両方を適切に聞き取ることができる。
【0080】
また、第3実施形態では、音量設定値Vdから音最大音量設定値(100レベル)の範囲において、音量設定値Vdにおけるガイダンス音声の出力音量値と非ガイダンス音声の出力音量値とを略等しい値になるように構成する。これにより、音量設定値Vdから最大音量設定値(100レベル)以下の範囲において、ガイダンス音声号の出力レベルが大きくなり過ぎるのを抑制しつつ、適切な出力音量値でこのガイダンス音声を出力することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0081】
[第4実施形態]
次に、
図1および
図5を参照して、第4実施形態による表示装置400の構成について説明する。第4実施形態では、音量設定値を変更可能な全範囲において、音量設定値が大きくされた場合、ガイダンス音声の出力音量値を大きくする第1実施形態と異なり、音量設定値が大きくされても、0レベルよりも大きい出力音量値W(一定値)でガイダンス音声を出力する構成について説明する。なお、出力音量値テーブルが異なる点を除いて、第4実施形態の装置構成は、上記第1実施形態の装置構成と実質的に同一である。
【0082】
図1に示すように、音声出力処理部414の記憶領域(記憶部)440には、出力音量値テーブルT4が記憶されている。第4実施形態では、音声出力処理部414は、出力音量値テーブルT4に基づいて、0レベルよりも大きい出力音量値でガイダンス音声を出力する制御を行うように構成されている。つまり、
図5に示すように、音声出力処理部414は、各音量設定値に対して、ガイダンス音声の出力音量値が0レベルにならないように設定された出力音量値テーブルT4を用いた音声出力制御を行う。なお、音声出力処理部414は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。また、出力音量値テーブルT4は、特許請求の範囲の「テーブル」の一例である。
【0083】
また、第4実施形態では、音声出力処理部414は、音量設定値を変更可能な全範囲において、音量設定値が大きくされた場合、一定の出力音量値W(たとえば、「70レベル」)でガイダンス音声を出力する制御を行う。この場合、リモコン50の設定部51(
図1参照)の音量設定可能な範囲は、ガイダンス音声の出力音量値Wが非ガイダンス音声の出力音量値以上となる範囲に設定されている。すなわち、0レベル以上100レベル以下の範囲において、常に、ガイダンス音声の出力音量値Wが非ガイダンス音声の出力音量値以上となるように音声出力制御が行われる。また、音声出力処理部414は、設定音量値が100レベル(最大値)となった際に、非ガイダンス音声の出力音量値(破線で示したグラフ)が、ガイダンス音声の出力音量値W(実線で示したグラフ)と略等しくなるように音声出力制御を行う。
【0084】
以上のように、第4実施形態では、ガイダンス音声の出力音量値が、音量設定値を変更可能な全範囲において、一定の出力音量値W(固定値)になるよう制御が行われる。なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0085】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0086】
第4実施形態では、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル(消音状態)のときガイダンス音声の出力音量値を0レベルよりも大きくし、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル以外のときガイダンス音声の出力音量値を非ガイダンス音声の出力音量値以上とする音声出力処理部414を設ける。これにより、上記第1実施形態と同様、表示装置400の音量設定値が0レベル(消音状態)に設定されている場合でも、0レベルよりも大きい出力音量値のガイダンス音声により、視覚に障害があるユーザにガイダンスの内容を確実に通知することができる。
【0087】
また、第4実施形態では、音量設定値の設定可能な全範囲において、ガイダンス音声の出力音量値Wを所定の範囲内(たとえば一定値の「70レベル」など)にするように構成する。これにより、ガイダンス音声の出力音量値Wを適切な値に設定しておけば、どのような音量設定値においても、十分に聞き取ることが可能な均一の音量で、視覚に障害があるユーザはガイダンス音声を聞き取ることができる。
【0088】
また、第4実施形態では、リモコン50の設定部51の音量設定可能な範囲を、ガイダンス音声の出力音量値Wが非ガイダンス音声の出力音量値以上となる範囲に設定可能に構成する。これにより、設定部51の音量設定可能な範囲内におけるどのような音量設定値にされていても、ガイダンス音声の出力音量値Wを非ガイダンス音声の出力音量値以上に設定することができるので、視覚に障害があるユーザは、非ガイダンス音声が出力されている間中、ガイダンス音声を確実に聞き取ることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0089】
[第4実施形態の第1変形例]
次に、
図1および
図6を参照して、第4実施形態の第1変形例による表示装置401の構成について説明する。第4実施形態の第1変形例では、ガイダンス音声の出力音量値Wが一定値(70レベル)に固定的であった第4実施形態と異なり、この出力音量値Wを変更可能に構成した例について説明する。
【0090】
表示装置401における音声出力処理部414の記憶領域440(
図1参照)には、出力音量値テーブルT4aが記憶されている。そして、音声出力処理部414は、出力音量値テーブルT4aに基づいて、0レベルよりも大きい出力音量値Wでガイダンス音声を出力する制御を行う。この場合、
図6に示すように、出力音量値テーブルT4aに書き込まれる出力音量値Wは、ユーザにより所望の値に変更可能に構成されている。たとえば、ガイダンス音声の出力音量値Wを「30レベル(二点鎖線のグラフ)」に設定した場合には、リモコン50の設定部51(
図1参照)の音量設定可能な範囲は、非ガイダンス音声の出力音量値(破線で示したグラフ(固定的な特性))との交点P1に対応する音量設定値Ve1までの範囲(0レベル以上Ve1レベル以下)に変更される。同様に、出力音量値Wを「50レベル」、「70レベル」、「90レベル」に設定した場合には、設定部51の音量設定可能な範囲は、0レベル以上、非ガイダンス音声の出力音量値との交点P2、P3およびP4に対応する音量設定値Ve2、Ve3、100レベル以下の範囲内に変更される。このように、出力音量値テーブルT4aには、ガイダンス音声の出力音量値Wの変更に応じて、非ガイダンス音声の出力音量値がガイダンス音声の出力音量値W以上とならない範囲で、音量設定(
図6中のグラフの横軸)が0レベル以上100レベル以下の間のいずれかの範囲に規制されるように、その設定内容が書き換えられる。なお、出力音量値テーブルT4aは、特許請求の範囲の「テーブル」の一例である。なお、第4実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0091】
(第4実施形態の第1変形例の効果)
第4実施形態の第1変形例では、ガイダンス音声の出力音量値Wの変更に応じて、非ガイダンス音声の出力音量値がガイダンス音声の出力音量値W以上とならない範囲で、表示装置401に対する音量設定値(Ve)を0レベル以上100レベル以下の間のいずれかの範囲に調整可能に構成する。これにより、ガイダンス音声の大きさ(出力音量値W)に関係なく非ガイダンス音声の出力音量値をガイダンス音声の出力音量値W以下に規制することができるので、視覚に障害があるユーザは、ガイダンス音声をどのような音量であっても容易に聞き取ることができる。なお、第4実施形態の第1変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0092】
[第4実施形態の第2変形例]
次に、
図1および
図7を参照して、第4実施形態の第2変形例による表示装置402の構成について説明する。第4実施形態の第2変形例では、ガイダンス音声の出力音量値Wの設定値に関係なく非ガイダンス音声の出力音量値の特性が固定的であった第4実施形態の第1変形例と異なり、ガイダンス音声の出力音量値Wの設定値に応じて非ガイダンス音声の出力音量値の特性を変更可能に構成した例について説明する。
【0093】
表示装置402における音声出力処理部414の記憶領域440(
図1参照)には、出力音量値テーブルT4bが記憶されている。そして、音声出力処理部414は、出力音量値テーブルT4bに基づいて、0レベルよりも大きい出力音量値Wでガイダンス音声を出力する制御を行う。この場合、
図7に示すように、出力音量値テーブルT4bに書き込まれる出力音量値Wは、ユーザにより所望の値に変更可能に構成されている。そして、ガイダンス音声の出力音量値Wの設定値(変更値)に応じて、非ガイダンス音声の出力音量値の特性も変更されるように構成されている。
【0094】
たとえば、ガイダンス音声の出力音量値Wを「70レベル(二点鎖線のグラフ)」に設定している場合には、非ガイダンス音声の出力音量値が特性G1を有するように出力音量値テーブルT4bの設定値が決定される。また、出力音量値Wを「30レベル(二点鎖線のグラフ)」または「90レベル(二点鎖線のグラフ)」に設定した場合には、非ガイダンス音声の出力音量値が特性G2または特性G3を有するように出力音量値テーブルT4bの設定値が書き換えられるように構成されている。なお、ガイダンス音声の出力音量値Wがどのような大きさに設定されても、非ガイダンス音声の出力音量値の特性が変更されて、表示装置402に対するユーザが行う音量設定の最大値が100レベルまで許容される。このように、出力音量値テーブルT4bには、ガイダンス音声の出力音量値Wの変更が生じても、これに対応するように非ガイダンス音声の出力音量値の特性(特性G1〜G3など)が変更されて、常に、音量設定(
図7中のグラフの横軸)の最大値が100レベルまで許容されるように、その設定内容が書き換えられる。なお、出力音量値テーブルT4bは、特許請求の範囲の「テーブル」の一例である。なお、第4実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0095】
(第4実施形態の第2変形例の効果)
第4実施形態の第2変形例では、ガイダンス音声の出力音量値Wの変更に応じて、非ガイダンス音声の出力音量値の特性(特性G1〜G3など)を変更して、常に、音量設定の最大値が100レベルまで許容されるように構成する。これにより、ガイダンス音声の大きさ(出力音量値W)に関係なく、ユーザは、表示装置402に対する音量設定を0レベルから100レベル(最大設定値)までの間で行うことができる。すなわち、ガイダンス音声の出力音量値W(一定値)がどのような大きさであっても、ユーザは、最も広い音量設定範囲(0レベル〜100レベル)を有効に使用して、表示装置402に対して違和感なく音量設定の操作を行うことができる。なお、第4実施形態の第2変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0096】
[第5実施形態]
次に、
図1〜
図5を参照して、第5実施形態による表示装置500の構成について説明する。第5実施形態では、音量設定値に対して、非ガイダンス音声の出力音量値およびガイダンス音声の出力音量値がそれぞれ対応付けられた1つの出力音量値テーブルを用いて音声出力処理を行う第1実施形態と異なり、複数の出力音量値テーブルを記憶するとともに、ガイダンス内容に応じ、適切な出力音量値テーブルを用いて音量出力処理を行う構成について説明する。なお、記憶領域540に記憶されている出力音量値テーブルの数が異なる点を除いて、第5実施形態の装置構成は、上記第1実施形態の装置構成と実質的に同一である。
【0097】
第5実施形態では、音声出力処理部514の記憶領域(記憶部)540(
図1参照)には、たとえば、互いに異なる4つの出力音量値テーブルが記憶されている。詳細には、記憶領域(記憶部)540には、第1テーブルとしての出力音量値テーブルT1(
図2参照)と、音量設定値に対し、ガイダンス音声の出力音量値として、出力音量値テーブルT1におけるガイダンス音声の出力音量値とは異なる出力音量値が対応付けられた第2テーブルとしての出力音量値テーブルT2(
図3参照)とが記憶されている。記憶領域(記憶部)540には、さらに、出力音量値テーブルT1およびT2と異なる出力音量値テーブルT3(
図4参照)と、出力音量値テーブルT1〜T3と異なる出力音量値テーブルT4(
図5参照)とが記憶されている。
【0098】
音声出力処理部514は、ガイダンスの内容に応じて、出力音量値テーブルT1〜T4を切り替える(いずれか1つの出力音量値テーブルに基づいた制御を行う)ことによって、非ガイダンス音声の出力音量値と、ガイダンス音声の出力音量値とを異ならせる。なお、音声出力処理部514は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0099】
通知しなければ視覚障害のあるユーザの利便性を低下させる通知を行う場合(たとえば、チャンネル変更操作に関する情報をガイダンス音声として出力する場合)には、音声出力処理部514は、その時点での設定音量値において、ガイダンス音声を一番大きく出力することができる出力音量値テーブルを出力音量値テーブルT1〜T4から1つ選択し、選択したいずれかの出力音量値テーブルに基づく制御処理を行う。
【0100】
また、通知しなくても視覚障害のあるユーザの利便性を低下させないような通知(通知がなくても視覚障害のあるユーザが特段、不便にならないような通知)を行う場合には、音声出力処理部514は、その時点での設定音量値において、たとえば、ガイダンス音声を2番目に大きく出力することができる出力音量値テーブルを、出力音量値テーブルT1〜T4から1つ選択し、選択した出力音量値テーブルに基づく制御処理を行う。なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0101】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0102】
第5実施形態では、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル(消音状態)のときガイダンス音声の出力音量値を0レベルよりも大きくし、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル以外のときガイダンス音声の出力音量値を非ガイダンス音声の出力音量値以上とする音声出力処理部514を設ける。これにより、上記第1実施形態と同様、表示装置500の音量設定値が0レベル(消音状態)に設定されている場合でも、0レベルよりも大きい出力音量値のガイダンス音声により、視覚に障害があるユーザにガイダンスの内容を確実に通知することができる。
【0103】
また、第5実施形態では、ガイダンスの内容に応じて、出力音量値テーブルT1〜T4を切り替えることによって、ガイダンス音声の出力音量値の制御を行うように音声出力処理部514を構成する。これにより、出力音量値テーブルT1〜T4を適宜切り替えることによって、ガイダンス音声の出力音量値を、ガイダンス音声の内容に応じてより適した出力音量値にすることができる。たとえば、通知しなければ視覚障害のあるユーザの利便性を低下させるような通知を行う場合(チャンネル変更操作に関する情報をガイダンス音声として出力する場合)にも、確実にガイダンス音声を通知することができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0104】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0105】
たとえば、上記第1〜5実施形態では、表示装置100〜500がテレビジョン装置である例を示したが、本発明はこれに限らない。表示装置100〜500は、テレビジョン装置以外の、たとえば、タブレットや、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0106】
また、上記第1〜第5実施形態では、出力音量値テーブルT1〜T4を用いた音量出力処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、出力音量値テーブルを設けることなく、音量出力処理を行ってもよい。
【0107】
また、上記第1〜第5実施形態では、リモコン50の設定部51により、表示装置100〜500に対して音量設定値の変更操作を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示装置100〜500の本体(筺体)に設けられた設定部を介して、音量設定値の変更操作を行うように構成してもよい。
【0108】
また、上記第5実施形態では、4つの出力音量値テーブルT1〜T4が記憶されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、4つ以外の複数の出力音量値テーブルが記憶されていてもよい。
【0109】
また、上記第1〜第3および第5実施形態では、音量設定値の少なくとも一部の範囲に対応するガイダンス音声の出力音量が線形性の変化をする例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガイダンス音声の出力音量に非線形性の変化をもたせてもよい。
【0110】
また、上記第1〜第4実施形態では、各々、出力音量値テーブルT1〜T4を用いた制御を行い、上記第5実施形態では、出力音量値テーブルT1〜T4のいずれかを選択して用いた制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、出力音量値テーブルT1〜T4以外の他の出力音量値テーブルを用いてもよい。たとえば、
図8に示す本発明の変形例のように、出力音量値が一定である部分が2箇所あるように設定された出力音量値テーブルを用いてもよい。この場合、音量設定値が所定の音量設定値Vf1よりも小さい範囲(0レベル以上Vf1よりも小さい範囲)では一定の出力音量値F1、音量設定値が所定の音量設定値Vf2よりも大きい範囲(Vf2以上最大値以下の範囲)では一定の出力音量値F2、そして、これらの間の音量設定値(Vf1以上Vf2よりも小さい範囲)については、線形的に変化させるように構成していてもよい。
【0111】
また、上記第1〜第5実施形態では、出力部4から出力される「出力音量値」を0レベル(0%)〜100レベル(100%)の範囲での音量調整量として直接的に捉えており、この大きさを設定するための出力音量値テーブルT1〜T4を設けたが、本発明はこれに限られない。出力音量値テーブルT1〜T4に規定される「出力音量値」の考え方として、たとえば、表示装置100に外部から入力される「入力音声データ」に対してアンプ3により所定の増幅率Aを乗じたものに上記した音量調整量(0%〜100%)をさらに乗じて「出力音量値」が得られるような構成であってもよく、このような構成に対して、本発明の「第2信号」の音量が所定音量よりも小さい第1音量となる音量設定の場合に、「第1音声」の音量をこの第1音量よりも大きくするように表示装置を構成してもよい。また、他の構成例として、出力部4から出力される「出力音量値」は、外部から入力される「入力音声データ」に対して音量調整増幅率B(−∞〜+αの範囲の数値)を乗じて得られるような構成に対しても、本発明を適用することも可能である。
【0112】
また、上記第1〜第5実施形態では、ガイダンス音声の一例としてリモコン50を用いて表示装置100に対して行う操作に関する情報や表示装置100の状態に関する情報を通知する音声を例示したが、本発明はこれに限られない。本発明における「第1音声」は、スピーカ9からの音量(ボリューム)をユーザが変更する際に「ボリューム**です」や「ボリュームは最大(最小)に設定されています」などの音声であってもよい。また、本発明における「第1音声」は、チャンネル番号をユーザが変更する際に「チャンネル**です」などの音声であってもよい。この場合、チャンネル番号が発音されてもよいし、受信部6を介してEPGから取得された放送局名が発音であってもよい。また、本発明における「第1音声」は、表示装置100に対する外部入力を切り替える際にたとえば「HDMI**番です(登録商標)」や「ビデオ入力です」や「PCが接続されました」などのような音声内容であってもよい。さらには、ユーザが表示装置100に対して行う操作の一環として、メニュー操作を行う場合が想定されるが、この場合に「画質設定メニューです」や「音声設定メニューです」など、メニュー画面でカーソルがその時点で選択しているメニュー項目名をユーザに知らせる趣旨の音声内容であってもよい。これらもすべて、ガイダンス音声に含まれる。
【0113】
また、上記第1〜第5実施形態では、通常、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベルのときガイダンス音声の出力音量値を0レベルよりも大きくし、非ガイダンス音声の出力音量値が0レベル以外のときガイダンス音声の出力音量値を非ガイダンス音声の出力音量値以上としたが、本発明はこれに限られない。たとえば、ユーザ側の都合によって、ガイダンス音声の出力音量値の特性と非ガイダンス音声の出力音量値の特性とが上記とは反対になる(反転させる)ようにユーザが音声出力処理の設定を一時的に変更することが可能に表示装置100〜500を構成していてもよい。そして、視覚に障害があるユーザが表示装置100〜500を使用する際に、もとの設定状態に戻すことが可能に構成されていればよい。