特開2017-212775(P2017-212775A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-212775(P2017-212775A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20171102BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20171102BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20171102BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20171102BHJP
   H02J 7/10 20060101ALN20171102BHJP
【FI】
   B60L11/18 C
   H02J7/00 P
   H02J7/02 F
   H02J7/00 S
   B60L3/00 H
   H02J7/10 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-102523(P2016-102523)
(22)【出願日】2016年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】福島 淳吾
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CB11
5G503FA06
5G503FA14
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BC28
5H125CD04
5H125DD02
5H125EE70
(57)【要約】
【課題】外部電源へのノイズの伝播防止と機器の作動とを両立する。
【解決手段】外部充電が可能な第一バッテリ11Aと、電源30と第一バッテリ11Aとを接続する充電回路40における第一バッテリ11Aと並列に接続されたバッテリ回路41上に介装された第二バッテリ11Bと、バッテリ回路41における第二バッテリ11Bと並列に接続された機器回路42上に介装され、バッテリ11A,11Bを電力源とする機器12と、バッテリ回路41上のうち充電回路40との接続点41aと機器回路42と接続点41bとの間に配された断接切替用のバッテリ遮断器21と、機器回路42上に配された断接切替用の機器遮断器22と、充電コネクタ33の接続中に機器12が作動する場合には、機器遮断器22によって機器回路42を接続するとともにバッテリ遮断器21によってバッテリ回路41を切断する制御装置1と、を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外部の電源から延びる充電コネクタを前記車両に接続し外部充電が可能な車両駆動用の第一バッテリと、
前記電源と前記第一バッテリとを接続する充電回路における前記第一バッテリと並列に接続されたバッテリ回路上に介装された第二バッテリと、
前記バッテリ回路における前記第二バッテリと並列に接続された機器回路上に介装され、前記第一バッテリ及び前記第二バッテリを電力源とする機器と、
前記バッテリ回路上のうち前記充電回路との接続点及び前記機器回路との接続点の間に配され、前記バッテリ回路の断接状態を切り替えるバッテリ遮断器と、
前記機器回路上に配され、前記機器回路の断接状態を切り替える機器遮断器と、
前記充電コネクタの接続中に前記機器が作動する場合には、前記機器遮断器によって前記機器回路を接続するとともに前記バッテリ遮断器によって前記バッテリ回路を切断する制御装置と、
を備えたことを特徴とする、電動車両。
【請求項2】
前記制御装置は、前記機器が停止していれば前記機器遮断器によって前記機器回路を切断する
ことを特徴とする、請求項1記載の電動車両。
【請求項3】
前記制御装置は、前記外部充電中に前記機器が停止していれば前記バッテリ遮断器によって前記バッテリ回路を接続する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の電動車両。
【請求項4】
前記充電回路上における前記バッテリ回路との接続点と前記第一バッテリとの間に配され、前記充電回路に対する前記第一バッテリの断接状態を切り替える充電遮断器を備え、
前記制御装置は、前記外部充電中に前記機器が作動したのち停止した場合には、前記バッテリ遮断器によって前記バッテリ回路を接続するとともに前記充電遮断器によって前記第一バッテリを切断する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の電動車両。
【請求項5】
前記制御装置は、前記充電遮断器によって前記第一バッテリを切断している場合に、前記第二バッテリの充電率が前記第一バッテリの充電率よりも所定値以上高くなったら、前記充電遮断器によって前記第一バッテリを接続する
ことを特徴とする、請求項4記載の電動車両。
【請求項6】
前記バッテリ遮断器に対して並列に接続された補助回路上に配された抵抗器と、
前記補助回路上に配され、前記補助回路の断接状態を切り替える補助遮断器と、を備え、
前記制御装置は、前記バッテリ回路の断接状態を切り替える場合には、前記バッテリ遮断器の制御よりも先に前記補助遮断器をオンに制御する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の電動車両。
【請求項7】
前記抵抗器が、抵抗値を可変に制御可能な可変抵抗器であって、
前記制御装置は、前記バッテリ回路を切断する場合には、前記抵抗値を最小にして前記補助遮断器をオンに制御したのち前記バッテリ遮断器をオフに制御し、前記バッテリ回路を接続する場合には、前記抵抗値を最大にして前記補助遮断器をオンに制御するとともに前記抵抗値を徐々に低下させて最小になったら前記バッテリ遮断器をオンに制御する
ことを特徴とする、請求項6記載の電動車両。
【請求項8】
前記バッテリ遮断器は、前記バッテリ回路のうち前記第二バッテリを挟んで正極側と負極側との双方に配置された
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の電動車両。
【請求項9】
前記機器には、前記第一バッテリ及び前記第二バッテリの各冷却時及び車室内の冷房時の少なくとも何れか一つに使用されるエアコンコンプレッサが含まれる
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の電動車両。
【請求項10】
前記エアコンコンプレッサが、前記第一バッテリ及び前記第二バッテリの各冷却時と車室内の冷房時とに兼用されるものであり、
前記制御装置が、前記車室内の冷房時には前記第一バッテリ及び前記第二バッテリの各温度にかかわらず前記エアコンコンプレッサを作動させる
ことを特徴とする、請求項9記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両外部の電源を用いた外部充電が可能な駆動用バッテリを搭載した電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリは、その温度が高いほど充電効率が低下することが知られている。そのため、バッテリの充電中にその温度をモニタリングし、温度に応じてバッテリを冷却することで充電効率の低下を回避するようにした技術が存在する。例えば特許文献1には、車両外部の電源を用いたバッテリの外部充電中にその温度が所定温度以上に上昇した場合には、コンタクタを開いて充電一時停止状態とするとともに冷却装置によりバッテリを冷却する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−290535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両駆動用のバッテリは、車載充電器やエアコンコンプレッサといった車載機器の電力源としても使用される。車載機器のなかには、その作動時に大きなノイズを発生するものがあり、このノイズが電気回路を通じて他の機器に伝わると、他の機器に不具合を生じさせるおそれがある。例えば上記の特許文献1のように、バッテリの外部充電中に冷却装置を作動させる場合、冷却装置のノイズが充電電圧や充電電流を乱し、その乱れが電気回路を通じて車両外部の電源側へと伝わって、外部電源(例えば外部充電器や家庭用コンセントなど)に不具合を発生させるおそれがある。
【0005】
これに対し、外部充電中に車載機器が作動する場合に、電気回路を物理的に遮断することで外部充電を一時的に中断し、電気的なノイズの伝播を防止することが考えられる。しかしこの手法では、充電完了までに要する時間が長引くといった課題や、外部充電を一時停止させるための制御を外部電源側に追加する必要があるといった課題があるため、更なる改良の余地がある。
【0006】
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、外部電源へのノイズの伝播防止と機器の作動とを両立できるようにした、電動車両を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)ここで開示する電動車両は、車両外部の電源から延びる充電コネクタを前記車両に接続し外部充電が可能な車両駆動用の第一バッテリと、前記電源と前記第一バッテリとを接続する充電回路における前記第一バッテリと並列に接続されたバッテリ回路上に介装された第二バッテリと、前記バッテリ回路における前記第二バッテリと並列に接続された機器回路上に介装され、前記第一バッテリ及び前記第二バッテリを電力源とする機器と、前記バッテリ回路上のうち前記充電回路との接続点及び前記機器回路との接続点の間に配され、前記バッテリ回路の断接状態を切り替えるバッテリ遮断器と、前記機器回路上に配され、前記機器回路の断接状態を切り替える機器遮断器と、前記充電コネクタの接続中に前記機器が作動する場合には、前記機器遮断器によって前記機器回路を接続するとともに前記バッテリ遮断器によって前記バッテリ回路を切断する制御装置と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
(2)前記制御装置は、前記機器が停止していれば前記機器遮断器によって前記機器回路を切断することが好ましい。
(3)前記制御装置は、前記外部充電中に前記機器が停止していれば前記バッテリ遮断器によって前記バッテリ回路を接続することが好ましい。
【0009】
(4)前記充電回路上における前記バッテリ回路との接続点と前記第一バッテリとの間に配され、前記充電回路に対する前記第一バッテリの断接状態を切り替える充電遮断器を備え、前記制御装置は、前記外部充電中に前記機器が作動したのち停止した場合には、前記バッテリ遮断器によって前記バッテリ回路を接続するとともに前記充電遮断器によって前記第一バッテリを切断することが好ましい。
(5)このとき、前記制御装置は、前記充電遮断器によって前記第一バッテリを切断している場合に、前記第二バッテリの充電率が前記第一バッテリの充電率よりも所定値以上高くなったら、前記充電遮断器によって前記第一バッテリを接続することがより好ましい。
【0010】
(6)前記バッテリ遮断器に対して並列に接続された補助回路上に配された抵抗器と、前記補助回路上に配され、前記補助回路の断接状態を切り替える補助遮断器と、を備え、前記制御装置は、前記バッテリ回路の断接状態を切り替える場合には、前記バッテリ遮断器の制御よりも先に前記補助遮断器をオンに制御することが好ましい。
(7)このとき、前記抵抗器が、抵抗値を可変に制御可能な可変抵抗器であって、前記制御装置は、前記バッテリ回路を切断する場合には、前記抵抗値を最小にして前記補助遮断器をオンに制御したのち前記バッテリ遮断器をオフに制御し、前記バッテリ回路を接続する場合には、前記抵抗値を最大にして前記補助遮断器をオンに制御するとともに前記抵抗値を徐々に低下させて最小になったら前記バッテリ遮断器をオンに制御することがより好ましい。
【0011】
(8)前記バッテリ遮断器は、前記バッテリ回路のうち前記第二バッテリを挟んで正極側と負極側との双方に配置されていることが好ましい。
(9)前記機器には、前記第一バッテリ及び前記第二バッテリの各冷却時及び車室内の冷房時の少なくとも何れか一つに使用されるエアコンコンプレッサが含まれることが好ましい。
(10)このとき、前記エアコンコンプレッサが、前記第一バッテリ及び前記第二バッテリの各冷却時と車室内の冷房時とに兼用されるものであり、前記制御装置が、前記車室内の冷房時には前記第一バッテリ及び前記第二バッテリの各温度にかかわらず前記エアコンコンプレッサを作動させることがより好ましい。
【発明の効果】
【0012】
開示の電動車両によれば、充電コネクタの接続中に機器を使用する場合には、機器回路が接続されて第二バッテリの電力で機器を作動させることができる。一方で、第一バッテリと外部電源とは接続状態のままであるため、外部充電を実施している場合には外部充電を継続することができる。さらにこのとき、バッテリ遮断器によってバッテリ回路が切断されるため、機器の電気的なノイズが回路を通じて外部電源側へと伝わることを防ぐことができる。つまり、開示の電動車両によれば、外部電源の運転状態を特に制御することなく、機器の作動とノイズ伝播の防止とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第一実施形態の電動車両の構成を例示するブロック図である。
図2図1の車両で実施される制御手順を例示するフローチャートである。
図3図1の車両に搭載された制御装置の作用効果を説明するためのグラフである。
図4】第二実施形態の電動車両の構成を例示するブロック図である。
図5】第三実施形態の電動車両の構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して、実施形態としての電動車両について説明する。以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の各実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
【0015】
[1.第一実施形態]
[1−1.装置構成]
本実施形態の電動車両10(以下「車両10」という)を図1に示す。この車両10は、二つの車載バッテリ11A,11Bを動力源とする駆動用モータ(図示略)が搭載された電気自動車又はハイブリッド自動車である。
【0016】
各バッテリ11A,11Bは、後述のモータ制御ユニット12Cに内包されたインバータ(図示略)を介して駆動用モータと接続された駆動用バッテリであり、駆動モータによる回生発電電力及び車両外部の電源からの外部電力を充電可能に構成される。本実施形態では、二つのバッテリ11A,11Bの容量が異なるものとし、容量の大きな一方を第一バッテリ11Aとし、容量の小さな他方を第二バッテリ11Bとする。なお、これらを特に区別しない場合には、単にバッテリ11と呼ぶ。また、本実施形態では、車両外部の電源として外部充電器30を例示する。
【0017】
外部充電器30は、バッテリ11を車両外部から充電する外部充電設備であり、例えば商業施設,駐車場などに設置される急速充電スタンドや普通充電スタンドである。外部充電器30には充電ケーブル31が接続され、充電ケーブル31の先端部には充電コネクタ33(充電プラグや充電ガンとも呼ばれる)が接続される。充電ケーブル31及び充電コネクタ33には、電力供給線32(充電回路)や通信線(図示略)等が内蔵される。また、外部充電器30には、充電開始や充電停止のボタンを表示するともにボタン操作可能なタッチパネル34が設けられる。
【0018】
本実施形態の車両10には、バッテリ11の電力で作動する機器12として、エアコンコンプレッサ12A(Air Conditioner Compressor,A/C Comp),車載充電器12B(On Board Charger,OBC),モータ制御ユニット12C(Motor Control Unit,MCU)が設けられる。機器12の作動状態は、後述する制御装置1により制御される。エアコンコンプレッサ12Aは、冷媒を圧縮する装置である。本実施形態のエアコンコンプレッサ12Aは、バッテリ11の冷却時と車室内の冷房時とに兼用される。
【0019】
すなわち、バッテリ11の温度(以下「バッテリ温度TB」という)が上昇して冷却が必要となった場合には、エアコンコンプレッサ12Aが作動してバッテリ11が冷やされる。また、乗員によって空調操作がされた場合には、設定温度Tsが車室内の温度(以下「室内温度Tr」という)よりも高ければエアコンコンプレッサ12Aが作動して車室内が冷やされる。本実施形態のエアコンコンプレッサ12Aは、車室内の冷房時にはバッテリ11の温度にかかわらず作動する。なお、第一バッテリ11A,第二バッテリ11Bの各温度を区別する場合には、前者を第一バッテリ温度TBAと呼び、後者を第二バッテリ温度TBBと呼ぶ。
【0020】
車載充電器12Bは、車両外部の電源から供給される電力が交流の場合(例えば家庭用コンセントを電源とした場合)に、交流電力を直流に変換する電力変換装置である。モータ制御ユニット12Cは、駆動モータを制御するものであり、バッテリ11の直流電力を交流に変換して駆動モータへ供給するインバータを有する。
【0021】
図1中の太実線は、バッテリ11の充放電に係る高圧回路であり、直流電流が流れる。高圧回路には、外部充電器30と第一バッテリ11Aとを接続した充電回路40と、充電回路40における第一バッテリ11Aと並列に接続されたバッテリ回路41と、バッテリ回路41における第二バッテリ11Bと並列に接続された機器回路42A,42B,42Cとが含まれる。複数の機器回路42A〜42Cは、第二バッテリ11Bに対して互いに並列に接続される。上記のエアコンコンプレッサ12A,車載充電器12B,モータ制御ユニット12Cのそれぞれは、各機器回路42A,42B,42C上に介装される。なお、各機器回路42A,42B,42Cを特に区別しない場合には、単に機器回路42と呼ぶ。
【0022】
バッテリ回路41上には、第二バッテリ11Bが介装されるとともに、バッテリ回路41の断接状態を切り替えるバッテリ遮断器21が配される。また、機器回路42上には、機器回路42の断接状態を切り替える機器遮断器22が配される。各遮断器21,22は、オンオフ制御可能なスイッチ(開閉器)やコンタクタ(接触器)であり、オン(閉状態)に制御されると各回路41,42を接続し、オフ(開状態)に制御されると各回路41,42を切断する。なお、本実施形態では、バッテリ11を挟んでその正極側(Positive)と負極側(Negative)との双方に配置された各スイッチ(又はコンタクタ)のこと、及び、双方に配置された一対のスイッチ(あるいは一対のコンタクタ)のことを、いずれも「遮断器」と呼ぶ。
【0023】
バッテリ遮断器21は、バッテリ回路41のうち充電回路40との接続点41aと機器回路42との接続点41bとの間に配され、開状態で第一バッテリ11Aと第二バッテリ11Bとを分離す、閉状態でこれらを接続する。また、本実施形態の機器遮断器22は、全ての機器回路42A〜42Cに跨って配され、閉状態で全ての機器回路42A〜42Cをバッテリ回路21に接続し、開状態で全ての機器回路42A〜42Cをバッテリ回路21から切断する。これらの遮断器21,22のオンオフ(開閉状態)は、制御装置1により制御される。
【0024】
バッテリ回路41が接続された状態(バッテリ遮断器21が閉状態)で外部充電される場合には、二つのバッテリ11A,11Bがともに充電される。これに対し、バッテリ遮断器21によってバッテリ回路41が切断された場合には、二つのバッテリ11A,11B間を流れる電流が遮断される。そのため、バッテリ回路41が切断された状態(バッテリ遮断器21が開状態)で外部充電される場合には、第一バッテリ11Aのみが充電され、第二バッテリ11Bは充電されない。
【0025】
また、充電コネクタ3が接続されておらずバッテリ回路41が接続された状態(バッテリ遮断器21と機器遮断器22とが閉状態)で機器12が作動する場合には、二つのバッテリ11A,11Bの電力が使用される。これに対し、バッテリ遮断器21によってバッテリ回路41が切断された状態で機器12が作動する場合には、第二バッテリ11Bの電力のみが使用される。つまり、機器12が作動する場合には、機器回路42がバッテリ回路41に接続され、少なくとも第二バッテリ11Bの電力が使用可能な状態とされる。
【0026】
機器遮断器22によって機器回路42が切断された場合には、バッテリ11と機器12との間に流れる電流が遮断される。このとき、充電コネクタ33が車両10に接続されていれば、機器12と外部充電器30との間も当然に遮断される。すなわち、充電コネクタ33の接続中に機器回路42が切断されることで、機器12の電気的なノイズが回路40〜42及び電力供給線32を通じて外部充電器30へ伝播することが防がれる。
【0027】
バッテリ11A,11Bのそれぞれには、バッテリ温度TBを検出する温度センサ8A,8Bと、バッテリ11の通電電流を検出する電流計と、バッテリ電圧を検出する電圧計(何れも図示略)とが設けられる。また、車両10には、乗員による空調操作を検出する空調スイッチ6,室内温度Trを検出する室温センサ7,充電電流を検出する電流計等の各種センサが設けられる。空調操作には、空調のオンオフ操作や設定温度Tsの入力操作が含まれる。これらの各種センサ類で検出された情報は、制御装置1に伝達される。
【0028】
制御装置1は、車両10に搭載される各種装置を統合制御する電子制御装置である。制御装置1は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両10に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。制御装置1の制御対象としては、バッテリ11,機器12,遮断器21,22等が挙げられる。
【0029】
[1−2.制御構成]
本実施形態の制御装置1は、充電コネクタ33が接続されている場合に、機器12の作動を制御するとともに遮断器21,22のオンオフを制御する。以下、前者の制御を「機器制御」と呼び、後者の制御を「スイッチ制御」と呼ぶ。本実施形態では、車両外部の電源として直流の外部充電器30を例示しているため、機器制御ではエアコンコンプレッサ12Aの作動が制御されることになるが、車両外部の電源が交流電力である場合には車載充電器12Bの作動も制御される。なお、充電コネクタ33の接続中には、モータ制御ユニット12Cはオフ(停止状態)とされる。
【0030】
制御装置1は、各バッテリ11A,11Bの電圧,電流,バッテリ温度TB,充電率等を監視して、二つのバッテリ11A,11Bに対して外部充電が可能な状態か否かの判断を行う。ここでいう「外部充電が可能な状態」には、少なくとも充電コネクタ33が車両10の充電口16に接続された状態が含まれる。また、例えばバッテリ11が満充電状態ではないこと、車両10のメイン電源がオフであることを上記の状態に含んでもよい。制御装置1は、外部充電が可能な状態であるときに、上記の機器制御及びスイッチ制御を実施する。
【0031】
本実施形態の機器制御では、バッテリ温度TBと車室内の冷房要求とに応じてエアコンコンプレッサ12Aの作動,停止が制御される。本実施形態の制御装置1は、外部充電が可能な状態で、以下の条件1〜3の少なくとも一つが成立した場合にエアコンコンプレッサ12Aを駆動する。また、エアコンコンプレッサ12Aの作動中に以下の条件4〜6が全て成立した場合に、その作動を停止する。つまり、エアコンコンプレッサ12Aの作動を開始させる条件(開始条件)は、以下の条件1〜3の少なくとも一つが成立することであり、作動を停止させる条件(終了条件)は、以下の条件4〜6の全てが成立することである。
【0032】
==開始条件==
条件1:第一バッテリ温度TBA≧開始温度TB1
条件2:第二バッテリ温度TBB≧開始温度TB1
条件3:車室内の冷房がオンである
==終了条件==
条件4:第一バッテリ温度TBA<停止温度TB2
条件5:第二バッテリ温度TBB<停止温度TB2
条件6:車室内の冷房がオフである
【0033】
なお、条件1,2の開始温度TB1は、各バッテリ11A,11Bの冷却を開始するか否かを判定するための閾値温度であり、例えばバッテリ11の構成やバッテリ11を冷却する冷却装置の性能等に基づいて予め設定される。本実施形態では、条件1,2で同一の閾値温度(開始温度TB1)を用いているが、これらを異なる温度に設定してもよい。なお、条件4,5の停止温度TB2は、各バッテリ11A,11Bの冷却を終了するか否かを判定するための閾値温度であり、その設定の仕方は開始温度TB1と同様である。また、条件3の「冷房がオン」となるのは、例えばドライバによる空調のオン操作があった場合や、空調の電源がオン状態で室内温度Trが設定温度Tsよりも高い場合である。同様に、条件6の「冷房がオフ」となるのは、例えばドライバによる空調のオフ操作があった場合や、室内温度Trが設定温度Tsよりも低い場合である。
【0034】
制御装置1は、このような機器制御と連動して、充電コネクタ33の接続中に遮断器21,22の各オンオフ状態を制御する。スイッチ制御では、上記の開始条件,終了条件の成否(エアコンコンプレッサ12Aの作動状態)に応じて、二つの遮断器21,22の一方がオンに制御されるとともに他方がオフに制御される。なお、外部充電が可能な状態でない場合(例えば充電コネクタ33が接続されていない場合)は、遮断器21,22がいずれもオン状態に制御される。
【0035】
制御装置1は、外部充電が可能な状態で開始条件が成立していなければ、機器遮断器22をオフに制御するとともにバッテリ遮断器21をオンに制御する。これにより、バッテリ回路41が接続されることから、外部充電器30からの電力が二つのバッテリ11A,11Bに供給されて外部充電が行われる。一方で、機器回路42が切断されることから、エアコンコンプレッサ12Aは電力供給されずに停止状態となる。なお、充電コネクタ33が接続された時点では二つの遮断器21,22がいずれもオン状態であるため、実際には、外部充電が可能な状態になった時点で開始条件が不成立であれば、機器遮断器22をオフに制御し、バッテリ遮断器21はオン状態のまま維持する。
【0036】
バッテリ11の外部充電中に上記の開始条件が成立した場合には、制御装置1はエアコンコンプレッサ12Aを駆動する。ただし、制御装置1は、バッテリ遮断器21をオフに制御し、次いで機器遮断器22をオンに制御してからエアコンコンプレッサ12Aを駆動する。これにより、バッテリ回路41が切断されることから、第一バッテリ11Aの外部充電は継続したまま第二バッテリ11Bの外部充電のみが中断される。また、第二バッテリ11Bの外部充電が中断されたのちに機器回路42が接続されることから、エアコンコンプレッサ12Aが第二バッテリ11Bの電力によって作動する。さらにこのとき、バッテリ遮断器21がオフに制御されているため、エアコンコンプレッサ12Aのノイズが回路40〜42及び電力供給線32を通じて外部充電器30側へ伝播することが防止される。
【0037】
制御装置1は、エアコンコンプレッサ12Aの作動中に上記の終了条件が成立した場合には、その作動を停止させる。次いで、機器遮断器22をオフに制御して機器回路42をバッテリ回路41から切り離すとともに、バッテリ遮断器21をオンに制御してバッテリ回路41を接続する。これにより、第二バッテリ11Bの外部充電が再開される。
【0038】
[1−3.フローチャート]
図2は、上述した機器制御及びスイッチ制御の手順を例示するフローチャートである。このフローは、制御装置1において所定の演算周期で繰り返し実施される。フロー中のフラグFは、バッテリ11のエアコンコンプレッサ12Aの作動状態を表す変数であり、F=0は停止中,F=1は作動中に対応する。なお、フラグFの初期値はF=0である。
【0039】
図2に示すように、制御装置1では、まず各種センサ類で検出された情報が取得され(ステップS1)、外部充電が可能な状態であるか否かが判断される(ステップS2)。ここで、例えば充電コネクタ33が接続されていなければ外部充電が可能な状態ではないため、ステップS3に進み、フラグFがF=0であるか否かが判定される。フラグFの初期値はF=0であるため、ステップS4に進み、機器遮断器22がオンに制御されるとともに、バッテリ遮断器21もオンに制御されて(ステップS5)、このフローをリターンする。
【0040】
ステップS2において外部充電が可能な状態であると判定されると、フラグFがF=0であるか否かが判定される(ステップS6)。充電コネクタ33が接続された時点ではフラグFがF=0のため、ステップS7に進み、上記の開始条件が成立したか否かが判定される。開始条件が不成立であれば、機器遮断器22がオフに制御されて機器回路42が切断される(ステップS8)。また、バッテリ遮断器21はオン状態のまま維持され(ステップS9)、このフローをリターンする。
【0041】
ステップS7において開始条件が成立すると、ステップS10に進み、バッテリ遮断器21がオフに制御されてバッテリ回路41が切断される。次いで、機器遮断器22がオンに制御されて機器回路42が接続され(ステップS11)、エアコンコンプレッサ12Aの作動が開始される(ステップS12)。すなわち、外部充電器30による外部充電を中断することなく、エアコンコンプレッサ12Aの作動が開始される。続くステップS13では、フラグFがF=1に設定される。
【0042】
ステップS14では、上記の終了条件が成立したが否かが判定される。終了条件が不成立であれば、このフローをリターンし、次回以降の周期ではステップS6からステップS14に進んで、終了条件の成否判定が繰り返し実施される。なお、終了条件の成立前に外部充電が可能な状態ではなくなった場合には(ステップS2)、ステップS3に進んでフラグFの判定が行われる。この場合はフラグFがF=1であるため、ステップS19に進んでフラグFがF=0にリセットされるとともに、ステップS20においてエアコンコンプレッサ12Aが停止され、ステップS4に進む。
【0043】
ステップS14において終了条件が成立すると、ステップS15に進み、エアコンコンプレッサ12Aが停止され、機器遮断器22がオフに制御されて機器回路42が切断される(ステップS16)。次いで、バッテリ遮断器21がオンに制御されてバッテリ回路41が接続される(ステップS17)。これにより、第二バッテリ11Bの外部充電が再開される。そして、フラグFがF=0に設定されて(ステップS18)、このフローをリターンする。
【0044】
[1−4.作用]
図3は、上述した制御装置1による作用を説明するためのグラフである。制御装置1により外部充電が可能な状態であると判定されると(時刻t0)、バッテリ遮断器21がオン,機器遮断器22がオフにそれぞれ制御されて、バッテリ11A,11Bの外部充電が開始される。
【0045】
外部充電中に乗員による空調操作がなされて車室内の冷房が必要となると(時刻t1)、バッテリ遮断器21がオフに制御されたのち、機器遮断器22がオンに制御されて、第一バッテリ11Aの外部充電は継続したまま、第二バッテリ11Bの電力でエアコンコンプレッサ12Aが作動する。すなわち、第一バッテリ11Aの通電電流が増大するとともに第二バッテリ11Bの通電電流がマイナス(放電)となる。時刻t2に車室内の冷房がオフになると、エアコンコンプレッサ12Aが止められ、機器遮断器22がオフに制御されたのち、バッテリ遮断器21がオンに制御される。これにより、第二バッテリ11Bの外部充電が再開される。
【0046】
ここで、外部充電器30からの充電電流は、冷房のオンオフにかかわらず常に一定値となる。すなわち、エアコンコンプレッサ12Aの作動状態に応じて外部充電器30の運転状態を制御する必要はない。また、時刻t3に第一バッテリ温度TBAが開始温度TB1以上となると、先ほどと同様に、バッテリ遮断器21がオフに制御されたのち、機器遮断器22がオンに制御されて、第一バッテリ11Aの外部充電は継続したまま、第二バッテリ11Bの電力でエアコンコンプレッサ12Aが作動する。
【0047】
[1−5.効果]
(1)上述した車両10では、充電コネクタ33の接続中に機器12を使用する場合には、機器回路42が接続されて第二バッテリ11Bの電力で機器12を作動させることができる。一方で、第一バッテリ11Aと外部電源である外部充電器30とは接続状態のままであるため、外部充電を実施している場合には外部充電を継続することができる。
【0048】
さらにこのとき、バッテリ遮断器21によってバッテリ回路41が切断されるため、機器12の電気的なノイズが回路40〜42を通じて外部充電器30側へと伝わることを防ぐことができる。これにより、充電電圧や充電電流の乱れを防止でき、これらの乱れによる外部充電器30の故障や誤作動を防止することができる。つまり、上述した車両10によれば、外部充電器30の運転状態を特に制御することなく(運転しているのであればその運転を継続したまま)、機器12の作動とノイズ伝播の防止とを両立することができる。
【0049】
(2)上述した車両10では、機器12が停止している場合には、機器遮断器22によって機器回路42が切断される。つまり、機器12の停止中は機器回路42自体を切断しておくことで、ノイズの伝播を確実に防ぐことができる。
(3)また、外部充電中に機器12が停止しているときは、バッテリ遮断器21によってバッテリ回路41が接続されるため、第一バッテリ11Aに加えて第二バッテリ11Bの外部充電をも行うことができる。
【0050】
(4)上述したバッテリ遮断器21は、第二バッテリ11Bを挟んでその正極側と負極側との双方に配置されている。このため、充電コネクタ33の接続中に機器12が作動する場合にバッテリ遮断器21がオフに制御されると、外部充電器30と接続される充電回路40と機器回路42とを物理的に切断することができる。これにより、機器作動時のノイズの伝播を確実に防止遮断することができる。
【0051】
(5)エアコンコンプレッサ12Aはその作動時に大きな電気的ノイズを発生することが知られている。そのため、エアコンコンプレッサ12Aの作動時に二つの遮断器21,22を制御することで、外部充電器30側へのノイズの伝播を防ぎながら、外部充電を完了させることができる。
(6)本実施形態のエアコンコンプレッサ12Aは、バッテリ11の冷却時にも車室内の冷房時にも使用されるものであり、制御装置1は、車室内の冷房時にはバッテリ温度TBにかかわらずエアコンコンプレッサ12Aを作動させる。このため、乗員の冷房要求に応えつつ、バッテリ11を冷却して保護することができるとともに外部充電器30側へのノイズの伝播を防止することができる。
【0052】
[2.第二実施形態]
第二実施形態の車両10′(電動車両)を図4に示す。この車両10′には、第一実施形態の充電回路40上に、上述した遮断器21,22と同様の遮断器23(以下「充電遮断器23」という)が第一バッテリ11Aの両側(正極側及び負極側)に設けられている点で第一実施形態の車両10とは異なる。なお、第一実施形態と同様の構成については第一実施形態と同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0053】
上述した第一実施形態の車両10では、外部充電中に機器12が作動する場合、第二バッテリ11Bの電力が消費されながら、第一バッテリ11Aの外部充電は継続される。このため、二つのバッテリ11A,11Bの充電状態(充電率)の差は拡大していく。そこで、この差を縮めるために、本実施形態の車両10′では、充電回路40上におけるバッテリ回路41との接続点41aと第一バッテリ11Aとの間に充電遮断器23が配されている。
【0054】
充電遮断器23は、充電回路40に対する第一バッテリ11Aの断接状態を切り替えるオンオフ制御可能なスイッチ(開閉器)やコンタクタ(接触器)である。充電遮断器23は、オン(閉状態)に制御されると充電回路40に対し第一バッテリ11Aを接続する。一方、充電遮断器23は、オフ(開状態)に制御されると充電回路40から第一バッテリ11Aを切断する(充電回路40のうち第一バッテリ11Aが介装されている部分のみを切断する)。すなわち、充電遮断器23は、開状態で外部充電器30から第一バッテリ11Aのみを分離し、第二バッテリ11Bの外部充電器30への接続状態は維持する。
【0055】
本実施形態の制御装置1は、上述した機器制御を実施するとともに、上述したスイッチ制御に加えて、外部充電中に機器12(エアコンコンプレッサ12A)が作動したのち停止した場合には、機器遮断器22によって機器回路42を切断し、バッテリ遮断器21によってバッテリ回路41を接続するとともに、充電遮断器23によって第一バッテリ11Aを充電回路40から切断する。なお、充電遮断器23は、このタイミング以外では常にオンに制御されて第一バッテリ11Aと充電回路40とを接続状態とする。
【0056】
つまり、本実施形態の制御装置1は、エアコンコンプレッサ12Aの作動中に上記の終了条件が成立したらその作動を停止させ、機器遮断器22をオフに制御することで機器回路42をバッテリ回路41から切り離す。さらにその後、バッテリ遮断器21をオンに制御することでバッテリ回路41を接続するとともに、充電遮断器23をオフに制御して第一バッテリ11Aを切断する。これにより、外部充電器30には第二バッテリ11Bのみが接続された状態となり、第二バッテリ11Bの外部充電が再開されるとともに、第一バッテリ11Aの外部充電が中断される。つまり、第二バッテリ11Bのみを充電する機会が設けられるため、二つのバッテリ11A,11Bの充電状態が大きく異なることを防ぐことができる。
【0057】
なお、充電遮断器23を再びオンに制御するタイミングとしては、例えば、第二バッテリ11Bの充電率SOCBが第一バッテリ11Aの充電率SOCAよりも所定値α以上高くなった時(SOCB≧SOCA+α)が挙げられる。これは、例えば図3の時刻t3のように、外部充電中に再び機器12が作動する場合もあるため、こうした場合を見越して第二バッテリ11Bの充電率をやや高めにしておくという考え方である。このタイミングで充電遮断器23を制御して充電回路40に対して第一バッテリ11Aを接続することで、次に機器12が作動する機会に備えることができる。また、充電率によってタイミングを設定する場合であっても、例えば二つのバッテリ11A,11Bの充電率の差ΔSOC(=SOCA−SOCB)が所定範囲内に収まることを条件としてもよい。あるいは、充電遮断器23のオフ状態が所定時間継続したらオンにするといった時間で制御してもよい。
【0058】
[3.第三実施形態]
第三実施形態の車両10″(電動車両)を図5に示す。この車両10″には、第一実施形態のバッテリ回路41上に配されたバッテリ遮断器21に対して並列に接続された補助回路43が設けられている点で第一実施形態の車両10とは異なる。なお、第一実施形態と同様の構成については第一実施形態と同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0059】
補助回路43は、バッテリ回路41の切り替え時における第二バッテリ11Bの電流電圧脈動を抑制するためのものである。本実施形態の補助回路43は、バッテリ11を挟んでその正極側と負極側とのそれぞれに配置されたスイッチ又はコンタクタ(バッテリ遮断器21)に対し並列に接続されている。すなわち、補助回路43は正極側と負極側とに設けられ、各補助回路43上には、上述した遮断器21,22と同様の遮断器24(以下「補助遮断器24」という)と、抵抗値が一定の抵抗器25とが配される。補助遮断器24は、補助回路43の断接状態を切り替えるオンオフ制御可能なスイッチ(開閉器)やコンタクタ(接触器)である。補助遮断器24は、オン(閉状態)に制御されると補助回路43を接続し、オフ(開状態)に制御されると補助回路43を切断する。
【0060】
本実施形態の制御装置1は、上述した機器制御及びスイッチ制御に加えて、補助遮断器24のオンオフ制御も実施する。具体的には、バッテリ回路41の断接状態を切り替える場合には、バッテリ遮断器21のオンオフ制御よりも先に補助遮断器24をオンに制御する。すなわち、上記の開始条件が成立した場合には、補助遮断器24をオンに制御して補助回路43を接続してからバッテリ遮断器21をオフに制御してバッテリ回路41を切断する。なお、補助遮断器24は、機器遮断器22の接続前にオフに制御される。これにより、バッテリ回路41が切断された状態でも、第二バッテリ11Bへは補助回路43を通じて、抵抗器25の分だけ絞られた電流が流れることになる。
【0061】
また、機器12(エアコンコンプレッサ12A)の作動中に上記の終了条件が成立した場合には、その機器12の作動を停止させて機器遮断器22をオフに制御したのち、補助遮断器24をオンに制御して補助回路43を接続してからバッテリ遮断器21をオンに制御してバッテリ回路41を接続する。なお、補助遮断器24は、バッテリ回路41が接続されたらオフに制御される。これにより、バッテリ回路41が接続される前に、第二バッテリ11Bへは補助回路43を通じて、抵抗器25の分だけ絞られた電流が流れることになる。
【0062】
このように、バッテリ回路41の断接状態を切り替える場合に、バッテリ遮断器21のオンオフ制御よりも先に補助遮断器24をオンに制御することで、回路切り替え時における第二バッテリ11Bの電流(電圧)脈動を抑制することができる。
なお、本実施形態では、抵抗器25の抵抗値が一定である場合を説明したが、抵抗器25が抵抗値を可変に制御可能な可変抵抗器であってもよい。
【0063】
この場合、制御装置1は、バッテリ回路41を切断するときには、抵抗値を最小にした状態で補助遮断器24をオンに制御して補助回路43を接続したのち、バッテリ遮断器21をオフに制御する。これにより、バッテリ回路41が切断された状態でも、第二バッテリ11Bへは補助回路43を通じて、抵抗器25の抵抗値(最小値)の分だけ絞られた電流が流れることになる。さらに制御装置1は、抵抗器25の抵抗値を徐々に上昇させ、最大値になったら補助遮断器24をオフに制御して補助回路43を切断する。これにより、第二バッテリ11Bへと流れる電流値が徐々に小さくされ、補助回路43の切断により最終的にゼロとなるため、回路切り替え時における第二バッテリ11Bの電流(電圧)脈動をより一層抑制することができる。
【0064】
また、制御装置1は、バッテリ回路41を接続するときには、抵抗値を最大にした状態で補助遮断器24をオンに制御して補助回路43を接続し、抵抗値を徐々に上昇させる。そして、抵抗値が最大になったらバッテリ遮断器21をオンに制御するとともに補助遮断器24をオフに制御する。これにより、バッテリ回路41が接続される前に、第二バッテリ11Bへは補助回路43を通じて、最初は抵抗器25の抵抗値(最大値)の分だけ絞られた小さな電流が流れ、徐々に電流値が大きくなっていき、最終的にバッテリ回路41が接続されるため、回路切り替え時における第二バッテリ11Bの電流(電圧)脈動をより一層抑制することができる。
【0065】
[4.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述した第二実施形態と第三実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、充電遮断器23を設けるとともに補助回路43(補助遮断器24,抵抗器25)を設けて、制御装置1が各遮断器21〜24のオンオフ制御を実施する構成としてもよい。
【0066】
上述した各実施形態では、機器12として三つの機器12A〜12Cを例示し、充電コネクタ33の接続中に作動しうるエアコンコンプッサ12Aに対する制御を機器制御として説明したが、機器制御はこれに限られない。例えば、バッテリ11とは別の補機バッテリ(図示略)の充電時にバッテリ11の電圧を降圧する降圧器としてのDCDCコンバータ(図示略)が機器12に含まれていてもよい。
【0067】
DCDCコンバータは、例えば上記の機器回路42A〜42Cと互いに並列に接続された機器回路上に介装され、バッテリ11を電力源とし、補機バッテリの充電率が所定充電率以下の場合に制御装置1によって駆動されるものである。この場合、上記の開始条件に「補機バッテリの充電率≦所定充電率」という条件が含まれることになる。このように、エアコンコンプレッサ12Aに限らず、充電コネクタ33の接続中に作動しうる機器12に対して上述した機器制御及びスイッチ制御を実施することで、上述したものと同様の作用効果を得ることができる。
【0068】
上述した回路構成は一例であって、上述したものに限られない。上記各実施形態では、機器遮断器22が全ての機器回路42に跨って配されたものを例示したが、機器回路42A〜42C毎に機器遮断器22が配されてオンオフ制御される構成であってもよい。この場合、作動中の機器12と同一回路上に配された機器遮断器22に対してオンオフ制御すればよい。また、機器回路42A〜42Cに配される機器遮断器22の代わりに、各機器12に機器遮断器22を設けて(機器12毎に機器遮断器22を内蔵させて)、機器12の作動状態に合わせて機器遮断器22のオンオフを制御する構成としてもよい。
【0069】
また、車載充電器12B及びモータ制御ユニット12Cが有害な電気的ノイズを発生しない(あるいはそのノイズが非常に小さい)場合には、機器遮断器22の位置を変更し、これらの機器12B,12Cが介装された機器回路42B,42Cがバッテリ回路41から切断されない構成としてもよい。また、車両外部の電源は直流の外部充電器30に限られず、例えば家庭用電源といった交流の電源であってもよい。
【0070】
上述した各実施形態では、バッテリ11を挟んでその正極側と負極側との双方に配置された一対のスイッチ又は一対のコンタクタのこと「遮断器」と呼んでいたが、正極側,負極側のいずれか一方のみにスイッチやコンタクタが配置された遮断器であってもよい。なお、補助回路43もいずれか一方のみに設けられていてもよい。
また、上述した機器制御及びスイッチ制御を、外部充電を実施しているときに限って実施してもよい。なお、上記の開始条件,終了条件は一例であり、上記の条件に限られない。また、二つのバッテリ11A,11Bの容量は特に限られない。なお、上記のエアコンコンプレッサ12Aがバッテリ11の冷却専用であってもよいし、車室内の冷房専用であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 制御装置
10,10′,10″ 車両(電動車両)
11A 第一バッテリ
11B 第二バッテリ
12 機器
12A エアコンコンプレッサ(機器,A/C Comp)
12B 車載充電器(機器,OBC)
12C モータ制御ユニット(機器,MCU)
21 バッテリ遮断器
22 機器遮断器
23 充電遮断器
24 補助遮断器
25 抵抗器,可変抵抗器
30 外部充電器(外部の電源)
32 電力供給線(充電回路)
33 充電コネクタ
40 充電回路
41 バッテリ回路
41a 充電回路とバッテリ回路との接続点
41b バッテリ回路と機器回路との接続点
42,42A,42B,42C 機器回路
43 補助回路
α 所定値
図1
図2
図3
図4
図5