【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、そのような制御介入(能力)は、ウインドパークの規模に応じて弱いことがある。更に、そのような制御介入(能力)は、夫々の電気供給ネットが運用される地域において比較的広範囲に亘って分散して配置されているが故に風力発電装置やウインドパークは分散型発電ユニットであるという事実のために、適用(利用)が困難でもあり得る。
【0006】
更に、例えばドイツのような少なからぬ国々では、伝統的な大規模発電装置とりわけ原子力発電装置を例えば風力発電装置のような再生可能エネルギ生成装置によって置き換えることが試みられている。しかしながら、この場合、大規模発電装置をシャットダウンしたりネットから切り離したりすると当該大規模発電装置のネット安定化作用が喪失するという問題が生じる。そのため、安定性のこの変化を少なくとも考慮するために、残留するないし新たに加わるエネルギ生成ユニットが必要とされる。
【0007】
それゆえ、本発明の課題は上述の問題の少なくとも1つに対処することであり、とりわけ、可及的に安定な電気供給ネットを形成可能にするために、ウインドパークによる電気供給ネットの支援を一層向上ないし改善する解決策の創出が望まれる。少なくとも、代替的な解決策の提案が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、請求項1に記載の方法が提案される。即ち、本発明の第1の視点により、少なくとも第1及び第2ウインドパークによって電気供給ネットに電力を給電するための方法が提供される。該方法は、以下の工程:
・電気供給ネットに給電するために、第1ウインドパークによって第1パーク電力を供給すること、
・電気供給ネットに給電するために、第2ウインドパークによって第2パーク電力を供給すること、
但し、少なくとも第1及び第2ウインドパークは、中間ネットに供給するために、それらの給電されるべき電力を給電し、
・中間ネットは、ウインドパークの電圧を中間ネットのより高い電圧に昇圧するために、各ウインドパークに夫々の変圧器を介して接続され、及び、
・中間ネットは、中間ネットの電圧を電気供給ネットのより高い電圧に昇圧するために、電気供給ネットに変圧器を介して接続されるものであり、及び、
・少なくとも第1及び第2パーク電力から総合電力を生成し、電気供給ネットに総合電力を給電すること、
を含み、
中間ネットから電気供給ネットへの給電が行われる領域ないし接続点において電気供給ネットに給電される総合電力を検出する中央制御ユニットであって、中間ネットと電気供給ネットの間の変圧器の領域において又は当該領域のうち該変圧器の前方の領域において実現される中央制御ユニットが設けられ、
・少なくとも第1及び第2ウインドパークは、夫々、当該ウインドパークの夫々の制御のためのパーク制御ユニットを含み、
・中央制御ユニットは、これらのパーク制御ユニットと接続され、及び、
・中央制御ユニットは、該少なくとも第1及び第2ウインドパークの夫々のパーク制御ユニットによって第1及び第2パーク電力の供給を制御し、
・中央制御ユニットは、電気供給ネットの実際の状態パラメータとしての周波数及び電圧レベルを検出し、それに依存して少なくとも第1及び第2パーク電力の供給を制御し、及び、
・各パーク制御ユニットは、夫々のウインドパークの少なくとも1つの状態パラメータに関する情報を提供し、該情報は、以下の項目:
・実際に利用可能な電力、
・予め設定される予測期間内において予測されるべき利用可能な電力、及び
・利用可能な電力の予測されるべき変化
を含むリストからの情報の少なくとも1つを含み、
中央制御ユニットは、給電される総合電力を制御するために、少なくとも第1及び第2パーク電力の供給を制御し、
中央制御ユニットは、電気供給ネットへの給電を、
・電気供給ネットの少なくとも1つの状態パラメータ、
・給電点についての電気供給ネットのネット感度、及び、
・短絡比
の少なくとも1つに依存して制御する。
更に、本発明の第2の視点により、本発明の方法に応じて電気供給ネットに電力を給電するよう適合されたウインドパークアレンジメントが提供される。該ウインドパークアレンジメントは、
・夫々複数の風力発電装置を含む少なくとも第1及び第2ウインドパーク、
・ウインドパークに接続され、該接続されたウインドパークから供給されるパーク電力を更に先に送るための電気的中間ネット、
但し、少なくとも第1及び第2ウインドパークは、中間ネットに供給するために、それらの給電されるべき電力を給電し、
・中間ネットは、ウインドパークの電圧を中間ネットのより高い電圧に昇圧するために、各ウインドパークに夫々の変圧器を介して接続され、及び、
・中間ネットは、中間ネットの電圧を電気供給ネットのより高い電圧に昇圧するために、電気供給ネットに変圧器を介して接続されるものであり、及び、
中間ネットから電気供給ネットへの給電が行われる領域ないし接続点において電気供給ネットに給電される総合電力を検出する中央制御ユニットであって、中間ネットと電気供給ネットの間の変圧器の領域において又は当該領域のうち該変圧器の前方の領域において実現される中央制御ユニット、
を含み、
・少なくとも第1及び第2ウインドパークは、夫々、当該ウインドパークの夫々の制御のためのパーク制御ユニットを含み、
・中央制御ユニットは、これらのパーク制御ユニットと接続され、及び、
・中央制御ユニットは、該少なくとも第1及び第2ウインドパークの夫々のパーク制御ユニットによって第1及び第2パーク電力の供給を制御し、
・中央制御ユニットは、電気供給ネットの実際の状態パラメータとしての周波数及び電圧レベルを検出し、それに依存して少なくとも第1及び第2パーク電力の供給を制御し、及び、
・各パーク制御ユニットは、夫々のウインドパークの少なくとも1つの状態パラメータに関する情報を提供し、該情報は、以下の項目:
・実際に利用可能な電力、
・予め設定される予測期間内において予測されるべき利用可能な電力、及び
・利用可能な電力の予測されるべき変化
を含むリストからの情報の少なくとも1つを含み、
中央制御ユニットはパーク電力から少なくとも部分的に生成される総合電力を給電するための及び接続されたウインドパークから供給される個々のパーク電力を制御し、
中央制御ユニットは、電気供給ネットへの給電を、
・電気供給ネットの少なくとも1つの状態パラメータ、
・給電点についての電気供給ネットのネット感度、及び、
・短絡比
の少なくとも1つに依存して制御する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では、電気供給ネットに電力を給電するための少なくとも2つのウインドパークを基本とする。本書に記載されている第1及び第2ウインドパークは、2以上のウインドパークを代表して記載されたものである。従って、本発明の教示は、第3以降のウインドパークにも相応に適用可能であり、第3ないしそれ以降の各ウインドパークは、それに応じて、第1及び第2ウインドパークについて記載された各種装置、接続態様、制御可能性及び挙動態様を同様に有する。
【0010】
かくして、少なくとも第1パーク電力が第1ウインドパークによって供給され、少なくとも第2パーク電力が第2ウインドパークによって供給され、最終的に、両者のパーク電力が電気供給ネットに給電されることになる。この少なくとも2つのパーク電力から、総合電力即ちこの両者のパーク電力の総和が生成され、3つ以上のウインドパークを使用する場合は、それらのパーク電力が夫々この総合電力に相応に加えられる。かくして、この総合電力が電気供給ネットに給電される。
【0011】
更に、給電される総合電力を制御するために、第1及び第2パーク電力の供給を制御する中央(集中)制御ユニットが提案される。総合電力が更なるパーク電力からも即ち第3の、場合によってはより多数のパーク電力からも生成される場合、この中央制御ユニットは、これらのパーク電力も制御し、以って、電気供給ネットに給電されるべき総合電力を制御するよう、相応に構成される。
【0012】
かくして、極めて大きな電力即ち少なくとも2つのウインドパークの電力によって規定される電力の中央(集中)的制御が提案される。これによって、制御ポテンシャルを高めることができる。なぜなら、原理的に、電気供給ネットの側から見ると、2以上のより小さい電力の代わりに1つの大きい電力が当該ネットに給電されるからであり、この電力は所望の要求に応じて制御できるからである。
【0013】
従って、提案に係る方法は、複数の風力発電装置の場合にもウインドパークの場合にも特徴的な分散的な制御を少なくする(ないし制御の範囲、程度を縮小する:verringert)。複数のウインドパークがこの態様で一緒に制御される程度が大きいほど、即ちそれらの個々のパーク電力が一緒に総合電力として給電され、この給電が中央制御ユニットによって連係的に(協働的ないし相互調整的に)実行されるほど、それだけ一層、従来の分散的(個別的)制御を中央制御に転換することを成功裏にすることができる。
【0014】
とりわけ、個々のウインドパークが夫々独自の制御を有し、そのため、複数のウインドパークの制御の相互調整が不良になったり、不都合な場合には、その上、相反的に(相互に妨害的に)作用(動作)したりすることが回避される。
【0015】
同じ電気供給ネットに給電する2つのウインドパークが相反的に(相互に対し妨害的に)作用(動作)する危険は、これら2つのウインドパークが電気供給ネットを支援するために同じ制御を実行した場合にも生じ得る。例えば、小さな測定精度の差があるだけでも、例示した両ウインドパークの支援挙動ないし制御挙動は相違し得る。しかしながら、両ウインドパーク間の時間のずれが僅かであっても問題になり得る。そのようなそれ自体は極めて小さい相違によってすら、一方のウインドパークが既に制御的にネットに介入しているにも拘らず、第2のウインドパークはまだその状態にないという危険が生じ得る。
【0016】
例えば、第1ウインドパークのそのような制御作用とりわけ支援作用が既に成功しているにも拘らず、第2ウインドパークの方ではその制御作用が開始される領域に入っていないということが起こり得る。その結果、この例では、第2ウインドパークの制御ポテンシャルは利用されていない。極めて極端な状況では、その上、第2ウインドパークが第1ウインドパークの制御結果を帳消し(aufheben)にしようと試み、そして、両ウインドパークが実際に相反的に作用(動作)することも起こり得る。このようなことはすべて、提案に係る方法によって回避される。
【0017】
有利には、これらのウインドパークの各々が夫々のウインドパークの制御のためのパーク制御ユニットを含む。中央制御ユニットは、これらのパーク制御ユニットと接続されており、第1及び第2パーク電力の供給を‐場合によっては更なるパーク電力を意味通りに‐夫々のウインドパークの夫々のパーク制御ユニットによって制御する。とりわけ、中央制御ユニットは、これらのパーク制御ユニットの各々に相応の制御命令を与える。更に、夫々のパーク制御ユニットは、必要な情報を中央制御ユニットに送り返すことができる。かくして、具体的なパーク制御は個々のパーク制御ユニットによって実行することができ、中央制御ユニットは関連するウインドパーク相互の連係運転(協働ないし相互調整:Koordination)を(予)設定値(Vorgabewerte)(これは各ウインドパークがその風力発電装置を用いて相応に変換する)によって制御することができる。
【0018】
このため、中央制御ユニットは、この連係運転のために必要とされる電気供給ネットの状態パラメータを検出すると有利である。尤も、中央制御ユニットは、周波数、位相及び電圧レベル(振幅)のような状態パラメータを複数のウインドパークについて一緒に検出し、これらの状態パラメータをその必要に応じて使用することもできる。
【0019】
追加的に又は代替的に、中央制御ユニットは、給電される総合電力の値を検出する。従って、中央制御ユニットは、それ自身によって制御される複数のウインドパーク(これは単純化してコンバインド(組み合わせ)ウインドパークとも称される)全体によって給電される電力を制御すること、及び、それに依存して、場合によっては相応の、制御を行うことができる。追加的に又は代替的に、中央制御ユニットは、外部の(予)設定値(Vorgabewert)を検出可能であること、とりわけ例えば電気供給ネットの運用者から受け取ることができることが提案される。そのため、中央(制御所)において(1つの)設定値を受け取って考慮し、それに基づいてコンバインドウインドパークを連係運転することができる。例えば、最大給電可能電力を設定し、これを給電されている総合電力と比較することができる。この比較に依存して、中央制御は、複数のウインドパークの制御に影響を及ぼすことができ、場合によっては1又は複数のウインドパークに対し相応の制御信号を与え、それによって、夫々のパーク電力に影響を及ぼすことができる。そして、それによって、総合電力は影響を受け、所望の値に合わせられることができる。
【0020】
一実施形態により、少なくとも第1及び第2ウインドパークが中間ネットに供給するためにそれらの給電されるべき電力を給電する方法であって、
・中間ネットは、ウインドパークの電圧を中間ネットのより高い電圧に昇圧するために、各ウインドパークに夫々の変圧器を介して接続され、及び/又は、
・中間ネットは、中間ネットの電圧を電気供給ネットのより高い電圧に昇圧するために、電気供給ネットに変圧器を介して接続される、
方法が提案される。
【0021】
かくして、両ウインドパークないし本発明の方法によって制御される更なるウインドパークが接続する中間ネットであって、原理的にそれらのパーク電力が該中間ネットに集められ、該中間ネットにおいて、総合電力が形成されて、該中間ネットから電気供給ネットに給電される中間ネットが提案される。パーク電圧の即ち各ウインドパークの電圧の昇圧は、ウインドパークの各々ための(に割り当てられた)変圧器によって夫々実行することができる。そのため、各ウインドパークの電圧は、中間回路に与えられる前に、昇圧される。追加的に又は代替的に、中間ネットの電圧を電気供給ネットの電圧に昇圧するための(1つの)変圧器が設けられる。各パーク電圧が中間ネットのより高い電圧に昇圧され、更に、中間ネットのこのより高い電圧が更に電気供給ネットの一層より高い電圧に昇圧されるよう構成することも可能である。有利には、中間ネットは中圧即ち1〜50kVの範囲の電圧を有し、電気供給ネットは高圧即ち凡そ110kVの電圧値を有する。
【0022】
中央制御ユニットは、中間ネットから電気供給ネットへの給電が行われる領域ないし接続点において電気供給ネットに給電される総合電力を検出すると有利である。これは、中間ネットと電気供給ネットの間の変圧器の領域において又は当該領域のうち該変圧器の前方(上流)の領域において、有利な態様で実現される。
【0023】
本発明の更なる一実施形態は、中央制御ユニットが、電気供給ネットの少なくとも1つの状態パラメータに依存して電気供給ネットへの給電を制御し、給電ノード(給電点:Einspeiseknoten)についての電気供給ネットのネット感度に依存して給電を制御すること、及び、中央制御ユニットが、追加的に又は代替的に、短絡比に依存して給電を制御することを提案する。
【0024】
ここで、状態パラメータ(Zustandsgroesse)としては、とりわけネット周波数f、ネット周波数の変化∂f/∂t及びネット電圧Uが考慮される。とりわけ、中央制御ユニットは、例えば電気供給ネットの運用者によって予め設定されていることが可能な設定値に応じて、電気供給ネットへの総合電力の給電を行う。更にまた、即ち追加的に、給電の制御は、状態パラメータに依存して実行することが可能であり、かくして、電気供給ネットにおける種々の事象(現象)に対する動的な(ダイナミック)応答(対応)が可能になる。例えば、ネット周波数fが定格(公称)値より大きい閾値を超えて上昇する場合、給電される総合電力が減少されるよう構成することができる。かくして、電気供給ネットの動的安定化ないし支援のためのそのような動的(dynamisch)制御を中央(集中)的に即ち中央制御ユニットによって実行することが提案される。その実行は、中央制御ユニットが相応の制御値ないし制御命令をパーク制御ユニット(複数)に与えるようにして行うことができる。他方、パーク制御ユニットのほうでは、相応に換算された値を関連するウインドパークの個々の風力発電装置に与える。
【0025】
結果的に、これらの2つのウインドパークは1つのユニットとして電気供給ネットに対し作用し、この場合、このユニットは、極めて大きい制御ポテンシャルを有する即ち少なくとも2つのウインドパークの電力を合わせ持っている。そのように結び合わされた個々のウインドパーク間の更にはウインドパーク内の個々の風力発電装置間の相反的(相互妨害的)作用(動作)は回避される。その他の点では、この方法は、電気供給ネットの運用者のための制御も単純化する。なぜなら、そのために、この運用者は、この1つの中央制御ユニットに対してのみ目標値その他の所望の値を与えさえすればよいからである。かくして、極めて大きい利用可能電力を有する1つのユニットに対して(1つのパラメータ)設定が行われる。
【0026】
上述のパーク電力及び上述の総合電力は原理的に有効電力に関するものである。しかしながら、有利には、この電力即ち有効電力のための説明した方法形態を意味内容に即して(sinngemaess)無効電力制御のために使用することが、更なる方策として提案される。この場合、中央制御ユニットは、個々のウインドパークに対し所望の無効電力給電を予め設定することができ、それによって、所望の総合無効電力給電即ち総合無効電力の給電を実現することができる。そのような無効電力給電は、とりわけ電気供給ネットの電圧Uに依存して考慮される。このため、ネット電圧が定格電圧より小さい閾値未満に低下したとき、制御ユニットがネット電圧の低下に応じて無効電力給電を増加することが、これは一例として列挙したに過ぎないが、一実施形態により提案される。
【0027】
中央制御ユニットによるそのような無効電力制御に対しても、大きな制御ポテンシャルが得られる。なぜなら、組み合されるすべてのウインドパークの即ち少なくとも例示した2つのウインドパークの制御ポテンシャルが一緒に中央制御ユニットの利用に供されるからである。そのようなネット状態、例えば例示したネット電圧がその定格(公称)値を有するか又は少なくともその定格(公称)値からずれていても許容範囲内にある場合は、無効電力が給電されないようにそのような無効電力制御を構成することができる。
【0028】
ネット支援を改善するための更なるパラメータとして、ネット感度が考慮される。そのようなネット感度は、とりわけ総合電力のための給電点に関する、電気供給ネットの瞬時的な(目下の:momentan)強度ないし安定性に関する情報を提供することができる。ネット感度はそのような電力制御に対し直接的に介入し得るが、有利には、制御アルゴリズムがネット感度に依存して選択、調整(適合化)及び/又は変化(修正)されること、該制御アルゴリズムがそれ自体他の入力パラメータを有することができることが提案される。これによって、とりわけ、ネット制御の質及び動的特性(ダイナミクス)は、電気供給ネット(これは単純化して単にネットとも称される)の実際の要求に適合することができる。
【0029】
なお、ネット感度(Netzsensitivitaet)とは、ネットに作用するあるパラメータ(Groesse)の変化に対する、とりわけ共通のネット接続点に関する、ネットの応答(Reaktion)として理解されるものである。また、ネット感度は、ネット影響パラメータの差(変化)に対するネット応答の差(変化)として定義することもできる。とりわけ、この場合、給電される有効電力とネット電圧の大きさに関する定義が考慮される。例えば、単純化すれば、ネット感度NSに対し、以下の式を定義することができる:
【0030】
上式において、ΔPは給電される有効電力即ち給電される総合電力の変化、ΔUはネット電圧Uのその結果として生じる変化を表す。これらの差(変化)は、極めて短い期間に、とりわけ1秒以下の範囲で、形成される。有利には、電力の差に対する電圧の差についてのこの式の代わりに、相応に、ネット電圧Uの、即ちとりわけその実効値(Effektivwert)の、給電されるパーク電力Pによる偏微分(偏導関数)を形成することも可能である。ネット応答としては、ネット周波数fの変化も考慮される。更なる可能性として、ネット感度は以下の式によって考慮されるであろう:
【0031】
有利には、更に、短絡比を考慮すること、及び、短絡比に依存して中央制御ユニットによって給電を制御することが提案される。更に、このために、とりわけ、制御アルゴリズムを短絡比に依存して選択、調整(適合化)及び/又は変化(修正)することが提案される。
【0032】
SCR(Short Circuit Ratio)とも称される短絡比は、短絡電力の接続電力(Anschlussleistung)に対する比を表す。ここで、短絡電力とは、関連する電気供給ネットが、風力発電装置、ウインドパークないし提案に係るコンバインドウインドパークが接続されている問題のネット接続点に、当該ネット接続点に短絡が生じたときに、供給することが可能な電力として理解されるものである。他方、接続電力とは、接続されている風力発電装置、接続されているウインドパークないし提案に係るコンバインドウインドパークの接続電力、従って、とりわけ接続されるべき発電機の定格出力ないし1又は複数のウインドパークの発電機のすべての定格出力の総和である。従って、短絡比とは、この問題のネット接続点に関する電気供給ネットの強さについての基準である。このネット接続点に関して強い電気供給ネットは、大抵は、例えばSCR=10以上のような大きな短絡比を有する。
【0033】
短絡比は関連する電気供給ネットのネット接続点における挙動についての情報を提供できることも判明した。この場合において、短絡比は変化し得る。
【0034】
コンバインドウインドパークを新設する場合、短絡比を考慮し、これに対し有効電力制御及び無効電力制御を適合化すると有利である。有利には、更に、短絡比をコンバインドウインドパークの設置及び運転開始後に一定の間隔で検出することも提案される。短絡電力の検出は、例えばシミュレーションを利用したネットトポロジーについての情報に基づいて実行できる。接続電力(の検出ないし決定)は、単にコンバインドウインドパークに含まれる複数の風力発電装置についての知識(情報)に基づいて実行可能及び/又は定格風速の際に給電される絞られていない(抑制されていない)総合電力の測定(値)に基づいて実行可能である。
【0035】
接続電力が、短絡比の提案に係る計算及び考慮のために、その都度実際に利用可能なすべての風力発電装置の定格出力の総和として定義及び計算されると有利である。従って、この意味で、接続電力は、1つの風力発電装置が故障ないし運転停止したときには既に変化するであろうし、少なくとも一時的に変化するであろう。このため、短絡比も変化するであろうし、それにより、有効電力制御及び/又は無効電力制御の変化が引き起こされ得るであろう。
【0036】
一実施形態において、
中央制御ユニットは、電気供給ネットに給電するために、
・給電されるべき有効電力の大きさ(レベル)を制御し、
・給電されるべき無効電力の大きさ(レベル)を制御し、及び/又は、
・消費装置におけるとりわけ損失抵抗装置(Verlustwiderstandseinrichtung)における電力の消費を制御する
ことが提案される。
【0037】
かくして、中央制御ユニットは、給電されるべき有効電力の大きさ(レベル)を制御することができ、追加的に又は代替的に、種々の実施形態に関連して上述したように、給電されるべき無効電力の大きさ(レベル)を制御することができる。更に、消費装置における電力の消費を制御する方法を実行することができる。この場合、とりわけ、損失抵抗装置における電力の消費が考慮される。このために、そのような消費装置は、1つの、複数の又は全ての連係運転されるウインドパークに設けることができる。尤も、そのような消費装置は、ウインドパーク(これは単純化してパークと称することもある)の外部に配設され、中央制御ユニットによって直接的に制御可能に構成されると有利である。
【0038】
とりわけ中間ネットが設けられる場合、ウインドパークはこの中間ネットに接続され、少なくとも1つの消費装置はこの中間ネットに接続される。例えば給電されるべき電力が突然に減少されることが望まれておりかつウインドパークの風力発電装置が風からのエネルギの取り出しを十分に迅速には減少することができない場合に、1つの、複数の又はすべての連係運転されるウインドパークの過剰電力を一時的に消費可能にするために、電力の目標を定めた(目的通りの)消費を実行することができる。
【0039】
電気供給ネットが供給過剰状態にありかつこの供給過剰を引き起こしている発電装置がその供給電力を迅速に減少することができない場合に、そのような消費装置が目標を定めて(目的通りに)電気供給ネットから電力を取り除く可能性(手段)を提供することが、追加的に又は代替的に提案される。
【0040】
この少なくとも1つの消費装置が中間ネットに直接的に接続されている場合でも、消費装置はウインドパークによって利用されることができる。更に、消費装置は、ウインドパークに影響を及ぼすことなく、余分な(過剰の)電力を電気供給ネットから取り除くことができる。
【0041】
消費されるべき電力を可及的に有効に(sinnvoll)使用する装置が、消費装置として、有利に提案される。当該装置は、そのために所定の処理を実行することができ又はとりわけ余分な電力を中間蓄積し、そのため場合によっては蓄積性を改善するために他のエネルギ形態に変換することができる。この消費装置は、有利には、双方向(可逆性)のエネルギ変換装置及び/又はエネルギ蓄積装置である。
【0042】
好ましい一実施形態において、
・中央制御ユニットは、電気供給ネットの実際の状態パラメータを、とりわけ周波数及び電圧レベル(振幅ないし大きさ)を検出し、それに依存して少なくとも第1及び第2パーク電力の供給を制御し、及び/又は、
・各パーク制御ユニットは、夫々のウインドパークの少なくとも1つの状態パラメータに関する情報を提供し、該情報は、少なくとも
・実際に利用可能な電力、
・予め設定される予測期間内において予測されるべき利用可能な電力、及び
・利用可能な電力の予測されるべき変化
を含むことが提案される。
【0043】
かくして、中央制御ユニットは、とりわけ電気供給ネットにおける電圧の周波数レベル(大きさ)及び電圧レベル(振幅ないし大きさ)を検出するための、測定ユニットとしても使用される。これらのパラメータは、それらに依存して第1及び第2パーク電力、場合によっては更なるパーク電力の供給を制御するために、使用されることができる。一実施形態に関連して説明した周波数変化∂f/∂tも、電気供給ネットの電圧のこの検出される周波数から求めることができる。この情報は、連係運転されるウインドパークにも、とりわけそれらのパーク制御ユニットにも、その使用のために、利用されることができる。
【0044】
追加的に又は代替的に、各パーク制御ユニットは、ウインドパークの実際の状態に関する情報を、従って夫々のウインドパークの状態パラメータを、即ちとりわけ実際に利用可能な電力、直近に予測されるべき利用可能電力及び利用可能電力の予測されるべき変化を中央制御ユニットに供給する。中央制御ユニットは、電力に関するこれらの情報を相応に評価し、そのような情報に照らして、連係運転されるすべてのウインドパークを相応に関連付けることができる。予測されるべき電力及び電力の予測されるべき変化に関する情報は、各ウインドパークにおいてとりわけ風予測(Windprognosen)によって求めることができる。これは、ある場合では、気象学的評価であり得る。また、他の場合では、とりわけウインドパークが比較的広いエリアに(その風力発電装置が)分散して構成されている場合、風の増減は幾つかの風上側の風力発電装置において検出することができる。これから、これらのすべての風力発電装置を制御及び監視するウインドパークは、風下側に立地する風力発電装置のための予測を導き出すことができる。そして、その予測から電力予測が導き出され、中央制御ユニットによって適時に利用されることができる。場合によっては、それに基づいて又は他の情報に基づいて、中央制御ユニットは電気供給ネットの運用者に相応の情報を与えることができる。
【0045】
中央制御ユニットは位相シフト装置として動作する(機能する)よう構成されると有利である。この場合、中央制御ユニットは、電気供給ネットから電力を受け取り、それを変化されたないし所望通りに調整された位相角を有する給電電流として電気供給ネットに供給する。そのような中央制御ユニットは、ウインドパークが例えば無風状態のために全く電力を供給しない場合であっても、この機能を実行することができる。尤も、中央制御ユニットは、そのような位相シフト操作を総合電力の給電と一緒に実行するよう構成されると有利である。ネット支援の可能性は、中央制御ユニットによるこれらの操作(機能)の組み合わせによって増進されることが可能である。
【0046】
ネットへの給電は、電気供給ネットにおける障害が完全に又は部分的に補償されるよう実行されると有利である。このために、中央制御ユニットは、例えば過大周波数のような障害を検出し、これを補償するよう給電を行う。従って、この場合、理想的でない即ち正弦波状でない電流が目標を定めて(目的通りにないし意図的に)供給される。即ち、この電流は理想的な正弦波状推移からずれてはいるが、このずれ(なおこれ自体は原理的に障害を引き起こしさえする)はネットに生じている障害を可及的に補償し、少なくとも小さくするようなものである。
【0047】
更に、請求項9に応じてウインドパークアレンジメント(Windparkanordnung)が提案される。これは、電気供給ネットに電力を給電するよう構成され、夫々複数の風力発電装置を含む少なくとも第1及び第2(少なくとも2つの)ウインドパークを含む。更に、ウインドパークアレンジメントは、複数のウインドパークに接続され、各ウインドパークから供給されるパーク電力を更に先に送る(導く)ための電気的中間ネットを含む。従って、ウインドパーク(複数)はこの中間ネットに給電するよう構成される。更に、このウインドパークアレンジメントは、総合電力の給電を制御する中央(集中)制御ユニットを含む。この総合電力は、中間ネットに供給されたないし中間ネットを介して給電されたパーク電力(複数)からなり、中央制御ユニットはこの供給されたパーク電力(複数)を制御するよう構成される。とりわけ、中央制御ユニットは、データ通信手段を介して各ウインドパークと、とりわけ各ウインドパークの夫々1つのパーク制御ユニットとネットワークを構成する。このネットワークは有線方式又は無線方式で構成することができる。
【0048】
とりわけ、ウインドパークアレンジメントは上述の実施形態の何れかに応じた少なくとも1つの方法を実行するよう構成される。
【0049】
このために、相応の制御機能、とりわけ制御プログラムが中央制御ユニットに組み込まれるべきであり、中央制御ユニットとパーク制御ユニット(複数)の間には相応の連絡(通信)チャンネルが必要になる。使用されるべき方法の実施形態に応じ、更なる構成要素を、とりわけセンサ及び/又は周波数変換装置及び/又は位相シフト装置を、設けることができる。
【0050】
更に、ウインドパークの電圧を中間ネットのより高い電圧に昇圧するために中間ネットが各ウインドパークに夫々の変圧器を介して接続されること、及び、追加的に又は代替的に、中間ネットの電圧を電気供給ネットのより高い電圧に昇圧するために中間ネットが変圧器を介して電気供給ネットに接続されること、が提案される。かくして、風力発電装置群(ウインドパーク)アレンジメントがウインドパークと中間ネットとの間の及び/又は中間ネットと電気供給ネットとの間のそのような昇圧を、提案に係る方法の幾つかの実施形態に関連して説明したように、実行可能に構成されることが提案される。
【0051】
外部から、とりわけ電気供給ネットの運用者によって、中央制御ユニットに所望の電圧目標値を電気供給ネットの電圧の基準値として与えることは、ウインドパークアレンジメントに対しても、給電のために実行されるべき方法に対しても、有利に提案される。追加的に又は代替的に、最大の電力値及び/又は所望の電力値を中央制御ユニットに設定することが提案される。更に、所望の予備電力を中央制御ユニットに設定値として与えることが、一実施形態として提案される。そのような予備電力は、給電される総合電力が実際に可能な給電されるべき総合電力を下回っている分の電力に相当する。このために、中央制御ユニットは、例えばパーセント値又は絶対値を予備電力のために与えることができる。
【0052】
有利には、中央制御ユニットは、パーク制御ユニット(複数)に対し、無効電力目標値として給電されるべき無効電力のための値を与え、関連するウインドパークが実際に超過すべきではない電力値として有効電力上限値を与える。追加的に又は代替的に、中央制御ユニットが備蓄電力(Vorhalteleistung)とも称される電力予備(力)をパーク制御ユニットに目標値として与えることが提案される。かくして、個々のウインドパークは、従って全体として総合電力は、実際に可能な電力値未満で運転されることができる。かくして、この備蓄電力は、有用な潜在的制御電力として即ち必要に応じ追加的に給電可能な電力として利用可能である。
【0053】
各パーク制御ユニット及び/又はウインドパークの各風力発電装置が、中央制御ユニット又は相応のパーク制御ユニットが故障(機能停止)した場合に、夫々独立にネット状態に依存する制御を実行可能であること、とりわけ周波数に依存する電力制御を実行可能であることが、一実施形態に応じて提案される。この場合故障(機能停止)したのが専ら情報処理のための構成要素であり、電気供給ネットに至るまでの物理的な接続は依然として存在している(機能している)のであれば、その限りにおいて、給電を続行することは可能であり、その上、動的なネット支援ないしネット安定化を実行することができる。
【0054】
かくして、本発明に基づいて、方法のための及びウインドパークアレンジメントのための多くの実施形態について、とりわけ、複数のウインドパークが連係して電気供給ネットに給電し、そのため、ネットにおいて大型発電装置のようにふるまう(機能する)ことができる可能性を備えるものについて説明した。電気供給ネットに給電するために物理的に複数の給電点が存在する場合にも、給電が中央的に、とりわけ同様に制御される限り、中央的な制御も上述したような有利な作用を奏することができることについて、念のため指摘しておく。尤も、総合電力全体が1つのネット接続点において電気供給ネットに給電されるのが有利である。
【0055】
ここに、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1)少なくとも第1及び第2ウインドパークによって電気供給ネットに電力を給電するための方法が提供される。この方法は、以下の工程:
・電気供給ネットに給電するために、第1ウインドパークによって第1パーク電力を供給すること、
・電気供給ネットに給電するために、第2ウインドパークによって第2パーク電力を供給すること、及び、
・少なくとも第1及び第2パーク電力から総合電力を生成し、電気供給ネットに総合電力を給電すること、
を含み、
中央制御ユニットは、給電される総合電力を制御するために、少なくとも第1及び第2パーク電力の供給を制御する。
(形態2)上記の方法において、
・少なくとも第1及び第2ウインドパークは、夫々、当該ウインドパークの夫々の制御のためのパーク制御ユニットを含み、
・中央制御ユニットは、これらのパーク制御ユニットと接続され、及び、
・中央制御ユニットは、該少なくとも第1及び第2ウインドパークの夫々のパーク制御ユニットによって第1及び第2パーク電力の供給を制御することが好ましい。
(形態3)上記の方法において、中央制御ユニットは、
・電気供給ネットの状態パラメータ、
・給電される総合電力の値、及び/又は、
・外部の設定値
を検出することが好ましい。
(形態4)上記の方法において、少なくとも第1及び第2ウインドパークは、中間ネットに供給するために、それらの給電されるべき電力を給電し、
・中間ネットは、ウインドパークの電圧を中間ネットのより高い電圧に昇圧するために、各ウインドパークに夫々の変圧器を介して接続され、及び/又は、
・中間ネットは、中間ネットの電圧を電気供給ネットのより高い電圧に昇圧するために、電気供給ネットに変圧器を介して接続されることが好ましい。
(形態5)上記の方法において、中央制御ユニットは、電気供給ネットへの給電を、
・電気供給ネットの少なくとも1つの状態パラメータに依存して制御し、
・給電点についての電気供給ネットのネット感度に依存して制御し、及び/又は、
・短絡比に依存して制御することが好ましい。
(形態6)上記の方法において、中央制御ユニットは、電気供給ネットに給電するために、
・給電されるべき有効電力の大きさを制御し、
・給電されるべき無効電力の大きさを制御し、及び/又は、
・消費装置における、とりわけ損失抵抗装置における、電力の消費を制御することが好ましい。
(形態7)上記の方法において、
・中央制御ユニットは、電気供給ネットの実際の状態パラメータを、とりわけ周波数及び電圧レベルを検出し、それに依存して少なくとも第1及び第2パーク電力の供給を制御し、及び/又は、
・各パーク制御ユニットは、夫々のウインドパークの少なくとも1つの状態パラメータに関する情報を提供し、該情報は、以下の項目:
・実際に利用可能な電力、
・予め設定される予測期間内において予測されるべき利用可能な電力、及び
・利用可能な電力の予測されるべき変化
を含むリストからの情報の少なくとも1つを含むことが好ましい。
(形態8)上記の方法において、
・中央制御ユニットは位相シフト装置として動作し、及び/又は、
・電気供給ネットへの給電は電気供給ネットにおける障害が完全に又は部分的に補償されるよう実行されることが好ましい。
(形態9)電気供給ネットに電力を給電するためのウインドパークアレンジメントが提供される。このウインドパークアレンジメントは、
・夫々複数の風力発電装置を含む少なくとも第1及び第2ウインドパーク、
・ウインドパークに接続され、該接続されたウインドパークから供給されるパーク電力を更に先に送るための電気的中間ネット、及び、
・パーク電力から少なくとも部分的に生成される総合電力を給電するための及び接続されたウインドパークから供給される個々のパーク電力を制御するための中央制御ユニット
を含む。
(形態10)上記のウインドパークアレンジメントは、上記形態1〜8の何れかの方法を実行することが好ましい。
(形態11)上記のウインドパークアレンジメントにおいて、
・ウインドパークの電圧を中間ネットのより高い電圧に昇圧するために、中間ネットは各ウインドパークに夫々の変圧器を介して接続され、及び/又は、
・中間ネットの電圧を電気供給ネットのより高い電圧に昇圧するために、中間ネットは変圧器を介して電気供給ネットに接続されることが好ましい。
以下に、本発明の実施例を添付の図面を参照して例示的に説明する。
なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【実施例】
【0057】
図1は、タワー102とゴンドラ(ナセル)104とを有する風力発電装置100の一例を示す。ゴンドラ104には、3つのロータブレード108とスピナ110とを有するロータ106が配されている。ロータ106は、運転時、風によって回転運動し、この回転運動によってゴンドラ104内の発電機を駆動する。
【0058】
図2は、例として3つの風力発電装置100(これらは同じものであっても異なるものであってもよい)を有するウインドパーク112の一例を示す。従って、これらの3つの風力発電装置100は、ウインドパーク112の原理的に任意の数の風力発電装置を代表するものである。これらの風力発電装置100は、それらの電力従ってとりわけ生成した電流を電気的パークネット114を介して供給する。その際、個々の風力発電装置100の夫々生成された電流ないし電力は加え合わされる。大抵は、ウインドパークの電圧を昇圧し、そして、一般的にPCCとも称される給電点118において電気供給ネット120に給電する変圧器116が設けられている。
図2は、ウインドパーク112の単純化した構成しか記載しておらず、従って例えば制御システムは図示されていないが、当然のことながら、制御システムは存在している。更に、例えば、パークネット114は異なるように構成可能であり、例えば、各風力発電装置100の出力端に夫々1つの変圧器を設けることも可能である。なお、これは、他の一実施例を示したに過ぎない。
【0059】
図3は、例として2つのウインドパーク112(これらは異なるように構成することも可能である)と中央(集中)制御ユニット2と消費装置4とを有するウインドパークアレンジメント(ないし施設:Windparkanordnung)1の一例を示す。ウインドパークアレンジメント1は、共通のネット接続点6において電気供給ネット120(これは概略しか図示されていない)に接続されている。
【0060】
図3は、ウインドパークアレンジメント1については、例示的に、夫々複数の風力発電装置100を有する2つのウインドパーク112を示す。各ウインドパーク112の風力発電装置100は、夫々、パーク電力P
P1又はP
P2を生成し、これらのパーク電力は、夫々、パーク変圧器8を介して中間ネット10に供給され、電気供給ネット120への給電のための総合電力P
Sとして供給可能な状態にある。ここで単純化して、消費装置4がアクティブではないと仮定すると、総合電力P
Sは、パーク電力P
P1とP
P2の総和であり、従って、式P
S=P
P1+P
P2を満たす。
【0061】
この総合電力P
Sは、相応に、給電変圧器12を介してネット接続点6において電気供給ネット120に給電される。
【0062】
中央制御ユニットは、図示の例では、給電変圧器12の前方(上流側)のネット接続点6の領域に配されている。そこにおいて、中央制御ユニットは、給電される電力P
Sを検出することができる。
【0063】
中央制御ユニット2は、EVU−データ通信手段14を介して電気供給ネット120の運用者の制御ユニット16に接続されている。このEVU−データ通信手段14を介して、中央制御ユニット2は、例えば給電されるべき総合電力P
Sの値のようなネット運用者の制御ユニット16のデータを受け取り(受信し)、また、例えば実際に利用可能な総合電力P
Sに関する情報のようなデータを与える(送信する)ことができる。なお、
図3では、データ通信手段はすべて破線で記載されている。
【0064】
中央制御ユニットは、パーク制御通信手段18を介して夫々関連するウインドパーク112のパーク制御ユニット20に接続している。これらのパーク制御通信手段18を介して、中央制御ユニット2は、対応するパーク制御ユニット20にデータを、とりわけ給電されるべきパーク電力P
P1又はP
P2のための目標値を与えることができる。なお、これら2つのウインドパーク112についての図面参照符号は、パーク電力P
P1及びP
P2に至るまで、同じものが選択されているが、これは両ウインドパーク間の類似性を明らかにするためである。しかしながら、例えばパーク変圧器8のような個々の構成要素は、互いに異なるように構成することも可能である。
【0065】
パーク制御通信手段18を介して、中央制御ユニット2と各パーク制御ユニット20との間で他の通信を行うことも可能である。例えば、パーク制御ユニット20は、中央制御ユニット2に、現在利用可能なパーク電力に関する情報を与えることができる。
【0066】
各パーク制御ユニット20は、更に、そのウインドパーク112の内部において、データ交換のためのパークデータネット22を介して各風力発電装置100に接続されている。かくして、パーク制御ユニット20は、それが中央制御ユニット2から受け取った夫々の(予)設定値をウインドパーク112の制御のために各風力発電装置100に与えることができる。更に、パーク制御ユニット20は、風力発電装置100から情報を受け取り、当該情報を場合によっては評価し、必要に応じ、中央制御ユニット2に与えることができる。
【0067】
かくして、中央制御ユニット2は、個々のパーク電力P
P1及びP
P2をパーク制御ユニット20の制御を介して制御することによって、総合電力P
Sの給電を制御することができる。
【0068】
更に、中央制御ユニット2は、消費制御通信手段24を介して消費装置4に接続されている。これにより、中央制御ユニットは、とりわけ過剰電力を消費装置4によって消費することが望まれる場合に、制御を行うことができる。この過剰電力は、ウインドパーク112の過剰電力であっても、電気供給ネット120からの過剰電力であってもよい。消費装置4は、このため、消費装置接続手段26を介して中間ネット10に接続されている。消費装置接続手段26は、中間ネット10の一部として構成されることも可能である。
【0069】
消費装置4は、
図3において、異なる形態に対し異なるシンボルで象徴的に示されている。ここで、チョッパ回路28は、電力ないし電気エネルギを熱に変換する純粋な(電力)消費装置を象徴的に示している。この熱変換は、相応に制御される発熱抵抗体によって実行することができる。
【0070】
更に、電力を例えばガスのような他の媒体に変換することができる変換装置30が象徴的に示されている。この変換装置30は、この他の媒体(これの例としては既にガスを挙示した)のエネルギを電気エネルギに、少なくとも部分的に、再変換できるように、構成されると有利である。この場合、そのような再変換のために、消費装置4は電力を中間ネット10に利用可能にすることができ、その限りにおいて、総合電力P
Sはパーク電力P
P1及びP
P2に加えて更に、返還された(ないし戻された:zurueckgegebene)消費電力をも有することになるであろう。
【0071】
最後に、消費装置4には、更に、電気エネルギを直接的に蓄積可能な蓄電装置がバッテリ蓄電装置32として象徴的に示されている。
【0072】
かくして、
図3は、少なくとも1つの上述の実施形態に応じた電力を給電するための本発明の方法を実行するよう構成されたウインドパークアレンジメントを示す。