【解決手段】コンバインは、受網16などを機体の左外方に臨ませる開口17を左側部に有する脱穀フレーム12と、開口17を閉じる下側の閉じ位置と開口17を開く上側の開き位置とにわたって上下揺動可能な側壁体14と、側壁体14の人為開閉操作をアシストするアシスト機構25と、側壁体14を開き位置に固定保持する使用状態と固定保持しない非使用状態とに切り替え可能な保持部材26とを備え、アシスト機構25は、開口17よりも機体の後側の位置において脱穀フレーム12と側壁体14の後端側部分とにわたって架設され、保持部材26は、使用状態では、開口17よりも機体の前側の位置において側壁体14の前端側部分を脱穀フレーム12に連結して固定保持している。
扱胴及び受網を機体の横外方に臨ませる開口を左右一側部に有する脱穀フレームと、前記開口を閉じる下側の閉じ位置と前記開口を開く上側の開き位置とにわたって上下揺動可能な側壁体と、前記側壁体の人為開閉操作をアシストするアシスト機構と、前記側壁体を前記開き位置に固定保持する使用状態と固定保持しない非使用状態とに切り替え可能な保持部材とを備え、
前記アシスト機構は、前記開口よりも機体の前後一方側の位置において前記脱穀フレームと前記側壁体の前後一端側部分とにわたって架設され、
前記保持部材は、前記使用状態では、前記開口よりも機体の前後他方側の位置において前記側壁体の前後他端側部分を前記脱穀フレームに連結して固定保持しているコンバイン。
前記側壁体は、前記閉じ位置において前記開口を横外方から覆い隠す外壁板と、前記外壁板の前端部に連結される前壁板と、前記外壁板の後端部に連結される後壁板とを備え、
前記アシスト機構の上端部は、前記前壁板及び前記後壁板のうちの一方の壁板に連結され、
前記保持部材は、前記使用状態では、前記前壁板及び前記後壁板のうちの他方の壁板を前記脱穀フレームに連結している請求項1に記載のコンバイン。
前記保持部材は、前記使用状態において、下端部が前記脱穀フレームに連結されるとともに、上端部が前記側壁体の遊端側に連結される棒状部材である請求項1又は2に記載のコンバイン。
前記保持部材は、前記使用状態において、下端部が前記脱穀フレームにおける前記アシスト機構の下端部との連結位置よりも機体横外側の部位に連結されている請求項9に記載のコンバイン。
前記アシスト機構の上端部及び前記使用状態の前記保持部材の上端部は、前記側壁体における揺動支点と遊端との中間位置よりも揺動支点側の部位に連結されている請求項3〜10のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の構成によると、側壁体の開き位置では、側壁体の前端部がガススプリングによって開き位置に保持されるだけであることから、側壁体の後端側ほど、ガススプリングの保持作用が及び難くなり、自重で下方に撓み易くなる。そして、この撓みに起因して、開口からの扱胴及び受網に対するメンテナンスが行い難くなる不都合を招く虞がある。又、この不都合を回避するために側壁体を補強すると、側壁体の重量が重くなることから、ガススプリングとして、ガス反力の大きい大型で高価なものを採用する必要が生じる。
つまり、コストの高騰を抑制しながら、開口からのメンテナンス時に、開き位置に位置する側壁体の前後一端側が自重で下方に撓む不都合を生じ難くすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための手段として、
本発明に係るコンバインは、扱胴及び受網を機体の横外方に臨ませる開口を左右一側部に有する脱穀フレームと、前記開口を閉じる下側の閉じ位置と前記開口を開く上側の開き位置とにわたって上下揺動可能な側壁体と、前記側壁体の人為開閉操作をアシストするアシスト機構と、前記側壁体を前記開き位置に固定保持する使用状態と固定保持しない非使用状態とに切り替え可能な保持部材とを備え、
前記アシスト機構は、前記開口よりも機体の前後一方側の位置において前記脱穀フレームと前記側壁体の前後一端側部分とにわたって架設され、
前記保持部材は、前記使用状態では、前記開口よりも機体の前後他方側の位置において前記側壁体の前後他端側部分を前記脱穀フレームに連結して固定保持している。
【0006】
この手段によると、側壁体の開き位置では、側壁体の前後一端側はアシスト機構によって開き位置に保持することができ、又、側壁体の前後他端側は、アシスト機構よりも安価な保持部材によって開き位置に固定保持することができる。これにより、側壁体を補強し、かつ、ガススプリングとして大型で高価なものを採用する手段、又は、側壁体の前後両側を前後2本のガススプリングで開き位置に保持する手段、などを講じることなく、アシスト機構によるアシストを得られるようにしながら、開き位置に位置する側壁体の前後一端側が自重で下方に撓む不都合を生じ難くすることができる。
又、側壁体の開き位置では、アシスト機構が開口から機体の前後一方側に外れた位置に位置し、保持部材が開口から機体の前後他方側に外れた位置に位置することから、作業者が開口から扱胴又は受網などに対するメンテナンスを行うときに、アシスト機構又は保持部材が邪魔になる虞を回避することができる。
その結果、コストの高騰を抑制しながら、側壁体の操作性、及び、開口からの扱胴又は受網などに対するメンテナンス性を低下させることなく、開口からのメンテナンス時に開き位置に位置する側壁体の前後一端側が自重で下方に撓む不都合を生じ難くすることができる。
【0007】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記側壁体は、前記閉じ位置において前記開口を横外方から覆い隠す外壁板と、前記外壁板の前端部に連結される前壁板と、前記外壁板の後端部に連結される後壁板とを備え、
前記アシスト機構の上端部は、前記前壁板及び前記後壁板のうちの一方の壁板に連結され、
前記保持部材は、前記使用状態では、前記前壁板及び前記後壁板のうちの他方の壁板を前記脱穀フレームに連結している。
【0008】
この手段によると、側壁体は、外壁板と前壁板と後壁板とを備えることで保形性が高くなる。
そして、側壁体において、アシスト機構の上端部が連結される部位、及び、保持部材を介して脱穀フレームに連結される部位として、側壁体を開き位置に保持するときの反力に対する強度が低い外壁板ではなく、その反力に対する強度が高い前壁板及び後壁板を選定していることから、側壁体を開き位置に保持するときの反力で側壁体が変形する虞を回避することができる。
【0009】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記保持部材は、前記使用状態において、下端部が前記脱穀フレームに連結されるとともに、上端部が前記側壁体の遊端側に連結される棒状部材である。
【0010】
この手段によると、側壁体の開き位置において、側壁体の前後他端側における遊端側を保持部材の突っ張り作用によって開き位置に固定保持することができる。これにより、開き位置の側壁体における前後他端側の遊端側が自重で下方に撓む不都合をより確実に生じ難くすることができる。
【0011】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記保持部材は、前記非使用状態において、前後に延びる前後向き姿勢で前記開口よりも機体の下側の位置に位置している。
【0012】
この手段によると、保持部材として、その使用状態での上端部を開き位置の側壁体におけるより遊端側の部位に連結することができる長尺の棒状部材を採用しても、非使用状態においては、保持部材を、作業者が扱い易い開口よりも機体の下側の位置に、脱穀装置から外側へのはみ出しを防止し易い前後向き姿勢で格納することができる。
【0013】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記保持部材は、前記非使用状態において、前記閉じ位置の前記側壁体にて覆い隠される位置に位置している。
【0014】
この手段によると、非使用状態の保持部材が外部に露出していることに起因して、収穫作業時に未刈り穀稈が非使用状態の保持部材に引っ掛かる、などの不都合が生じる虞を回避することができる。
【0015】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記保持部材は、該保持部材の一端部に備えた支軸を基点にした揺動操作で前記使用状態と前記非使用状態とに切り替えられ、
前記支軸は、前記開口よりも機体の前後一方側の位置で、かつ、前記開口よりも機体の下側の位置において、前記脱穀フレームに支持されている。
【0016】
この手段によると、作業者は、保持部材の使用状態と非使用状態との切り替えを、支軸を基点にした保持部材の揺動操作で簡便に行うことができる。
又、作業者が開口から扱胴又は受網などに対するメンテナンスを行うときに、支軸が邪魔になる虞を回避することができる。
【0017】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記脱穀フレームは、前記左右一側部における前記開口よりも機体の下側の位置にて前後に延びるフレーム構成部材を備え、
前記フレーム構成部材は、前記支軸を支持する支持具と、前記保持部材を前記非使用状態で固定する固定具とを備えている。
【0018】
この手段によると、保持部材の非使用状態において、保持部材をフレーム構成部材の支持具と固定具とにわたる姿勢で固定することができる。これにより、非使用状態の保持部材が、機体の振動で脱穀フレームなどに接触することを防止することができ、この接触に起因した異音の発生などを阻止することができる。
【0019】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記支持具は、前記側壁体の前端部に配置される前壁板よりも機体前側の位置、又は、前記側壁体の後端部に配置される後壁板よりも機体後側の位置に配置され、
前記側壁体において前記前壁板と前記後壁板とにわたる外壁板は、前記前壁板から前記支持具よりも機体前側に延び出る前側延長壁部、又は、前記後壁板から前記支持具よりも機体後側に延び出る後側延長壁部を備えている。
【0020】
この手段によると、作業者が開口から扱胴又は受網などに対するメンテナンスを行うときに、支持具が邪魔になる虞を回避することができる。
又、側壁体の閉じ位置では、支持具を外壁板によって覆い隠すことができる。これにより、支持具が外部に露出していることに起因して、収穫作業時に未刈り穀稈が支持具に引っ掛かる、などの不都合が生じる虞を回避することができる。
【0021】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記アシスト機構の上端部は、前記側壁体の揺動支点側に連結され、
前記保持部材は、前記使用状態において、上端部が前記側壁体の遊端側に連結されている。
【0022】
この手段によると、保持部材よりも高価なアシスト機構として長さの短い安価なものを採用することができる。そして、長さの短いアシスト機構を採用することで開き位置での安定性が低下する側壁体の遊端側を、アシスト機構よりも安価な保持部材によって開き位置に保持することができる。
その結果、コストの削減を図りながら、側壁体の開き位置での安定性を確保することができる。
【0023】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記保持部材は、前記使用状態において、下端部が前記脱穀フレームにおける前記アシスト機構の下端部との連結位置よりも機体横外側の部位に連結されている。
【0024】
この手段によると、保持部材の使用状態での姿勢を、側壁体の開き位置での保持に適した起立姿勢に近づけることができる。これにより、保持部材の使用状態において保持部材にかかる負荷を軽減することができる。
【0025】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記アシスト機構の上端部及び前記使用状態の前記保持部材の上端部は、前記側壁体における揺動支点と遊端との中間位置よりも揺動支点側の部位に連結されている。
【0026】
この手段によると、アシスト機構及び保持部材が側壁体を開き位置に保持するときのアシスト機構及び保持部材の機体横外側への張り出し量を低下させることができる。これにより、作業者が開口から扱胴又は受網などに対するメンテナンスを行うときに、作業者の腕などがアシスト機構又は保持部材に接触してメンテナンスが行い難くなるなどの不都合の発生を抑制することができる。
【0027】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記側壁体は、前記側壁体の前端部に配置される前壁板、又は、前記側壁体の後端部に配置される後壁板に第1係合部を備え、
前記保持部材の前記使用状態での上端部には、前記前壁板の前記第1係合部に対して機体前側から係合される第2係合部、又は、前記後壁板の前記第1係合部に対して機体後側から係合される第2係合部が装備されている。
【0028】
この手段によると、作業者は、側壁体を開き位置に保持するときの側壁体の前壁板又は後壁板と保持部材の上端部との連結を、第1係合部と第2係合部との係合で簡単に行うことができる。又、作業者は、側壁体の開き位置での保持を解除するときの側壁体の前壁板又は後壁板と保持部材の上端部との連結解除を、第1係合部と第2係合部との係合解除で簡単に行うことができる。
又、側壁体が開き位置に保持された状態では、保持部材が前壁板よりも機体前側に位置する状態、又は、保持部材が後壁板よりも機体後側に位置する状態になる。これにより、作業者が開口から扱胴又は受網などに対するメンテナンスを行うときに、作業者の腕などが保持部材に接触してメンテナンスが行い難くなるなどの不都合の発生を抑制することができる。
【0029】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記第1係合部は、前記前壁板又は前記後壁板を機体の前後方向に突き抜ける貫通孔であり、
前記第2係合部は、前記保持部材の上端部から機体の前後一方側に突出する突出部材と、前記貫通孔よりも小径で前記突出部材の突出端に外嵌されたリング部材とを備えている。
【0030】
この手段によると、作業者は、側壁体を開き位置に保持するために第1係合部と第2係合部とを係合させるときには、リング部材を貫通孔に通した後、側壁体の下降操作で前壁板又は後壁板を突出部材に接触させる。すると、第1係合部と第2係合部とが係合されて、保持部材が、側壁体を開き位置に保持する使用状態になる。そして、この使用状態では、リング部材と貫通孔とが上下方向に位置ずれして、リング部材が貫通孔を通り難くなることから、第1係合部と第2係合部との係合解除が防止された状態になる。
又、作業者は、側壁体の開き位置での保持を解除するために第1係合部と第2係合部との係合を解除するときには、側壁体の上昇操作と保持部材の操作とで、リング部材と貫通孔との位置ずれを解消してリング部材を貫通孔に通すことで、第1係合部と第2係合部との係合を解除することができ、側壁体の開き位置での保持を解除することができる。
つまり、前壁板又は後壁板に貫通孔を形成し、かつ、保持部材に突出部材とリング部材とを備えるだけの構成で、保持部材にて側壁体を開き位置に保持するための保持操作と、保持部材による側壁体の開き位置での保持を解除するための解除操作とを容易にすることができ、かつ、その解除操作が不測に行われる虞を回避することができる。
【0031】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記側壁体よりも機体の下側に配置されるサイドカバーを備え、
前記保持部材は、前記使用状態において、前記サイドカバーの機体横外側端部よりも機体の左右中央側に位置している。
【0032】
この手段によると、作業者が、開口から扱胴又は受網などに対するメンテナンスを行うときに、機体の横外側から、機体の前後方向で使用状態の保持部材に隣接する機体側の位置にまで入り込んで、機体に近づき過ぎることを、サイドカバーによって規制することができる。これにより、作業者が機体に近づき過ぎることに起因して、作業者の腕などが保持部材に接触し易くなり、この接触で保持部材と脱穀フレーム又は側壁体との連結が不測に解除される不都合の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を、コンバインの一例である全稈投入形コンバイン(普通形コンバイン)に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、
図1に記載した符号Fの矢印が指し示す方向が全稈投入形コンバインの前側であり、符号Uの矢印が指し示す方向が全稈投入形コンバインの上側である。
又、
図2に記載した符号Fの矢印が指し示す方向が全稈投入形コンバインの前側であり、符号Rの矢印が指し示す方向が全稈投入形コンバインの右側である。
【0035】
図1及び
図2に示すように、本実施形態で例示する全稈投入形コンバインは、機体フレーム1に、走行装置の一例である左右のクローラ2、搭乗式の運転部3、刈取搬送装置4、全稈投入形の脱穀装置5、及び、穀粒貯留部の一例である穀粒タンク6、などを備えている。これにより、全稈投入形コンバインは、クローラ走行式の穀粒タンク仕様に構成されている。
【0036】
刈取搬送装置4は、左右のデバイダ7、穂先掻き込み用の回転リール8、バリカン型の切断機構9、スクリュ搬送式のオーガ10、及び、掻き上げ搬送式のフィーダ11、などを備えている。これにより、刈取搬送装置4は、収穫対象の穀稈を刈り取って、刈取穀稈の全体を脱穀装置5の内部に向けて搬送する全稈投入仕様に構成されている。
【0037】
図1〜9に示すように、脱穀装置5は、機体フレーム1の左半部に配置されている。脱穀装置5は、機体フレーム1に連結される脱穀フレーム12、開閉式の上部カバー13、開閉式の側壁体14、バータイプの扱胴15、前後方向視の形状が略U字状の受網16、選別対象物を篩い選別する揺動選別機構(図示せず)、及び、選別風を発生させる唐箕(図示せず)、などを備えている。
【0038】
脱穀フレーム12は、その上半部により、上部カバー13、側壁体14、扱胴15、及び、受網16、などを支持している。脱穀フレーム12は、その下半部により、揺動選別機構及び唐箕などを支持している。脱穀フレーム12は、その上半部の左側部に、メンテナンス用の開口17を形成する側面視矩形状のフレームユニット18を備えている。開口17は、扱胴15及び受網16を機体の左外方に臨ませる側面視矩形状に形成されている。開口17は、その前後長さ及び上下長さが、受網16の全体又は略全体を機体の左外方に臨ませる長さに設定されている。つまり、脱穀フレーム12は、扱胴15及び受網16を機体の左外方に臨ませる開口17を左側部に有している。
【0039】
上部カバー13は、その左端部が脱穀フレーム12の左上端部に5つのヒンジ19を介して連結されている。これにより、扱胴15の上部を覆う閉じ位置と、扱胴15の上部を開放する開き位置とにわたって上下揺動する。つまり、上部カバー13は、扱胴15の上部を開閉可能に覆っている。
【0040】
側壁体14は、その上端部に、前後に延びる3本の支軸20を、それらの軸心を一致させた状態で前後方向に所定間隔をあけて備えている。各支軸20は、フレームユニット18の上端部に装備された3箇所の軸支部18Aに回動可能に支持されている。そして、側壁体14は、それらの支軸20を支点にして、開口17を閉じる下側の閉じ位置と開口17を開く上側の開き位置とにわたって上下揺動する。つまり、側壁体14は、開口17を開閉可能に塞いでいる。側壁体14は、閉じ位置では垂下姿勢となり、開き位置では水平姿勢となるように姿勢設定されている。
【0041】
図8に示すように、受網16は、扱胴15を下方から覆う状態で脱穀装置5の上半部に配置されている。受網16は、前側の第1網体16Aと前後中間の第2網体16Bと後側の第3網体16Cとに分割可能な3分割構造である。各網体16A〜16Cは、左右に分割可能な2分割構造である。これにより、受網16は、扱胴15を組み付けた状態で、前述した開口17から着脱することが可能な6分割構造に構成されている。
【0042】
図1及び
図2に示すように、穀粒タンク6は、運転部3とともに機体フレーム1の右半部に配置されている。穀粒タンク6は、脱穀装置5での脱穀・選別処理で得られた単粒化穀粒を貯留する。穀粒タンク6は、その内部に貯留した単粒化穀粒の機外への排出を可能にするスクリュ搬送式の穀粒排出機構6Aを備えている。
【0043】
図1〜3及び
図7に示すように、脱穀装置5の左側部には、前述した側壁体14とともに、樹脂製で着脱式の第1サイドカバー21と第2サイドカバー22と第3サイドカバー23とが配置されている。第1サイドカバー21は、脱穀装置5の左側部における上半部の前端部位に配置されている。第2サイドカバー22は、脱穀装置5の左側部における下半部の前半部位に配置されている。第3サイドカバー23は、脱穀装置5の左側部における下半部の後半部位に配置されている。各サイドカバー41〜43は、脱穀フレーム12の左側部に配置された伝動系(図示せず)を覆い隠している。伝動系は、脱穀フレーム12の左側部に、左側部の前端部分と下半部分とにわたって前述した開口17を迂回する側面視L字状で配置されている。
上記の構成により、作業者は、各サイドカバー41〜43を脱穀装置5の左側部から取り外すことにより、伝動系に対するメンテナンスを機体の左外方から行うことができる。
【0044】
図3、
図4及び
図6〜9に示すように、脱穀装置5は、側壁体14の人為開閉操作をアシストするアシスト機構25を備えている。アシスト機構25には、側壁体14を開き位置に揺動付勢するガススプリングが採用されている。
上記の構成により、作業者が側壁体14の開閉操作を行うときには、アシスト機構25のアシストを得ることができる。その結果、作業者が側壁体14の開閉操作を行うときに要する労力を軽減することができる。又、作業者が側壁体14の閉じ操作を行うときに、側壁体14が自重で勢いよく下降揺動する虞を回避することができる。
【0045】
脱穀装置5は、アシスト機構25に加えて、側壁体14を開き位置に固定保持する使用状態と固定保持しない非使用状態とに切り替え可能な保持部材26を備えている。保持部材26には、丸棒鋼材製の棒状部材が採用されている。アシスト機構25は、前述した開口17よりも機体後側の位置において脱穀フレーム12と側壁体14の後端側部分とにわたって架設されている。保持部材26は、使用状態のときに、開口17よりも機体前側の位置において、脱穀フレーム12と側壁体14の前端側部分とにわたって架設されることで、側壁体14の前端側部分を脱穀フレーム12に連結して開き位置に固定保持している。
この構成によると、側壁体14の開き位置では、側壁体14の後端側はアシスト機構25によって開き位置に保持することができる。又、側壁体14の前端側は、アシスト機構25よりも安価な保持部材26の突っ張り作用によって開き位置に固定保持することができる。これにより、例えば、側壁体14の前後両側を前後2本のガススプリングで開き位置に保持する、などの手段を講じることなく、側壁体14の後端側のみをアシスト機構25によって開き位置に保持する構成を採用した場合に生じる虞のある、開き位置に位置する側壁体14の前端側が自重で下方に撓む、といった不都合の発生を防止することができる。
又、側壁体14の開き位置では、アシスト機構25が開口17から機体の後側に外れた位置に位置し、保持部材26が開口17から機体の前側に外れた位置に位置することから、作業者が、開口17を利用して、扱胴15及び受網16に対する清掃、又は、受網16の交換などのメンテナンスを行うときに、アシスト機構25又は保持部材26が邪魔になる虞を回避することができる。
その結果、コストの高騰を抑制しながら、側壁体14の操作性、及び、開口17からの扱胴15又は受網16などに対するメンテナンス性を低下させることなく、開口17からのメンテナンス時に開き位置に位置する側壁体14の前端側が自重で下方に撓む不都合の発生を防止することができる。
【0046】
図1〜9に示すように、側壁体14は、閉じ位置において開口17を横外方から覆い隠す外壁板27、外壁板27の前端部に連結される前壁板28、及び、外壁板27の後端部に連結される後壁板29、などを備えている。これにより、側壁体14は、高い保形性を有している。
【0047】
図3、
図4及び
図6〜9に示すように、アシスト機構25は、上端部が後壁板29の連結部29Aに連結されている。保持部材26は、使用状態において、脱穀フレーム12と前壁板28とにわたって架設されることで、前壁板28を脱穀フレーム12に連結している。
つまり、この側壁体14においては、上記のように、アシスト機構25の上端部が連結される部位、及び、保持部材26を介して脱穀フレーム12に連結される部位として、側壁体14を開き位置に保持するときの反力に対する強度が低い外壁板27ではなく、その反力に対する強度が高い前壁板28及び後壁板29を選定していることから、側壁体14を開き位置に保持するときの反力で側壁体14が変形する虞を回避することができる。
【0048】
図7〜9に示すように、保持部材26は、使用状態において、下端部が脱穀フレーム12に連結され、上端部が側壁体14の遊端側に連結されている。
これにより、側壁体14の開き位置では、側壁体14の前端側における遊端側を保持部材26によって開き位置に固定保持することができる。これにより、開き位置の側壁体14における前端側の遊端側が自重で下方に撓む虞を回避することができる。
【0049】
図3、
図4、
図8及び
図10に示すように、保持部材26は、非使用状態において、前後に延びる前後向き姿勢で開口17よりも機体の下側の位置に位置している。
これにより、保持部材26として、使用状態での上端部を開き位置の側壁体14におけるより遊端側の部位に連結することができる長尺の棒状部材を採用しても、非使用状態においては、保持部材26を、作業者が扱い易い開口17よりも機体の下側の位置に、脱穀装置5から外側へのはみ出しを防止し易い前後向き姿勢で格納することができる。
【0050】
図3及び
図4に示すように、保持部材26は、非使用状態では、閉じ位置の側壁体14にて覆い隠される位置に位置している。
これにより、非使用状態の保持部材26が外部に露出していることに起因して、収穫作業時に未刈り穀稈が非使用状態の保持部材26に引っ掛かる、などの不都合が生じる虞を回避することができる。
【0051】
図3、
図4及び
図8〜10に示すように、保持部材26は、その一端部に備えた支軸30を基点にした揺動操作で使用状態と非使用状態とに切り替えられる。
これにより、作業者は、保持部材26の使用状態と非使用状態との切り替えを、支軸30を基点にした保持部材26の揺動操作で簡便に行うことができる。
【0052】
支軸30は、開口17よりも機体の前側の位置で、かつ、開口17よりも機体の下側の位置において、脱穀フレーム12に支持されている。
これにより、作業者が開口17から前述したメンテナンスを行うときに、支軸30が邪魔になる虞を回避することができる。
【0053】
図3〜5及び
図8〜10に示すように、脱穀フレーム12は、その左側部における開口17よりも機体の下側の位置にて前後に延びるフレーム構成部材31を備えている。フレーム構成部材31は、支軸30を支持する支持具32、及び、保持部材26を非使用状態で固定する固定具33、を備えている。
上記の構成により、保持部材26の非使用状態では、保持部材26をフレーム構成部材31の支持具32と固定具33とにわたる姿勢で固定することができる。これにより、非使用状態の保持部材26が、機体の振動で脱穀フレーム12などに接触することを防止することができ、この接触に起因した異音の発生などを阻止することができる。
【0054】
図3、
図4及び
図8に示すように、支持具32は、フレーム構成部材31の機体前側部位に配置されている。固定具33は、フレーム構成部材31における支持具32よりも機体後側部位に配置されている。
上記のように、支持具32及び固定具33が、開口17よりも機体の下側の位置にて前後に延びるフレーム構成部材31の所定位置に配置されていることで、非使用状態の保持部材26を、前後に延びる前後向き姿勢で開口17よりも機体の下側の位置に位置させることができる。
【0055】
側壁体14の外壁板27は、閉じ位置において、外壁板27の遊端側でフレーム構成部材31を覆い隠すことができる上下幅を有している。
これにより、非使用状態では、フレーム構成部材31の支持具32と固定具33とにわたる前後向き姿勢で固定される保持部材26を、閉じ位置の側壁体14にて覆い隠すことができる。
【0056】
図3、
図4及び
図8〜10に示すように、支持具32は、保持部材26が支軸30を基点にした揺動操作で非使用状態から使用状態に切り替えられるときに、保持部材26を、格納用の前後向き姿勢から保持用の左上がり傾斜姿勢に案内する左上がり傾斜姿勢の案内面32Aを備えている。
これにより、作業者は、保持部材26を非使用状態から使用状態に切り替えるときの保持部材26の揺動操作を速やかに行うことができる。
【0057】
固定具33には、弾性によって保持部材26を非使用状態で抜け止め固定する樹脂製のホルダが採用されている。
これにより、作業者は、保持部材26の非使用状態での固定及び固定解除を容易に行うことができる。
【0058】
図3、
図4及び
図8に示すように、支持具32は、側壁体14の前壁板28よりも機体前側の位置に配置されている。側壁体14の外壁板27は、前壁板28から支持具32よりも機体前側に延び出る前側延長壁部27Aを備えている。
上記の構成により、作業者が開口17から前述したメンテナンスを行うときに、支持具32が邪魔になる虞を回避することができる。
又、側壁体14の閉じ位置において、支持具32を外壁板27によって覆い隠すことができる。これにより、支持具32が外部に露出していることに起因して、収穫作業時に未刈り穀稈が支持具32に引っ掛かる、などの不都合が生じる虞を回避することができる。
【0059】
アシスト機構25は、側壁体14の後壁板29よりも機体後側の位置に配置されている。側壁体14の外壁板27は、後壁板29からアシスト機構25よりも機体後側に延び出る後側延長壁部27Bを備えている。
上記の構成により、側壁体14の閉じ位置において、アシスト機構25を外壁板27によって覆い隠すことができる。これにより、アシスト機構25が外部に露出していることに起因して、収穫作業時に未刈り穀稈が支持具32に引っ掛かる、などの不都合が生じる虞を回避することができる。
【0060】
図3、
図4、
図6、
図7及び
図9に示すように、アシスト機構25の上端部は、側壁体14の揺動支点側に連結されている。保持部材26は、使用状態において、上端部がアシスト機構25の上端部よりも側壁体14の遊端側に連結されている。
上記の構成により、保持部材26よりも高価なアシスト機構25として長さの短い安価なものを採用することができる。そして、長さの短いアシスト機構25を採用することで開き位置での安定性が低下する側壁体14の遊端側を、アシスト機構25よりも安価な保持部材26によって開き位置に保持することができる。
その結果、コストの削減を図りながら、側壁体14の開き位置での安定性を確保することができる。
【0061】
図7及び
図9に示すように、保持部材26は、使用状態において、下端部が脱穀フレーム12におけるアシスト機構25の下端部との連結位置よりも機体左外側の部位に連結されている。
これにより、保持部材26の使用状態での姿勢を、側壁体14の開き位置での保持に適した起立姿勢に近づけることができる。その結果、保持部材26の使用状態において保持部材26にかかる負荷を軽減することができる。
【0062】
図3、
図4、
図6、
図7及び
図9に示すように、アシスト機構25の上端部及び使用状態の保持部材26の上端部は、側壁体14における揺動支点(支軸20)と遊端との中間位置よりも揺動支点側の部位に連結されている。
これにより、アシスト機構25及び保持部材26が側壁体14を開き位置に保持するときのアシスト機構25及び保持部材26の機体左外側への張り出し量を低下させることができる。その結果、作業者が開口17から前述したメンテナンスを行うときに、作業者の腕などがアシスト機構25又は保持部材26に接触してメンテナンスが行い難くなるなどの不都合の発生を抑制することができる。
【0063】
図3〜5及び
図7〜9に示すように、側壁体14は、前壁板28に第1係合部14Aを備えている。保持部材26の使用状態での上端部には、第1係合部14Aに対して機体前側から係合される第2係合部26Aが装備されている。
上記の構成により、作業者は、側壁体14を開き位置に保持するときの側壁体14の前壁板28と保持部材26の上端部との連結を、第1係合部14Aと第2係合部26Aとの係合で簡単に行うことができる。又、作業者は、側壁体14の開き位置での保持を解除するときの側壁体14の前壁板28と保持部材26の上端部との連結解除を、第1係合部14Aと第2係合部26Aとの係合解除で簡単に行うことができる。
そして、側壁体14が開き位置に保持された状態では、保持部材26が前壁板28よりも機体前側に位置する状態になることから、作業者が開口17から前述したメンテナンスを行うときに、作業者の腕などが保持部材26に接触してメンテナンスが行い難くなるなどの不都合の発生を抑制することができる。
【0064】
第1係合部14Aは、前壁板28を機体の前後方向に突き抜ける貫通孔14Aである。第2係合部26Aは、保持部材26の上端部から機体の前後一方側に突出する突出部材34、及び、貫通孔14Aよりも小径で突出部材34の突出端に外嵌されたリング部材35、などを備えている。
上記の構成により、作業者は、側壁体14を開き位置に保持するために第1係合部14Aと第2係合部26Aとを係合させるときには、リング部材35を貫通孔14Aに通した後、側壁体14の下降操作で前壁板28を突出部材34に接触させる。すると、第1係合部14Aと第2係合部26Aとが係合されて、保持部材26が、側壁体14を開き位置に保持する使用状態になる。そして、この使用状態では、リング部材35と貫通孔14Aとが上下方向に位置ずれして、リング部材35が貫通孔14Aを通り難くなることから、第1係合部14Aと第2係合部26Aとの係合解除が防止された状態になる。
又、作業者は、側壁体14の開き位置での保持を解除するために第1係合部14Aと第2係合部26Aとの係合を解除するときには、側壁体14の上昇操作と保持部材26の操作とで、リング部材35と貫通孔14Aとの位置ずれを解消してリング部材35を貫通孔14Aに通すことで、第1係合部14Aと第2係合部26Aとの係合を解除することができ、側壁体14の開き位置での保持を解除することができる。
つまり、前壁板28に貫通孔14Aを形成し、かつ、保持部材26に突出部材34及びリング部材35などを備えるだけの構成で、保持部材26にて側壁体14を開き位置に保持するための保持操作と、保持部材26による側壁体14の開き位置での保持を解除するための解除操作とを容易にすることができ、かつ、その解除操作が不測に行われる虞を回避することができる。
【0065】
突出部材34は、丸棒鋼材の曲げ加工により、前述した支軸30とともに保持部材26に一体形成されている。
【0066】
図7に示すように、第2サイドカバー22及び第3サイドカバー23は、側壁体14よりも機体の下側に配置されている。保持部材26は、使用状態において、第2サイドカバー22及び第3サイドカバー23の左外側端部よりも機体の左右中央側に位置している。
これにより、作業者が開口17から前述したメンテナンスを行うときに、機体の左外側から、機体の前後方向で使用状態の保持部材26に隣接する機体側の位置にまで入り込んで、機体に近づき過ぎることを、第2サイドカバー22及び第3サイドカバー23によって規制することができる。その結果、作業者が機体に近づき過ぎることに起因して、作業者の腕などが保持部材26に接触し易くなり、この接触で保持部材26と側壁体14との連結が不測に解除される不都合の発生を防止することができる。
【0067】
図4〜9に示すように、側壁体14は、その閉じ位置において受網16に隣接する側面視矩形状の内壁板36を備えている。内壁板36は、前壁板28と後壁板29とにわたって架設されている。側壁体14は、外壁板27、前壁板28、後壁板29、及び、内壁板36、などにより、閉じ位置での横断面が矩形状に形成されている。そして、側壁体14の底部は開放されている。
【0068】
図5及び
図6に示すように、側壁体14は、その閉じ位置では、内壁板36の外縁部がシール部材37を介してフレームユニット18の左側面に密接している。
これにより、脱穀装置5での脱穀処理で得られた穀粒などが、フレームユニット18の左側面と内壁板36の外縁部との隙間から漏れ出す不具合の発生を阻止することができる。
【0069】
図4〜7及び
図9に示すように、側壁体14は、その閉じ位置において受網16の左側下方に入り込むことで、扱胴15の回転方向との関係から、受網16の左端部からの漏下量が多くなる穀粒などの選別対象物の多くを、揺動選別機構の左右中央側に案内するガイド部材38を備えている。
これにより、受網16から漏下した選別対象物が、揺動選別機構の左端側に集中して供給されることに起因した揺動選別機構での選別不良の発生を防止することができる。
【0070】
ガイド部材38は、右下がりの傾斜姿勢で内壁板36の前後両端部にわたるガイド板39、ガイド板39の前端から内壁板36にわたる前板40、ガイド板39の後端から内壁板36にわたる後板41、及び、ガイド板39の下端から内壁板36にわたる底板42、を備えている。
これにより、ガイド部材38は、内壁板36との間に閉塞空間を形成する箱状に形成されている。その結果、受網16から漏下した稈屑などが、内壁板36とガイド部材38との間の空間に入り込んで付着堆積する不都合の発生を防止することができる。
又、ガイド部材38が内壁板36の前後両端部にわたる箱状に形成されることで、側壁体14の保形性を高めることができ、側壁体14の開き位置での歪みを抑制することができる。
【0071】
図1、
図3〜5、
図7及び
図9に示すように、脱穀装置5は、側壁体14の閉じ位置での固定保持を可能にする前後のロック機構43を備えている。各ロック機構43は、フレームユニット18の下縁部に配置された軸状の被係合具44、及び、側壁体14の遊端部に配置された挟持式の係合具45、などを備えている。
これにより、フレームユニット18から離れ易い側壁体14の遊端部にロック機構43を作用させることができる。その結果、ロック機構43による側壁体14の閉じ位置での固定保持を良好に行うことができる。
【0072】
〔別実施形態〕
本発明は、上記の実施形態で例示した構成に限定されるものではなく、以下、本発明に関する代表的な別実施形態を例示する。
【0073】
〔1〕コンバインの基本構成は種々の変更が可能である。
例えば、コンバインは、走行装置として、左右のクローラ2に代えて左右の前輪と左右の後輪とを備えるホイール走行式に構成されていてもよい。
例えば、コンバインは、搭乗運転用の空間を形成するキャビンを備えるキャビン仕様に構成されていてもよい。
例えば、コンバインは、脱穀装置5が機体フレーム1の右半部に配置されていてもよい。この例示構成では、開口17及び側壁体14などが脱穀装置5の右端部に位置して、扱胴15及び受網16を機体の右外方に臨ませることになる。
例えば、コンバインは、穀粒貯留部として、穀粒タンク6に代えて袋詰め装置を備える袋詰め仕様に構成されていてもよい。
例えば、コンバインは、ドラムタイプの扱胴を有する脱穀装置5を備えていてもよい。
例えば、コンバインは、前後に分割可能で左右に分割可能な4分割構造の受網16を有する脱穀装置5を備えていてもよい。
【0074】
〔2〕側壁体14の構成などは種々の変更が可能である。
例えば、側壁体14は、開き位置では水平姿勢よりも遊端側が上側に位置する姿勢となるように姿勢設定されていてもよい。
例えば、側壁体14は、ガイド部材38を備えない構成であってもよい。
【0075】
〔3〕側壁体14を上下揺動可能に支持する支軸20の本数は、側壁体14の前後長さ又は重量などに応じて種々の変更が可能である。
例えば、側壁体14の前後長さが長くなる場合や、側壁体14の重量が重くなる場合などにおいては、支軸20の本数を4本以上に増やしてもよい。
例えば、側壁体14の前後長さが短くなる場合や、側壁体14の重量が軽くなる場合などにおいては、支軸20の本数を2本にしてもよい。
【0076】
〔4〕アシスト機構25及び保持部材26の配置、並びに、アシスト機構25及び保持部材26に関する構成などは種々の変更が可能である。
例えば、アシスト機構25及び保持部材26は、アシスト機構25が、開口17よりも機体の前側の位置において脱穀フレーム12と側壁体14の前端側とにわたって架設され、保持部材26が、使用状態において、開口17よりも機体の後側の位置において、側壁体14の後端側を脱穀フレーム12に連結して開き位置に固定保持する構成であってもよい。
例えば、アシスト機構25及び保持部材26は、アシスト機構25の上端部が、保持部材26の使用状態での上端部よりも側壁体14の遊端側に連結されていてもよい。
例えば、アシスト機構25及び保持部材26は、アシスト機構25の上端部、及び、保持部材26の使用状態での上端部が側壁体14の外壁板27に連結されていてもよい。
例えば、アシスト機構25には、ガススプリングの代わりに、引っ張りバネ、ねじりバネ、又は、圧縮バネの作用で伸長するショックアブソーバ(ダンパ)、などが採用されていてもよい。
例えば、アシスト機構25の上端部は、側壁体14における揺動支点(支軸20)と遊端との中間位置に連結されていてもよい。
例えば、アシスト機構25の上端部は、側壁体14における揺動支点(支軸20)と遊端との中間位置よりも遊端側に連結されていてもよい。
例えば、保持部材26には、棒状部材の代わりに鋼管材又はL形鋼材など採用することができる。
例えば、保持部材26は、使用状態では脱穀フレーム12と側壁体14とにわたって架設され、非使用状態では脱穀フレーム12及び側壁体14から取り外される着脱式の棒状部材であってもよい。
例えば、保持部材26は、側壁体14の閉じ位置から開き位置への揺動操作に連動して、屈曲状態から伸長状態に切り替わるように、脱穀フレーム12と側壁体14とにわたって架設された屈伸式で、伸長状態での自己保持が可能に構成されたリンク機構であってもよい。
例えば、保持部材26は、側壁体14の開き位置において、側壁体14の揺動支点側の端部を脱穀フレーム12にピン連結する連結ピンであってもよい。
例えば、保持部材26は、使用状態での上端部が、側壁体14における揺動支点(支軸20)と遊端との中間位置に連結されていてもよい。
例えば、保持部材26は、使用状態での上端部が、側壁体14における揺動支点(支軸20)と遊端との中間位置よりも遊端側に連結されていてもよい。
例えば、保持部材26は、側壁体14に対する使用状態での上端部の連結位置が、側壁体14におけるアシスト機構25の上端部との連結位置と機体の左右方向において同じ位置に設定されていてもよい。
例えば、保持部材26は、脱穀フレーム12に対する使用状態での下端部の連結位置が、脱穀フレーム12におけるアシスト機構25の下端部との連結位置よりも機体の左右中央側の位置に設定されていてもよい。
例えば、保持部材26は、脱穀フレーム12に対する使用状態での下端部の連結位置が、脱穀フレーム12におけるアシスト機構25の下端部との連結位置と機体の左右方向において同じ位置に設定されていてもよい。
例えば、保持部材26は、非使用状態において、前後に延びる前後向き姿勢で開口17よりも機体の上側の位置に位置する構成であってもよい。
例えば、保持部材26は、非使用状態において、上下に延びる上下向き姿勢で開口17よりも機体の前側の位置又は後側の位置に位置する構成であってもよい。
例えば、保持部材26の揺動支点となる支軸30は、開口17よりも機体の後側の位置で、かつ、開口17よりも機体の下側の位置において、脱穀フレーム12に支持されていてもよい。
例えば、保持部材26の揺動支点となる支軸30は、保持部材26に溶接されていてもよい。
例えば、保持部材26における第2係合部26Aの一部となる突出部材34は、保持部材26に溶接されていてもよい。
【0077】
〔5〕保持部材26の支軸30を支持する支持具32、及び、保持部材26を非使用状態で固定する固定具33は、脱穀フレーム12における開口17よりも機体の上側の位置にて前後に延びる上側のフレーム構成部材、脱穀フレーム12における開口17よりも機体の前側の位置にて上下に延びる前側のフレーム構成部材、又は、脱穀フレーム12における開口17よりも機体の後側の位置にて上下に延びる後側のフレーム構成部材、などに装備されていてもよい。
【0078】
〔6〕保持部材26の支軸30を支持する支持具32は、側壁体14の後壁板29よりも機体後側の位置に配置されていてもよい。この例示構成では、側壁体14の外壁板27に、後壁板29から支持具32よりも機体後側に延び出る後側延長壁部27Bを備えて、側壁体14の閉じ位置では、支持具32が外壁板27の後側延長壁部27Bで覆い隠されることが好ましい。
【0079】
〔7〕保持部材26を非使用状態で固定する固定具33には、弾性によって保持部材26を非使用状態で挟持固定するバネ鋼製のクリップを採用してもよい。
【0080】
〔8〕第1係合部14A及び第2係合部26Aは、保持部材26が使用状態において開口17よりも機体の後側の配置される構成では、第1係合部14Aが側壁体14の後壁板29に備えられ、第2係合部26Aが、保持部材26の使用状態での上端部に、後壁板29の第1係合部14Aに対して機体後側から係合される状態で装備されることが好ましい。
【0081】
〔9〕第1係合部14A及び第2係合部26Aは、例えば、第2係合部26Aが、保持部材26の使用状態での上端部において機体の前後方向に突き抜ける貫通孔26Aであり、第1係合部14Aが、前壁板28又は後壁板29から機体の前後一方側に突出する突出部材34と、貫通孔26Aよりも小径で突出部材34の突出端に外嵌されたリング部材35とを備える構成であってもよい。