特開2017-213051(P2017-213051A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-213051(P2017-213051A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171110BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
   A63F7/02 312Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-107176(P2016-107176)
(22)【出願日】2016年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】593145799
【氏名又は名称】フィールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094651
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】森田 龍夫
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA42
2C088AA47
2C088EB48
2C088EB52
2C333AA12
2C333CA31
2C333CA61
(57)【要約】
【課題】一般入賞口に対する入賞率を向上させると共に、遊技者の一般入賞口に対する期待感や注目度を高める。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る弾球遊技機は、
少なくとも、遊技球の入賞を契機に大当り抽せんが行われる始動口と、遊技球の入賞を契機に賞球が払い出される一般入賞口とを含む入賞口と、所定の通過口を通過した遊技球を、何れか一の入賞口に振り分ける振り分け装置と、映像表示装置に、第1表示領域と第2表示領域とを表示させる表示制御部と、を備え、表示制御部は、始動口に対する遊技球の入賞を契機に第1表示領域及び第2表示領域のいずれか一方の変動図柄を変動させ、変動図柄の停止結果により大当り抽せんの結果を表示し、一般入賞口に対する遊技球の入賞を契機に第2表示領域の変動図柄を変動させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、遊技球の入賞を契機に大当り抽せんが行われる始動口と、遊技球の入賞を契機に賞球が払い出される一般入賞口とを含む入賞口と、
所定の通過口を通過した遊技球を、何れか一の前記入賞口に振り分ける振り分け装置と、
映像表示装置に、第1表示領域と第2表示領域とを表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記始動口に対する遊技球の入賞を契機に前記第1表示領域及び前記第2表示領域のいずれか一方の変動図柄を変動させ、該変動図柄の停止結果により前記大当り抽せんの結果を表示し、
前記一般入賞口に対する遊技球の入賞を契機に前記第2表示領域の変動図柄を変動させること、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記一般入賞口に対する遊技球の入賞を契機に前記第2表示領域の変動図柄を変動させ、該変動図柄の変動中に前記大当たり抽せんの結果が大当たりとなった場合に、該変動図柄の停止結果により該大当たり抽せんの結果を表示すること、
を特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記第2表示領域における前記変動図柄の変動中に前記大当り抽せんの結果が大当りとなった場合、前記第1表示領域よりも前記第2表示領域を大きく表示し、前記変動図柄の大当り抽せんの結果を表示すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記入賞口は、
前記始動口及び前記一般入賞口とは異なる他の入賞口を含み、
前記振り分け装置は、
所定の通過口を通過した遊技球を、何れか一の前記入賞口に均等に振り分けること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機など出玉を増やしていくタイプの遊技機においては、数種類の入賞口を備えており、遊技球(いわゆる玉)が入賞口に入賞すると、パチンコ機1から規定数の賞球が払い出される。
近年、一度に大量の出玉を獲得できるタイプの機種として、いわゆるデジタルパチンコ機(デジパチ機)が遊技者の人気を集めている。入賞口の1つである始動口への遊技球入賞を契機として、パチンコ機1内部で大当たり抽せんが行われ、大当たり抽せんに当せんした場合、例えば停止図柄が揃うなどして、大当たり状態が発生する。大当たり状態が発生すると、遊技者は一度に大量の出玉を獲得することができる。
一方、遊技球が入賞口の1つである一般入賞口に入賞しても、パチンコ機1から払い出される賞球は数個程度と非常に少なく、遊技者にとっての期待感に乏しい。このため、遊技者の注目は一般入賞口よりも始動口への入賞に注がれがちになり、遊技機メーカーや遊技店運営側も、遊技球が始動口へと入賞しやすいような設計としたり釘ゲージ構成としていることが多い。
これに関する技術として、特許文献1には、一般入賞口の期待感や注目度を高めることにより、パチンコ遊技機の興趣を向上することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−049562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、始動口への入賞率を高めると、遊技機メーカーや遊技店運営側は、その分逆に一般入賞口への入賞率を低くせざるを得なくなる。このため、一般入賞口からの賞球払い出しが少なくなり、遊技者にとって長時間遊技しにくいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、弾球遊技機において一般入賞口に対する入賞率を向上させると共に、遊技者の一般入賞口に対する期待感や注目度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る弾球遊技機は、少なくとも、遊技球の入賞を契機に大当り抽せんが行われる始動口と、遊技球の入賞を契機に賞球が払い出される一般入賞口とを含む入賞口と、所定の通過口を通過した遊技球を、何れか一の前記入賞口に振り分ける振り分け装置と、映像表示装置に、第1表示領域と第2表示領域とを表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記始動口に対する遊技球の入賞を契機に前記第1表示領域及び前記第2表示領域のいずれか一方の変動図柄を変動させ、該変動図柄の停止結果により前記大当り抽せんの結果を表示し、前記一般入賞口に対する遊技球の入賞を契機に前記第2表示領域の変動図柄を変動させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、一つの側面では、弾球遊技機において一般入賞口に対する入賞率を向上させると共に、遊技者の一般入賞口に対する期待感や注目度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の制御系構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様1を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様2を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様3を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様4を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る映像表示装置の表示画面態様1を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る映像表示装置の表示画面態様2を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る映像表示装置の表示画面態様3を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る大当たり告知の演出処理を示すフローチャート図である。
図11】本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
<構成>
(外観構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。本実施形態に係る弾球遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)1は、いわゆるデジタルパチンコ機(デジパチ機)である。
本実施形態に係るパチンコ機1では、遊技盤4上、「特別図柄1(以下、特図1という)」7a、「特別図柄2(以下、特図2という)」7b、「普通図柄(以下、普図という)」7c、及び「一般入賞口(以下、一般という)」7dとの入賞口が設けられている。振り分け装置6a、6b、6cにより遊技球が振り分けられて何れか1つの入賞口に入賞する。
【0010】
はじめに遊技者が操作ハンドル2を操作し、上受皿3上の遊技球の打ち出しを行うと、透明のフロントガラスに保護された遊技盤4内に遊技球が打ち出される。
遊技盤4内に打ち出された遊技球が、遊技球の通過口として設けられたヘソ5aを通過(スルー)すると、遊技球がまず振り分け装置6aによりヘソ5b又はヘソ5cの何れかに振り分けられる。
遊技球がヘソ5bに振り分けられてヘソ5bを通過した場合、今度は遊技球が振り分け装置6bにより、「特図1」7a又は「特図2」7bの何れか1つの始動口に振り分けられる。
【0011】
遊技球が始動口である「特図1」7a又は「特図2」7bに入賞すると、パチンコ機1から上受皿3に所定数の賞球が払い出されると共に、パチンコ機1内部で大当たり抽せんが行われる。また、「特図1」7a又は「特図2」7bに遊技球が入賞すると同時に映像表示装置8の図柄窓8aに表示された図柄(例えば、3つの数字図柄など)が変動し、大当たり抽せんに当せんした場合、停止図柄が揃い大当たり状態が発生する。大当たり状態が発生すると、大入賞口9が大当たりラウンド数の回数分、開閉する。図柄窓8aの図柄変動中に遊技球が「特図1」7a又は「特図2」7bに再度入賞した場合、入賞した遊技球分が保留8a’に保留される。
【0012】
なお、「特図1」7aと「特図2」7bとでは、何れも遊技球が入賞するとパチンコ機1内部で大当たり抽せんが行われる点では同じであるが、例えば、大当たり時に獲得するラウンド数の振り分け条件等(例えば、大当たりラウンド数16Rを獲得できる比率)が、「特図2」7bの方が有利となっている。
これに対し、遊技球がヘソ5cに振り分けられてヘソ5cを通過した場合、今度は遊技球が振り分け装置6cにより、「普図」7c又は「一般」7dの何れか1つの入賞口に振り分けられる。
【0013】
遊技球が「普図」7cに入賞すると、パチンコ機1内部で小当たり抽せんが行われる。また、「普図」7cに遊技球が入賞すると同時に映像表示装置8の図柄窓8cに表示された図柄(例えば、2つの星図柄など)が変動し、小当たり抽せんに当せんした場合、停止図柄が揃い小当たり状態が発生する。小当たり状態が発生すると、例えばチューリップ(非図示)が所定回数分、開閉する。図柄窓8cの図柄変動中に遊技球が「普図」7cに再度入賞した場合、入賞した遊技球分が保留8c’に保留される。なお、「普図」7cはゲートとも呼ばれるもので、いわゆるスルーチャッカーの場合には賞球の払い出しはない。
これに対し、遊技球が「一般」7dに入賞すると、上受皿3に所定数の賞球が払い出される。また、本実施形態においては、「一般」7dに遊技球が入賞すると同時に映像表示装置8の図柄窓8bに表示された図柄(例えば、3つの数字図柄など)が変動する。図柄窓8bの図柄変動中に遊技球が「一般」7dに再度入賞した場合、入賞した遊技球分が保留8b’に保留される。
【0014】
但し、言うまでもなく「一般」7dは一般入賞口ゆえ遊技球が入賞にしても、遊技者に対する特典は賞球が払い出さるのみであり、パチンコ機1内部で大当たり抽せんや小当たり抽せんが行われることはない。つまり大量出玉獲得の契機となるものではない。本実施形態においては、「一般」7dに遊技球が入賞した場合も図柄を変動させ、「特図1」7a又は「特図2」7bへの遊技球入賞を契機として大当たり抽せんに当せんした場合、あたかも「一般」7dへの遊技球入賞を契機として図柄窓8b側の停止図柄が揃ったように演出的に見せてから、大当たり状態を発生させる。遊技者の一般入賞口に対する期待感や注目度を高めるためである。詳細、再度後述する。
【0015】
(機能構成)
図2は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機の制御系構成を示す図である。図2に示されるように、パチンコ機1は、基板系として、主基板20及び周辺基板30を有する。
主基板20は、メイン制御部としての機能を有するメイン制御基板である。主基板20は、大当たりや小当たりの抽せん処理、各種演算、周辺基板30に対する演出制御等を実行する。
【0016】
周辺基板30は、サブ制御部としての機能を有するサブ制御基板である。周辺基板30は、主基板20から受信する演出コマンドに応じて演出処理を実行する。周辺基板30には、映像表示装置8を用いて演出を実行するための演出データが記憶されている。周辺基板30は、主基板20からの演出コマンドによって、演出データから演出内容を決定し、映像表示装置8に画像(映像)を出力することで決定した演出内容を実現する。
【0017】
ここで、主基板20は、「特図1」7a、「特図2」7b、「普図」7c、「一般」7dなど、各々の入賞口からの入賞信号を受信可能に構成されている。例えば、遊技球が「特図1」7aに入賞した場合、「特図1」7aのセンサ(非図示)から主基板20に対して、入賞信号が送信される。主基板20は、入賞信号により「特図1」7aにおける遊技球入賞を検知すると、賞球払い出し、大当たり抽せん、周辺基板30に対する演出制御といった各種処理を実行する。
【0018】
<遊技球の振り分け>
次いで、本実施形態に係る振り分け装置6a〜6cによる遊技球の振り分け態様について説明する。
(振り分け状態1)
図3は、本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様1を説明する図である。
図3に示される状態において、遊技球(A1)がヘソ5aを通過すると、遊技球(A2)が振り分け装置6aによりヘソ5bに振り分けられる。振り分け装置6aは、遊技球の自重を利用して、落下してくる遊技球を振り子の要領で左右交互に順次振り分ける。
遊技球(A2)がヘソ5bに振り分けられてヘソ5bを通過すると、今度は遊技球(A3)が振り分け装置6bにより、「特図1」7aに振り分けられる。
遊技球(A3)が始動口である「特図1」7aに入賞すると、所定数の賞球が払い出されると共に、パチンコ機1内部で大当たり抽せんが行われる。また、「特図1」7aに遊技球が入賞すると同時に映像表示装置8の図柄窓8aに表示された図柄が変動する。
【0019】
(振り分け状態2)
図4は、本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様2を説明する図である。
図4に示される状態において、遊技球(A1)がヘソ5aを通過すると、遊技球(A3)が振り分け装置6aによりヘソ5cに振り分けられる。振り分け装置6aは、遊技球の自重を利用して、落下してくる遊技球を今度は右方向へ振り分ける。
遊技球(A3)がヘソ5cに振り分けられてヘソ5cを通過すると、今度は遊技球(A4)が振り分け装置6cにより、「普図」7cに振り分けられる。
遊技球(A4)が「普図」7cに入賞すると、パチンコ機1内部で小当たり抽せんが行われる。また、「普図」7cに遊技球が入賞すると同時に映像表示装置8の図柄窓8cに表示された図柄が変動する。
【0020】
(振り分け状態3)
図5は、本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様3を説明する図である。
図5に示される状態において、遊技球(A1)がヘソ5aを通過すると、遊技球(A5)が振り分け装置6aによりヘソ5bに振り分けられる。振り分け装置6aは、遊技球の自重を利用して、落下してくる遊技球を今度は左方向へ振り分ける。
遊技球(A5)がヘソ5bに振り分けられてヘソ5bを通過すると、今度は遊技球(A6)が振り分け装置6bにより、「特図2」7bに振り分けられる。
遊技球(A6)が始動口である「特図2」7bに入賞すると、所定数の賞球が払い出されると共に、パチンコ機1内部で大当たり抽せんが行われる。また、「特図2」7bに遊技球が入賞すると同時に映像表示装置8の図柄窓8aに表示された図柄が変動する。
【0021】
(振り分け状態4)
図6は、本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け態様4を説明する図である。
図6に示される状態において、遊技球(A1)がヘソ5aを通過すると、遊技球(A7)が振り分け装置6aによりヘソ5cに振り分けられる。振り分け装置6aは、遊技球の自重を利用して、落下してくる遊技球を今度は右方向へ振り分ける。
遊技球(A7)がヘソ5cに振り分けられてヘソ5cを通過すると、今度は遊技球(A8)が振り分け装置6cにより、「一般」7dに振り分けられる。
遊技球(A7)が「一般」7dに入賞すると、所定数の賞球が払い出される。また、本実施形態においては、「一般」7dに遊技球が入賞すると同時に映像表示装置8の図柄窓8bに表示された図柄が変動する。
【0022】
以上のように、本実施形態に係る振り分け装置6a〜6cにより、ヘソ5aを通過した遊技球は、「特図1」7a、「普図」7c、「特図2」7b、「一般」7dという順序で繰り返し入賞する。ヘソ5aを通過した遊技球が各入賞口に入賞する確率はそれぞれ均等に1/4である。このため、遊技球の入賞が「特図1」7aや「特図2」7bといった入賞口のみに入賞が著しく偏ることなく、「一般」7dという一般入賞口に対する入賞率についても相対的に向上させることが可能である。
【0023】
なお、振り分け先の入賞口を「特図1」7a及び「一般」7dのみとした場合、ヘソ5aを通過した遊技球が各入賞口に入賞する確率をそれぞれ1/2とすることも可能である。しかし、「一般」7dへの入賞率が1/2では高すぎる場合には、本実施形態が1/4であるように、「特図1」7a、「一般」7d以外の他の入賞口を設けることで、「一般」7dへの入賞率を下方調整することが可能である。
【0024】
<大当たり発生時の演出>
次いで、本実施形態に係る大当たり発生時の演出について説明する。
上述したように、遊技球が「特図1」7a又は「特図2」7bに入賞すると、パチンコ機1内部で大当たり抽せんが行われる。また、「特図1」7a又は「特図2」7bに遊技球が入賞すると、映像表示装置8の図柄窓8aに表示された図柄が変動し、大当たり抽せんに当せんした場合、停止図柄が揃い大当たり状態が発生する。
一方、遊技球が「一般」7dに入賞すると、映像表示装置8の図柄窓8bに表示された図柄が変動する。但し、言うまでもなく「一般」7dは一般入賞口ゆえ、遊技球が入賞にしても、パチンコ機1内部で大当たり抽せんや小当たり抽せんが行われることはない。
【0025】
図7は、本発明の一実施形態に係る映像表示装置の表示画面態様1を示す図である。上述したように、映像表示装置8には、図柄変動を表示するための3つの表示領域、即ち図柄窓8a、図柄窓8b、及び図柄窓8cがある。
図7の場合、保留8a’において、1つ目の保留が大当たり保留となっている。これは当該大当たり保留に対応する入賞球が、「特図1」7a又は「特図2」7bに入賞した際、大当たり抽せんに当せんしたことを示す。大当たり保留を消化するべく、図柄窓8aに表示された図柄が変動する。一方、保留8b’においては、保留がない状態であるため、図柄窓8bに表示された図柄は停止しているものとする。
【0026】
主基板20は、周辺基板30に対し、当該大当たり保留に対応付けて大当たり告知を行わせるための演出コマンドを送信する。周辺基板30は、演出コマンドに基づいて、当該大当たり保留の消化時、大当たり告知演出の1つとして、図柄窓8aに表示された停止図柄(例えば、777)を揃える演出を発生させる。大当たりが告知された後は、大当たり状態が発生するので、遊技者は大量の出玉を獲得することができる。
【0027】
図8は、本発明の一実施形態に係る映像表示装置の表示画面態様2を示す図である。図8の場合、保留8a’において、大当たり保留はなく全てハズレ保留となっている。また、保留8b’にも保留があるため、図柄窓8a及び図柄窓8bに表示された図柄が変動する。
主基板20は、周辺基板30に対し、当該ハズレ保留に対応付けてハズレ告知を行うための演出コマンドを送信する。周辺基板30は、演出コマンドに基づいて、当該ハズレ保留の消化時、図柄窓8aに表示された停止図柄(例えば、761)及び図柄窓8bに表示された停止図柄(例えば、958)を揃えない演出を発生させる。
【0028】
図9は、本発明の一実施形態に係る映像表示装置の表示画面態様3を示す図である。図9の場合、保留8a’において、1つ目の保留が大当たり保留となっている。また、保留8b’にも保留があるため、図柄窓8a及び図柄窓8bに表示された図柄が変動している。
【0029】
主基板20は、周辺基板30に対し、保留8a’の当該大当たり保留に対応付けて大当たり告知を行うための演出コマンドを送信する。周辺基板30は、演出コマンドに基づいて、当該大当たり保留の消化時、大当たり告知演出の1つとして、図柄窓8a及び図柄窓8bの両方に表示された停止図柄を揃える演出を発生させる。なおこの際、図柄窓8bを拡大し図柄窓8aを縮小することで、遊技者の注目を図柄窓8b側に引き付ける。これにより、あたかも「一般」7dへの遊技球入賞を契機として図柄窓8b側の停止図柄が揃い大当たりが発生したように演出的に見せることができる。
なお実際は、「特図1」7a又は「特図2」7bからの大当たり当せんを契機として、大当たりが発生しているものである。よって図柄窓8aに表示された停止図柄も揃える必要がある。
【0030】
以上のように、本来遊技球が一般入賞口に入賞しても、遊技者に対して少しの賞球が払い出されるだけであり、遊技者が大きな遊技結果を得られるものではない。しかしながら、一般入賞口に遊技球が入賞し、見た目に一般入賞口に対応する図柄窓8bに停止図柄が揃うと、大当たり状態が発生する。このため、遊技者に対して、遊技球が単なる一般入賞口に入賞した場合であっても、大きな遊技結果を得られるかもしれないという期待感を付与することができる。
【0031】
<制御処理>
図10は、本発明の一実施形態に係る大当たり告知の演出処理を示すフローチャート図である。
【0032】
S1:周辺基板30は、保留8a’の保留消化タイミングであるか否かを判定する。
【0033】
S2:周辺基板30は、保留8a’において消化すべき保留が大当たり保留か否かを判定する。上述したように、周辺基板30は、主基板20から大当たり告知を行わせるための演出コマンドを受信している場合、大当たり保留と判定する。消化すべき保留が大当たり保留でなくハズレ保留の場合、S3へ進む。一方、消化すべき保留が大当たり保留である場合、S6へ進む。
【0034】
S3:周辺基板30は、S2で消化すべき保留が大当たり保留でない場合、保留8b’に保留があるか否かを判定する。保留8b’に保留がある場合、S4へ進む。保留8b’に保留がない場合、S5へ進む。
【0035】
S4:周辺基板30は、保留8b’に保留がある場合、保留8a’の保留消化結果として、図柄窓8aに表示された変動図柄を揃えずに停止させる。また、保留8b’の保留消化結果として、図柄窓8bに表示された変動図柄を揃えずに停止させる(図8参照)。
【0036】
S5:周辺基板30は、保留8b’に保留がない場合、保留8a’の保留消化結果として、図柄窓8aに表示された変動図柄を揃えずに停止させる。
【0037】
S6:一方、周辺基板30は、S2で消化すべき保留が大当たり保留である場合、
保留8b’に保留があるか否かを判定する。保留8b’に保留がある場合、S7へ進む。保留8b’に保留がない場合、S8へ進む。
【0038】
S7:周辺基板30は、保留8b’に保留がある場合、保留8a’の保留消化結果として、図柄窓8aに表示された変動図柄を揃えて停止させる。また、保留8b’の保留消化結果として、図柄窓8bに表示された変動図柄を揃えて停止させる(図9参照)。さらに演出効果を高めるため、図柄窓8bを拡大し図柄窓8aを縮小する演出を行ってもよい。
なお、図柄窓8bの停止図柄のみならず図柄窓8aの停止図柄を揃えるのは、原理的にはあくまで「特図1」7a又は「特図2」7bへの遊技球入賞を契機として大当たり状態が発生するためである。「一般」7dへの遊技球入賞を単独契機として図柄窓8b側の停止図柄が揃うことはなく、大当たり状態が発生することもない。
【0039】
S8:周辺基板30は、保留8b’に保留がない場合、保留8a’の保留消化結果として、図柄窓8aに表示された変動図柄を揃えて停止させる(図7参照)。
【0040】
<変形例>
図11は、本発明の一実施形態に係る遊技球の振り分け装置を説明する図である。図3〜6の振り分け装置6a〜6cと比較し、変形例においては、振り分け装置の一例として、いわゆるクルーン40を適用したものである。
図11に示される状態において、遊技球(A1)がヘソ5aを通過すると、遊技球(A9)がクルーン40上に落下する。クルーン40上には、4つの入賞口(入賞穴)が設けられており、それぞれは「特図1」7a、「特図2」7b、「普図」7c、「一般」7dの入賞口(入賞穴)である。
クルーン40上に落下した遊技球(A9)は、「特図1」7a、「特図2」7b、「普図」7c、「一般」7dの入賞口(入賞穴)の何れか1つに入賞する。即ち、遊技球(A9)は、クルーン40により「特図1」7a、「特図2」7b、「普図」7c、「一般」7dの入賞口(入賞穴)の何れか1つに振り分けられる。
【0041】
以上のように、クルーン40により、ヘソ5aを通過した遊技球は、「特図1」7a、「特図2」7b、「普図」7c、「一般」7dの何れかに入賞することになる。ヘソ5aを通過した遊技球は各入賞口に対して短期的にはランダムに入賞するが、その確率は平均すればやがてそれぞれ1/4に収束する。このため、遊技球の入賞が「特図1」7aや「特図2」7bといった始動口のみに入賞が著しく偏ることなく、「一般」7dという一般入賞口に対する入賞率についても向上させることが可能である。
なお、各入賞口に対する入賞率をより均等化させるため、例えば、クルーン40を回転させたり、落下する遊技球がクルーン40の外淵方向へ向かうよう誘導路を設け、落下した遊技球をクルーン40上を周回させるようにしてもよい。
【0042】
<総括>
以上のように、本実施形態に係る弾球遊技機によれば、ヘソ5aを通過した遊技球は、特別図柄1、特別図柄2、普通図柄、一般入賞口という各入賞口にそれぞれ1/4で入賞する。このため、遊技球の入賞が特別図柄1や特別図柄2といった大当たり抽せんが行われる入賞口のみに入賞が著しく偏ることなく、一般入賞口という入賞口に対する入賞機会も確保しその入賞率を相対的に向上させることが可能である。
【0043】
また、本来遊技球が一般入賞口に入賞しても、遊技者に対して少しの賞球が払い出されるだけであり、遊技者が大きな遊技結果を得られるものではない。しかしながら、本実施形態に係る弾球遊技機によれば、一般入賞口に遊技球が入賞し、見た目に一般入賞口に対応する図柄窓に停止図柄が揃うと、大当たり状態が発生する。このため遊技者に対して、遊技球が単なる一般入賞口に入賞した場合であっても、大きな遊技結果を得られるかもしれないという期待感を付与することができる。
【0044】
即ち本実施形態によれば、弾球遊技機において一般入賞口に対する入賞率を向上させると共に、遊技者の一般入賞口に対する期待感や注目度を高めることが可能である。
【0045】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更を加えることができることは明らかである。即ち、具体例の詳細及び添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0046】
1 パチンコ機
5a ヘソ
7a 特別図柄1
7b 特別図柄2
7c 普通図柄
7d 一般入賞口
8 映像表示装置
8a 図柄窓
8b 図柄窓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11