(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-213090(P2017-213090A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20171110BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-107737(P2016-107737)
(22)【出願日】2016年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】野中 雄司
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA39
2C088AA42
2C088EB52
2C088EB63
2C088EB74
(57)【要約】
【課題】当否判定の回数によって特典への期待を遊技者に抱かせることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の遊技球10は、受入口31で受け入れた遊技球を第1始動口41と第2始動口42の何れかに振り分ける振分装置30と、第3始動口43を開閉する開閉部材45と、を有し、第1始動口41への入球に起因して第1当否判定を行い、第2始動口42又は第3始動口43への入球に起因して大当り遊技を実行する。開閉部材45は、通常は閉状態にされ、第1当否判定の結果が当りとなったときに所定の期間に亘って前記開状態にされる。振分装置30は、通常は遊技球を第1始動口41に振り分け、第1始動口41への入球回数が規定回数に達する毎に、遊技球を第2始動口42に振り分け、第2始動口42に遊技球が入球したことを条件にして、遊技球を再び第1始動口41に振り分ける。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な第1始動口及び第2始動口と、
遊技球を受け入れ可能な受入口を備えて、その受入口で受け入れた遊技球を前記第1始動口と前記第2始動口の何れか一方の始動口に振り分ける振分装置と、
遊技球が入球可能であって、前記第1始動口及び前記第2始動口とは別に設けられた第3始動口と、
前記第3始動口への遊技球の入球を規制する閉状態と、前記第3始動口への遊技球の入球を許容する開状態と、に変化する開閉部材と、
前記第1始動口への遊技球の入球に起因して第1当否判定を行う第1判定手段と、
前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、
前記開閉部材は、通常は前記閉状態にされる一方、前記第1当否判定の結果が当りとなったときに所定の期間に亘って前記開状態にされ、
前記振分装置は、通常は遊技球を前記第1始動口に振り分け、前記第1始動口への遊技球の入球回数が予め定められた規定回数に達する毎に、遊技球を前記第2始動口に振り分け、前記第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技球を再び前記第1始動口に振り分けるように構成された請求項1に記載の遊技機。
【請求項2】
前記特典遊技実行手段は、前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したときに、必ず前記特典遊技を実行する請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口への遊技球の入球に起因して第2当否判定を行う第2判定手段を有し、
前記特典遊技実行手段は、前記第2当否判定の結果が当りとなったときに、前記特典遊技を実行する請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記規定回数は、前記特典遊技が実行されたときに、予め設定された上限数までの数の中からランダムに決定される請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動口への遊技球の入球に起因して当否判定が行われる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入球すると、当否判定が行われ、当否判定の結果が当りになったときに、遊技者への特典として、大当り遊技が実行されるようになっていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−48990号公報(段落[0104])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したパチンコ遊技機では、何れのタイミングで当否判定が行われても当りとなる確率が同じであるため、当否判定が行われた回数によって遊技者に大当り遊技への期待を持たせることが困難であった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、当否判定が行われた回数によって特典への期待を遊技者に抱かせることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、遊技球が入球可能な第1始動口及び第2始動口と、遊技球を受け入れ可能な受入口を備えて、その受入口で受け入れた遊技球を前記第1始動口と前記第2始動口の何れか一方の始動口に振り分ける振分装置と、遊技球が入球可能であって、前記第1始動口及び前記第2始動口とは別に設けられた第3始動口と、前記第3始動口への遊技球の入球を規制する閉状態と、前記第3始動口への遊技球の入球を許容する開状態と、に変化する開閉部材と、前記第1始動口への遊技球の入球に起因して第1当否判定を行う第1判定手段と、前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記開閉部材は、通常は前記閉状態にされる一方、前記第1当否判定の結果が当りとなったときに所定の期間に亘って前記開状態にされ、前記振分装置は、通常は遊技球を前記第1始動口に振り分け、前記第1始動口への遊技球の入球回数が予め定められた規定回数に達する毎に、遊技球を前記第2始動口に振り分け、前記第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技球を再び前記第1始動口に振り分けるように構成された請求項1に記載の遊技機である。
【0007】
請求項2の発明は、前記特典遊技実行手段は、前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したときに、必ず前記特典遊技を実行する請求項1に記載の遊技機である。
【0008】
請求項3の発明は、前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口への遊技球の入球に起因して第2当否判定を行う第2判定手段を有し、前記特典遊技実行手段は、前記第2当否判定の結果が当りとなったときに、前記特典遊技を実行する請求項1に記載の遊技機である。
【0009】
請求項4の発明は、前記規定回数は、前記特典遊技が実行されたときに、予め設定された上限数までの数の中からランダムに決定される請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の遊技機である。
【発明の効果】
【0010】
[請求項1〜3の発明]
本発明では、通常は、第1始動口に遊技球が入球し、第1当否判定で当りとなると、第3始動口に遊技球が入球可能となる。そして、第3始動口に遊技球が入球したことを条件にして、特典遊技が実行される。一方、第1当否判定が外れであると、第3始動口への遊技球の入球が規制された状態が続き、特典遊技は実行されない。また、本発明では、第1始動口への入球回数が規定回数に達したときには、第2始動口に遊技球が入球可能となり、第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして特典遊技が実行される。このように、本発明では、第1始動口への入球回数が規定回数に達したときには、第1当否判定を受けることなく、特典遊技を実行させることが可能となる。言い換えれば、本発明では、第1当否判定が行われた回数が規定回数に達すると、特典遊技が実行され易くなる。本発明によれば、第1当否判定が行われた回数によって特典遊技への期待を遊技者に持たせることが可能となる。
【0011】
ここで、特典遊技は、第2始動口と第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したときに必ず実行されてもよいし(請求項2の発明)、第2始動口と第3始動口の何れか一方の始動口への遊技球の入球に起因して第2当否判定が行われ、その第2当否判定の結果が当りとなったときに実行されてもよい(請求項3の発明)。前者の構成によれば、第1始動口への入球回数が規定回数に達する毎に、当否判定を行うことなく特典遊技を実行することが可能となり、第1当否判定で外れが続く、所謂、ハマりが発生した場合に、遊技者をハマりから救済することが可能となる。また、後者の構成によれば、第1始動口への入球回数が規定回数に達する毎に、第1当否判定を受けることなく、第2当否判定を受けることが可能となるので、特典遊技が実行され易くなる高確率状態を周期的に設けることが可能となる。
【0012】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、特典遊技が実行される度に、規定回数がランダムに決定されるので、特典遊技が実行された後に第1当否判定が行われた回数が少ない場合であっても、特典遊技への期待を遊技者に持たせることが可能となる。また、規定回数は、予め設定された上限数までの数からランダムに決定されるので、特典遊技の実行後に第1当否判定が行われた回数が上限数に近い場合には、特典遊技への期待を遊技者に一層多く持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】(A)第1状態の振分装置の内部構造を示す図、(B)第2状態の振分装置の内部構造を示す図
【
図7】実施形態2に係る遊技機における遊技の流れの一例を示す概念図
【
図8】実施形態3に係る遊技機において実行される大当り遊技終了処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態1]
図1に示すように、実施形態1の遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には発射ハンドル28が設けられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0015】
遊技領域R1には、例えば、液晶モジュールで構成された表示装置13が備えられている。表示装置13は、長方形状の表示画面13Gを前面に有し、その表示画面13Gが遊技領域R1における中央より若干上寄り位置に配置されている。表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
【0016】
遊技領域R1のうち表示画面13Gの下方には、第1始動口41と第2始動口42とを備える振分装置30が設けられている。振分装置30の詳細については、後述する。遊技領域R1のうち表示画面13Gの右側には、第3始動口43が設けられ、第3始動口43の下方には、大入賞口15が設けられている。また、遊技領域R1の最下部には、遊技領域R1を流下してきた遊技球を遊技盤11の裏側に取り込んで排出するためのアウト口16が設けられている。なお、図示はしないが、遊技領域R1には、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配設されている。
【0017】
第1始動口41は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、第1始動口41を通過した遊技球は、振分装置30から排出されて再び遊技領域R1を流下する。第1始動口41を遊技球が通過すると、第1当否判定が行われる。第1当否判定の判定結果は、表示画面13Gにて表示される。
【0018】
第2始動口42は、上方に開放したポケット構造になっていて、第2始動口42に入球した遊技球は、遊技盤11の裏側に取り込まれる。
【0019】
第3始動口43は、側方に開放した構造になっていて、開閉部材45によって開閉される。開閉部材45は、通常は、第3始動口43を閉塞するように起立している。そして、上述した第1当否判定の結果が当りになると、開閉部材45は、下端部を中心に回動して横倒しになり、第3始動口43を開放する。なお、第1当否判定の結果が当りになると、例えば、「右アタッカーを狙え」というように、第3始動口43へ向けて遊技球を打ち込むことを促すメッセージが表示画面13Gに表示される。
【0020】
第2始動口42と第3始動口43の何れか一方の始動口に遊技球が入球すると、所定数の賞球が払い出されると共に、遊技状態が大当り遊技状態へ移行する。
【0021】
大入賞口15は、前方に開放した構造になっていて、通常の遊技状態では、可動扉15Tによって閉塞されている。遊技状態が大当り遊技状態になると、可動扉15Tが前倒しにされて、大入賞口15が所定時間、所定回数だけ開放される。大入賞口15に遊技球が入球すると、所定数の賞球が払い出される。
【0022】
図2(A)及び
図2(B)には、振分装置30の詳細が示されている。
図2(A)に示すように、振分装置30は、遊技球が1つだけ通過可能な大きさの受入口31を上部に備えている。また、第1始動口41と第2始動口42は、振分装置30の下部において横並びに配置されている。
【0023】
振分装置30の内部には、受入口31から下方に延びた導入路32と、導入路32から2股に分岐した1対の分岐路33L,33Rと、が形成され、1対の分岐路33L,33Rのうち一方の分岐路である第1分岐路33Lが第1始動口41に連絡し、他方の分岐路である第2分岐路33Rが第2始動口42に連絡している。なお、導入路32には、受入口31に入球した遊技球を検出するための検出センサ31Sが設けられている。
【0024】
導入路32から1対の分岐路33L,33Rへの分岐部分には、振分部材35が設けられている。振分部材35は、導入路32を流下してきた遊技球を第1分岐路33Lへ案内すると共に第2分岐路33Rへの進入を規制する第1状態(
図2(A)に示す状態)と、導入路32を流下してきた遊技球を第2分岐路33Rへ案内すると共に第1分岐路33Lへの進入を規制する第2状態(
図2(B)に示す状態)と、に変化する。
【0025】
詳細には、振分部材35は、遊技盤11の前面と直交する回動軸J1を中心に回動可能な回動ベース35Aと、回動ベース35Aから前方に突出した受止突部35Bと、を有し、受止突部35Bの上側を向く面が導入路32から流下してきた遊技球を受け止めて転動させることが可能な受止転動面35Mとなっている。そして、振分部材35は、回動ベース35Aの回動により、受止転動面35Mが左下がりとなるように受止突部35Bが配置されたときに第1状態となり(
図2(A)参照)、受止転動面35Mが右下がりとなるように受止突部35Bが配置されたときに第2状態となる(
図2(B)参照)。
【0026】
実施形態1では、振分部材35は、通常は、第1状態になっていて、受入口31にて遊技球を受け入れた回数が予め定められた規定回数(例えば、200回)に達する度に、第2状態へと変化する。このことは、第1始動口41への遊技球の入球回数が規定回数に達すると、言い換えれば、第1当否判定の回数が規定回数に達すると、第2始動口42に遊技球が入球可能となることを意味する。ここで、遊技機10では、上述したように、第2始動口42に遊技球が入球すると、大当り遊技状態へ移行する。従って、実施形態1の遊技機10では、第1当否判定が規定回数行われる度に、大当り遊技状態へ移行することとなる。
【0027】
なお、振分装置30は、
図2に示した構成のものに限定されず、例えば、
図3に示すような構成であってもよいし、
図4に示すような構成であってもよい。
【0028】
図3に示す構成では、振分部材35が、左側流下路33Lの上流端と右側流下路33Rの上流端の両方に、遊技盤11の前面よりも前方に突出する前端位置と後側に引っ込んだ後端位置との間をスライドするスライド部材36L,36Rを有している。左側のスライド部材36Lは、前端位置に配置されたときに、左側流下路33Lを閉塞すると共に導入路32から流下してきた遊技球を受け止めて右側流下路33Rへと案内し(
図3(B)参照)、後端位置に配置されたときに、左側流下路33Lを開放する(
図3(A)参照)。右側のスライド部材36Rは、前端位置に配置されたときに、右側流下路33Rを閉塞すると共に導入路32から流下してきた遊技球を受け止めて左側流下路33Lへと案内し(
図3(A)参照)、後端位置に配置されたときに、右側流下路33Lを開放する(
図3(B)参照)。そして、通常は、
図3(A)に示すように、左側のスライド部材36Lが後端位置に配置され且つ右側のスライド部材36Rが前端位置に配置され、第1当否判定の回数が規定回数に達すると、
図3(B)に示すように、左側のスライド部材36Lが前端位置に配置され且つ右側のスライド部材36Rが後端位置に配置される。
【0029】
図4に示す構成では、振分部材35がスプロケット37を有している。スプロケット37は、導入路32から流下してきた遊技球をポケット37Aに受容し、通常は、反時計方向に回転することで、ポケット37Aに受容した遊技球を左側流下路33Lへと導く(
図4(A)参照)。一方、第1当否判定の回数が規定回数に達すると、スプロケット37は、時計方向に回転することで、ポケット37Aに受容した遊技球を右側流下路33Rへと導く(
図4(B)参照)。
【0030】
次に、遊技機10における遊技の流れについて説明する。遊技機10では、まず、振分装置30の受入口31へ向けて遊技球が打ち込まれる。そして、遊技球が受入口31に受け入れられると、その遊技球が第1始動口41を通過し、第1当否判定が行われる。第1当否判定の結果が当りであると、第3始動口43が開放され、その第3始動口43に遊技球が入球すると、大当り遊技が実行される。一方、第1当否判定の結果が外れであると、通常の遊技状態が続く。そして、通常の遊技状態で、振分装置30の受入口31に再び遊技球が入球すると、その遊技球が第1始動口41を通過して、次の第1当否判定が行われる。第1当否判定の回数が200回に達すると、振分装置30の受入口31に受け入れられた遊技球は、第2始動口42に入球し、その入球に基づいて大当り遊技が実行される。なお、
図5には、遊技機10における遊技の流れの一例が概念的に示されている。
【0031】
図6には、遊技機10の電気的構成が示されている。同図において、符号50は、主制御回路50であって、CPU51A、RAM51B、ROM51C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路及び払出制御回路等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、第1当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、各種制御データや第1当否判定の判定値等が書き込まれている。なお、主制御回路50は、請求項1に記載の「特典遊技実行手段」及び「第1判定手段」に相当する。
【0032】
また、主制御回路50は、振分装置30の受入口31に遊技球が入球したときに検出センサ31Sから信号を受信し、振分装置30への入球数をカウントする。そして、振分装置30への入球数が規定回数に達したときに、主制御回路50は中継回路80を介して振分部材35を駆動制御する。
【0033】
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、表示制御回路54等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、各種演出のデータ等が記憶されている。
【0034】
実施形態1の遊技機10によれば、次の作用効果を奏することが可能となる。
実施形態1の遊技機10では、通常は、第1始動口41に遊技球が入球し、第1当否判定で当りとなると、第3始動口43へ遊技球が入球可能となる。そして、第3始動口43に遊技球が入球すると、大当り遊技が実行される。一方、第1当否判定で外れであると、第3始動口43への遊技球の入球が規制された状態が続き、大当り遊技は実行されない。また、遊技機10では、第1始動口41への遊技球の入球数が規定回数に達したときには、第2始動口42に遊技球を入球させることが可能となり、第1当否判定を受けることなく、大当り遊技を実行させることが可能となる。言い換えれば、遊技機10では、第1当否判定の回数が規定回数に達すると、大当り遊技が実行され易くなる。遊技機10によれば、第1当否判定の回数によって大当り遊技への期待を遊技者に持たせることが可能となる。また、遊技機10によれば、第1始動口41への入球回数が規定回数に達する毎に大当り遊技を実行可能となり、第1当否判定で外れが続く、所謂、ハマリが発生した場合に、遊技者をハマリから救済することが可能となる。
【0035】
[実施形態2]
実施形態2は、第2始動口42と第3始動口43の何れかの一方の始動口に遊技球が入球しても、大当り遊技状態に必ず移行するとは限らない点が、上記実施形態1と異なっていて、その他の構成については、上記実施形態1と同じになっている。具体的には、実施形態2では、第2始動口42と第3始動口43の何れか一方の始動口に遊技球が入球すると、第2当否判定が行われる。そして、第2当否判定の結果が当りであるときに、大当り遊技が実行される。第2当否判定で当りとなる確率は、例えば、50%となっている。なお、実施形態2では、主制御回路50(実施形態1の
図6参照)のCPU51Aが第2当否判定に関する乱数を生成し、ROM50Cに第2当否判定の判定値等が書き込まれている。従って、実施形態2における主制御回路50は、請求項3に記載の「第2当否判定手段」に相当する。
【0036】
以下、実施形態2における遊技の流れについて説明する。実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、まず、振分装置30の受入口31へ向けて遊技球が打ち込まれる。遊技球が受入口31に受け入れられると、その遊技球が第1始動口41を通過し、第1当否判定が行われる。第1当否判定の結果が当りであると、第3始動口43が開放され、その第3始動口43に遊技球が入球すると、第2当否判定が行われる。そして、第2当否判定の結果が当りになると、大当り遊技状態へと移行し、大当り遊技が実行される。一方、第1当否判定の判定結果が外れの場合、又は、第2当否判定の判定結果が外れの場合には、通常の遊技状態が続く。そして、通常の遊技状態で、振分装置30の受入口31に再び遊技球が入球すると、その遊技球が第1始動口41を通過して、次の第1当否判定が行われる。
【0037】
第1当否判定の回数が規定回数の200回に達すると、振分装置30の受入口31に受け入れられた遊技球は、第2始動口42に入球し、その入球に基づいて第2当否判定が実行される。このように、実施形態2では、第1当否判定の回数が規定回数に達すると、第1当否判定を行うことなく第2当否判定が行われることとなり、大当り遊技状態へ移行し易い高確率状態になる。従って、実施形態2によれば、第1当否判定が行われた回数によって高確率状態への期待を遊技者に持たせることが可能となる。なお、
図7には、実施形態2における遊技の流れの一例が概念的に示されている。
【0038】
[実施形態3]
実施形態3は、上記実施形態1を変形したものであり、大当り遊技状態から通常の遊技状態へ戻るときに、規定回数が抽選により決定される点が上記実施形態1と異なっている。
図8には、大当り遊技の終了時に、主制御回路50が実行する大当り遊技終了処理S10が示されている。この大当り遊技終了処理S10では、まず、遊技状態のフラグを通常遊技状態のフラグに設定する(S11)。次いで、規定回数用乱数を取得することで規定回数の抽選を行い(S12)、取得した規定回数用乱数に応じた回数に規定回数を設定する(S13)。次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S14)を実行して、この大当り遊技終了処理(S10)を終了する。ここで、規定回数用乱数に応じた回数は、1から200までの何れかになっていて、ステップS13の処理では、規定回数が1から予め定められた上限数(例えば、200)までの数からランダムに設定されるようになっている。なお、実施形態3のその他の構成については、上記実施形態1と同じになっている。
【0039】
実施形態3によっても、上記実施形態1と同様の効果を奏することが可能となる。また、実施形態3によれば、大当り遊技が実行される度に、規定回数がランダムに決定されるので、大当り遊技が実行された後に第1当否判定が行われた回数が少ない場合であっても、大当り遊技への期待を遊技者に持たせることが可能となる。また、規定回数は、1から予め定められた上限数までの数からランダムに決定されるので、第1当否判定の回数が上限数に近い場合には、大当り遊技への期待を遊技者に一層多く持たせることが可能となる。
【0040】
[変形例]
上記実施形態1において、第2始動口42と第3始動口43の何れか一方の始動口(例えば、第2始動口42)へ遊技球が入球した場合に、上記第2実施形態で説明した第2当否判定が行われる構成であってもよい。
【0041】
上記実施形態2において、上記実施形態3の構成を適用してもよい。即ち、上記実施形態2において、大当り遊技状態へ移行し易い高確率状態になるまでの第1当否判定の回数(規定回数)が、大当り遊技の終了時にランダムに設定される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 遊技機
15 大入賞口
30 振分装置
31 受入口
35 振分部材
41 第1始動口
42 第2始動口
43 第3始動口
45 開閉部材
【手続補正書】
【提出日】2017年9月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な第1始動口及び第2始動口と、
遊技球を受け入れ可能な受入口を備えて、その受入口で受け入れた遊技球を前記第1始動口と前記第2始動口の何れか一方の始動口に振り分ける振分装置と、
遊技球が入球可能であって、前記第1始動口及び前記第2始動口とは別に設けられた第3始動口と、
前記第3始動口への遊技球の入球を規制する閉状態と、前記第3始動口への遊技球の入球を許容する開状態と、に変化する開閉部材と、
前記第1始動口への遊技球の入球に起因して第1当否判定を行う第1判定手段と、
前記第2始動口への遊技球の入球に起因して第2当否判定を行う第2判定手段と、
前記第3始動口への遊技球の入球に起因して、前記第2当否判定とは独立の第3当否判定を行う第3判定手段と、
前記第2当否判定又は前記第3当否判定の結果が当りとなったときに、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、
前記開閉部材は、通常は前記閉状態にされる一方、前記第1当否判定の結果が当りとなったときに所定の期間に亘って前記開状態にされ、
前記振分装置は、通常は遊技球を前記第1始動口に振り分け、前記第1始動口への遊技球の入球回数が予め定められた規定回数に達する毎に、遊技球を前記第2始動口に振り分け、前記第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技球を再び前記第1始動口に振り分けるように構成された遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、遊技球が入球可能な第1始動口及び第2始動口と、遊技球を受け入れ可能な受入口を備えて、その受入口で受け入れた遊技球を前記第1始動口と前記第2始動口の何れか一方の始動口に振り分ける振分装置と、遊技球が入球可能であって、前記第1始動口及び前記第2始動口とは別に設けられた第3始動口と、前記第3始動口への遊技球の入球を規制する閉状態と、前記第3始動口への遊技球の入球を許容する開状態と、に変化する開閉部材と、前記第1始動口への遊技球の入球に起因して第1当否判定を行う第1判定手段と、
前記第2始動口への遊技球の入球に起因して第2当否判定を行う第2判定手段と、前記第3始動口への遊技球の入球に起因して、前記第2当否判定とは独立の第3当否判定を行う第3判定手段と、前記第2当否判定又は前記第3当否判定の結果が当りとなったときに、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記開閉部材は、通常は前記閉状態にされる一方、前記第1当否判定の結果が当りとなったときに所定の期間に亘って前記開状態にされ、前記振分装置は、通常は遊技球を前記第1始動口に振り分け、前記第1始動口への遊技球の入球回数が予め定められた規定回数に達する毎に、遊技球を前記第2始動口に振り分け、前記第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技球を再び前記第1始動口に振り分けるように構成され
た遊技機である。
なお、第2当否判定と第3当否判定は、両方の当選確率が100%未満であってもよいし、何れか一方の当選確率が100%であってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明では、通常は、第1始動口に遊技球が入球し、第1当否判定で当りとなると、第3始動口に遊技球が入球可能となる。そして、第3始動口に遊技球が入球したことを条件にして、特典遊技が実行される。一方、第1当否判定が外れであると、第3始動口への遊技球の入球が規制された状態が続き、特典遊技は実行されない。また、本発明では、第1始動口への入球回数が規定回数に達したときには、第2始動口に遊技球が入球可能となり、第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして特典遊技が実行される。このように、本発明では、第1始動口への入球回数が規定回数に達したときには、第1当否判定を受けることなく、特典遊技を実行させることが可能となる。言い換えれば、本発明では、第1当否判定が行われた回数が規定回数に達すると、特典遊技が実行され易くなる。本発明によれば、第1当否判定が行われた回数によって特典遊技への期待を遊技者に持たせることが可能となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
上記実施形態2において、上記実施形態3の構成を適用してもよい。即ち、上記実施形態2において、大当り遊技状態へ移行し易い高確率状態になるまでの第1当否判定の回数(規定回数)が、大当り遊技の終了時にランダムに設定される構成であってもよい。
<上記実施形態及び変形例から抽出される特徴群について>
[特徴A1]
遊技球が入球可能な第1始動口及び第2始動口と、
遊技球を受け入れ可能な受入口を備えて、その受入口で受け入れた遊技球を前記第1始動口と前記第2始動口の何れか一方の始動口に振り分ける振分装置と、
遊技球が入球可能であって、前記第1始動口及び前記第2始動口とは別に設けられた第3始動口と、
前記第3始動口への遊技球の入球を規制する閉状態と、前記第3始動口への遊技球の入球を許容する開状態と、に変化する開閉部材と、
前記第1始動口への遊技球の入球に起因して第1当否判定を行う第1判定手段と、
前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、
前記開閉部材は、通常は前記閉状態にされる一方、前記第1当否判定の結果が当りとなったときに所定の期間に亘って前記開状態にされ、
前記振分装置は、通常は遊技球を前記第1始動口に振り分け、前記第1始動口への遊技球の入球回数が予め定められた規定回数に達する毎に、遊技球を前記第2始動口に振り分け、前記第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして、遊技球を再び前記第1始動口に振り分けるように構成された遊技機。
[特徴A2]
前記特典遊技実行手段は、前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したときに、必ず前記特典遊技を実行する特徴A1に記載の遊技機。
[特徴A3]
前記第2始動口と前記第3始動口の何れか一方の始動口への遊技球の入球に起因して第2当否判定を行う第2判定手段を有し、
前記特典遊技実行手段は、前記第2当否判定の結果が当りとなったときに、前記特典遊技を実行する特徴A1に記載の遊技機。
[特徴A4]
前記規定回数は、前記特典遊技が実行されたときに、予め設定された上限数までの数の中からランダムに決定される特徴A1乃至A3のうち何れか1に記載の遊技機。
特徴A1の構成では、通常は、第1始動口に遊技球が入球し、第1当否判定で当りとなると、第3始動口に遊技球が入球可能となる。そして、第3始動口に遊技球が入球したことを条件にして、特典遊技が実行される。一方、第1当否判定が外れであると、第3始動口への遊技球の入球が規制された状態が続き、特典遊技は実行されない。また、本特徴の構成では、第1始動口への入球回数が規定回数に達したときには、第2始動口に遊技球が入球可能となり、第2始動口に遊技球が入球したことを条件にして特典遊技が実行される。このように、本発明では、第1始動口への入球回数が規定回数に達したときには、第1当否判定を受けることなく、特典遊技を実行させることが可能となる。言い換えれば、本特徴の構成では、第1当否判定が行われた回数が規定回数に達すると、特典遊技が実行され易くなる。本特徴の構成によれば、第1当否判定が行われた回数によって特典遊技への期待を遊技者に持たせることが可能となる。
ここで、特典遊技は、第2始動口と第3始動口の何れか一方の始動口に遊技球が入球したときに必ず実行されてもよいし(特徴A2)、第2始動口と第3始動口の何れか一方の始動口への遊技球の入球に起因して第2当否判定が行われ、その第2当否判定の結果が当りとなったときに実行されてもよい(特徴A3)。前者の構成によれば、第1始動口への入球回数が規定回数に達する毎に、当否判定を行うことなく特典遊技を実行することが可能となり、第1当否判定で外れが続く、所謂、ハマりが発生した場合に、遊技者をハマりから救済することが可能となる。また、後者の構成によれば、第1始動口への入球回数が規定回数に達する毎に、第1当否判定を受けることなく、第2当否判定を受けることが可能となるので、特典遊技が実行され易くなる高確率状態を周期的に設けることが可能となる。
特徴A4の構成によれば、特典遊技が実行される度に、規定回数がランダムに決定されるので、特典遊技が実行された後に第1当否判定が行われた回数が少ない場合であっても、特典遊技への期待を遊技者に持たせることが可能となる。また、規定回数は、予め設定された上限数までの数からランダムに決定されるので、特典遊技の実行後に第1当否判定が行われた回数が上限数に近い場合には、特典遊技への期待を遊技者に一層多く持たせることが可能となる。