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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-213538(P2017-213538A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】ハニカム構造体
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/04 20060101AFI20171110BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20171110BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20171110BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20171110BHJP
   C04B 41/85 20060101ALI20171110BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
   B01J35/04 301J
   F01N3/28 301P
   B01J35/04 301F
   B01D53/86 241
   B01D53/94 241
   C04B41/85 CZAB
   F01N3/022 B
   B01J35/04 301K
   B01J35/04 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-110479(P2016-110479)
(22)【出願日】2016年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 正司
(72)【発明者】
【氏名】谷奥 尚平
(72)【発明者】
【氏名】高原 亮策
(72)【発明者】
【氏名】畠山 由章
【テーマコード(参考)】
3G091
3G190
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
3G091AB13
3G091BA07
3G091GA07
3G091GA17
3G091GB10X
3G091GB13X
3G091GB15X
3G091GB17X
3G190BA41
3G190CA03
3G190CA05
3G190CA13
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3G190CB04
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4G169BA13B
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4G169BA21C
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4G169EB15Y
4G169EB18Y
4G169EC17Y
4G169EE07
4G169FB06
4G169FB07
4G169FB30
4G169FB57
4G169FB67
4G169FC08
(57)【要約】
【課題】リング状凸部を備えるハニカム構造体の気孔率を高めながら、排気通路に設置した際に、リング状凸部が破損せず、ケーシングに固定できる程度に強度を向上させる。
【解決手段】本発明のハニカム構造体10は、隔壁によって区画された複数のセルが長手方向に並設されているセラミック製の柱状のハニカム部材12が接合層13を介して複数個結束されており、隔壁の気孔率が60〜75%であり、ハニカム構造体10は、外周面10aを全周に亘って外方へ突出するリング状凸部20を含み、リング状凸部20は、セルが並設されたセル部20hと、セルのない非セル部とを有し、非セル部は、リング状凸部20の全体積の30体積%以上を構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁によって区画された複数のセルが長手方向に並設されているセラミック製の柱状のハニカム部材が接合層を介して複数個結束されたハニカム構造体であって、
前記隔壁の気孔率が60〜75%であり、
前記ハニカム構造体は、外周面を全周に亘って外方へ突出するリング状凸部を含み、
前記リング状凸部は、前記セルが並設されたセル部と、前記セルのない非セル部とを有し、前記非セル部は、前記リング状凸部の全体積の30体積%以上を構成するハニカム構造体。
【請求項2】
前記非セル部は、前記リング状凸部の全体積の40〜70体積%を構成する請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記非セル部は、前記リング状凸部の前記長手方向の端面から、もう一方の端面まで連続して形成されている請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記非セル部は、充填層及び塗布層から構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記充填層及び前記塗布層は、それぞれ無機粒子と無機繊維と無機バインダとを含む請求項4に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記充填層は、前記長手方向に延びる軸について、0時、3時、6時及び9時の方向において所定距離を超える部分に形成されている請求項4又は5に記載のハニカム構造体。
【請求項7】
前記ハニカム部材の長手方向の中心における断面のセルの開口率が55〜70%である請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス中に含まれる粒子状物質等を低減するために用いられるハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境への影響を考慮し、内燃機関やボイラー等の燃焼装置の排ガスに含まれる粒子状物質を排ガス中から除去する必要性が高まっている。特に、ディーゼルエンジンから排出される黒鉛微粒子等の粒子状物質等(以下、「PM等」という)の低減に関する規制は強化されつつある。
【0003】
一般に、PM等を低減するためのフィルタとして、DPF(Diesel Particulate Filter)と呼ばれるハニカム構造体が知られている。ハニカム構造体は、燃焼装置の排気通路に設けられたケーシング内に収容されている。ハニカム構造体は、多孔質セラミック部材により構成される隔壁により区画された多数のセルを有している。排ガスは、ハニカム構造体の流入口側端面において、開放されているセルに流入し、多孔質の隔壁を通って、流出口側端面において開放されているセルから排出される。例えばディーゼルエンジンから排出されるPM等は、濾過フィルタとして機能する隔壁に捕集される。
【0004】
ハニカム構造体は、例えば複数のセルが開口されている多角柱状のハニカム部材を、接着層を介して複数接合してハニカム集合体を形成した後、所定の形状に研削して、その外周面に塗布層を設けることにより製造されている。従来より、特許文献1に開示されるようなハニカム構造体が知られている。特許文献1のハニカム構造体は、外周面の一部において、ハニカム構造体をケーシング内で固定するために、外周面を全周に亘って外方へ突出するリング状凸部が形成されている。リング状凸部の形成方法は、ハニカム集合体を形成した後、ハニカム集合体を所定形状に研削する際、リング状凸部も併せて研削することにより形成していた。したがって、特許文献1に開示されるリング状凸部を有するハニカム構造体は、リング状凸部を含む全体がセルを有する多孔質セラミック部材によって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−64978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ハニカム構造体としては、ハニカム構造体を通過する流体の圧力損失が増大することを抑制するという観点から、隔壁の気孔率を高めることが求められる。その一方で、上記特許文献1に記載のハニカム構造体のように、リング状凸部が隔壁により区画されたセルを有して構成されていたのでは、隔壁の気孔率を高めたことによりリング状凸部の強度が低下し、排気通路に設置した際に、リング状凸部が破損し、ケーシングに十分に固定できないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、リング状凸部を備えるハニカム構造体の気孔率を高めながら、排気通路に設置した際に、リング状凸部が破損せず、ケーシングに固定できる程度に強度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するハニカム構造体は、隔壁によって区画された複数のセルが長手方向に並設されているセラミック製の柱状のハニカム部材が接合層を介して複数個結束されたハニカム構造体であって、前記隔壁の気孔率が60〜75%であり、前記ハニカム構造体は、外周面を全周に亘って外方へ突出するリング状凸部を含み、前記リング状凸部は、前記セルが並設されたセル部と、前記セルのない非セル部とを有し、前記非セル部は、前記リング状凸部の全体積の30体積%以上を構成する。
【0009】
この構成によれば、ハニカム構造体の隔壁の気孔率が60〜75%であるため、ハニカム構造体を通過する流体の圧力損失が増大することを抑制する。また、PM等の捕集除去及び流体の圧力損失に寄与しないリング状凸部は、セルを備えない非セル部を、その全体積の30体積%以上となるように構成していることから、リング状凸部の強度を向上することができる。したがって、リング状凸部を備えるハニカム構造体において、排気通路に設置して使用した際に破損せず、ハニカム構造体をケーシング内で確実に固定することができる。
【0010】
上記ハニカム構造体において、前記非セル部は、前記リング状凸部の全体積の40〜70体積%を構成することが好ましい。
非セル部をリング状凸部の全体積の40〜70体積%で構成させることにより、リング状凸部の強度を向上させることができると共に、リング状凸部にセル部を有していることからリング状凸部の熱容量を高くしすぎないことで、ハニカム構造体を早期に温度上昇させることが可能となる。
【0011】
上記ハニカム構造体において、前記非セル部は、前記リング状凸部の前記長手方向の端面から、もう一方の端面まで連続して形成されていることが好ましい。
この構成によれば、リング状凸部の長手方向中央部の強度を向上させることができる。
【0012】
本発明のハニカム構造体では、前記非セル部は、充填層及び塗布層から構成されていることが好ましい。
この構成によれば、高密度の非セル部を形成でき、リング状凸部の強度を向上させることができる。
【0013】
本発明のハニカム構造体では、前記充填層及び前記塗布層は、それぞれ無機粒子と無機繊維と無機バインダとを含むことが好ましい。
この構成によれば、リング状凸部の耐熱性を高く、強度を高くすることが可能となる。
【0014】
本発明のハニカム構造体では、前記充填層は、前記長手方向に延びる軸について、0時、3時、6時及び9時の方向において所定距離を超える部分に形成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、周方向に等間隔に非セル部の高密度の充填層を配置させているため、リング状凸部の強度向上の点で好適である。
本発明のハニカム構造体では、前記ハニカム部材の長手方向の中心における断面のセルの開口率が55〜70%であることが好ましい。
【0016】
ハニカム構造体の圧力損失を低減させつつ、リング状凸部の非セル部による強度向上の効果を最大限に発揮することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リング状凸部を備えるハニカム構造体のリング状凸部の強度を向上することができ、排気通路に設置して使用した際に破損せず、ハニカム構造体をケーシング内で確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)本実施形態のハニカム構造体の斜視図。(b)本実施形態のハニカム構造体の側面図。
図2】(a)図1におけるA−A線での一部断面図。(b)(a)の部分拡大図。
図3】(a)ハニカム部材の斜視図。(b)ハニカム部材のB−B断面図。
図4】表面に充填層を形成したハニカム集合体の斜視図。
図5】表面に充填層を形成したハニカム集合体を研削する工程図。(a)セラミックブロックの第2外周面及びリング状凸部の第2傾斜面を研削形成する工程図。(b)セラミックブロックの第1外周面及びリング状凸部の第1傾斜面を研削形成する工程図。(c)リング状凸部の円弧面を研削形成する工程図。
図6】(a)セラミックブロックの斜視図。(b)セラミックブロックの側面図。
図7】(a)治具を用いたハニカム構造体の押し抜き強度試験を模式的に表した図。(b)冶具の開口部の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化したハニカム構造体の一実施形態を図1〜7に従って説明する。
図1(a)(b)に示されるように、本実施形態のハニカム構造体10を構成するセラミックブロック11は、四角柱状をなす複数個(本実施形態では16個)のハニカム部材12を接合層13により結束してハニカム部材12の集合体を形成し、その集合体の外側面を所定形状(本実施形態では略円柱状)に切削加工することで得られる。接合層13は、ハニカム構造体の製造に使用される公知の材料、例えば無機粒子、無機バインダ、有機バインダ、無機繊維等を含有するものを採用することができる。また、後述する充填層及び塗布層の形成に用いられる材料を選択してもよい。これらは、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
【0020】
図2(a)(b)に示されるように、ハニカム構造体10の長手方向における断面は、複数のハニカム部材12のハニカム形状により略回転対称形を有している。ハニカム部材12は、ハニカム部材12の外周面を構成する外壁14と、該外壁14の内側に設けられた隔壁15と、該隔壁15により区画され、長手方向に複数並設されているセル16とから構成される。
【0021】
ハニカム部材12の外壁及び隔壁は、主として多孔質セラミックから形成されている。このセラミックの具体例としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミックや、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミックや、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、シリカ、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック、金属珪素−炭化珪素複合材等が挙げられる。これらは、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
【0022】
隔壁には、白金族元素(例えばPt等)や、その他の金属元素及びその酸化物等からなる酸化触媒が担持されていてもよい。この場合、隔壁の表面及び内部に捕集されたPM等の除去が、そうした酸化触媒の触媒作用により促進される。隔壁の厚みの上限は、好ましくは0.45mm、より好ましくは0.33mmである。かかる場合、例えば隔壁の表面及び内部に捕集されたPM等を除去する際、排ガスが隔壁を通過する際の抵抗が低減し、圧力損失を低減することができる。隔壁の厚みの下限は、0.1mmであることが好ましい。かかる場合、ハニカム構造体10の機械的強度を充分に確保することができる。
【0023】
隔壁の気孔率の下限は、60%、好ましくは62%である。隔壁の気孔率を60%以上とすることにより、圧力損失を低減することができる。また、触媒の担持量を多くすることができ、排ガスの浄化性能の向上を図ることができる。一方、隔壁の気孔率の上限は、75%、好ましくは70%である。隔壁の気孔率を75%以下とすることにより、セル隔壁の機械的強度の向上を図り、例えばハニカム構造体10の再生時等におけるクラックの発生を抑制することができる。
【0024】
隔壁の気孔率、気孔径は、水銀圧入法により、水銀ポロシメーター(島津製作所製、オートポアIV9510)を用いて、接触角を130°、表面張力を485mN/mの条件で測定する。
【0025】
隔壁の気孔率は、原料の粒子径の調整、造孔剤の添加、焼成条件等により調整することができる。造孔剤の具体例としては、微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト、デンプン等が挙げられる。バルーンの具体例としては、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュ(FA)バルーン、ムライトバルーン等の酸化物セラミックを主成分とするバルーン等が挙げられる。これらは、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
【0026】
図3(a)(b)に示されるように、セル16は、断面四角形状の開口を有し、流路上流側の第1端面12aから下流側の第2端面12bへ向かう長手方向に沿って延びている。各セル16は、第1端面12a及び第2端面12bのいずれか一方は、例えば多孔質炭化珪素焼結体等よりなる封止体17により封止されている。第1端面12a及び第2端面12bにおいて、複数の封止体17は、市松模様状に配置される。封止体を形成する主な材料としては、上記ハニカム構造体と同一の特性、例えば熱膨張率等を確保する点から、ハニカム構造体10と同一の多孔質セラミックにより構成されることが好ましい。セル16は、排ガスの流路として機能し、第1端面12a側の開口から流入した排ガスGは、隔壁15を通り、第2端面12bの開口から排出される。
【0027】
隔壁により形成されるセルの開口率の下限は、好ましくは55%、より好ましくは60%である。また、セルの開口率の上限は、好ましくは70%、より好ましくは65%である。開口率がかかる範囲にある場合、ハニカム構造体の圧損を低減することができる。また、ハニカム部材12の必要な強度を保持することができる。なお、本発明において、開口率とは、ハニカム部材12を構成するセルの長手方向に対する垂直方向のハニカム部材12の断面積に対するハニカム部材12の長手方向の中心における全てのセルの垂直方向の断面積の合計の割合(%)をいう。
【0028】
図1,2に示されるように、ハニカム構造体10は、ハニカム部材12の外周面において、中心軸線Xを中心として、第1方向(上下方向、Z軸方向)と第2方向(左右方向)のそれぞれに、平坦面18が0時、3時、6時、9時の方向に90度間隔で設けられている。各平坦面18は、所定の幅でセラミックブロック11の長手方向に延びている。平坦面18は、16個のハニカム部材12を結束させて後述する切削加工した後、切削されずに残ったハニカム部材12の外壁14から構成される。リング状凸部の部分を除いて各平坦面18上には、断面半弧状の充填層19が形成されている。各充填層19は、それぞれ平坦面18上における中心軸線Xを中心とするハニカム部材12の外周面と連通する仮想周面と、平坦面18との間の領域に形成されている。
【0029】
図1に示されるように、セラミックブロック11は、第1端面11a側の第1外周面11cと、第2端面11b側の第2外周面11dとを有している。それら第1外周面11cと第2外周面11dとは、その全面が塗布層21aによって被覆されている。
【0030】
図1に示されるように、ハニカム構造体10は、環状に形成されたリング状凸部20を有している。リング状凸部20は、セラミックブロック11の中心軸線X方向における中央であって、セラミックブロック11の外周面を全周に亘って外方へ突出して構成されている。リング状凸部20は、セラミックブロック11の中心軸線Xを含む仮想断面において、断面形状が台形状に形成されている。リング状凸部20は、セラミックブロック11の径方向において対向する底面と頂面20cとを有するとともに、セラミックブロック11の第1端面11a側に位置する第1傾斜面20aとセラミックブロック11の第2端面11b側に位置する第2傾斜面20bとを有している。
【0031】
リング状凸部20は、セル部20hと非セル部とを有している。セル部20hは、セラミックブロック11と同様のセルが形成されたセル層によって構成されていて、頂面が円弧面をなしている。非セル部を構成する充填層20gは、セラミックブロック11の中心軸線Xについて、0時、3時、6時及び9時の方向において所定距離を超える部分に形成されていて、頂面が平面をなしている。非セル部を構成する塗布層21bは、充填層20gとセル層とを被覆していて、リング状凸部20の頂面20c、第1傾斜面20a及び第2傾斜面20bは、塗布層21bの外面となっている。
【0032】
リング状凸部は、リング状凸部の全体積の30体積%以上、好ましくは40体積%以上が充填層及び塗布層によりなる非セル部により構成されている。リング状凸部の全体積の30体積%以上を非セル部により構成することにより、リング状凸部の強度を向上させることができる。また、リング状凸部の全体積中における非セル部の割合の上限は、製造効率等の観点から70体積%が好ましく、60体積%がより好ましい。また、非セル部の割合を70体積%以下とすることにより、リング状凸部の熱容量を高くしすぎないことで、ハニカム構造体を早期に温度上昇させることが可能となる。
【0033】
塗布層は充填層と同一材料により形成されてもよく、別々の材料で形成されてもよい。塗布層と充填層は、それぞれ無機粒子、無機繊維、及び無機バインダを含有する。無機粒子は、塗布層と充填層のマトッリクス材料として機能する。無機粒子の具体例としては、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト、ジルコニア、リン酸ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、チタニア、シリカ及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれるセラミックス等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0034】
無機繊維は、塗布層と充填層の強度を向上させる機能を有する。この種の無機繊維の具体例としては、シリカ−アルミナファイバ、ムライトファイバ、シリカファイバ、アルミナファイバ等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
無機バインダは、塗布層と充填層の強度を向上させる機能を有する。この種の無機バインダの具体例としては、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0036】
上記無機繊維に代えて、或いは無機繊維とともに、無機中空体(無機バルーン)を、塗布層と充填層に含有させてもよい。この種の無機中空体の具体例としては、例えばガラスマイクロバルーン、アルミナバルーン、ムライトバルーン、シリカバルーン等が挙げられる。無機中空体の平均粒径は特に限定されるものではない。
【0037】
塗布層と充填層には、他の成分として有機バインダが含有されてもよい。有機バインダの具体例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース等の親水性有機高分子が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。有機バインダは熱により除去されるため、加熱後は塗布層、充填層には含まれない。
【0038】
非セル部の気孔率の下限は、好ましくは20%、より好ましくは30%である。非セル部の気孔率を20%以上とすることにより、強度を向上させることができるとともに、熱膨張によるリング状凸部の破損を防ぐことができる。一方、非セル部の気孔率の上限は、隔壁の気孔率よりも低く、好ましくは50%、より好ましくは45%である。非セル部の気孔率を50%以下とすることにより、リング状凸部の強度の向上を図ることができる。
【0039】
本実施形態のハニカム構造体10の各寸法は、適宜設定されるが、例えば円柱状の外周面10aの直径が好ましくは140〜150mmであり、長手方向の長さが好ましくは100〜170mmである。また、リング状凸部20の形状としては、中心軸線X方向における基端部の幅に相当するX1が好ましくは20〜22mm、平面20dの上面幅に相当するX2が好ましくは19〜21mmである。また、ハニカム構造体10の外周面10aから、リング状凸部20の円弧面20fと連通する仮想周面20iまでの高さY1が好ましくは6〜7mm、ハニカム構造体10の外周面10aからリング状凸部20の平面20dまでの高さY2が好ましくは4〜5mmである。第1傾斜面20aの長手方向に対する傾斜角度θ1、第2傾斜面20bの長手方向に対する傾斜角度θ2は、共に好ましくは27〜43度である。セラミックブロック11の第1外周面11c及び第2外周面11dを被覆する塗布層21aとリング状凸部20の非セル部を構成する塗布層21bとの厚さは好ましくは0.05〜1.0mmである。
【0040】
本実施形態のハニカム構造体は、排ガス浄化装置として、例えば排ガスを排出する排気通路の途中に設けられるケーシング内に配置されることにより使用される。リング状凸部の第1傾斜面及び第2傾斜面がケーシングの内面と、当接することにより、ハニカム構造体は、ケーシング内に保持され、上下左右方向、通気方向への移動が規制される。また、リング状凸部の平面とケーシングを当接することにより、ハニカム構造体の周面方向への移動が規制される。
【0041】
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法について具体的に説明する。なお、本発明のハニカム構造体の製造方法は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において変更して適用することができる。
【0042】
まず、所定の原料混合物をプランジャ型の押出機や二軸スクリュー型の連続押出機等による押出成形により中間成形体を成形した。中間成形体の所定のセル開口に封止体用ペーストを充填した後、焼成することにより図3に示されるハニカム部材12を得る。次に、図4に示されるように、接合層13によって縦方向に4列、横方向に4列、合わせて16個のハニカム部材12を結束させ、ハニカム部材12と接合層13からなるハニカム集合体22を形成する。さらに、ハニカム部材12の外壁14からなるハニカム集合体22の各側面22cにおいて、所定の幅で充填部材を含むスラリーを塗布及び乾燥させることにより所定の厚みからなる充填層23を形成した。そして、各側面22cに充填層23が形成されたハニカム集合体22の外周部を、ダイヤモンドツール等を使用し、中心軸線Xを中心に回転させながら研削する工程が行われる。この研削加工は、セラミックブロック11の第2外周面11d及びリング状凸部20の第2傾斜面20bのベースとなる傾斜面を形成する第1の研削工程、次に第1外周面11c及びリング状凸部20の第1傾斜面20aのベースとなる傾斜面を形成する第2の研削工程、最後にリング状凸部20の頂面20cのベースとなる頂面を形成する第3の研削工程からなる一連の研削工程により実施される。
【0043】
研削手段は、ハニカム集合体22を把持しながら、回転させる図示しない把持手段、ハニカム集合体22の表面を回転しながら研削する砥石部24により構成される。把持手段は、ハニカム集合体22の第1端面22a側及び第2端面22b側を把持し、中心軸線Xを中心として所定の回転速度で回転駆動させる。砥石部24は、中心軸線Xと平行な軸線L1を中心とする円筒状の砥石24aと、砥石24aを軸線L1を中心に回転させる駆動軸24bから構成される。砥石部24とハニカム集合体22は、中心軸線X方向に所定間隔をおいて平行移動可能に構成される。
【0044】
砥石24aは、さらに円柱面24cとその両端にそれぞれ第1テーパ面24dと第2テーパ面24eを有している。第1テーパ面24dは、第1端面11a方向に形成され、第1端面11a側ほど徐々に縮径するテーパ面を有している。第2テーパ面24eは、第2端面11b方向に形成され、第2端面11b側ほど徐々に縮径するテーパ面である。砥石24aの第1テーパ面24dによってリング状凸部20の第2傾斜面20bのベースとなる傾斜面が、砥石24aの第2テーパ面24eによってリング状凸部20の第1傾斜面20aのベースとなる傾斜面がそれぞれ形成される。
【0045】
第1研削工程は、まず砥石24aについて軸線L1を中心に回転させ、充填層が形成されたハニカム集合体について中心軸線Xを中心に回転させる。図5(a)に示されるように、ハニカム集合体の第2端面の側から第1端面の側へ向けて、砥石部24を移動させ、ハニカム集合体と相対移動させる。それにより、セラミックブロック11の第2外周面11d及び第2傾斜面20bのベースとなる傾斜面を研削形成した。
【0046】
次に、図5(b)に示されるように、第2研削工程は、ハニカム集合体の第1端面の側から第2端面の側へ向けて、回転する砥石24aを移動させ、ハニカム集合体と相対移動させる。それにより、セラミックブロック11の第1外周面11c及び第1傾斜面20aのベースとなる傾斜面を研削形成した。
【0047】
次に、砥石部24を、リング状凸部20の厚みを考慮した分、ハニカム集合体と離間させる。図5(c)に示されるように、第3研削工程では、ハニカム集合体の第1端面の側から第2端面の側へ向けて、回転する砥石24aを移動させ、ハニカム集合体と相対移動させる。それにより、リング状凸部20の円弧面20fのベースとなる円弧面を研削形成した。上記研削工程により、リング状凸部20のベースとなる、外周面が研削形成された円弧面、リング状凸部20のベースとなる、上面が研削されていない平面、第1傾斜面20aのベースとなる傾斜面、及び第2傾斜面20bのベースとなる傾斜面が研削形成される。
【0048】
図6(a)(b)に示されるように、研削後、外周面にリング状凸部のベースを有するセラミックブロック11が形成される。セラミックブロック11の外周全面に塗布層用ペーストをゴム製の刷毛等を用いて塗布する。塗布層用ペーストを所定の厚みで塗布し、所定温度で乾燥及び硬化させてセラミックブロック11の第1外周面11c及び第2外周面11dを被覆する塗布層21aとリング状凸部20の非セル部を構成する塗布層21bが形成される。
【0049】
本実施形態のハニカム構造体によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、外周面を全周に亘って外方へ突出するリング状凸部を含むハニカム構造体において、リング状凸部はセルが並設されたセル部と、セルのない非セル部とを有し、非セル部はリング状凸部の全体積の30体積%以上を構成する。ハニカム構造体の隔壁の気孔率が60〜75%であるため、ハニカム構造体を通過する流体の圧力損失が増大することを抑制する。また、PM等の捕集除去及び流体の圧力損失に寄与しないリング状凸部は、非セル部を、リング状凸部の全体積の30体積%以上となるように構成していることから、リング状凸部の強度を向上することができる。したがって、リング状凸部を備えるハニカム構造体において、排気通路に設置して使用した際に破損せず、ハニカム構造体をケーシング内で確実に固定することができる。
【0050】
(2)非セル部は、充填層及び塗布層から構成されている。したがって、充填層により高密度の非セル部を形成でき、リング状凸部の強度を向上させることができる。
(3)充填層及び塗布層は、それぞれ無機粒子と無機繊維と無機バインダとを含む。したがって、リング状凸部の耐熱性が高く、強度を高くすることが可能となる。
【0051】
(4)充填層は、長手方向に延びる軸について、0時、3時、6時及び9時の方向において所定距離を超える部分に形成されている。したがって、周方向に等間隔に高密度の充填層を配置させているため、リング状凸部の強度向上の点で好適である。
【0052】
(5)ハニカム部材の長手方向の中心における断面のセルの開口率が55〜70%である。したがって、ハニカム構造体の圧力損失を低減させつつ、リング状凸部の非セル部による強度向上の効果を最大限に発揮することが可能となる。
【0053】
(6)ハニカム構造体において、ハニカム部材と比べると安価な充填部材により非セル部を設けることにより、ハニカム構造体のコストを低減できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0054】
・上記実施形態において、リング状凸部は、ハニカム構造体の長手方向の中央部に形成されている。しかしながら、リング状凸部のハニカム構造体の周面上における設置位置は、特に限定されない。
【0055】
・上記実施形態において、リング状凸部の0時、3時、6時、9時の方向に、充填層を形成した。しかしながら、充填層のリング状凸部の周方向及び幅方向における形成位置は、特に限定されない。
【0056】
・上記実施形態では、リング状凸部は、ハニカム集合体の柱状部に充填部材を含む充填層を塗布及び形成した後、研削工程を経て成形した。しかしながら、ハニカム集合体を研削した後、充填部材を塗布することによりリング状凸部の充填層を形成してもよい。
【0057】
・上記実施形態においては、ハニカム構造体の第1端面及び第2端面の端面形状は特に限定されず、円柱状以外にも、楕円形状、略三角形状、レーストラック状、又は正六角形、正八角形等の多角形状を有するハニカム構造体を採用してもよい。
【0058】
・上記実施形態においては、ハニカム構造体のセルのいずれか一方が封止体で封止したハニカム構造体の構成を採用した。しかしながら、ハニカム構造体を、セルを封止せずに酸化触媒等の触媒が担持されている触媒担体(ハニカム触媒ともいう)として使用してもよい。
【実施例】
【0059】
本発明のハニカム構造体を製造する実施例について説明する。尚、本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではない。
まず、平均粒子径22μmの炭化珪素粉末40.6重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化珪素粉末17.4重量%、造孔材として平均粒子径40μmのアクリル樹脂10.6重量%とを混合した。得られた混合物に対して有機バインダ(メチルセルロース)6.4重量%と可塑剤(日油社製、ユニルーブ)3.0重量%、グリセリン1.4重量%、及び水20.6重量%を加えて混錬した後、押出成形し、図3(a)のハニカム部材12と同様の形状の角柱状の生成形体を作製した。
【0060】
次に、マイクロ波乾燥機等を用いて、生成形体を乾燥して、セラミック乾燥体を得た。別途、平均粒子径10μmの炭化珪素粉末62.1重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化珪素粉末17.6重量%と、メチルセルロース1.0重量%と、エステル系有機溶媒3.9重量%と、エーテル系有機溶媒12.3重量%と、グリコール系有機溶媒3.1重量%とを加え、混錬した混合組成物による封止材ペーストを得た。この封止材ペーストを所定のセルの開口に充填した。乾燥機で乾燥させた後、セラミック乾燥体を400℃で脱脂し、常圧、2200℃、アルゴン雰囲気下で、3時間焼成し、炭化珪素焼結体からなるハニカム焼成体(ハニカム部材)を作製した。このハニカム焼成体の寸法は34.3mm×34.3mm×127mm(H×W×L)、気孔率は63%、平均気孔径は23μm、セル密度は45セル/cm、セル隔壁の厚さは0.33mmである。
【0061】
別途、耐熱性の接合材ペーストを調整した。この接合材ペーストの組成は、平均繊維長20μmで平均繊維径2μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒子径0.6μmの炭化珪素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び水28.4重量%である。接合材ペーストの粘度は30Pa・s(室温)である。
【0062】
別途、スペーサー(空隙保持部材)を用意した。各スペーサーは、両面に粘着材が塗布されたボール紙製で、直径5mm×厚さ1mmの円盤である。各ハニカム焼成体の各側面の各隅に1つのスペーサーを取り付けた。各スペーサーは、ハニカム焼成体の隅を区画する2つの辺からそれぞれ6.5mmだけ離れた位置に取り付けた。スペーサー付きのハニカム焼成体を4個×4個に結束した。
【0063】
次に、接合材ペースト供給装置に取り付けられたペースト供給室にハニカム集合体を設置した。ペースト供給室の内寸は、141mm×141mm×127mm(H×W×L)である。接合材ペースト供給装置は、ハニカム集合体中のハニカム焼成体間の空隙に対応する位置に形成された、幅5mmの3つの供給溝を備える。各供給溝は、ペースト供給室の内面と接合材ペースト供給装置の内部とを連通する。ペースト供給室は、接合材ペースト供給装置に取り付けられた端部とは反対の端部に、開閉可能な底板を有する。この底板を閉じて、底板をハニカム集合体の端面に当接させることで、ハニカム焼成体間の空隙を封止した。
【0064】
この状態で、接合材ペースト供給装置のペースト供給室に接合材ペーストを投入した。接合材ペーストを、ペースト供給室の内面からハニカム集合体の側面に0.2MPaの圧力で注入し、底板に当接した端面とは反対側のハニカム集合体の端面に0.05MPaの圧力で注入した。これにより、ハニカム焼成体間の間隙に接合材ペーストを充填した。次に、ハニカム集合体を100℃で1時間乾燥し、接合材ペーストを硬化させた。硬化後に、厚さ1mmの接合材による接合層で一体化されたハニカム集合体が得られた。
【0065】
次に、無機繊維としてアルミナシリケートからなるセラミックファイバ(ショット含有率3%、平均繊維長20μm、平均繊維径6μm)22.3重量%、無機粒子として平均粒径0.3μmの炭化珪素粉末30.2重量%、無機バインダとしてシリカゾル(ゾル中のSiO含有率30重量%)7重量%、有機バインダとしてカルボキシメチルセルロース0.5重量%、及び水39重量%を混合し、混錬することにより、充填部材のスラリーとなる充填層用ペーストを調整した。
【0066】
ハニカム集合体の外周面の四辺に充填部材のスラリーとして提供された充填層用ペーストを塗布して、700℃2時間乾燥して、充填層用ペーストを硬化させ、充填部材による充填層を形成し、四辺に充填層が形成されたハニカム集合体22(図4を参照)が得られた。
【0067】
次に、充填層が形成されたハニカム集合体を切削加工し、第1端面及び第2端面の直径が143mmの円柱状のセラミックブロック11(図6(a),(b)を参照)を作製した。この研削加工は、セラミックブロックにおいて、第1外周面とリング状凸部の第1傾斜面のベースとなる傾斜面とを形成し、続いて第2外周面とリング状凸部の第2傾斜面のベースとなる傾斜面を形成し、最後にリング状凸部の頂面のベースとなる頂面を形成する一連の研削工程により実施した。
【0068】
次に、アルミナバルーン22.3重量%、無機粒子として平均粒径0.3μmの炭化珪素粉末30.2重量%、無機バインダとしてシリカゾル(ゾル中のSiO含有率30重量%)7重量%、有機バインダとしてカルボキシメチルセルロース0.5重量%、及び水39重量%を混合し、混錬することにより、塗布層用ペーストを調整した。本実施例では、塗布層用ペーストは充填層用ペーストと同じ組成である。
【0069】
最後に、塗布層用ペーストをセラミックブロックの外側面に塗布して、120℃1時間乾燥して、塗布層用ペーストを硬化させ、セラミックブロックの第1外周面及び第2外周面を被覆する塗布層とリング状凸部の非セル部を構成する塗布層を形成した。これら塗布層の厚さは1.0mmとした。塗布層の厚さは、セラミックブロックの第1外周面及び第2外周面を被覆する塗布層の厚さを測定した。
【0070】
<強度試験方法>
本実施例で製造したリング状凸部を有するハニカム構造体を、押し抜き荷重(加圧速度1mm/min)をかけて、押圧に対する破壊強度(押し抜き強度)を測定した。図7(a)(b)に示されるように、押し抜き強度は、直径143mmの円筒状のアルミ製の冶具30を使用した。冶具30は、開口部にリング状凸部の一方の傾斜面と当接する当接面30aを有する。リング状凸部の一方の傾斜面と当接面が接触するように、ハニカム構造体を冶具に設置し、上から押し抜き荷重(加圧速度1mm/min)をかけて、押圧に対する破壊強度(押し抜き強度)を測定した。なお、強度の測定には、インストロン万能試験機(5582型)31を用いた。その結果、押し抜き強度は6.4kNであり、排気通路に設置して使用した際に破損せず、ハニカム構造体をケーシング内で確実に固定できる値であることが確認できた。
【符号の説明】
【0071】
10…ハニカム構造体、10a…外周面、11…セラミックブロック、12…ハニカム部材、13…接合層、15…隔壁、16…セル、20…リング状凸部、20g…充填層、20h…セル部、21b…塗布層、22…ハニカム集合体、23…充填層、X…中心軸線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7