【解決手段】シート材加工装置は、平板状の型46と、型46に対向配置される板状部材45と、型46と板状部材45との間にシート材を位置させるシート材搬送機構40と、型46と板状部材45との間にシート材が位置された状態で、型46に向けて板状部材45を押圧するための押圧機構44と、を備える。押圧機構44は、板状部材45を押圧する押圧ローラ93を含み、押圧ローラ93を搬送方向に移動させる。シート材加工装置は、型46の上面に当接する下面を有する当接部材47をさらに備える。
前記ガイド面は、前記所定の方向に直交する方向から見て前記板状部材と対向する平坦面である第1部分と、前記所定の方向における前記第1部分の一方側に連続し、前記所定の方向に前記第1部分から離れるほど下方に下がるよう形成されている第2部分と、前記所定の方向における前記第1部分の他方側に連続し、前記所定の方向に前記第1部分から離れるほど下方に下がるよう形成されている第3部分と、を含み、
前記支持部を、前記第2部分、前記第1部分、前記第3部分の順、または、前記第3部分、前記第1部分、前記第2部分の順にガイド面上を移動させることを特徴とする請求項4に記載のシート材加工装置。
前記調整機構は、前記ガイド部材を、前記所定の方向に実質的に直交する法線を有する平面内において傾斜可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載のシート材加工装置。
前記位置決め手段は、シート材に実質的に直交する方向から見てシート材の四辺が前記所定の方向に対して傾斜するよう前記型と前記板状部材との間にシート材を位置させることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のシート材加工装置。
前記位置決め手段は、シート材の端を挟持して前記型と前記型に対向配置される前記板状部材との間にシート材を搬送するとともに、シート材を挟持した状態で停止することにより前記型と前記板状部材との間にシート材を停止させて位置決めする搬送機構を含み、
前記搬送機構によるシート材の挟持位置は、前記型と前記板状部材との間にシート材を位置させるときには、前記型から離間したシート材待機位置に移動され、前記押圧手段により前記板状部材を押圧するときには、前記シート材待機位置よりも前記型に近づけたシート材準備位置に移動されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のシート材加工装置。
前記シート材準備位置と前記板状部材準備位置との高さの差は、前記シート材待機位置と前記板状部材待機位置との高さの差よりも小さいことを特徴とする請求項9または10に従属する請求項11に記載のシート材加工装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
図1は、実施の形態に係るシート材加工装置10を示す斜視図である。シート材加工装置10は、シート材に所定の加工を施す。シート材加工装置10は、給紙部11と、レジスト部12と、加工部13と、スタッカ14と、を備える。給紙部11、レジスト部12、加工部13、スタッカ14は、この順に接続されており、この順にシート材が搬送される。以下、これらが接続されている方向をシート材の搬送方向という。
【0013】
給紙部11は、給紙台20と、吸引ヘッド21と、搬送ローラ22と、レベルセンサ23と、を含む。給紙台20は平板状の部材であり、用紙や樹脂などのシート材が積載される。なお、本実施の形態では、シート材は長方形状であるとする。給紙台20は、不図示の駆動機構により駆動され、上下動する。レベルセンサ23は、最上位のシート材が所定の高さに到達すると、これを検知する。すると、駆動機構は、給紙台20の上昇を停止する。したがって、最上位のシート材は所定の高さに保たれる。
【0014】
吸引ヘッド21は、サクションベルト24を含む。吸引ヘッド21は、給紙台20に積載されたシート材のうちの最上位のシート材を吸着するとともに、吸着されたシート材をサクションベルト24により搬送ローラ22に向けて送り出す。このとき、不図示のエア吐出装置が、積載されたシート材の最上位付近の前面にエアを吹き込み、最上位のシート材と最上位から2枚目以下のシート材とを分離させる。これにより、最上位のシート材だけが吸引ヘッド21により送り出される。搬送ローラ22は、吸引ヘッド21により送り出されたシート材をレジスト部12に送り出す。
【0015】
レジスト部12は、第1サイドガイド31と、第2サイドガイド32と、駆動機構33と、搬出ローラ対35と、を備える。第1サイドガイド31は、搬送方向に実質的に直交する水平方向(以下、「幅方向」という)の一端側に固定される。第2サイドガイド32は、駆動機構33により、幅方向に移動可能に構成される。第2サイドガイド32は、第1サイドガイド31に近づく方向に移動し、シート材を第1サイドガイド31に押しつける。これにより、シート材は第1サイドガイド31を基準に幅方向の位置が位置決めされる。シート材は特に、平面視(すなわち上方から見た場合)において、その対向する二辺が加工部13の押圧ローラ93の移動方向と実質的に平行となるよう位置決めされる。搬出ローラ対35は、位置決めされたシート材を加工部13に送り出す。
【0016】
加工部13には、レジスト部12から、幅方向の位置が位置決めされたシート材が送り込まされる。加工部13は、送り込まれたシート材に加工を施す。本実施の形態では、加工部13は、シート材を所定の形状に打ち抜くとともに折り筋を付ける。なお、加工部13は、シート材を所定の形状に打ち抜くだけで、折り筋を付けなくてもよい。加工部13で加工されたシート材は、スタッカ14に排出される。
【0017】
図2は、加工部13を示す側面図である。
図3(a)〜(d)は、加工部13の板状部材移動機構42を示す図である。
図3(a)は板状部材移動機構42の上面図、
図3(b)は板状部材移動機構42の斜視図、
図3(c)は板状部材移動機構42を幅方向から見た側面図、
図3(d)は板状部材移動機構42を搬送方向から見た側面図である。
図1に加えて、
図2、3を参照しつつ、加工部13の詳細な機能および構成について説明する。
【0018】
加工部13は、板状部材45と、型46と、当接部材47と、板状部材45と型46との間にシート材を搬送して位置決めするシート材搬送機構40と、板状部材45と型46との間に位置されたシート材の高さ位置を変化させるシート材移動機構41と、板状部材45の高さ位置を変化させる板状部材移動機構42と、ガイド面94a(後述)の高さ位置を変化させる4つのガイド面調整機構43と、型46(すなわち切断刃46bおよび押罫46c)に向けて板状部材45を押圧するための押圧機構44と、を備える。
【0019】
図4は、搬送方向を法線方向とする平面で切った板状部材45、型46および当接部材47を示す断面図である。型46は、本実施の形態では、シート材から製品となるべき部分を打ち抜くための抜き型である。型46は、木製の平板46aと、平板46aの下面46eから突出するように平板46aに埋め込まれた切断刃46bおよび押罫46cと、切断刃46bの両側に設けられた弾性部材46dと、を含む。切断刃46b、押罫46cはそれぞれ、打ち抜き、筋付けされるべき製品の形状に沿って配置された細長い部材である。切断刃46bおよび押罫46cは、それらの上端が平板46aの上面46fと面一になるよう埋め込まれる。弾性部材46dは、例えばスポンジやゴムである。弾性部材46dは、切断刃46bより先にシート材に接してシート材を押さえる。これにより、切断する際のシート材のずれが抑えられる。
【0020】
板状部材45は、型46の下方に設けられる。板状部材45は、本実施の形態では、面板とも称される薄い板であり、型46の切断刃46bや押罫46cを受け止める。板状部材45は、例えばステンレス鋼により形成される。板状部材45の上面(すなわち型46に対向する面)45aには、型46の押罫46cに対応する部分に、安定した折れ筋が付くように補助するテープ状の筋付補助部材45bが貼り付けられている。筋付補助部材45bには、押罫46cに対向する部分に下方に凹んだ溝が形成されている。
【0021】
板状部材45は、載置台77に載置される。載置台77は、薄い板状の部材であり、支持枠71上に載置される。なお、支持枠71の詳細な構成については後述する。載置台77の上面には、弾性板48が例えば接着により固定されている。弾性板48は、例えばウレタンにより形成される。板状部材45と載置台77との間に弾性板48が介在することにより、型46の切断刃46bや押罫46cの高さにばらつきがあっても、これを吸収し、均一な加工を行うことができる。弾性板48の上面48aには、滑りを良くするためのシートであって摩擦係数が小さいシート(例えばポリエチレン製シート)49が貼付されている。なお、弾性板48を板状部材45の下面に貼付し、シート49を弾性板48と載置台77との間に設けてもよい。
【0022】
支持枠71には円筒形状の支柱66が立設されている。支柱66は、小径部66aと、小径部66aの下方に設けられ、小径部66aよりも大径の大径部66bとを有する。小径部66aは、円筒形状のカラー79により環囲されている。カラー79は、小径部66aひいては支持枠71に対して上下動できるように、僅かな(例えば0.03mm程度の)隙間を介して(すなわち非圧入状態で)小径部66aを環囲する。
【0023】
載置台77、弾性板48にはそれぞれ、カラー79の外径よりも大きな開口77a、開口48bが設けられており、この開口77a、開口48bに支柱66とカラー79が挿通される。また、板状部材45には、カラー79の外径と略同一の開口45dが設けられ、この開口45dに支柱66とカラー79が挿通される。したがって、板状部材45は、カラー79および支柱66を介して、支持枠71に対して搬送方向および幅方向(すなわち水平方向)に位置決めされる。
【0024】
載置台77の下面77bには、ガイド69が固定されている。ガイド69は、搬送方向から見て、下向きに開いた略U字形状を有する。略U字形状のガイド69の内側には、支持枠71から上向きに突出した支柱67が進入している。これにより、載置台77は、支持枠71に対して幅方向に位置決めされる。また、載置台77の下面には、ガイド70が固定されている。ガイド70は、幅方向から見て、下向きに開いた略U字形状を有する。略U字状のガイド70の内側には、支持枠71から水平方向に突出した支柱68が進入している。これにより、載置台77は、支持枠71に対して搬送方向に位置決めされる。なお、
図4において載置台77の右端付近にも、ガイド70と支柱68と同様の構成をガイド69、支柱67とは別に設け、搬送方向の位置決めを行ってもよい。支柱67とガイド69とには水平方向に僅かな(例えば0.05mm程度)の隙間が存在する。同様に、支柱68とガイド70とには水平方向に僅かな(例えば0.03mm程度)の隙間が存在する。つまり、支柱67、68はそれぞれ、非圧入状態でガイド69、ガイド70に進入している。そのため、載置台77は、支持枠71に対して上下動できる。
【0025】
このように、板状部材45と載置台77は、支持枠71に対してそれぞれ独立して水平方向に位置決めされ、かつ、支持枠71に対して上方に離間可能に設けられている。
【0026】
ここで、板状部材45が支持枠71に対して上下動できるように、カラー79と支柱66の小径部66aとの間には、水平方向に僅かに隙間が存在する。同様に、載置台77が支持枠71に対して上下動できるように、支柱67とガイド69との間や支柱68とガイド70との間には、水平方向に僅かに隙間が存在する。そのため、後述のように押圧ローラ93により板状部材45を型46に向けて押圧しながら押圧ローラ93を搬送方向に移動させるとき、載置台77がこの移動に引きずられ、隙間の分だけ位置がずれる場合がある。これに対し、板状部材45と載置台77は、それぞれ独立して支持枠71に位置決めされ、かつ、シート49の存在により載置台77と板状部材45とは互いに滑りやすくなっている。そのため、板状部材45は、載置台77の水平方向の位置ずれの影響をあまり受けずに済む。つまり、押圧ローラ93の搬送方向への移動により載置台77にかかる力が板状部材45に伝わるのが抑止される。したがって、板状部材45と型46との水平方向の高い位置決め精度を維持できる。
【0027】
当接部材47は、型46の上方に設けられる。当接部材47は、本実施の形態では、比較的分厚い板状の部材であり、その下面47aは平坦に形成される。型46は、その上面46fが当接部材47の下面(当接面)47aに当接した状態で当接部材47に固定される。これにより、シート材加工装置10を使用するうちに、切断刃46bや押罫46cが上方に押し上げられて平板46aの上面46fよりも上側に突出してしまうのを抑止できる。言い換えると、切断刃46bや押罫46cが平板46aの下面46eから突出する長さが短くなってシート材の切断が不完全になったり、筋付けが不十分になるのを抑止できる。
【0028】
図1〜3に戻り、シート材搬送機構40は、板状部材45の幅方向における一方側、すなわち幅方向において板状部材45よりも外側に配置される。シート材搬送機構40は、第1ベルト50と、第2ベルト51と、第1ローラ列52a、第2ローラ列52bと、サーボモータ53と、第1センサS1と、第2センサS2と、を含む。
【0029】
第1ベルト50は、回転軸が幅方向を向くように搬送方向の上流側(以下、単に「上流側」という)に配置されたローラ54と、回転軸が幅方向を向くように搬送方向の下流側(以下、単に「下流側」という)に配置されたローラ55との間に巻き回される。同様に、第2ベルト51は、回転軸が幅方向を向くように上流側に配置されたローラ56と、回転軸が幅方向を向くように下流側に配置されたローラ57との間に巻き回される。第1ベルト50は、第2ベルト51の上側に設けられる。第1ローラ列52aは、第1ベルト50の内側に設けられ、幅方向に一列に並ぶ。第2ローラ列52bは、第2ベルト51の内側に設けられ、幅方向に一列に並ぶ。第1ローラ列52aと第2ローラ列52bにより、第1ベルト50および第2ベルト51が挟み込まれる。
【0030】
サーボモータ53は、第1ベルト50および第2ベルト51を駆動する。第1センサS1は、第1ベルト50および第2ベルト51の上流側に設けられ、レジスト部12から加工部13に送り込まれるシート材を検知する。レジスト部12から送り込まれたシート材は、第1ベルト50および第2ベルト51に挟まれて搬送される。シート材が型46と板状部材45との間に到達するタイミングでサーボモータ53が停止して第1ベルト50および第2ベルト51が停止する。これにより、シート材は、型46と板状部材45との間の位置に、特にシート材の印刷画像等が型46の切断刃46bや押罫46cに合った所定位置に位置決めされる。なお、本実施の形態では、後述のように電子制御部に入力される搬送方向におけるシート材のサイズと、第1センサS1がシート材の後端を検知してからのサーボモータ53のパルス数とに基づいて、シート材が型46と板状部材45との間に到達するタイミングを判断する。第2センサS2は、第1ベルト50および第2ベルト51の下流側に設けられ、スタッカ14に向けて排出されるべきシート材を検知する。
【0031】
シート材移動機構41は、駆動モータ60と、支持軸61と、偏心カム62と、2つの第1フレーム63と、第2フレーム64と、ワイヤー65と、を含む。支持軸61は、その軸方向が搬送方向を向くよう配置される。2つの第1フレーム63はそれぞれ、支持軸61の両端に固定される。また、2つの第1フレーム63は装置全体を支持するフレームに固定されている。すなわち、2つの第1フレーム63は高さ位置が固定されている。第2フレーム64は、2つの第1フレーム63の下端に固定される。第2フレーム64には、第1ローラ列52aの一部および第2ローラ列52bの一部が固定される。
【0032】
駆動モータ60は、偏心カム62を回転させる。偏心カム62が回転すると、そのカム面(外周面)62aにしたがって支持軸61、ひいては第2フレーム64に固定された第1ローラ列52aおよび第2ローラ列52bが、上昇または下降する。すると、第2フレーム64に固定された第1ローラ列52aおよび第2ローラ列52bに挟まれたベルト50,51の部分の高さが変化し、挟まれているシート材の高さ位置が変化する。
【0033】
ワイヤー65は、幅方向において板状部材45に対して第1ベルト50および第2ベルト51とは反対側に、搬送方向に延びるように配置される。ワイヤー65は、ベルト50,51に挟まれているシート材の幅方向における反対側の端部を支持し、支持枠71の上昇または下降に伴って上昇または下降するよう設けられている。なお、ワイヤー65は、ベルト50,51の上昇または下降に伴って上昇または下降するよう設けられてもよい。ワイヤー65は、幅方向に移動可能に構成され、シート材の幅方向のサイズに応じて、ベルト50,51に挟まれている側とは反対側のシート材の端部を支持する位置であって、型46の切断刃46bが存在する範囲よりも外側の位置に移動する。これにより、ワイヤー65は、切断刃46bで切断されることなくシート材を支持できる。
【0034】
板状部材移動機構42は、支持枠71と、載置台77と、4つの上下動駆動機構72と、駆動源73と、を含む。支持枠71は、本実施の形態では、四角い枠である。支持枠71には、板状部材45が載置される。なお、支持枠71は、押圧ローラ93(後述)により押圧される板状部材45の部分に干渉しないよう板状部材45を支持できればよく、四角い枠には限定されない。載置台77は、上述したように、薄い板状の部材であり、支持枠71上に載置される。載置台77には、板状部材45が載置される。4つの上下動駆動機構72はそれぞれ、支持枠71の四隅の下方に設けられ、共通の駆動源73で駆動される。各上下動駆動機構72は、クランク機構74と、支持ブラケット75と、バネ76と、を含む。
【0035】
図5は、クランク機構74とその周辺を拡大して示す図である。クランク機構74は、位置固定で回転自在の支持軸74aと、支持軸74aに固定支持されたプーリ74bと、プーリ74bに巻き回され駆動源73(
図5では不図示)からプーリ74bに回転力を伝達するためのベルト74cと、支持軸74aに一端が固定支持されたクランク74dと、クランク74dの他端に回転自在に支持されたベアリング74eと、を含む。支持ブラケット75は、ベアリング74eを収容した開口75aを有する。また、支持ブラケット75には、位置固定で鉛直方向を軸方向とした円筒形状のガイド75bが挿通されている。バネ76は、上端が支持枠71に固定された円筒形状の支柱78の周囲を巻くように設けられる。バネ76は、押しバネであり、その上端は支柱78に固定されたストッパ78aに当接し、その下端は支持ブラケット75の下端面75cに当接する。
【0036】
駆動源73によりベルト74cを介してプーリ74bが回転すると、支持軸74aと、一端が支持軸74aに固定されたクランク74dとが回転し、クランク74dの他端に支持されたベアリング74eの高さ位置が変わる。
図5では、ベアリング74eが下端位置にある状態を示している。プーリ74bおよびクランク74dが回転してベアリング74eが下端位置から上方へ移動するとき、ベアリング74eが支持ブラケット75を押し上げ、支持ブラケット75がバネ76と支持枠71を押し上げる。これにより、支持枠71に支持された載置台77と板状部材45が型46に当接する。ベアリング74eが上端位置まで移動すると、バネ76は圧縮された状態となる。この圧縮によるバネ76の弾性力が、板状部材45を型46に対する圧接力として働く。
【0037】
すなわち、クランク機構74は、駆動源73からの回転力を上下方向の直線運動に変換して支持ブラケット75を上昇または下降させる。すると、バネ76を介して支持ブラケット75に支持された支持枠71が上下動する。これにより、支持枠71に載置された載置台77と板状部材45が上昇または下降する。すなわち、板状部材45の高さ位置が変化する。なお、バネ76は、シート材が弾性部材46dに当接するが切断刃46bには当接しないか、あるいはシート材が切断刃46bに当接していても、切断されない程度の力でシート材を型46に押しつける硬さを有する。
【0038】
図1〜3に戻り、押圧機構44は、駆動モータ90と、クランク機構91と、2つのレバー92と、押圧ローラ93と、2つのガイド部材94と、を含む。2つのレバー92はそれぞれ、幅方向の両端に設けられる。各レバー92は、その一端である第1端92a側(下端側)が、ガイド部材94やガイド面調整機構43の下方に設けられた揺動軸89であって軸線方向が幅方向を向いた揺動軸89に揺動可能に支持される。クランク機構91は、駆動モータ90の回転力を搬送方向の往復運動に変換する。レバー92は、クランク機構91に駆動され、揺動軸89周りに揺動する。
【0039】
押圧ローラ93は、押圧部95と、支持部96と、2つの被駆動部97と、を含む。押圧部95は、板状部材45を押圧するための外周面95aであって、中心軸が幅方向に延びる円筒状の外周面95aを有する。本実施の形態では、押圧部95は、円筒状に形成される。
【0040】
支持部96は、幅方向に延在する円柱状の部材であり、押圧部95に挿通される。支持部96は、幅方向における長さが押圧部95よりも長く、押圧部95の両端から突出する。押圧部95と支持部96とにはベアリング(不図示)が介在し、支持部96はベアリングを介して押圧部95を回転自在に支持する。支持部96は、ガイド部材94の上面であるガイド面94aに支持される。これにより、押圧ローラ93が支持される。
【0041】
被駆動部97は、外径が支持部96よりも大径の円筒状の部材であり、押圧部95から幅方向に突出する支持部96の突出部を環囲する。被駆動部97と支持部96とにはベアリング(不図示)が介在する。被駆動部97には、レバー92が係合する。具体的には、レバー92には、その他端である第2端92b(すなわち上端)から第1端92aに向かって延びる溝92cが形成されている。被駆動部97は、この溝92cに収容される。したがって、クランク機構91に駆動されて揺動軸89周りにレバー92が揺動すると、溝92cの周壁92dに押されて、被駆動部97ひいては押圧ローラ93は、上流側から下流側あるいは下流側から上流側に移動する。
【0042】
例えば、
図2において、レバー92が揺動軸89周りに反時計回りの方向に揺動すると、押圧ローラ93は下流側に移動し、レバー92が揺動軸89周りに時計回りの方向に揺動すると、押圧ローラ93は上流側に移動する。
【0043】
レバー92に駆動されて押圧ローラ93が上流側から下流側あるいは下流側から上流側に移動するとき、押圧部95の外周面95aが載置台77と転がり接触する。押圧ローラ93の支持部96は、押圧部95とは逆方向に回転して、ガイド部材94のガイド面94aを転がる。そのため、押圧ローラ93が移動するとき、支持部96ひいては押圧部95は、ガイド面94aにしたがって上下動する。
【0044】
ガイド部材94は、搬送方向に長い長尺状の部材であり、平面視において幅方向に板状部材45を挟み込むよう配置される。ガイド部材94の上面であるガイド面94aは、第1部分94bと、第2部分94cと、第3部分94dと、を含む。第1部分94bは、幅方向から見た場合に、板状部材45や型46の下方に位置する。第1部分94bは、板状部材45や、板状部材45と型46との間に位置決めされるシート材と実質的に平行な平坦な面であり、その搬送方向における長さが板状部材45や型46と同程度となるよう形成される。本実施の形態では、第1部分94bは、板状部材45や型46よりも搬送方向における長さが長くなるよう形成される。
【0045】
第2部分94cは、第1部分94bの上流側に位置し、第1部分94bと滑らかに連続する。第3部分94dは、第1部分94bの下流側に位置し、第1部分94bと滑らかに連続する。第2部分94cおよび第3部分94dは、搬送方向に第1部分94bから離れるほど、下方に下がるよう形成されている。すなわち、上流側の第2部分94cは、第1部分94bから離れて上流側に向かうほど、下方に下がるよう形成され、下流側の第3部分94dは、第1部分94bから離れて下流側に向かうほど、下方に下がるよう形成される。本実施の形態では、第2部分94cおよび第3部分94dはいずれも、曲面として形成される。なお、第2部分94cおよび第3部分94dは、平坦な面として形成されてもよい。
【0046】
ガイド面調整機構43は、各ガイド部材94の下方の上流側と下流側の2箇所に設けられる。ガイド面調整機構43は、駆動モータ80と、ネジ軸81と、メネジ部材82と、を含む。ガイド面調整機構43は、その駆動モータ80の回転によりネジ軸81を回転させ、ネジ軸81に螺号されたメネジ部材82を上下動させる。これにより、メネジ部材82に支持されたガイド部材94が上下動する。本実施の形態では、各ガイド面調整機構43の駆動モータ80は同期して駆動され、各ガイド面調整機構43のメネジ部材82が同期して上下動する。したがって、ガイド部材94はそのままの姿勢で、すなわちガイド部材94のガイド面94aの第1部分94bは、板状部材45や、板状部材45と型46との間に位置決めされるシート材と実質的に平行のまま上下動する。
【0047】
図6は、シート材加工装置10の電気的構成を示す概略図である。シート材加工装置10は、電子制御部100と、入力装置101と、をさらに含む。電子制御部100には、図示しない操作パネルに設けられた入力装置101からの信号が入力される。例えば、シート材の搬送方向の長さを示す情報が入力される。また、入力装置101には、シート材の加工処理を開始させるためのスタートスイッチ、加工処理を停止させるためのストップスイッチ等、種々のスイッチが含まれる。また、電子制御部100には、レベルセンサ23、第1センサS1、第2センサS2等からの検出信号やサーボモータ53からのパルスが入力される。電子制御部100は、それらのスイッチ・センサ入力に基づいて、給紙部11の給紙台20の駆動機構、レジスト部12の第2サイドガイド32の駆動機構33、加工部13のシート材搬送機構40(サーボモータ53)、シート材移動機構41(駆動モータ60)、板状部材移動機構42(駆動源73)、ガイド面調整機構43(駆動モータ80)および押圧機構44(駆動モータ90)に制御指令信号を出力する。
【0048】
以上のように構成されたシート材加工装置10の加工部13の動作を説明する。
まず、事前準備処理について説明する。事前準備では、ユーザが入力装置101を介してシート材の搬送方向の長さを入力する。また、電子制御部100は、ガイド面調整機構43を駆動してガイド面94aの高さ位置を調整する。具体的には、押圧ローラ93の支持部96がガイド面94aの第1部分94bを転がり移動するときに押圧部95の外周面が板状部材45を型46に向けて押圧し、支持部96がガイド面94aの第2部分94cまたは第3部分94dを転がり移動するときには押圧部95の外周面が板状部材45とは接触しないような高さ位置に、ガイド面94aの高さ位置を調整する。
【0049】
ここで、型46に切断刃46bが密に配置されているほど、強い力で板状部材45を型46(すなわち切断刃46b)に向けて押圧する必要がある。また、押圧ローラ93の軸方向と同一方向に延びる切断刃46bが多いほど、負荷が大きいため、強い力で板状部材45を型46に向けて押圧する必要がある。逆に、切断刃46bの配置が比較的疎であったり、切断刃46bの大半が押圧ローラ93の軸方向と交差する方向に延びるような場合、板状部材45を型46に向けて押圧する力が強すぎると、切断刃46bが痛んだり、型46の上面46f側へ切断刃46bが徐々に移動して早期に切断ムラ生じる虞がある。また、シート材の厚さが厚いほど、強い力で板状部材45を型46に向けて押圧する必要がある。
【0050】
したがって、上述のようにガイド面94aの高さ位置を調整する際には、型46の形状やシート材の厚さを加味して調整する。例えば、電子制御部100は、型の形状を一意に特定できる型種別と、シート材の厚さと、その型の形状およびシート材の厚さに適したガイド面94aの高さ位置と、を対応付けた対応関係を保持し、事前準備処理においてユーザが入力装置101を介して入力した型種別とシート材の厚みに適したガイド面94aの高さ位置を対応関係から抽出し、抽出した高さ位置にガイド面94aの高さ位置を調整してもよい。
【0051】
また、電子制御部100は、板状部材移動機構42を駆動して、載置台77と板状部材45を板状部材待機位置に移動させる。ここで、「板状部材待機位置」は、板状部材45が型46から離間した位置である。具体的には、板状部材待機位置は、シート材が板状部材45と型46との間に搬送されるときに、板状部材45の筋付補助部材45bがシート材の移動に干渉しない位置である。板状部材待機位置は、実験等により定められればよい。
【0052】
電子制御部100はさらに、第1ベルト50および第2ベルト51を駆動する。
【0053】
つづいて、シート材の加工処理について説明する。
図7は、加工処理の動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、押圧ローラ93は、ガイド面94aの第2部分94c上(すなわち上流側)にあるものとする。
【0054】
第1センサS1は、レジスト部12から送り込まれるシート材の後端を検知する。第1ベルト50および第2ベルト51は、送り込まれたシート材を搬送する。第1ベルト50および第2ベルト51は、搬送方向におけるシート材のサイズと、第1センサS1がシート材の後端を検知してからのサーボモータ53のパルス数とに基づいて、板状部材45と型46との間にシート材が到達するタイミングで停止する。
【0055】
板状部材移動機構42の上下動駆動機構72が駆動し、板状部材45が板状部材待機位置から板状部材準備位置に上昇する。ここで、「板状部材準備位置」とは、板状部材待機位置よりも板状部材45を型46に近づけた位置である。例えば、板状部材準備位置は、板状部材45が型46の弾性部材46dに当接する位置であってもよい。
【0056】
また、板状部材45の板状部材準備位置への移動と実質的に同一のタイミングで、シート材移動機構41が駆動し、第1ベルト50と第2ベルト51とに挟まれたシート材の高さ(すなわちシート材の挟持位置)がシート材待機位置からシート材準備位置に上昇する。ここで、「シート材待機位置」は、型46から離間した位置であって板状部材待機位置よりも上方の位置である。また、「シート材準備位置」は、シート材待機位置よりも型46に近づけた位置であって、板状部材準備位置よりも上方の位置である。なお、シート材準備位置と板状部材準備位置との高さの差D1は、シート材待機位置と板状部材待機位置との高さの差D2よりも小さくなるよう構成される。
【0057】
レバー92が揺動し、押圧ローラ93が上流側から下流側へ移動する。このとき、支持枠71に載置された板状部材45が押圧ローラ93により上流側から順次押し上げられる。これにより、板状部材45によりシート材が型46に押し付けられ、切断刃46bにより切断され、かつ、押罫46cにより筋付けされる。
【0058】
板状部材移動機構42の上下動駆動機構72が駆動し、支持枠71が排紙位置に下降する。ここで「排紙位置」は、準備位置と待機位置の間の位置である。また、これと実質的に同一のタイミングで、シート材移動機構41が駆動し、シート材の高さが準備位置から待機位置に降下する。これにより、排紙されるシート材を全幅にわたってスムーズに排紙ローラに受け渡すことができる。
【0059】
第1ベルト50および第2ベルト51の駆動が再開され、シート材はスタッカ14に排出される。なお、型46の切断刃46bには、例えば長手方向に0.5mm程度の切り目が設けられているため、製品となるべきシート材の部分とそうでない部分とが一部繋がったままとなるため、製品となるべきシート材の部分が加工部13で脱落することなくスタッカ14に排出される。
【0060】
シート材が排出されると(より具体的には第2センサS2がシート材の後端を検知すると)、板状部材移動機構42の上下動駆動機構72が駆動し、支持枠71が待機位置までさらに下降し、次のシート材を待機する。
【0061】
同様の手順を繰り返して、シート材を加工する。なお、1つ前のシート材の加工時に、押圧ローラ93を上流側から下流側に移動させた場合は、今回のシート材の加工時には、押圧ローラ93を下流側から上流側に移動させてシート材を加工する。つまり、毎回、1つ前のシート材の加工時とは逆方向に押圧ローラ93を移動させてシート材を加工する。
【0062】
以上説明した実施の形態に係るシート材加工装置10では、型46は、その上面46fが当接部材47の下面47aに当接した状態で当接部材47に固定され、この型46に対向する板状部材45を押圧する押圧ローラ93を移動させることにより、シート材が打ち抜かれる。これにより、例えば上下2つのローラで挟んで圧力をかける場合と比べ、押圧ローラ93を移動させる移動機構を比較的低コストで実現できる。すなわち、シート材加工装置10を比較的低コストで実現できる。
【0063】
また、シート材加工装置10では、型46の上面46fに当接する当接面(すなわち下面47a)を有する当接部材47を備える。これにより、シート材加工装置10を使用するうちに、切断刃46bや押罫46cが上方に押し上げられて平板46aの上面46fよりも上側に突出してしまうのを抑止できる。言い換えると、切断刃46bや押罫46cの下面46eからの突出長さが短くなるのを抑止できる。その結果、切断刃46bにより切断できない、あるいは押罫46cによる筋付けが不十分といった事態が生じるのを抑止できる。
【0064】
また、シート材加工装置10では、揺動可能に指示されたレバー92により、押圧ローラ93が駆動される。これにより、大掛かりな直動移動機構を設けることなく、押圧ローラ93の駆動機構を簡潔に構成できる。
【0065】
また、シート材加工装置10では、押圧ローラ93の支持部96は、ガイド部材94のガイド面94aを転がる。したがって、押圧ローラ93が移動するとき、支持部96ひいては押圧部95は、ガイド面94aにしたがって上下動する。これにより、簡単な構成で、所望の高さ位置で押圧ローラ93を移動させることができ、安定した押圧力が得られ、均質な製品を形成できる。
【0066】
また、シート材加工装置10では、押圧ローラ93をガイド面94aに沿って上流から下流にあるいは下流から上流に移動させるという簡単な動作により、押圧ローラ93の
外周面95aが板状部材45とは離れた位置から板状部材45に接触して押圧し、板状部材45を押圧したまま移動し、板状部材45から離間する、という一連の動作を実現できる。また、押圧ローラ93を往復動作させずとも、押圧ローラ93を上流から下流あるいは下流から上流の一方向に移動させるだけで加工できる。つまり、高効率の加工を実現できる。
【0067】
また、シート材加工装置10では、ガイド面調整機構43によりガイド部材94を上下動することにより、ガイド面94aの高さ位置を調整できる。これにより、押圧ローラ93による押圧力を容易に調整できるので、様々な形状の型46や様々な厚さのシート材に容易に対応できる。
【0068】
また、シート材加工装置10では、板状部材45と型46との間にシート材を搬送するときには、板状部材45は、型46から離間した位置である板状部材待機位置に移動される。板状部材45の上面45aには筋付補助部材45bが貼り付けられている、すなわち板状部材45は上側に突出する突出部を有するところ、上述のように板状部材45が板状部材待機位置に移動されているため、シート材が筋付補助部材45bに引っ掛かるのを抑止でき、スムーズにシート材を搬送できる。また、押圧ローラ93により載置台77を型46に押圧するまでには、板状部材45は板状部材準備位置に移動される。これにより、板状部材45と型46との距離、すなわち押圧ローラ93により板状部材45を押し上げる距離を短くでき、押圧時の板状部材45の上下変位を小さくできる。
【0069】
また、シート材加工装置10では、板状部材45と型46との間にシート材を搬送するときには、シート材の挟持位置は、シート材が型46から離間したシート材待機位置となる。これにより、シート材が型46の切断刃46bや押罫46cに引っ掛かるのを抑止でき、スムーズにシート材を搬送できる。また、押圧ローラ93により板状部材45を型46に押圧するときには、シート材の挟持位置は、板状部材準備位置よりも上方のシート材準備位置に移動される。ここで、押圧ローラ93により板状部材45を型46に押圧するときには、板状部材45が板状部材待機位置から板状部材準備位置に上昇する。したがって、仮にシート材の挟持位置が上昇しないと、シート材が板状部材45に押し上げられて第1ベルト50と第2ベルト51の間から抜けてしまう虞がある。これに対し、上述のようにシート材の挟持位置は板状部材準備位置よりも上方のシート材準備位置に移動されるため、シート材が第1ベルト50と第2ベルト51の間から抜けるのが抑止される。つまり、板状部材45を押圧する際にもシート材を安定して挟持できる。
【0070】
また、シート材加工装置10では、シート材準備位置と板状部材準備位置との高さの差は、シート材待機位置と板状部材待機位置との高さの差よりも小さくなる。これにより、板状部材45と型46との間にシート材を搬送するときには、シート材が板状部材45の筋付補助部材45bに引っ掛かるのを抑止してシート材をスムーズに搬送できる。一方、押圧ローラ93により板状部材45を型46に押圧するときには、押圧ローラ93の変位を小さくでき、押圧する際にシート材を安定させることができる。
【0071】
以上、実施の形態に係る給紙装置の構成と動作について説明した。これらの実施の形態は例示であり、各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0072】
(変形例1)
実施の形態では、加工部13の押圧機構44が押圧ローラ93を含み、押圧ローラ93が板状部材45と転がり接触しながら板状部材45を押圧する場合について説明したが、これに限られない。押圧機構44は、押圧ローラ93に代えて、板状部材45とすべり接触しながら板状部材45を押圧する部材を含んでもよい。
【0073】
(変形例2)
実施の形態では、シート材移動機構41は駆動モータ60を含み、駆動モータ60を駆動することによりシート材を上昇または下降させる場合について説明したが、これに限られない。シート材移動機構は、板状部材移動機構42に連動してシート材を上昇または下降させる連動機構であってもよい。すなわち、シート材移動機構は、板状部材移動機構42の駆動源73を駆動源としてシート材を上昇または下降させる機構であってもよい。
【0074】
(変形例3)
実施の形態では、ガイド面調整機構43は駆動モータ80を含み、駆動モータ80を駆動することにより、ガイド面94aの高さ位置を変化させる場合について説明したが、これに限られない。ガイド面調整機構43は、駆動モータ80を含まず、手動でガイド面94aの高さ位置を変化させられるよう構成されてもよい。
【0075】
(変形例4)
切り抜かれる製品の多くは長方形状のシート材から切り抜かれ、その切断ラインは四辺と平行な部分が多い。本変形例では、レジスト部12は、そのようなシート材を、シート材に実質的に直交する方向すなわち上方から見て、長方形状であるシート材の四辺が加工部13の押圧ローラ93の移動方向に対して傾斜するようにシート材を位置決めし、加工部13に送り出す。したがって、加工部13では、上方から見てシート材の四辺が加工部13の押圧ローラ93の移動方向に対して傾斜するように板状部材45と型46との間に位置決めされる。型46は、傾斜したシート材の印刷画像等に切断刃や押罫が合うように取り付けられる。したがって、型46の切断刃の切断ラインは、押圧ローラ93の移動方向に対して傾斜した状態となる。
【0076】
ここで、押圧ローラ93の移動方向がシート材の四辺のうちの対向する二辺と実質的に直交する場合、その対向する二辺に平行な切断ラインを同時に押圧することになり、切断刃に負荷が掛かる。これに対し本変形例では、上述のように押圧ローラ93の移動方向に対してシート材の四辺(すなわち切断ライン)が傾斜しているので、型46の切断刃の切断ラインも押圧ローラ93の移動方向に対して傾斜することになり、切断刃への負荷が軽減される。
【0077】
(変形例5)
実施の形態では、各ガイド面調整機構43の駆動モータ80が同期して駆動され、各ガイド面調整機構43のメネジ部材82が同期して上下動する場合について説明したが、これに限られない。
【0078】
例えば、各ガイド面調整機構43の駆動モータ80は、同一のガイド部材94のガイド面調整機構43の駆動モータ80と同期して駆動され、他のガイド部材94のガイド面調整機構43の駆動モータ80とは別個に駆動されてもよい。すなわち、ガイド面調整機構43のメネジ部材82は、他のガイド部材94のガイド面調整機構43のメネジ部材82とは別個に上下動されてもよい。
【0079】
また例えば、各ガイド面調整機構43の駆動モータ80は、それぞれ別個に駆動されてもよい。すなわち、各ガイド面調整機構43のメネジ部材82は、それぞれ別個に上下動されてもよい。この場合、幅方向を法線方向とする平面内でガイド部材94ひいてはガイド面94aを傾けることができる。つまり、本変形例では、ガイド面調整機構43は、ガイド部材94を上下動および傾けることができる。
【0080】
ここで、型46の製造誤差や、押圧力の偏り等により、シート材の一部の領域の切り抜きが不十分になることがある。従来、その場合は、型46の裏面に、切り抜きが不十分な切断刃に対応する部分にステンレステープを貼り付けて厚みを稼ぐムラ取りを行っていた。これに対し上述の変形例では、ガイド部材94を上下動および傾けることができるため、切り抜きの不十分なガイド面94aの部分を、他の部分よりも相対的に高くすることにより、ステンレステープを貼り付けるムラ取り作業を不要または削減でき、作業者の負担を軽減できる。
【0081】
また、2つのガイド部材94は互いに連結されてもよい。そして、連結されて一体となった2つのガイド部材94は、共通のガイド面調整機構43により、上下動や任意の方向に傾けられるよう構成されてもよい。この場合も、切り抜きの不十分なガイド面94aの部分を、他の部分よりも相対的に高くすることにより、ステンレステープを貼り付けるムラ取り作業を不要または削減でき、作業者の負担を軽減できる。
【0082】
(変形例6)
実施の形態では、シート材加工装置10が、シート材から製品を打ち抜く(切り抜く)打ち抜き装置である場合について説明したが、これに限られず、シート材加工装置10は型押し装置、箔押し装置、その他の装置であってもよい。
【0083】
図8(a)、(b)は、シート材加工装置が型押し装置として機能する場合の板状部材45および型46を示す。
図8(a)は、板状部材45と型46とが離間した状態を示し、
図8(b)は板状部材45と型46とでシート材Sを挟み込んだ状態を示す。本変形例では、型46の平板46aに下側に突出する凸部が設けられ、板状部材45の上面45aに型46の凸部に対応する凹部が設けられ、押圧ローラ93により板状部材45を型46に押圧することにより、シート材Sにエンボスが形成される。
【0084】
図9(a)、(b)は、シート材加工装置が箔押し装置として機能する場合の板状部材45および型46を示す。
図9(a)は、板状部材45と型46とが離間した状態を示し、
図9(b)は板状部材45と型46とでシート材Sおよび箔Fを挟み込んだ状態を示す。型46の加熱された平板46aに下側に突出する凸部が設けられ、押圧ローラ93により平板状の板状部材45をシート材Sと箔Fを挟んで型46に押圧することにより、型46の凸部形状の部分においてシート材Sに箔Fが転写される。