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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-213702(P2017-213702A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】帯状部材の接合方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/30 20060101AFI20171110BHJP
【FI】
   B29D30/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-107316(P2016-107316)
(22)【出願日】2016年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】劉 翼
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 誠之
(72)【発明者】
【氏名】服部 一輝
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 陽久
【テーマコード(参考)】
4F212
4F215
【Fターム(参考)】
4F212AH20
4F212VD09
4F212VK02
4F212VL06
4F212VL13
4F212VL14
4F212VM06
4F212VP11
4F215VD09
4F215VK02
4F215VL06
4F215VL13
4F215VL14
4F215VM06
4F215VP11
(57)【要約】
【課題】成形ドラムの外周面上で帯状部材の長手方向両端部どうしを、ずれを抑制して設定どおりに接合することができる帯状部材の接合方法および装置を提供する。
【解決手段】搬送コンベヤ2に載置されている帯状部材12の先端部12aの上面を、吸引手段5により吸引保持した状態で成形ドラム11の外周面上の所定位置に設置して、吸引保持している位置よりも先端側の上面を先端側押圧部6により押圧して先端部12aを所定位置に固定し、吸引保持を解除した後に成形ドラム11を回転させて帯状部材12を成形ドラム11の外周面上に巻き付けて、その後端部12bの上面を吸引手段5により吸引保持した状態で後端部12bを先端部12aに当接させて、この帯状部材12の吸引保持している位置よりも後端側の上面を後端側押圧部7により押圧して後端部12bを先端部12aに押圧して接合する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送コンベヤに載置されている帯状部材を成形ドラムに向かって搬送し、この成形ドラムの外周面上に前記帯状部材を巻き付けて、その長手方向両端部どうしを接合する帯状部材の接合方法において、
前記搬送コンベヤ載置されている前記帯状部材の先端部の上面を吸引することにより保持し、この吸引保持した状態で前記先端部を前記成形ドラムの外周面上の所定位置に設置して、この帯状部材の吸引保持している位置よりも先端側の上面を押圧することにより前記先端部を前記所定位置に固定し、吸引保持を解除した後に前記成形ドラムを回転させることにより前記成形ドラムの外周面上に巻き付けて、前記帯状部材の後端部の上面を吸引することにより保持し、この吸引保持した状態で前記後端部を前記先端部に当接させて、この帯状部材の吸引保持している位置よりも後端側の上面を押圧することにより前記後端部を前記先端部に押圧して接合することを特徴とする帯状部材の接合方法。
【請求項2】
前記帯状部材が、厚さが幅方向で変化している未加硫ゴムからなるプロファイル部材である請求項1に記載の帯状部材の接合方法。
【請求項3】
前記帯状部材の後端部の吸引保持している位置よりも後端側の上面を、前記成形ドラムのドラム軸芯と平行な中心軸を中心として回転可能なローラにより押圧することにより前記後端部を前記先端部に押圧して接合する請求項1または2に記載の帯状部材の接合方法。
【請求項4】
載置された帯状部材を成形ドラムに向かって搬送する搬送コンベヤと、前記帯状部材の先端部および後端部を前記成形ドラムの外周面上の所定位置に配置する配置機構とを備えた帯状部材の接合装置において、
前記配置機構が、吸引手段と、この吸引手段よりも前記成形ドラムの近くに配置された状態になる先端側押圧部と、この吸引手段よりも前記前記成形ドラムから離れて配置された状態になる後端側押圧部とを備えて、
前記帯状部材の先端部の上面が前記吸引手段より吸引保持されて前記成形ドラムの外周面上の所定位置に配置された状態で、前記先端側押圧部によって前記先端部の上面が押圧されることにより前記先端部が前記所定位置に固定され、前記吸引手段による吸引保持および前記先端側押圧部による押圧が解除された後に、前記成形ドラムが回転することにより前記成形ドラムの外周面上に巻き付けられた前記帯状部材の後端部の上面が、前記吸引手段より吸引保持されて前記成形ドラムの外周面上の前記先端部に当接して配置された状態で、前記後端側押圧部によって前記後端部の上面が押圧されることにより前記後端部が前記先端部に押圧されて接合される構成にしたことを特徴とする帯状部材の接合装置。
【請求項5】
前記吸引手段、前記先端側押圧部および前記後端側押圧部が、一体的に前記成形ドラムに対して近接移動および離反移動する構成にした請求項4に記載の帯状部材の接合装置。
【請求項6】
前記帯状部材の先端部の上面を吸引保持した前記吸引手段が、前記帯状部材を前記成形ドラムに向かって搬送する前記搬送コンベヤの搬送移動に同期して、前記成形ドラムに対して近接移動する構成にした請求項4または5に記載の帯状部材の接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状部材の接合方法および装置に関し、さらに詳しくは、成形ドラムの外周面上で未加硫の帯状部材の長手方向両端部どうしを、ずれを抑制して設定どおりに接合することができる帯状部材の接合方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤ等のゴム製品を製造する際には、未加硫ゴム等からなる帯状部材の長手方向両端部どうしを成形ドラムの外周面上で接合して円筒状に成形する工程がある。この工程で使用する接合装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1で提案されている接合装置は、送り出しコンベヤと、挟持手段と、押圧部とを備えている。この接合装置では、帯状部材を、その先端部を上下から挟持手段により挟んだ状態にして送り出しコンベヤによって成形ドラムに向かって搬送する。次いで、この先端部を成形ドラムの外周面に設置された吸引パッドにより吸引して成形ドラムに固定する。挟持手段による挟持が解除された帯状部材は、成形ドラムを回転させることにより成形ドラムの外周面に巻き付けられる。次いで、帯状部材を所定長さで切断して、その後端部を上下から挟持手段により挟んだ状態にして押圧部を膨張させることにより、成形ドラム上の先端部に押圧して両端部を接合する。帯状部材の両端部を接合した後に挟持手段による挟持を解除する。
【0004】
この接合装置では、挟持手段を用いることにより、接合する帯状部材の両端部を所定位置に位置決めし易くなる。しかしながら、挟持手段による挟持を解除する際に、挟持手段と帯状部材との間の摩擦力によって帯状部材がずれることがある。そのため、帯状部材の両端部のずれ(幅方向および長手方向のずれ)を抑制して設定どおりに接合するには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−49589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、成形ドラムの外周面上で帯状部材の長手方向両端部どうしを、ずれを抑制して設定どおりに接合することができる帯状部材の接合方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の帯状部材の接合方法は、搬送コンベヤに載置されている帯状部材を成形ドラムに向かって搬送し、この成形ドラムの外周面上に前記帯状部材を巻き付けて、その長手方向両端部どうしを接合する帯状部材の接合方法において、前記搬送コンベヤ載置されている前記帯状部材の先端部の上面を吸引することにより保持し、この吸引保持した状態で前記先端部を前記成形ドラムの外周面上の所定位置に設置して、この帯状部材の吸引保持している位置よりも先端側の上面を押圧することにより前記先端部を前記所定位置に固定し、吸引保持を解除した後に前記成形ドラムを回転させることにより前記成形ドラムの外周面上に巻き付けて、前記帯状部材の後端部の上面を吸引することにより保持し、この吸引保持した状態で前記後端部を前記先端部に当接させて、この帯状部材の吸引保持している位置よりも後端側の上面を押圧することにより前記後端部を前記先端部に押圧して接合することを特徴とする。
【0008】
本発明の帯状部材の接合装置は、載置された帯状部材を成形ドラムに向かって搬送する搬送コンベヤと、前記帯状部材の先端部および後端部を前記成形ドラムの外周面上の所定位置に配置する配置機構とを備えた帯状部材の接合装置において、前記配置機構が、吸引手段と、この吸引手段よりも前記成形ドラムの近くに配置された状態になる先端側押圧部と、この吸引手段よりも前記前記成形ドラムから離れて配置された状態になる後端側押圧部とを備えて、前記帯状部材の先端部の上面が前記吸引手段より吸引保持されて前記成形ドラムの外周面上の所定位置に配置された状態で、前記先端側押圧部によって前記先端部の上面が押圧されることにより前記先端部が前記所定位置に固定され、前記吸引手段による吸引保持および前記先端側押圧部による押圧が解除された後に、前記成形ドラムが回転することにより前記成形ドラムの外周面上に巻き付けられた前記帯状部材の後端部の上面が、前記吸引手段より吸引保持されて前記成形ドラムの外周面上の前記先端部に当接して配置された状態で、前記後端側押圧部によって前記後端部の上面が押圧されることにより前記後端部が前記先端部に押圧されて接合される構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、帯状部材の先端部および後端部を成形ドラムの外周面上に位置決めする際に、これら上面を吸引手段によって吸引保持した状態で、先端部の上面を先端側押圧部により押圧し、後端部の上面を後端側押圧部により押圧する。そのため、帯状部材の先端部および後端部を設定どおりの位置に位置決めできる。そして、帯状部材を吸引保持する際および吸引保持を解除する際、押圧する際および押圧解除する際には、帯状部材の位置ずれを生じさせる力が作用し難いので、帯状部材の長手方向両端部どうしを、幅方向および長手方向のずれを抑制して設定どおりに接合するには有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の帯状部材の接合装置を側面視で例示する説明図である。
図2図1の成形装置を平面視で例示する説明図である。
図3】帯状部材の先端部を成形ドラムの外周面上の所定位置に設置する工程を側面視で例示する説明図である。
図4図3の帯状部材の先端部を成形ドラムの外周面上の所定位置に固定する工程を側面視で例示する説明図である。
図5図4の帯状部材を成形ドラムの外周面上に巻き付けている工程を側面視で例示する説明図である。
図6図5の帯状部材の後端部を先端部に押圧して接合する工程を側面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の帯状部材の接合方法および装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図1図2に例示する本発明の帯状部材の接合装置1(以下、接合装置1という)は、帯状部材12の長手方向両端部12a、12bを成形ドラム11の外周面上で接合して、帯状部材12を円筒状に成形する。帯状部材12としては、タイヤのトレッドゴムやサイドゴム等の様々な未加硫ゴム部材、タイヤ等のゴム製品の補強材として使用されるベルト材等を例示できる。ベルト材は、所定のコード角度で並列させた多数のスチールコードを未加硫ゴムで被覆した部材である。
【0013】
接合装置1は、載置された帯状部材12を成形ドラム11に向かって搬送する搬送コンベヤ2と、配置機構3とを備えている。成形ドラム11はサーボモータ等の駆動源によって回転駆動される。搬送コンベヤ2を構成するコンベヤベルト2aはサーボモータ等の駆動源によって回転駆動される(載置された帯状部材12を搬送移動させる)。また、搬送コンベヤ2は幅方向に移動可能に構成されている。
【0014】
配置機構3は、帯状部材12の先端部12aおよび後端部12bを成形ドラム11の外周面上の所定位置に配置する。この実施形態では、配置機構3はフレーム4に取付けられていて、吸引手段5と、吸引手段5を挟んで前後それぞれに配置された先端側押圧部6と後端側押圧部7とを備えている。即ち、先端側押圧部6は吸引手段5よりも成形ドラム11の近くの位置に配置された状態になっていて、後端側押圧部7は吸引手段5よりも成形ドラム11から離れた位置に配置された状態になっている。
【0015】
この実施形態では、配置機構3にはフレーム4に取付けられたコンベヤベルト連結部8も設けられている。また、搬送コンベヤ12の先端上方に配置された位置センサ9と、制御部10とを備えている。位置センサ9は、例えばCCDカメラ等により構成される。
【0016】
吸引手段5としては、下端部に吸引パッド5aを有するエアシリンダ等の流体シリンダやサーボモータで進退移動するロッド等を用いることができる。吸引パッド5aは搬送コンベヤ2(コンベヤベルト2a)の上面に対して近接および離反する方向に移動する。吸引パッド5aを移動させるロッド等に対して、吸引バッド5aを上下方向に回転可能に取付けることもできる。
【0017】
先端側押圧部6、後端側押圧部7としてはそれぞれ、下端部に押圧体6a、7aを有するエアシリンダ等の流体シリンダやサーボモータで進退移動するロッド等を用いることができる。押圧体6a、7aは搬送コンベヤ2の上面に対して近接および離反する方向に移動する。
【0018】
先端側押圧部6と後端側押圧部7とは同じ仕様にすることも異なる仕様にすることもできる。押圧体6aの下面には例えば、平面状の弾性材を用いる。押圧体6aが平面状の場合は、この実施形態のように、押圧体6aを移動させるロッド等に対して押圧体6aを上下方向に回転可能に取付けるとよい。押圧体7aは例えば、成形ドラム11のドラム軸芯と平行な中心軸を中心として回転可能なローラにする。
【0019】
コンベヤベルト連結部8としては、下端部にコンベヤベルト2aを把持する把持アーム8aを有するエアシリンダ等の流体シリンダやサーボモータで進退移動するロッド等を用いることができる。
【0020】
吸引手段5、先端側押圧部6、後端側押圧部7およびコンベヤベルト連結部8は、フレーム4が成形ドラム11に対して近接および離反移動することで、一体的に近接および離反移動する。フレーム4は、流体シリンダやサーボモータで進退移動するロッド等を用いて移動させる。搬送コンベヤ2、フレーム4、吸引手段5、先端側押圧部6、後端側押圧部7、コンベヤベルト連結部8、成形ドラム11の動きは制御部10によって制御される。制御部10には、位置センサ9による検知データが入力される。位置センサ9による検知データに基づいて搬送コンベヤ2は幅方向に移動する。
【0021】
次に、接合装置1を用いて帯状部材12の先端部12aと後端部12bとを接合する手順の一例を説明する。
【0022】
図1図2に例示するように、搬送コンベヤ2を回転駆動することにより、前工程から帯状部材12が搬送される。そして、停止している搬送コンベヤ2に載置されている帯状部材12に対して、吸引手段5の吸引パッド5aを下方移動させて帯状部材12の先端部12aの上面を吸引する。また、コンベヤベルト連結部8の把持アーム8aを下方移動させてコンベヤベルトのキャリア側(上側)を把持する。押圧体6a、7aは帯状部材12の上面に当接しない待機位置に維持する。
【0023】
次いで、図3に例示するように、フレーム4を水平移動させて成形ドラム11に近接移動させる。フレーム4とコンベヤベルト2aとはコンベヤベルト連結部8を介して連結されているので、コンベヤベルト2aが回転駆動されて、帯状部材12は搬送コンベヤ2によって成形ドラム11に向かって搬送される。これにより、帯状部材12はその先端部12aが吸引手段5により吸引保持された状態で成形ドラム11に近接移動する。
【0024】
即ち、吸引手段5の移動に同期して(同じ方向および同じ速度)、コンベヤベルト2aによって帯状部材12が搬送されるので、帯状部材12に引張り力が作用することがなく不用意に伸びることを防止できる。コンベヤベルト連結部8を設けずに、吸引手段5の移動に同期させて、コンベヤベルト2aによって帯状部材12を搬送する構成にすることもできる。
【0025】
次いで、図4に例示するように、停止している成形ドラム11の外周面の所定位置の上方に帯状部材12の先端部12aを位置決めした後、吸引パッド5aを下方移動させて先端部12aを成形ドラム11の外周面上の所定位置に設置する。そして、押圧体6aを下方移動させて、帯状部材12の吸引保持されている位置よりも先端側の上面を先端側押圧部6により押圧する。この押圧によって先端部12aを成形ドラム11の外周面上の所定位置に固定する。成形ドラム11の外周面上の所定位置に吸引部を設けて、この吸引部によって先端部12aの下面を吸引して、先端部12aのずれを一段と発生させ難くすることもできる。
【0026】
押圧体6aの押圧に起因して先端部12aがずれることをより防止するために、先端部12aの上面に当接させた押圧体6aは、成形ドラム11の半径方向内周側に移動させるが、この上面を押圧する圧力を過大にしない。そこで、押圧体6aが平板状場合は、その幅寸法を帯状ゴム部材12の幅寸法以上にして、その長手方向寸法を、これから接合する先端部12aと後端部12bとのオーバラップ長さ以上にして、押圧体6aにより押圧する際の圧力を小さくするとよい。
【0027】
押圧体6aがローラの場合は、成形ドラム11の半径方向内周側に移動させて周方向に転動させるだけにする。即ち、押圧体6aによって先端部12aの上面を扱くことはしない。尚、押圧体6aとして膨張収縮する膨張体を用いた場合、先端部12aの上面に当接した状態で膨張体が膨張すると、先端部12aを形成している未加硫ゴムが膨張体とともに幅方向および周方向に移動してずれが発生し易くなる。そのため、押圧体6aには、膨張収縮する膨張体を採用せずに非膨張体にするとよい。
【0028】
先端部12aを固定する成形ドラム11の外周面上での所定位置は、ドラム周方向で言えば、成形ドラム11の頂部にするよい。これにより、先端部12aをより精度よく安定して位置決めして固定し易くなる。
【0029】
次いで、帯状部材12に対する吸引手段5による吸引保持を解除して、吸引パッド5aおよび押圧体6aを、帯状部材12に当接しない待機位置に上方移動させる。フレーム4は成形ドラム11から離反する方向に水平移動させて待機位置に戻す。
【0030】
本発明ではこのように、帯状部材12の上面を吸引手段5によって吸引保持した状態で、先端部12aの上面を先端側押圧部6により押圧するので、先端部12aを設定どおりに所定位置に位置決めして固定できる。そして、帯状部材12を吸引保持する際および吸引保持を解除する際に、帯状部材12を幅方向および長手方向にずらす力は実質的に作用しない。
【0031】
次いで、成形ドラム11を回転させることにより帯状部材12を成形ドラム11の外周面上に巻き付ける。この際に、搬送コンベヤ2による帯状部材12の搬送速度を成形ドラム11の回転による巻き付け速度と同じにして、帯状部材12に不用意な伸びが発生しないようにする。また、この際には、位置センサ9による検知データに基づいて搬送コンベヤ11を幅方向に移動させて、帯状部材12を成形ドラム11に対してセンタリングする。
【0032】
帯状部材12の多くの部分を成形ドラム11の外周面上に巻き付けた後は、成形ドラム11を停止させる。次いで、停止している搬送コンベヤ2に載置されている帯状部材12の後端部12bに対して、吸引手段5の吸引パッド5aを下方移動させて後端部12bの上面を吸引する。また、コンベヤベルト連結部8の把持アーム8aを下方移動させてコンベヤベルトのキャリア側(上側)を把持する。押圧体6a、7aは帯状部材12の上面に当接しない待機位置に維持する。
【0033】
次いで、図5に例示するように、フレーム4を水平移動させて成形ドラム11に近接移動させる。フレーム4とコンベヤベルト2aとはコンベヤベルト連結部8を介して連結されているので、コンベヤベルト2aが回転駆動されて、帯状部材12は搬送コンベヤ2によって成形ドラム11に向かって搬送される。これにより、帯状部材12はその後端部12bが吸引手段5により吸引保持された状態で成形ドラム11に近接移動する。
【0034】
次いで、停止している成形ドラム11の外周面の所定位置の上方に帯状部材12の後端部12bを位置決めする。その後、図6に例示するように、吸引パッド5aを下方移動させて後端部12bを成形ドラム11の外周面上に巻き付けられている先端部12aに当接させる。そして、押圧体7aを下方移動させて、帯状部材12の吸引保持されている位置よりも後端側の上面を後端側押圧部7により押圧する。これより、後端部12bを先端部12aに押圧して両者を接合する。
【0035】
押圧体7aの押圧に起因して後端部12bがずれることをより防止するために、後端部12bの上面に当接させた押圧体7aは、成形ドラム11の半径方向内側に移動させるが、この上面を押圧する圧力を過大にしない。そこで、押圧体7aが平板状場合は、その幅寸法を帯状ゴム部材12の幅寸法以上にして、その長手方向寸法を先端部12aと後端部12bとのオーバラップ長さ以上にして、先端部12aと後端部12bの接合範囲の全範囲を押圧部7aで覆って、押圧体7aによって押圧する際の圧力を小さくするとよい。
【0036】
押圧体7aがローラの場合は、成形ドラム11の半径方向内周側に移動させて周方向に転動させるだけにする。即ち、押圧体7aによって後端部12bの上面を扱くことはしない。尚、押圧体7aとして膨張収縮する膨張体を用いた場合、後端部12bの上面に当接した状態で膨張体が膨張すると、後端部12bを形成している未加硫ゴムが膨張体とともに幅方向および周方向に移動してずれが発生し易くなる。そのため、押圧体7aには、膨張収縮する膨張体を採用せずに非膨張体にするとよい。
【0037】
後端部12bを接合する際の先端部12aの成形ドラム11の外周面上での周方向位置は、成形ドラム11の頂部が好ましいが、先端部12aを成形ドラム11の頂部に設定するのは手間を要する。そこで、この実施形態のように押圧体7aをローラにしておくと、先端部12aの成形ドラム11の外周面上の周方向位置にかかわらず、後端部12bを先端部12aに対してより精度よく安定して圧着して接合し易くなる。
【0038】
次いで、帯状部材12に対する吸引手段5による吸引保持を解除して、吸引パッド5aおよび押圧体7aを、帯状部材12に当接しない待機位置に上方移動させる。本発明ではこのように、帯状部材12の上面を吸引手段5によって吸引保持した状態で、後端部12bの上面を後端側押圧部7により押圧するので、後端部12bを設定どおりに先端部12aに位置決めして接合できる。そして、帯状部材12を吸引保持する際および吸引保持を解除する際に帯状部材12を幅方向および長手方向にずらす力は実質的に作用しない。
【0039】
上述したように本発明によれば、先端部12aおよび後端部12bを成形ドラム11の外周面上の設定どおりの位置に位置決めできる。また、帯状部材12を吸引保持する際および吸引保持を解除する際、押圧する際および押圧解除する際には、帯状部材12を幅方向および長手方向にずらす力が実質的に作用しない。それ故、帯状部材12の長手方向両端部12a、12bどうしを、幅方向および長手方向のずれを抑制して設定どおりに接合するには有利になっている。
【0040】
タイヤのサイドゴム等の厚さが幅方向で変化している未加硫ゴムからなるプロファイル部材は、その押出工程において厚さが大きい部分は未加硫ゴムの流速が相対的に早く、厚さが小さい部分は未加硫ゴムの流速が相対的に遅くなる。これに伴って、それぞれの部分では残留ひずみの大きさが異なる。これに起因してプロファイル部材の長手方向両端部を接合した部分の開きが発生し易くなる。そのため、この接合した部分をずれなく精度よく接合して強固に接合する必要性が高い。したがって、厚さが幅方向で変化している未加硫ゴムからなるプロファイル部材を、本発明が対象とする帯状部材12とすると好適である。
【符号の説明】
【0041】
1 接合装置
2 搬送コンベヤ
2a コンベヤベルト
3 配置機構
4 フレーム
5 吸引手段
5a 吸引パッド
6 先端側押圧部
6a 押圧体
7 後端側押圧部
7a 押圧体
8 コンベヤベルト連結部
8a 把持アーム
9 位置センサ
10 制御部
11 成形ドラム
12 帯状部材
12a 先端部
12b 後端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6