【解決手段】(a)消泡剤を0.01〜10質量%及び(b)腐食防止剤を0.01〜5質量%含み、消泡剤は、式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及びポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルから選択される少なくとも1種である自動洗浄機用洗浄剤組成物。
Oは各々独立に、オキシプロピレン基を必須とするC2〜4のオキシアルキレン基;nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数、2〜1000の数;mは2〜8の整数;m個の〔−O―(A
前記腐食防止剤が、トリアゾール又はその誘導体、ベンゾイミダゾール又はその誘導体及びベンゾチアゾール又はその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
【0020】
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物は、(a)消泡剤を0.01〜10質量%及び(b)腐食防止剤を0.01〜5質量%含み、上記消泡剤は、下記一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0022】
(式中、R
1は、炭素数3〜20の2〜8価の多価アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、A
1Oは、同一又は異なって、オキシプロピレン基を必須とする炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜1000の数であり、mは、2〜8の整数を表し、m個の〔−O―(A
1O)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
【0024】
(式中、R
2は、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基を表し、A
2Oは、同一又は異なって、オキシプロピレン基を必須とする炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、tは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜100の数であり、(A
2O)tで表されるポリオキシアルキレン基中のオキシプロピレン基の割合は65モル%以上である。)
【0025】
本発明における(a)消泡剤(以下、成分(a)ともいう)は、一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である。(a)消泡剤として、これらの化合物を1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
上記一般式(1)におけるR
1は、炭素数3〜20の2〜8価の多価アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表す。炭素数3〜20の2〜8価の多価アルコールとして、例えば、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,4−ブタンジオール等の2価のアルコール;グリセロール(グリセリン)、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ペンタメチルグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価のアルコール;テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価のアルコール;アラビトール、ガラクトース、キシリトール、グルコース、フルクトース、マンノース、アロース、グロース、イドース、タロース等の5価のアルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール等の6価のアルコール;ペルセイトール等の7価のアルコール;スクロース、マルトース、ラクトース等の8価のアルコール等が挙げられる。中でも、炭素数3〜20の2〜6価の多価アルコールが好ましく、炭素数3〜10の2〜6価(好ましくは3〜6価)の多価アルコールがより好ましく、例えば、1,2−プロパンジオール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンがさらに好ましい。中でも、炭素数3〜5の3価の脂肪族アルコールが特に好ましく、グリセロールが最も好ましい。
【0027】
A
1Oにおける炭素数2〜4のオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基である。A
1Oは、好ましくは、同一又は異なって、オキシプロピレン基を必須とする炭素数3又は4のオキシアルキレン基である。A
1Oはオキシプロピレン基を必須とするが、A
1Oで表される全オキシアルキレン基中のオキシプロピレン基の割合は、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上がさらに好ましい。特に好ましくは、A
1Oはオキシプロピレン基である。一般式(1)において、A
1Oが、オキシプロピレン基である多価アルコールのプロピレンオキサイド付加物は、砲金製インペラーの腐食低減効果が高いことから、本発明における(a)消泡剤として好ましい。
A
1Oとして、オキシプロピレン基と共にオキシエチレン基及び/又はオキシブチレン基を有する場合、これらの付加形式は、ランダム状でもよく、ブロック状でもよい。
【0028】
一般式(1)において、nは、2〜1000であり、好ましくは2〜200であり、より好ましくは2〜100であり、さらに好ましくは10〜100、特に好ましくは15〜100、最も好ましくは15〜70である。
mは、好ましくは2〜6であり、より好ましくは3〜6であり、さらに好ましくは3〜5であり、特に好ましくは3である。
また、一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、1分子あたりのオキシアルキレン基の平均付加モル数(n×m)が、10〜300であることが好ましく、より好ましくは40〜150である。
【0029】
一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の質量平均分子量は、250〜40000であることが好ましく、500〜10000であることがより好ましく、1500〜10000がさらに好ましい。また、例えば1,2−プロパンジオールのアルキレンオキサイド付加物の場合には、質量平均分子量が3000〜4000が特に好ましい。
質量平均分子量は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコール(PEG)を標準物質として求められる。
【0030】
(a)消泡剤として使用される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の好ましい態様の一例は、砲金製インペラーの腐食低減効果が高いことから、一般式(1)において、R
1が、炭素数3〜5の3価の脂肪族アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、A
1Oがオキシプロピレン基を表し、mが3である化合物であり、より好ましくは、R
1が、グリセロールから全部の水酸基を除いた残基を表し、A
1Oが、オキシプロピレン基を表し、nが、10〜200(好ましくは、15〜100)の数であり、mが3である化合物である。3個の〔−O―(A
1O)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として、一般式(1)において、R
1が、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はソルビトールから全部の水酸基を除いた残基を表し、A
1Oが、オキシプロピレン基を表し、nが、5〜50(好ましくは、8〜30)の数であり、mが、3、4又は6を表す化合物も好ましい。この場合、m個の〔−O―(A
1O)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。
多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として、一般式(1)において、R
1が、1,2−プロパンジオールから全部の水酸基を除いた残基を表し、A
1Oが、オキシプロピレン基を表し、nが、20〜30の数であり、mが、2を表す化合物も好ましい。この場合、2個の〔−O―(A
1O)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0031】
上記一般式(2)におけるR
2は、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基を表し、A
2Oは、同一又は異なって、オキシプロピレン基を必須とする炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、tは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜100の数であり、(A
2O)tで表されるポリオキシアルキレン基中のオキシプロピレン基の割合は65モル%以上である。
【0032】
一般式(2)において、R
2は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。本発明におけるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルは、一般式(2)において、R
2が、炭素数1〜20のアルキル基を表すポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルであることが好ましい。
【0033】
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、s−ヘプチル基、t−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、s−オクチル基、t−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基、3−エチルへキシル基、n−ノニル基、s−ノニル基、t−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、s−デシル基、t−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、s−ウンデシル基、t−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、s−ドデシル基、t−ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、s−トリデシル基、t−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、s−テトラデシル基、t−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ペンタデシル基、s−ペンタデシル基、t−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、s−ヘキサデシル基、t−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、s−ヘプタデシル基、t−ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、s−オクタデシル基、t−オクタデシル基、イソオクタデシル基等の直鎖又は分岐鎖アルキル基が挙げられる。中でも、炭素数3〜15のアルキル基が好ましく、炭素数4〜15のアルキル基がより好ましく、炭素数12〜15のアルキル基がさらに好ましく、炭素数13のアルキル基が特に好ましい。また、アルキル基は、分岐鎖アルキル基が好ましい。
【0034】
炭素数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等の直鎖又は分岐鎖アルケニル基が挙げられる。中でも、炭素数4〜15のアルケニル基が好ましく、例えば、2−ブテニル基、3−ブテニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基がさらに好ましく、炭素数5〜15のアルケニル基がより好ましく、トリデセニル基が特に好ましい。
【0035】
A
2Oにおける炭素数2〜4のオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基である。A
2Oは、好ましくは、同一又は異なって、オキシプロピレン基を必須とする炭素数3又は4のオキシアルキレン基である。また、(A
2O)tで表されるポリオキシアルキレン基中のオキシプロピレン基の割合は65モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、95モル%以上がさらに好ましい。特に好ましくは、A
2Oはオキシプロピレン基である。一般式(2)において、A
2Oが、オキシプロピレン基であるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルは、砲金製インペラーの腐食低減効果が高いことから、本発明における(a)消泡剤として好ましい。
A
2Oとして、オキシプロピレン基に加えてオキシエチレン基及び/又はオキシブチレン基を有する場合、これらの付加形式は、ランダム状でもよく、ブロック状でもよい。
tは、好ましくは2〜60であり、より好ましくは2〜55であり、さらに好ましくは2〜10である。
【0036】
一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルの質量平均分子量は、150〜5000であることが好ましく、250〜4000であることがより好ましい。
上記質量平均分子量は、DMFを展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでPEGを標準物質として求められる。
【0037】
一般式(2)においては、R
2が炭素数3〜15のアルキル基を表し、A
2Oがオキシプロピレン基を表すことが好ましい。一般式(2)のより好ましい態様の一例として、R
2が炭素数4〜15(より好ましくは炭素数12〜15)のアルキル基を表し、A
2Oがオキシプロピレン基を表し、tが、2〜60の数であることが挙げられる。(a)消泡剤がこのようなポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを含むと、砲金製インペラーの腐食低減効果がより向上する。
【0038】
本発明における(a)消泡剤としては、砲金製インペラーの腐食低減の観点から、上記一般式(2)において、R
2が炭素数12〜15のアルキル基であるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが好ましく、ポリオキシプロピレントリデシルエーテルが特に好ましい。R
2が炭素数12〜15のアルキル基であるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(好ましくはポリオキシプロピレントリデシルエーテル)は、好ましくはオキシプロピレン基の平均付加モル数(t)が2〜50(より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5)である。
【0039】
本発明の洗浄剤組成物は、(a)消泡剤を0.01〜10質量%含む。(a)消泡剤が0.01質量%未満であると、砲金製インペラーの腐食を充分に低減できない。(a)消泡剤が10質量%を超えると、消泡剤が洗浄作用の妨げとなる。(a)消泡剤の含有量は、好ましくは0.1〜8質量%であり、より好ましく0.5〜5質量%である。(a)消泡剤に2種以上の化合物が含まれる場合、上記含有量は、それらの合計として定める。
【0040】
本発明における(b)腐食防止剤(以下、成分(b)ともいう)は、銅又は銅合金に対する腐食防止剤が好ましい。このような腐食防止剤として、例えば、トリアゾール又はその誘導体、ベンゾイミダゾール又はその誘導体及びベンゾチアゾール又はその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
トリアゾール又はその誘導体として、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−ドデシルベンゾトリアゾール、5−オクチルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ブチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール(4−カルボキシベンゾトリアゾール、5−カルボキシベンゾトリアゾール)、カルボキシベンゾトリアゾールメチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールブチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールヘキシルエステル、ベンゾトリアゾールオクチルエステル、ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0041】
ベンゾイミダゾール又はその誘導体として、例えば、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、チアゾリルベンゾイミダゾール、チアベンダゾール等が挙げられる。ベンゾチアゾール又はその誘導体として、例えば、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。
【0042】
中でも、(b)腐食防止剤は、トリアゾール又はその誘導体、ベンゾイミダゾール又はその誘導体がより好ましく、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールがさらに好ましく、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾールが特に好ましい。
また、例えば成分(a)が1,2−プロパンジオールのオキシプロピレン付加物である場合には、(b)腐食防止剤はトリルトリアゾールが特に好ましい。
【0043】
本発明の洗浄剤組成物は、(b)腐食防止剤を0.01〜5質量%含む。(b)腐食防止剤が0.01質量%未満であると、砲金製インペラーの腐食を充分に低減できない。(b)腐食防止剤が5質量%を超えると、一定以上は腐食防止効果が高まらないため、経済的ではない。(b)腐食防止剤の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましく0.5〜5質量%である。(b)腐食防止剤に2種以上の化合物が含まれる場合、上記含有量は、それらの合計として定める。
【0044】
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない限り、(a)消泡剤及び(b)腐食防止剤以外の成分を含んでもよい。
例えば、本発明の洗浄剤組成物は、さらに、アルカリ剤、キレート剤、界面活性剤、質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤、可溶化剤、漂白剤、除菌剤、酵素等の1種又は2種以上を含んでいてもよい。これらはそれぞれ1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
本発明の洗浄剤組成物は、アルカリ剤を含むことが好ましい。洗浄剤組成物がアルカリ剤を含むと、洗浄力が向上する。
アルカリ剤としては、水溶性のアルカリ剤であればよく、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を用いることができる。アルカリ金属塩としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属の炭酸塩及びケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム(メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、ケイ酸ソーダ1号、ケイ酸ソーダ2号、ケイ酸ソーダ3号、ケイ酸ソーダ4号)、ケイ酸カリウム(メタケイ酸カリウム、セスキケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム)等のケイ酸のアルカリ金属塩が好ましい。これらのアルカリ剤は、水和物となっていてもよい。中でも、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、ケイ酸のアルカリ金属塩がより好ましく、アルカリ金属の炭酸塩、ケイ酸のアルカリ金属塩がさらに好ましく、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムが特に好ましい。なお、後記するキレート剤として例示される化合物は、本発明におけるアルカリ剤には含まれない。
【0046】
洗浄剤組成物がアルカリ剤を含む場合、アルカリ剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して5〜85質量%であることが好ましい。アルカリ剤の含有量が上記範囲であると、洗浄力がより高くなる。アルカリ剤の含有量は、好ましくは10〜50質量%である。アルカリ剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各アルカリ剤の含有量の合計として定める。
【0047】
本発明の洗浄剤組成物は、キレート剤を含むことが好ましい。洗浄剤組成物がキレート剤を含むと、洗浄力が向上する。
キレート剤としては、アミノカルボン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、リン酸系、エーテルカルボン酸塩、ホスホン酸系等のキレート剤が挙げられる。後記する質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤として例示されるポリアクリル酸ナトリウム等の化合物は、本発明におけるキレート剤には含まれない。
【0048】
上記アミノカルボン酸系のキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン六酢酸(DPTA−OH)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)又はこれらの塩等が挙げられる。
【0049】
上記ヒドロキシカルボン酸系のキレート剤としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸又はこれらの塩が挙げられる。
上記リン酸系のキレート剤としては、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられる。
【0050】
上記ホスホン酸系のキレート剤としては、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)又はこれらの塩等が挙げられる。
【0051】
上記キレート剤における塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
【0052】
本発明におけるキレート剤としては、アミノカルボン酸系、ホスホン酸系等のキレート剤が好ましく、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸又はこれらの塩等がより好ましく、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸又はこれらの塩がさらに好ましい。
【0053】
洗浄剤組成物がキレート剤を含む場合、キレート剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して5〜85質量%であることが好ましい。キレート剤が5質量%未満であると、洗浄液中の硬度成分が析出する場合がある。キレート剤が85質量%を超えると、洗浄液中の金属イオンに対してキレート剤が多くなり過ぎ、経済的ではない場合がある。上記キレート剤の含有量は、好ましくは30〜50質量%である。キレート剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各キレート剤の含有量の合計として定める。
【0054】
本発明の洗浄剤組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。洗浄剤組成物が界面活性剤を含むと、洗浄力が向上する。なお、上記(a)消泡剤は、本発明における界面活性剤には含まれない。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられ、好ましくは非イオン界面活性剤である。非イオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンメチルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等が挙げられる。中でも、リバースプルロニック型ブロックポリマーが好ましい。
【0055】
洗浄剤組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲であると、洗浄剤組成物の洗浄力がより向上するため好ましい。界面活性剤の含有量は、2〜8質量%がより好ましい。
【0056】
本発明の洗浄剤組成物が、質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤を含むと、洗浄力が向上する。高分子分散剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアコニット酸、ポリイタコン酸、ポリシトラコン酸、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ポリメタコン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、ポリビニルホスホン酸、スルホン化ポリマレイン酸、オレフィン−マレイン酸共重合体、無水マレイン酸ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸スチレン共重合体、無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸エチレン共重合体、無水マレイン酸エチレンクロスリンク共重合体、無水マレイン酸アクリル酸共重合体、無水マレイン酸酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸ブタジエン共重合体、無水マレイン酸イソプレン共重合体、無水マレイン酸と一酸化炭素から誘導されるポリ−β−ケトカルボン酸、イタコン酸、エチレン共重合体、イタコン酸アコニット酸共重合体、イタコン酸マレイン酸共重合体、イタコン酸アクリル酸共重合体、マロン酸メチレン共重合体、イタコン酸フマール酸共重合体、エチレングリコールエチレンテレフタレート共重合体、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、これらの金属塩等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
本発明における質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤としては、ポリアクリル酸塩、オレフィン−マレイン酸共重合体塩が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム、オレフィン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩がより好ましい。
【0057】
洗浄剤組成物が質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤を含む場合、その含有量は、洗浄剤組成物に対して2〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%がより好ましい。上記高分子分散剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各高分子分散剤の含有量の合計として定める。
【0058】
洗浄剤組成物が漂白剤を含むと、洗浄力、除菌効果、脱臭作用及び漂白作用が向上する。
漂白剤として、例えば、塩素化イソシアヌル酸塩(塩素化イソシアヌル酸ナトリウム(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)、塩素化イソシアヌル酸カリウム(ジクロロイソシアヌル酸カリウム)等)、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸塩(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム等)等の塩素系漂白剤が挙げられる。これらの漂白剤は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの漂白剤は、水和物であってもよい。中でも、漂白剤として、塩素化イソシアヌル酸塩、次亜塩素酸塩が好ましく、塩素化イソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。
【0059】
洗浄剤組成物が漂白剤を含む場合、漂白剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して0.1〜20質量%が好ましい。漂白剤が0.1質量%未満であると、漂白剤を添加することによる得られる洗浄力と除菌効果、脱臭作用又は漂白作用の向上が充分でない場合がある。漂白剤が20質量%を超えると、例えば漂白剤が塩素系漂白剤の場合に洗浄中の塩素由来の臭いが強くなり作業性が悪くなる場合がある。漂白剤の含有量は、好ましくは2〜10質量%である。漂白剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各漂白剤の含有量の合計として定める。
【0060】
洗浄剤組成物が除菌剤を含むと、除菌効果が向上する。
除菌剤としては、例えば、N,N’,N’’−トリス(ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、2−オクチル4−イソチアゾリン−3―オン、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ベンゼトニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、塩化アルキルジメチルヒドロキシアンモニウム、塩化アルキルジメチルヒドロキシアンモニウム、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルアミノ)ビス(1―デシルピリジニウムブロマイド)、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩、ピリジン−2−チオール−1−オキシドナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、2,4,4’−トリクロロ―2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、アルキルポリアミノエチルグリシン、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。中でも、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド等が好ましい。
【0061】
洗浄剤組成物が除菌剤を含む場合、除菌剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。除菌剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各除菌剤の含有量の合計として定める。
【0062】
洗浄剤組成物が酵素を含むと、洗浄力が向上する。
酵素として、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼ等が挙げられる。これらの酵素が含まれていると、酵素の機能により洗浄力が向上する。中でも、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼが好ましい。
【0063】
プロテアーゼとして使用できる市販の酵素として、例えば、アルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ、エスペラーゼ、オボザイム(ノボザイムズジャパン(株))、プラフェクト、プロペラーゼ、プラフェクトOX(ジェネンコア・インターナショナル社)等が挙げられる。
【0064】
アミラーゼとして使用できる市販の酵素として、例えば、ラピダーゼ(ギスト−ブロカーズ社)、ターマミル、デュラミル、ステインザイム(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))、プラスターST、プラスターOxAm(ジェネンコア・インターナショナル社)等が挙げられる。
リパーゼとして使用できる市販の酵素として、例えば、リポザイム(ノボザイムズジャパン(株))等が挙げられる。
【0065】
洗浄剤組成物が酵素を含む場合、酵素の含有量は、洗浄剤組成物に対して、酵素タンパク質量として0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。酵素が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各酵素の含有量の合計として定める。
【0066】
本発明の洗浄剤組成物に酵素及びアルカリ剤を配合する場合、アルカリ剤を含む中性〜弱アルカリ性水溶液中での酵素失活を抑制するため、酵素安定化剤を配合することが好ましい。酵素安定化剤としては、ホウ酸又はホウ酸を形成することが可能なホウ素化合物、水溶性カルシウム塩から選択される1種以上を配合することが好ましい。酵素安定化剤の配合量は、洗浄剤組成物に対して0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。
また、本発明においては、酵素及びアルカリ剤を配合する場合には、酵素の失活を抑制するため、アルカリ剤の配合量を5〜15質量%とすることが好ましい。
【0067】
本発明の洗浄剤組成物は、必要に応じて溶媒、増量剤等の洗浄剤組成物に配合される他の成分を含有してもよい。また、必要に応じて、成分(a)以外の消泡剤を含有してもよい。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶媒としては、水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、1〜3価のアルコールを好適に用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、ポリエチレングリコール等の2価又は3価の多価アルコール類等が挙げられる。中でも、2価又は3価の多価アルコールが好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
上記増量剤としては、硫酸ナトリウム(芒硝)、粉末シリカ等が挙げられる。
上記消泡剤としては、末端キャップ非イオン性界面活性剤、シリコーンオイル、ポリジメチルシロキサン、シリカ等が挙げられる。
【0068】
本発明の洗浄剤組成物の剤形は、液体、固体(粉末、顆粒(粒状)、錠剤、タブレット、フレーク又はブロック等)のいずれでもよい。好ましくは、粉末、固体、錠剤である。また、本発明の洗浄剤組成物は、カートリッジ洗浄剤等にも好適に使用される。
【0069】
本発明の洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されず、剤形に応じて適宜選択すればよい。例えば、成分(a)及び成分(b)、並びに、所望により配合される他の成分を混合又は撹拌等することにより製造することができる。各成分を混合する順番、混合又は撹拌の方法等は特に限定されない。
【0070】
例えば、ブロックなどの固形体の洗浄剤組成物を製造する際には、例えば、まず、水及び水以外の洗浄剤組成物の原料を撹拌混合し、スラリー液を調製した後、上記スラリー液を所望の型又は容器等に投入し、冷却して固化させることが好ましい。
【0071】
具体的には、まず、水に水以外の洗浄剤組成物の原料を加えた後、30〜100℃に維持し、攪拌することにより、水及び洗浄剤組成物の原料を含むスラリー液を調製する。
水以外の洗浄剤組成物の原料の投入量は、上記スラリー液の全量に対して35〜100質量%が好ましい。
次に、上記スラリー液を所望の型又は容器に投入し、その後、上記スラリー液を常温で1〜24時間放置して固化させ、型又は容器の形状に固化された固形体からなる洗浄剤組成物を製造する。
【0072】
顆粒状(粒状)の洗浄剤組成物を製造する際には、洗浄剤組成物の原料となる成分(a)及び成分(b)、並びに、所望により配合される他の成分の粒状原料を混合すればよい。混合にはリボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
また、粉末状の洗浄剤組成物を製造する際には、洗浄剤組成物の原料となる成分(a)及び成分(b)、並びに、所望により配合される他の成分の粉状原料を混合すればよい。混合にはリボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
【0073】
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物が使用される自動洗浄機は特に限定されないが、例えば、スプレー式自動洗浄機等が挙げられる。スプレー式自動洗浄機として、例えば、自動食器洗浄機、コンテナ洗浄機等が挙げられる。中でも、本発明の洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物として好適に使用される。また、本発明の洗浄剤組成物は、業務用又は家庭用の自動洗浄機用として好適に使用されるが、業務用自動洗浄機用としてより好適であり、業務用の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物として特に好適である。
【0074】
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物を用いて自動洗浄機により食器等を洗浄する場合には、自動洗浄機中で、上記洗浄剤組成物を水で希釈した又は水に溶解させた洗浄液と食器等とを接触させればよく、該洗浄液中の洗浄剤組成物の濃度は0.01〜0.5質量%が好ましい。
【実施例】
【0075】
以下、本発明をより具体的に説明する実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0076】
<実施例1〜12>
表1に示す成分を、表1に示す割合となるように配合し、混合することにより実施例1〜12の各洗浄剤組成物を製造した。表1中の数値は、洗浄剤組成物に対する各成分の純分の割合(質量%)である。
【0077】
<比較例1〜11>
表2に示す成分を、表2に示す割合となるように配合し、混合することにより比較例1〜11の各洗浄剤組成物を製造した。
【0078】
実施例1〜12及び比較例1〜11で製造した洗浄剤組成物について、以下の方法で砲金製インペラーの腐食防止能の評価を行った。実施例及び比較例で製造した各洗浄剤組成物の評価結果を表1及び表2に示した。
【0079】
<腐食防止能>
洗浄剤組成物の濃度を0.1質量%に調整した洗浄剤組成物水溶液を準備した。この洗浄剤組成物水溶液を、砲金製インペラーを内蔵するポンプ(三相電機(株)製自吸式ヒューガルポンプ:25PSZ−2021B)により吸引した。洗浄剤組成物水溶液の水温は60℃、ポンプ圧は0.1MPa、流量は10L/minとした。ポンプは1日5時間稼働させ、30日稼働後に、ポンプ内の砲金製インペラーの外観変化を目視で確認した。
評価基準
○:砲金製インペラーの外観に光沢があり、著しいキャビテーション跡がない。
△:砲金製インペラー外観に光沢があり、著しいキャビテーション跡がある。
×:砲金製インペラー外観に光沢がなく、著しいキャビテーション跡がある。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
表1及び表2中のポリオキシプロピレントリオールは、グリセロールのプロピレンオキサイド付加物である。表1及び2中、POは、プロピレンオキサイドを意味する。
表1及び表2中の「残分」は、洗浄剤組成物100質量%から水及び無水芒硝以外の成分の質量%を引いた残りが水又は無水芒硝であることを意味する。
【0083】
表1から、実施例1〜12の洗浄剤組成物は、砲金製インペラーの腐食低減効果が高かった。比較例1〜11の洗浄剤組成物は、砲金製インペラーの腐食を充分に低減することができなかった。
前記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の質量平均分子量が250〜40000である請求項1又は2に記載の自動食器洗浄機用又はコンテナ洗浄機用の洗浄剤組成物。
前記ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルの質量平均分子量が150〜5000である請求項1〜4のいずれかに記載の自動食器洗浄機用又はコンテナ洗浄機用の洗浄剤組成物。