特開2017-214728(P2017-214728A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-214728(P2017-214728A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】ドアハンドル及びアンテナユニット
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20171110BHJP
   E05B 81/78 20140101ALI20171110BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20171110BHJP
   H01Q 1/40 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
   E05B85/16 C
   E05B81/78
   B60J5/04 H
   H01Q1/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-107858(P2016-107858)
(22)【出願日】2016年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000107804
【氏名又は名称】スミダコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】上田 穂積
【テーマコード(参考)】
2E250
5J046
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250CC11
2E250DD06
2E250FF27
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
2E250JJ43
2E250JJ46
2E250JJ47
2E250JJ49
2E250KK03
2E250LL01
2E250PP02
2E250PP12
2E250QQ02
2E250SS09
2E250TT01
5J046AA02
5J046AA13
5J046QA02
(57)【要約】
【課題】静電容量センサの感度は低く設定しつつも、ユーザの手がドアハンドルに近接したことを検出するまでの反応時間を短縮することが可能な構造のドアハンドルを提供する。
【解決手段】ドアハンドル200は、車両のドア80に対して揺動可能に取り付けられるハウジング210と、ハウジング210に収容されているアンテナ部と、ハウジング210に収容されている静電容量検出電極を含む静電容量センサと、静電容量検出電極に対して常時絶縁された状態で静電容量検出電極とハウジング210の内面との間に配置されている導電部材50と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアに対して揺動可能に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに収容されているアンテナ部と、
前記ハウジングに収容されている静電容量検出電極を含む静電容量センサと、
前記静電容量検出電極に対して常時絶縁された状態で、前記静電容量検出電極と前記ハウジングの内面との間に配置されている導電部材と、
を備えているドアハンドル。
【請求項2】
前記導電部材は柔軟な材料により構成され、前記静電容量検出電極と前記ハウジングの内面との間において圧縮状態で配置されている請求項1に記載のドアハンドル。
【請求項3】
前記ハウジングの内面には複数のリブが形成されており、
前記導電部材の少なくとも一部分が、前記複数のリブどうしの対向間隔に入り込んでいる請求項2に記載のドアハンドル。
【請求項4】
前記導電部材は導電性スポンジである請求項1から3のいずれか一項に記載のドアハンドル。
【請求項5】
当該ドアハンドルは、前記ハウジングの長手方向における一端部が前記ドアに対して軸支されるレバー式であり、
前記ハウジングは、当該ドアハンドルが前記ドアに取り付けられた状態で、当該ハウジングの長手方向における中央部が前記車両の外部側に向けて弧状に膨出する湾曲形状に形成されており、
前記アンテナ部の長手方向が前記ハウジングの長手方向に沿って配置されており、
前記アンテナ部の長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、前記導電部材が配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載のドアハンドル。
【請求項6】
前記静電容量検出電極に対する面直方向に視たときに、前記導電部材は、前記静電容量検出電極と重なるオーバーラップ部と、前記静電容量検出電極と重ならないエクステンション部と、を含む請求項1から5のいずれか一項に記載のドアハンドル。
【請求項7】
アンテナと、
静電容量検出電極を含む静電容量センサと、
前記アンテナ及び前記静電容量検出電極を被覆している絶縁性の被覆部材と、
前記被覆部材の外面に固定された導電部材と、
を備えているアンテナユニット。
【請求項8】
前記アンテナ及び前記静電容量検出電極が搭載されているとともに、前記被覆部材により被覆されている基板を備え、
前記基板の一方の面側に前記静電容量検出電極及び前記導電部材が配置されている請求項7に記載のアンテナユニット。
【請求項9】
当該アンテナユニットの長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、前記導電部材が配置されている請求項7又は8に記載のアンテナユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアハンドル及びアンテナユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが携帯する電子キーと通信を行うことによって、車両が備えるドアロック装置の制御を自動的に行うキーレスエントリシステムが知られている。この種のキーレスエントリシステムは、例えば、ドアハンドルにユーザの手が近接することを契機として電子キーと通信を行うためのアンテナユニットを備えている。この種のアンテナユニットは、ドアハンドルにユーザの手が近接する際の静電容量の変化を検出するための静電容量検出電極を含む静電容量センサを備えている。
【0003】
特許文献1には、センサ本体とセンサ本体に設けられた静電容量検出電極(同文献の検出電極)とを備える静電容量センサにおいて、接続用導電体と、接続用導電体と導通している導電面と、を備える静電容量センサが記載されている。この静電容量センサは、フラップ型のハンドルに設けられている。接続用導体は、静電容量検出電極と導通していると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−242882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、ドアハンドルのデザインが多様化する傾向がある。このため、ドアハンドルの形状によっては、静電容量検出電極とユーザの手とが十分に近接しうる範囲が極めて限定的になることが想定される。一方、そのような条件下でもユーザの手を確実に検出できるように、静電容量センサの感度を高く設定してしまうと、埃や雨粒などの異物が静電容量検出電極に近接する度に、頻繁にキーレスエントリシステムの誤動作が発生してしまう可能性がある。
【0006】
また、キーレスエントリシステムにおいては、ユーザの手がドアハンドルに近接してからドアロックが解除されるまでの応答時間を極力短くすることが求められている。
【0007】
これらの理由から、静電容量センサの感度は低く設定しつつも、ユーザの手がドアハンドルに近接したことを検出するまでの反応時間を短縮できるような工夫が求められる。
【0008】
本発明者の検討によれば、特許文献1の技術は、上記の要求を必ずしも十分に満たすものではない。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、静電容量センサの感度は低く設定しつつも、ユーザの手がドアハンドルに近接したことを検出するまでの反応時間を短縮することが可能な構造のドアハンドル及びアンテナユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、車両のドアに対して揺動可能に取り付けられるハウジングと、前記ハウジングに収容されているアンテナ部と、前記ハウジングに収容されている静電容量検出電極を含む静電容量センサと、前記静電容量検出電極に対して常時絶縁された状態で、前記静電容量検出電極と前記ハウジングの内面との間に配置されている導電部材と、を備えているドアハンドルが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、アンテナと、静電容量検出電極を含む静電容量センサと、前記アンテナ及び前記静電容量検出電極を被覆している絶縁性の被覆部材と、前記被覆部材の外面に固定された導電部材と、を備えているアンテナユニットが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、静電容量センサの感度は低く設定しつつも、ユーザの手がドアハンドルに近接したことを検出するまでの反応時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係るドアハンドルを示す模式図である。
図2】第1の実施形態に係るアンテナユニットの模式図である。
図3】第1の実施形態に係るアンテナユニットを含むキーレスエントリシステムの模式図である。
図4】第1の実施形態に係るドアハンドルの説明図である。
図5】第2の実施形態に係るドアハンドルを示す模式図である。
図6】第2の実施形態に係るアンテナユニットの模式図である。
図7図7(a)及び図7(b)は第3の実施形態に係るアンテナユニットの模式図であり、このうち図7(a)は側面図、図7(b)は平面図である。
図8図8(a)は第4の実施形態に係るアンテナユニットの模式図であり、図8(b)は第5の実施形態に係るアンテナユニットの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係るドアハンドル200を示す模式図である。
図2は第1の実施形態に係るアンテナユニット100を示す模式的な平断面図である。
本実施形態に係るドアハンドル200は、ユーザが携帯する電子キー(不図示)と通信を行うことによってドア80の施錠(ロック)及び開錠(アンロック)の制御を自動的に行うキーレスエントリシステムを採用する車両のドア80に組み込んで用いられるものである。
また、本実施形態に係るアンテナユニット100は、キーレスエントリシステムを採用する車両のドアハンドル200に組み込んで用いられるものである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るドアハンドル200は、車両のドア80に対して揺動可能に取り付けられるハウジング210と、ハウジング210に収容されているアンテナ部と、ハウジング210に収容されている静電容量検出電極41(図2)を含む静電容量センサと、静電容量検出電極41に対して常時絶縁された状態で静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間に配置されている導電部材50と、を備えている。
アンテナ部は、後述するアンテナユニット100から、静電容量センサと、導電部材50と、を除いた構成である。
また、静電容量センサは、静電容量検出電極41と後述する制御回路40(図3)とにより構成されている。静電容量センサの構成のうち、少なくとも静電容量検出電極41はハウジング210に収容されている。なお、本実施形態の場合、制御回路40もハウジング210に収容されており、従って、静電容量センサの全体がハウジング210に収容されている。
以下、詳細に説明する。
【0017】
図1においては、車両のドア80の外面パネル81を部分的に示しているとともに、当該外面パネル81にドアハンドル200が取り付けられている状態を示している。図1においては、外面パネル81とドアハンドル200については模式的な平断面構造を示している。ドアハンドル200の一端側に隣接する位置には、カバー部82が外面パネル81に取り付けられている。このカバー部82については、平面形状を示している。
図1において、外面パネル81よりも上側の領域は、車両の外部側の領域であり、外面パネル81よりも下側の領域は、車両の内部側の領域である。図1において、左方が車両の前側であり、右方が車両の後側である。
【0018】
本実施形態の場合、ドアハンドル200は、ハウジング210の長手方向における一端部がドア80に対して軸支されるレバー式である。ドアハンドル200の揺動軸は、概ね上下方向に延在している。ドアハンドル200は、概ね、車両の前後方向に沿って延在している。
近年、ドアハンドル200は、当該ドアハンドル200の長手方向における中央部が、車両の外部側に向けて弧状に膨出した湾曲形状に形成することが試みられており、本実施形態に係るドアハンドル200も、そのような湾曲形状となっている。すなわち、ドアハンドル200のハウジング210は、ドアハンドル200がドア80に取り付けられた状態で、ハウジング210の長手方向における中央部が車両の外部側に向けて弧状に膨出する湾曲形状に形成されている。したがって、ハウジング210は、平面視において、弧状に(アーチ状に)湾曲している。
なお、外面パネル81において、ドアハンドル200と対向している部分は、例えば、車両の内側に向けて凹曲面状に窪んでおり、ドアハンドル200と外面パネル81との間に手を差し入れやすくなっている。
【0019】
後述するドアロック装置60(図3)がドア80を開錠した状態においては、ユーザが手でドアハンドル200を把持し、該ドアハンドル200を車両の外部側(図1において上側)に引っ張ることにより、ドアハンドル200がドア80に対して揺動するとともに、ドア80を開くことができるようになっている。
【0020】
ハウジング210は、その一端部(例えば前端部)がドア80の内部において軸部83により軸支され、ドア80に対して揺動可能となっている。
ハウジング210は、例えば、当該ハウジング210において、ドア80に近い側に配置される内側部材211と、内側部材211よりもドア80から遠い側に配置される外側部材212と、外側部材212の外面側に装着される外側カバー213と、を備えて構成されている。
内側部材211及び外側部材212が相互に組み付けられ、且つ、外側部材212の外面側に外側カバー213が装着されることによって、ハウジング210が構成されている。
【0021】
ハウジング210の内部には、アンテナユニット100を収容する収容空間210aが形成されている。
なお、収容空間210aの形状も、ハウジング210の長手方向における中央部において車両の外部側に向けて弧状に膨出した湾曲形状に形成されている。
より詳細には、内側部材211の内面は、ハウジング210の長手方向における中央部において車両の外部側に向けて弧状に膨出した湾曲形状に形成されている。また、外側部材212の内面は、ハウジング210の長手方向における中央部において車両の外部側に向けて弧状に窪んだ湾曲形状に形成されている。
【0022】
図1に示すように、ストレート形状のアンテナユニット100が、収容空間210aに配置され、且つ、当該アンテナユニット100の長手方向がハウジング210の長手方向に沿って配置されている。内側部材211の内面とアンテナユニット100との間隙は、アンテナユニット100の長手方向における中央部においては狭くなっており、アンテナユニット100の長手方向における中央部から遠ざかるにつれて徐々に広くなっている。
【0023】
ハウジング210の内面には、複数のリブ216が形成されている。これにより、ハウジング210の十分な強度が確保されている。
これらリブ216には、アンテナユニット100を支持する複数のリブ216が含まれている。収容空間210a内に配置されたアンテナユニット100は、複数のリブ216に支持されることによって、当該収容空間210a内における移動が規制されている。
【0024】
ハウジング210の材料は、特に限定されないが、ハウジング210は、例えば、絶縁性の樹脂により構成されている。
【0025】
内側部材211の両端部には、車両の内側(つまりドア80の内部側)に向けて屈曲した形状に形成された屈曲部214、215がそれぞれ形成されている。各屈曲部214、215は、それぞれドア80の内部に挿入されている。
前側の屈曲部214の先端部には、被軸支部214aが形成されている。被軸支部214aは、ドア80の内部において軸部83によって軸支されている。
後側の屈曲部215の先端部には、係合部215aが形成されている。ドア80の外面パネル81において、係合部215aと対応する部分には、ドアハンドル200が引っ張られて揺動した際に係合部215aが係合するストッパ部81aが形成されている。ドアハンドル200を引っ張ってドア80を開く際には、係合部215aがストッパ部81aに係合することによって、ドア80に対するドアハンドル200の揺動が規制されるようになっている。
前側の屈曲部214には、外面パネル81の内側の空間と外側の空間とを相互に連通させる配線通路214bが形成されている。アンテナユニット100に接続された配線42が、配線通路214bを通して、外面パネル81よりも外側(図1において上側)の空間から内側(図1において下側)の空間に亘って引き回されている。
【0026】
導電部材50は、例えば、柔軟な材料により構成されている。そして、導電部材50は、静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間において、圧縮状態で配置されている。ここで、本明細書において、導電部材50が柔軟であるとは、中実構造のエラストマーと同等以上に、荷重に対する変形量が大きいことを意味する。これにより、導電部材50は、ハウジング210の内面の形状に沿って容易に変形可能であるとともに、後述する被覆部材110の外面の形状に沿って容易に変形可能となる。ただし、導電部材50は、導電性スポンジなどのように、中実構造のエラストマーよりも荷重に対する変形量が大きい材料により構成されていることが好ましい。
【0027】
導電部材50は、導電性スポンジであることが好ましい。この導電性スポンジは、炭素系導電材料を含んで構成されたものであることが、耐水性の面で好ましい。導電部材50としては、導電性スポンジ以外に、導電性シリコーンゴムなどのように弾性変形容易な材料を用いることも可能である。
【0028】
上述のように、ハウジング210の内面には複数のリブ216が形成されている。そして、導電部材50の少なくとも一部分が、複数のリブ216どうしの対向間隔に入り込んでいることが好ましい。
【0029】
図2に示すように、本実施形態に係るアンテナユニット100は、アンテナ10と、静電容量検出電極41を含む静電容量センサと、アンテナ10及び静電容量検出電極41を被覆している絶縁性の被覆部材110と、被覆部材110の外面に固定された導電部材50と、を備えている。
したがって、導電部材50は、静電容量検出電極41に対して常時絶縁された状態となっている。また、アンテナユニット100がドアハンドル200のハウジング210内に収容された状態(アンテナユニット100が収容空間210a内に配置された状態)では、導電部材50が静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間に配置されることとなる。
【0030】
導電部材50を被覆部材110の外面に固定する方法は特に限定されない。例えば、両面接着テープ、又は、接着剤を用いて、導電部材50を被覆部材110の外面に固定することができる。被覆部材110は、モールド樹脂で形成されても良いし、成型樹脂からなる密封のケース状のものでも良い。
【0031】
アンテナユニット100は、一方向に長尺に形成されている。アンテナユニット100の長手方向は、図2における左右方向となっている。そして、アンテナユニット100の長手方向が、ハウジング210の長手方向に沿って配置されている。
本実施形態の場合、2つの導電部材50が、アンテナユニット100の長手方向において相互に離間して配置されている。すなわち、アンテナユニット100の長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、導電部材50が配置されている。
また、アンテナ部(アンテナユニット100から、静電容量センサと、導電部材50と、を除いた部分)の長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、導電部材50が配置されている。
【0032】
なお、個々の導電部材50は、全体が一体形成されていても良いし、複数の微小な導電部材を互いに隣接して配置することにより構成されていてもよい。
【0033】
アンテナ10は、コア(不図示)と、コアの周囲に巻回されたコイル12と、を備えて構成されている。コアの材料としては、例えば、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、金属系磁性体、またはアモルファス磁性体が用いられる。コアは、例えば、一方向に長尺に形成されており、コイルは、コアの長手軸周りに巻回されている。
アンテナユニット100が備えるアンテナ10の数は特に限定されない。図2にはアンテナユニット100が2つのアンテナ10を備える例を示しているが、アンテナユニット100が備えるアンテナ10の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0034】
アンテナユニット100は、基板20を備えている。基板20上には各種の電気部品が搭載されている。基板20上に搭載された電気部品には、アンテナ10及び静電容量検出電極41が含まれている。基板20は、基板20上に搭載されている各種の電気部品(アンテナ10及び静電容量検出電極41を含む)とともに、被覆部材110により被覆(封止)されている。
ここで、基板20の一方の面側(図2において下面側)に静電容量検出電極41及び導電部材50が配置されている。より詳細には、静電容量検出電極41は、基板20の一方の面(図2において下側の面)上に形成されている。また、導電部材50は、被覆部材110の外面のうち、図2において下側の面上に固定されている。
このように、アンテナユニット100は、アンテナ10及び静電容量検出電極41が搭載されているとともに被覆部材110により被覆されている基板20を備え、基板20の一方の面側に静電容量検出電極41及び導電部材50が配置されている。つまり、基板20を基準として、同一側に、静電容量検出電極41及び導電部材50が配置されている。
なお、アンテナ10は、基板20の他方の面(図2において上側の面)上に搭載されている。また、アンテナ10はケース状の被覆部材110の底面に取り付けられても良い。
【0035】
静電容量検出電極41は、平坦なシート状又は平板状に形成されている。静電容量検出電極41は、例えば、導電性金属板のプレス成形品により構成されている。静電容量検出電極41の材料は、特に限定されず、例えば、ベリリウム銅やリン青銅(Cu−Sn−P合金)などの銅合金が好適である。
基板20に対する静電容量検出電極41の固定方法は特に限定されず、例えば、接着、嵌合、圧入、係止等の任意の方法を採用することができる。
【0036】
被覆部材110の一方の面は、基板20の一方の面の近傍に配置されている。したがって、被覆部材110の一方の面に設けられた導電部材50は、基板20の一方の面に設けられた静電容量検出電極41の近傍に配置されている。
【0037】
ここで、静電容量検出電極41に対する面直方向(図2における上下方向)に視たときに、導電部材50は、静電容量検出電極41と重なるオーバーラップ部51と、静電容量検出電極41と重ならないエクステンション部52と、を含んでいる。
【0038】
図3は本実施形態に係るアンテナユニット100を含むキーレスエントリシステム1000の模式図であり、キーレスエントリシステム1000の回路構成とブロック構成とを混在させて示している。
【0039】
図3に示すように、キーレスエントリシステム1000は、キーレスエントリシステム1000の動作制御を行う制御回路40と、ドア80の状態をロック状態又はアンロック状態に切り替えるドアロック装置60と、キーレスエントリシステム1000の各部に電力を供給可能な電源70と、を備えている。電源70は、例えば、車両のバッテリーである。
【0040】
制御回路40は、静電容量検出電極41における静電容量の変化を検出する検出回路を含んでいる。この検出回路には、静電容量検出電極41が電気的に接続されている。
すなわち、アンテナユニット100は、静電容量検出電極41と検出回路とにより構成された静電容量センサを備えている。
また、制御回路40は、ユーザが携帯する電子キーの認証処理を行う認証回路を含んでいる。
また、各アンテナ10は、制御回路40に対して電気的に接続されており、各アンテナ10の動作は制御回路40によって制御されるようになっている。
制御回路40は、例えば、基板20上に搭載された1つ又は複数の電気部品により構成されている。
【0041】
複数のアンテナ10のそれぞれに対して個別のコンデンサ31が接続されていて、アンテナ10がそれぞれLC共振回路を構成している。例えば、各アンテナ10に対してコンデンサ31が直列に接続されている。
【0042】
制御回路40は、静電容量検出電極41における静電容量の変化を検出することにより、ドアハンドル200における静電容量検出電極41の近傍の部分にユーザの手が接触又は近接したことを認識し、ユーザが携帯する電子キー(不図示)の認証のためのリクエスト信号を複数のアンテナ10から送信させるように構成されている。
更に、制御回路40は、図示しない受信アンテナを備えており、アンテナ10からリクエスト信号の送信が開始されてから所定期間の間、電子キーから送信されるID信号が受信アンテナによって受信されたか否かを監視する。
制御回路40が予め記憶しているIDコードと対応するID信号が受信アンテナによって受信された場合、制御回路40は、ドアロック装置60を制御して、ドア80の錠を開錠する(アンロック状態にする)。
その一方で、制御回路40が予め記憶しているIDコードと対応するID信号が受信アンテナによって受信されない場合、制御回路40は、ドア80の錠をロック状態に維持させる。
【0043】
従って、電子キーを携帯したユーザがドア80を開けるためにドアハンドル200における静電容量検出電極41の近傍の部分に触ると、それを静電容量センサが検出し、アンテナユニット100から電子キーに向けてリクエスト信号が送信される。すると、リクエスト信号を受信した電子キーは、制御回路40に対して自己のID信号を送信し、そのID信号を受信した制御回路40は、受信したID信号に含まれるIDコードが予め記憶されているIDコードと一致するか否かを判定する。IDコードが一致する場合(認証がなされた場合)には、制御回路40がドアロック装置60のアクチュエータを駆動してドア80の錠をアンロック状態とし、ドア80を開放可能にする。
一方、IDコードが一致しなかった場合(認証がなされなかった場合)には、制御回路40はドア80の錠をロック状態に維持させる。
【0044】
図4は第1の実施形態に係るドアハンドル200の説明図である。すなわち、図4は、図1に示すドアハンドル200において、導電部材50とユーザの手との間に形成されるコンデンサC1と、静電容量検出電極41と導電部材50との間に形成されるコンデンサC2と、を含む等価回路を示す図である。
コンデンサC1の容量をA、コンデンサC2の容量をBとすると、コンデンサC1及びコンデンサC2の合成容量は、(A×B)/(A+B)となる。ここで、導電部材50が静電容量検出電極41に近接しているため、Bを大きくすることができる。これにより、ユーザの手がドアハンドル200に接近することによりAが変化したときの合成容量の変化量が大きくなる。よって、静電容量センサの感度を低く設定しても、静電容量センサの反応を速くすることができる。
すなわち、静電容量センサの感度は低く設定しつつも、ユーザの手がドアハンドル200に近接したことを検出するまでの反応時間を短縮することが可能となる。
【0045】
一方、特許文献1の技術では、接続用導体と静電容量検出電極とが導通していると考えられるため、容量は、導電面と手との間に形成される1個のコンデンサの容量となる。このため、本実施形態と比べて、静電容量センサの反応速度が遅くなると考えられる。
【0046】
以上のような第1の実施形態によれば、ドアハンドル200は、静電容量検出電極41に対して常時絶縁された状態で、静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間に配置されている導電部材50を備えている。
これにより、静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間隙を導電部材50によって埋めることができるため、静電容量センサによる良好な検出が可能な範囲を十分に拡大することができる。
しかも、図4を用いて説明したように、静電容量検出電極41に対する手の接近による静電容量の変化量を大きくすることができるため、静電容量の変化の検出速度を向上することが可能となる。これにより、静電容量センサの感度が低くても、ユーザの手がドアハンドル200に近接したことをより確実に検出することができるとともに、反応時間を短縮することが可能となる。
【0047】
また、柔軟な材料により構成された導電部材50が、静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間において圧縮状態で配置されていることにより、導電部材50がハウジング210の内面に沿って変形し該内面に対して良好に密着する。よって、導電部材50とハウジング210の内面との間隙を十分に小さくすることができる。
上述のように、近年、ドアハンドル200のデザインが多様化する傾向があるが、本実施形態によれば、静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間隙を、容易に変形可能程度に柔軟な導電部材50によって埋めることができる。よって、共通の形状のアンテナユニット100を多様なデザインのドアハンドル200内に配置した場合のそれぞれにおいて、静電容量センサによる良好な検出が可能となる。したがって、アンテナユニット100を多様なデザインのドアハンドル200に対して共用することができる。
また、導電部材50が緩衝材としての機能を兼ねるようにできるため、例えばドアハンドル200の取り付けの際に誤ってドアハンドル200を落下させた際に、ドアハンドル200が備えるアンテナ10等の機器を保護することができる。また、ドアハンドル200に応力が作用した場合に、ドアハンドル200が備えるアンテナ10等の機器に作用する応力を緩和することもできる。
【0048】
また、導電部材50の少なくとも一部分が、ハウジング210の内面に形成されている複数のリブ216どうしの対向間隔に入り込んでいるので、導電部材50とハウジング210の内面との間隙をより十分に小さくすることができる。
【0049】
また、ハウジング210は、当該ハウジング210の長手方向における中央部が車両の外部側に向けて弧状に膨出する湾曲形状に形成されており、アンテナ部の長手方向がハウジング210の長手方向に沿って配置されており、アンテナ部の長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、導電部材50が配置されている。すなわち、アンテナユニット100の長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、導電部材50が配置されている。よって、ハウジング210の内面とアンテナ部との間隙が大きくなりがちな部分(ハウジング210の内面とアンテナユニット100との間隙が大きくなりがちな部分)に導電部材50を配置することができる。
これにより、静電容量センサによる良好な検出が可能な範囲をより好適に拡大することができる。
【0050】
また、静電容量検出電極41に対する面直方向に視たときに、導電部材50は、静電容量検出電極41と重なるオーバーラップ部51と、静電容量検出電極41と重ならないエクステンション部52と、を含んでいる。よって、単にオーバーラップ部51によって静電容量検出電極41とハウジング210の内面との間隙を埋めることができるだけでなく、エクステンション部52の存在によって、静電容量センサによる良好な検出が可能な範囲を更に拡大することが可能となる。
【0051】
〔第2の実施形態〕
図5は第2の実施形態に係るドアハンドル200を示す模式図である。図6は第2の実施形態に係るアンテナユニット100の模式図である。
本実施形態に係るドアハンドル200及びアンテナユニット100は、第2導電部材55及び第2静電容量検出電極45を備えている点で、上記の第1の実施形態に係るドアハンドル200及びアンテナユニット100と相違しており、その他の点では、上記の第1の実施形態に係るドアハンドル200及びアンテナユニット100と同様に構成されている。
【0052】
図6に示すように、本実施形態の場合も、基板20の一方の面側に静電容量検出電極41及び導電部材50が配置されている。
本実施形態の場合、基板20の他方の面側に第2静電容量検出電極45が設けられている。なお、第2静電容量検出電極45は、基板20を貫通して設けられていてもよい。ただし、第2静電容量検出電極45は、基板20の一方の面側への突出量よりも、他方の面側への突出量が大きくなっている。
【0053】
そして、被覆部材110の外面において、第2静電容量検出電極45と対応する部位に、第2導電部材55が固定されている。第2導電部材55は、導電部材50と同様のものである。すなわち、第2導電部材55は、例えば、導電性スポンジである。
【0054】
より詳細には、例えば、被覆部材110において、第2静電容量検出電極45を覆う部分は、基板20の他方の面側に向けて突出した突起部111となっており、突起部111に第2導電部材55が設けられている。
【0055】
なお、アンテナユニット100において、被軸支部214aから遠い側の部分(係合部215aに近い側の部分)に、第2静電容量検出電極45及び第2導電部材55が配置されている。
【0056】
本実施形態の場合、アンテナユニット100は、第2静電容量検出電極45と制御回路40とにより構成された第2静電容量センサを備えている。
すなわち、制御回路40は、第2静電容量検出電極45における静電容量の変化を検出する第2検出回路を含んでいる。この第2検出回路には、第2静電容量検出電極45が電気的に接続されている。
【0057】
制御回路40は、第2静電容量検出電極45における静電容量の変化を検出することにより、ドアハンドル200における第2静電容量検出電極45の近傍の部分にユーザの手が接触又は近接したことを認識し、ユーザが携帯する電子キー(不図示)の認証のためのリクエスト信号を複数のアンテナ10から送信させるように構成されている。
更に、制御回路40は、図示しない受信アンテナを備えており、アンテナ10からリクエスト信号の送信が開始されてから所定期間の間、電子キーから送信されるID信号が受信アンテナによって受信されたか否かを監視する。
この場合、制御回路40が予め記憶しているIDコードと対応するID信号が受信アンテナによって受信された場合、制御回路40は、ドアロック装置60を制御して、ドア80を錠の状態を反転させる。すなわち、開錠状態であった場合には施錠し、施錠状態であった場合には開錠する。
その一方で、制御回路40が予め記憶しているIDコードと対応するID信号が受信アンテナによって受信されない場合、制御回路40は、ドア80の錠の状態を維持させる。
【0058】
従って、電子キーを携帯したユーザがドア80を閉めるためにドアハンドル200における第2静電容量検出電極45の近傍の部分に触ると、それを第2静電容量センサが検出し、アンテナユニット100から電子キーに向けてリクエスト信号が送信される。すると、リクエスト信号を受信した電子キーは、制御回路40に対して自己のID信号を送信し、そのID信号を受信した制御回路40は、受信したID信号に含まれるIDコードが予め記憶されているIDコードと一致するか否かを判定する。IDコードが一致する場合(認証がなされた場合)には、制御回路40がドアロック装置60のアクチュエータを駆動してドア80の錠の状態を反転させる。
一方、IDコードが一致しなかった場合(認証がなされなかった場合)には、制御回路40はドア80の錠の状態を維持させる。
【0059】
本実施形態の場合、第2静電容量検出電極45とハウジング210の内面との間に第2導電部材55が圧縮状態で配置されている。よって、第2静電容量検出電極45とハウジング210の内面との間隙を第2導電部材55により埋めることができるため、第2静電容量センサによる良好な検出が可能となる。
しかも、第2静電容量検出電極45に対する手の接近による静電容量の変化量を大きくすることができるため、静電容量の変化の検出速度を向上することが可能となる。これにより、第2静電容量センサの感度が低くても、ユーザの手がドアハンドル200に近接したことをより確実に検出することができるとともに、反応時間を短縮することが可能となる。
【0060】
〔第3の実施形態〕
図7(a)及び図7(b)は第3の実施形態に係るアンテナユニット100の模式図であり、このうち図7(a)は側面図、図7(b)は平面図である。
本実施形態に係るアンテナユニット100は、以下に説明する点で、上記の第2の実施形態に係るアンテナユニット100と相違しており、その他の点では、第2の実施形態に係るアンテナユニット100と同様に構成されている。
【0061】
本実施形態の場合、複数の第2導電部材55が突起部111の周囲(つまり第2静電容量検出電極45(図6参照)の周囲)であって、アンテナユニット100の軸周りにおける複数箇所に、それぞれ第2導電部材55が配置されている。更に詳細には、突起部111の前側、上側及び下側の3箇所に、それぞれ第2導電部材55が設けられている。
これにより、アンテナユニット100の軸周りにおける複数箇所において、第2静電容量検出電極45とハウジング210の内面との間隙を第2導電部材55により埋めることができる。このため、第2静電容量センサによる更に良好な検出が可能となる。
【0062】
〔第4の実施形態〕
図8(a)は第4の実施形態に係るアンテナユニット100の模式図である。本実施形態の場合、導電部材50は、厚みが一定の(均一な)平坦部57と、部位により厚みが変化している傾斜部58と、を含んで構成されている。
より詳細には、導電部材50は、2つの傾斜部58と、これら傾斜部58の間に配置された平坦部57と、を含んでおり、アンテナユニット100の長手方向において、一方の傾斜部58と、平坦部57と、他方の傾斜部58と、がこの順に並んで配置されている。
また、各傾斜部58は、平坦部57から遠ざかるにつれて徐々に厚みが増大する形状に形成されている。また、傾斜部58において最も厚みが小さい部分の厚みは、平坦部57の厚みと同等に設定されている。
換言すれば、アンテナユニット100の長手方向(アンテナ部の長手方向)において、導電部材50の両端部における厚みが、導電部材50の中央部の厚みよりも大きくなっている。
【0063】
ハウジング210の長手方向における中央部が車両の外部側に向けて弧状に膨出する湾曲形状に形成されており、アンテナ部の長手方向(アンテナユニット100の長手方向)がハウジング210の長手方向に沿って配置されている場合、本実施形態の構造により、ハウジング210の内面とアンテナユニット100との間隙が大きくなりがちな部分(ハウジング210の内面とアンテナ部との間隙が大きくなりがちな部分)を導電部材50によって好適に埋めることが可能となる。
【0064】
〔第5の実施形態〕
図8(b)は第5の実施形態に係るアンテナユニット100の模式図である。本実施形態に係るアンテナユニット100は、各導電部材50の厚みが階段状に変化している点で、上記の第1の実施形態と相違しており、その他の点では、第1の実施形態に係るアンテナユニット100と同様に構成されている。
より詳細には、各導電部材50は、アンテナユニット100の長手方向における中央部から遠ざかるにつれて、厚みが階段状に大きくなっている。
【0065】
本実施形態においても、ハウジング210の長手方向における中央部が車両の外部側に向けて弧状に膨出する湾曲形状に形成されており、アンテナ部の長手方向(アンテナユニット100の長手方向)がハウジング210の長手方向に沿って配置されている場合において、ハウジング210の内面とアンテナユニット100との間隙が大きくなりがちな部分(ハウジング210の内面とアンテナ部との間隙が大きくなりがちな部分)を導電部材50によって好適に埋めることが可能となる。
【0066】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、導電部材50はアンテナユニット100の長手方向に沿って真っ直ぐに延在するストレート形状(第1の実施形態(図2参照))に限らず、導電部材50の厚み方向にジグザグの形状になっていても良い。すなわち、導電部材50は、例えば、図2の左右方向において、上方(被覆部材110側)及び下方(被覆部材110から遠ざかる側)に交互に変位する形状になっていてもよい。
また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜に組み合わせることができる。
【0067】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)車両のドアに対して揺動可能に取り付けられるハウジングと、前記ハウジングに収容されているアンテナ部と、前記ハウジングに収容されている静電容量検出電極を含む静電容量センサと、前記静電容量検出電極に対して常時絶縁された状態で、前記静電容量検出電極と前記ハウジングの内面との間に配置されている導電部材と、を備えているドアハンドル。
(2)前記導電部材は柔軟な材料により構成され、前記静電容量検出電極と前記ハウジングの内面との間において圧縮状態で配置されている(1)に記載のドアハンドル。
(3)前記ハウジングの内面には複数のリブが形成されており、前記導電部材の少なくとも一部分が、前記複数のリブどうしの対向間隔に入り込んでいる(2)に記載のドアハンドル。
(4)前記導電部材は導電性スポンジである(2)又は(3)に記載のドアハンドル。
(5)当該ドアハンドルは、前記ハウジングの長手方向における一端部が前記ドアに対して軸支されるレバー式であり、前記ハウジングは、当該ドアハンドルが前記ドアに取り付けられた状態で、当該ハウジングの長手方向における中央部が前記車両の外部側に向けて弧状に膨出する湾曲形状に形成されており、前記アンテナ部の長手方向が前記ハウジングの長手方向に沿って配置されており、前記アンテナ部の長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、前記導電部材が配置されている(1)から(4)のいずれか一項に記載のドアハンドル。
(6)前記静電容量検出電極に対する面直方向に視たときに、前記導電部材は、前記静電容量検出電極と重なるオーバーラップ部と、前記静電容量検出電極と重ならないエクステンション部と、を含む(1)から(5)のいずれか一項に記載のドアハンドル。
(7)アンテナと、静電容量検出電極を含む静電容量センサと、前記アンテナ及び前記静電容量検出電極を被覆している絶縁性の被覆部材と、前記被覆部材の外面に固定された導電部材と、を備えているアンテナユニット。
(8)前記アンテナ及び前記静電容量検出電極が搭載されているとともに、前記被覆部材により被覆されている基板を備え、前記基板の一方の面側に前記静電容量検出電極及び前記導電部材が配置されている(7)に記載のアンテナユニット。
(9)当該アンテナユニットの長手方向において互いに離間した複数箇所と対応する位置の各々に、前記導電部材が配置されている(7)又は(8)に記載のアンテナユニット、
【符号の説明】
【0068】
10 アンテナ
20 基板
31 コンデンサ
40 制御回路
41 静電容量検出電極
42 配線
45 第2静電容量検出電極
50 導電部材
51 オーバーラップ部
52 エクステンション部
55 第2導電部材
57 平坦部
58 傾斜部
60 ドアロック装置
70 電源
80 ドア
81 外面パネル
81a ストッパ部
82 カバー部
83 軸部
100 アンテナユニット
110 被覆部材
111 突起部
200 ドアハンドル
210 ハウジング
210a 収容空間
211 内側部材
212 外側部材
213 外側カバー
214 屈曲部
214a 被軸支部
214b 配線通路
215 屈曲部
215a 係合部
1000 キーレスエントリシステム
C1、C2 コンデンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8