(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-214934(P2017-214934A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】燃料として水性混合物を使用する内燃機関及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
F02D 19/12 20060101AFI20171110BHJP
F02D 19/02 20060101ALI20171110BHJP
F02D 19/08 20060101ALI20171110BHJP
F02D 21/02 20060101ALI20171110BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20171110BHJP
F02B 47/04 20060101ALI20171110BHJP
F02M 25/00 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
F02D19/12 A
F02D19/02 B
F02D19/08 D
F02D19/08 B
F02D21/02
F02M37/00 341C
F02M37/00 341H
F02M37/00 341D
F02B47/04
F02M25/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-155663(P2017-155663)
(22)【出願日】2017年8月10日
(62)【分割の表示】特願2015-501878(P2015-501878)の分割
【原出願日】2013年3月20日
(31)【優先権主張番号】61/613,550
(32)【優先日】2012年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/847,555
(32)【優先日】2013年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】514238582
【氏名又は名称】メイマーン リサーチ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スムエリ,イエフダ
(72)【発明者】
【氏名】スムエリ,エイタン
(72)【発明者】
【氏名】スムエリ,ドロン
【テーマコード(参考)】
3G092
【Fターム(参考)】
3G092AA01
3G092AA06
3G092AB05
3G092AB09
3G092AB14
3G092AB17
3G092DC01
3G092DE03S
3G092DF03
3G092FA01
3G092FA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水素と空気に水と水溶性可燃性物質からなる液体燃料を混合させ内燃機関を動作させる方法及び装置を提供する。
【解決手段】内燃機関100は、燃焼室50を有するシリンダ10と、燃焼室の容積を選択的に変化させるピストン12とを含む。最初に水素と空気が燃焼室に送り込まれ、次に実質的に水と可燃性物質からなる液体燃料が微小滴の形で燃焼室に注入される。可燃性物質は、水に溶けるアルコール、アセトン、アルデヒド又は非化石物質で、液体燃料中に約10〜40体積%含むことが好ましい。次に燃焼室内で水素と空気と液体燃料を圧縮して高温・高圧の爆発性混合物を作成し、点火することで機械出力が生成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関であって、
燃焼室と吸気口とを有するシリンダであって、入力マニホルドが、空気と水素のガス混合物を受け取るシリンダと、
前記シリンダ内で軸方向に移動して前記燃焼室の大きさを選択的に変化させるピストンと、
前記燃焼室に選択的に燃料を供給する燃料供給源であって、前記燃料が、実質的に水と可燃性物質からなる燃料供給源と、
前記燃焼室の内容物に選択的に点火して出力を生成するように構成された点火装置と、
を備える内燃機関。
【請求項2】
前記燃料が、前記可燃性物質の5〜40%を含む、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
前記燃料が、10〜35%の可燃性物質を含む、請求項1に記載のエンジン。
【請求項4】
前記可燃性物質が、水溶性である、請求項1に記載のエンジン。
【請求項5】
前記可燃性物質が、非化石物質である、請求項1に記載のエンジン。
【請求項6】
前記可燃性物質が、アルコール、アセトン及びアルデヒドのうちの1つ又はこれらの混
合物である、請求項1に記載のエンジン。
【請求項7】
前記可燃性物質が、イソプロピルアルコール、イソブタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、又はそのようなアルコールの混合物から選択されたアルコールである、請求項1に記載のエンジン。
【請求項8】
前記ガス混合物が、体積で約1/2〜10%の水素を含む、請求項1に記載のエンジン。
【請求項9】
水からブラウンガスを生成する反応器を更に備え、前記ブラウンガスが、前記吸気口に供給される、請求項1に記載のエンジン。
【請求項10】
前記ピストン、シリンダ及びヘッドが、10/1〜40/1の範囲の圧縮比を生成するように構成された、請求項1に記載のエンジン。
【請求項11】
前記ピストン、シリンダ及びヘッドが、25/1〜35/1の範囲の圧縮比を生成するように構成された、請求項1に記載のエンジン。
【請求項12】
出力を生成する方法であって、
水素と空気を含むガス混合物を燃焼室に導入するステップと、
燃料を前記燃焼室に導入するステップであって、前記燃料が、実質的に水と可燃性物質からなるステップと、
前記燃焼室の内容物を圧縮するステップと、
前記燃焼室の前記圧縮内容物に点火して高温圧縮ガスを生成して出力を生成するステップと、を含む方法。
【請求項13】
前記可燃性物質が、水溶性である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記可燃性物質が、非化石物質である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記可燃性物質が、アルコール、アセトン及びアルデヒドから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記可燃性物質が、アルコールである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記可燃性物質が、イソプロピルアルコール、イソブタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、又はそのようなアルコールの混合物から選択されたアルコールである、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記可燃性物質が、前記燃料の5〜40%を構成する、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記燃料が、前記可燃性物質の実質的に10〜35%からなる、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記燃焼室の前記内容物を10/1〜40/1の圧縮比で選択的に圧縮するピストンを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記燃料が、周囲温度で前記燃焼室に導入される、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記水素が、周囲温度で前記燃焼室に導入される、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
前記燃料が、200〜3000psiの範囲の圧力で前記燃焼室に注入される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素と空気の混合物に注入される水と水溶性可燃性物質からなる燃料を使用する内燃機関を動作させる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車や他の車両で使用されるエンジン、並びに様々な目的に使用される他の多くのエンジンを動作させる化石燃料の使用は、19世紀に開発された内燃機関に基づくきわめて古い概念に基づく。石油又は天然ガスから得られる化石燃料は、過去50年間の代替燃料の熱心な研究開発にもかかわらず、あいかわらず、現在世界中で使用されているほとんど全ての内燃機関の実質的に主供給源である。
【0003】
その結果、化石燃料の世界供給が厳しく枯渇し不足してきており、油の価格は、過去40年間上昇している。更に、そのような燃料は、きわめて汚染性が高く、地球温暖化の主な原因になっているか又はそれに実質的に寄与しているという人もいる。全てのそのような要因が、従来の化石燃料以外の再生可能エネルギー源を探し利用するための多くの努力に繋がった。石油枯渇の影響を少なくするために、この数年、ハイブリッド車、電気自動車、バイオディーゼルエンジン、水素式自動車などを含む幾つかの代替燃料が導入された。しかしながら、これらの解決策はどれも有効ではなかった。これが成功しない1つの理由は、エンジンの生産並びに燃料の生産と配給に全く新しいインフラを必要とすることである。更に、ここまで提案されたほとんどの解決策は、既存のエンジンと互換性がない。したがって、全ての既存の化石燃焼エンジンを置き換えるコストが高すぎることがあるので、代替燃料を利用する解決策は、少なくとも短期間で受容できないことがある。
【0004】
過去には多くの人々によって燃料の供給源として水が提案され、そのようなシステムを試す多くの実験が行なわれた。そのような実験の基本は、水を水素と酸素に分離でき、得られた化学量論的混合物を内燃機関に送り込んで力を生成できるということである。しかしながら、過去の実験では満足な結果が得られなかった。その成功の主な障害は、水をその成分に分離するのに必要なエネルギーが、エンジンによるエネルギー生成よりはるかに大きいことによる。更に、典型的な自動車エンジンを動作させるために必要なH
2混合物の量が多すぎるため、そのようなシステムは実用的でない。
【0005】
現在、市場では、化石燃料を使用する内燃機関の付属装置又は増設装置として使用できるシステムが入手可能であるが、単独の試験から、実際には、そのようなシステムが、エンジンの総合効率に及ぼす影響が、あっても極めて小さいことが分かった。
【0006】
本発明者によって開発されたシステムは、2つの同時係属出願に記載され、水から生成し少量の水素/酸素ガス混合物を標準内燃機関内に供給する手段を有する。(特許文献1と特許文献2を参照)
より具体的には、これらの同時係属出願は、一般にブラウンガス又はHHOと呼ばれる水素と酸素の2対1混合物を生成する効率的なプロセス及び装置について述べている。この混合物は、化石燃料をより効率的に燃焼させることによって、従来の内燃機関の効率を高めるのに役立つ。この後者のシステムは、前述のシステムよりはるかに効率的であるが、その効率は、車両上で作成される水素と酸素の量によってやはり限定される。更に、記載された内燃機関は、やはり化石燃料を燃焼させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公報2010/0122902号
【特許文献2】米国特許出願公報2011/0203977号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
要するに、内燃機関は、概略従来方式で往復運動ピストンによって画定されるような可変体積を有する燃焼室を有するシリンダを含む。最初に、水素と空気が、燃焼室に送り込まれる。次に、液体の微小滴の形の燃料が、圧縮燃焼室に注入される。次に、得られた液体/ガス混合物が、極めて高圧に圧縮され、これにより温度が上昇し、点火装置が燃焼を引き起こす。燃焼の結果、高温の加圧されたガスが生じ、これによりピストンが動き出力を生成する。有利には、燃料は、実質的に水と可燃性物質とから成る。可燃性物質は、水に溶けるアルコール、アセトン、アルデヒド又は他の可燃性で好ましくは非化石物質である。(非化石という用語は、油や天然ガスなどの化石系の再生不可能材料から実質的に得られず再生可能資源から得られる燃料を指す)。燃料は、体積によって約10〜40%の可燃性物質を含むことが好ましい。
【0009】
本明細書で述べるシステム及び方法は、ロータリーエンジンやジェットエンジンなどの任意のエンジンに適応することができ、本発明の基本原理を実現するためにエンジンを使用できる限りピストン式に限定されない。この基本原理は、(1)水素と空気を水と可燃性水溶性燃料の溶液と混合すること、(2)混合物を高圧に圧縮して燃焼室内で高温で極めて爆発性の混合物を作成すること、(3)爆発性混合物に点火して、そのようなガスを急激な膨張と流れの形成を引き起こし、それにより機械出力が生成されることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】燃料を構成するH
2、空気及び水溶液が、エンジンの燃焼室内に直接導入され、H
2と空気が共通吸込口から導入される本発明の第1の実施形態を示す。
【
図2A】本発明により構成された内燃機関の幾つかの要素の断面図と側面図である。
【
図2B】本発明により構成された内燃機関の幾つかの要素の断面図と側面図である。
【
図3】爆発前に最初に材料が混合室内で混合される第2の実施形態を示す図である。
【
図4】空気が吸込マニホルドを介して導入され、H
2が噴射によって圧縮室に直接導入される本発明の第3の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明による構成されたエンジン100を示す。エンジンは、リンク機構14を介してシャフト(図示せず)を駆動する往復運動ピストン12と共にシリンダ10を含む。例えば、実験エンジン100は、市販されている汎用の400ccディーゼルエンジンを改良することによって、発明者によって構成された。エンジン100は、更に、吸気口28とバタフライ型調整弁30とを有する従来の吸気口マニホルド26、吸気弁64、排気弁66、排気マニホルド70及び燃料インゼクタ48を含む。
【0012】
従来の4サイクルディーゼルエンジンでは、空気は、ピストン12の下降中にマニホルド26を通ってシリンダ10の燃焼室50内に吸い込まれる。次に、吸気弁64が閉じ、ピストン12が上昇し、ディーゼル燃料が、インゼクタ48によって燃焼室50に注入される。ピストン12は、空気と燃料の混合物を圧縮し、燃焼が起こる。次に、ピストン12が下降してシャフトを駆動し、再び上昇して、排気弁66が開き、残留ガスを排気マニホルド70を介して排出する。
【0013】
改良されたエンジン100は、更に、水素供給源20を含む。一実施形態では、供給源20は、電気分解プロセスを使用して水から化学量論的H
2/O
2ガス混合物(本明細書でブラウンガスと呼ばれる)を生成する反応器として実現される。そのようなプロセスの一例は、米国特許出願公報2010/0122902号及び2011/0203977号により詳細に記載されている。ブラウンガスは、管22と弁24を介して吸込マニホルド26に供給される。吸込マニホルドに導入されたブラウンガスの量は、空気(実質的に酸素も含む)の量と比べてきわめて少ないので、ブラウンガスからの酸素はごくわずかであり無視できることを理解されたい。実際に、ブラウンガス発生装置は、水素の供給源として使用される。ブラウンガス発生装置の代替として他の型の水素発生器を使用できることは明らかである。
【0014】
吸込マニホルド26は、また、吸気口28を介して周囲空気を受け取り、後で詳細に述べるように、燃焼室26に流れ込む空気の量は、弁30によって制御される。
【0015】
エンジン100は、更に、燃料42を保持する燃料タンク40を含む。燃料42は、管44を介して、ポンプ46によって燃料インゼクタ48に提供される。
【0016】
燃料タンク内の燃料は、実質的に、水と、水に溶ける可燃性物質とからなる。より具体的には、可燃性物質は、水に体積で30%溶けなければならないと考えられる。可燃性物質は、アルコール、アセトン、アルデヒドや他の類似物、好ましくは非化石物質又はこれらの混合物を含みうる。好ましい実施形態では、可燃性物質は、イソプロピルアルコール、イソブタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、又はそのようなアルコールの混合物から選択されたアルコールである。
【0017】
あるいは、可燃性物質は、それについてホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、トルアルデヒド,フルフラール、レチナールデヒド、グリオキサール、マロンジアルデヒド、サクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド又はこれらの混合物のうちの1つである。
【0018】
可燃性物質の濃度は、5〜40%、好ましくは10〜35%の範囲でよい。発明者は、特に、約70%の水と30%イソプロピルアルコールの混合物が、好ましいコストと性能特性の関係を提供するという点で、特に有利であることが分かった。
【0019】
燃料タンク40からの燃料42は、200〜3,000psiの範囲の圧力で、ポンプ43によって燃料インゼクタ48に提供される。一実施形態では、燃料は、約2000psiの圧力で注入される。過去には、水が電気分解によってH
2とO
2の混合物に分離されて、次にエンジン吸気システムに供給されたシステムが提案された。そのような既知のエンジンに使用される主な燃料は、化石燃料であった。このエンジン100では、燃料42は、好ましくは化石成分を含まない可燃性物質の水溶性混合物である。
【0020】
エンジン100は、また、図示されたように燃焼室50内に突出する点火装置62(標準のスパークプラグなど)に電流を提供する高エネルギー点火システム60を含む。システム60とスパークプラグ62は、燃料としてガソリンを使用する内燃機関に使用される従来の構成要素である。
【0021】
タイミングコントローラ54(典型的には、図示しないマイクロプロセッサを含む)は、入力タイミング信号と、エンジン100の負荷を示す負荷信号とを受け取る。入力タイミング信号は、典型的には、クランク軸(図示せず)の位置から得られる。負荷信号は、エンジン100の負荷を示し、従来技術を使用して得られる。これに応じて、タイミングコントローラは、点火装置62、燃料インゼクタ48、弁24、及び空気吸気弁30の動作を制御する出力タイミング信号を生成し、弁64及び66の開閉は、従来のカムシャフト(図示せず)によって制御される。
【0022】
重要なことは、エンジン100が、きわめて高い圧縮比で動作することである。典型的には、従来の内燃機関は、自動車レースで使用されるエンジンなどの幾つかのきわめて特殊なエンジンを除き、約15/1〜18/1の圧縮比で動作する。本発明は、10/1〜40/1の範囲、及び好ましくは25/1〜35/1の範囲で動作するように構成されうる。最適圧縮比は、約30/1である。この高い圧縮比は、ピストンの上部のヘッドを燃焼室の体積を減少させるように成形することによって達成されうる。例えば、
図2Aと
図2Bに示されたように、ピストン12の上面に窪み70が形成されうる。この窪みは、必要な圧縮比を提供しかつ燃料プルーム52の乱流を生成するように選択された所定のサイズ及び形状を有する。この目的のため、窪み70は、ピストン12がシリンダの上部の方に上昇し、燃料52のプルームが、燃料インゼクタ48によって放出されたときに、プルーム52が、窪みの表面の形状を使用して渦巻くように配置される。
【0023】
本発明の一実施形態では、単一のプルーム52が、吸込サイクルごとに燃料インゼクタ48によって放出される。代替実施形態では、使用される燃料の種類、エンジンの負荷、周囲温度などの幾つかの変数に応じて、1〜5つのプルームが放出される。2つ以上のプルームが放出された場合、最初のプルームは、燃焼点よりかなり早く放出されて、燃焼室50内の蒸気混合物の密度を高め、他のプルームは、燃焼の直前と燃焼中にも放出される。
【0024】
エンジン100は、標準4サイクル内燃機関と同じように動作するが、幾つかの重要な違いがある。吸込サイクル中に、ピストン12が下降するとき、弁30、24及び64が開いて、空気とブラウンガスが燃焼室50に入り混ざることができる。前述のように、シリンダの体積に対するブラウンガスの比率は、体積できわめて小さく(約1/2〜2%)、空気中のO
2の量に対してブラウンガス内のO
2の量はごくわずかであり、したがって、実際に重要なものは水素(H
2)だけである。次に、圧縮サイクル中に、弁64が閉じ、ピストン12が上昇して燃焼室50内のガスを圧縮する。所定の点で、例えば、典型的には約20度のbtdc(上死点前)で、燃料の細かい小滴のプルーム52が、燃料インゼクタ48によって燃焼室50に注入され、空気/H
2混合物と混ざる。ピストン12は、上昇して、更に、燃焼室50内にきわめて爆発性の内容物を作成する極めて高い圧力と温度に圧縮する。燃焼室50内の混合物は、燃焼室50内の混合物を蒸気を含むきわめて高温で高圧縮されたガスに変換する燃焼を引き起こすスパークプラグ62や他の点火装置によって点火される(典型的には上死点で)。これらのガスは、ピストン12を従来の方法で強制的に下降させる。ピストン12の次の上昇(排気サイクル)は、燃焼の残留物をマニホルド70を介して排出する。これらの残留物は、ほとんど水蒸気から成る。
【0025】
驚くべきことに、実質的に無負荷時には、吸入調整弁30が閉じられ、したがってエンジンにごく僅かな空気(及び、きわめて少ない酸素)しか提供されないときでも、エンジン100が2500rpmで無期限に動作できることが分かった。圧縮及び/又は爆発段階において、燃料からの水の少なくとも一部がH
2とO
2に分離し、燃料に必要な酸素を提供することは明らかである。水の残りの部分は、蒸気に変化することは明らかである。
【0026】
エンジンへの負荷が増大したとき、弁30は開かれなければならず、他の状況では、エンジンは、減速し、運転を停止することがある。弁30を介して導入される空気の量は、エンジンの負荷に依存し、また、見かけ上燃焼に空気が必要とされないので、負荷が増大するとき、RPMを維持しかつ負荷に対する出力を生成するためにより高いトルクが必要になり、空気は、ピストンを押し下げるときにより高い燃焼圧力を生成しより高いトルクを作り出す作用ガスとして必要とされると考えられる。
【0027】
前述のようなエンジン100の動作パラメータは、以下の通りである。
圧縮比30/1。周囲温度で70%の水と30%のイソプロピルアルコールの燃料
標準大気圧及び周囲温度でH
2が2〜10L/分
周囲圧力及と温度で0〜50L/分の空気
燃料圧力200〜3000psi
【0028】
複数の注入が使用される場合、最初の注入即ちパイロットは、全燃料の5〜30%からなり、残りは、燃焼サイクル中に配給される。
【0029】
現在、爆発の際にシリンダ部分50内で起こる厳密な現象は、完全には理解されないが、燃料混合物からの全てはない場合でも一部の水が、シリンダ内でH
2とO
2に分離し、燃焼室に送り込まれたH
2/O
2によってトリガする変換のためにより多くの燃料を提供すると考えられる。このプロセスは、回転ごとに体積2mLのH
2/O
2ガス混合物がエンジンに提供されたときにうまく作用したことが分かった。エンジンは、400ml(又は、400cc)エンジンなので、回転ごとに提供されるH
2/O
2の量は、体積で1/2〜2%のH
2である。
【0030】
前述したように、燃料は、水と可燃性液体物質の溶液であることが好ましい。更に、燃焼中の高圧時の水の導電率を高め、それにより水のH
2/O
2への分離に役立つ非腐食性材料などの添加物を加えることができる。
【0031】
示した技術は、通常ピストン又はロータリーエンジンに加えて、複合シリンダにも容易に適用することができ、本発明は、タービン及びジェットエンジン用に開発されうる。
【0032】
例えば、ディーゼル式エンジンの変換はかなり単純であり、点火装置、高出力点火システム、ピストンの形状及び燃焼室を導入して適切な圧縮比を可能にするようにヘッドが改良され、かなり小さいH
2/O
2反応器(又は、他のH
2供給源)が追加されるだけでよく、この解決策は、市場に導入するのに安価で単純になる。
【0033】
水が実際に任意の燃料補給所で入手可能なので、主要インフラストラクチャの作成は不要である。可燃性物質は、清浄水と自動的に混合されて車両の燃料タンクに供給されうる。
【0034】
図3は、別の実施形態を示す。この実施形態では、エンジン200は、エンジン100とよく似ている。違いは、シリンダ部分50と連通したシリンダ10の上部に新しい混合室210が提供され、そこで燃焼が起こることである。H
2/O
2の混合物は、第2のインゼクタ220によってこの混合室210(燃焼室50へではなく)に供給される。したがって、混合室210は、燃料混合物42及びH
2/O
2混合物の両方を受け取る。これらの材料は、互いに混ざり、必要なときにチャネル230を通って部分50に吸収される。
【0035】
図4は、別の実施形態300を示す。この実施形態では、水燃料混合物とH
2/O
2混合物は両方とも、燃焼室に直接供給される。
【0036】
換言すると、H
2/O
2混合物は、エンジンに、3つの異なる方法、即ちマニホルド、混合室、又は燃焼室自体に供給されうる。
【0037】
本発明は、幾つかの利点を有する。第1に、燃料として、再生不可能な化石物質に依存する代わりに、市販の再生可能な物質を利用する。本発明は、化石系燃料で使用するよりも効率的な類似のエンジンであり、より多くの出力を生成できると考えられる。第3に、エンジンに行なわれた実験において、エンジンからの排気がきわめて清浄であり、最小限の汚染しか観察されず、非換気領域でも目に見える煙がなく、発明者は呼吸が困難と感じなかった。
【0038】
添付の特許請求の範囲に定義されたような本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に多数の変更が行われうる。
【符号の説明】
【0039】
10 シリンダ
12 ピストン
14 リンク機構
20 水素供給源
26 マニホルド
28 吸気口
30 調整弁
40 燃料タンク
42 燃料
46 ポンプ
48 燃料インゼクタ
50 燃焼室
64 吸気弁
66 排気弁
70 排気マニホルド
100 エンジン
【手続補正書】
【提出日】2017年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非化石燃料だけで使用する内燃機関であって、
燃焼室を有する少なくとも1つのシリンダと、
水素を提供するように構成された水素供給源と、酸素を提供するように構成された酸素供給源とであって、前記水素供給源と前記酸素供給源のうちの少なくとも一方が、前記少なくとも1つのシリンダと流体連通して、水素と酸素のうちの少なくとも一方を前記燃焼シリンダに提供する水素供給源および酸素供給源と、
基本的に水と水溶性非化石可燃性物質からなる非化石燃料を提供するように構成された燃料供給源と、
前記燃料供給源から前記燃焼室に前記燃料を選択的に引き渡すように構成された燃料インゼクタと、
前記少なくとも1つのシリンダ内の少なくとも1つのピストンであって、前記少なくとも1つのシリンダ内で移動して、前記燃焼室内で前記水素、酸素、および前記燃料を一緒に10:1から40:1の範囲内の圧縮比で圧縮するように構成された少なくとも1つのピストンと、
前記燃焼室内で前記圧縮した水素、酸素、および燃料に点火して出力を生成するように構成された点火装置と、を備える内燃機関。
【請求項2】
前記非化石燃料が、5−40%の非化石可燃性物質を含む、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
前記燃料が、10−35%の非化石可燃性物質を含む、請求項1に記載のエンジン。
【請求項4】
前記非化石可燃性物質が、30%のアルコールである、請求項1に記載のエンジン。
【請求項5】
前記水素供給源が、インゼクタを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成され、前記酸素供給源が、吸込マニホルドを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成された、請求項1に記載のエンジン。
【請求項6】
前記非化石可燃性物質が、イソプロピルアルコールである、請求項1に記載のエンジン。
【請求項7】
前記圧縮した水素、酸素、および燃料が、体積にして約1/2%−10%の水素を含む、請求項1に記載のエンジン。
【請求項8】
さらに、前記燃焼室と流体連通する、前記水素、酸素、および燃料を受け取って混合するように構成された混合室を備える、請求項1に記載のエンジン。
【請求項9】
前記ピストン、シリンダ、およびヘッドが、30:1の圧縮比を生成するように構成される、請求項1に記載のエンジン。
【請求項10】
非化石燃料式内燃機関を使用して出力を生成する方法であって、
水素と酸素を前記内燃機関の燃焼室に導入するステップと、
基本的に水と水溶性非化石可燃性物質からなる非化石燃料を前記燃焼室に導入するステップと、
前記燃焼室内においてピストンを用いて、前記水素、酸素、および前記燃料を10:1から40:1の範囲内の圧縮比で圧縮するステップと、
前記燃焼室内の前記圧縮した水素、酸素、および燃料に点火して出力を生成するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記燃料が、10−35%の非化石可燃性物質を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記導入するステップの前に前記水素、酸素、および燃料を混合室内において混合するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記非化石可燃性物質が、アルコールであり、前記燃料の30%を構成する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記非化石可燃性物質が、イソプロピルアルコールである、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記非化石可燃性物質が、イソプロピルアルコール、イソブタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、またはこれらのアルコールの混合物から選択したアルコールである、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記非化石可燃性物質が、前記燃料の5−40%を構成する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記燃料が、基本的に10−35%の非化石可燃性物質からなる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記圧縮するステップが、前記燃焼室の内容物を10:1から40:1の範囲内の圧縮比で圧縮するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記燃料が、前記燃焼室内に周囲温度で導入される、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記水素が、前記燃焼室内に周囲温度で導入される、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
前記燃料が、前記燃焼室内に200−3000 PSIの範囲内の圧力で注入される、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
前記導入するステップが、前記水素を前記燃焼室内に注入するステップと、前記酸素を前記燃焼室内に吸込マニホルドを介して導入するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
非化石燃料だけで使用する内燃機関を有する車両であって、前記内燃機関が、
燃焼室を有する少なくとも1つのシリンダと、
水素を提供するように構成された水素供給源と、酸素を提供するように構成された酸素供給源とであって、前記水素供給源と前記酸素供給源のうちの少なくとも一方が、前記少なくとも1つのシリンダと流体連通して、水素と酸素のうちの少なくとも一方を前記燃焼シリンダに提供する水素供給源および酸素供給源と、
基本的に水と水溶性非化石可燃性物質からなる非化石燃料を提供するように構成された燃料供給源と、
前記燃料供給源から前記燃焼室に前記燃料を選択的に引き渡すように構成された燃料インゼクタと、
前記少なくとも1つのシリンダ内の少なくとも1つのピストンであって、前記少なくとも1つのシリンダ内で移動して、前記燃焼室内で前記水素、酸素、および前記燃料を一緒に10:1から40:1の範囲内の圧縮比で圧縮するように構成された少なくとも1つのピストンと、
前記燃焼室内で前記圧縮した水素、酸素、および燃料に点火して出力を生成するように構成された点火装置と、を備える内燃機関を有する車両。
【請求項24】
前記非化石燃料が、5−40%の非化石可燃性物質を含む、請求項23に記載の車両。
【請求項25】
前記燃料が、10−35%の非化石可燃性物質を含む、請求項23に記載の車両。
【請求項26】
前記非化石可燃性物質が、30%のアルコールである、請求項23に記載の車両。
【請求項27】
前記水素供給源が、インゼクタを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成され、前記酸素供給源が、吸込マニホルドを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成された、請求項23に記載の車両。
【請求項28】
前記非化石可燃性物質が、イソプロピルアルコールであり、前記燃料の30%を構成し、水が前記燃料の70%を構成する、請求項23に記載の車両。
【請求項29】
前記圧縮した水素、酸素、および燃料が、体積にして約1/2%−10%の水素を含む、請求項23に記載の車両。
【請求項30】
さらに、前記燃焼室と流体連通する、前記水素、酸素、および燃料を受け取って混合するように構成された混合室を備える、請求項23に記載の車両。
【請求項31】
前記ピストン、シリンダ、およびヘッドが、30:1の圧縮比を生成するように構成される、請求項23に記載の車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
添付の特許請求の範囲に定義されたような本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に多数の変更が行われうる。
<付記>
(1)非化石燃料だけで使用する内燃機関であって、
燃焼室を有する少なくとも1つのシリンダと、
前記燃焼室と選択的に流体連通する吸込マニホルドと、
水素を提供するように構成された水素供給源と、空気を提供するように構成された空気吸込とであって、前記水素供給源と前記空気吸込が前記吸込マニホルドと流体連通して、前記水素と空気を前記燃焼シリンダに前記吸込マニホルドを通じて提供する水素供給源と空気吸込と、
基本的に水と5−40%の水溶性可燃性物質からなる非化石燃料だけを提供するように構成された燃料供給源と、
前記燃料供給源から前記燃焼室に前記燃料を選択的に注入するように構成された燃料インゼクタと、
前記少なくとも1つのシリンダ内の少なくとも1つのピストンであって、前記少なくとも1つのシリンダ内で移動して、前記燃焼室内で前記水素、空気、および燃料を一緒に圧縮するように構成された少なくとも1つのピストンと、
前記燃焼室内で前記圧縮した水素、空気、および燃料に点火して出力を生成するように構成された点火装置と、を備える内燃機関。
(2)前記燃料が、前記燃焼室内に200−3000 PSIの範囲内の圧力で注入される、上記(1)に記載のエンジン。
(3)前記燃料が、前記燃焼室内に周囲温度で注入される、上記(1)に記載のエンジン。
(4)前記水素が、前記燃焼室内に周囲温度で導入される、上記(1)に記載のエンジン。
(5)前記水素供給源が、インゼクタを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成され、前記空気吸込が、前記吸込マニホルドを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成された、上記(1)に記載のエンジン。
(6)前記水溶性可燃性物質が、アルコールであり、好ましくは前記アルコールをイソプロピルアルコールとし得る、上記(1)に記載のエンジン。
(7)前記燃焼室内の前記圧縮した水素、空気、および燃料が、体積にして約1/2%−2.0%の水素を含む、上記(1)に記載のエンジン。
(8)非化石燃料式内燃機関を使用して出力を生成する方法であって、
水素と空気を前記内燃機関の燃焼室に導入するステップであって、前記水素と前記空気を前記燃焼室内に吸込マニホルドを介して導入することを含む、導入するステップと、
基本的に水と5−40%の水溶性可燃性物質からなる非化石燃料を前記燃焼室に、燃料インゼクタを使用して導入するステップと、
前記燃焼室内においてピストンを用いて、前記水素、空気、および前記燃料を圧縮するステップであって、それにおいて前記圧縮した水素、空気、および燃料が、体積にして約1/2%−2.0%の水素を含む、圧縮するステップと、
前記燃焼室内の前記圧縮した水素、空気、および燃料に点火し、高温圧縮ガスを作り出して出力を生成するステップと、を含む方法。
(9)前記非化石燃料を導入するステップが、前記燃料を前記燃焼室内に200−3000 PSIの範囲内の圧力で注入するステップを含む、上記(8)に記載の方法。
(10)前記導入するステップの前に前記水素および燃料を混合室内において混合するステップを含む、上記(8)に記載の方法。
(11)前記非化石燃料を導入するステップが、前記燃料を前記燃焼室内に周囲温度で注入するステップを含む、上記(8)に記載の方法。
(12)前記水溶性可燃性物質が、アルコールであり、好ましくは前記アルコールをイソプロピルアルコールとする、上記(8)に記載の方法。
(13)前記水素を導入するステップが、前記水素を前記燃焼室内に周囲温度で注入するステップを含む、上記(8)に記載の方法。
(14)前記アルコールが、イソプロピルアルコールを含み、それにおいて前記非化石燃料を導入するステップが、前記燃料を前記燃焼室内に周囲温度で注入するステップを含み、さらにそれにおいて、前記水素を導入するステップが、前記水素を前記燃焼室内に周囲温度で注入するステップを含む、上記(8)に記載の方法。
(15)前記水素および前記燃料を前記燃焼室内に周囲温度で導入するステップに先行して、前記水素および燃料を混合室内において混合するステップを含む、上記(8)に記載の方法。
(16)車両であって、
非化石燃料だけで使用する内燃機関であって、
燃焼室を有する少なくとも1つのシリンダと、
前記燃焼室と選択的に流体連通する吸込マニホルドと、
水素を提供するように構成された水素供給源と、空気を提供するように構成された空気吸込とであって、前記水素供給源と前記空気吸込が前記吸込マニホルドと流体連通して、前記水素と前記空気を前記燃焼シリンダに前記吸込マニホルドを通じて提供する水素供給源と空気吸込と、
基本的に水と30% 5−40%の水溶性可燃性物質からなる燃料を提供するように構成された燃料供給源と、
前記燃料供給源から前記燃焼室に前記燃料を選択的に注入するように構成された燃料インゼクタと、
前記少なくとも1つのシリンダ内で移動して、前記燃焼室内で前記水素、空気、および前記燃料を一緒に圧縮するように構成された前記少なくとも1つのシリンダ内の少なくとも1つのピストンであって、前記圧縮した水素、空気、および燃料が、体積にして約1/2%−2.0%の水素を含むものとする、少なくとも1つのピストンと、
前記燃焼室内で前記圧縮した水素、酸素、および燃料に点火して出力を生成するように構成された点火装置と、を備える内燃機関を有する車両。
(17)前記燃料が、前記燃焼室内に200−3000 PSIの範囲内の圧力で注入される、上記(16)に記載の車両。
(18)前記燃料が、前記燃焼室内に周囲温度で注入される、上記(17)に記載の車両。
(19)前記水素が、前記燃焼室内に周囲温度で導入される、上記(18)に記載の車両。
(20)前記水素供給源が、インゼクタを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成され、前記空気吸込が、前記吸込マニホルドを介して前記燃焼室と選択的に流体連通するように構成された、上記(17)に記載の車両。
(21)前記水溶性可燃性物質が、アルコールであり、好ましくは前記アルコールをイソプロピルアルコールとする、上記(20)に記載の車両。
(22)前記非化石燃料が、70%の水と30%の水溶性可燃性物質を含む、上記(1)に記載のエンジン。
(23)前記非化石燃料が、70%の水と30%のイソプロピルアルコールを含む、上記(8)に記載のエンジン。
(24)前記非化石燃料が、70%の水と30%の水溶性可燃性物質を含む、上記(8)に記載の方法。
(25)前記非化石燃料が、70%の水と30%のイソプロピルアルコールを含む、上記(12)に記載の方法。
(26)前記非化石燃料が、70%の水と30%の水溶性可燃性物質を含む、上記(16)に記載の車両。
(27)前記非化石燃料が、70%の水と30%のイソプロピルアルコールを含む、上記(21)に記載の車両。
(28)非化石燃料だけで使用するように構成された内燃機関のための非化石燃料であって、
水と5%乃至40%の範囲内のアルコールを含む燃料。
(29)前記アルコールが、イソプロピルアルコール、イソブタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、またはこれらのアルコールの混合物から選択したアルコールである、上記(28)に記載の燃料。
(30)前記アルコールが、イソプロピルアルコールである、上記(29)に記載の燃料。
(31)前記アルコールが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、トルアルデヒド、フルフラール、レチンアルデヒド、グリオキサール、マロンジアルデヒド、コハク酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、またはこれらの混合物のうちの1つである、上記(28)に記載の燃料。
(32)前記アルコールの濃度が、5%−40%の範囲内である、上記(28)に記載の燃料。
(33)前記アルコールの濃度が、10%−35%の範囲内である、上記(28)に記載の燃料。
(34)可燃性燃料であって、
水とアルコールから形成される非化石液体燃料混合物、水素ガス及び酸素ガスを含む、可燃性燃料。
(35)前記非化石液体燃料は、70%の水と30%のアルコールを含む、上記(34)に記載の可燃性燃料。
(36)前記アルコールが、イソプロピルアルコール、イソブタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、またはこれらのアルコールの混合物から選択したアルコールである、上記(34)に記載の可燃性燃料。
(37)前記アルコールが、イソプロピルアルコールである、上記(36)に記載の可燃性燃料。
(38)前記アルコールが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、トルアルデヒド、フルフラール、レチンアルデヒド、グリオキサール、マロンジアルデヒド、コハク酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、またはこれらの混合物のうちの1つである、上記(34)に記載の可燃性燃料。
(39)前記アルコールの濃度が、5%−40%の範囲内である、上記(34)に記載の可燃性燃料。
(40)前記アルコールの濃度が、10%−35%の範囲内である、上記(34)に記載の可燃性燃料。