【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のダンパ装置は、駆動源と、複数の羽板と、前記各羽板を回動可能に支持する枠体と、前記駆動源の駆動力を前記各羽板に伝達しこれら各羽板を回動させる動力伝達機構と、を備え、前記枠体は、流体の流入口および流出口である一対の開口部を有し、前記枠体における、前記一対の開口部を連通している中空部を該枠体の流路部 としたときに、前記複数の羽板は、前記流路部内に、いずれか一方の前記開口部である第1開口部に沿って、平行に並べて配置されていることを特徴とする。
【0007】
流体の流路を開閉する羽板を複数枚に分割することにより、ダンパ装置の開口面積が大きくなった場合でも、羽板の回動スペースの拡大を抑えることができる。これにより、本発明のダンパ装置は、羽板の回動スペースの確保が容易となり、より狭小なスペースに設置することが可能とされている。
【0008】
また、前記各羽板のその回動中心線に平行な方向の寸法を該羽板の長さとし、前記各羽板の表面または裏面における長さ方向に直交する方向の寸法を該羽板の幅とし、前記流路部における流体の流路方向の寸法を該流路部の高さとしたときに、前記流路部の高さは、前記各羽板の幅よりも高い構成としてもよい。
【0009】
ダンパ装置の枠体が複数の羽板を覆う高さを有していることにより、ダンパ装置の出荷時、保管時、および取付時において、羽板をより安全に保護することができる。
【0010】
また、前記各羽板のその回動中心線に平行な方向の寸法を該羽板の長さとし、前記各羽板の表面または裏面における長さ方向に直交する方向の寸法を該羽板の幅とし、前記流路部における流体の流路方向の寸法を該流路部の高さとしたときに、前記流路部の高さは、前記各羽板の幅と同じ、または前記各羽板の幅よりも低い構成としてもよい。
【0011】
流体の流路を開閉する羽板を複数枚に分割することにより、ダンパ装置の開口面積が大きくなった場合でも、羽板の回動スペースの拡大を抑えることができる。本発明のダンパ装置は、かかる構成により枠体の薄型化を図ることが可能となる。
【0012】
また、前記動力伝達機構は前記流路部内に配置されたリンク機構を有しており、前記リンク機構の揺動範囲は、前記流路部内に収まることが好ましい。
【0013】
複数の羽板の駆動部材であるリンク機構が、その揺動動作を枠体の流路部内で行い、枠体の外にはその機構を突き出さない構成であることにより、ダンパ装置の設置場所の自由度が高められる。
【0014】
また、前記動力伝達機構は前記流路部内に配置されたリンク機構を有しており、前記動力伝達機構はさらに、前記リンク機構に連結されて、前記駆動源の駆動力を前記リンク機構に伝達する部材であるリンク駆動部材を有しており、前記枠体は、前記各羽板の支持部である複数の羽板支持部と、前記リンク駆動部材の支持部であるリンク駆動部材支持部とを有しており、前記複数の羽板支持部および前記リンク駆動部材支持部は、前記枠体と一体成形されていることが好ましい。
【0015】
羽板支持部とリンク駆動部材支持部とが枠体と一体成形されていることにより、羽板とリンク機構との相対的な位置関係を一定に保つことができる。これにより、寸法誤差や組立誤差によるこれら部材の位置精度への影響を抑え、羽板のスムーズな動作を担保することができる。
【0016】
また、前記各羽板のその回動中心線に平行な方向の寸法を該羽板の長さとしたときに、前記各羽板の長さ方向の両端には、該長さ方向に突出した軸部である第1軸部が形成されており、前記枠体は、前記各羽板の支持部である複数の羽板支持部を有しており、前記複数の羽板支持部は、それぞれが前記第1軸部を回動可能に支持する軸受であり、前記各羽板の前記一対の羽板支持部のうち、少なくともいずれか一方の前記羽板支持部は、その周方向の一部に、前記第1軸部が該羽板支持部に対して径方向に差し込まれる切欠部である差込口が形成されており、前記差込口が形成された前記各羽板支持部のその周方向における該差込口の開口角度は、前記第1開口部における前記各羽板の長さ方向と直交する方向に対して平行ではなく、かつ直角ではない角度であることが好ましい。
【0017】
羽板支持部の差込口を第1開口部の開口径方向のうち、各羽板の長さ方向と直交する方向に対して斜めに形成することにより、羽板の回動動作の中途位置となる方向に差込口が向けられることとなる。一般に、このようなダンパ装置を運送するときには、ダンパ装置は、その羽板が閉じた状態となる向き、またはその羽板が全開となる向きに並べられて梱包される。差込口の切欠方向を羽板の回動動作の中途位置となる方向に向けることにより、ダンパ装置の運送時にその羽板が羽板支持部から脱落することを防止することができる。
【0018】
また、前記一対の開口部は、前記第1開口部と、他方の前記開口部である第2開口部とにより構成され、前記流路部を区画する前記枠体の内壁面には、前記第1開口部から前記第2開口部に向かうにつれて流路が拡径されるようにテーパが設けられていることが好ましい。
【0019】
流路部の内壁面にテーパが設けられることにより、例えば結露により流路部に形成された水滴が、テーパに誘導されて第2開口部から枠体の外に流れるため、流路部に氷が堆積して流体の流路が塞がれたり、羽板の動作が阻害されたりする不具合を抑えることができる。
【0020】
また、前記動力伝達機構は前記流路部内に配置されたリンク機構を有しており、前記動力伝達機構は、前記リンク機構に連結されて、前記駆動源の駆動力を前記リンク機構に伝達する部材であるリンク駆動部材を有しており、前記各羽板のその回動中心線に平行な方向の寸法を該羽板の長さとしたときに、前記リンク機構は、前記リンク駆動部材に連結される第1リンク部材と、該第1リンク部材と前記各羽板の長さ方向の一端とを連結する第2リンク部材と、を有することが好ましい。
【0021】
リンク機構が上記第1リンク部材および第2リンク部材を有することにより、第1リンク部材を駆動リンクとし、第2リンク部材を中間リンク、枠体を固定リンク、各羽板を従動リンクとする4節リンク機構を構成することができる。これにより、簡易な構造で各羽板の回動動作を同期させることが可能となる。
【0022】
また、前記動力伝達機構は前記流路部内に配置されたリンク機構を有しており、前記動力伝達機構は、前記リンク機構に連結されて、前記駆動源の駆動力を前記リンク機構に伝達する部材であるリンク駆動部材を有しており、前記リンク駆動部材は、歯車部、および出力軸部を有しており、前記駆動源の駆動力は、前記動力伝達機構が有する一又は複数の歯車部材により前記リンク駆動部材に伝達され、前記リンク駆動部材の歯車部および前記歯車部材はケース体であるギヤボックスに収容されており、前記リンク駆動部材の歯車部または前記歯車部材、および前記ギヤボックスは、前記リンク駆動部材が所定の角度位置になったときに、互いに当接して前記駆動力の伝達を遮断するストッパ部を有することが好ましい。
【0023】
羽板がその回動限界角度に至った時に、リンク機構よりも前の動力伝達部材で駆動力の伝達を遮断することにより、羽板やリンク機構に過剰な応力が加えられることが防止され、羽板およびリンク機構の部品寿命の低下を抑えることができる。
【0024】
また、前記動力伝達機構は前記流路部内に配置されたリンク機構を有しており、前記動力伝達機構はさらに、前記リンク機構に連結されて、前記駆動源の駆動力を前記リンク機構に伝達する部材であるリンク駆動部材を有しており、前記各羽板のその回動中心線に平行な方向の寸法を該羽板の長さとしたときに、前記各羽板の長さ方向の両端には、該長さ方向に突出した軸部である第1軸部が形成されており、前記枠体は、前記各羽板の支持部である複数の羽板支持部と、前記リンク駆動部材の支持部であるリンク駆動部材支持部とを有しており、前記リンク駆動部材支持部は、前記リンク駆動部材を回動可能に支持する軸受であり、前記複数の羽板支持部は、それぞれが前記第1軸部を回動可能に支持する軸受であり、前記リンク駆動部材支持部の軸穴方向、および前記各羽板支持部の軸穴方向は、一直線上または平行となる向きに延びていることが好ましい。
【0025】
これらリンク駆動部材支持部と各羽板支持部の軸穴方向が同一方向であることにより、駆動力を効率的に伝達することができ、また、羽板のねじれなど、各部材に加わる負荷を抑えることができる。
【0026】
また、前記枠体は、前記各羽板の支持部である複数の羽板支持部を有しており、前記各羽板の長さ方向の両端には、該長さ方向に突出し、前記羽板支持部に支持される軸部である第1軸部が形成されており、前記各羽板の長さ方向の一端には、該長さ方向に突出し、前記第2リンク部材に連結される軸部である第2軸部が形成されており、前記各羽板の表面または裏面における長さ方向に直交する方向の寸法を該羽板の幅としたときに、前記第1軸部および前記第2軸部は、前記各羽板の幅方向における両端に配置されていることが好ましい。
【0027】
各羽板の幅方向における両端にこれら軸部が設けられていることにより、最小限の駆動力で羽板を回動させることができるとともに、羽板の動作精度を高めることができる。
【0028】
また、前記駆動源はステッピングモータであることが好ましい。
【0029】
ステッピングモータは正逆両方向に回転可能であり、また、ステップ数によりその回転角度を算出することができる。よって、羽板のその時々における配置角度を検出するために別途ロータリエンコーダなどによるフィードバック制御を行う必要がない。これにより、装置全体における部品点数の削減および装置の小型化を図ることができる。
【0030】
また、前記各羽板のその回動中心線に平行な方向の寸法を該羽板の長さとし、前記各羽板の表面または裏面における長さ方向に直交する方向の寸法を該羽板の幅とし、前記各羽板の幅方向における、該羽板の回動中心線側の端部を該羽板の基端部、その反対側の端部を該羽板の先端部としたときに、前記複数の羽板は、その回動動作により前記第1開口部を開閉し、前記各羽板は、前記第1開口部を閉じたときに、その隣接する前記羽板の基端部にその先端部が重なる構成としてもよい。
【0031】
各羽板の先端部が、各羽板の閉時においてその隣接する羽板の基端部と重なる構成とすることにより、第1開口部の密閉度を高めることができる。
【0032】
また、前記各羽板のその回動中心線に平行な方向の寸法を該羽板の長さとし、前記各羽板の表面または裏面における長さ方向に直交する方向の寸法を該羽板の幅とし、前記各羽板の幅方向における、該羽板の回動中心線側の端部を該羽板の基端部、その反対側の端部を該羽板の先端部としたときに、前記各羽板の先端部は弾性部材からなる構成としてもよい。
【0033】
各羽板の先端部が弾性部材からなることにより、各羽板の閉時において第1開口部の密閉度を高めることができる。