【解決手段】液晶表示装置は、曲面状の表示面を有する横電界方式の液晶表示装置であって、第1方向に曲げられ、複数のゲート線と複数のデータ線と画素電極と共通電極とを含む第1基板と、前記第1方向に曲げられ、前記第1基板に対向配置され、偏光板を含む第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に配置される液晶層と、前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせるためのシール材と、前記複数のゲート線及び前記複数のデータ線の少なくとも何れか一方に駆動用信号を出力する駆動ドライバと、を含み、平面的に見て、前記偏光板は、少なくとも前記駆動ドライバに近い辺の一部が、前記シール材に重なっている、又は、前記シール材より外側に位置している。
前記偏光板は、前記切り欠きが形成され前記駆動ドライバに近い第1辺と、前記第1辺に対向する第2辺と、前記第1辺及び前記第2辺の一端に接続される第3辺と、前記第1辺及び前記第2辺の他端に接続される第4辺と、を含み、
平面的に見て、前記第1辺のうち前記切り欠きに接続される部分と、前記第2辺と、前記第3辺と、前記第4辺とが、前記シール材に重なっている、又は、前記シール材より外側に位置している、
ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者らは、曲面状の表示面を有する液晶表示装置のうち特にIPS(In-Place-Switching)方式に代表される横電界方式の液晶表示装置において、表示画面のコーナー部付近に輝度ムラが生じることを見出した。具体的には例えば、背面側が凸状になるように両基板を曲面状に形成した場合、TFT基板を構成するガラス基板には引張(延伸)応力が働き、CF基板を構成するガラス基板には圧縮応力が働く。2つのガラス基板の曲率が理想的(一定)であれば問題は生じないが、現実には曲げに対する反力により、理想的な(一定の)曲率に対してずれが生じる。このようなずれが発生すると、両ガラス基板間において、液晶分子に対して斜め方向に位相差が発生する。横電界方式では、液晶分子が両基板に略平行に配置されているため、斜め方向の光(偏光)が上記位相差の影響によりさらに回転する。この結果、偏光の回転が偏光板により相殺されず、光漏れが発生し、例えば黒画像を表示する際に白浮きが視認され易くなる。この光漏れは、理想的な曲率からのずれが大きくなり易いコーナー部付近に生じ易いため、表示画面のコーナー部付近に輝度ムラが生じ易くなる。
【0005】
一方、従来の液晶表示装置では、一般的に、CF基板に配置される偏光板は、材料費の削減や静電気の除去対策等の観点から、平面的に見て、TFT基板及びCF基板を貼り合わせるためのシール材より内側に配置されている。例えば、特許文献2には、横電界方式の液晶表示装置において、CF基板に帯電する静電気を除去するための構成として、CF基板における液晶層とは反対側の面に導電層を形成し、TFT基板にアース端子を形成し、該導電層と該アース端子とをケーブル等により互いに電気的に接続する構成が開示されている。上記構成では、平面的に見て、CF基板に配置される偏光板がシール材より内側に配置され、導電層が偏光板の周囲に露出し、露出した導電層にケーブルが接続されている。
【0006】
曲面状の表示面を有する横電界方式の液晶表示装置において、CF基板に配置される偏光板がシール材より内側に配置される場合には、CF基板の周縁部に偏光板の厚みに応じた段差が生じ、CF基板の表示面側に配置されるカバーガラスやフィルム等によりCF基板の周縁部を保持し難くなる。このため、表示パネルにおけるコーナー部付近の歪がより大きくなり、上記輝度ムラが視認され易くなる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、曲面状の表示面を有する横電界方式の液晶表示装置において、表示画面のコーナー部付近に生じる輝度ムラを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、曲面状の表示面を有する横電界方式の液晶表示装置であって、第1方向に曲げられ、複数のゲート線と複数のデータ線と画素電極と共通電極とを含む第1基板と、前記第1方向に曲げられ、前記第1基板に対向配置され、偏光板を含む第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に配置される液晶層と、前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせるためのシール材と、前記複数のゲート線及び前記複数のデータ線の少なくとも何れか一方に駆動用信号を出力する駆動ドライバと、を含み、平面的に見て、前記偏光板は、少なくとも前記駆動ドライバに近い辺の一部が、前記シール材に重なっている、又は、前記シール材より外側に位置している、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る液晶表示装置では、前記第1基板は、平面的に見て、前記第2基板から第1方向にはみ出たドライバ搭載領域を含み、前記駆動ドライバは、前記ドライバ搭載領域に搭載されていてもよい。
【0010】
本発明に係る液晶表示装置では、前記ドライバ搭載領域には、アース端子が配置され、前記第2基板は、さらに、前記偏光板よりも前記第1基板側に導電層を含み、当該液晶表示装置は、さらに、前記アース端子と前記導電層とを電気的に接続するための接続部材を含み、前記偏光板における前記駆動ドライバに近い辺には、前記導電層における前記接続部材との接続領域が露出するように切り欠きが形成されていてもよい。
【0011】
本発明に係る液晶表示装置では、平面的に見て、前記接続部材の一端が前記アース端子に重なり、前記接続部材の他端が前記偏光板に形成された前記切り欠きから露出された前記接続領域に重なっていてもよい。
【0012】
本発明に係る液晶表示装置では、前記偏光板は、前記切り欠きが形成され前記駆動ドライバに近い第1辺と、前記第1辺に対向する第2辺と、前記第1辺及び前記第2辺の一端に接続される第3辺と、前記第1辺及び前記第2辺の他端に接続される第4辺と、を含み、平面的に見て、前記第1辺のうち前記切り欠きに接続される部分と、前記第2辺と、前記第3辺と、前記第4辺とが、前記シール材に重なっている、又は、前記シール材より外側に位置していてもよい。
【0013】
本発明に係る液晶表示装置では、前記切り欠きは、前記第1辺のうち、前記第3辺または前記第4辺に接続された両端よりも、前記両端の間の中央位置に近い領域に形成されていてもよい。
【0014】
本発明に係る液晶表示装置では、前記切り欠きの角部は、円弧状に形成されていてもよい。
【0015】
本発明に係る液晶表示装置では、当該液晶表示装置は、さらに、前記第2基板の表示面側に配置される前面板を含み、前記前面板は、接着層を介して前記偏光板に接着固定されており、前記前面板及び前記接着層は、平面的に見て、前記偏光板の全体を覆っていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る液晶表示装置によれば、曲面状の表示面を有する横電界方式の液晶表示装置において、表示画面のコーナー部付近に生じる輝度ムラを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る液晶表示装置1の概略構成を示す平面図であり、
図1(b)は液晶表示装置1の側面図である。液晶表示装置1は、表示パネル10と、駆動ドライバ(例えば、ソースドライバIC20、ゲートドライバIC30)と、制御回路(図示せず)と、バックライト装置(図示せず)とを含んで構成されている。表示パネル10は、第1基板としての薄膜トランジスタ基板100(以下、TFT基板という。)と、第2基板としてのカラーフィルタ基板200(以下、CF基板という。)と、両基板間に配置された液晶層300とを含んでいる。TFT基板100及びCF基板200は、CF基板200の周縁部に対応する位置に枠状に形成されたシール材60により互いに接着固定されている。液晶層300は、TFT基板100とCF基板200とシール材60とにより囲まれて配置されており、液晶層300に含まれる液晶が、シール材60の内側に封入されている。
【0019】
図1(b)に示すように、TFT基板100及びCF基板200は、第1方向としての行方向に湾曲するように曲げられている。すなわち、TFT基板100及びCF基板200は、第1方向における両端部よりも中央部が表示面側または背面側に突出するように湾曲している。本実施形態では、TFT基板100及びCF基板200は、第1方向における両端部よりも中央部が背面側に突出するように湾曲している。
【0020】
表示パネル10は、領域で大別すると、画像を表示する表示領域10aと、表示領域10aの周囲の非表示領域10b(額縁領域)とを含んでいる。TFT基板100における非表示領域10bに対応する領域には、駆動ドライバとしてのソースドライバIC20及びゲートドライバIC30等を搭載するためのドライバ搭載領域100bが含まれる。本実施形態に係る液晶表示装置1では、狭額縁化を図るために、ドライバ搭載領域100bが表示パネル10の一辺(
図1では左辺)側に配置されている。言い換えると、ドライバ搭載領域100bは、平面的に見て、CF基板200から行方向(第1方向)にはみ出している。TFT基板100は、平面的に見て、ドライバ搭載領域100bの分だけCF基板200より面積が大きくなっている。ソースドライバIC20及びゲートドライバIC30は、ドライバ搭載領域100bにおいて、TFT基板100を構成するガラス基板上に直接搭載されている。すなわち、
図1では、COG(Chip On Glass)方式の液晶表示装置を例示している。ソースドライバIC20及びゲートドライバIC30は、表示パネル10の一辺に沿って一列(
図1では列方向)に並んで配置されている。尚、本実施形態では、ソースドライバIC20及びゲートドライバIC30を2個ずつ示しているが、それぞれの数は限定されない。また、本発明に係る液晶表示装置は、COG方式に限定されず、例えばCOF(Chip On Film)方式又はTCP(Tape Carrier Package)方式の液晶表示装置であってもよい。
【0021】
TFT基板100のドライバ搭載領域100bには、さらにアース端子107が配置されている。アース端子107は、ドライバ搭載領域100bにおける列方向の中央付近に配置されている。例えば、アース端子107は、
図1において、2つのソースドライバIC20の間に配置されている。アース端子107の数は限定されない。
【0022】
TFT基板100の背面側には偏光板106が形成されており、偏光板106のさらに背面側にはバックライト装置が配置されている。CF基板200の表示面側には、導電層206が形成されており、導電層206のさらに表示面側には偏光板207が形成されている。導電層206は、例えば透明導電材料ITO(酸化インジウムスズ)により形成されている。導電層206は、CF基板200の全面に亘ってベタ状に形成されている。偏光板207は、導電層206の上に、導電層206の全面に亘って略ベタ状に形成されている。偏光板207の一辺(
図1(a)では左辺)には、切り欠き208が形成されている。このため、表示パネル10を平面的に見ると(
図1(a)参照)、切り欠き208の領域には導電層206が露出している。表示パネル10には、さらに、偏光板207から露出している導電層206の一部(露出部分)と、TFT基板100上に配置されているアース端子107とを互いに電気的に接続するための接続部材400が形成されている。接続部材400は、例えばアース端子107の一部と導電層206の露出部分の一部とを覆うように導電材料を塗布することにより形成される。接続部材400は、導電テープであってもよいし、導電配線であってもよい。偏光板207及び切り欠き208の具体的な構成は後述する。
【0023】
図1(a)には、シール材60の内周部を点線で示している。平面的に見て、シール材60の外周部の位置は、CF基板200の周縁部の位置と一致しており、シール材60の内周部の位置は、表示領域10aより外側に位置している。
【0024】
図2は、表示パネル10における表示領域10aの概略構成を示す等価回路図である。表示パネル10には、第1方向(例えば行方向)に延在する複数のデータ線11と、第2方向(例えば列方向)に延在する複数のゲート線12とが設けられている。各データ線11と各ゲート線12との各交差部には、薄膜トランジスタ13(以下、TFTという。)が設けられている。各データ線11は対応するソースドライバIC20(
図1参照)に電気的に接続されており、各ゲート線12は対応するゲートドライバIC30(
図1参照)に電気的に接続されている。
【0025】
表示パネル10には、各データ線11と各ゲート線12との各交差部に対応して、複数の画素14がマトリクス状(行方向及び列方向)に配置されている。TFT基板100には、画素14ごとに配置される複数の画素電極15と、複数の画素14に共通する共通電極16とが設けられている。
【0026】
各データ線11には、対応するソースドライバIC20からデータ信号(データ電圧)が供給される。各ゲート線12には、対応するゲートドライバIC30からゲート信号(ゲートオン電圧、ゲートオフ電圧)が供給される。共通電極16には、コモンドライバ(図示せず)から共通配線17を介して共通電圧Vcomが供給される。ゲート信号のオン電圧(ゲートオン電圧)がゲート線12に供給されると、ゲート線12に接続されたTFT13がオンし、TFT13に接続されたデータ線11を介して、データ電圧が画素電極15に供給される。画素電極15に供給されたデータ電圧と、共通電極16に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライトの光の透過率を制御することによって画像表示を行う。なお、カラー表示を行う場合は、ストライプ状のカラーフィルタで形成された赤色、緑色、青色に対応するそれぞれの画素14の画素電極15に接続されたそれぞれのデータ線11に、所望のデータ電圧を供給することにより実現される。
【0027】
図3は、表示パネル10の画素14の具体的な構成を示す平面図である。
図4は
図3のC−C断面図であり、
図5は
図3のD−D断面図である。
図3〜
図5を参照しつつ、画素14の具体的な構成について説明する。
【0028】
図3において、表示パネル10を平面的に見て、隣り合う2本のデータ線11と、隣り合う2本のゲート線12とで区画された領域が1つの画素14に相当する。各画素14には、TFT13が設けられている。TFT13は、絶縁膜102(
図4及び
図5参照)上に形成された半導体層21と、半導体層21上に形成されたドレイン電極22及びソース電極23とを含んで構成されている。ドレイン電極22はデータ線11に電気的に接続されており、ソース電極23はスルーホール24を介して画素電極15に電気的に接続されている。
【0029】
各画素14には、ITO等の透明導電材料からなる画素電極15が形成されている。画素電極15は、複数の開口部(スリット)を有しており、ストライプ状に形成されている。開口部の形状は限定されない。各画素14に共通して、表示領域10aの全体にITO等の透明導電材料からなる1つの共通電極16が形成されている。共通電極16における、スルーホール24及びTFT13のソース電極23に重なる領域には、画素電極15とソース電極23とを電気的に接続させるための開口部(
図3の点線囲みに相当)が形成されている。
【0030】
図4及び
図5に示すように、表示パネル10は、TFT基板100と、CF基板200と、TFT基板100及びCF基板200の間に挟持される液晶層300と、を含んで構成されている。
【0031】
TFT基板100では、ガラス基板101上にゲート線12(
図4参照)が形成され、ゲート線12を覆うように絶縁膜102が形成されている。絶縁膜102上にはデータ線11(
図5参照)が形成され、データ線11を覆うように絶縁膜103が形成されている。絶縁膜103上には共通電極16が形成され、共通電極16を覆うように絶縁膜104が形成されている。絶縁膜104上には画素電極15が形成され、画素電極15を覆うように配向膜105が形成されている。ガラス基板101におけるバックライト装置側(液晶層300側とは反対側)の面(背面)には偏光板106が設けられている。
【0032】
CF基板200では、ガラス基板201上にブラックマトリクス203及び着色部202(例えば、赤色部、緑色部、青色部)が形成され、これらを覆うようにオーバコート層204が形成されている。オーバコート層204上には配向膜205が形成されている。ガラス基板201における表示面側(液晶層300側とは反対側)の面(表面)には導電層206が設けられており、導電層206における表示面側(液晶層300側とは反対側)の面(表面)には偏光板207が設けられている。
【0033】
液晶層300には、液晶301が封入されている。液晶301は、誘電率異方性が負のネガ型液晶であってもよいし、誘電率異方性が正のポジ型液晶であってもよい。配向膜105,205は、ラビング配向処理が施された配向膜であってもよいし、光配向処理が施された光配向膜であってもよい。
【0034】
上記のように、液晶表示装置1は、TFT基板100及びCF基板200に略平行な電界を液晶層300に印加する横電界方式の構成を有している。液晶表示装置1は、例えば、IPS(In Plane Switching)方式の構成を有している。
【0035】
本実施形態に係る液晶表示装置1は、曲面状の表示面を有する横電界方式の構成において、CF基板200に配置される偏光板207が特徴的な構成を有することにより、表示画面のコーナー部付近に生じる輝度ムラの低減を実現するものである。以下では、偏光板207と、偏光板207に形成される切り欠き208の具体的な構成について説明する。
【0036】
図6は、偏光板207の具体的な構成を示す平面図である。偏光板207は、列方向に延在し、行方向に互いに対向配置される第1辺207a及び第2辺207bと、行方向に延在し、列方向に互いに対向配置される第3辺207c及び第4辺207dと、を含んでいる。第3辺207cは、第1辺207a及び第2辺207bの一端に接続されており、第4辺207dは、第1辺207a及び第2辺207bの他端に接続されている。偏光板207の各辺のうち駆動ドライバ(ここではソースドライバIC20及びゲートドライバIC30)に近い辺(ここでは第1辺207a)には、切り欠き208が形成されている。切り欠き208は、例えばコの字状に形成されており、第1辺207aにおける列方向の中央付近に形成されている。より詳細には、切り欠き208は、第1辺207aのうち、第3辺207c又は第4辺207dに接続された両端E1,E2よりも、両端E1,E2の間の中央位置M0に近い領域に形成されている。切り欠き208の行方向及び列方向の長さは、偏光板207の下に配置される導電層206(
図1参照)が露出し、導電層206の露出部分に接続部材400(
図1参照)を配置し得る程度の大きさに設定されている。
【0037】
図7は、
図1のA−A断面図である。
図7に示すように、切り欠き208が形成された部分の偏光板207の行方向の長さは、表示領域10aの行方向の長さより大きくなっている。また、切り欠き208が形成された部分の偏光板207の端部(
図7に示す左端部E3)の位置は、平面的に見て、表示領域10aより外側かつシール材60の内周部より内側に位置している。ただし、このような例に限定されず、切り欠き208が形成された部分の偏光板207の端部(
図7に示す左端部E3)の位置は、平面的に見て、シール材60の内周部より外側に位置していてもよい。また、切り欠き208が形成された部分とは反対側の偏光板207の端部(
図7に示す右端部E4)(第2辺207b)の位置は、平面的に見て、表示領域10aより外側に位置し、かつシール材60の外周部に一致している。
【0038】
図8は、
図1のB−B断面図である。
図8に示すように、偏光板207の行方向の長さは、表示領域10aの行方向の長さより大きくなっている。また、切り欠き208が形成されていない部分の偏光板207の両端部(
図8に示す左端部及び右端部)(第1辺207a及び第2辺207b)の位置は、平面的に見て、表示領域10aより外側に位置し、かつシール材60の外周部に一致している。尚、偏光板207の第3辺207c及び第4辺207dの位置についても、平面的に見て、表示領域10aより外側に位置し、かつシール材60の外周部に一致している。このように、平面的に見て、偏光板207は、切り欠き208が形成されていない周縁部が、シール材60に重なるように配置されている。尚、切り欠き208が形成された部分の偏光板207は、シール材60に重なっていてもよい。
【0039】
ここで、従来の構成では、導電層とアース端子とを接続するための領域等を確保するために、CF基板に設けられる偏光板における各辺のうち駆動ドライバに近い辺が、駆動ドライバから遠い辺に比べて表示領域に近い位置に配置される傾向にある。この構成では、CF基板における駆動ドライバに近い端部付近を保持し難くなるため、表示パネルにおける駆動ドライバに近いコーナー部付近の歪がより生じ易くなり、表示画面における駆動ドライバに近いコーナー部付近の輝度ムラがより目立つようになる。そこで、本実施形態に係る液晶表示装置1は、平面的に見て、偏光板207における、少なくとも駆動ドライバに近い辺(第1辺207a)の一部(切り欠き208が形成されていない部分)が、シール材60よりも内側ではなくシール材60に重なるように配置される構成を有している。これにより、少なくとも表示パネル10における駆動ドライバに近いコーナー部付近の歪を低減することができるため、従来の構成と比較して、表示画面におけるコーナー部付近に生じる輝度ムラを低減することができる。尚、上述したように、液晶表示装置1では、平面的に見て、偏光板207は、駆動ドライバに近い第1辺207aの一部に加えて、第2辺207b、第3辺207c及び第4辺207dが、シール材60に重なるように配置される構成とすることがより好ましい。これにより、表示パネル10における各コーナー部付近の歪を低減することができるため、表示画面における各コーナー部付近に生じる輝度ムラを低減することができる。
【0040】
図1及び
図6に示す偏光板207では、切り欠き208が、コの字状に形成されているが、切り欠き208の形状はこれに限定されない。例えば、
図9に示すように、
図6に示す切り欠き208の角部が円弧状に形成されていてもよい。
図9に示す構成によれば、偏光板207が湾曲したときに、切り欠き208の角部に応力が集中し難くなるため、切り欠き208の周辺の変形や損傷を低減することができる。よって、切り欠き208の周辺に生じ得る輝度ムラを低減することができる。尚、切り欠き208の角部が、多角形状に形成されていてもよい。
図9に示す切り欠き208の円弧部分の大きさは限定されず、例えば
図10に示すように、列方向に大きくなるように形成されていてもよい。
【0041】
また、本実施の形態によれば、第1基板としてのTFT基板100は、平面的に見て第2基板としてのCF基板200から第1方向(行方向)にはみ出たドライバ搭載領域100bを含み、駆動ドライバ(ソースドライバIC20、ゲートドライバIC30)は、ドライバ搭載領域100bに搭載されている。このような形態によれば、駆動ドライバを、曲げによる変形の影響を受けにくいドライバ搭載領域100bに配置することができるため、駆動ドライバを安定して設置することができると共に、駆動ドライバに接続された配線が断線するおそれを低減することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、切り欠き208は、第1辺207aのうち、第3辺207cまたは第4辺207dに接続された両端E1,E2よりも、両端E1,E2の間の中央位置M0に近い領域に形成されている。この場合、切り欠き208を、表示画面のコーナー部以外の領域に配置することができるため、コーナー部付近に生じ得る輝度ムラを、切り欠き208を形成することにより悪化させるおそれが極めて少ない。
【0043】
本発明に係る液晶表示装置は、上記構成に限定されない。例えば
図11及び
図12に示すように、液晶表示装置1は、さらに表示面側に前面板としてのカバーガラス210が設けられていてもよい。尚、
図11は、
図1に示すA−A断面と同じ部分の断面を示し、
図12は、
図1に示すB−B断面と同じ部分の断面を示している。カバーガラス210は、曲面状に形成されており、接着層209によりCF基板200に貼り付けられている。接着層209は、例えば紫外線硬化樹脂材料(OCR)で形成されている。具体的には、偏光板207の上に、偏光板207の全体を覆うように形成された接着層209が配置され、接着層209の上に、偏光板207の全体を覆うように形成されたカバーガラス210が配置される。接着層209は、
図11に示すように、切欠き部208上には配置されないように塗布されている。尚、接着層209は、切欠き部208上に塗布されても問題ない。接着層209に紫外線を照射することにより、カバーガラス210が偏光板207に接着固定される。これにより、曲面状の表示パネル10がカバーガラス210により保持される。上記構成によれば、偏光板207がCF基板200の周縁部まで配置され、カバーガラス210が偏光板207の周縁部を覆うように配置されるため、表示パネル10の周縁部までカバーガラス210で保持することができる。これにより、表示パネル10におけるコーナー部付近の歪を低減することができるため、表示画面のコーナー部付近に生じる輝度ムラを低減することができる。尚、上記液晶表示装置1では、接着層209及びカバーガラス210の代わりに、例えば、加熱することにより一軸方向に収縮する性質を有する熱収縮フィルムを用いてもよい。
【0044】
また、上記構成では、平面的に見て、シール材60は、該シール材60の外周部がCF基板200の周縁部に一致するように配置されているが、本発明に係る液晶表示装置は、
図13(a)、(b)に示すように、シール材60は、シール材60の外周部がCF基板200の周縁部より内側に位置するように配置されていてもよい。
図13に示す構成では、平面的に見て、偏光板207は、該偏光板207の周縁部のうち切り欠き208が形成されていない部分が、シール材60より外側に位置するように(シール材60を超えて)配置されている。尚、
図13に示す構成では、偏光板207は、少なくとも駆動ドライバに近い辺の一部が、シール材60より外側に位置していればよい。
【0045】
また、上記構成では、ソースドライバIC20及びゲートドライバIC30が、共に一側面側(
図1では左側面側)に配置されているが、本発明に係る液晶表示装置はこれに限定されず、例えばソースドライバIC20が左側面側に配置され、ゲートドライバIC30が上側面側に配置されてもよい。この場合、アース端子107と、偏光板207の切り欠き208とが、左側面側に配置されてもよいし、上側面側に配置されてもよいし、左側面及び上側面の両方にそれぞれ配置されてもよい。
【0046】
また、上記構成の液晶表示装置1では、行方向に湾曲するように曲げられているが(
図1(b)参照)、本発明に係る液晶表示装置は、列方向に湾曲するように曲げられていてもよく、曲げ方向は限定されない。また、上記構成の液晶表示装置1では、背面側が凸状になるように曲げられているが(
図1(b)参照)、本発明に係る液晶表示装置は、表示面側が凸状になるように曲げられていてもよく、凹凸の方向は限定されない。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。