(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-215420(P2017-215420A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20171110BHJP
B41J 13/076 20060101ALI20171110BHJP
B65H 29/70 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
G03G15/00 461
B41J13/076
B65H29/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-108326(P2016-108326)
(22)【出願日】2016年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】山添 淳史
【テーマコード(参考)】
2C059
2H072
3F053
【Fターム(参考)】
2C059CC02
2C059CC06
2H072CA01
2H072HB05
2H072JA02
3F053HA03
3F053HA07
3F053HB01
3F053HB02
3F053LA01
3F053LB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】排紙時の記録媒体へのダメージを軽減する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置は、搬送路と、定着器と、第1のローラ52と、軸71と、第2のローラ51Aと、突出部6と、を有する。搬送路は、記録媒体を搬送する。定着器は、記録媒体に形成された画像の定着を行う。第1のローラは、定着器よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置される。軸は、第1のローラの軸である。第2のローラは、第1のローラと対向し、軸と略平行である第1方向において、第1のローラの搬送路の中央側の端部よりも搬送路中央側に端部が突出している。突出部は、第2のローラ側に設けられ、第2のローラ側から第1のローラ側へ突出し、突出量が第2のローラよりも突出している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送路と、
記録媒体に形成された画像の定着を行う定着器と、
前記定着器よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置された第1のローラと、
前記第1のローラの軸と、
前記第1のローラと対向し、前記軸と略平行である第1方向において、前記第1のローラの前記搬送路の中央側の端部よりも前記搬送路中央側に端部が突出している第2のローラと、
前記第2のローラ側に設けられ、前記第2のローラ側から前記第1のローラ側へ突出し、突出量が前記第2のローラよりも突出している突出部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
駆動原と、
前記第1のローラと前記第2のローラの一方は前記駆動原の駆動力によって駆動する駆動ローラであり、
前記駆動ローラの外周面は、前記第1方向における中央部が凹んだ凹曲面である画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
駆動源を備え、
前記第2のローラは、前記駆動原の駆動力によって駆動する駆動ローラであり、
前記突出部は、前記駆動ローラと同軸上にあるコロであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記第1のローラと前記第2のローラの他方は、シートに連れ回る従動ローラであり、
前記駆動ローラは、前記従動ローラより前記第1方向において長いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第1方向に間隔を空けて位置する複数のローラ対を備え、
前記ローラ対は、所定のサイズの記録媒体の前記第1方向における両端部に対応する2つの第1のローラ対と、前記第1方向において2つの前記第1のローラ対の間にある第2のローラ対とを備え、
前記第1のローラ対は、前記第1のローラおよび前記第2のローラを備え、
前記第2のローラ対は、第3のローラと、前記第3のローラと対向し、前記第2のローラと同軸の第4のローラとを備え、
前記第2のローラ対では、前記第4のローラは前記第3のローラよりも前記第1方向において短く、前記第1方向において、前記第4のローラの両端は、前記第3のローラの両端の間にあることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、排紙時の記録媒体へのダメージを軽減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、定着器を通過した記録媒体を排紙ローラによって排出トレイに排出する(例えば特許文献1)。記録媒体は、定着器にて加圧と加熱によって定着器の回転方向へカールしやすくなる。記録媒体をカールしたまま排出トレイに排出すると、記録媒体が丸まってしまい記録媒体の積載性が悪くなる。そこで、記録媒体を排出トレイに排出する排紙ローラの機構部分に、記録媒体のカールを補正する補正部材が設けられる。しかしながら、この補正部材の機能によっては記録媒体のカールを補正する過程で、記録媒体にスジなどをつけるなど、記録媒体にダメージを与える場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−217187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、記録媒体が排紙されるにあたって、記録媒体へのダメージを低減し、積載性のよい画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、実施形態の画像形成装置は、搬送路と、定着器と、第1のローラと、軸と、第2のローラと、突出部と、を有する。搬送路は、記録媒体を搬送する。定着器は、記録媒体に形成された画像の定着を行う。第1のローラは、定着器よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置される。軸は、第1のローラの軸である。第2のローラは、第1のローラと対向し、軸と略平行である第1方向において、第1のローラの搬送路の中央側の端部よりも搬送路中央側に端部が突出している。突出部は、第2のローラ側に設けられ、第2のローラ側から第1のローラ側へ突出し、突出量が第2のローラよりも突出している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】
図2中左側の第1、第2のローラ対を拡大して示す図である。
【
図5】記録媒体にスジを発生させるおそれのある排紙ローラの構成を示す図である。
【
図6】記録媒体にスジを発生させるおそれのある第1のローラ対を拡大して示す図である。
【
図7】記録媒体にスジを発生させるおそれのある第1、第2のローラ対を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、画像形成装置200を示す図である。
画像形成装置200は、自動原稿搬送装置9により原稿トレイRt上の原稿を走査光学系10によって読み取る。画像形成装置200はカセット11を有する。カセット11には記録媒体が載置される。記録媒体は用紙、封筒、OHP記録媒体などである。画像形成装置200は、ピックアップローラ31〜34によりカセット11から記録媒体をピックアップし、記録媒体を搬送路13に搬送する。搬送路13は、カセット11側から排出トレイ37側まで延び、記録媒体を搬送する通路である。
【0008】
なお、以下の説明において、記録媒体はカセット11から排出トレイ37へと搬送されるため、カセット11側を記録媒体の搬送方向に対しての上流側とし、排出トレイ37側を搬送方向に対しての下流側とする。画像形成装置200は、カセット11からピックアップローラによってピックアップした記録媒体を搬送ローラやレジストローラによって二次転写位置Uへ搬送する。
【0009】
画像形成装置200は、原稿の画像データに基づき、レーザ光学系30によって感光体ドラム2Y〜2K(2Y,2M,2C,2K。他の符号も同様。)上に静電潜像を形成する。画像形成装置200は、現像器3Y〜3Kを駆動し、Y〜Kのトナーにより感光体ドラム2Y〜2K上の静電潜像を現像して感光体ドラム2Y〜2K上にY〜Kのトナー画像を形成する。
【0010】
画像形成装置200は、感光体ドラム2Y〜2K上のY〜Kのトナー画像を転写ベルト35上にY,M,C,Kの順に重ねて転写し、転写ベルト35上に1枚のカラーのトナー画像を形成する。画像形成装置200は、転写ベルト35上のトナー画像を二次転写位置Uにて記録媒体に転写する。
【0011】
画像形成装置200は、記録媒体を定着器36にて加熱する。定着器26はトナー画像を記録媒体に定着させる。定着器36は熱源を有する。定着器36は熱源によって加熱されるヒートローラ361とこのヒートローラ361を加圧する加圧ローラ362を有する。ヒートローラ361は、搬送路13の記録媒体を挟んで対向する両側のうち、転写ベルト35がある側にある。ヒートローラ361は、片面印刷時に、記録媒体のトナー画像が形成される面側を加熱する。なお、熱源の種類は問わない。熱源はハロゲンランプ等のランプヒータで構成しても良いし、サーマルヘッドのような抵抗加熱体であっても良い。また、熱源は、誘導加熱(IH)方式のヒータであっても良い。画像形成装置200は、排紙ローラ4によって、定着処理後の記録媒体を排出トレイ37上に排出する。
【0012】
図2は、排紙ローラ4の構成を示す図である。
排紙ローラ4は記録媒体を排出トレイ37へ搬送するためのローラである。排紙ローラ4は定着器26の搬送方向下流側かつ、排出トレイ37の搬送方向上流側に設けられる。排紙ローラ4は排出トレイ37の近傍に設けられる。この排紙ローラ4によって、記録媒体は排出トレイ37へ排出される。排紙ローラ4は、ローラ対5を複数有する。排紙ローラ4は補正用コロ6(突出部)を複数備える。また、ローラ対5の軸として、駆動軸71と軸72を有する。ここで、排紙ローラ4の軸方向(駆動軸71と略平行を方向)を第1方向とし、第1方向に直交する方向を第2方向とする。
【0013】
排紙ローラ4は記録媒体のカールを補正する役割を有する。記録媒体が定着器26を通過すると、記録媒体が定着器26から熱と圧力を受けるため、記録媒体がカールすることがある。カールした状態で記録媒体を排出トレイ37に排出すると、記録媒体の積載性が損なわれる。このため、排紙ローラ4は排紙ローラ4の軸方向と直交する第2方向へ、記録媒体を撓ませて、記録媒体のカールを補正する。
【0014】
ローラ対5は、記録媒体の搬送方向と直交する第1方向に間隔を空けて複数位置する。
【0015】
第1のローラ対5Aは、駆動ローラ51A(第2のローラ)および従動ローラ52(第1のローラ)を備える。第2のローラ対5Bは、駆動ローラ51B(第4のローラ)および従動ローラ52(第3のローラ)を備える。駆動ローラ51A、51Bは、搬送路13の記録媒体を挟んで対向する両側のうち、転写ベルト35やヒートローラ361側にある。駆動ローラ51A、51Bは、片面印刷時に、記録媒体のトナー画像が形成される面側に接触する。駆動ローラ51A、51Bは、搬送路13の記録媒体を挟んで対向する両側のうち、転写ベルト35やヒートローラ361が無い側にあってもよい。
【0016】
駆動ローラ51A、51Bは、不図示の駆動源が回動させる駆動軸71上にある。駆動ローラ51A、51Bは、同一径である。駆動ローラ51A、51Bは、従動ローラ52と対向し、記録媒体が無い状態では従動ローラ52と接触する。駆動ローラ51Aは、駆動ローラ51Bより第1方向に長い。
【0017】
第1のローラ対5Aは記録媒体の所定サイズ(例えばA4サイズの用紙)の両端部に対応する位置に設けられる。第2のローラ対5Bは、第1のローラ対5Aに挟まれる形で配置される。以下、A4サイズの幅を例に挙げて、第1のローラ対5Aを説明する。
【0018】
第1、第2のローラ対5A,5Bの各従動ローラ52は、同じ構成である。従動ローラ52は、軸72上に設けられている。従動ローラ52は回転可能であり、記録媒体や駆動ローラ51A、51Bに連れ回る。
【0019】
補正用コロ6は、駆動軸71上において、各駆動ローラ51A,51Bの間にある。
【0020】
図3は、
図2中左側の第1、第2のローラ対5A,5Bを拡大して示す図である。以下、第1方向において、搬送路13の中央側を搬送路中央側(
図3中右側)と記載し、搬送路13の端側を搬送路端側(
図3中左側)と記載する。
【0021】
第1のローラ対5Aでは、駆動ローラ51Aは、従動ローラ52より第1方向において長い。第1方向において、駆動ローラ51Aの搬送路中央側の端部511は、従動ローラ52の搬送路中央側の端部521よりも搬送路中央側に突出する。第1方向において、駆動ローラ51Aの搬送路端側の端部512は、従動ローラ52の搬送路端側の端部522よりも搬送路中央側にある。
【0022】
第2のローラ対5Bでは、駆動ローラ51Bは、従動ローラ52よりも第1方向において短い。第1方向において、駆動ローラ51Bの両端部513,514(両端)は、従動ローラ52の両端部523,524(両端)の間にある。
【0023】
補正用コロ6は、駆動ローラ51A,51Bより径が大きい。換言すると、補正用コロ6は、駆動ローラ51A,51B側から従動ローラ52側へ突出し、突出量が駆動ローラ51A,51Bよりも突出している。
【0024】
従動ローラ52の端部521において、第2方向における駆動ローラ51A側の端にある点をP1とし、P1から第1方向に引いた線をL1とする。補正用コロ6において、第2方向における従動ローラ52側に位置し、かつ搬送路端側の端に位置する点をP2とする。点P2と点P1とを結ぶ線をL2とする。L1とL2との成す角θは4.6°以上である。
【0025】
図4は、第1のローラ対5Aを拡大して示す図である。
駆動ローラ51Aの外周面は、第1方向における中央部が凹んだ凹曲面である。
【0026】
従動ローラ52の外周面は、第1方向に平坦である。
駆動ローラ51Aの外周面の第1方向における中央部と従動ローラ52の外周面との第2方向の距離Dは、例えば20〜30ミクロンに設定される。
【0027】
以下、まず、記録媒体にスジを発生させるおそれのある排紙ローラ400の構成および排紙ローラ400の記録媒体への作用を説明する。続いて、本実施形態の排紙ローラ4の記録媒体への作用を説明する。以下の説明では、排紙ローラ400の各要素に対し、本実施形態の各要素と同じ符号を付す。
【0028】
図5は、記録媒体にスジを発生させるおそれのある排紙ローラ400の構成を示す図である。
排紙ローラ400における第1のローラ対5Aの構成は、第2のローラ対5Bの構成と同様である。
【0029】
図6は、
図5中左側の第1のローラ対5Aを拡大して示す図である。
第1のローラ対5Aでは、駆動ローラ51Aの外周面は、中央部が凹んだ凹曲面である。第1方向において、駆動ローラ51Aの両端部511,512は、従動ローラ52の両端部521,522の間にある。
【0030】
排紙ローラ400では、記録媒体の端縁が第1のローラ対5Aの中央に位置する場合、記録媒体の端縁には、駆動ローラ51Aの中央部が接触し、記録媒体の端縁の搬送路中央側には、駆動ローラ51Aの搬送路中央側の端部511が接触する。駆動ローラ51Aの外周面が凹曲面であることから、駆動ローラ51Aの端部511の方が中央部よりも接触圧が大きい。そのため、記録媒体の端縁部には、記録媒体を搬送路中央側に引きずり込む力F1が生じる。
【0031】
図7は、排紙ローラ400の第1、第2のローラ対5A,5Bを拡大して示す図である。
また、補正用コロ6が、記録媒体を第2方向における従動ローラ52側に撓ませることによっても、記録媒体の端縁部には、記録媒体を搬送路中央側に引きずり込む力F2が生じる。排紙ローラ400の構成では、これらの力F1,F2により、記録媒体の端縁部が第1のローラ対5Aの間から搬送路中央側に引きずり込まれ、記録媒体にスジ(折れ)が生じる場合があった。
【0032】
図4に戻り、本実施形態では、駆動ローラ51Aの搬送路中央側の端部511は、従動ローラ52の搬送路中央側の端部521よりも搬送路中央側に突出する。そのため、本実施形態では、記録媒体の端縁が第1のローラ対5Aの中央に位置する場合、駆動ローラ51Aの搬送路中央側の端部511は、記録媒体の端縁部を従動ローラ52と挟持しない。
【0033】
これにより、本実施形態では、記録媒体の端縁部に、記録媒体を搬送路中央側に引きずり込む第1のローラ対5Aによる力F1が生じることを抑制できる。従って、本実施形態では、
図3に示すように、記録媒体の端縁部には、補正用コロ6による力F2が加わるのみとなる。力F2のみでは記録媒体の折れが生じないので、本実施形態では、第1のローラ対5Aに起因して記録媒体にスジが生じることを抑制できる。よって、本実施形態では、排紙時の記録媒体へのダメージを軽減できる。
【0034】
本実施形態では、補正用コロ6は、駆動ローラ51Aと同軸上に駆動源の駆動力を受けて回転するので、従動ローラ52の軸72上にある場合に比べ、シートへより強く作用でき、カールを効果的に抑制できる。
【0035】
本実施形態では、記録媒体が搬送方向に対して反り返るカールを抑制することが可能である。例えば記録媒体が用紙である場合では、定着時に、記録媒体において、温度の低い加圧ローラ362との接触面側に水分が移動する。そのため、記録媒体の加圧ローラ362との接触面側の水分の蒸発量が、ヒートローラ361との接触面側の水分の蒸発量より多くなる。これにより、記録媒体において、加圧ローラ362との接触面側が縮み、搬送路端側が加圧ローラ362との接触面側に向かってカールしやすくなる。本実施形態では、補正用コロ6は、記録媒体の搬送路端部の内側(搬送路中央側)を加圧ローラ362との接触面側に向かって押すので、ヒートローラ361との接触面側に向かって押す場合に比べ、効果的にカールを抑制できる。
【0036】
本実施形態では、記録媒体の所定サイズ(例えばA4サイズの用紙)の両端部に対応する各第1のローラ対5Aにて、端部511が従動ローラ52の端部521よりも搬送路中央側に突出する。そのため、所定サイズの記録媒体における両端縁部において、スジの発生を抑制できる。
【0037】
所定サイズの記録媒体の搬送路端側を搬送する第1のローラ対5Aでは、駆動ローラ51Aは、従動ローラ52に圧接するように設けられるところ、外周面が凹曲面となっている。そのため、駆動ローラ51Aの中央部のみならず端部512も従動ローラ52に圧接する。従って、本実施形態では、第1のローラ対5Aにおけるシートの搬送力を良好にできる。
【0038】
所定サイズの記録媒体の搬送路中央側を搬送する第2のローラ対5Bでは、駆動ローラ51Bの両端部513,514が、従動ローラ52の両端部523,524の内側に位置する。駆動ローラ51Bの外周面は凹曲面となっているので、中央部のみならず両端部523,524が十分に従動ローラ52に圧接する。このように、所定サイズの記録媒体の搬送路中央側を搬送する第2のローラ対5Bでは、記録媒体の搬送路端側を搬送する第2のローラ対5Aと異なり、スジが生じづらい部分を搬送するので、搬送力を重視した構成となっている。従って、本実施形態の搬送ローラ4は、搬送力と排紙時の記録媒体へのダメージの抑制とを効率よく実現できる。
【0039】
(変形例)
第1のローラ対5Aは、A4サイズ以外の他のサイズの記録媒体の第1方向における両端部に対応する位置にあってもよい。
【0040】
第2のローラ対5Bでも、駆動ローラ51Bの搬送路中央側の端部513が従動ローラ52の搬送路中央側の端部523よりも搬送路中央側に突出してもよい。
【0041】
補正用コロ6が駆動ローラ51A,51Bと同軸でなくてもよい。補正用コロ6は、搬送路中央側に突出している従動ローラ52または駆動ローラ51A,51B側にあればよい。
【0042】
突出部は、本実施形態のようにコロ(ローラ)でなくてもよい。突出部は、第1方向において、駆動ローラ51A,51Aおよび従動ローラ52とずれた位置にあればよく、定着処理後のシートの熱によるカールを抑制するために、シートを面外方向に撓ませればよい。突出部は、従動ローラ52と同軸上にあってもよいし、駆動ローラ51A,51Aや従動ローラ52の軸上に無くてもよい。突出部は、シートの搬送方向において駆動ローラ51A,51Aや従動ローラ52と同じ位置に無くてもよい。
【符号の説明】
【0043】
5A…第1のローラ対、5B…第2のローラ対、6…補正用コロ(突出部)、13…搬送路、36…定着器、51A…駆動ローラ(第2のローラ)、51B…駆動ローラ(第4のローラ)、52…従動ローラ(第1のローラ、第3のローラ)、71…軸、200…画像形成装置、511…搬送路中央側の第2のローラの端部、513,514…第4のローラの両端、521…搬送路中央側の第1のローラの端部、523,524…第3のローラの両端。