【解決手段】表面改質された光学部材であって、光学部材は、その表面の酸化物からなるバッファー層と、バッファー層表面の表面改質層を有し、表面改質層は、エーテル結合を有する分子とエーテル結合を有していない分子が互いに分散していることを特徴とする光学部材。
前記表面改質層における前記エーテル結合を有する分子と前記エーテル結合を有していない分子の配合比は、重量比で1:2〜2:1であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に示すような従来のUVカットフィルターは、UVに対しては耐久性を有するものの、大気中の腐食性成分に対する対環境性、腐食性の化学薬品に対する耐薬品性については検討されておらず、経年により劣化してしまう。また、耐UV層を接着剤組成物を介して積層しているので、光学特性に影響を及ぼすという問題があった。
【0006】
ところで、耐薬品性、耐UV性を有する層を形成するための組成物としては、エーテル結合を有さないフッ素系の撥水撥油コート、例えばフルオロアルキルシラン化合物等が知られている。この撥水撥油コート層は、エーテル結合を有さないため、撥水撥油コート層を構成する分子の安定性が高く、腐食性物質やUVに対する耐久性が高い(以下、エーテル基を有さないフッ素系撥水撥油コートおよび原料を、コートBおよび溶剤B等と略称する場合がある)。
【0007】
しかしながら、エーテル結合を有さないフッ素系撥水撥油コート(B)は、撥水角が低く、すなわち防汚性が悪い。また、物理的な膜の耐久性、すなわち基材との密着力が低いという問題があった。
【0008】
防汚性、基材との密着力という観点からは、例えば、ダイキン、信越化学、ダウコーニング、3Mなどで発売されている単分子撥水撥油コート原料が知られている。この単分子撥水撥油コート原料は、有効成分の分子中にエーテル結合を有しているため、長鎖構造の分子が特定方向に配向して物品表面に単分子膜を形成する(以下、エーテル基を有する撥水撥油コートおよび原料を、コートAおよび溶剤A等と略称する場合がある)。このエーテル結合を含む単分子膜は、高い撥水角のため、光学素子や部材に塗布した際の撥水撥油コート層の防汚性や耐久性を向上させる。
【0009】
しかしながら、単分子撥水撥油コート(A)は、分子中のエーテル結合が上述した腐食性の物質やUVによって容易に反応してしまい、これが撥水撥油コート層を劣化させてしまうという問題があった。
【0010】
そこで、発明者らは、鋭意研究を重ね、上述したエーテル結合を有するために劣化してしまう(A)溶剤と、エーテル結合を備えていないことで劣化しない(B)溶剤とを所望の割合で混合し、レンズや液晶画面などの光学素子や部材に積層し試験したところ、防汚性、耐久性に優れ、かつ、耐薬品性、耐環境性、耐UV性も両立させた表面改質層を完成させた。
【0011】
本発明では、レンズや液晶画面などとの密着力が強く、防汚性、耐薬品性、耐環境性、耐UV性に優れた表面改質層を積層した光学部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決する請求項1に記載の発明は、表面改質された光学部材であって、光学部材は、その表面の酸化物からなるバッファー層と、バッファー層表面の表面改質層を有し、表面改質層は、エーテル結合を有する分子とエーテル結合を有していない分子が互いに分散していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エーテル結合を有する溶質を溶解してなる溶剤(A)と、エーテル結合を有していない溶質を溶解してなる溶剤(B)とを混合して完全に混和させた状態で塗布しているので、表面改質層中では、エーテル結合を有する分子とエーテル結合を有していない分子が互いに分散して、溶剤(A)の防汚性、耐久性と、溶剤(B)の耐薬品性、耐環境性、耐UV性を両立することができる。また、物品の表面にバッファー層を積層した後に、溶剤を積層するので、溶剤のOH基とバッファー層のOH基の共有結合によって両者の密着力が格段に良くなり、防汚性、耐久性、耐薬品性、耐環境性、耐UV性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明に係る光学部材4の一例として、例えばレンズを示す模式図である。レンズのような光学素子や、ガラス板といった光学部材の基材1の表面にバッファー層(酸化物層)2と表面改質層3とを順次積層して、表面が改質された光学部材4を形成する。レンズの材質は、ガラス(二酸化ケイ素)、水晶、プラスチックなどの樹脂とすることができる。本発明は、レンズに限定されず、それ以外にも、プリズムなど、光学特性に影響を及ぼすあらゆる光学素子に、また、液晶画面やセンサーの保護カバー等の光学部材等に適用することができる。本発明でいうところの光学部材は、光学素子を含む。
【0016】
図1に示す表面が改質された光学部材の製造方法を以下に説明する。
図2は本発明の実施形態に係る表面改質剤を光学部材に積層させる工程を示す模式図である。
図2の光学部材4は、表面に凹凸を有しているが、平滑であっても同様である。この光学部材の基材1にバッファー層2と表面改質層3とを順次積層して光学部材4を形成する。
【0017】
図1(a)に示すように、まず光学部材の基材1を準備する。この基材1の材質は、光学部材として使用できる材質であれば限定されないが、透明・半透明のガラス、水晶、樹脂等が考えられる。
【0018】
次に、基材1の表面を改質する。これは、基材1の表面へのプラズマ照射などによる。また、基材1の表面に、エキシマレーザー光を照射し、活性化させることもできる。エキシマレーザー光を照射する場合、その時間は30秒から1分程度である。
【0019】
次に、
図1(b)に示すように、光学部材の基材1の表面にバッファー層2として酸化物層である二酸化ケイ素(SiO
2)を積層する。このバッファー層2の積層は、ウェットコート法、ドライコート法による。また、イオンアシスト法、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法のいずれかで行うことができる。なお、バッファー層2としては、Al
2O
3、ZnO、SnO
2等のあらゆる金属酸化物が使用可能であるが、二酸化ケイ素(SiO
2)が最も好ましい。
【0020】
次に、エーテル基を有する撥水撥油コート原料(A)を、可溶な溶媒に溶解して溶剤(A)を調製し、また、エーテル基を有さないフッ素系撥水撥油コート原料(B)を可溶な溶媒に溶解して溶剤(B)を調製し、これら溶剤を混合して撥水撥油コート原料(A)と(B)が均一に混合された本発明の表面改質剤を準備しておく。
【0021】
表面改質剤が塗布可能となったら、バッファー層2の表面をプラズマやDUV(遠紫外線、波長約200nm以下)などにより改質する。これにより、
図1(c)に示すように、バッファー層2の酸素原子が(バッファー層Si)−OH基として励起される。そして、このバッファー層2の表面に、調製した表面改質剤を塗布して撥水撥油性を示す表面改質層3を形成する。この時、表面改質剤中のエーテル基を有さないフッ素系撥水撥油コート原料(B)として後述するアルコキシル基を有するフルオロアルキルシランを用いる場合、アルコキシル基が加水分解されて(表面改質層Si)−OH基を生じ、
図1(d)の模式図に示すようにバッファー層2のOH基との間にSi−O−Si(シロキサン)結合を生じ、表面改質層3とバッファー層2が強固に密着し、
図1(e)の状態となる。
【0022】
表面改質層3の形成は、浸漬法、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的蒸着法のいずれかで行うことができる。これにより、光学部材の基材1の表面にバッファー層2と、表面改質層3とが形成され、光学部材4が準備される。
【0023】
本実施形態に係る表面改質された光学部材においては、エーテル結合を含む撥水撥油コート(A)によって素子の防汚性、耐久性(素子と表面改質層の密着力)を、そしてエーテル結合を含まない撥水撥油コート(B)によって耐薬品性、耐環境性、耐UV性を極めて高くすることができる。さらに、バッファー層と、耐環境性層とが、化学結合、即ちOH基由来のシロキサン結合により強固に結びつくことにより、さらに密着力を高めることができる。
【0024】
本発明の表面改質層3は、例えば、フルオロアルキルシランなどのエーテル結合を有すると共に、極わずかにエーテル結合を有していない組成からなる化学物質であるが、これ以外にも、エーテル結合を有してないフッ素化合物は、以下に示すとおり、同様に、耐薬品性、耐環境性、耐UV性の効果を発揮することができる。
【0025】
エーテル基を有さないフッ素系撥水撥油コート原料(B)に用いる溶質としては、フルオロアルキル基を含有するオルガノシランを使用することが好ましい。公知のフッ素系シランカップリング剤を広く使用でき、その具体例としては、例えば、下記に示すフルオロアルキルシランの1種もしくは2種以上の加水分解縮合物又は共加水分解縮合物が挙げられる。
CF
3(CF
2)
3CH
2CH
2Si(OCH
3)
3;
CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2Si(OCH
3)
3;
CF
3(CF
2)
7CH
2CH
2Si(OCH
3)
3;
CF
3(CF
2)
9CH
2CH
2Si(OCH
3)
3;
(CF
3)
2CF(CF
2)
4CH
2CH
2Si(OCH
3)
3;
(CF
3)
2CF(CF
2)
6CH
2CH
2Si(OCH
3)
3;
(CF
3)
2CF(CF
2)
8CH
2CH
2Si(OCH
3)
3;
CF
3(C
6H
4)C
2H
4Si(OCH
3)
3;
CF
3(CF
2)
3(C
6H
4)C
2H
4Si(OCH
3)
3;
CF
3(CF
2)
5(C
6H
4)C
2H
4Si(OCH
3)
3;
CF
3(CF
2)
7(C
6H
4)C
2H
4Si(OCH
3)
3;
CF
3(CF
2)
3CH
2CH
2SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(CF
2)
7CH
2CH
2SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(CF
2)
9CH
2CH
2SiCH
3(OCH
3)
2;
(CF
3)
2CF(CF
2)
4CH
2CH
2SiCH
3(OCH
3)
2;
(CF
3)
2CF(CF
2)
6CH
2CH
2SiCH
3(OCH
3)
2;
(CF
3)
2CF(CF
2)
8CH
2CH
2SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(C
6H
4)C
2H
4SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(CF
2)
3(C
6H
4)C
2H
4SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(CF
2)
5(C
6H
4)C
2H
4SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(CF
2)
7(C
6H
4)C
2H
4SiCH
3(OCH
3)
2;
CF
3(CF
2)
3CH
2CH
2Si(OCH
2CH
3)
3;
CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2Si(OCH
2CH
3)
3;
CF
3(CF
2)
7CH
2CH
2Si(OCH
2CH
3)
3;及び
CF
3(CF
2)
9CH
2CH
2Si(OCH
2CH
3)
3
【0026】
エーテル基を有する撥水撥油コート原料(A)に用いる溶質としては、公知の撥水撥油コート原料からエーテル基を有する化合物を選択することができ、特に限定されないが、例えば、特表2005−527677号公報、特開2004−225009号公報、特許第3275402号、特許第3433024号等に開示されているように、各種の脂肪族エーテル、芳香族エーテル等の化合物が知られており、官能基がフッ素置換されたものが好ましい。
【0027】
エーテル基を有さないフッ素系撥水撥油コート原料(B)は、選択した化合物を可溶な溶媒に溶解させて溶剤(B)を調製する。そのような溶媒としては、アルコールが挙げられ、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノールなどが好ましく、特に、IPAが好ましい。
【0028】
エーテル基を有する撥水撥油コート原料(A)は、選択した化合物を可溶な溶媒に溶解させて溶剤(A)を調製する。そのような溶媒としては、フッ素系溶媒が挙げられ、HFE類、HFC類、HFO類が好ましく、特に、HFE類が好ましい。
【0029】
このようにして撥水撥油コート溶剤(A)および撥水撥油コート溶剤(B)を準備したら、所定の割合で両溶剤を完全に混和させる。この時、一度に両溶剤を加えても、分離・白濁してしまう。本発明においては、両溶剤のうち相対的に少量用いる方の溶剤を、相対的に多量用いる方の溶剤に少量添加・攪拌し、分離しないことを確認した後に添加・攪拌を繰り返し、本発明の表面改質剤とする。調整後の表面改質剤が完全に混和したものであることは、溶剤が白濁せず透明であることで判断でき、具体的には溶剤の散乱を測定すればよい。
【0030】
本発明の表面改質剤中の撥水撥油コート溶剤(A)および撥水撥油コート溶剤(B)の配合比は、乾燥後の表面改質層中の撥水撥油コート(A)と撥水撥油コート(B)の重量比で1:2〜2:1であることが好ましく、1:1が更に好ましい。
【0031】
本発明で使用する表面改質剤は、耐薬品性、耐環境性、耐UV性が求められるあらゆる物品に適用することができるのであり、本実施形態で説明した光学部材に限定されず、他の金属製品や、ガラス、樹脂等にも適用することができる。なお、表面改質層をガラス上に形成する場合は、バッファー層の形成を省略することができる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明する。
(1)エーテル基を有する撥水撥油コート溶剤Aとエーテル基を有さない撥水撥油コート溶剤Bの配合比の検討
[実施例1]
商品名:DSX(ダイキン工業製)をハイドロフルオロエーテル(HFE)に溶解して0.1%の溶剤Aとした。また、商品名:XC98-C4626(モメンティブ社製)をイソプロピルアルコール(IPA)に溶解して0.1%の溶剤Bとした。これらをAとBの溶質が重量比で1.0:0.5となるように混合し、実施例1の表面改質剤を調製した。以下、全ての例において、混合にあたっては、両溶剤の分離を防ぐため、溶剤AとBのうち量の多い溶剤に対して少ない溶剤を少量ずつ加えて攪拌し、分離しないことを確認して添加と攪拌を繰り返し、最終的な配合比に到達させた。
【0033】
[実施例2]
AとBの溶質が重量比で1.0:1.0となるように混合した以外は実施例1と同様にして、実施例2の表面改質剤を調製した。
【0034】
[実施例3]
AとBの溶質が重量比で1.0:2.0となるように混合した以外は実施例1と同様にして、実施例3の表面改質剤を調製した。
【0035】
[比較例1]
溶剤Aのみを比較例1の表面改質剤とした。
【0036】
[比較例2]
AとBの溶質が重量比で1.0:0.1となるように混合した以外は実施例1と同様にして、比較例2の表面改質剤を調製した。
【0037】
[比較例3]
AとBの溶質が重量比で1.0:10.0となるように混合した以外は実施例1と同様にして、比較例3の表面改質剤を調製した。この場合、液の白濁が生じた。
【0038】
[比較例4]
溶剤Bのみを比較例4の表面改質剤とした。
【0039】
基材白板ガラス(BK7)の表面に、蒸着法によって二酸化ケイ素のバッファー層を形成した。続いて、エキシマバリアランプによるDUVの照射によってバッファー層表面を活性化し、表面にディップ、あるいはスピン、あるいはスリットコーターを用いて塗布した実施例1〜3および比較例1〜4の表面改質剤により表面改質層を形成した。
【0040】
表面改質した物品の実際の使用環境における腐食性や酸化性のあるガスによるダメージの影響を確認するため、ダメージを受けていると考えられる結合に対しアタックする環境を作成し、性能の変化を確認した。具体的には、実施例および比較例の各サンプル表面に水滴を付着させ、濡れ性を示す接触角を測定した。その後、各サンプルをガス雰囲気中(硫黄系、塩素系、硝酸性、過酸化物系など)に載置し、190℃で48時間保持して耐ガス試験とした。耐ガス試験後、サンプル表面に水滴を付着させて再度接触角を測定した。実施例および比較例における溶剤配合比、耐ガス試験結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示すように、実施例の表面改質剤では、初期の接触角は僅かに低下してしまうが、耐ガス試験後の接触角の減少が抑制されており、すなわち、耐ガス性が向上している。比較例1、2では、接触角は大幅に減少しており、腐食性ガスによって表面改質層が劣化したことを意味する。なお、比較例3、4では試験前後で接触角はほとんど低下していないが、これはエーテル基を有さない溶剤Bの存在による。実施例では、溶剤Bが半減しているにも関わらず、同等の性能を示した。
【0043】
(2)耐ガス性、耐UV性試験
溶剤配合比の検討で最も性能の高かった実施例2と、比較例1のサンプルをガス雰囲気中に載置し、190℃で48時間および120時間保持して耐ガス試験とした。また、太陽光を100時間および300時間照射し、サンシャインウェザー試験とした。(1)と同様に試験前後の接触角を測定した。試験結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2に示すように、実施例2の表面改質剤では、120時間経過後の接触角の減少が抑制されているのに対して、比較例1では、接触角は半分以下に減少しており、本発明の耐ガス性の高さが示された。
【0046】
また、サンシャインウェザー試験においては、実施例2は試験前から100時間経過後に僅かに接触角が低下したものの、300時間経過後においても数値に変化は無かったが、比較例では100時間経過後に接触角が大幅に減少したので300時間の試験を中止した。このように、本発明の耐UV性の高さが示された。
【0047】
(3)耐摩耗性試験
溶剤配合比の検討で最も性能の高かった実施例2と、比較例1の表面改質層に対して、消しゴムを用い、移動距離30mm、500g荷重、接触面積φ10mmにて所定の回数往復させて擦り試験を行った。(1)と同様に、試験前後の接触角の測定を行った。試験結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
表3に示すように、比較例はエーテル基を有する撥水撥油コート溶剤Aが主に含まれていて耐久性が高いため、接触角の減少はほとんど見られなかった。一方、実施例では、エーテル基を有する撥水撥油コート溶剤Aの含有量が半減しているにも関わらず、接触角の減少は僅かであり、現行品と同等の性能を示した。
【0050】
このように、本発明の表面改質剤は、エーテル基を有する溶剤Aとエーテル基を有さない溶剤Bを混合させており、ほぼ溶質Aからなる溶剤やほぼ溶質Bからなる溶剤から比較すると各成分は半減しているにも関わらず、含有量の低下に伴って両者の性能が低下せず、性能を両立させるという予期できない効果を奏する。