【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者はシリーズレギュレータの出力電圧の負荷応答を高速化することについて検討した。
図12には本発明者が検討したシリーズレギュレータとして、例えば表示ドライバのロジック回路に動作電源を供給するロジック用電源回路のシリーズレギュレータが例示される。出力電圧の電流負荷応答を高速化するため最終段をソースフォロアにしているが、アンプは非反転入力端子(+)に入力電圧VINとして基準電圧を入力し反転入力端子(−)に出力電圧VOUTが帰還された1段目増幅段としての差動アンプと2段目増幅段としてのソース接地アンプによる一般的な2段増幅で構成されている。したがって、アンプの応答速度は増幅段2段分の遅延が生じ、外部の安定化容量が無い場合には、高速な電流負荷変動に対してシリーズレギュレータの出力電圧を安定して制御することができない。
【0005】
アンプの応答速度を高めるため、
図13のようにアンプの増幅段を差動アンプ1段のみにすると、アンプの増幅率が小さいため、入力電圧はVIN≠VOUTとなり、シリーズレギュレータの入出力電圧が一致しない。即ち、2入力の差動アンプは
図14においてフィードバックさせない場合にアンプの非反転入力端子及び反転入力端子の双方の入力電圧がVINで等しく、そのときの出力電圧をV0とすると、入力電圧VINの電圧にもよるがほとんどの条件でVIN≠V0である。ここで、入力電圧VINと出力電圧V0の電圧差を
ΔV=VIN−V0
とすると、アンプが例えば5Vレンジ動作であれば、差電圧ΔVは4V程度の場合もある。
【0006】
図14においてアンプにフィードバック制御をかけた場合、アンプの増幅率(電圧増幅度)Avにより
図4に示される式
ΔV=VOUT−V0=Av(VIN−VOUT)
が成り立つ。
図12の2段増幅のような場合に増幅率が10000倍程度になるので、電圧差ΔVは増幅率が大きく寄与するので、
ΔV=VOUT−V0=4V=10000×(VIN−VOUT)
VIN−VOUT=4V/10000=0.4mV
となり、VIN≒VOUTである。これに対し、
図13の1段増幅のように増幅率が100倍程度に過ぎない場合は、
ΔV=VOUT−V0=4V=100×(VIN−VOUT)
VIN−VOUT=4V/100=40mV
となり、VIN≠VOUTである。しかも、ΔVは入力電圧VIN及び電源電圧によって変動するため、シリーズレギュレータは出力VOUTに所望の電圧を出力することができない。
【0007】
このように、シリーズレギュレータのアンプを2段増幅とすればアンプの応答速度が増幅段2段分の遅延を生じ、外部に安定化容量を設けなければ、高速な電流負荷変動に対してシリーズレギュレータの出力電圧を安定化させることはできず、アンプを1段増幅にして応答速度を高めようとすればアンプの増幅率が小さいためにシリーズレギュレータの入出力電圧が一致しなくなる。
【0008】
本発明の目的は、安定化容量を削減しても、シリーズレギュレータの出力電圧に良好な負荷応答性を得ること、即ち、出力の電流変動に対する安定性を容易に確保することにある。
【0009】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。尚、本項において括弧内に記載した図面内参照符号などは理解を容易化するための一例である。
【0011】
〔1〕<1段増幅の差動アンプ、レベルシフタ及びソースフォロアを有するシリーズレギュレータ>
シリーズレギュレータ(1)は、差動アンプ(2)、ゲートにドレインが接続されたレベルシフトトランジスタ(MN7,MP12,MN15,MP16)を含むレベルシフタ(3,3_A,3_B,5,5_A,7,7_A)、及び出力トランジスタ(MN10,MP13,MN17,MP18)を含むソースフォロア(4,4_A,4_B,6,6_A,8)を備える。前記差動アンプは、基準電圧(VIN)を入力する非反転入力端子(T1)、帰還電圧(VOUT)を入力する反転入力端子(T2)及び増幅出力端子(T3)を有する増幅段を一段備え、前記非反転入力端子の入力電圧(VIN)に対する前記増幅出力端子の出力電圧(PVOUT)の誤差が前記入力トランジスタのゲートソース間電圧(VGSP,VGSN)以下とされる直流動作点を有し、前記反転入力端子に前記ソースフォロアのフォロア出力端子が帰還接続される。前記レベルシフタは、前記増幅出力端子の出力電圧を前記レベルシフトトランジスタのソースに入力しそのゲート電圧をシフト電圧として出力する。前記ソースフォロアは、前記レベルシフタからの前記シフト電圧を前記出力トランジスタのゲートに受けて、当該出力トランジスタのソースを前記フォロア出力端子(T4)とする。
【0012】
これによれば、1段増幅の差動アンプは2段増幅に比べて負荷変動に対する増幅動作遅延が小さい。更に、差動アンプは非反転入力端子の入力電圧に対する前記増幅出力端子の出力電圧の誤差が入力トランジスタのゲートソース間電圧以下とされる直流動作点を有し、その直流動作点は入力端子T1,T2の入力電圧及び電源電圧(VDD2)によって変動し難いから、差動アンプが1段増幅であっても、基準電圧(VIN)に対して誤差の小さな電圧を増幅出力端子(T3)に出力することができる。フォロア出力端子(T4)の電圧は増幅出力端子の電圧(PVOUT)に基づいてレベルシフタ及びソースフォロアを介して得られる。このようにフォロア出力端子には基準電圧に対して誤差の小さな所望の電圧を出力することができる。したがって、半導体集積回路の外部に大きな安定化容量を付加することなくシリーズレギュレータの入力電圧に対する所要の出力電圧を高速な負荷応答性をもって形成することができる。フォロア出力端子に接続する安定化容量は限りなく小さくできるため、安定化容量を半導体集積回路の内部に搭載可能になる。差動アンプは一段増幅であるから低消費電力にも寄与する。
【0013】
〔2〕<差動アンプの例>
項1において、前記差動アンプは、前記非反転入力端子にゲートが共通接続するpチャネル型の第1入力トランジスタ(MP1)及びnチャネル型の第2入力トランジスタ(MN2)と、前記反転入力端子にゲートが共通接続するpチャネル型の第3帰還入力トランジスタ(MP3)及びnチャネル型の第4帰還入力トランジスタ(MN4)と、前記第1入力トランジスタのドレインに接続され低電位側電源に至る第1負荷(MN5)と、前記第2入力トランジスタのドレインに接続され高電位側電源に至る第2負荷(MP6)と、を有し、前記第3帰還入力トランジスタと第4帰還入力トランジスタの共通ドレインを前記増幅出力端子とする。
【0014】
これによれば、第1入力トランジスタ(MP1)のゲートソース間電圧をVGSP1、そのドレインソース間電圧をVDSP1とし、第2入力トランジスタ(MN2)のゲートソース間電圧をVGSN2、そのドレインソース間電圧をVDSN2とすれば、増幅出力端子(T3)の直流動作点VT3は、
VIN−(VGSN2−VDSN2)<VT3<VIN+(VGSP1−VDSP1)
となる。したがって、基準電圧(VIN)に対して誤差の小さな電圧を増幅出力端子(T3)に出力することができる。
【0015】
〔3〕<差動アンプの例>
項1において、前記差動アンプは、前記非反転入力端子にゲートが共通接続するpチャネル型の第1入力トランジスタ(MP1)及びnチャネル型の第2入力トランジスタ(MN2)と、前記反転入力端子にゲートが共通接続するpチャネル型の第3入力トランジスタ(MP3)及びnチャネル型の第4入力トランジスタ(MN4)と、前記第1入力トランジスタのドレインに接続され低電位側電源に至るダイオード接続形態のnチャネル型の第5負荷トランジスタ(MN5)と、前記第2入力トランジスタのドレインに接続され高電位側電源に至るダイオード接続形態のpチャネル型の第6負荷トランジスタ(MP6)と、を有し、前記第3帰還入力トランジスタと第4帰還入力トランジスタの共通ドレインを前記増幅出力端子とする。
【0016】
これによれば項2と同様の作用効果を奏する。
【0017】
〔4〕<nチャネル型のレベルシフトトランジスタ>
項2において、前記レベルシフタ(3)は、高電位側電源(VDD2)に至る電流源(10)と低電位側電源(GND)に至る電流源(11)の間に配置されたnチャネル型の第7トランジスタ(MN7)を含み、前記第7トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第7トランジスタのソースに前記増幅出力端子が接続され、前記第7トランジスタのドレイン電圧を前記シフト電圧とする。
【0018】
これによれば、レベルシフタは増幅出力端子の電圧(PVOUT)を第7トランジスタのゲートソース間電圧分だけ高くシフトして出力する。
【0019】
〔5〕<nチャネル型のレベルシフトトランジスタ>
項3において、前記レベルシフタ(3_A)は、前記第5負荷トランジスタとゲートを共通とし低電位側電源(GND)に至るnチャネル型の第8電流源トランジスタ(MN8)と、前記第6負荷トランジスタとゲートを共通にし高電位側電源(VDD2)に至るpチャネル型の第9電流源トランジスタ(MP9)と、前記第8電流源トランジスタと前記第9電流源トランジスタの間に配置されたnチャネル型の第7トランジスタ(MN7)を含み、前記第7トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第7トランジスタのソースに前記増幅出力端子が接続され、前記第7トランジスタのドレイン電圧を前記シフト電圧とする。
【0020】
これによれば、レベルシフタは増幅出力端子の電圧(PVOUT)を第7トランジスタのゲートソース間電圧分だけ高くシフトして出力する。更に第8電流源トランジスタ及び第9電流源トランジスタの夫々は差動アンプ2の第5負荷トランジスタ及び第6負荷トランジスタの夫々とカレントミラー回路を構成するので差動アンプの増幅率を増加させるように機能する。
【0021】
〔6〕<nチャネル型のソースフォロアトランジスタ>
項4において、前記ソースフォロア(4)は、低電位側電源(GND)に至る電流源(12)にソースが接続されたnチャネル型の第10トランジスタ(MN10)を含み、第10トランジスタのゲートが前記第7トランジスタのゲートに共通接続され、前記第10トランジスタのソースを前記フォロア出力端子とする。
【0022】
これによれば、レベルシフタの第7トランジスタのドレイン電圧をゲートに受けて第10MOSトランジスタのソースに増幅出力端子(T3)の電圧(PVOUT)に一致する電圧を出力可能になる。このソースフォロアは所謂ソース駆動型の出力機能を要する場合に好適である。
【0023】
〔7〕<nチャネル型のソースフォロアトランジスタ>
項5において、前記ソースフォロア(4_A)は、前記第5負荷トランジスタとゲートを共通とし低電位側電源に至るnチャネル型の第11電流源トランジスタ(MN11)と、前記第11電流源トランジスタのドレインにソースが接続されたnチャネル型の第10トランジスタ(MN10)を含み、第10トランジスタのゲートが前記第7トランジスタのゲートに共通接続され、前記第10トランジスタのソースを前記フォロア出力端子(T4)とする。
【0024】
これによれば、レベルシフタの第7トランジスタのドレイン電圧をゲートに受けて第10MOSトランジスタのソースに増幅出力端子(T3)の電圧(PVOUT)に一致する電圧を出力可能になる。このソースフォロアは所謂ソース駆動型の出力機能を要する場合に好適である。
【0025】
〔8〕<pチャネル型のレベルシフトトランジスタ>
項2において、前記レベルシフタ(5)は、高電位側電源(VDD2)に至る電流源(10)と低電位側電源(GND)に至る電流源(11)の間に配置されたpチャネル型の第12トランジスタ(MP12)を含み、前記第12トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第12トランジスタのソースに前記増幅出力端子が接続され、前記第12トランジスタのドレイン電圧を前記シフト電圧とする。
【0026】
これによれば、レベルシフタは増幅出力端子の電圧(PVOUT)を第12トランジスタのゲートソース間電圧分だけ低くシフトして出力する。
【0027】
〔9〕<pチャネル型のレベルシフトトランジスタ>
項3において、前記レベルシフタ(5_A)は、前記第5負荷トランジスタとゲートを共通とし低電位側電源(GND)に至るnチャネル型の第8電流源トランジスタ(MN8)と、前記第6負荷トランジスタとゲートを共通にし高電位側電源(VDD2)に至るpチャネル型の第9電流源トランジスタ(MP9)と、前記第8電流源トランジスタと前記第9電流源トランジスタの間に配置されたpチャネル型の第12トランジスタ(MP12)を含み、前記第12トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第12トランジスタのソースに前記増幅出力端子が接続され、前記第12トランジスタのドレイン電圧を前記シフト電圧とする。
【0028】
これによれば、レベルシフタは増幅出力端子の電圧(PVOUT)を第12トランジスタのゲートソース間電圧分だけ低くシフトして出力する。更に第8電流源トランジスタ及び第9電流源トランジスタの夫々は差動アンプ2の第5負荷トランジスタ及び第6負荷トランジスタの夫々とカレントミラー回路を構成するので差動アンプの増幅率を増加させるように機能する。
【0029】
〔10〕<pチャネル型のソースフォロアトランジスタ>
項8において、前記ソースフォロア(6)は、高電位側電源(VDD1)に至る電流源(13)にソースが接続されたpチャネル型の第13トランジスタ(MP13)を含み、第13トランジスタのゲートが前記第12トランジスタのゲートに共通接続され、前記第13トランジスタのソースを前記フォロア出力端子(T4)とする。
【0030】
これによれば、レベルシフタの第12トランジスタのドレイン電圧をゲートに受けて第13MOSトランジスタのソースに増幅出力端子(T3)の電圧(PVOUT)に一致する電圧を出力可能になる。このソースフォロアは所謂シンク駆動型の出力機能を要する場合に好適である。
【0031】
〔11〕<pチャネル型のソースフォロアトランジスタ>
項9において、前記ソースフォロア(6_A)は、前記第6負荷トランジスタとゲートを共通とし高電位側電源(VDD1)に至るpチャネル型の第14電流源トランジスタ(MP14)と、前記第14電流源トランジスタのドレインにソースが接続されたpチャネル型の第13トランジスタ(MP13)を含み、第13トランジスタのゲートが前記第12トランジスタのゲートに共通接続され、前記第13トランジスタのソースを前記フォロア出力端子(T4)とする。
【0032】
これによれば、レベルシフタの第12トランジスタのドレイン電圧をゲートに受けて第13MOSトランジスタのソースに増幅出力端子(T3)の電圧(PVOUT)に一致する電圧を出力可能になる。このソースフォロアは所謂シンク駆動型の出力機能を要する場合に好適である。
【0033】
〔12〕<CMOS型のレベルシフトトランジスタ>
項2において、前記レベルシフタ(7)は、高電位側電源(VDD2)に至る電流源(10)と低電位側電源(GND)に至る電流源(11)の間にソースを共通にして直列接続されたnチャネル型の第15トランジスタ(MN15)とpチャネル型の第16トランジスタ(MP16)を含み、前記第15トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第16トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第15トランジスタと第16トランジスタの共通ソースに前記増幅出力端子(T3)が接続され、前記第15トランジスタと第16トランジスタの夫々のドレイン電圧を前記シフト電圧とする。
【0034】
これによれば、レベルシフタは増幅出力端子の電圧(PVOUT)を第15トランジスタのゲートソース間電圧分だけ高くシフトした電圧と第16トランジスタのゲートソース間電圧分だけ低くシフトした電圧を出力する。
【0035】
〔13〕<CMOS型のレベルシフトトランジスタ>
項3において、前記レベルシフタ(7_A)は、前記第5負荷トランジスタとゲートを共通とし低電位側電源(GND)に至るnチャネル型の第8電流源トランジスタ(MN8)と、前記第6負荷トランジスタとゲートを共通にし高電位側電源(VDD2)に至るpチャネル型の第9電流源トランジスタ(MP9)と、前記第8電流源トランジスタと前記第9電流源トランジスタの間にソースを共通にして直列接続されたnチャネル型の第15トランジスタ(MN15)とpチャネル型の第16トランジスタ(MP16)を含み、前記第15トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第16トランジスタのドレインが自らのゲートに接続され、前記第15トランジスタと第16トランジスタの共通ソースに前記増幅出力端子(T3)が接続され、前記第15トランジスタと第16トランジスタの夫々のドレイン電圧を前記シフト電圧とする。
【0036】
これによれば、レベルシフタは増幅出力端子の電圧(PVOUT)を第15トランジスタのゲートソース間電圧分だけ高くシフとした電圧と第16トランジスタのゲートソース間電圧分だけ低くシフトした電圧を出力する。更に第8電流源トランジスタ及び第9電流源トランジスタの夫々は差動アンプ2の第5負荷トランジスタ及び第6負荷トランジスタの夫々とカレントミラー回路を構成するので差動アンプの増幅率を増加させるように機能する。
【0037】
〔14〕<CMOS型のソースフォロアトランジスタ>
項12において、前記ソースフォロア(8)は、ソースを共通にして直列接続されたnチャネル型の第17トランジスタ(MN17)とpチャネル型の第18トランジスタ(MP18)を含み、前記第17トランジスタは前記第15トランジスタのゲートに接続され、前記第18トランジスタは前記第16トランジスタのゲートに接続され、前記第17トランジスタと前記第18トランジスタの共通ソースを前記フォロア出力端子(T4)とする。
【0038】
これによれば、レベルシフタの第15トランジスタのドレイン電圧をゲートに受けて第17MOSトランジスタのソースに増幅出力端子(T3)の電圧(PVOUT)に一致する電圧を出力可能とし、且つ、レベルシフタの第16トランジスタのドレイン電圧をゲートに受けて第18MOSトランジスタのソースに増幅出力端子(T3)の電圧(PVOUT)に一致する電圧を出力可能とする。このソースフォロアは所謂ソース駆動型及びシンク駆動型の双方の機能を備えた出力回路を構成するから、出力特性がシンク駆動型又はソース駆動型の何れか一方の場合に比べて負荷の変動に対する応答性に優れる。
【0039】
〔15〕<CMOS型のソースフォロアトランジスタ>
項13において、前記ソースフォロア(8)は、ソースを共通にして直列接続されたnチャネル型の第17トランジスタ(MN17)とpチャネル型の第18トランジスタ(MP18)を含み、前記第17トランジスタは前記第15トランジスタのゲートに接続され、前記第18トランジスタは前記第16トランジスタのゲートに接続され、前記第17トランジスタと前記第18トランジスタの共通ソースを前記フォロア出力端子(T4)とする。
【0040】
これによれば項14と同様の作用効果を奏する。
【0041】
〔16〕<ソースフォロアの分散配置>
項1において、前記ソースフォロアは前記出力トランジスタを複数個有し、複数個の前記出力トランジスタ(MN1−1〜MN10_m)の共通ゲートは前記レベルシフタからの前記シフト電圧を受けて、夫々の出力トランジスタの共通ソースは前記フォロア出力端子(T4)とされる。
【0042】
これによれば、フォロア出力端子(T4)の電圧(VOUT)は出力トランジスタのゲートソース間電圧に依存し、それは電源ラインの配線抵抗による高電位側電源電圧(VDD1)の電圧ドロップの影響を受けないから、ソースフォロアの出力トランジスタを必要に応じて分散させても性能に影響は無い。
【0043】
〔17〕<高電位側電源電圧>
項1において、前記差動アンプと前記レベルシフタの高電位側電源の電源電圧(VDD2)は前記ソースフォロアの高電位側電源の電源電圧(VDD1)よりも高くされる。
【0044】
これによれば、ソースフォロアの出力電圧(VOUT)の電圧レンジを広げることができる。
【0045】
〔18〕<LSI>
半導体集積回路(30)は、半導体基板にロジック回路(32)と、前記ロジック回路に動作電源を供給するシリーズレギュレータ(1)とを含む。前記シリーズレギュレータは、差動アンプ(2)、ゲートにドレインが接続されたレベルシフトトランジスタ(MN7,MP12,MN15,MP16)を含むレベルシフタ(3,3_A,3_B,5,5_A,7,7_A)、及び出力トランジスタ(MN10,MP13,MN17,MP18)を含むソースフォロア(4,4_A,4_B,6,6_A,8)を備える。前記差動アンプは、基準電圧(VIN)を入力する非反転入力端子(T1)、帰還電圧(VOUT)を入力する反転入力端子(T2)及び増幅出力端子(T3)を有する増幅段を一段備え、前記非反転入力端子の入力電圧(VIN)に対する前記増幅出力端子の出力電圧(PVOUT)の誤差が前記入力トランジスタのゲートソース間電圧(VGSP,VGSN)以下とされる直流動作点を有し、前記反転入力端子に前記ソースフォロアのフォロア出力端子が帰還接続される。前記レベルシフタは、前記増幅出力端子の出力電圧を前記レベルシフトトランジスタのソースに入力しそれのゲート電圧をシフト電圧として出力する。前記ソースフォロアは、前記レベルシフタからの前記シフト電圧を前記出力トランジスタのゲートに受けて、当該出力トランジスタのソースを前記フォロア出力端子(T4)とする。前記フォロア出力端子の電圧が前記動作電源とされる。
【0046】
これによれば、項1と同様の作用効果を奏する。更に、ロジック回路に動作電源を供給するシリーズレギュレータのために容量素子を外付けすることを要さず、ロジック回路の負荷の変動に対して安定した動作電源を供給することができる。
【0047】
〔19〕<差動アンプの第1例>
項18において、前記差動アンプは、前記非反転入力端子にゲートが共通接続するpチャネル型の第1入力トランジスタ(MP1)及びnチャネル型の第2入力トランジスタ(MN2)と、
前記反転入力端子にゲートが共通接続するpチャネル型の第3入力トランジスタ(MP3)及びnチャネル型の第4入力トランジスタ(MN4)と、前記第1入力トランジスタのドレインに接続され低電位側電源に至る第1負荷(MN5)と、前記第2入力トランジスタのドレインに接続され高電位側電源に至る第2負荷(MP6)と、を有する。前記第3帰還入力トランジスタと第4帰還入力トランジスタの共通ドレインを前記増幅出力端子とする。
【0048】
これによれば項2と同様の作用効果を奏する。
【0049】
〔20〕<ソースフォロアの分散配置>
項17において、前記ソースフォロアは前記出力トランジスタを複数個有し、複数個の前記出力トランジスタ(MN10_1〜MN10_m)の共通ゲートは前記レベルシフタからの前記シフト電圧を受けて、夫々の出力トランジスタの共通ソースは前記フォロア出力端子(T4)とされる。
【0050】
これによれば項16と同様の作用効果を奏する。特に、ロジック回路の回路規模が大きい場合にも各回路部分に不所望な電圧降下のない電源を安定に供給することができる。