特開2017-216076(P2017-216076A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-216076(P2017-216076A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】ブレード体
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/06 20060101AFI20171110BHJP
   H01R 13/646 20110101ALI20171110BHJP
   H01R 13/648 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
   H01R31/06 Z
   H01R13/646
   H01R13/648
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-107670(P2016-107670)
(22)【出願日】2016年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084180
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100138140
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 努
(72)【発明者】
【氏名】玉井 暢洋
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA16
5E021FC23
5E021LA10
5E021LA15
(57)【要約】
【課題】基材に埋設された信号端子の埋設部と基材から突出する突出部との間のインピータンス整合を改善するとともに、突出部の根元部での強度をも改善できるブレード体を提供することを課題とする。
【解決手段】複数の信号端子40Sが平行に配置され、絶縁材の基材21に埋設保持された埋設部と、基材から突出する突出部41Sとを有し、突出部41Sが相手接続体と接触もしくは半田接続により電気的に接続される接続部42Sを形成し、基材21は、信号端子の周面を全周で覆って信号端子を保持する本体保持部21Aと、信号端子の周面の一部を露呈して残部を覆って保持する半露呈保持部21Bとを有し、本体保持部に対して信号端子40の突出部41Sが半露呈保持部21Bから突出し、半露呈保持部21Bの少なくとも一部は本体保持部21Aよりも薄く形成されており、埋設部は、本体保持部に対応する埋設部の部分が突出部よりも端子幅が狭く形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属帯片状をなす複数の信号端子が互いに平行に配置され、絶縁材の基材に埋設保持された埋設部と、上記一端側で基材から突出する突出部とを有し、該突出部が相手接続体と接触もしくは半田接続により電気的に接続される接続部を形成しているブレード体において、
基材は、信号端子の周面を全周で覆って該信号端子を保持する本体保持部と、該信号端子の周面の一部を露呈して残部を覆って保持する半露呈保持部とを有し、上記本体保持部に対して上記一端側の位置で信号端子の突出部が該半露呈保持部から突出し、
上記半露呈保持部の少なくとも一部は本体保持部よりも薄く形成されており、
埋設部は、少なくとも上記本体保持部に対応する該埋設部の部分が突出部よりも端子幅が狭く形成されていることを特徴とするブレード体。
【請求項2】
信号端子は、半露呈保持部にて、信号端子の周面をなす4面のうち1面が露呈し残りの3面が絶縁材で覆われていることとする請求項1に記載のブレード体。
【請求項3】
信号端子は、半露呈保持部にて、端子幅が本体保持部に向け次第に狭くなっていることとする請求項1または請求項2に記載のブレード体。
【請求項4】
基材は、信号端子に対し平行にグランド端子を埋設保持しているとともに、該基材の面に対し信号端子の存在域を覆うシールド板をも保持し、該半露呈保持部はグランド端子の露呈面に対する反対面を部分的に露呈させる窓部が形成され、該反対面の側にシールド板が位置し、該シールド板の一部が弾性片を有し、該弾性片が上記窓部内にて上記グランド端子に接触していることとする請求項1ないし請求項3のうちの一つに記載のブレード体。
【請求項5】
基材は、信号端子に対し平行にグランド端子を埋設保持しているとともに、該基材の面に対し信号端子の存在域を覆うシールド板をも保持し、グランド端子が信号端子とともに半露呈保持部で保持され、該半露呈保持部はグランド端子の露呈面に対する反対面を部分的に露呈させる窓部が形成され、該反対面の側にシールド板が位置し、該シールド板の一部が弾性片を有し、該弾性片が上記窓部内にて上記グランド端子に接触していることとする請求項1ないし請求項3のうちの一つに記載のブレード体。
【請求項6】
シールド板はその一部が基材に埋設保持されていることとする請求項5に記載のブレード体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材で保持された端子が両端に接続部を有し、該接続部で相手接続体と電気的に接続するブレード体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のブレード体は、該ブレード体を複数保持する中継電気コネクタに関する特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示されているブレード体は、金属帯片状をなす複数の信号端子とグランド端子が、互いに平行に配置され一端側と他端側を除いて、絶縁材の基材に埋設保持された埋設部と、上記一端側と他端側で基材から突出する突出部とを有し、該突出部が相手接続体と接触することにより電気的に接続される接触部を形成している。
【0004】
突出部は、埋設部とのインピーダンスの整合をとるために、該埋設部よりも端子幅を広く、すなわち、埋設部は突出部よりも端子幅を狭くしている。さらには、端子幅の急激な変化を回避するために、埋設部は、突出部との境界域をテーパ部として端子幅を次第に変化させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5820858号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のブレード体にあっては、信号端子の埋設部に、突出部との境界域をテーパ状として端子幅を次第に変化させてはいるものの、該信号端子を保持している基材が埋設部を保持している部分から急激に不在となるので、この急激な絶縁材での保持状況の変化が埋設部と突出部との間のインピーダンスの整合を不十分なものとしていることが判明した。このように電気特性上の問題に加え、突出部近傍での信号端子の保持強度が不十分という問題もある。このような保持強度の問題を解決して保持強度を確保するためには、埋設部で端子幅を広くする必要があるが、そうすると、インピーダンスの整合がとれないという問題が生ずる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、信号端子の埋設部と突出部との間のインピータンス整合を改善するとともに、突出部の根元部での強度をも改善できるブレード体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るブレード体は、金属帯片状をなす複数の信号端子が互いに平行に配置され、絶縁材の基材に埋設保持された埋設部と、上記一端側で基材から突出する突出部とを有し、該突出部が相手接続体と接触もしくは半田接続により電気的に接続される接続部を形成している。
【0009】
かかるブレード体において、本発明では、基材は、信号端子の周面を全周で覆って該信号端子を保持する本体保持部と、該信号端子の周面の一部を露呈して残部を覆って保持する半露呈保持部とを有し、上記本体保持部に対して上記一端側の位置で信号端子の突出部が該半露呈保持部から突出し、上記半露呈保持部の少なくとも一部は本体保持部よりも薄く形成されており、埋設部は、少なくとも上記本体保持部に対応する該埋設部の部分が突出部よりも端子幅が狭く形成されていることを特徴としている。
【0010】
このように構成される本発明によると、信号端子は、突出部に隣接する域で、周面の一部が露呈して他部が絶縁材で覆われている半露呈保持部により保持されるので、信号端子の保持強度が確保されるとともに、絶縁材に完全に埋設された埋設部と絶縁材で保持されていない突出部の部分との中間的な絶縁材による保持の部分として半露呈保持部が形成されるので、端子に対する絶縁材の存在状況の急激な変化を回避して次第に変化し、インピーダンス整合が改善される。
【0011】
本発明において、信号端子は、半露呈保持部にて、信号端子の周面をなす4面のうち1面が露呈し残りの3面が絶縁材で覆われているようにすることができる。こうすることで、半露呈保持部を実現させる場合、1面のみ露呈するように形成できるので、モールド成形が容易となる。また、半露呈保持部が基材よりも薄い部分では、相手接続体との接触時に接圧を受けても、上述のごとく保持強度を維持しつつ弾性撓みが基材よりも容易となる。
【0012】
本発明において、信号端子は、半露呈保持部にて、端子幅が本体保持部に向け次第に狭くなっていることが好ましい。このように、半露呈保持部の域で端子幅が次第に狭くなっているようにすると、端子幅が次第に変化し、急激には変化しないので、インピーダンス整合改善される。
【0013】
本発明において、基材は、信号端子に対し平行にグランド端子を埋設保持しているとともに、該基材の面に対し信号端子の存在域を覆うシールド板をも保持し、該半露呈保持部はグランド端子の露呈面に対する反対面を部分的に露呈させる窓部が形成され、該反対面の側にシールド板が位置し、該シールド板の一部が弾性片を有し、該弾性片が上記窓部内にて上記グランド端子に接触していることが好ましい。こうすることで、グランド端子、シールド板を有することで、高速信号の伝送に対応でき、その場合、弾性片がグランド端子と導通し、簡単な構造でグランドをとることができる。また、グランド端子も信号端子と同様に半露呈保持部で保持されているようにすることもできる。さらには、シールド板を半露呈保持部に当接することとすれば、該半露呈保持部の補強がなされる。
【0014】
本発明において、シールド板はその一部が基材に埋設保持されていることが好ましい。こうすることで、シールド板の保持が良好となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように、信号端子が基材から突出する突出部に隣接して、該基材に半露呈保持部を形成し、該半露呈保持部にて端子幅を基材の本体保持部における端子幅より幅広にするとともに、絶縁材により周面が覆われる程度を、全周で覆われる本体保持部における状態と基材から突出して完全に露呈する状態との中間的状態とする半露呈保持部を設けたので、絶縁材に覆われる影響を急激に変化せず、埋設部と突出部との間のインピーダンス整合が改善される。さらに、半露呈保持部は本体保持部よりも薄い部分では、信号端子は半露呈保持部でも保持された状態でも、可撓性を有し、相手接続体との接続時の弾性変形が十分に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態としてのブレード体を収めた中継接続体の全体を示す斜視図である。
図2図1の中継接続体に用いられるブレード体を一方の面から見た斜視図である。
図3図1の中継接続体に用いられるブレード体を他方の面から見た斜視図である。
図4図1の中継接続体の縦断面図であり、(A)はグランド端子の位置での断面、(B)は信号端子の位置での断面である。
図5】端子の接続部、基材の半露呈保持部とその周辺を示す斜視図で、(A)は一方の面から見た図、(B)は他方の面から見た図である。
図6図5の接続部、半露呈保持部とその周辺を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるB-B断面図、(C)は端子の弾性変位時の側面図、(D)は(B)におけるD-D断面図、(E)は半露呈保持部の変形例を(B)に対応して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
本実施形態におけるブレード体は、回路基板等の接続部材同士を電気的に接続する中継接続体に組み込まれる。該中継接続体は、複数並設されて一つの中継コネクタを形成することもある。
【0019】
本実施形態において、中継接続体1は、図1に見られるごとく、幅に対し厚みの小さい直方体のハウジング10に二つのブレード体20を平行に収めて形成されている。ハウジング10は、上ハウジング11と下ハウジング12とに分割されている。該上ハウジング11と下ハウジング12は、いずれか一方へ先にブレード体20の上半分を収めた後に、結合されてブレード体20の下半分をも収めて一つのハウジング10を形成する。ハウジング10は上下に貫通するブレード収容空間を有し、上下端の開口では後述するブレード体20の端子の接続部が位置している。
【0020】
上記ブレード体20は、その全体は図2図3のごとくである。図2は該ブレード体20を一方の面から見た図、図3は他方の面から見た図である。ブレード体20は、平板状の絶縁材から成る基材21で帯状に細長い複数の端子40と、第一シールド板51と第二シールド板52とから成るシールド板50とを保持している。複数の端子40は、信号端子40Sとグランド端子40Gから成り、接続部に関しては信号端子40Sとグランド端子40Gが同一形状となっている。本実施形態では、端子は、40G,40S,40S,40G,40S,40S,40G…の順に配列されている。グランド端子40G同士間に位置する二つの信号端子40Sは、高速信号伝送に好適なペア端子をなし、上記グランド端子40Gに挟まれてシールドされている。これらの端子40は、相手接続体との接続のための接続部が、基材21の上下端から突出した該端子の突出部41Sに形成され、上下端の突出部同士間の範囲で基材21に埋設された埋設部をなしている。
【0021】
基材21は、信号端子40Sに対しては、端子周囲を全周で覆う埋設部を、端子長手方向で長い範囲にわたり埋設保持する本体保持部21Aと、該本体保持部21Aの端部に隣接して位置し端子の周囲の一部を露呈して残部を覆う半露呈保持部21Bとを有している。すなわち、信号端子40Sの突出部41Sは上記半露呈保持部21Bから突出していて、該突出部41Sの先端部に相手接続体と接触もしくは半田接続により電気的に接続される接続部42Sが形成されている。かかる信号端子40Sの突出部41Sと基材21の半露呈保持部21Bについては、後に詳述する。
【0022】
上記基材21は、その本体保持部21Aで信号端子40Sを保持していたが、グランド端子40Gに対しては、端子長手方向で上記本体保持部21Aに対応する範囲で数箇所で基材21の面から突出する小さな短柱部がグランド端子40Gの小孔部に貫通して支持している。すなわち、グランド端子40Gは基材21によって埋設保持されずに、上記短柱部で支持されている。該グランド端子40Gは本体保持部21A以外では、信号端子40Sと同様で、半露呈保持部21Bから突出する突出部41Gの先端部に接続部42Gを有している。
【0023】
このように、基材21により保持されている信号端子40Sとグランド端子40Gは、信号端子40Sの接続部42Sとグランド端子40Gの接続部42Gが同一形状同一寸法に作られているが、基材21の本体保持部21Aにより保持される信号端子40Gの埋設部との間には、形状寸法において差がある。すなわち、信号端子40Sの埋設部は接続部42Sより幅が狭く、グランド端子40Gの埋設部は接続部42Gより幅が広い。信号端子40Sの接続部42Sとグランド端子40Gの接続部42Gとは同一形状同一寸法なので、信号端子40Sの埋設部はグランド端子40Gの接続部42Gよりも幅が狭いということである。
【0024】
上記基材21には、高速信号伝送に好適なように、その両面側で、シールド板50が取り付けられている。図2に見られるように、基材21の一方の面に第一シールド板51が、そして図3に見られるように、他方の面に第二シールド板52が取り付けられている。
【0025】
第一シールド板51は、波形をなしていて、図2にて、端子配列方向で隣接する二つの信号端子40Sに対応する範囲で基材21の面から離間して基材21の面との間に空隙を形成する平板部51Sと、該平板部51S同士間のグランド端子40Gに対応する範囲で上記平板部51Sの面よりも没入した溝板部51Gとを交互に有して連続した一部材として形成されている。溝板部51Gは、平板部51Sよりも没入していることでグランド端子40Gと接触しており、該グランド端子40Gに形成された小孔部を貫通する既述の短柱部が上記溝板部51Gの対応小孔部をも貫通し、該短柱部の突出頭部がリベット状に加熱圧潰されて係止突部21Cを形成して、上記第一シールド板51を基材21に対し保持している。
【0026】
第二シールド板52も、図3に見られるように、第一シールド板51の平板部51Sそして溝板部51Gとそれぞれ同様の形状の平板部52Sと溝板部52Gとを有している。したがって、この平板部52Sと溝板部52Gとを有している点では、第二グランド板52は第一シールド板51と全く同じである。しかし、第二シールド板52は、かかる平板部52Sと溝板部52Gに加え、上下端に同一形状の端板部52Tを上下対称に有していて、平板部52S、溝板部52Gそして端板部52Tとで一部材をなしている。
【0027】
上記第二シールド板52は、図5(B)に見られるように、端板部52Tを有している。該端板部52Tは、上記第二シールド板52の端子長手方向両端位置で端子配列方向に延びて形成されている。該端板部52Tは、配列されている複数の信号端子40Sとグランド端子40Gを保持する一連の半露呈保持部21Bを非接触で覆っている。
【0028】
上記端板部52T は、端子配列方向にて、グランド端子40Gの位置に窓部52T−1を形成し、図5(B)に見られるように、該窓部52T−1内でグランド端子40Gの突出部41Gに向け屈曲形成させて該グランド端子40Gの露呈部分と弾性接触する弾性片52T−1Aが設けられているとともに、端子配列方向にて、隣接する二つの信号端子40Sの範囲に窓部52T−2を形成し、該窓部52T−2から端子長手方向に切り起こされたランス片52T−2Aが設けられている。該ランス片52T−2Aは、ブレード体20がハウジング10に組まれたときに、ハウジング10の対応箇所に係止してブレード体20の抜けを防止する。
【0029】
このように、複数の端子40(信号端子40Sとグランド端子40G)を基材21で保持し、該基材21の両面にシールド板50(第一シールド板51と第二シールド板52)を取り付けた対をなす二つのブレード体20は、互いに対称をなすように対面して平行に配置されてハウジング10内に保持されている(図4(A),(B)参照)。
【0030】
次に、信号端子40Sの突出部41Sと基材21の半露呈保持部21B及びその周辺について説明する。図5はこれらの基材について一方の面から見た図、5(B)は他方の面から見た図であり、図6(A)は図5(A)についての平面図、図6(B)は図6(A)におけるB−B断面図、図6(C)は信号端子が相手端子との接触状態で撓んだときの図6(B)相当図、図6(D)は図6(B)におけるD−D断面図である。図において、既述した部位については、その符号を付すことで、その説明を省略している部分もある。
【0031】
図において、信号端子40Sは基材21(本体保持部21Aと半露呈保持部21B)により保持されている。半露呈保持部21Bは本体保持部21Aよりも肉薄になっているとともに、信号端子40Sに対し周方向で一つの面、すなわち、図5(A)にて上面のみを露呈させ残りの三面(図5(A)にて信号端子40Sの下面と両側端面)を覆っている。上記半露呈保持部21Bは、図6(B)に見られるように、信号端子40Sの下面側で端子先端側に向けテーパ状に肉薄となっている。信号端子40Sは、端子長手方向で上記半露呈保持部21Bの範囲では、端子幅が突出部41Sから上記本体保持部21Aで保持されている部分へ向け次第に狭められていて(図6(A)をも参照)、埋設部と突出部41Sとの間のインピーダンス整合がとられている。突出部41Sは、先端(自由端)に向け段階的に端子幅を狭めており、先端近傍で板厚方向に屈曲した凸状部分が形成され、該凸状部分が、相手端子と接触する接続部42Sとなっている(図6(B)参照)。図6(B)に見られるように、半露呈保持部21Bは、本体保持部21Aよりも肉薄なことに加え、端子先端側に向けテーパ状に肉薄になっているので、信号端子40Sの突出部41Sが相手接続体と当接して、図6(C)の一点鎖線の位置まで撓んでも、上記半露呈保持部21Bは、保持強度を保ちつつ、上記突出部21Sの撓みに追従する。しかも、半露呈保持部21Bは第二シールド板52と当接するので、この第二シールド板52により強度が向上する。さらには、シールド板50にばね部を設けて該ばね部を基材21に接圧をもって接面させることで、基材21の強度を向上させることができる。
【0032】
上記信号端子40Sの突出部41Sそして基材21の半露呈保持部21Bの形態は、グランド端子40Gに対しても全く同様に採用されており、グランド端子40Gは突出部41Gに、信号端子40Sの接続部42Sと同様の接続部42Gを有しているとともに、半露呈保持部21Bにより保持されている。
【0033】
本発明では、半露呈保持部21Bは端子底面側を覆っていたが、該半露呈保持部21Bで保持される端子の強度確保のために埋設部での端子幅よりも広くしたい場合には、これに対応してインピーダンス整合を図る目的で、図6(E)のように、上記半露呈保持部21Bの端子底面側に細い(図6(E)にて紙面に直角方向で細い)スリット孔21B−1を形成することとしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
20 ブレード体 41S 突出部
21 基材 42S 接続部
21A 本体保持部 50 シールド板
21B 半露呈保持部 51 第一シールド板
40 端子 52 第二シールド板
40S 信号端子 52T−1 窓部
40G グランド端子 52T−1A 弾性片
図1
図2
図3
図4
図5
図6