(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-216824(P2017-216824A)
(43)【公開日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】モータ部品およびモータ部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 13/00 20060101AFI20171110BHJP
H01R 39/00 20060101ALI20171110BHJP
H01R 39/39 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
H02K13/00 T
H01R39/00 B
H01R39/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-109317(P2016-109317)
(22)【出願日】2016年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000113791
【氏名又は名称】マブチモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤
(72)【発明者】
【氏名】眞塩 俊介
(72)【発明者】
【氏名】友澤 俊介
(72)【発明者】
【氏名】神谷 義正
【テーマコード(参考)】
5H613
【Fターム(参考)】
5H613AA02
5H613BB04
5H613BB15
5H613BB27
5H613GA13
5H613PP03
(57)【要約】
【課題】ブラシをブラシホルダの所定の位置に安定して組み込む。
【解決手段】モータ部品は、コミテータに摺動接触するブラシ46と、ブラシを保持するブラシホルダと、を備える。ブラシホルダは、基体と、基体の一部に設けられ、ブラシ46をモータ径方向Rに移動可能に収容する収容部49と、ブラシ46を仮置きする載置部60と、を有する。載置部60は、収容部49の近傍に設けられており、ブラシ46を所定の姿勢で保持するように構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミテータに摺動接触するブラシと、
前記ブラシを保持するブラシホルダと、を備え、
前記ブラシホルダは、
基体と、
前記基体の一部に設けられ、前記ブラシをモータ径方向に移動可能に収容する収容部と、
前記ブラシを仮置きする載置部と、を有し、
前記載置部は、前記収容部の近傍に設けられており、前記ブラシを所定の姿勢で保持するように構成されていることを特徴とするモータ部品。
【請求項2】
前記載置部は、前記収容部からモータ径方向へ向かう線上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモータ部品。
【請求項3】
前記載置部は、前記ブラシを所定の範囲に仮置きするための位置規制部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ部品。
【請求項4】
前記位置規制部は、仮置きされたブラシのモータ周方向への移動を規制するとともに、仮置きされたブラシのモータ径方向への移動が可能なように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のモータ部品。
【請求項5】
前記位置規制部は、前記ブラシが仮置きされる間隙を有することを特徴とする請求項3または4に記載のモータ部品。
【請求項6】
前記間隙は、前記ブラシが圧入された状態で保持される幅であることを特徴とする請求項5に記載のモータ部品。
【請求項7】
前記収容部は、前記ブラシが挿入される開口部が形成されており、
前記間隙は、モータ径方向から見て前記開口部とオーバーラップしていることを特徴とする請求項6に記載のモータ部品。
【請求項8】
前記開口部の幅W1は、前記間隙の幅W2よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載のモータ部品。
【請求項9】
前記間隙の幅W2は、前記ブラシのモータ周方向の幅W3以下であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のモータ部品。
【請求項10】
前記載置部は、前記基体の一部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のモータ部品。
【請求項11】
前記載置部は、前記収容部の一部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のモータ部品。
【請求項12】
ブラシを保持するブラシホルダの所定の載置部にブラシを載置する工程と、
載置された前記ブラシを、ブラシホルダに設けられている収容部に向けて移動する工程と、を備え、
前記載置部は、前記ブラシを所定の姿勢で保持するように構成されており、
前記載置部および前記収容部は、モータ径方向の同一直線上に設けられていることを特徴とするモータ部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシホルダやブラシを組み合わせたモータ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の電装機器や音響・映像機器、あるいは家電機器から玩具・模型に至るまで、DCモータ(以下、単に「モータ」ともいう。)はあらゆる分野および用途に使用されている。一般的に、DCモータは、直流電源からブラシおよびそれが摺動接触する整流子(コミテータ)を介して回転子巻線に電流を供給するように構成されている。
【0003】
また、ブラシは、コミテータの回転軸と直交する方向に移動空間が設けられている金属製のブラシホルダ本体に収容保持され、その後端部がコイルスプリングにて付勢されることで、先端部がコミテータを押圧している(特許文献1参照)。また、ブラシホルダ本体を含めたブラシホルダ全体を樹脂で一体成形したブラシホルダ装置も考案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−119185号公報
【特許文献2】特許第3091431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のブラシホルダにおいては、ブラシホルダ本体の収容部にブラシを挿入する必要があり、人手によって行われることが一般的である。ブラシは比較的小さい部品であり、そのようなブラシを狭い収容部に組み込むことは容易ではなく、短時間に安定して組み立てるには更なる改善が必要である。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブラシをブラシホルダの所定の位置に安定して組み込むための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のモータ部品は、コミテータに摺動接触するブラシと、ブラシを保持するブラシホルダと、を備える。ブラシホルダは、基体と、基体の一部に設けられ、ブラシをモータ径方向に移動可能に収容する収容部と、ブラシを仮置きする載置部と、を有する。載置部は、収容部の近傍に設けられており、ブラシを所定の姿勢で保持するように構成されている。
【0008】
この態様によると、収容部の近傍に設けられている載置部にブラシを載置し、ブラシを所定の姿勢で保持できるため、収容部にブラシを組み込みやすくなる。
【0009】
載置部は、収容部からモータ径方向へ向かう線上に設けられていてもよい。これにより、載置部に載置されたブラシをモータ径方向へ押すだけで収容部へ組み込むことができる。
【0010】
載置部は、ブラシを所定の範囲に仮置きするための位置規制部を有してもよい。これにより、ブラシを所定位置に載置しやすくなる。
【0011】
位置規制部は、仮置きされたブラシのモータ周方向への移動を規制するとともに、仮置きされたブラシのモータ径方向への移動が可能なように構成されていてもよい。これにより、ブラシをモータ周方向の所定の位置へ載置した状態でモータ径方向へ移動できる。
【0012】
位置規制部は、ブラシが仮置きされる間隙を有してもよい。これにより、ブラシを間隙に置くだけでブラシを所定の姿勢で保持できる。
【0013】
間隙は、ブラシが圧入された状態で保持される幅であってもよい。これにより、ブラシをより安定した状態で保持できる。
【0014】
収容部は、ブラシが挿入される開口部が形成されており、間隙は、モータ径方向から見て開口部とオーバーラップしていてもよい。また、開口部の幅W1は、間隙の幅W2よりも広くてもよい。これにより、ブラシをモータ径方向へ押すだけで容易にブラシを収容部へ組み込むことができる。
【0015】
間隙の幅W2は、ブラシのモータ周方向の幅W3以下であってもよい。これにより、ブラシを間隙に置いて所定の姿勢で保持することができる。
【0016】
載置部は、基体の一部に設けられていてもよい。あるいは、載置部は、収容部の一部に設けられていてもよい。これにより、載置部を別部品で構成する必要がなく、部品点数や組立て工数を低減できる。
【0017】
本発明の別の態様は、モータ部品の製造方法である。この方法は、ブラシを保持するブラシホルダの所定の載置部にブラシを載置する工程と、載置されたブラシを、ブラシホルダに設けられている収容部に向けて移動する工程と、を備える。載置部は、ブラシを所定の姿勢で保持するように構成されており、載置部および収容部は、モータ径方向の同一直線上に設けられている。
【0018】
この態様によると、ブラシを収容部に安定して組み込むことができる。
【0019】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ブラシをブラシホルダの所定の位置に安定して組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】ブラシホルダと各部品との分解斜視図である。
【
図4】
図3に示すブラシホルダに各部品を搭載したモータ部品をハウジング側から見た正面図である。
【
図5】
図4に示す載置部近傍を模式的に示した図である。
【
図6】
図5に示す載置部を矢印A方向から見た模式図である。
【
図7】本実施の形態に係るモータ部品の製造方法を示すフローチャートである。
【
図8】変形例に係る載置部近傍を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0023】
図1は、本実施の形態に係るモータの正面図である。
図2は、本実施の形態に係るモータの断面図である。
【0024】
本実施の形態に係るDCブラシモータ(以下、「モータ」と称する。)10は、主として、ヨークハウジングとしてのハウジング12と、ロータ14と、コネクタ付きのブラシホルダ16と、金属製のカバー部材であるエンドプレート18と、を備える。ハウジング12は、一端に開口部12aが形成され、他端に閉塞された底部12bが設けられている。底部12bは、凹部が形成されており、その凹部に軸受17が収容されている。また、ハウジング12の内壁には、円弧状のマグネット19が配置されている。
【0025】
ロータ14は、シャフト20と、コア22と、巻線24と、コミテータ(整流子)26と、を備える。シャフト20は、軸受17および軸受28を介して、ハウジング12およびエンドプレート18に回転可能に支持される回転軸である。また、シャフト20は、出力軸としても機能する。軸受28は、エンドプレート18の中央部に形成されている凹部に収容されている。コア22は、複数の鋼板が積層されたものであり、その中心にはシャフト20が貫通した状態で固定されている。巻線24は、コア22の溝22aに巻き回されており、電流が流れることで磁力を生じさせる。
【0026】
コミテータ26は、コア22と同様にシャフト20に固定されている。コミテータ26は、接触するブラシ(後述する
図3参照)を通して通電される電流を巻線24に適切なタイミングで流す接点である。ブラシは、例えば、黒鉛等を主成分とするカーボンブラシである。なお、ブラシは、貴金属等を主成分とする金属ブラシの場合もありうる。
【0027】
ブラシホルダ16は、ロータ14が収納される筒型のハウジング12の開口部12aに装着され、ブラシを介したロータ14への給電経路が設けられている。給電経路の途中には、チョークコイル32やコンデンサ、バリスタ等のノイズ抑制素子が搭載され、各素子を結ぶ配線が表面に形成された回路基板34が設けられている。
【0028】
ブラシホルダ16は、ハウジング12の開口部12aの形状に応じた円筒形のホルダ部16aと、ホルダ部16aの外縁部から径方向へ突出した位置に設けられており、外部電源から電流が供給される給電端子が接続されるコネクタ部16bと、を有する。コネクタ部16bの内部には、ターミナル(入力端子)35a,35bが設けられている。
【0029】
図3は、ブラシホルダと各部品との分解斜視図である。ブラシホルダ16は、一対のチョークコイル32と、回路基板34(
図2参照)と、一対のフェライトコア42と、中継端子44と、サーキットブレーカ45と、一対のブラシ46と、各ブラシ46の下面を支持する一対のL字プレート47と、L字プレート47と組み付けられ、ブラシ46をモータ径方向に摺動可能に収容する一対の収容部49と、収容部49に収容されたブラシ46を径方向に付勢するバネ51と、電流入力用の一対のターミナル35aと、回路基板34に搭載されたホールIC等の信号を出力する一対のターミナル35bと、が組み付けられる。
【0030】
図4は、
図3に示すブラシホルダ16に各部品を搭載したモータ部品100をハウジング側から見た正面図である。本実施の形態に係るモータ部品100は、コミテータ26(
図2参照)に摺動接触するブラシ46と、ブラシ46を保持するブラシホルダ16と、を備える。ブラシホルダ16は、基体となるホルダ部16aと、ホルダ部16aの一部に設けられ、ブラシ46をモータ径方向に移動可能に収容する収容部49と、ブラシを仮置きする載置部60と、を有する。載置部60は、収容部49の近傍に設けられており、ブラシ46を所定の姿勢で保持するように構成されている。
【0031】
図5は、
図4に示す載置部近傍を模式的に示した図である。
図6は、
図5に示す載置部を矢印A方向から見た模式図である。
【0032】
ブラシ46は、直方体のブラシ本体の側面に給電のためのピグテール線52が固定されている。そのため、ブラシ全体として重心が偏っており、単にブラシ46を平坦な面に置いた場合に倒れやすい。そこで、
図5や
図6に示すように、収容部49の近傍に設けられている載置部60にブラシ46を載置し、ブラシ46を所定の姿勢で保持することで、収容部49にブラシ46を組み込みやすくなる。
【0033】
載置部60は、収容部49からモータ径方向Rへ向かう線上に設けられている。これにより、載置部60に載置されたブラシ46をモータ径方向Rへ押すだけで収容部49へ組み込むことができる。なお、載置部60から収容部49へ向かう面は平坦であることが好ましいが、段差があっても構わない。その場合、載置部60の載置面は、収容部49の底面よりも高い方がよい。
【0034】
載置部60は、ブラシ46を所定の範囲に仮置きするための位置規制部54を有している。これにより、収容部49からモータ径方向Rへ向かう線上にブラシ46を載置しやすくなる。
【0035】
位置規制部54は、仮置きされたブラシ46のモータ周方向Cへの移動を規制するとともに、仮置きされたブラシ46のモータ径方向Rへの移動が可能なように構成されている。これにより、ブラシ46をモータ周方向Cの所定の位置へ載置した状態でモータ径方向Rへ移動できる。
【0036】
位置規制部54は、ブラシ46が仮置きされる間隙56を有している。これにより、ブラシ46を間隙56に置くだけで、収容部49にブラシが収容された状態と同様の姿勢でブラシ46を保持できる。なお、位置規制部54は、
図4乃至
図6に示すように、間隙56の両側面の上部(軸方向端部)に傾斜部54aが設けられていてもよい。傾斜部54aは、ブラシ46を間隙56に置く際の導入部(ガイド部)として機能する。これにより、位置規制部54にブラシ46を置く際の位置が多少ずれても、ブラシ46が傾斜部54aによって間隙56に向けてガイドされるため、作業者や機械によってブラシを間隙56に載置する工程が容易となる。
【0037】
収容部49は、ブラシ46が挿入される開口部58が形成されている。間隙56は、モータ径方向Rから見て開口部58とオーバーラップしている(
図6参照)。また、開口部58の幅W1は、間隙56の幅W2よりも広い。これにより、ブラシ46をモータ径方向Rへ押すだけで容易にブラシ46を収容部49へ組み込むことができる。
【0038】
間隙の幅W2は、ブラシ46のモータ周方向の幅W3(本実施の形態では2〜3mm)よりも小さく、ブラシ46を間隙56に置く際、僅かに圧入されることとなる。なお、間隙の幅W2とブラシ46のモータ周方向の幅W3との差が大きすぎると、間隙56にブラシ46を載置できない状況も考えられる。そこで、幅W2と幅W3との差は、ブラシ46と間隙56との間にガタが生じることなく、ブラシ46が間隙56に軽く圧入された状態で保持される程度の大きさが好ましい。ここで、軽く圧入された状態とは、例えば、ブラシホルダ16が傾いたり振動を受けたりした際にブラシ46が動かない程度の状態と言うことができる。一方で、軽く圧入された状態とは、作業者や機械からうける力によってはブラシ46がスムーズに動く程度の力で保持されている状態ということもできる。
【0039】
具体的には、間隙56の幅W2とブラシ46の幅W3との差は、幅W2または幅W3の0〜5%程度の大きさが好ましい。なお、ブラシ46を所定の姿勢で保持できるのであれば、間隙の幅W2は、ブラシ46のモータ周方向の幅W3より大きくてもよい。
【0040】
なお、本実施の形態に係るブラシ46の高さH1は4〜5mm程度である。そして、間隙56の高さH2は、0.1×H1以上、好ましくは0.2×H1以上、より好ましくは0.3×H1以上であれば、間隙56に載置されたブラシ46がモータ周方向Cに傾きにくくなる。
【0041】
また、本実施の形態に係るブラシ46の長さL1は6〜9mm程度である。そして、間隙56の長さL2は、0.1×L1以上、好ましくは0.2×L1以上、より好ましくは0.3×L1以上であれば、間隙56に載置されたブラシ46をモータ径方向Rに押し出す際に傾きにくくなる。
【0042】
次に、上述の載置部を用いたモータ部品の製造方法について説明する。
図7は、本実施の形態に係るモータ部品の製造方法を示すフローチャートである。
【0043】
はじめに、収容部49を備えたブラシホルダ16を準備する(S10)。次に、ブラシホルダ16のホルダ部16aの一部に設けられている載置部60にブラシ46を仮置きする(S12)。そして、載置されたブラシ46を、収容部49に向けて移動する(S14)。これにより、単純な動作で、また同じ軌跡でブラシ46を収容部49に組み込むことができる。そのため、人手ではなく機械によってブラシ46を収容部49に組み込むことも容易となる。その後、収容部49に収容されたブラシ46の後端面を付勢するようにバネ51をホルダ部16aに取り付け(S16)、モータ部品100が製造される。
【0044】
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0045】
(変形例)
図8は、変形例に係る載置部近傍を模式的に示した模式図である。変形例に係る載置部70は、ブラシ46を所定の範囲に仮置きするための位置規制部72を有する。位置規制部72は、それぞれが略直方体の一対の挟持部72a,72bを有している。挟持部72a,72bの上面の間隙78側の角部には傾斜部73が設けられている。挟持部72a,72bは、それぞれガイド溝74に収容されており、バネなどの付勢部材76によって間隙78が狭まる方向に付勢されている。なお、挟持部72a,72bの一方がブラシホルダ16の基体に固定された状態で設けられていてもよい。
【0046】
このように構成された位置規制部72は、ブラシ46が間隙78に載置されると、挟持部72a,72bがガイド溝74に沿って間隙78の幅W2が広がる方向に移動する。その結果、付勢部材76から付勢力を受けた挟持部72a,72bは、ブラシ46の両側面を挟持し、ブラシ46を所定の姿勢で保持できる。なお、挟持部72a,72bがブラシ46を挟持する力は、付勢部材76の弾性係数を適宜設定することで調整することができる。
【符号の説明】
【0047】
12 ハウジング、 12a 開口部、 14 ロータ、 16 ブラシホルダ、 16a ホルダ部、 16b コネクタ部、 19 マグネット、 20 シャフト、 22 コア、 22a 溝、 24 巻線、 26 コミテータ、 46 ブラシ、 47 L字プレート、 49 収容部、 51 バネ、 52 ピグテール線、 54 位置規制部、 56 間隙、 58 開口部、 60 載置部、 100 モータ部品。