【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の種類の発明性のあるアクチュエータモジュールは、移動方向に沿ってロック解除位置からロック位置へと移動可能であるロック部材と、ロック部材をロック解除位置からロック位置へと移動させるための駆動ユニットと、ロック部材の位置を決定するための位置検出ユニットと、を備える。この位置検出ユニットが、検出区域内の物体を検出するための少なくとも1つの光学センサを備え、アクチュエータモジュールがトリガ部材をさらに備え、このトリガ部材が、ロック部材のロック解除位置およびロック位置の少なくとも一方において検出区域内に位置することによって、上記の問題を解決する。
【0013】
発明性のある充電導入口は、発明性のあるアクチュエータモジュールを備えることによって、上記の問題を解決する。
【0014】
アクチュエータモジュールは優先的には、高い電圧および/または電流が生じ得るeモビリティ車両において適用される。アクチュエータモジュール自体は、eモビリティ車両内すなわち充電導入口内に、または車両の充電手段のプラグコネクタ内に位置することができるが、固定的である充電手段、すなわち充電インフラ内に位置することもできる。
【0015】
一般に、この発明性のあるアクチュエータモジュールは、安全かつ確実な電気接続部を確保するとともにこれが意図せず接続解除されるのを防止する必要のある、任意の用途に適用することができる。
【0016】
アクチュエータモジュールは、容易に装着または交換できる、個別の交換可能なユニットとして理解されたい。
【0017】
優先的には、ロック部材は、プラグ接続部構成要素が1つに差し込まれる差込方向に対して本質的に垂直である方向に沿って、移動可能である。ロック解除位置からロック位置へとロック部材を移動させる駆動ユニットは、ロック部材をアクチュエータハウジングから離れる方向に延びるように移動させることができるが、ロック解除位置では、ロック部材はアクチュエータハウジングによって完全に受容される。
【0018】
少なくとも1つの光学センサは、非接触で動作する、すなわち、ロック部材の移動は、ロック部材の位置の決定によって影響されない。少なくとも1つの光学センサの検出区域は、中で物体の存在または不在が検出され得る、2次元の面積または3次元の容積として理解され得る。より複雑な光学センサでは、光学的に検出される物体の正確な移動を決定することができる。
【0019】
トリガ部材は、少なくとも1つの光学センサの検出区域内へと移動可能である要素として理解されるべきであり、ロック部材自体がトリガ部材として働いてよい。
【0020】
アクチュエータモジュールの所望の幾何学形状に応じて、ロック部材がロック位置からロック解除位置へと移動される場合に、トリガ部材を少なくとも1つの光学センサの検出区域内へ移動させることができる。但し、ロック解除位置からロック位置へとロック部材が移動される場合に、トリガ部材が検出区域内へと移動されることも考えられる。少なくともこれら2つの位置の一方において、トリガ部材は、少なくとも1つの光学センサの検出区域内に位置する。
【0021】
ロック部材は優先的には、長手方向の延伸が、ロック部材の長手方向に対して本質的に垂直に配向される2つの方向の各々における延伸よりも大きい、長手構造として具現化され得る。長手ロック部材は、円形の断面を有してもよく、様々な数の辺を有して、すなわち三角形、四角形、またはn本の辺を有する多角形の形状として、具現化されてもよい。
【0022】
しかしながら、ロック部材は、直方体、立方体、または円形として具現化されてよい。
【0023】
以下では、本発明の様々な実施形態が提示され記載されることになり、提示される実施形態の各々は、それ自体有利なものである。以下の実施形態の技術的特徴を、互いに任意に組み合わされてもよく、本発明により達成される技術的効果に関係がなければ省略されることもある。
【0024】
発明性のあるアクチュエータモジュールの第1の実施形態では、少なくとも1つの光学センサは、少なくとも1つの光バリアを含む。反射して機能する光学センサとは対照的に、光バリアは、この光バリアに検出区域内に位置するほぼどのような物体も検出できるという利点を有する。
【0025】
光バリアは特にフォーク形光バリアとすることができ、そのようなフォーク形光バリアの検出区域は、フォークアーム間に存在する。フォーク形光バリアのフォークアームはさらに、検出区域内の物体の検出を歪める可能性のある周囲放射の影響を低減するという利点をもたらす。
【0026】
発明性のあるアクチュエータモジュールの第2の実施形態では、アクチュエータモジュールは、少なくとも2つの光学センサを備える。いずれもオン状態およびオフ状態を有する2値(binary)の光学センサであってよい、2つの光学センサの使用は、2つの光学センサによって、理論上4つの異なる状態を表現、すなわち検出できるという利点をもたらす。
【0027】
アクチュエータのより多くの状態を、すなわちアクチュエータモジュールのロック状態およびロック解除状態以外をもモニタできることが好ましい。
【0028】
特にロック機構の不具合の場合、ロック機構のそのような不完全なロック解除の状況を検出することが望まれ、このことにより、新たにロック機構のロック解除を試みることが可能となり得る。
【0029】
少なくとも2つの光学センサは、同じ種類のものであっても、異なる種類のものであってもよい。好ましくは、少なくとも2つの光学センサは、フォーク形光バリアとして具現化される。
【0030】
発明性のあるアクチュエータモジュールの第3の実施形態では、少なくとも2つの光学センサは、ロック部材の移動方向に沿って互いに前後の関係で配置される。少なくとも2つの光学センサのそのような配置は、ロック部材の位置が、ロック部材の移動方向において分解されるという利点を有する。さらに、そのような配置は、少なくとも2つの光学センサのうちの第1の光学センサによりロック部材の第1の位置を検出することを可能にし、この位置は、少なくとも2つの光学センサのうちの第2のものによって検出される第2の位置とは異なるものである。
【0031】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、トリガ部材はロック部材に一体に接続される。そのような一体に具現化されたトリガ部材により、ロック部材の生産ステップの数およびコストが低減される。
【0032】
したがって、トリガ部材は、ロック部材から離れる方向に延在するロック部材の一部とすることができ、したがってトリガ部材の移動は、ロック部材の移動に直接結合される。
【0033】
アクチュエータモジュールのさらなる実施形態では、トリガ部材は、ロック部材から、ロック部材の移動方向に対して本質的に垂直に延在する。
【0034】
トリガ部材は、1つの部分としてロック部材から離れる方向に延在してもよく、いくつかの互いに分離された延長部を備えて、すなわち櫛に似た構造を形成してもよい。トリガ部材は、ロック部材の一方側にのみ延在しても、ロック部材の移動方向に対して対称に具現化されてもよい。
【0035】
光学センサを、アクチュエータモジュール内に、延在するトリガ部材を少なくとも1つの光学センサの検出区域内へと移動できるように配置することができる。
【0036】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、トリガ部材は平坦な形状を有する。平坦な形状は、少なくとも1つの光学センサの検出区域内へと移動されるのに有利である。平坦な形状とされたトリガ部材は、フラッグとして、プレートとして、またはフィンとして形状形成されるものと理解されたい。
【0037】
平坦な形状とされたトリガ部材は優先的には、ロック部材の移動方向に沿って延在してよく、平坦な形状とされたトリガ部材の、ロック部材の周方向に沿った延伸は、平坦な形状とされたトリガ部材の最小の延伸(smallest extension)であってよい。
【0038】
周方向は、ロック部材の移動方向に対して本質的に垂直かつ放射方向に対して本質的に垂直な方向として理解されるべきである。この放射方向は、ロック部材の移動方向に対して本質的に垂直であり、2次元平面に広がる。
【0039】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、トリガ部材は、ロック部材のロック解除位置またはロック位置の一方において、少なくとも2つの光学センサの検出区域内に位置する。少なくとも2つの光学センサおよびトリガ部材のそのような構成は、対応する位置、すなわちロック解除位置またはロック位置が、トリガ部材が少なくとも2つの光学センサの両方の検出区域内に位置する場合にしか検出されないという利点を有する。トリガ部材の不十分な移動は、トリガ部材を少なくとも2つの光学センサのただ一方の検出区域内に置く可能性があり、したがってロック解除位置またはロック位置に達したものと解釈されないことになる。
【0040】
少なくとも2つの光学センサの検出区域内に位置するように具現化されたトリガ部材は、4つの異なる状態すなわちロック部材の位置の間で区別を行うことを、同時に可能とする。
【0041】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、トリガ部材は、ロック部材の中間位置において、少なくとも2つの光学センサの検出区域のうちの1つ内にのみ位置し、このロック部材の中間位置は、ロック部材のロック解除位置とロック位置との間に位置する。
【0042】
位置検出ユニットによって検出可能な中間位置の利点は、最終状態、すなわちアクチュエータモジュールのロック状態またはロック解除状態と、これらの最終状態のどれにも対応しないアクチュエータモジュールの状態との間で、明確な区別が可能なことである。当技術の解決法では、そのような状況は2値である、すなわちロック部材が、ロックされているかまたはロック解除されているかのいずれかとして検出される。
【0043】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、位置検出ユニットは、ロック部材の位置に対応する位置信号を提供するための、信号出力線を備える。直列出力線は、アクチュエータモジュールの状況、すなわちロック部材の位置を、所与の信号線を介して所定のフォーマットで提供するという利点を有する。信号出力線によって提供される位置信号は、アナログ信号またはデジタル信号として提供され得る、すなわちこれは、連続的な電圧としてまたはコード化された信号として提供され得る。
【0044】
位置信号は特に、ロック解除位置、中間位置、またはロック位置に対応する3つの離散値(three discrete values)のうちの1つであってよい。
【0045】
発明性のあるアクチュエータモジュールのさらに別の実施形態では、位置検出ユニットは、ロック部材がロック解除位置にある場合は信号出力線を介してアナログ信号を提供し、ロック部材がロック位置にある場合はロック信号を提供し、およびロック部材がロック位置とロック解除位置との間に位置決めされた場合は中間信号を提供する。ロック解除信号、ロック信号、および中間信号は、3つの離散値、たとえば信号出力線を介して提供される電圧コード化値に対応していてよく、これらの信号は、アクチュエータモジュールの外部からアクセス可能であってよい。
【0046】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、位置検出ユニットおよび少なくとも1つの光学センサは、1つの回路基板上に位置する。位置検出ユニットおよび少なくとも1つの光学センサを回路基板上に設置することは、構成要素の位置合わせを容易に行うことができる、および回路基板が位置検出ユニットと少なくとも1つの光学センサとの間の位置合わせのための安定した基準枠を提供する、という利点を有する。さらに、少なくとも1つの光学センサをたとえばはんだ付けによって回路基板上に固定したとき、少なくとも1つの光学センサを、回路基板上で自動的に位置合わせすることができる。
【0047】
回路基板は、ロック部材の移動方向と本質的に平行に配向されてよく、アクチュエータモジュールのフレームの回路基板受容部内に受容されてよい。回路基板は、プラグコネクタまたはプラグソケットによってアクチュエータモジュールの外部からアクセス可能な、さらなる構成要素および/または入力線もしくは出力線を提供し得る。
【0048】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、回路基板は、信号出力線を介して信号を提供するための制御ユニットをさらに備える。この信号は、ロック部材の位置に対応する。制御ユニットを、少なくとも1つの光学センサの状況データを受信するように、少なくとも1つの光学センサの状況データを処理するように、および信号出力線を介してロック部材の位置に対応する相応した信号を提供するように、適合させることができる。制御ユニットはマッピングユニットをさらに備えていてよく、このマッピングユニットは、少なくとも1つの光学センサによって提供される測定された状況データを、続いて信号出力線を介して提供される所定の信号、たとえば電圧値に関連付けることができる。
【0049】
発明性のあるアクチュエータモジュールの別の実施形態では、制御ユニットは、アラーム信号線をさらに備える。アラーム信号線は、位置検出ユニットによって信号出力線を介して、所定の切り替え時間期間(predetermined switching time period)よりも長い時間期間(time period)の間、中間信号が提供された場合に、アラーム信号を提供するためのものである。
【0050】
切り替え時間期間は、ロック部材をロック解除位置からロック位置へとまたはこの逆に移動させるために、全体に必要である時間として理解されたい。すなわち、この切り替え時間期間後、ロック解除位置からロック位置へのまたはロック位置からロック解除位置への切り替えサイクルが、全体に完了される。切り替え時間期間後にそのような切り替えサイクルが完了されない場合、ロック部材のロックまたはロック解除中にエラーが生じたことが想定され得る。したがって、そのようなシステムの不具合、エラー、または動作不良を検出することができ、これらによりアラーム信号線を介してアラーム信号が生成され得る。
【0051】
以下では、発明性のあるアクチュエータモジュールの特定の実施形態を、添付の図に関して例示により提示する。同じ技術的特徴、および同じ技術的効果を提供する技術的特徴には、同じ参照符号を付す。