【解決手段】複数の風力発電装置(100)を有するウインドパーク(112)の電気出力を電気供給ネット(120)に供給する方法において、複数の風力発電装置(100)の各々は装置電気出力(P
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、電気供給ネットに共通に給電する複数の風力発電装置を含む(1つの)ウインドパークを出発点とする。この場合、各風力発電装置は装置電気出力を提供する。この装置電気出力とは、夫々の風力発電装置が実際に提供する夫々の有効電力を意味するものとする。従って、(電気)出力ないし装置(電気)出力ないしパーク出力は、基本的に、有効電力として理解されるものである。
【0011】
このようなウインドパークの複数の風力発電装置のすべての提供される出力の総和は、少なくとも提案に係る方法に関連する限り、電気供給ネットに供給されるパーク出力を構成する。
【0012】
複数の風力発電装置の各々に対し装置目標値が与えられる。この装置目標値は、夫々の風力発電装置に対し、提供されるべき装置出力の大きさ(レベル)を予め設定する。従って、複数の風力発電装置の各々について、この装置目標値によって実際に予め設定される有効電力を生成及び提供することが試みられる。このことは、例えば支配的な風条件がより小さい値しか可能にしない場合、複数の風力発電装置が、或いはただ1つの風力発電装置だけでも、予め設定される値(予設定値ないし基準値:Vorgabewert)未満に止まることも意味するであろう。他の境界条件が装置目標値の大きさ(レベル)での出力の提供を許容しない場合にも、より小さい値が供給されるであろう。そこで、装置目標値が制御器(Regler)によって(フィードバック)制御されることが提案される。この(フィードバック)制御は、供給されるパーク出力が、即ちとりわけ共通のネット接続点におけるパーク出力が、供給されるべきパーク出力の目標値と比較されるよう実行される。この目標値は、例えば電気供給ネットのネット運用者によって予め設定することができる。この比較の際に、ここで制御偏差として使用される偏差が求められる(決定される)。この制御偏差に依存して、装置目標値が制御される。
【0013】
かくして、供給されるべきパーク出力の予め設定される目標値が単純に伝達されたり或いは個々の風力発電装置に対して換算されたのちに伝達されたりするのではなく、実際のパーク出力が予め設定されるパーク出力と比較され、それに依存して目標値が設定される。比較の結果、例えば供給されるパーク出力が依然として所望の出力を超えていることが判明すると、装置目標値はそれに応じて更に減少される。この際において、このパーク出力の個々の風力発電装置(これらの装置出力の総和がパーク出力をなしている)への配分(割当て)は分かっている(既知である)必要はない。ウインドパークのすべての風力発電装置が比較的小さい装置出力を提供するか否か或いは幾つかの風力発電装置が丁度運転停止しておりかつそれら以外の(残りの)風力発電装置がそれほど強く減少されない(即ち僅かに減少された:weniger stark reduziert)装置出力を提供するか否かについては、検査する必要はない。
【0014】
有利には、制御器は、装置目標値として、風力発電装置の夫々の定格出力に関連付けられた相対的な目標値を出力する。とりわけ、相応にパーセントで表された目標値が出力される。追加的に又は代替的に、各風力発電装置に対し同じ値が与えられる。かくして、例えば、制御器は、まず、すべての風力発電装置に対し値100パーセントを出力することができるが、これは、とりわけ、供給されるべきパーク出力の目標値が100パーセントである場合ないしはパーク出力に対する予設定が行われなかった即ちウインドパークが丁度実際に可能である限りの出力の供給が許される場合に、可能である。
【0015】
従って、この場合、各風力発電装置は、値100パーセントを装置目標値として受け取る。このため、各風力発電装置は、可能な限りの出力を供給することができる。なお、ここでの説明においては、たとえ大抵の風力発電装置が理論的には相応の風条件では定格出力より大きい出力を生成することが可能であるとしても、風力発電装置の定格出力が生成可能な最大の出力であることを出発点ないし前提としている。尤も、風力発電装置の通常の運転条件の場合、出力定格値は実用上の最大値とみなすことができる。
【0016】
今、目標値が低減され、そして単純化してすべての風力発電装置が運転状態にありかつ同時に定格出力を提供するとすれば、まず、供給されるべきパーク出力の目標値と実際に供給されるパーク出力との間に差が生じる。この検出された差即ち制御偏差に基づいて、装置目標値は減少される。P制御の場合、この減少は、供給されるべきパーク出力の目標値(パーク目標値と略称される)の変化も跳躍的であれば、最初に跳躍的に実行されるであろう。尤も、たとえばPI制御器のような他の制御タイプも考慮の対象となる。かくして、例えば予め設定されるパーク目標値が80パーセントであったのであれば、装置目標値も例えば80パーセントに減少される。そして、風力発電装置は、その装置出力を目標値に適合させ、例えば、極めて単純な或いは極めて単純化された例を挙げれば、80パーセントに減少する。この場合、供給されるパーク総出力も80パーセントに減少し、かくして、パーク出力の所望の目標値が達成されているであろう。
【0017】
今、ある風力発電装置が運転停止すれば、それに応じ、供給されるパーク出力は、この運転停止した風力発電装置がその運転停止前に供給していた出力の分だけ減少するであろう。例えば、パーク出力は、70パーセントにしかならないのであれば、パーク目標値を下回っている。制御器はこれを認識し、装置目標値を増加する。
【0018】
風力発電装置のこの増加された目標値はすべての風力発電装置に伝送され、運転停止している風力発電装置も含まれるが、これは、当面は何の影響も及ぼさない。それ以外の風力発電装置は、可能であれば、実際に供給されるパーク出力がパーク目標値に到達するまでその出力を増加する。この場合、例えば、予設定目標値は85パーセントであり、場合によっては、ウインドパークのすべての風力発電装置がその定格出力の85パーセントを夫々供給する。他方、運転停止している風力発電装置のみがその定格出力の0パーセントを供給する。
【0019】
かくして、ウインドパークのすべての風力発電装置の協働が、各風力発電装置が生成可能な出力の大きさを予め知ることなしに、結果として実行されたことになる。上述の例ではどの風力発電装置が運転停止しているかについても、この例では予設定値は各風力発電装置に、より詳細には、この場合各風力発電装置の定格出力に関連付けられているため、検出(決定)する必要はなく、かくして、すべての風力発電装置に対して同じ値を、例えば上記の例の最後の状態における85パーセントを(予め)設定することができる。これは、1MW風力発電装置については、1メガワットの85パーセントを意味し、他方、7.5MW風力発電装置については、7.5メガワットの85パーセントを意味する。
【0020】
尤も、代替的に、各風力発電装置に対して独自の(専用の)予設定値を求めることも可能であるが、これは課題の有利な解決策ではない。
【0021】
かくして、相対的ないし規格化された目標値の装置目標値としての使用は、簡単な態様で、各風力発電装置に対し同じ値を与えることを可能にする。従って、実際に必要とされることは、ただ1つの値のみを計算し、これを各風力発電装置に伝送することである。
【0022】
制御器について、制御器タイプ及び追加的に又は代替的にそのパラメータ付け(Parametrierung)を変更することが、一実施形態に応じて提案される。これによって、ウインドパーク及び/又は電気供給ネットの種々異なる状況又は運転条件を考慮することができる。これは、一時的な状況又は運転条件に対しても、持続的な状況又は運転状況に対しても関連することができる。例えば、ウインドパークは、強い(大規模な)ネットにも弱い(小規模な)ネットにも接続されることができるが、装置目標値をパーク目標値に依存して決定する制御器はこのことを考慮することができる。ネットにおける出力バランス(Leistungsbilanz)の予期され得る変動も考慮することができる。同様に、例えば、ウインドパークのダイナミクス(動的特性:Dynamik)ないしあり得るダイナミクスも考慮することができる。
【0023】
制御器タイプ及び/又はパラメータ付けのそのような変更を選択信号によって実行することが、一実施形態に応じて提案される。そのような選択信号によって、ウインドパークの運用者及び/又は電気供給ネットの運用者は相応の予設定を行うことができる。例えば、ネット運用者が利用可能なないし要求される電力の近い将来にける跳躍的変化を予期する場合、このネット運用者は、例えば、選択信号を介して、高ダイナミクスの制御器を要求することができる。この高ダイナミクスの制御器は、相応のパラメータ付けによって及び/又は相応のダイナミクスを有する制御器タイプの選択によって達成することができる。
【0024】
更なる例として、例えば重要なネット電線が一時的に遮断されているネットにおいて作業が行われていることをネット運用者が知っているような状況を挙げることができる。この場合にも、例えば、そのように脆弱化されたネットのためのより良い安定化作用を達成する制御器を要求することができる。
【0025】
制御器タイプのそのように要求される変更は、装置目標値を制御する制御器が更なる入力パラメータを考慮することも意味することができる。
【0026】
制御器タイプ及び/又はパラメータ付けの変更を電気供給ネットのネット感度に依存して実行することが、一実施形態に応じて提案される。これに関し、ネット感度(Netzsensitivitaet)とは、ネットに作用するパラメータ(Groesse)の変化に対する、とりわけ共通のネット接続点に関する、ネットの応答(Reaktion)として理解されるものである。また、ネット感度は、ネット影響パラメータの差(変化)に対するネット応答の差(変化)として定義することもできる。とりわけ、この場合、供給される有効電力とネット電圧の大きさに関する定義が考慮される。例えば、単純化すれば、ネット感度NSに対し、以下の式を定義することができる:
【0027】
上式において、ΔPは供給される有効電力即ち供給されるパーク出力の変化、ΔUはネット電圧Uのその結果として生じる変化を表す。これらの差(変化)は、極めて短い期間に、とりわけ1秒以下の範囲で、形成される。有利には、出力の差に対する電圧の差についてのこの式の代わりに、相応に、ネット電圧Uの供給されるパーク出力Pによる偏微分(偏導関数)を形成することも可能である。ネット応答としては、ネット周波数fの変化も考慮される。更なる可能性として、ネット感度は以下の式によって考慮されるであろう:
【0028】
制御器タイプ及び/又はパラメータ付けの変更を短絡比(SCR)に依存して実行することが、一実施形態に応じて提案される。
【0029】
SCR(Short Circuit Ratio)とも称される短絡比は、短絡出力の接続出力(Anschlussleistung)に対する比を表す。ここで、短絡出力とは、関連する電気供給ネットが、風力発電装置ないしウインドパークが接続されている問題のネット接続点に、当該ネット接続点に短絡が生じたときに、提供することが可能な出力として理解されるものである。他方、接続出力とは、接続されている風力発電装置ないし接続されているウインドパークの接続出力、従って、とりわけ接続されるべき発電機の定格出力ないしウインドパークの発電機のすべての定格出力の総和である。従って、短絡比とは、この問題のネット接続点に関する電気供給ネットの強度についての基準である。このネット接続点に関して強い電気供給ネットは、大抵は、例えばSCR=10のような大きな短絡比を有する。
【0030】
短絡比は関連する電気供給ネットのネット接続点における挙動についての情報を提供できることも判明した。この場合において、短絡比は変化し得る。
【0031】
ウインドパークないし風力発電装置の新設する場合、短絡比を考慮し、これに対し有効電力制御及び無効電力制御を適合化すると有利である。有利には、更に、短絡比を風力発電装置ないしウインドパークの設置及び運転開始後に一定の間隔で検出することも提案される。短絡出力の検出は、例えばシミュレーションを利用したネットトポロジーについての情報に基づいて実行できる。接続出力(の検出ないし決定)は、単にウインドパークに含まれる複数の風力発電装置についての知識(情報)に基づいて実行可能及び/又は定格風速の際に供給される出力の測定(値)に基づいて実行可能である。
【0032】
選択可能な制御器タイプとして、P制御器、PI制御器、PT1制御器又はヒステリシス制御器を使用することが、一実施形態に応じて提案される。有利には、制御器はその入力端又はその出力端に動的な(ダイナミックな)制限ないし限界(Begrenzung)を設けることができる。これは、例えば入力端にこの制限が設けられた場合、パーク目標値ないしパーク実際値に対する結果として生じる差が制限された勾配(増加率)でのみ増加することを許容するものである。選択的に、同様の勾配制限は、出力端に即ち形成される装置目標値のために設けることも可能である。
【0033】
使用されるヒステリシス制御器は、とりわけ、非線形的であり、かつ、制御偏差が増加する場合、制御偏差が相応に減少する場合とは異なるように応答する制御器構成に関する。
【0034】
電気供給ネットの電圧のネット周波数を、とりわけネット接続点において、検出することが、一実施形態に応じて提案される。そして、装置目標値は、ネット周波数に依存して及び/又はネット周波数の変化に依存して調節される。
【0035】
例えば、ネット周波数が定格周波数を上回っているとき又は定格周波数についての上側閾値(周波数変動許容上限)を上回っているとき、装置目標値を減少することができる。この場合、更に、プラスのネット周波数変化が検出される場合、装置目標値を更に減少することができる。これに対し、ネット周波数変化がマイナスの場合、即ち、ネット周波数は再び正常値の方向に移動(変化)する場合、より僅かの出力減少、従ってより僅かに小さくした(weniger geringer)装置目標値を設定することができる。ネット周波数ないしその変化のそのような考慮は、パーク目標値の変更と一緒に実行することもできる。
【0036】
一実施形態に応じ、各風力発電装置はそれ自体が(ネット)周波数に依存する又は(ネット)周波数の変化に依存する(周波数依存又は周波数変化依存)出力適合化を実行する。従って、この場合、各風力発電装置は、提供される装置出力を減少又は増加するそれ自体のアルゴリズムを使用する。
【0037】
有利には、制御器タイプ及び又はそのパラメータ付けの変更又は選択も、一定のネット周波数に依存して及び追加的に又は代替的にネット周波数変化に依存して実行される。かくして、例えば周波数変動が大きくかつ急速である場合に、これに応じて大きなネット周波数変化が検出されると、装置目標値の(フィードバック)制御のために特に安定化作用を有する制御器を選択することができる。
【0038】
有利には、以下において制御基本タイプと称される以下の基本的な基本制御器設定(複数)を規定することができる。
【0039】
一の制御器設定に応じ、パーク出力の減少は実行されない。これは、第1制御基本タイプとしても提案される。この場合、パーク目標値は設定されないか100パーセントに設定される。供給されるパーク出力が100パーセントを超えることは想定できないため、供給されるパーク出力と予定されているパーク出力の間の制御偏差の評価(値)は原理的にマイナスの値又は最大で値0になる。この場合、所定の制限ないし限界(Begrenzung)によって、装置目標値が100パーセントを超えて増加される制御が阻止される。尤も、この装置目標値は100パーセントを超えて増加されることも可能ではある。というのは、この場合であっても、この値が100パーセントである場合と異なる結果を風力発電装置にもたらさないからである。代替的に、パーク出力を減少することが望まれないこの一般的な場合のために、制御器出力端をコンスタントに100パーセントに設定すること及び/又は制御偏差を作為的に0に設定することも可能である。
【0040】
パーク出力を外部から、とりわけ電気供給ネットの運用者によって、予め設定することが、更なる制御器構成として提案される。これは、本書では、第2制御基本タイプと称する。この場合、制御器は、予め設定されるパーク出力と供給されるパーク出力の間の制御偏差にのみ依存して装置目標値を決定する。従って、装置目標値は、供給されるパーク出力が予め設定されるパーク出力に相応するまで、少なくとも所望の正確さで相応するまで、制御器によって適合化(調整)される。
【0041】
パーク目標値が予め設定され、更に、各風力発電装置がその提供する装置出力の周波数依存又は周波数変化依存適合化を実行することが、第3制御基本タイプとして提案される。従って、この第3制御基本タイプは、個別の風力発電装置が周波数依存又は周波数変化依存有効電力制御を付加的に実行する機能が補充(付加)された第2制御基本タイプに相応する。
【0042】
パーク出力が予め設定され、制御器がパーク目標値とパーク実際値の間の制御偏差に依存して装置目標値を決定し、更にその際(制御器が)ネット周波数及び/又はネット周波数の変化も考慮することが、第4制御基本タイプないし制御基本タイプ4として提案される。これは、装置目標値が付加的にネット周波数又はネット周波数変化に依存する機能が補充(付加)された制御基本タイプ2に相応する。この場合、更に、風力発電装置自体も周波数依存出力制御(機能)を含むよう構成することができる。尤も、逆方向の周波数依存制御を回避するために、有利には、風力発電装置(複数)のための周波数依存出力制御は、制御基本タイプ4において提案されているように既に制御器によって中央ないし集中(制御)的に考慮される場合、排除ないし停止される。
【0043】
とりわけ、これらの4つの制御基本タイプの間で切替えを行うことが提案される。そして、そのような切替えは、例えばネット運用者によるもののように、外部信号によって実行することができる。そのような切替えは、ネット感度検出及び/又はネットの周波数及び/又は周波数変化に依存して実行することも可能である。複数の基準が考慮される場合、これらの基準は評価機能によって組み合されることができ、(1つの)閾値を介して、実際に切替えが生じる場合の(1つの)基準を予め設定することができる。この場合も、有利には、2以上の制御器タイプ間で、とりわけ2以上の制御基本タイプ間で、絶えずあれこれと切替えが生じることが回避されるよう、ヒステリシス要素が組み込まれる。
【0044】
尤も、とりわけ上述の制御基本タイプ間の切替えは、ウインドパークの設置又は運転開始の際にも実行することができる。このために、例えば、フラグとも称される相応のインジケータを設定することができる。その限りにおいて、このインジケータないしこのフラグは相応の制御器の設定または選択のための信号も生成する。
【0045】
有利には、制御基本タイプは選択又は変更することができ、追加的に、パラメータ付けも変更することができる。追加的に、制御器は、その都度選択される制御基本タイプの内容として選択又は変更すること、具体的には例えばPI制御器からヒステリシス制御器に変更すること(なお、これは単なる例示に過ぎない)ができる。
【0046】
有利には、装置目標値は中央制御ユニットによって決定される。従って、制御器は、ウインドパークの中央制御ユニットにある。この中央制御ユニットは、ネット接続点における別個のユニットとして構成されること、又は、(1つの)風力発電装置に、例えばネット接続点の近くに建設された風力発電装置の足部(基底部)に、設けることができる。中央制御ユニットは、有利には、ネット接続点の変圧器ユニットに設けることもできる。有利には、この中央制御ユニットは、電気供給ネットのネット電圧及び/又はネット周波数を検出するための測定手段を含む。
【0047】
更に、本発明に応じ、上記の実施形態の何れかの方法によって運転されるよう構成されるウインドパークも提案される。とりわけ、このウインドパークはFACTS機能を有することが望ましい。
【0048】
電気供給ネットに電気出力(電力)を供給するための方法は、多くの実施形態によって説明されるが、電気供給ネットへの有効電力の供給に関連する。同様に、このような態様で電気供給ネットの供給されるべき無効電力を制御すること、即ち、ウインドパークに対し無効電力目標値を予め設定し、相応の装置無効電力目標値を制御器によって決定して風力発電装置(複数)に与えることによって制御することも可能である。これも、本発明に従ってないし独立の教示として特許による保護が要求されている。
【0049】
ここに、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1)上記基本構成参照。
(形態2)上記の方法において、
・選択信号によって、
・電気供給ネットのネット感度に依存して、
・ネット周波数に依存して、
・ネット周波数変化に依存して、及び/又は、
・短絡比に依存して、
制御器タイプ及び/又はパラメータ付けが選択又は変更されることが好ましい。
(形態3)上記の方法において、制御器タイプは、
・P制御器、
・PI制御器、
・PT1制御器、及び、
・ヒステリシス制御器
を含む制御器タイプのリストから選択可能であることが好ましい。
(形態4)上記の方法において、電気供給ネットの電圧のネット周波数が検出され、装置目標値はネット周波数及び/又はネット周波数の変化に依存することが好ましい。
(形態5)上記の方法において、各風力発電装置はその装置電気出力を装置目標値とネット周波数及び/又はネット周波数の変化に依存して調節することが好ましい。
(形態6)上記の方法において、装置目標値はウインドパークの中央制御ユニットによってウインドパークの各風力発電装置に対して予め与えられ、及び/又は、検出されたネット周波数はウインドパークのすべての風力発電装置に対して中央制御ユニットによって提供される、とりわけ伝送されることが好ましい。
(形態7)電気供給ネットに電気出力を供給するウインドパークであって、上記形態1〜6の何れかの方法を使用する、ウインドパークも有利に提供される。
以下に、本発明の実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【実施例】
【0051】
図1は、タワー102とゴンドラないしナセル104を有する風力発電装置100の一例を示す。ナセル104には、3つのロータブレード108とスピナ110を有するロータ106が配設されている。ロータ106は、運転時、風によって回転運動し、この回転によって、ナセル104内の発電機を駆動する。
【0052】
図2は、例えば3つの風力発電装置100(これらは相互に同じものであることも異なるものであることもあり得る)を有するウインドパーク112の一例を示す。従って、これらの3つの風力発電装置100は、ウインドパーク112の原理的に任意の数の風力発電装置を代表的に示すものである。これらの風力発電装置100は、その出力を、具体的にはとりわけ生成した電流をパーク電気ネット114を介して提供する。そして、個々の風力発電装置100の夫々生成した電流ないし出力は総合される。大抵は、変圧器116が設置されている。この変圧器116は、ウインドパークの電圧を昇圧して、一般的にPCCとも称される給電点118において電気供給ネット120に給電する。
図2は、ウインドパーク112の一例の単純化した構成のみを示しており、従って、例えば制御システムは示されていないが、そのような制御システムは勿論存在する。更に、例えばパーク電気ネット114は、例えば各風力発電装置100の出力端に夫々変圧器を設けること(なお、これは他の一実施例の例示に過ぎない)によって、図示のものと異なるように構成することもできる。
【0053】
図3は、とりわけ、パーク電気ネット114を含むウインドパーク112の制御構造の一例を示す。なお、
図3のこのウインドパーク112の構造要素が
図2のウインドパーク112に少なくとも類似する限りにおいて、
図2と
図3の間での相互参照性を向上するために、同じ図面参照符号が用いられている。その限りにおいて、
図3のウインドパーク112は、変圧器116を介してネット接続点118において電気供給ネット120に給電するパーク電気ネット114も示している。パーク電気ネット114も電気供給ネット120(単純化して単にネットと称することもある)も3相として構成されている。
【0054】
出力測定ユニット2は、その都度実際に生成されるパーク出力P
Pistを測定する。この生成されるパーク出力は、合算(総合)部位(Summierstelle)において、予め設定されるパーク出力P
Asollと比較され、その結果として、パーク出力差ΔP
Pが生成される。パーク目標値は、外部ユニット4によって設定可能であり、例えば電気供給ネット120の運用者によって設定される。
【0055】
そのようにして得られた差ΔP
Pは、その限りにおいて、制御偏差ΔP
Pとみなされる。このパーク出力差は、スイッチS
1が閉成されかつスイッチS
2が図示の位置にあるとき、制御器R
1に供給される。制御器R
1は、スイッチS
4が図示の開成位置にあるとき、装置目標値P
Asollを生成する。
【0056】
図3に示したスイッチS
1〜S
5はすべて、図示の例の具体的説明のためのものである。従って、実際に実施される場合、以下に説明するこれらの機能ないし作用は、しばしば全く異なるように実現されることもある。
【0057】
そして、そのようにして生成された装置目標値P
Asollは、個々の風力発電装置100の夫々の装置制御ユニット6に供給される。そして、各装置制御ユニット6は、夫々の対応する風力発電装置が相応の出力P
A1、P
A2ないしP
A3を出力するないし給電のためにネット120に提供するよう、これらの風力発電装置を制御する。スイッチS1が閉成されていることを除き図示のままの
図3によってとりわけ表される運転状態に従って、これらの個々の装置出力P
A1、P
A2ないしP
A3は装置目標値P
Asollに従う。ここで、装置目標値P
Asollは、例えば0〜100パーセントの間(即ち0〜1の間)にある規格化されたパラメータである。
図3に示した構成の基礎もなしている一実施形態においては、装置目標値P
Asollは、この場合、各風力発電装置100の定格出力P
Nに関係する。例えば、第1風力発電装置WT
1の定格出力が1MWでありかつ他の2つの風力発電装置WT
2及びWT
3の定格出力が夫々2MWであれば、装置目標値P
Asollのための50パーセントの値は、第1風力発電装置WT
1のための500kWの出力及び他の風力発電装置WT
2及びWT
3の夫々のための1MWの値を意味する。従って、図示の例では、全体で2.5MWが生成されるであろう。この生成されるパーク総出力は、ライン測定部位2において検出され、パーク制御に供されるであろう。
【0058】
図3の制御構造に応じ、パーク出力についての目標実際値差(目標値と実際値の差)の検出が実行され、そして、その結果は制御器に供され、この制御器は当該結果から装置目標値を計算する。そして、この装置目標値は、複数の、場合によっては夫々異なる風力発電装置に与えられる。この場合、有利には、これらの風力発電装置はすべて同じ入力値を受け取るが、この入力値は恐らくは夫々異なる生成出力をもたらすであろう。
【0059】
更に、スイッチS
1〜S
5を用いて説明される幾つかの可能な切替えモードが提案される。スイッチS
1は、パーク目標値P
Psollとパーク実際値P
Pistの間の差を制御器に与えないモードも存在することを示している。このモードは、供給されるべきパーク出力のための目標値P
Psollが予め設定されることが全くないか又はこの目標値が100パーセントである状況を実際に反映している。従って、この場合、目標値予設定は効果を生じないが、これについては開成されたスイッチS
1によって表されている。この場合のために、制御器は装置目標値P
Asollとして100パーセントを出力する。このため、装置制御ユニット6はすべて、その限りにおいて出力の減少が要求されない信号を受け取る。各風力発電装置100ないしWT
1、WT
2及びWT
3は、その都度支配的な風のもとで可能な限りの出力を生成することができる。
【0060】
スイッチS1が閉成されると、装置目標値P
Asollの予設定が供給されるべきパーク出力の予設定値P
Psollに依存してアクティブになる(活性化ないし実行される)。この場合のために、まず、図示の制御器R
1が装置目標値P
Asollを制御する。この目的のために、制御器R
1は例えばPI(比例・積分)制御器として構成されることができる。即ち、この制御器R1は比例項と積分項を有する。従って、出力差ΔP
Pは、比例項を介して直ちに装置目標値P
Asollの部分に変換され、積分項は、固定的な(不変的な)精度の達成を試みることができる。ウインドパーク112又は電気供給ネット120の他の運転状態への適合化を考慮できるようにするために、制御器を変更することが提案される。これについては、例えば制御器R
2への切替えを可能にするスイッチS
2によって示される。勿論、以下に示す不図示のスイッチも相応に切り替える必要がある。切替えの対象となる更なる制御器を設けることができることについては、点線で図示されている。
【0061】
例えば、振動の回避のために、積分項を省いて純粋なP(比例)制御器を使用することは有利であり得る。これは、場合によって、更なる制御アルゴリズムが補われるべき場合にも考慮される。スイッチS
2によって示される制御器切替えは、同じタイプであるが異なるパラメータ付けがされた制御器への切替えでもあり得る。とりわけ、より複雑な制御器は、更にはPI制御器も、その都度相互に調整されることが望まれるであろう複数のパラメータを有する。かくして、複数の制御器間での切り替えによって、整合性のある(stimmig)パラメータセットが存在することが常に保証される。勿論、そのような変更(切替え)は、プロセスコンピュータでも、新たなパラメータセットの割当によって実行(変更ないし切替え)することができる。
【0062】
図3は、更に、ネット周波数f
Nを測定する周波数測定ユニット8が設けられていることを示している。原理的に、このネット周波数は、パーク電気ネット114においても測定することができる。図示の構成のためには、更には実用化における多くの場合においても、ネット周波数f
Nのこの中央制御的な測定は有利である。このネット周波数f
Nは、とりわけ、スイッチS
3を介して装置制御ユニット6に供給される。図示の及び上述の運転状態において、スイッチS
3は開成されており、従って、装置制御ユニット6は、出力制御の調整に関しては、ネット周波数を考慮することなく作動する。なお、風力発電装置は、供給されるべき電流を生成する際に、ネットの周波数及び位相を考慮する必要があることは勿論である。しかしながら、この考慮は、このスイッチS
3によって影響を及ぼされるべきではない。
【0063】
このスイッチS
3が閉成されると、ネット周波数は装置制御ユニット6に供給されるが、これは、各装置出力P
A1、P
A2及びP
A3の制御はこのネット周波数f
Nを考慮することを示している。従って、例えば、生成される出力は、ネット周波数f
Nが予め定義される限界値ないし閾値を超えて上昇する場合、各装置制御ユニットによって減少されること、とりわけ迅速に減少されることができる。尤も、とりわけ実用的適用においては、両方の(何れの)装置制御ユニットのネット周波数は常に既知であることがあり、周波数及び位相の適合化のために必要とされるが、出力レベルの決定のために考慮されるべきではない。この場合、閉成されたスイッチS
3は、出力レベルP
A1、P
A2及びP
A3の決定のためのネット周波数f
Nの考慮を象徴的に示す。
【0064】
ネット周波数は、装置目標値P
Asollを決定する上位の制御器によっても考慮されることができる。これは、スイッチS
4によって示されている。このスイッチS
4は、周波数依存型制御器R(f)が装置目標値P
Asoll’を一緒に決定することを象徴的に示している。このために、合算(総合)部位(Summierstelle)10が設けられている。スイッチS
2の位置に応じて制御器R
1又はR
2に、更に、制御器R(f)による計算が加わる。尤も、これらの両者の制御器の相互補完は、加算とは異なる態様によって実行することも可能である。例えば、ウインドパークの出力差ΔPもネット周波数f
Nも考慮する全体制御器に切り替えることも可能である。
【0065】
周波数依存型制御器ないし周波数依存型部分制御器R(f)は周波数に直接的に依存することが可能であり、或いは、代替的に又は追加的に、周波数変化∂f/∂tに依存することも可能であるが、これはブロック12によって表されている。ブロック12は、周波数の時間による偏微分∂f/∂tを示すが、これは、プロセスコンピュータにおいて差分形成(Differenzenbildung)又はその他の方法によって変換される(達成される)こともできる。何れにせよ、スイッチS
5は、部分制御器R(f)が直接的にネット周波数f
N又はその変化又はその両方に依存することができることを示している。
【0066】
一つの態様でのみ即ち部分制御器R(f)によって中央(集中)制御的に或いは個々の装置制御ユニット6の各々において周波数依存性を考慮するために、スイッチS
3が開成されているときスイッチS
4を閉成すること及びその反対の操作を行うことは好都合であろう。尤も、関連する複数の制御器が相応に相互に適合(abgestimmt)されている場合は、同時に考慮することは排除されるべきではない。
【0067】
更に、上述の切替えはその都度外部の入力によって即ち外部の信号又は外部のインジケータによって目標を定めて実行することができること、又は、この切替えを制御する、有利にはネット周波数及び/又はその時間的変化に依存するアルゴリズムを設けることが指摘される。
【0068】
上述の制御基本タイプに関し、制御基本タイプ1は
図3に示した状態、即ちスイッチS
1、S
3及びS
4が開成されている状態に相応する。制御基本タイプ2は、スイッチS
2の閉成状態を除いて
図3に示した状態に相応する。なお、この制御基本タイプ2のために、スイッチS
2は、異なる制御器R1又はR2又は他の制御器を選択することができる。
【0069】
制御基本タイプ3は、スイッチS
1が閉成されかつスイッチS
3が閉成されていることを除き、
図3に示した状態に相応する。即ち、追加的に、各装置制御ユニット6における出力レベルの周波数依存的決定はアクティブである。
【0070】
制御基本タイプ4は、スイッチS
1及びスイッチS
4が閉成されていることを除き、
図3に示した状態に相応する。即ち、追加的に、装置目標値が周波数にも依存して影響を受ける。
【0071】
この制御基本タイプ4について、更に、スイッチS
3も閉成されると、各装置制御ユニット6における周波数依存出力レベル決定は更にアクティブになるが、この状態は制御基本タイプ5と称することができる。これらの制御基本タイプ4及び5のためにも、更に、スイッチS
2による切り替えを実行すること、即ち、制御器R1、R2又は他の示唆した制御器の間での選択を実行することができる。
【0072】
可能なパーク制御を説明するために、
図4は、幾つかのタイムチャートの例を示す。これらのチャートはすべて同じ時間軸(Zeitstrahl)に基づいている。一番上のチャートは、パーク出力の時間推移、即ち、予め設定されるパーク出力P
Psoll、その都度存在する(供給される)パーク出力P
Pist及びパーク目標値P
Psollとパーク実際値P
Pistの間の制御偏差(これはここではΔP
Pとも称される)の時間推移を示す。これらの3つの時間推移は、ウインドパークの定格出力P
PNに対して規格化されており、単純化のため、パーセントで表されている。
【0073】
(上から)2番目のチャートは、規格化された形での即ちパーセント表記された値としての装置目標値P
Aを示す。
【0074】
残りの3つのチャートは、夫々、
図3に示した3つの風力発電装置WT
1、WT
2及びWT
3についての生成出力P
A1、P
A2及びP
A3を示す。なお、この3という数は、単に説明のために選択されたに過ぎない。ウインドパークは、3つの風力発電装置のみから構成されることも可能であるが、通常は、ウインドパークは遥かにより多くの風力発電装置を含む。
図4のチャートは、各風力発電装置WT
1、WT
2及びWT
3に対する風条件は定格出力の生成、即ち、P
N1、P
N2及びP
N3の生成を可能にするものであることを仮定している。この場合、これらの風力発電装置の個々の出力は、夫々、図において、それらの定格出力P
N1、P
N2及びP
N3に関係付けられて記載されている。
【0075】
チャートは、100パーセントのパーク出力のための予設定値で開始する。即ち、制限ないし限定(Beschraenkung)は設定されていない。時点t
1では、パーク目標値P
Psollは50パーセントに減少される。そのため、まず、ウインドパークの出力差ΔP
Pは同様に50パーセントに跳躍的に増加する。この場合、目下のところ、
図3に応じた制御が存在するが、スイッチS
1は閉成されている。そのため、この50パーセントに跳ね上がったパーク出力の差の値ΔP
Pは、制御器R
1に供給される。この制御器R
1がPI制御器であるものとすれば、P
Asollと称することも可能な装置目標値は跳躍的に100パーセントから例えば75パーセントになる。そして、I項(I要素)に基づき、時間tの更なる進行と共に、目標値P
Aは50パーセントに減少する。すべての装置出力P
A1、P
A2及びP
A3も同様に、目標値P
Asollによって要求されるように、夫々の定格出力の半分に低下する。しかしながら、75パーセントへの跳躍的低下は、個々の装置出力の実際値の場合には見られないが、そのため、このチャートにおいては、ある種のダイナミクスないし物理的慣性(の存在)が示唆されているというべきである。
【0076】
少々時間が経過した後、すべての装置出力P
A1、P
A2及びP
A3はそれらの定格出力の半分になっている。
図4に示したチャートは、3つの風力発電装置がすべて同じ定格出力P
N1=P
N2=P
N3を有することを仮定している。パーク出力の実際値はそれに応じて50パーセントに低下するが、これは予め設定されるパーク目標値P
Psollに相当する。実際値P
Pistと目標値P
Psollについての2つのグラフは、上側のチャートでは、視認性の向上のみを目的として、相互に僅かな間隔をあけて記載されている(部分がある)。しかしながら、実際には、この例におけるこれらの値は理想的には同一である。
【0077】
次に、時点t
2において、第1風力発電装置WT
1が運転停止したと仮定する。従って、その出力P
A1は急激に0に低下する。その結果、パーク出力P
Pistも急激に低下するため、ウインドパークの出力差ΔP
Pは跳躍的に相応の値だけ増加する。そのため、装置目標値P
Asollも変化し、小さい値だけ跳躍的に増加した後、更に増加し続ける。なぜなら、依然として、制御器R
1としてPI制御器が使用されているからである。
【0078】
第1風力発電装置WT
1は、運転停止しているので、この変化された装置目標値に従わないのは勿論である。これに対し、他の2つの風力発電装置WT
2及びWT
3はそれらの出力を増加することができる。これに応じてパーク出力も増加するため、再び目標値P
Psollに到達することができる。即ち、パーク出力P
Pistは、再び、50パーセントの値に到達する。他方、このため、第2及び第3風力発電装置の装置出力P
A2及びP
A3は何れもそれらの定格値P
N2及びP
N3の凡そ75パーセントになっている。ここで留意すべきことは、パーク目標値P
Psollは時点t
1以降ずっと50パーセントのまま変わらずに維持されていることである。
【0079】
時点t
3において、ネット運用者は、ウインドパークを周波数依存的に制御されるネット安定化にも寄与させることを決定したとする。これは、かつては行われていなかったことである。この場合、このネット安定化は、各風力発電装置の個別の制御によってではなく、中央パーク制御器によって(ウインドパークの中央(集中)制御によって)実行されることが望ましい。そのため、このことは、
図3の例では、スイッチS
4が閉成されることを意味する。この場合、その他の点では、スイッチS
5の図示下側部分も閉成される必要がある。即ち、追加的に、周波数依存性の制御器部分が動作可能にされる。しかしながら、
図4のチャートでは、何の効果も見出すことはできない。その理由は、ネット周波数は時点t
3においては依然としてほぼその定格値を有することにある。これに関連して、時点t
3から始まる周波数f
Nの推移を
図4の紙面右上に挿入したチャートに示す。この場合、定格周波数としては、例として、50Hzを仮定したが、これは、世界の他の地域の場合、例えば60Hzとすることも可能である。
【0080】
しかしながら、時点t
3とt
4の間において、ネット周波数は上昇し始め、時点t
4において上側閾値f
Oを上回る。すると、時点t
3において動作可能されていた周波数依存性制御器はアクティブになって(活性化されて)、パーク出力の減少を要求するが、これは、装置目標値P
Asollが減少されることによって実行される。他方、パーク目標値は変化されることなく50パーセントに維持される。
【0081】
そして、周波数が時点t
5においてその最大値に到達し、時点t
6までそこに留まる。これに応じて、装置目標値P
Asollは時点t
5においてその極小値に到達する。風力発電装置WT
1は依然として運転停止しているが、第2及び第3風力発電装置WT
2及びWT
3は装置目標値P
Asollに従い、それらの出力P
A2及びP
A3を相応に低下する。ここで、装置目標値P
Asollのこの周波数依存の減少は極めて迅速に実行されることも留意すべきである。従って、この例では、
図3にR(f)として図示されているこの周波数依存型制御器の制御ダイナミクスは、制御器R
1よりもより大きいダイナミクスを有する。
【0082】
そして、周波数は時点t
6において再び低下し、時点t
7において上側閾値を下回る。そのため、装置目標値は時点t
6において再び増加し、時点t
7において、基本的に、周波数に依存しない目標値に到達する。装置出力P
A2及びP
A3は相応に追従し、その結果、時点t
7において、パーク出力P
Pistの値も外部から予設定される50パーセントに再び到達する。
【0083】
ここに、本発明の好ましい実施の態様を付記する。
(態様1)複数の風力発電装置を有するウインドパークの電気出力を電気供給ネットに供給する方法が提供される。この方法において、
・複数の風力発電装置の各々は装置電気出力を提供し、
・提供される装置電気出力の総和はパーク出力として電気供給ネットに供給され、
・提供されるべき装置電気出力を予め設定するために複数の風力発電装置の各々について装置目標値が予め設定され、
・装置目標値は、供給されるパーク出力と供給されるべきパーク出力の目標値の比較としての制御偏差に依存して、制御器によって制御され、
・制御器は、装置目標値として、風力発電装置の夫々の定格出力に対する相対的な、とりわけパーセントで表された、目標値を出力する。
(態様2)上記の方法において、出力測定ユニットは、実際に生成されるパーク出力を前記供給されるパーク出力としてネット接続点において測定することが好ましい。
(態様3)上記の方法において、各風力発電装置に対し同じ相対的な目標値が与えられることが好ましい。
(態様4)上記の方法において、
・選択信号によって、
・電気供給ネットのネット感度に依存して、
・ネット周波数に依存して、
・ネット周波数変化に依存して、及び/又は、
・短絡比に依存して、
制御器タイプ及び/又はパラメータ付けが選択又は変更されることが好ましい。
(態様5)上記の方法において、制御器タイプは、
・P制御器、
・PI制御器、
・PT1制御器、及び、
・ヒステリシス制御器
を含む制御器タイプのリストから選択可能であることが好ましい。
(態様6)上記の方法において、電気供給ネットの電圧のネット周波数が検出され、装置目標値はネット周波数及び/又はネット周波数の変化に依存することが好ましい。
(態様7)上記の方法において、各風力発電装置はその装置電気出力を装置目標値とネット周波数及び/又はネット周波数の変化に依存して調節することが好ましい。
(態様8)上記の方法において、装置目標値はウインドパークの中央制御ユニットによってウインドパークの各風力発電装置に対して予め与えられ、及び/又は、検出されたネット周波数はウインドパークのすべての風力発電装置に対して中央制御ユニットによって提供される、とりわけ伝送されることが好ましい。
(態様9)電気供給ネットに電気出力を供給するウインドパークであって、上記態様1〜8の何れかの方法を使用する、ウインドパークも有利に提供される。