【解決手段】可動浴槽30は、湯を溜める浴槽本体12とその側面12a及び底面12bを覆う浴槽カバー13とを備えた。可動浴槽30の一側面に回動軸35を設け、入浴可能な横置き位置と起立位置との間で上下方向に回動可能とした。浴槽本体の排水口33を接続部34を介して主排水ホース32に連結し、主排水ホース32の他端を浴槽カバー13の側部13aから突出させる。主排水ホース32は可撓性があり、回動軸35の貫通孔35aに貫通させ、自重で下方に垂下させ、排水を自然流下させて排出する。可動浴槽30を回動軸35回りに回動させると主排水ホース32が床面との間で湾曲変位する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の介護浴槽では、高齢者や身体障害者が入退浴し易いように浴槽を傾けたり入浴のために水平にしたりして揺動させるものであり、浴槽の非使用状態で浴槽を倒立させて居住空間内や浴室内等で格納することは想定していなかった。
そのため、特許文献1記載の浴槽を非使用状態で格納等のために起立させる場合には、浴槽裏面の排水管や揺動機構等が露出して外観上の見栄えが悪かった。
しかも、排水管を建物の排出機構の排水口に直接連結して湯等の排水を室外の配管に排出する場合には、浴槽の回動によって排水管の一部が折れ曲がったり浴槽の縁で圧迫されたりして負荷がかかり、漏水リスクがあるという欠点もあった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、浴槽を倒立させた際に浴槽底部に排水管が露出することを抑制すると共に、浴槽を回動させる際に排水管に負荷がかかることを防止するようにした可動浴槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による可動浴槽は、入浴可能な横置き位置と起立させた位置との間で回動可能とした可動浴槽であって、可動浴槽は湯を溜める浴槽本体と該浴槽本体を囲う浴槽カバーとを備えており、浴槽本体内の湯を排出する排水管が側面から突出していることを特徴とする。
本発明によれば、可動浴槽を横置き位置と起立位置との間で回動可能であるため不使用時等には起立させて格納でき、可動浴槽の側面に湯等の排水を排出するための排水管が突出しているために可動浴槽を回動させる際に排水管が折れ曲がったり浴槽本体の荷重を受ける等の負荷がかかることを防止できる。しかも、浴槽本体は浴槽カバーに覆われているために可動浴槽の底部に排水管等が露出することを抑制できて外観上の見栄えがよい。
【0008】
また、排水管は浴槽本体の底面に設けた排水口に連結されていることが好ましい。
浴槽本体の底面の排水口に連結した排水管を側面に引き出すことで、可動浴槽を起立させた際に浴槽カバーで覆われた底部から排水管が露出しないので外観上の見栄えがよい。
【0009】
また、可動浴槽を上下方向に回動させる回転軸は、側面に設けた排水管に近接した位置に設けられていてもよい。
排水管が回動軸の近傍に設置されているため、可動浴槽を回転軸回りに回動させる際に排水管の変動や変位を抑制できるため、負荷や負担がほとんどかからず漏水リスクが小さい。
【0010】
また、可動浴槽を上下方向に回動させる回転軸が側面に設けられ、回転軸の半径方向に排水管が貫通していてもよい。
回動軸回りに可動浴槽を回動させる際、排水管は回動軸の下流側部分でのみ湾曲変位するにすぎず、移動や変位を小さく抑えることができるため、負荷や負担がほとんどかからず漏水リスクが小さい。
【0011】
また、可動浴槽を上下方向に回転させる回動軸は排水管を回動可能に支持するスイベルジョイントと同軸に設置されていてもよい。
可動浴槽を回動軸回りに回転させると、側面から突出する排水管も回動軸と同軸にスイベルジョイント回りに回転するため、排水管が引っ張られたり折り曲げられたりすることを防止して損傷を抑制でき、負荷や負担がほとんどかからず漏水リスクが小さい。
【0012】
また、浴槽本体の底面または浴槽カバーの底部に衝撃緩和部材が設置されていてもよい。
浴槽本体の底面及び浴槽カバーの間または浴槽カバーの底部に衝撃緩和部材が設置されているため、可動浴槽を起立位置から横置き位置まで回動させた場合に可動浴槽に衝撃が作用することを緩和できるため、可動浴槽の損傷を抑制できる。
【0013】
また、可動浴槽には横置き位置の高さを調整するレベル調整部材が設けられていてもよい。
可動浴槽を床置きする際に床面に不陸があったとしても、レベル調整部材によって高さ調整することで可動浴槽の傾きを調整して水平に設置できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る可動浴槽によれば、可動浴槽の側面から浴槽本体内の湯を排出する排水管が突出しているため、可動浴槽を横置き位置から起立させても浴槽カバーによって底部に排水管等が露出することを防止できると共に、側面から排水管を突出させたために可動浴槽を回動させる際に排水管に負荷がかかることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による可動浴槽を添付図面によって説明する。
図1及び
図2は本発明の第一実施形態による可動浴槽を備えた自立型設備ユニットを示すものである。
図1に示す自立型設備ユニット1は例えば建物の居住空間に設置されており、床面2から起立する起立ユニット3と天井ユニット4とで略L字形に形成されている。起立ユニット3は例えばインフラタワーであり、水平断面が縦横方向にそれぞれ所定幅を有する中空の筒体で形成され、床面2から自立して鉛直方向に延びている。
【0017】
天井ユニット4は略水平方向に配設された筒体で形成され、起立ユニット3の上端部に一端が連結され他端部は躯体壁6に連結されている。天井ユニット4は図示しない天井面をなす天井スラブの梁からわずかに隙間を開けて下側に設置されているが、天井面に当接して設置してもよい。
天井ユニット4や起立ユニット3は例えば四角筒枠等のフレームをパネルで覆った筒状にした構成でもよいし、高剛性パネルだけで四面を形成したフレームレス構造でもよい。起立ユニット3や天井ユニット4は略四角形筒状に限定されるものではなく、略円筒状や他の多角形筒状等、その断面形状は任意に設定できる。
【0018】
自立型設備ユニット1における起立ユニット3及び天井ユニット4と躯体壁6で仕切られた空間内には起立ユニット3に支持された本発明の実施形態による浴槽8が設置されている。
図1及び
図2に示すように、浴槽8は起立ユニット3に対して後述する回動軸を介して起立及び倒伏可能に連結されている。浴槽8は
図1に示すように床面2上に載置した状態で入浴可能であり、
図2に示すように起立ユニット3に略平行に起立した状態で格納される可動浴槽である。
本実施形態の自立型設備ユニット1では、起立ユニット3の浴槽8と反対側の側面には例えば水洗便器10が起立及び倒伏可能に連結されている。水洗便器10は起立ユニット3における床面2より高い位置に回動可能に設置され、水平に倒れた状態で使用可能であり、起立ユニット3に平行に起立した状態で格納されている。なお、自立型設備ユニット1内には浴槽8や水洗便器10の排水を圧送する圧送ポンプ20と排水管9等が納められている。
【0019】
次に浴槽8の具体例について
図3〜
図5によって説明する。
図3に示す本実施形態による浴槽8は湯を溜めることができる。例えば略四角形箱状の浴槽本体12と、浴槽本体12の四周の側面12aと底面12bを囲う浴槽カバー13とを備えている。浴槽カバー13は浴槽本体12の各側面12aを覆う側部13aと底面12bを覆う底部13bとで形成されている。
浴槽本体12の底面12bには外周面に雄ねじが切られた円筒形部17が形成され、円筒形部17に螺合可能な雌ねじ部を形成した凹部を有する円錐台部18が設けられている。円錐台部18は円筒形部17との捩じ込み深さを調整することで浴槽脚部の長さを調整できる。円筒形部17と円錐台部18とでレベル調整部材を構成する。円錐台部18の下端部に設けた円形プレート15には第一面ファスナー19aが取り付けられ、浴槽カバー13の底部13bには第一面ファスナー19aに接着可能な第二面ファスナー19bが固着されている。なお、円筒形部17と円錐台部18と円形プレート15とで浴槽脚部を構成する。浴槽脚部は浴槽本体12の底面12bの四隅に設置することが好ましい。
【0020】
そのため、浴槽8を倒立させた状態で底面12bに設けた円筒形部17に円錐台部18を適宜螺合させることで浴槽脚部の長さ調整を行い、円錐台部18の円形プレートに第一面ファスナー19aを取り付ける。次いで、浴槽8を倒して横置きすることで、浴槽カバー13の底部13bに取り付けた第二面ファスナー19bに接着して、浴槽8を取り付けることができる。
【0021】
次に実施形態による浴槽8の第一及び第二変形例について
図4、
図5によって説明するが、実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明する。
図4に示す第一変形例による浴槽8Aは、浴槽本体12の底面12bに接着等で固定した円筒形部17に長さ調整可能に捩じ込んだ円錐台部18に円形プレート15を連結している。円錐台部18の円形プレート15を浴槽カバー13の底部13bに載置した状態で、底部13bには円形プレート15の外周に沿って凸部21が突出して形成されている。
【0022】
そして、浴槽8Aを横置きにした状態で、浴槽カバー13の側部13aを外して、円錐台部18のねじ回転により浴槽脚部の高さの微調整を行う。次に、凸部21の上に固定プレート22をねじ止めして円形プレート15に重ねて係止させる。これによって、浴槽8Aを倒立させた際に浴槽本体12の浴槽脚部が浴槽カバー13から外れないように保持する。なお、円形プレート15と固定プレート22の間には上下方向にわずかな隙間があるので、固定後でも円錐台部18のねじ回転による浴槽脚部の高さの微調整が可能である。
【0023】
次に
図5に示す第二変形例による浴槽8Bは、浴槽本体12の底面12bに接着等で上面を固定した円筒形部17が浴槽脚部を構成する。円筒形部17の下面を浴槽カバー13の底部13bに接着等で固定する。また、浴槽カバー13の底部13bにはそのフレームを設置した部分に高さ調整用ボルト24を捩じ込み固定した。高さ調整用ボルト24は浴槽カバー13の底部13bの例えば四隅に取り付けることが好ましい。そして、浴槽8Bを倒立させるか、後述する回動軸35から離間した一端部を持ち上げて高さ調整用ボルト24を回転させることで、浴槽8Bを床面2に設置した際の水平出しを行うことができる。
【0024】
次に、上述した浴槽8,8A,8Bの任意のいずれかに回動軸35,41,51を設けたものを可動浴槽30,40,50とし、以下にこれら可動浴槽30,40,50の可動構造について本発明の第一〜第三実施形態として
図6〜
図9により説明する。なお、上述した浴槽8,8A,8Bに設けた浴槽脚部を備えたレベル調整部材は、以下の説明では省略する。
図6に示す第一実施形態による可動浴槽30は、浴槽本体12の側面12aの内面上部に排水穴としてオーバーフロー31が形成されている。このオーバーフロー31は浴槽本体12と浴槽カバー13の間に配設された副排水ホース32aに連結されている。浴槽本体12におけるオーバーフロー31は浴槽本体12の上端部より若干下側に開口しているため、浴槽本体12内に溜められる湯が上端部から溢れる前にオーバーフロー31から排出される。
また、浴槽本体12の底面12bはオーバーフロー31側の一端から他端側に向けて僅かに傾斜しており、底面12bの勾配の最下部に排水口33が形成されている。排水口33には取り外し可能な止水蓋Sが嵌合されている。
【0025】
副排水ホース32aの他端部は更に下流側に延びる主排水ホース32に連結されている。しかも、浴槽本体12の底面12bに設けた排水口33は接続部34を介して主排水ホース32と副排水ホース32aに接続されている。これら副排水ホース32aと接続部34と主排水ホース32は浴槽本体12内の湯を排出する排水管を構成する。
また、主排水ホース32は弾性変形可能とされている。或いは、副排水ホース32aを用いることなく、排水管の全長を可撓性のある主排水ホース32で構成してもよい。なお、主排水ホース32の材質として合成樹脂やゴム等、適宜の可撓性を有する部材を採用できる。
【0026】
主排水ホース32は接続部34から浴槽カバー13の側部13aに設けた穴を貫通して外部に突出して延びており、他端部が床面2の下側に延びている。副排水ホース32aと主排水ホース32はオーバーフロー31との接続部から他端部の排水出口に向けて次第に下方に傾斜するように配設されていて、オーバーフロー31に連結する副排水ホース32aから主排水ホース32の下端部まで湯等の排水が自然に下方に流れるようになっている。
【0027】
また、可動浴槽30において、浴槽カバー13におけるオーバーフロー31とは反対側端部の側部13aの下端部近傍には、可動浴槽30を床面2に略水平に置く横置き位置(床置き位置)と起立ユニット3に略平行に倒立する起立位置との間で回動可能な回動軸35が連結されている。回動軸35は例えばアーム部36を介して起立ユニット3(または床面2)に連結されており、しかも回動軸35は例えば略90度回動可能とされている。なお、回動軸35と可動浴槽30は一体に回転可能であり、例えば図示しない駆動モータや手動ハンドル等を用いて回転可能とした。
また、回動軸35はその半径方向に貫通する貫通孔35aを有しており、この貫通孔35a内を主排水ホース32が嵌挿している。
【0028】
図6に示すように、可動浴槽30が床面2上に水平に載置された状態で、回動軸35は例えば貫通孔35aとこれを貫通する主排水ホース32とが略水平に保持され、主排水ホース32はその先端側が自身の重力で下方に撓んでいる。
また、可動浴槽30を例えば直立に起立させて起立ユニット3と略平行に支持した場合には、貫通孔35aとこれを貫通する主排水ホース32は略鉛直に保持されており、その先端側が湾曲して床面2に沿って水平方向に湾曲している。
また、可動浴槽30の浴槽本体12の底面12bと浴槽カバー13の底部13bとの間にはクッション等の衝撃緩和部材38が設置されている。衝撃緩和部材38は浴槽本体12の長手方向に間隔を開けて2個以上設置することが好ましいが、1個でもよく、その場合には回動軸35と反対側に離間する位置に設置するとよい。衝撃緩和部材38としてクッションに限定されることなくコイルばねやゴム等の弾性体を設置してもよい。
【0029】
本実施形態による可動浴槽30は上述した構成を備えており、次にその作用を説明する。例えば、
図6において起立姿勢で格納状態にある可動浴槽30を入浴のために床面2上に回動させる。そのために、駆動モータや手動ハンドル等で回動軸35を介して可動浴槽30を回動させると、
図6で略鉛直方向に延びる可動浴槽30は回動軸35を中心に時計回りに回動させられ、回動軸35と副排水ホース32a及び主排水ホース32は一体に回動する。そして、可動浴槽30が床面上で水平位置に至ると停止し、回動軸35に支持された主排水ホース32は湾曲姿勢が変化して略水平状態になる。
この状態で、可動浴槽30は排水口33が止水蓋Sで閉塞されており、浴槽本体12内に湯を供給して満たすことで入浴可能になる。このとき、浴槽本体12の湯がオーバーフロー31を超えると副排水ホース32a及び主排水ホース32を通して外部に排出されるため、浴槽本体12から溢れない。
【0030】
次に、入浴終了後に浴槽本体12から湯を排出するために止水蓋Sを外すと排水口33から湯が排出され、接続部34を通って主排水ホース32から浴室床面の排水口を通して外部に排水される。排水終了後に、可動浴槽30を格納する場合には、駆動モータまたはハンドルで可動浴槽30を反時計回りに回動させる。これによって、可動浴槽30は回動軸35回りに回動するため、回動軸35の上流側の主排水ホース32及び副排水ホース32aも同時に同一方向に回動する。回動軸35の下流側の主排水ホース32は床面2に当接して下流側に向けて湾曲する。
しかも、本第一実施形態では、可動浴槽30を回動軸35回りに回動させる際に主排水ホース32は長手方向にほとんど移動しないで湾曲変形するだけであるため、損傷を抑制できる。
【0031】
上述したように、本第一実施形態による可動浴槽30によれば、可動浴槽30を倒立させた際に主排水ホース32や副排水ホース32aが浴槽カバー13で覆われて露出しないので外観上の見栄えがよい。
また、可動浴槽30を回動軸35回りに正逆回動させる際に、回動軸35を貫通する主排水ホース32の長手方向の移動がほとんどないので、主排水ホース32や副排水ホース32aの引っ張りや変形が少なく保持強度が高い。しかも、可動浴槽30を回動させても、主排水ホース32は回動軸35を通して側部13aから突出しているため回動軸35の下流側部分でのみ湾曲変位するにすぎず、負荷や負担がほとんどかからないので漏水リスクが小さい。
【0032】
なお、本発明による可動浴槽30は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。以下に、本発明の他の実施形態や変形例等について説明するが、上述した実施形態で説明した部品や部材等と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を省略する。
【0033】
次に本発明の第二実施形態による可動浴槽40について、
図7により説明する。
本第二実施形態による可動浴槽40は、回動軸41と主排水ホース32が別個に設置されている。即ち、回動軸41は可動浴槽40の浴槽カバー13の側部13aの上端角部近傍に設置され、図示しない駆動モータや手動ハンドル等で可動浴槽40を回動軸41回りに回動させることができる。しかも回動軸41は起立ユニット3に近接する位置にあるため、起立ユニット3と回動軸41を連結するアーム部36の距離が短く設定されている。
【0034】
また、浴槽本体12と浴槽カバー13の間に設置された副排水ホース32aと排水口33の接続部34とに接続された主排水ホース32は、その長手方向の途中にインラインポンプPが浴槽カバー13に設置され、更にその下流側には主排水ホース32を浴槽カバー13の側部13aに支持する支持部材42が固定されている。主排水ホース32は支持部材42とその下流側端部の間に湾曲した余長部32bが設置されている。
そして、主排水ホース32の下流側端部は図示しないトラップを介して起立ユニット3内に収納した圧送ポンプ20及び排水管9に接続されている。本実施形態では、主排水ホース32が浴槽カバー13の側部13aの上部に位置しているが、インラインポンプPの駆動により、図示しないトラップへスムーズに排水を流すことが出来る。トラップを通過した排水は起立ユニット3内に設置した圧送ポンプ20により排水管9を通して天井方向に圧送されて外部に排出される。
なお、トラップを通過した排水は圧送ポンプ20を通さずに、自然排水として床下から排出してもよい。
【0035】
そのため、本発明の第三実施形態による可動浴槽40においては、可動浴槽40が水平の横置き位置にある状態では、主排水ホース32はインラインポンプPと支持部材42とで浴槽カバー13の回動軸41側の側部13aに支持されている。可動浴槽40を入浴可能な横置き位置から起立位置にまで回動軸41回りに回転させると、主排水ホース32が支持部材42で引っ張られ、余長部32bの湾曲が小さくなるように変位する。また、可動浴槽40を起立位置から横置き位置に回動させると、主排水ホース32は上記の変位と逆に余長部32bの湾曲が大きくなるように変位する。そのため、可動浴槽40を回動させても主排水ホース32に負荷はかからない。
【0036】
そして、可動浴槽40の横置き状態で、入浴後に浴槽本体12内の湯を排出する場合には、止水蓋Sを外して主排水ホース32に流れ落ちる排水をインラインポンプPによって排出し、更にトラップを介して起立ユニット3内の圧送ポンプ20によって排水管9を通して外部に圧送して排出する。
【0037】
上述したように本第二実施形態による可動浴槽40はその回動中心をなす回動軸41が浴槽カバー13の側部13aの上部に位置するため、第一実施形態と比較して回動スペースが小さくなる。しかも、可動浴槽40の回動時における主排水ホース32の変位はその余長部32bの湾曲の変位によって吸収できる。
また、湯等の排水は副排水ホース32aと主排水ホース32と排水管9を介して天井側に圧送し排水するため、可動浴槽40の設置位置の自由度が大きい。
【0038】
次に本発明の第三実施形態による可動浴槽50について、
図8及び
図9により説明する。
本第三実施形態による可動浴槽50は、可動浴槽50の回動軸51を第一実施形態と同様にして浴槽カバー13の側部13aの下部に設置し、回動軸51は主排水ホース32を保持するスイベルジョイント52と同軸に設置した。
図8において、可動浴槽50に設けた回動軸51はアーム部36を介して起立ユニット3(または床面2)に連結され、可動浴槽50を入浴可能な床面2に設置した横置き位置と起立ユニット3に略平行な起立位置とを選択的に取り得るように回動可能としている。回動軸51と同軸のスイベルジョイント52は主排水ホース32の端部を嵌合固定して回転可能な回転筒部53と、回転筒部53を回転可能に支持する軸受筒部54とを備えており、軸受筒部54には下部排水ホース55が接続されている。
【0039】
上述のように、本第三実施形態による可動浴槽50は、回動軸51を中心に床面2上に入浴可能に横置きされた位置と起立位置とを選択的に取り得ると共に、排水口33の接続部34及び副排水ホース32aから延びる主排水ホース32は回動軸51と同軸のスイベルジョイント52によって回動可動である。そのため、可動浴槽50の回動に際して、主排水ホース32が引き出されたり撓んだりすることがなく、変形のおそれもない。
従って、主排水ホース32は可動性である必要はなく、剛性の高い配管で構成してもよい。しかも、本実施形態による副排水ホース32a、主排水ホース32、下部排水ホース55等を含む排水管はオーバーフロー31から下流側に向けて下方に傾斜する勾配であるため自然排水として床下から排水してもよいし、或いは圧送ポンプ20に連結して天井側等に圧送してもよい。
【0040】
なお、第一実施形態において、主排水ホース32を回動軸35に貫通させずに、浴槽カバー13の側部13bを貫通させ、この貫通部に近接させて回動軸35を設けてもよい。
また、上述した各実施形態においては、排水に支障をきたさない範囲であれば、主排水ホース32の排水経路として、浴槽本体12と浴槽カバー13の側部13aの間の空間を利用してもよいし、浴槽本体12と浴槽カバー13の底部13bの間の空間を利用してもよい。
【0041】
なお、第一実施形態による可動浴槽30に設けた衝撃緩和部材38は、他の実施形態の可動浴槽40,50にも設置しているものとする。また、衝撃緩和部材38は、浴槽本体12と浴槽カバー13の間に代えて、浴槽カバー13の底部13bの外側に設置してもよい。また、高さ調整用ボルト24はレベル調整部材に含まれる。
また、上述した可動浴槽30,40,50は回動軸35、41、51を中心に略90度上下方向に回動させて、入浴可能な横置き位置と起立ユニット3に格納した起立位置とを選択的に取り得るようにしたが、必ずしも略90度回動可能でなくてもよく、横置き位置と起立位置との間の角度は適宜設定できる。
【0042】
上述した各実施形態の可動浴槽30,40,50において、副排水ホース32aは浴槽本体12の側面12aに設けたオーバーフロー31から底面12b側に略L字状に配設して、主排水ホース32に連結するようにしたが、湯が浴槽本体12の上端部から溢れ得る構成にすれば、オーバーフロー31と副排水ホース32aは必ずしも設置しなくてもよい。この場合、排水管は少なくとも排水口33の接続部34とその下流側に延びる主排水ホース32の部分を備えていればよい。
また、浴槽本体12の排水口33は底面12bの任意の場所に設けることができ、さらには底面12bと側面12aの角部に設けてもよく、この場合でも、排水口33は底面12b上で最も高さの低い位置に設けられている。
なお、本発明において、可動浴槽30,40,50の側面とは可動浴槽30,40、50の横置き位置における側面であり、浴槽カバー13の側部13aを含むものである。