(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-218135(P2017-218135A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】非常用食料となる浮力材およびそれを活用した救命・防災ベスト
(51)【国際特許分類】
B63C 9/08 20060101AFI20171117BHJP
【FI】
B63C9/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2016-122119(P2016-122119)
(22)【出願日】2016年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】516184403
【氏名又は名称】有限会社ツボイファクトリー
(72)【発明者】
【氏名】坪井 健二
(57)【要約】 (修正有)
【課題】津波を含む水害等の災害発生時において、短時間で人命救助の措置を講ずること、および災害発生後の存命に寄与することのできる器具を提供する。
【解決手段】非常用食料を内蔵した浮力材であって、前記非常用食料が浮力材として機能するか、または浮力を有する非常用固形食糧であるか、もしくは、前記非常用食料と併せて不活性ガスが封入された袋状のものとする浮力材、フローティングベスト、太陽電池パネル7、給電口および収納ポケット10を一体化した救命兼防災ベスト6である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常用食料となる浮力材、フローティングベスト、太陽電池パネル、給電口および収納ポケットを一体化したことを特徴とする救命兼防災ベスト。
【請求項2】
非常用食料を内蔵した浮力材であって、前記非常用食料が浮力材として機能するか、または浮力を有する非常用固形食料であるか、もしくは、前記非常用食料と一緒に不活性ガスが封入された袋状のものであることを特徴とする浮力材。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、災害時の救命および存命を図るベストに関する。
【0002】
従来の災害対策は、構造物による減災を主たる手段とし、それにより人命救助(避難時間の確保)を図っているが、例えば近海で大地震が発生した場合、あるいは、想定を超えた大津波などが発生した場合、これらは意味をなさない。
そのため、災害発生から短時間で救命措置を図ることのできるものとして、フローティングベストの大量配置が望まれる。
さらに、災害が収まった後の生存手段として、発電機と食料を併せ持たせることにより、より長期の存命を図ることが可能となる。
また、日常は窓際に並べるなどして電源として活用するとともに、防災意識を高める意匠ともなる。
非常食は3年に一度の避難訓練で消費し、入れ替える。小学生であれば在学中に2回、中高生であれば在学中に1回、非常食体験をすることが可能となる。
沿岸部の学校や公共施設においては、これらの設置を義務づけることにより、災害発生時の子ども、地元住民および観光客等、あらゆる人間の安全確保に貢献することを目指す。
【先行技術文献】
【0003】
【非特許文献1】FINE JAPAN(ファインジャパン)フローティングベスト FV−6001
【非特許文献2】RAVPower ソーラーチャージャー 折りたたみ式 ソーラーパネル
【非特許文献3】RAVPower モバイルバッテリー
【非特許文献4】iBUFFALO USB2.0ハブ 5ポートタイプ BSH5U03BK
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害大国日本において整備が遅れている、短時間で災害時の人命救助の措置を講ずること、および災害発生後の存命に寄与することのできる器具の開発とそれらを適切に配置をすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本考案は、非常用食料を内蔵した浮力材であって、前記非常用食料が浮力材として機能するか、または浮力を有する非常用固形食糧であるか、もしくは、前記非常用食料と併せて不活性ガスが封入された袋状のものとすることによって、上記課題を解決することものである。
【0006】
また、第2の課題解決手段は、上記非常用食料を内蔵した浮力材、フローティングベスト、太陽電池パネル、給電口および収納ポケットを一体化した救命兼防災ベストである。
【0007】
第1の課題解決手段による作用は、水害時の救難用に備蓄される浮力材として、浮力の機能のみならず、災害後に内蔵された食料を取り出すことで、急場の非常食料として機能することができる。
【0008】
第2の課題解決手段は、上記作用に加え、ベストに一体化したことで、エネルギー供給をも可能とするところにある。
【発明の効果】
【0009】
上述したように、本考案に係る浮力材または救命兼防災ベストを学校、職場及び自宅などに常備することにより、津波を含む水害への迅速な救命準備が可能になる。さらに、災害後の生活をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】 本考案の実施形態を示すフローティングベストの前側の姿図
【
図3】 本考案の実施形態を示すフローティングベストの後側の姿図
【
図4】 本考案の実施形態を示すフローティングベストの断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を
図1ないし4に基づいて説明する。
【0012】
図1に本考案に係る浮力材の例を示す。その一は、食料となる浮力材1を保護フィルム2でくるんだものである。食料となる浮力材1は、浮力を有する非常用固形食料が好ましい。多数の気泡を含むことで実現できる。その一は、浮袋3の中に、非常用食料4および不活性ガス5を充填することで浮力材とするものである。この場合、非常用食料4が水に対して浮力を有する必要はないが、浮力を有する食料であることが望ましい。
【0013】
図2に本考案に係る救命兼防災用ベストの一例を示す。
ベスト本体6は布またはメッシュなどの柔らかく軽量なものとする。
図3に示すように、ベスト本体6の背面には、太陽電池パネル7を配置し、
図2に示すようにベスト本体6の前面には、バッテリ等の収納ポケット10を配置することができる。
ベスト本体6内側には、浮力材を収納するポケット7を配置することができる。
ベスト本体6前面数箇所に電源用のUSBポートを配置することができる。
必要に応じて、ベストの襟周りに浮袋または伸縮型の頭部保護材を取り付けることができる。
【0014】
図4に救命兼防災用ベストのA−A断面図を示す。本断面図ではベスト本体6内側胸側に浮力材収納ポケット10を、ベスト本体6内側前側および背側に太陽電池7を配置している。
【0015】
本考案にかかる浮力材や救命兼防災用ベストを学校や職場、自宅ほか、非難集合場所等に備蓄することで緊急時に水害に即時対応することができ、災害後の食糧確保にも寄与することが期待できる。
【符号の説明】
1 食料となる浮力材
2 保護フィルム
3 浮袋
4 非常用食料
5 不活性ガス
6 ベスト本体
7 太陽電池パネル又は太陽電池パネル付ポケット
8 USBポート
9 浮袋または頭部保護具収納袋
10 収納袋
11 股抜け防止ベルト
12 浮力材収納ポケット
13 バッテリーなどの非常用器具または装置