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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-218233(P2017-218233A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】包装紙および包装紙の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/00 20060101AFI20171117BHJP
   B65D 65/02 20060101ALI20171117BHJP
   B65B 41/00 20060101ALI20171117BHJP
   B65B 25/14 20060101ALI20171117BHJP
   B65B 61/06 20060101ALI20171117BHJP
【FI】
   B65D85/00 D
   B65D65/02 E
   B65B41/00 501E
   B65B41/00 502A
   B65B25/14 A
   B65B61/06
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-180080(P2017-180080)
(22)【出願日】2017年9月20日
(62)【分割の表示】特願2016-197456(P2016-197456)の分割
【原出願日】2013年4月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鷹栖 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】谷口 広栄
(72)【発明者】
【氏名】加藤 由憲
【テーマコード(参考)】
3E028
3E056
3E068
3E086
【Fターム(参考)】
3E028AB01
3E028BB01
3E028DA05
3E028DA06
3E028EA01
3E028GA01
3E028GA10
3E056AA02
3E056BA06
3E056CA14
3E056DA01
3E056EA05
3E056FA02
3E056FB01
3E056FE03
3E068AA25
3E068AB03
3E068AB07
3E068AC07
3E068BB15
3E068CC26
3E068CE02
3E068DD34
3E068DE10
3E068EE17
3E086AA02
3E086AB01
3E086AC33
3E086AD14
3E086BA14
3E086BA35
3E086BB62
3E086CA40
3E086DA08
(57)【要約】
【課題】製品情報を明瞭に表示することができるなど、印刷適性に優れた包装紙および包装紙の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】小判用紙束を包装するための包装紙1であって、クラフト紙からなる基紙10を有し、基紙10の外面には単色の印刷によって情報領域20が印刷されており、情報領域20にバーコード21(製品情報)が印刷されている。また、前記した包装紙1の製造方法であって、前記した包装紙1の原反を走行させる段階と、原反の検査領域15の外面に印刷されたマーク30をセンサによって検出する段階と、マーク30と切断刃との位置関係に基づいて、原反を断裁し、原反から包装紙1を切り出す段階と、を備え、原反には検査領域15が走行方向に延在するとともに、複数の側面領域12が検査領域15に直交する方向に延在している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小判用紙束を包装するための包装紙であって、
クラフト紙からなる基紙を有し、
前記基紙の外面には単色の印刷によって情報領域が印刷されており、
前記情報領域に製品情報が印刷されていることを特徴とする包装紙。
【請求項2】
前記情報領域には、一次元コードまたは二次元コードが印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の包装紙。
【請求項3】
前記基紙は、未晒クラフト紙または半晒クラフト紙であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装紙。
【請求項4】
前記基紙の片面に防湿層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装紙。
【請求項5】
前記防湿層は、平板状フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスとを含有していることを特徴とする請求項4に記載の包装紙。
【請求項6】
前記情報領域は、前記基紙において前記小判用紙束の側面を包装する側面領域の外面に印刷され、
前記基紙の縁部に沿って検査領域が延在しており、
前記検査領域の外面には、前記基紙を断裁するときの基準となるマークが印刷され、
前記側面領域は前記検査領域に直交する方向に延在していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の包装紙。
【請求項7】
小判用紙束を包装するための包装紙の製造方法であって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された包装紙の原反を長手方向に走行させる段階と、
前記原反の検査領域の外面に印刷されたマークをセンサによって検出する段階と、
前記マークと切断刃との位置関係に基づいて、前記切断刃によって前記原反を断裁し、
前記原反から前記包装紙を切り出す段階と、を備え、
前記原反には前記検査領域が走行方向に延在するとともに、
前記原反には前記小判用紙束の側面を包装する複数の側面領域が前記検査領域に直交する方向に延在し、
前記各側面領域の外面には単色の印刷によって前記情報領域が印刷され、前記各情報領域には前記製品情報が印刷されていることを特徴とする包装紙の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小判用紙束を包装するための包装紙および包装紙の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機や各種プリンターに用いられるA列3判、A列4判、B列4判、B列5判等の小判用紙は、用途に応じて200枚〜1000枚の単位で堆積され、この小判用紙束を包装紙によって包装し、包装体の六面のうち所望するいずれかの面に、一次元コード(バーコード)、二次元コード、製品名、製造番号、サイズ、枚数、商品コード等の製品情報を表示して出荷されている。なお、小判用紙束を包装する包装紙としては、クラフト紙(未晒、半晒、晒)やクラフト紙にポリエチレンをラミネートしたポリラミクラフト紙が用いられているが、強度が比較的大きく、印刷適性や経済性に優れたクラフト紙(未晒、半晒、晒)を用いることが望ましい。
【0003】
前記した包装体への製品情報の表示について、従来の方法としては、製品名や製造番号等の製品情報を有するバーコード(一次元コード)が印刷されたリームラベルを用意し、このリームラベルを包装体の所望する面に貼付する方法がある。
このような製品情報の表示方法では、商品表示をしたリームラベルを別に印刷して用意する必要や、リームラベルを貼付するラベラーを設置する必要がある。したがって、包装紙にラベルを貼り付ける作業に時間を要するため、包装紙の生産性が低くなる。
さらに、リームラベルを貼付(糊付け)した場合には、その包装紙を古紙回収して再生パルプ化する際に、糊付けしたリームラベルが異物として混入すると、塊となって分布し、これが再生紙を製造する際の設備(離解設備や抄紙設備)に付着汚損させたり、抄紙段階において紙切れ原因や得られる再生紙の品質を低下させたりなど、古紙回収に支障をきたすという問題がある。
また、包装体にロット番号を付与する場合があり、この場合にはロット番号は可変式のスタンプにより印字する方法が一般的に用いられている。この方法ではスタンプの設置やこれらのメンテナンス等が必要となる。
【0004】
そこで、従来の包装紙としては、小判用紙束の側面を包装する領域にバーコードを印刷することで、包装紙のリサイクル性を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。 また、小判用紙束の包装体においては、包装体の被印刷面が平坦になりにくいことも印刷品質を低下させる原因になるため、被印刷面を平坦にして印刷品質を向上させる提案もなされている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−076715号公報
【特許文献2】特開2005−103879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クラフト紙(未晒、半晒)を用いた包装紙は茶褐色や黄色で白色度が低いため、この包装紙にバーコードを印刷した場合には、スキャナーがバーコードの濃淡を判別し難くなるという問題がある。
また、晒クラフト紙を用いた包装紙であっても、前記した特許文献2に記載したような平坦化処理では印刷品質が不十分であるという問題がある。
【0007】
本発明は、前記した問題を解決し、製品情報を明瞭に表示することができるなど、印刷適性に優れた包装紙および包装紙の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、小判用紙束を包装するための包装紙であって、クラフト紙からなる基紙を有し、前記基紙の外面には、単色の印刷によって情報領域が印刷されており、前記情報領域に製品情報が印刷されているものである。
【0009】
この構成では、白色等の単色の印刷によって単色に塗り潰された情報領域に製品情報を明瞭に表示することができる。
なお、クラフト紙としては、未晒クラフト紙、半晒クラフト紙または晒クラフト紙を用いることができる。
【0010】
前記した包装紙において、前記情報領域に一次元コード(バーコードシンボル)または二次元コード(マトリックス型コードシンボル)を印刷した場合には、一次元コードまたは二次元コードの濃淡を明瞭に表示することができる。
【0011】
前記した包装紙において、前記基紙が未晒クラフト紙または半晒クラフト紙である場合には、包装紙としての強度を大きくすることができる。
【0012】
前記した包装紙において、前記基紙の片面に防湿層を設けた場合には、小判用紙の寸法変化を効果的に抑制することができる。なお、前記防湿層には平板状フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスとを含有させることが望ましい。
【0013】
前記した包装紙において、前記情報領域は、前記基紙において前記小判用紙束の側面を包装する側面領域の外面に印刷され、前記基紙の縁部に沿って検査領域が延在しており、前記検査領域の外面に前記基紙を断裁するときの基準となるマークが印刷されている場合には、前記側面領域を前記検査領域に直交する方向に延在させることが望ましい。
【0014】
この構成では、基紙の原反を断裁するときに、センサによってマークを検出し、マークと切断刃との位置関係に基づいて、原反から基紙を切り出すことができる。なお、センサが検査する検査領域には、マーク以外の記号や模様を濃色で印刷することができない。したがって、検査領域を側面領域に配置した場合には、側面領域に情報領域を表示するスペースが小さくなるが、本発明では側面領域が検査領域に直交する方向に延在しているため、側面領域内に情報領域を大きく形成することができる。
【0015】
また、本発明は、小判用紙束を包装するための包装紙の製造方法であって、前記した包装紙の原反を長手方向に走行させる段階と、前記原反の検査領域の外面に印刷されたマークをセンサによって検出する段階と、前記マークと切断刃との位置関係に基づいて、前記切断刃によって前記原反を断裁し、前記原反から前記包装紙を切り出す段階と、を備えている。また、前記原反には前記検査領域が走行方向に延在するとともに、前記原反には前記小判用紙束の側面を包装する複数の側面領域が前記検査領域に直交する方向に延在している。さらに、前記各側面領域の外面には単色の印刷によって前記情報領域が印刷され、前記各情報領域には前記製品情報が印刷されている。
【0016】
この構成では、側面領域が検査領域に直交する方向に延在しているため、側面領域内に情報領域を大きく形成することができる。
また、白色等の単色の印刷によって単色に塗り潰された情報領域に製品情報を明瞭に表示することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の包装紙では、白色等の単色の印刷によって単色に塗り潰された情報領域に製品情報を明瞭に表示することができる。特に、製品情報が一次元コードまたは二次元コードである場合には、一次元コードまたは二次元コードの濃淡を明瞭に表示することができるため、スキャナーによって一次元コードまたは二次元コードを確実に読み取ることができる。 本発明の包装紙の製造方法では、小判用紙束の側面を包装する側面領域のスペースを有効に利用することができ、情報領域を大きく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態の包装紙を示した平面図である。
図2】本実施形態の包装紙の原反を示した斜視図である。
図3】(a)は本実施形態の包装紙に小判用紙束を載置した状態の斜視図、(b)は包装体の斜視図である。
図4】本実施形態の走行装置および切断刃を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、包装紙の構成を分かり易く説明するために便宜上設定したものである。
【0020】
本実施形態の包装紙1は、図3(a)に示すように、小判用紙束2を包装するものである。包装紙1の内面1bの中央部に小判用紙束2を載置し、包装紙1を小判用紙束2の各面に沿って折り曲げ、重ね合わせた部位を接着することで、図3(b)に示すように、包装体3を形成することができる。
【0021】
包装紙1は、図1に示すように、クラフト紙からなる基紙10を有している。基紙10は、平面視で長方形に形成されている。なお、クラフト紙は、未晒クラフト紙、半晒クラフト紙または晒クラフト紙から選択することができる。
基紙10の原料は、クラフトパルプに機械パルプ、古紙パルプ、合成パルプ等を適宜に混合したものを用いることができる。なお、これらの原料に炭酸カルシウム、クレー、タルク等の無機填料やプラスチック填料等を加えてもよい。また、通常の製紙法において用いられる染料、顔料、紙力増強剤、歩留まり向上剤、サイズ剤、pH調整剤等の添加剤を内添または外添してもよい。
【0022】
また、クラフト紙(未晒、半晒、晒)からなる基紙10は、外面1aに印刷インキの定着性を促進する材料を内添または塗工することで、印刷効果を向上させることが望ましい。具体的には、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の無機填料、顔料やプラスチック填料等を表面に塗工する方法、また、定着性促進剤や澱粉、PVA等のバインダー、表面サイズ剤、カチオン性薬品、染料、紙力増強剤、歩留まり向上剤、サイズ剤、pH調整剤、電気抵抗調整剤等の添加剤を内添または外添してもよい。
【0023】
クラフト紙(未晒、半晒、晒)の坪量(JIS P8124)は、40〜150g/m2が望ましく、小判用紙束の包装紙1としては、50〜80g/m2の範囲が更に望ましい。この範囲より薄い場合には、包装工程や物流や荷扱いの際に破れ易くなり、前記した範囲より厚い場合には、嵩張って扱い難い他、包装体の重量が増加するとともに、製造コストが高くなる。
また、包装紙の引張強度(JIS P8113)は2.5kN/m以上、引裂強度(JIS P8116)は600mN以上、破裂強度(JIS P8112)は200kPa以上であることが望ましいが、坪量と相反する要求項目である。包装紙のステキヒトサイズ度(JIS P8122)は10〜40秒、透湿度はJIS Z2080カップ法に規定される測定方法で20秒以上であることが望ましい。
【0024】
後記する情報領域20、バーコード21、文字情報22およびマーク30の印刷におけるフレキソ印刷適性を付与するために、紙層に二種類以上のカチオン系薬品を処方することが望ましい。例えば、二種類の薬品を混合して塗布することもでき、あるいは一種類の薬品を内添あるいはサイズプレス塗布して基紙を抄造した後に、後加工において更に一種類以上のカチオン系薬品を塗布する方法もある。特に、防湿加工工程において、防湿加工面の反対面に薬品を塗布することで、半分の量の薬品で印刷適性を向上させることができる。
【0025】
防湿加工前の基紙の平滑度を内外両面とも12秒以下とすることで、防湿加工適性を向上させることができるとともに、包装紙としてより適切な荷崩れ耐性および製品滑り耐性を付与することができる。防湿加工前の基紙のいずれかの片面の平滑度を12秒を越える値としても、良好なフレキソ印刷適性を得ることができるが、包装された小判用紙束の荷崩れや滑りが発生することが懸念される。
【0026】
包装紙として適切な荷崩れ耐性および製品滑り耐性を付与するために、基紙の表面に防滑剤を塗布することが望ましいが、基紙の表面全体に防滑剤を塗布せず、一部にのみ処方することで防滑剤の使用量を削減することができる。防滑剤の塗布は、一般に抄紙工程や防湿加工工程においてオンラインで同時に行われることが多いが、本実施形態では、印刷工程、製袋工程、スリッタ加工工程において処理することが望ましい。
【0027】
本実施形態の基紙10として、パルプを漂白処理していない未晒クラフト紙を用いた場合には、基紙10の色が茶褐色や黄色となり、基紙10の白色度が低くなる。
【0028】
基紙10の内面1b(図3(a)参照)には防湿層が塗工またはラミネート加工されている。このように、基紙10に防湿層を設けることで、湿気による小判用紙の品質低下を防いでいる。
【0029】
防湿層としては公知の構成のものを使用することができる。すなわち、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂フィルムをウエット法またはドライ法によりラミネート層として形成する方法や、ワックス類を成分として含む塗膜を形成する方法、あるいはアスペクト比の高い無機化合物粒子を含む塗膜を形成する方法等を使用することができるが、この中でもアスペクト比の高い無機化合物粒子を使用する方法を好適に用いることができ、特に平板状フィロケイ酸塩化合物粒子を含む塗料から形成された防湿層を好適に用いることができる。
本実施形態で使用する平板状フィロケイ酸塩化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)は、板状または薄片状であって明瞭な劈開を有し、カオリナイト(カオリン鉱物)、雲母族、脆雲母族、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトがある。これらの中でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族としては、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母等が挙げられる。

これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白雲母、絹雲母は、粒子径の大きさやアスペクト比(平均直径を厚さで除した数値)等の点から好適である。本実施形態では、平板性(平板状)が保持されている顔料であればよいが、より好ましい平均粒子径範囲としては3μm〜100μm、さらに好ましい平均粒子径範囲としては5μm〜50μmである。平均粒子径が5μm未満のものは塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりにくく、50μmを越えて大きくなると平板状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が少なくなってしまうために防湿性能を向上させる効果が減少する。また、好ましいアスペクト比は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5未満のものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿性能が劣る。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。
平板状フィロケイ酸塩化合物は防湿性があり、皮膜を形成する合成樹脂と併用することにより防湿効果を高めることができる。皮膜を形成する合成樹脂は好ましくは水系のラテックスとして用いる。
【0030】
本実施形態の合成樹脂ラテックスとしては、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)、アクリル−スチレンラテックス、メタクリレート−ブタジエンラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンラテックス等が挙げられるが、耐水性が良好で、伸びがよく折割れによる塗工層の亀裂が生じにくいためにスチレン−ブタジエンラテックスが好適である。またスチレン−ブタジエンラテックスは(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリルグリシジルエーテルなどで変性されたスチレン−ブタジエンラテックス(変性SBR)を使用しても構わない。
防湿層における合成樹脂と平板状顔料の配合量は、質量換算で99/1〜30/70が好ましく、より好ましくは97/3〜35/65、特に好ましくは95/5〜40/60である。平板状顔料の配合量が1質量%未満になると、防湿性を向上させる効果および離解性を向上させる効果が小さくなる。平板状顔料の配合量が70質量%を越えて大きくなると、平板状顔料の間を埋める樹脂が不足して、空隙やピンホールの増大を招くため、防湿性が悪化する。
【0031】
また、平板状フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスに加えて、塗料成分として防湿性向上剤を添加しても差し支えない。すなわち、尿素またはメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルデヒド類、エポキシ化合物、架橋反応性多価金属化合物、カップリング剤、アミノ化合物、ポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、そのハロヒドリンまたはホルムアルデヒド化合物などを単独であるいは組み合わせて用いることができる。
前記した材料を混合して防湿性塗料(水性)とするが、このとき必要ならば、ポリカルボン酸などの分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加したりすることができる。この塗料を常法により紙支持体に塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定はしないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式は、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。防湿層の塗工量は片面に塗工した場合(両面に塗工した場合は両面合わせての塗工量)、固形分として15〜40g/m2、好ましくは20〜35g/m2である。
【0032】
基紙10は、小判用紙束2(図3(a)参照)の下面を包装する下面領域11と、小判用紙束2の短手方向の両側面を包装する二つの第一側面領域12と、小判用紙束2の長手方向の両側面を包装する二つの第二側面領域13と、小判用紙束2の上面を包装する二つの上面領域14と、基紙10の右縁部に設けられた検査領域15と、に区画されている。
【0033】
検査領域15は、基紙10の右縁部の全長に亘って延在している帯状の領域である。
図1に示すように、検査領域15の前端部、すなわち、基紙10の右前の角部には、四角形のマーク30が黒色や濃紺色等の濃色で印刷されている。
検査領域15は、後記するセンサ6cによって検査される領域であり、センサ6cによってマーク30が検出される。
本実施形態の検査領域15には、マーク30以外の記号や模様が印刷されておらず、無地の領域となっているため、センサ6cがマーク30を確実に検出することができる。
【0034】
第一側面領域12は、基紙10の前後縁部(基紙10の長辺側の縁部)に延在している帯状の領域であり、検査領域15に直交する方向に延在している。
第一側面領域12は、図3(b)に示すように、カートンホールド式またはアンダーホールド式に折り畳まれて、小判用紙束2(図3(a)参照)の短手方向の側面を包装する部位である。
【0035】
図1に示すように、第一側面領域12の外面1aにおいて、基紙10の左右方向(長手方向)の中央部には、白ベタ印刷によって情報領域20が印刷されている。情報領域20は基紙10の左右方向に幅広な長方形の領域であり、白色に塗り潰されている。
情報領域20は、図3(b)に示すように、第一側面領域12をカートンホールド式またはアンダーホールド式で折り畳んだときに、最も外側に重なる垂れ蓋の外面に表示される。 情報領域20には、白ベタ印刷した後に、製品情報として一次元コードであるバーコードシンボル21(以下、単に「バーコード」という)および製品の文字情報22が黒色や濃紺色等の濃色で印刷されている。
【0036】
情報領域20、バーコード21、文字情報22およびマーク30の印刷方法としては、各種の公知の印刷法を用いることができる。例えば、印刷法としては、オフセット印刷、凸版印刷、孔版印刷、フレキソ印刷、電子写真印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷、紫外線硬化印刷等の各種印刷法を用いることができる。
【0037】
また、情報領域20の白ベタ印刷には白色顔料を含むインキが用いられる。その成分には、鉛白、酸化チタン、炭酸カルシウムなどが用いられる。炭酸カルシウムは、水酸化カルシウムに二酸化炭素を反応させて合成することができる他、石灰岩やハマグリ、カキ、ホタテの貝殻を粉砕および分級して得ることもできる。なお、有機顔料を用いることもできる。
【0038】
前記した包装紙1は、図2に示すように、ロール状に巻かれた原反100を後記する切断装置5によって一定の間隔で断裁することによって製造される。原反100には、基紙10が長手方向に連続して印刷されている。
原反100の長手方向の縁部には、各基紙10の検査領域15が連続して形成されており、一定の間隔でマーク30が印刷されている。
また、原反100には前後の基紙10の第一側面領域12が切断位置101を挟んで連設されている。
【0039】
次に、原反100から包装紙1を切り出すための切断装置5について説明する。
切断装置5は、図4に示すように、ロール状の部位から引き出された原反100を長手方向に走行させる走行装置6と、原反100を断裁する切断刃7と、を備えている。
【0040】

走行装置6は、原反100を長手方向に送り出す駆動ローラ(図示せず)と、原反100を案内するガイドローラ6aと、原反100に長手方向の張力を付与するダンサーローラ6bと、原反100の検査領域15(図2参照)を検査するセンサ6cと、を備えている。
【0041】
センサ6cは、光の反射量の変動を検出する光検出器であり、図2に示す検査領域15を検査し、濃色のマーク30を検出するものである。
センサ6cは、二つのガイドローラ6aの間に配置されている。両ガイドローラ6aの間隔を小さくすることで、両ガイドローラ6aの間で原反100が安定して走行する。さらに、センサ6cは切削刃7側のガイドローラ6aの近傍に配置されている。これにより、センサ6cを通過する原反100を安定させることができるため、センサ6cによって確実にマーク30を検出することができる。
【0042】
図4に示す切断装置5は、マーク30(図2参照)と切断刃7との位置関係に基づいて原反100を断裁する。
切断装置5には、センサ6cがマーク30(図2参照)を検出したときから、切断位置101(図2参照)が切断刃7に到達するまでの原反100の走行量または時間が予め設定されている。
そして、切断装置5では、センサ6cがマーク30(図2参照)を検出するごとに、所定の間隔で切断刃7を作動させ、原反100を切断位置101(図2参照)で断裁することで、原反100から基紙10(包装紙1)を切り出すことができる。
【0043】
以上のような包装紙1では、図1に示すように、白ベタ印刷によって白色に塗り潰された情報領域20にバーコード21が印刷されており、バーコード21の濃淡が明瞭に表されているため、スキャナーによってバーコード21を確実に読み取ることができる。また、情報領域20にはバーコード21の他に、製品の文字情報22を明瞭に表すこともできる。
【0044】
また、包装紙1の製造方法では、検査領域15のマーク30に基づいて、原反100(図2参照)を切断位置101で確実に断裁することができる。したがって、情報領域20を各包装紙1の同じ位置に表示させることができる。
【0045】
また、側面領域12は検査領域15に直交する方向に延在しているため、第一側面領域12内に情報領域20を大きく形成することができる。
なお、検査領域12には、マーク30以外の記号や模様を濃色で印刷することができないため、仮に検査領域15を第一側面領域12に配置した場合には、第一側面領域12内の情報領域20が小さくなる。しかしながら、第一側面領域12を検査領域15に直交する方向に延在させることで、情報領域20の前後の縁部と第一側面領域12の前後縁部との間隔を検出領域15の左右方向の幅よりも小さくすることができ、第一側面領域12内のスペースを有効に利用して情報領域20を形成することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態では、図1に示すように、情報領域20は白ベタ印刷によって白色に塗り潰されているが、情報領域20の色は限定されるものではなく、単色の印刷によって情報領域20が単色に塗り潰されていればよい。
また、情報領域20が印刷される部位は限定されるものではなく、包装体3(図3(b)参照)の所望の面に情報領域20が表示されるように設定することができる。
【0047】
また、本実施形態では、基紙10の検査領域15にマーク30以外の記号や模様が印刷されていないが、センサ6cによってマーク30を確実に読み取ることができるのであれば、検査領域15に薄い色で記号や模様を印刷してもよい。
【0048】
また、本実施形態では、情報領域20に製品情報として一次元コードであるバーコード21を印刷しているが、情報領域20に製品情報として二次元コード(マトリックス型コードシンボル)を印刷してもよい。さらに、情報領域20に製品情報として、製品名、製造番号、サイズ、枚数、商品コード等を印刷してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 包装紙
2 小判用紙束
3 包装体
5 切断装置
6 走行装置
6a ガイドローラ
6b ダンサーローラ
6c センサ
7 切断刃
10 基紙
11 下面領域
12 第一側面領域
13 第二側面領域
14 上面領域
15 検査領域
20 情報領域
21 バーコード(一次元コード)
22 文字情報
30 マーク
100 原反
101 切断位置
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2017年10月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小判用紙束を包装するための包装紙であって、
前記包装紙はクラフト紙からなる基紙を有し、
前記基紙の外面には情報領域が印刷されており、
前記情報領域に製品情報が印刷され
前記情報領域は、前記基紙において前記小判用紙束の側面を包装する側面領域の外面に印刷され、
前記基紙の縁部に沿って検査領域が延在しており、
前記検査領域の外面には、前記基紙を断裁するときの基準となるマークが印刷され、
前記検査領域の外面は、前記マーク以外の領域が無地の領域であり、
前記側面領域は前記検査領域に直交する方向に延在していることを特徴とする包装紙。
【請求項2】
前記情報領域には、一次元コードまたは二次元コードが印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の包装紙。
【請求項3】
前記基紙は、未晒クラフト紙または半晒クラフト紙であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装紙。
【請求項4】
前記基紙の片面に防湿層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装紙。
【請求項5】
前記防湿層は、平板状フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスとを含有していることを特徴とする請求項4に記載の包装紙。
【請求項6】
小判用紙束を包装するための包装紙の製造方法であって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された包装紙の原反を長手方向に走行させる段階と、
前記原反の検査領域の外面に印刷された前記マークをセンサによって検出する段階と、
前記マークと切断刃との位置関係に基づいて、前記切断刃によって前記原反を断裁し、前記原反から前記包装紙を切り出す段階と、を備え、
前記原反には前記検査領域が走行方向に延在するとともに、
前記原反には複数の前記側面領域が前記検査領域に直交する方向に延在していることを特徴とする包装紙の製造方法。
【請求項7】
小判用紙束と前記小判用紙束を包装するための包装紙とを含む包装体であって、
前記包装紙はクラフト紙からなる基紙を有し、
前記基紙の外面には情報領域が印刷されており、
前記情報領域に製品情報が印刷され、
前記情報領域は、前記基紙において前記小判用紙束の側面を包装する側面領域の外面に印刷され、
前記基紙の縁部に沿って検査領域が延在しており、
前記検査領域の外面には、前記基紙を断裁するときの基準となるマークが印刷され、
前記検査領域の外面は、前記マーク以外の領域が無地の領域であり、
前記側面領域は前記検査領域に直交する方向に延在している
ことを特徴とする包装体。
【請求項8】
前記情報領域には、一次元コードまたは二次元コードが印刷されていることを特徴とする請求項7に記載の包装体。
【請求項9】
前記基紙は、未晒クラフト紙または半晒クラフト紙であることを特徴とする請求項7又は8に記載の包装体。
【請求項10】
前記基紙の片面に防湿層が設けられていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項11】
前記防湿層は、平板状フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスとを含有していることを特徴とする請求項10に記載の包装体。
【請求項12】
包装体の製造方法であって、
請求項7から請求項11のいずれか一項に記載された包装紙の原反を長手方向に走行させる段階と、
前記原反の検査領域の外面に印刷された前記マークをセンサによって検出する段階と、
前記マークと切断刃との位置関係に基づいて、前記切断刃によって前記原反を断裁し、
前記原反から前記包装紙を切り出す段階と、
前記切り出された包装紙の内面の中央部に小判用紙束を載置した後に前記包装紙を小判用紙束の各面に沿って折り曲げ、重ね合わせた部位を接着する段階と、
を備え、
前記原反には前記検査領域が走行方向に延在するとともに、
前記原反には複数の前記側面領域が前記検査領域に直交する方向に延在している
ことを特徴とする包装体の製造方法。