【実施例】
【0021】
図1に示すように、実施例に係るセラミックフィルタ用基材(以下、単に基材という)10は、ポリウレタンフォームからなる本体部12と、該基材10のフィルタ面10aを囲むように本体部12の外周に形成され、溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部14とを備えている。実施例の基材10は、板状体であって、該板状体の厚み方向がセラミックフィルタとした際に処理対象物が通るフィルタ面10a,10aの間になり、この厚み方向に沿って延在する周面に外周部14が形成されている。基材10は、得るべきセラミックフィルタに合わせて形状が設定され、例えばフィルタ面10aが四角形となる周面形状のセラミックフィルタとするのであれば、基材10もフィルタ面10aが四角形となる周面形状で形成される(
図1(a)参照)。すなわち、基材10は、四角形の周面が4面連なり、周面同士がなす角が直角になるように形成される。また、フィルタ面10aが円形となる周面形状のセラミックフィルタとするのであれば、基材10もフィルタ面10aが円形となる周面形状で形成される(
図1(b)参照)。
【0022】
前記ポリウレタンフォームとしては、加熱によって溶融可能な軟質ポリウレタンフォームを用いることができ、エステル系のポリウレタンフォームが好ましい。ここで、エステル系のポリウレタンフォームは、ポリオール成分として、エステル基を含有するポリオールを少なくとも含んでいればよく、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオールなどが挙げられる。また、ポリエステルポリオールやポリエーテルエステルポリオールを単独で用いてもよく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールの2種以上を併用してもよい。ポリオール成分としてポリエーテルポリオール単体からなるポリウレタンフォームは、加熱した際に昇華分解し易いが、前述したエステル系のポリウレタンフォームによれば、加熱により溶融させることができるので、外周部14を好適に形成することができる。ポリウレタンフォームは、セル膜が除去されてセルが互いに連通する三次元網目構造のものが用いられ、アルカリ液処理法、熱処理法、または爆破法などの公知のセル膜処理方法によりセル膜を除去したものを採用できる。
【0023】
前記ポリウレタンフォームは、セル数(JIS K 6400-1;2004 付属書1(参考))が5ppi〜30ppiの範囲、好ましくは6ppi〜25ppiの範囲、より好ましくは7ppi〜20ppiの範囲にあるものが用いられる。ポリウレタンフォームのセル数が5ppiより少ないと、セラミックフィルタとした際に目が粗くなり過ぎ、不純物の除去機能が低下してしまう。また、ポリウレタンフォームのセル数が30ppiより多くなると、セラミックフィルタとした際に目が細かくなり過ぎ、セラミックフィルタとしての処理性能が悪化してしまう。
【0024】
前記本体部12は、セラミックフィルタとした際に、処理対象物が通過する部分となり、前述したポリウレタンフォームで構成されている。すなわち、本体部12は、セルが互いに連通する三次元網目構造やセル数などのポリウレタンフォームの構成がそのまま維持されている。
【0025】
前記外周部14は、ポリウレタンフォームに予め設けた溶融代Sを溶融して、本体部12と一体的に形成されている。
図1に示すように、外周部14は、基材10の厚み方向および周方向の外周全体に亘って形成されており、実施例の基材10は、フィルタ面10aに臨む本体部12を除く全ての面に外周部14が設けられている。
図2(a)および
図3(a)に示すように、外周部14は、開口14aが基材10の周面にあくように形成されている。このように、外周部14には、元のポリウレタンフォームのセルに由来する開口14aが一部残っており、外周部14の開口14aが、本体部12をなすポリウレタンフォームのセルに連通している。なお、開口14aは、元のポリウレタンフォームのセル径よりも小さくなっている(
図2および
図3参照)。基材10は、本体部12の外周に設けた外周部14によって内外に完全に隔てられておらず、セラミックフィルタを製造する際に、外周部14の開口14aを介してスラリーの浸透または除去等の移動が許容される。
【0026】
図2(a)および
図3(a)に示すように、外周部14は、溶融固化したポリウレタンフォームで基材10の周面を塞ぐ平滑な被膜面14bが、周面にあいた開口14aの総面積よりも広く形成されている。換言すると、基材10の周面は、元のポリウレタンフォームよりもセルに由来する凹凸が少なく、外周部14の被膜面14bによって平滑な面の方が多くなっている。ここで、平滑とは、基材10の周面形状が四角形等の多角形の場合は、各周面の凹凸や反りなどがないまたは小さく、周面のそれぞれが平面または平面に近いことを指し、基材10の周面形状が円形である場合は、凹凸や反りなどがないまたは小さく、真円または真円に近いことを指す。また、外周部14は、元のポリウレタンフォームのセル数よりも周面にあいた開口の数が少なくなっている。
【0027】
前記外周部14は、基材10の周面にあいた開口14aの開口率が1%〜20%の範囲になるように形成されて、外周部14の被膜面14bによって基材10の周面を完全に閉塞していない。開口率は、基材10における周面の単位面積当たりにあいた外周部14の開口14aの総面積(開口総面積/単位面積)である。外周部14の開口率が1%より小さいと、スラリーが周面から含浸し難くなると共に余分なスラリーを周面を介して除去することが難しくなり、セラミックフィルタを製造し難くなる。外周部14の開口率が20%より大きいと、スラリーが周面から浸透して周面で保持することが難しくなり、周面にスラリーを多く集めて適度なセラミック層を形成することができず、得られるセラミックフィルタの周面を適切に補強することができないおそれがある。
【0028】
外周部14は、基材10の周面形状が多角形の場合に、基材10の周面をなす被膜面14bの平面度公差(JIS B 0621)が、0.1mm〜2.0mmの範囲にある。また、外周部14は、基材10の周面形状が円形の場合、基材10の周面をなす被膜面14bの真円度公差(JIS B 0621))が、0.1mm〜2.0mmの範囲にある。このように、基材10は、外周部14によって周面が平滑に形成されている。被膜面14bの平面度公差が2.0mmより大きいと、周面にセラミックを焼成した際に累積する誤差が大きくなり、得られるセラミックフィルタに要求される寸法精度を満たすことが難しくなる。同様に、被膜面14bの真円度公差が2.0mmより大きいと、周面にセラミックを焼成した際に累積する誤差が大きくなり、得られるセラミックフィルタに要求される寸法精度を満たすことが難しくなる。なお、平面度公差および真円度公差を0.1mmより小さくすることは、技術的に難しく現実的ではない。なお、多角形で形成されたフィルタ面10aを囲う外周部14における被膜面14bの平滑性は、得るべき基材10の1辺の幅に対して平面度公差が3%以下(平面度公差/1辺の幅)になっているのが望ましい。
【0029】
基材10は、フィルタ面10aの寸法公差が±1%以下の範囲にある。例えば、基材10のフィルタ面11aが四角形状である場合は、対向する2辺の被膜面14a,14a間の寸法が、得るべき基材10のフィルタ面10aに対して±1%以下の範囲にある。また、基材10のフィルタ面11aが円形状である場合は、直径が、得るべき基材10のフィルタ面10aの直径に対して±1%以下の範囲にある。フィルタ面10aの寸法公差が±1%より大きいと、周面にセラミックを焼成した際に累積する誤差が大きくなり、得られるセラミックフィルタに要求される寸法精度を満たすことが難しくなる。
【0030】
外周部14は、場所によって厚みが変動するが、200μm〜800μmの範囲に収まっている。外周部14は、ポリウレタンフォームの骨格がある場所が厚くなる傾向にあり(例えば500μm〜800μm)、ポリウレタンフォームの骨格がない場所が薄くなる傾向にある(例えば200μm〜400μm)。また、外周部14は、本体部12と比べて密度が大きくなっている。
【0031】
外周部14は、元のポリウレタンフォームよりも硬くなっているものの、自身が変形し得る可撓性を有している。基材10は、外周部14を変形した際に、外周部14自体および/または本体部12の弾力性により元の形状に戻るようになっている。基材10は、外周部14をその厚み方向に変形させて周面を圧縮変形したり、外周部14をその厚み方向と交差する方向に変形させてフィルタ面10a,10a同士を近づけるように圧縮変形することが可能である。ここで、基材10は、フィルタ面10aと直交する方向へ圧縮した際の硬さが、本体部12をなすポリウレタンフォームに対して、300%以下の範囲になっている。ポリウレタンフォームを溶融固化した外周部14の硬さは、本体部12よりも硬くなり、基材10の流通過程で基材10の周面を保護することができる。また、外周部14の硬さが300%より大きいと、基材10の周面が外周部14で硬くなり過ぎて、基材10を圧縮してスラリーを除去することを阻害するおそれがある。
【0032】
外周部14は、その通気性が溶融固化する前のポリウレタンフォームよりも小さくなっている。外周部14は、本体部12をなすポリウレタンフォーム(元のポリウレタンフォーム)に対して、5%〜30%の範囲の通気性を有している。なお、通気性は、JIS L 1096:2010 A法に基づいて測定したものである。外周部14の通気性が元のポリウレタンフォームに対して5%より小さいと、スラリーが周面から含浸し難くなると共に余分なスラリーを周面を介して除去することが難しくなり、セラミックフィルタを製造し難くなる。外周部14の通気性が元のポリウレタンフォームに対して30%より大きいと、スラリーが周面から浸透して周面で保持することが難しくなり、周面にスラリーを多く集めて適度なセラミック層を形成することができず、得られるセラミックフィルタの周面を適切に補強することができないおそれがある。
【0033】
次に、実施例に係るセラミックフィルタ用基材10の製造方法について説明する。
図4に示すように、実施例の製造方法に用いることができる製造装置20は、棒状のポリウレタンフォーム(以下、棒状体という)16を移送するベルトコンベヤ等の移送手段22,24と、棒状体16の周面に外周部14を形成する型26とを備えている。移送手段は、型26の上流側に配置され、棒状体16を型26に供給する第1移送手段22と、型26の下流側に配置され、型26を通過して外周部14が形成された棒状体16を移送する第2移送手段24とから構成される。実施例の第2移送手段24は、上下に対向配置されたローラ24a,24bによって棒状体16を挟んで、型26を通過する際に外周部14が形成された棒状体16を型から引き出す。型26には、棒状体16の移送方向に貫通する通孔28が形成されており、移送手段22,24に搬送されて棒状体16が通孔28を通る。また、型26には、通孔28を画成する型面26aを加熱するヒーター等の加熱手段(図示せず)が設けられており、型面26aに接触しつつ通孔28を通過する棒状体16の外周を加熱して溶融させる。このように、製造装置20は、棒状体16を移送手段22,24により連続的に移送しつつ、型26の型面26aで外周を加熱することで、型面26aに接する棒状体16の外周を溶融して、棒状体16の外周に外周部14を連続的に形成可能に構成されている。
【0034】
まず、スラブ発泡法等の公知の製造方法によって得られるブロック状のポリウレタンフォームを、コンターマシンなどによって切断することで、棒状体16を形成する。棒状体16は、セルが互いに連通すると共にセル数が5ppi〜30ppiの範囲にあるエステル系のポリウレタンフォームであり、前述したポリウレタンフォームの条件に合致するものである。また、棒状体16は、5mm〜20mmの範囲の溶融代Sを含んで、得るべき基材10のフィルタ面10aよりも大きい相似形状で形成されている。棒状体16は、例えばフィルタ面10aが四角形状の基材10を製造する場合に、端面がフィルタ面10aよりも大きく、かつ相似する角棒形状で形成され、フィルタ面10aが円形状の基材10を製造する場合に、端面がフィルタ面10aよりも大きく、かつ相似する丸棒形状で形成される。棒状体16において得るべき基材10より大きい溶融代Sは、溶融固化して外周部14となる。溶融代Sは、棒状体16の外周全体に亘って設定され、例えばフィルタ面10aが50mm角の四角形の基材10を形成するならば、棒状体16が60mm角〜90mm角の範囲に設定され、フィルタ面10aが直径50mmの円形の基材10を形成するならば、棒状体16が直径60mm〜90mmの範囲に設定される。棒状体16の溶融代Sが5mmより小さいと、比較的目の粗いフィルタ用途のポリウレタンフォームのセルを適切に閉塞することができず、開口14aが多く残ってしまうと共に、平滑な被膜面14bを得ることが難しい。一方、棒状体16の溶融代Sが20mmより大きいと、型26に付着するポリウレタンフォームの量が増して、開口率が高くなり、外周部14の平滑性や基材10の寸法精度が悪化する。
【0035】
図5〜
図7に示すように、棒状体16の周面形状が多角形の場合は、棒状体16の角部を面取りするのが好ましい。棒状体16は、周面と周面とがなす角部を直線状(
図6)または円弧状(
図7)に面取りして、得るべき基材10の角部を面取りしたような形状とされる。なお、棒状体16の面取りは、直線状とするよりも円弧状とするのがよい。棒状体16の角部の面取りは、周面同士がなす本来の角の頂点から各辺の寸法に対して、5%〜30%の範囲で切り欠くのが好ましく、より好ましくは6%〜20%の範囲であり、更に好ましくは7%〜15%の範囲である。このように、棒状体16の角部を面取りしておくことで、棒状体16を型26に通した際に、角部と平らな面との間で型から加わる力を均等にすることができ、得られる基材10の周面同士が連なる部分を精度のよい角部とすることができる。棒状体16の面取り位置が各辺の寸法に対して5%よりも小さいと、得られる基材10の周面同士がなす角部の精度が狙い通り得られず、棒状体16の面取り位置が各辺の寸法に対して30%より大きいと、得られる基材10の周面同士が連なる部分に面取りが残ってしまう。
【0036】
次に、
図4に示すように、棒状体16を第1移送手段22によって型26の通孔28に位置合わせした状態で、棒状体16を通孔28へ連続的に送り込む。なお、棒状体16は、棒状体16の長手方向が型26への供給方向となるように送り込まれる。棒状体16は、型26を通過する過程で通孔28を画成する型面26aに周面が接触して、加熱手段で加熱された型面26aによって周面が溶融される。そして、棒状体16は、型26から外れて溶融した周面が冷却されることで固化し、周面全周に亘って平滑な被膜面14aを有する外周部14が連続的に形成される。このように、外周部14は、棒状体16の周面と型面26aが接触した部位が溶融して、棒状体16の供給方向において同一位置となる周面全体に亘って同時に形成される。また、周面に外周部14が形成された棒状体16は、第2移送手段24に引き出されてる。このように、第1移送手段22と第2移送手段24とが協働して、棒状体16に対する外周部14の形成処理が連続的に行われる。
【0037】
図5に示すように、型26は、通孔28の開口形状が得るべき基材10の周面形状に合わせた相似形状で基本的に形成され、例えば四角形の周面形状の基材10を製造する場合は、通孔28の開口形状が基材10と相似する四角形状になる。また、円形の周面形状の基材10を製造する場合は、通孔28の開口形状が基材10と相似する円形状になる。型26の型面26aは、通孔28における棒状体16との接触解除位置となる出口27において、棒状体16の周面形状よりも小さく、かつ得るべき基材10の周面形状より大きい相似形状となっている。すなわち、得るべき基材10の大きさに合わせて外周部14を形成するのではなく、外周部14が形成された棒状体16を、基材10より僅かに大きくなるように成形している。
【0038】
具体的には、 型26の型面26aは、通孔28の出口27において、得るべき基材10の周面形状より1.001倍〜1.025倍大きい相似形状で形成される。このように、通孔28の出口27の開口面積を得るべき基材10のフィルタ面寸法よりも大きくして、外周部14が形成された棒状体16を僅かに大きくなるように成形すると、外周部14の形成に伴ってポリウレタンフォームが僅かに収縮するので、結果として精度のよい基材10を得ることができる。通孔28の出口27の開口面積が得るべき基材10のフィルタ面寸法の1.001倍よりも小さいと、ポリウレタンフォームの収縮を十分に補償することができず、得られる基材10に十分な寸法精度を得ることが難しくなる。通孔28の出口27の開口面積が得るべき基材10のフィルタ面寸法の1.025倍よりも大きいと、ポリウレタンフォームの収縮量よりも基材10が大きくなってしまい、得られる基材10に十分な寸法精度を得ることが難しくなる。なお、型26の出口形状は、棒状体16の角部を面取りした場合であっても、得るべき基材10の周面形状に合わせて角のある四角形状になっている。
【0039】
図4および
図5に示すように、型26は、棒状体16との接触開始位置となる通孔28の入口よりも、棒状体16との接触解除位置となる通孔28の出口27が、開口面積が小さくなるように設定されている。なお、型26における通孔28の入口は、得るべき基材10の周面形状より大きい相似形状となっており、実施例では棒状体16の周面形状(端面)と同一寸法となっている。すなわち、型26の型面26aは、通孔28の入口から出口27に向かうにつれて先細りになる傾斜形状で形成され、通孔28を通過するにつれて溶融代Sが次第に溶融して、外周部14が徐々に厚くなるように形成される。具体的には、通孔28の入口は、出口27と比較して、前記溶融代Sに応じて開口寸法を5mm〜20mm程度大きく設定することが好ましい。このように型26を形成することで、通孔28への棒状体16の導入が容易になり、棒状体16の周面全体の溶融を確実に行うことができると共に、棒状体16の周面と型面26aとの接触面積を低減することで、移送に際する棒状体16への負荷を低減することができる。
【0040】
型面26aの加熱温度は、ポリウレタンフォームの170℃前後の溶融温度に合わせて設定され、340〜410℃、好ましくは350〜400℃、更に好ましくは360〜390℃に設定される。また、棒状体16の周面と型面26aとの接触距離は、50〜150mm、好適には50〜100mmの範囲に設定される。接触距離が長いと加熱時間が長くなり過ぎ、得られた基材10の強度が低下するおそれがある。接触距離が短いと棒状体16の周面を十分に加熱することができず、外周部14を十分に形成できない。また、型26を通過する棒状体16の移送速度は、加熱温度や接触距離等を勘案して、0.5〜3.0m/minの範囲に設定することが好ましい。移送速度が0.5m/min未満であると、製造効率が低下すると共に、型面26aとの接触時間も長くなるので、平滑な被膜面14bを得るのが難しくなる。一方、3.0m/minを超えると、型26を通過する際の抵抗と、移送手段22,24による引張力とにより棒状体16が伸ばされることになり、棒状体16の外形が崩れて寸法精度が悪化してしまう。なお、前述した加熱温度、接触距離および移送速度は、用いる棒状体16の大きさや形成する外周部14の厚さやその他の条件に応じて適宜変更される。
【0041】
次に、外周部14が周面に形成された棒状体16(
図8)を、長手方向と交差する方向に切断手段30(
図4)で切断する。これにより、元のポリウレタンフォームがそのまま保持されたフィルタ面16aと、フィルタ面16aを囲むように外周に形成され、溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部14とを備えた基材10を得ることができる。
【0042】
前記基材10は、ポリウレタンフォームからなる本体部12の外周に、溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部14を形成してある。このように、基材10は、本体部12とこの本体部14の外周に形成される外周部14とが同じ素材で一体化された構成であるので、本体部12から外周部14が剥がれることはない。また、基材10は、本体部12と外周部14との間に、継ぎ目や段差等が発生しない。基材10によれば、該基材10の周面をなす外周部14に開口14aがあいているので、セラミックフィルタとする際に開口14aを介してスラリーの含浸や除去することができ、補強部となるセラミック層の形成が簡単になる。また、外周部14は、溶融固化したポリウレタンフォームからなる被膜面14bが、周面に所定の開口率であいた開口14aよりも広く形成されているので、被膜面14bでスラリーを保持することができ、基材10の周面に補強部を簡単に形成することができる。そして、外周部14の開口14aの開口率が1%〜20%の範囲であることで、外周部14でのスラリーの保持とスラリーの浸透および除去とのバランスをとることができ、基材10の周面に補強部をより簡単に形成することができる。
【0043】
前記基材10は、外周部14における被膜面14bの平面度公差または真円度公差が0.1mm〜2.0mmの範囲にあり、外周部14が非常に平滑であって精度に優れているので、周面にセラミック層を焼成した際に累積する誤差を小さくすることができる。従って、基材10を用いることで、得られるセラミックフィルタに要求される寸法精度を容易に満たすことが可能となる。
【0044】
前記基材10は、外周部14の通気性が本体部12をなすポリウレタンフォームに対して、5%〜30%の範囲にあることで、外周部14でのスラリーの保持と、内部へのスラリーの浸透および内部からのスラリーの除去とのバランスを適切にすることができる。従って、基材10を用いることで、セラミックフィルタの周面にセラミック層からなる補強部を簡単に形成することができる。
【0045】
基材10は、本体部12をなすポリウレタンフォームよりも硬い外周部14によって、周面が補強されているので、搬送時などの取り扱いに際して、破損を防止することができる。また、基材10は、フィルタ面10aと直交する方向へ圧縮可能で、当該方向へ圧縮した際の硬さが、本体部12をなすポリウレタンフォームに対して300%以下に抑えられている。すなわち、基材10の周面が外周部14で硬くなり過ぎず、基材10を圧縮してスラリーを除去する際に外周部14が邪魔にならない。
【0046】
前記基材10は、フィルタ面10aの寸法公差が±1%以下の範囲にあるので、周面にセラミック層を焼成した際に累積する誤差を小さくすることができ、得られるセラミックフィルタに要求される寸法精度を容易に満たすことが可能となる。
【0047】
前記製造方法によれば、棒状体16を、得るべき基材10に対して5mm〜20mmの溶融代Sを見込んだ大きい相似形状で形成することで、セルが互いに連通すると共にセル数が5ppi〜30ppiの範囲にある比較的目が粗いポリウレタンフォームを用いても、適度に開口14aがあいて被膜面14bを有する外周部14を形成することができる。このように、前記製造方法によれば、溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部14によって、基材10の周面を完全に閉塞することなく、周面に所定の開口率で開口14aがあいた外周部14を備えた基材10を簡単に形成することができる。また、溶融代Sを5mm〜20mmの範囲に設定することで、外周部14について、基材10の周面を塞ぐ被膜面14bを外周部14にあく開口14aの総開口面積よりも広くなるように調節することができる。すなわち、得られる基材10について、外周部14にあく開口14aの開口率を1%〜20%のような好適な範囲に設定することができる。
【0048】
前記製造方法によれば、棒状体16を、型26の出口27において、得るべき基材10の周面形状より1.001倍〜1.025倍大きい相似形状になるように成形している。このように、型26の出口27の開口面積を得るべき基材10のフィルタ面寸法よりも大きくして、外周部14が形成された棒状体16を僅かに大きくなるように成形すると、外周部14の形成に伴ってポリウレタンフォームが僅かに収縮するので、結果として精度のよい基材10を得ることができる。
【0049】
前記製造方法によれば、ポリウレタンフォームを溶融しながら通孔28を通すので、型面26aとの接触によって外周部14の表面が平滑になるように成形される。すなわち、外周部14の被膜面14bを平滑になるように制御することができ、外周部14の被膜面14bを平滑に形成することができる。従って、得られる基材10は、平滑な被膜面14aにスラリーをのせ易く、得るべきセラミックフィルタに要求される寸法精度を容易に満たすことが可能となる。
【0050】
前記製造方法によれば、外周を接触させつつ棒状体16を型26に通して、棒状体16における溶融した外周を型26の型面26aでならすように成形するので、被膜面14bの平面度公差または真円度公差が0.1mm〜2.0mmの範囲にある平滑性に優れた外周部14を簡単に形成することができる。例えば、ポリウレタンフォームの周面に樹脂を塗布する構成であると、平滑な面を形成すること自体が難しいが、溶融固化したポリウレタンフォームを成形して外周部14を形成することで、被膜面14bの平滑性を容易にコントロールすることができる。しかも、外周部14の成形収縮を見込んで、型26の出口27を、得るべき基材10よりも所定範囲で大きく設定しているので、多角形であればそれぞれの辺全体においてより直線的に延在すように、円形であればより真円に近くなるように形成することができ、平滑性をより向上させることができる。
【0051】
前記製造方法によれば、溶融代Sの設定によって、外周部14の通気性を本体部12をなすポリウレタンフォームに対して、5%〜30%の範囲にあるように、簡単に調節することができる。
【0052】
前記製造方法によれば、ポリウレタンフォームからなる棒状体16の外周を溶融固化して、本体部12の外周に、溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部14を形成するので、本体部12よりも硬い外周部14を簡単に設けることができる。しかも、溶融代Sの設定によって、外周部14の厚みを調節して、得られる基材10の硬さを良好な範囲とすることができる。
【0053】
前記製造方法によれば、前記のように平滑な被覆面14bを有する外周部14を形成し得ると共に、外周部14の成形に伴う成形収縮を抑えることができるので、フィルタ面10aの寸法公差が±1%以下の範囲にあるような、高い寸法精度で基材10を簡単に形成することができる。
【0054】
棒状体16の周面形状が多角形の場合に、該棒状体の角部を面取りすることで、型26を通る際に棒状体16の面と角部とで変形度合いを均等にして、得られる基材10の周面同士がなす角部の精度を向上することができる。
【0055】
次に、セル数、外周部における開口の開口率、通気性および硬さが、基材にどのように影響を及ぼすかについて試験を行った。その結果を表1に示す。また、溶融代および型の出口の大きさが、得られる基材にどのように影響を及ぼすのかについて試験を行った。その結果を表2に示す。
【0056】
(ポリウレタンフォームの種類およびセル数)
表1および表2に示すポリウレタンフォームの種類として、以下のものを用いている。
1.エステル系
・セル数8ppi:商品名 モルトフィルター MF−8(株式会社イノアックコーポレーション製、密度:30±5kg/m
3、セル数:8±2ppi)
・セル数13ppi:商品名 モルトフィルター MF−13(株式会社イノアックコーポレーション製、密度:30±5kg/m
3、セル数:13±3ppi)
・セル数20ppi:商品名 モルトフィルター MF−20(株式会社イノアックコーポレーション製、密度:30±5kg/m
3、セル数:20±4ppi)
・セル数30ppi:商品名 モルトフィルター MF−30(株式会社イノアックコーポレーション製、密度:30±5kg/m
3、セル数:30±4ppi)
・セル数40ppi:商品名 モルトフィルター MF−40(株式会社イノアックコーポレーション製、密度:30±5kg/m
3、セル数:40±4ppi)
2.エーテル系
比較例9−セル数13ppi:商品名 モルトフィルター CFH−13(株式会社イノアックコーポレーション製、密度:30±5kg/m
3、セル数:13±3ppi)
【0057】
表1に示す実施例1〜16、比較例1〜9および参考例1は、70mm角(溶融代10mm)の正方形(表1における四角形)または直径70mm(溶融代10mm)の円形の棒状体を、出口の大きさが得るべき基材のフィルタ面に対して1.010倍に設定された型に通して、棒状体の外周に、溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部を形成した。ここで、型の温度は、360℃に設定され、棒状体を移送速度0.5m/min〜3.0m/minで型に通した。なお、フィルタ面の形状が四角形の場合は、角部が10%面取りされている。すなわち、四角形の棒状体は、70mmの辺に対して、隣り合う辺が交差する角から各辺に沿って7mm離れた位置を通る円弧状に切り欠くよう、面取りされている。そして、外周部を形成した棒状体を、長手方向と交差する方向に裁断して、厚み方向両側のフィルタ面にポリウレタンフォームが臨むと共にフィルタ面を囲う外周が溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部で構成された基材を、厚さ10mmでそれぞれ形成した。
【0058】
(開口率)
外周部における開口の開口率は、 KEYENCE社製のデジタルマイクロスコープ(VHX−5000)を用いて基材の周面に形成された外周部を観察し、外周部にあいた開口の総面積を算出した。そして、開口の総面積を、基材の周面に形成された外周部の総面積で除して、外周部に占める開口の割合を算出した。判定は、スラリー中に各基材を浸漬してスラリーを含浸させた後に、圧延によって外周部からスラリーが排出されるか否かで判断した。すなわち、スラリーが外周部から排出される場合は、「〇」と判定した。そして、含浸したスラリーが本体部や外周部に過剰に残っている場合は、「×」と判定した。スラリーは、約60%の炭化ケイ素、15%のアルミナ、5%のシリカ、10%のレオロジー改質剤(抗泡剤、分散剤、安定剤、バインダなど)を含み、水の量で適当な粘度になるように調整されている。なお、以降のスラリーを用いる試験でも同じものを使用している。
【0059】
(通気性)
前記[0057]で説明した四角形の棒状体を、長手方向に裁断して、厚み方向の片面に溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部を有する試験片(50mm角×厚み10mm)を作成した。また、前記棒状体と同じポリウレタンフォームからなり、外周部を有していない通風基準片(50mm角×厚み10mm)を、試験片と同じ大きさで作成した。測定の有効面積が30mmφとなる治具で試験片または通風基準片の厚み方向両側から挟み、試験片について外周部が介在する場合の通気試験を行い、通風基準片についてポリウレタンフォームのみの場合の通気試験を行った。なお、JIS L1096:2010 A法に基づき、テクステスト社製の通気性試験機(FX3300)を用いて行った。試験片で測定した値を対応する通風基準片で測定した値で除して、本体部をなすポリウレタンフォームに対する外周部の通気性(%)を算出した。判定は、スラリー中に各基材を浸漬してスラリーを含浸させた後に、圧延によって外周部からスラリーが排出されるか否かで判断した。すなわち、スラリーが外周部から排出される場合は、「〇」と判定し、特に排出が円滑である場合は、「◎」と判定した。そして、含浸したスラリーが本体部や外周部に過剰に残っている場合は、「×」と判定した。
【0060】
(硬さ)
前記[0057]で説明したように形成した基材を用意する。また、各実施例および比較例と対応するポリウレタンフォームから、外周部を有していない硬さ基準片(50mm角×厚み10mm)を基材と同じ大きさで作成した。基材および硬さ基準片よりも大きな圧縮板によって、基材および硬さ基準片のそれぞれを厚み方向に圧縮し、硬さをそれぞれ測定する。なお、測定条件は、前圧縮無しで、100mmφの圧縮板で圧縮速度10mm/minで圧縮した場合であり、厚みの50%まで圧縮した際の25%圧縮時の数値を測定した。なお、測定は、島津製作所社製のオートグラフ(AGS−J)を用いて行った。基材を測定した値を対応する硬さ基準片を測定した値で除して、基材におけるフィルタ面と直交する方向へ圧縮した際の硬さを、ポリウレタンフォームに対する割合で算出した。基材の硬さがポリウレタンフォームに対して300%より大きいとスラリーを絞りにくくなるのが判っているので、基材の硬さが300%よりも大きい場合を「×」とし、基材の硬さが201%〜300%である場合を「〇」とし、基材の硬さが200%以下である場合を「◎」と判定した。
【0061】
表1において、開口率、通気性および硬さの全ての判定が「〇」であるものを、総合判定で「〇」とし、開口率、通気性および硬さの何れか1つでも「×」がある場合は、総合判定を「×」とした。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示す試験結果によれば、外周部における開口の開口率が1%〜20%の範囲にあると、外周部でのスラリーの保持とスラリーの浸透および除去とのバランスをとることができることが判った。また、本体部をなすポリウレタンフォームに対して、外周部が5%〜30%の範囲の通気性を有していると、外周部でのスラリーの保持とスラリーの浸透および除去とのバランスをとることができることが判った。特に、本体部をなすポリウレタンフォームに対して、外周部が10%〜20%の範囲の通気性を有していると、前記効果が顕著になる。基材は、フィルタ面と直交する方向へ圧縮した際の硬さが、ポリウレタンフォームに対して、300%以下の範囲にあると、スラリーの除去を阻害せず、特に200%以下になるとより圧縮し易い。
【0064】
次に、溶融代および型の出口の大きさが、得られる基材にどのように影響を及ぼすのかについて試験を行った。その結果を表2に示す。なお、当該試験で用いるポリウレタンフォームの種類およびセル数の関係は、前記[0056]の記載のセル数13ppiの通りである。
【0065】
表2に示す実施例21〜35および比較例10〜16は、セル数13ppiのポリウレタンフォームを用い、溶融代、型の出口の大きさ、四角形の棒状体の面取り位置および形状を変えている。50mm角または50mmφの基材を形成する場合に、表2に示す溶融代を含むように棒状体の外周寸法を設定し、この棒状体を出口の大きさが得るべき基材のフィルタ面に対して表2に示す値で設定された型に通して、棒状体の外周に、溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部を形成した。ここで、型の温度は、360℃に設定され、棒状体を移送速度0.5m/min〜3.0m/minで型に通した。なお、フィルタ面の形状が正方形(表2の四角形)の場合は、角部が表2に示す値で面取りされている。すなわち、四角形の棒状体は、溶融代を含めた辺の寸法に対して、隣り合う辺が交差する角から各辺に沿って表2に示す割合の離間位置を通る直線状または円弧状に切り欠くよう、面取りされている。そして、外周部を形成した棒状体を、長手方向と交差する方向に裁断して、厚み方向両側のフィルタ面にポリウレタンフォームが臨むと共にフィルタ面を囲う外周が溶融固化したポリウレタンフォームからなる外周部で構成された基材を、50mm角の厚さ10mmでそれぞれ形成した。
【0066】
(平面度公差および真円度公差)
平面度公差を測定する場合は、90°の角度で直交する2本の真っ直ぐな金属片を有する測定治具を、四角形の基材における外周部の隣り合う2辺に接触させる。基材における外周部の一辺において対向する金属片と接触する部位を最凸部とし、この最凸部を基準(ゼロ)として、基材における外周部の一辺において対向する金属片から最も離れている部位を最凹部として測定を行い、最凸部と最凹部との間隔を求める。外周部における他の辺についても、同様の手順で最凸部と最凹部との間隔を求める。4辺の最凸部と最凹部との間隔の平均値(N=4)を算出し、これを平面度公差とする。真円度公差は、基材10の任意の5箇所の直径をデジタルノギスで測定を行い、得るべき基材の直径と測定結果との差を求めた。そして、5箇所の差の平均値(N=5)を算出し、これを真円度公差とする。平面度公差および真円度公差は、基材に要求されている精度を満たす2.0mm以下である場合を「〇」と判定し、特に良好な1.0mm以下である場合を「◎」と判定し、2.0mmより大きい場合を「×」と判定する。
【0067】
(寸法公差)
基材におけるフィルタ面の寸法公差は、多角形の場合、外周部の隣り合う辺同士がなす角から、この角が対向する辺に直交するように引いたラインで寸法をデジタルノギスで角の数だけ測り、平均値を算出する。そして、平均値と得るべき基材のフィルタ面の寸法(設計値)との誤差(平均値/設計値×100(%))を求め、これを寸法公差とする。ここで、四角形の基材の場合は、対向する面間の距離を測っている。また、円形の場合は、基材10の任意の5箇所の直径をデジタルノギスで測定を行い、得るべき基材の直径と測定結果との差を求めた。そして、5箇所の差の平均値(N=5)を算出し、フィルタ面の寸法(設計値)との誤差(平均値/設計値×100(%))を求め、これを寸法公差とする。寸法公差は、基材に要求されている精度を満たす±1.0%以下である場合を「〇」と判定し、特に良好な±0.5%以下である場合を「◎」と判定し、±1.0%より大きい場合を「×」と判定する。
【0068】
表2において、平面度公差(真円度公差)および寸法公差の全ての判定が「〇」であるものを、総合判定で「〇」とし、平面度公差(真円度公差)および寸法公差の何れか1つでも「×」がある場合は、総合判定を「×」とした。
【0069】
【表2】
【0070】
表2に示す試験結果によれば、棒状体を、5mm〜20mmの範囲の溶融代を含んで、得るべき基材のフィルタ面よりも大きい相似形状で形成すると共に、出口が棒状体の外周よりも小さく、かつ得るべき基材のフィルタ面よりも1.001倍〜1.025倍大きい相似形状で形成された型に、外周を接触させつつ棒状体を通して外周部を形成することで、所定の平面度公差(真円度公差)および寸法公差を満たすことが判った。また、基材のフィルタ面の形状が四角形の場合、棒状体の角部を面取りしておくことで、精度が向上することが判った。
【0071】
(変更例)
前述した構成に限定されず、例えば以下のようにも変更することができる。
(1)型は、通孔の全体が得るべきセラミックフィルタ用基材の周面形状と相似形状にすることに限らず、棒状体に対する接触解除位置となる出口で少なくとも相似形状となっていればよい。
(2)型の出口は、型面と棒状体との接触が解除される位置を指し、棒状体との接触解除位置から下流側へ向けて型面を広がるように形成してもよい。
(3)型の入口は、型面と棒状体との接触が開始される位置を指し、棒状体との接触開始位置の上流側に入口へ向かうにつれて狭くなるように、型面を設けてもよい。型における入口の上流側を、溶融代に応じて加えた寸法から更に1mm〜10mm程度大きく設定し、棒状体よりも大きくしてもよい。つまり、型における棒状体の導入口は、棒状体に対して、同じかやや大きく設定することが望ましい。型の入口の上流側に型面を設けることで、棒状体の型への導入が容易となり、該型面から棒状体を予熱することができる。