式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物(X)を含有してなることを特徴とするセメント組成物用白華防止剤;又は式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物(X)と、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の多孔質粉体(Y)とからなることを特徴とするセメント組成物用粉末白華防止剤を用いる。
はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基及びアリール基のいずれかを、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Nは窒素原子、Hは水素原子、nは2〜15の整数を表す。
式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物(X)と、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の多孔質粉体(Y)とからなることを特徴とするセメント組成物用粉末白華防止剤。
R1−N{(−AO)n−H}2 (1)
R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基及びアリール基のいずれかを、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Nは窒素原子、Hは水素原子、nは2〜15の整数を表す。
ポリオキシアルキレン化合物(X)及び多孔質粉体(Y)の合計重量に基づいて、(X)の含有量が1〜70重量%、(Y)の含有量が30〜99重量%である請求項2に記載の粉末白華防止剤。
【発明を実施するための形態】
【0011】
アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基及びアリール基(R
1)のうち、アルキル基としては、炭素数4〜18のアルキル基が含まれ、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、イソトリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル及びイソオクタデシル等が挙げられる。
【0012】
アルケニル基としては、炭素数4〜18のアルケニル基が含まれ、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル及びオクタデセニル等が挙げられる。
【0013】
シクロアルキル基としては、炭素数4〜15のシクロアルキレン基が含まれ、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ジシクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル及びノニルシクロヘキシル等が挙げられる。
【0014】
アリール基としては、炭素数6〜15のアリール基が含まれ、フェニル、トリル、ベンジル、キシリル、ノニルフェニル及びナフチル等が挙げられる。
【0015】
これらのR
1のうち、アルキル基及びシクロアルキル基が好ましく、さらに好ましくはアルキル基である。
【0016】
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(AO)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等が挙げられる。
【0017】
(−AO)n中に含まれるオキシアルキレン基(AO)は全て同じでも、異なる種類を含んでいてもよい。白華防止性の観点から、R
1が炭素数12〜18のアルキル基の場合、オキシエチレン単独が好ましく、R
1が炭素数4〜11のアルキル基やアルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基の場合、オキシエチレンとオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンとの混合が好ましい。
【0018】
オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンとオキシエチレンとの混合を含む場合、オキシエチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレンの全モル数に基づいて、50〜90が好ましく、さらに好ましくは60〜90、特に好ましくは60〜80である。また、この場合、窒素原子Nにオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち窒素原子Nから離れた末端部にオキシエチレンが結合していることが好ましい。また、複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、結合様式はブロック状、ランダム状及びこれらの混合のいずれでもよいが、少なくともブロック状を含むことが好ましい。
【0019】
nは、2〜15の整数が好ましく、さらに好ましくは3〜12の整数、特に好ましくは4〜10の整数である。この範囲であると、白華防止性がさらに良好となる。
【0020】
式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(X)としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基及びアリール基のいずれか一つを持つアミン(第1級アミン;a1〜a4)1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a5)4〜30モルとの化学反応により製造される構造を有するポリオキシアルキレン化合物が含まれる。
【0021】
アルキル基を有するアミンとしては、炭素数4〜18のアルキルアミン(a1)が含まれ、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、イソトリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン及びn−オクタデシルアミン等が挙げられる。
【0022】
アルケニル基を有するアミンとしては、炭素数4〜18のアルケニルアミン(a2)が含まれ、ブテニルアミン、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン及びオクタデセニルアミン等が挙げられる。
【0023】
シクロアルキル基を有するアミンとしては、炭素数4〜15のシクロアルキルアミン(a3)が含まれ、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン及びノニルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
【0024】
アリール基を有するアミンとしては、炭素数6〜15のアリールアミン(a4)が含まれ、フェニルアミン(アニリン)、トルイジン、ベンジルアミン、キシリジン、ノニルフェニルアミン及びナフチルアミン等が挙げられる。
【0025】
これらのうち、アルキルアミン(a1)及びシクロアルキルアミン(a3)が好ましく、さらに好ましくはアルキルアミン(a1)、特に好ましくはn−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミンである。
【0026】
炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a5)としては、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、白華防止性の観点から、第1級アミンがアルキル基を持つアミンであって、アルキル基の炭素数が12〜18の場合、EOを単独で使用することが好ましく、第1級アミンがアルキル基(炭素数4〜11)を持つアミンやアルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を持つアミンの場合、EOとPO及び/又はBOとの併用が好ましい。
【0027】
PO及び/又はBOとEOとの混合を含む場合、EOの含有割合(モル%)は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、50〜90が好ましく、さらに好ましくは60〜90、特に好ましくは60〜80である。また、この場合、窒素原子NにPO及び/又はBOが反応することが好ましい。すなわち窒素原子Nから離れた末端部にEOが結合していることが好ましい。また、複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、結合様式はブロック状、ランダム状及びこれらの混合のいずれでもよいが、少なくともブロック状を含むことが好ましい。
【0028】
第1級アミン{(a1)〜(a4)}とアルキレンオキシド(a5)の化学反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
【0029】
第1級アミンとアルキレンオキシド(a5)との化学反応には必ずしも反応触媒を必要としないが反応触媒を使用してもよい。特に、反応溶媒として以下に説明するアミドを用いる場合、反応触媒を用いる必要がない。反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の第3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び第3級アミンが好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
【0030】
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、第1級アミン{(a1)〜(a4)}及びアルキレンオキシド(a5)の合計重量に基づいて、0.05〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.2〜0.6である。
【0031】
反応触媒を使用する場合、反応触媒は反応生成物から除去することが好ましく、その方法としては、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業株式会社、「キョーワード」は同社の登録商標である。}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエン等の溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及びアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して生じる炭酸塩を濾過する方法(特公昭52−33000号公報)等が挙げられる。
【0032】
反応触媒の除去の終点としては、CPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。なお、CPRは、JIS K1557−4:2007に準拠して測定される。
【0033】
反応容器としては、加熱、冷却及び撹拌が可能な耐圧性反応容器を用いることが好ましい。反応雰囲気としては、アルキレンオキシド(a5)を反応系に導入する前に反応装置内を真空にするか、または乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては80〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応圧力(ゲージ圧:MPa)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
【0034】
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
【0035】
多孔質粉体(Y)としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であれば制限ないが、酸化ケイ素及び炭酸カルシウムが好ましく、さらに好ましくは酸化ケイ素である。
【0036】
多孔質粉体(Y)のBET比表面積(m
2/g)は、0.5〜1000が好ましく、さらに好ましくは50〜800、特に好ましくは100〜500である。この範囲であると、白華防止性がさらに良好となる。
【0037】
多孔質粉体(Y)のフタル酸ジ-n-ブチル(DBP)吸油量(ml/100g)は、10〜500が好ましく、さらに好ましくは50〜400、特に好ましくは100〜300である。この範囲であると、白華防止性がさらに良好となる。
【0038】
粉末白華防止剤に含まれるポリオキシアルキレン化合物(X)の含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(X)及び多孔質粉体(Y)の合計重量に基づいて、1〜70が好ましく、さらに好ましくは10〜65、特に好ましくは20〜60である。この範囲であると、白華防止性がさらに良好となる。
【0039】
粉末白華防止剤に含まれる多孔質粉体(Y)の含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(X)及び多孔質粉体(Y)の合計重量に基づいて、30〜99が好ましく、さらに好ましくは35〜90、特に好ましくは40〜80である。この範囲であると、白華防止性がさらに良好となる。
【0040】
本発明の粉末白華防止剤の製造方法としては特に制限は無いが、攪拌混合装置にポリエーテル化合物(X)及び多孔質粉体(Y)を仕込み、攪拌混合する方法が好ましい。攪拌混合装置に(X)及び(Y)を仕込む方法としては、(X)及び(Y)の全量を一括して投入する方法(1)、(X)の全量に(Y)を少量ずつ連続又は分割して投入する方法(2)、(Y)の全量に(X)を少量ずつ連続又は分割して投入する方法(3)、(X)と(Y)を同時に少量ずつ連続又は分割して投入する方法(4)等が適用できる。これらのうち、製造効率の観点等から、(Y)の全量に(X)を少量ずつ連続又は分割して投入する方法(4)が好ましい。
【0041】
攪拌混合装置としては、公知の攪拌混合装置が使用でき、プロペラ型攪拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、ニーダー、ラインミキサー、リボンミキサー、傾胴ミキサー、オムニミキサー及びヘンシェルミキサー等が例示される。
【0042】
本発明の白華防止剤及び粉末白華防止剤は、セメント組成物(コンクリート、モルタル、プラスター等)用白華防止剤として適しており、モルタル用白華防止剤として好適である。
これらのモルタルとしては、ドロマイト又はセメント(ケイ酸石灰質セメント及びアルミン酸石灰質セメント等)及び石膏(α石膏及びβ石膏等)等の水硬化性物質を主成分とし、水、水溶性高分子、珪砂等の細骨材、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカヒューム等の混和材料、並びにナイロン、ポリプロピレン、ガラス、スチール及びカーボン等の繊維補強材、カーボンブラック、酸化鉄、フタロシアニン等の顔料を適宜含むもの等が挙げられる。
【0043】
本発明の白華防止剤又は粉末白華防止剤の使用量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(X)の量として、セメントの重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.03〜5、特に好ましくは0.05〜3である。この範囲であると、白華防止性がさらに良好となる。
【実施例】
【0044】
以下、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
<実施例1>
攪拌、加熱、冷却、滴下、窒素による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器に、n−ドデシルアミン{東京化成工業株式会社}185部(1モル部)及びN,N−ジメチルホルムアミド{DMF、三菱ガス化学株式会社、以下同じ。}200部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.2MPaになるまで加圧し0.05MPaになるまで排出する操作を3回繰り返した(以下、この窒素ガスを用いる操作を「窒素ガス置換」と略する。)。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて、エチレンオキシド(EO)440部(10モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続け、残存するEOを反応させた。次いでDMFを減圧留去(120℃、1.3〜13kPa、以下、同じ。)し、本発明のセメント組成物用白華防止剤(1:ドデジルアミンEO10モル付加体)を得た。
【0045】
<実施例2>
「n−ドデシルアミン{東京化成工業株式会社}185部(1モル部)」を「n−オクタデシルアミン{東京化成工業株式会社}270部(1モル部)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のセメント組成物用白華防止剤(2:オクタデシルアミンEO10モル付加体)を得た。
【0046】
<実施例3>
「エチレンオキシド(EO)440部(10モル部)」を「エチレンオキシド(EO)176部(4モル部)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のセメント組成物用白華防止剤(3:ドデシルアミンEO4モル付加体)を得た。
【0047】
<実施例4>
製造例1と同じ反応容器に、n−ブチルアミン{東京化成工業株式会社}73部(1モル部)及びDMF200部を投入した後、窒素ガス置換し、攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて、プロピレンオキシド(PO)116部(2モル部)を1時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続け、次いでEO352部(8モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた。次いでDMFを減圧留去し、本発明のセメント組成物用白華防止剤(4:ブチルアミン/PO2モル/EO8モルブロック付加体)を得た。
【0048】
<実施例5>
製造例1と同じ反応容器に、n−ウンデシルアミン{和光純薬工業株式会社}171部(1モル部)及びDMF200部を投入した後、窒素ガス置換し、攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて、プロピレンオキシド(PO)232部(4モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続け、次いでEO264部(6モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた。次いでDMFを減圧留去し、本発明のセメント組成物用白華防止剤(5:ウンデシルアミン/PO4モル/EO6モルブロック付加体)を得た。
【0049】
<実施例6>
リボンミキサー機(RMA−50、アルファ株式会社)に多孔質粉体(Y1){Nipsil NA、東ソー・シリカ株式会社、酸化ケイ素、BET比表面積160m
2/g、DBP吸油量250ml/100g、「Nipsil」は同社の登録商標である。}2kgを仕込み、撹拌しながら実施例1で得たセメント組成物用白華防止剤(1)3kgを滴下し、さらに0.5時間撹拌して均一化して、本発明のセメント組成物用粉末白華防止剤(1)を得た。
【0050】
<実施例7>
「多孔質粉体(Y1)2kg」を「多孔質粉体(Y2){Nipsil ER、東ソー・シリカ株式会社、酸化ケイ素、BET比表面積100m
2/g、DBP吸油量180ml/100g}4kg」に変更したこと及び「セメント組成物用白華防止剤(1)3kg」を「実施例2で得たセメント組成物用白華防止剤(2)1kg」に変更したこと以外、実施例6と同様にして、本発明のセメント組成物用粉末白華防止剤(2)を得た。
【0051】
<実施例8>
「多孔質粉体(Y1)2kg」を「多孔質粉体(Y3){SILYSIA 370、富士シリシア化学株式会社、酸化ケイ素、BET比表面積300m
2/g、DBP吸油量300ml/100g、「SILYSIA」は有限会社ワイ・ケイ・エフの登録商標である。}2kg」に変更したこと及び「セメント組成物用白華防止剤(1)3kg」を「実施例3で得たセメント組成物用白華防止剤(3)3kg」に変更したこと以外、実施例6と同様にして、本発明のセメント組成物用粉末白華防止剤(3)を得た。
【0052】
<実施例9>
「多孔質粉体(Y1)2kg」を「多孔質粉体(Y4){SILYSIA 530、富士シリシア化学株式会社、酸化ケイ素、BET比表面積500m
2/g、DBP吸油量160ml/100g}2kg」に変更したこと及び「セメント組成物用白華防止剤(1)3kg」を「実施例4で得たセメント組成物用白華防止剤(4)3kg」に変更したこと以外、実施例6と同様にして、本発明のセメント組成物用粉末白華防止剤(4)を得た。
【0053】
<実施例10>
「多孔質粉体(Y1)2kg」を「多孔質粉体(Y5){SILYSIA 710、富士シリシア化学株式会社、酸化ケイ素、BET比表面積700m
2/g、DBP吸油量100ml/100g}2kg」に変更したこと及び「白華防止剤(1)3kg」を「実施例5で得たセメント組成物用白華防止剤(5)3kg」に変更したこと以外、実施例6と同様にして、本発明のセメント組成物用粉末白華防止剤(5)を得た。
【0054】
<実施例11>
「多孔質粉体(Y1)2kg」を「多孔質粉体(Y6){カルライト−KT、白石工業株式会社、炭酸カルシウム、BET比表面積40m
2/g、DBP吸油量140ml/100g、「カルライト」は同社の登録商標である。}4kg」に変更したこと及び「セメント組成物用白華防止剤(1)3kg」を「セメント組成物用白華防止剤(1)1kg」に変更したこと以外、実施例6と同様にして、本発明のセメント組成物用粉末白華防止剤(6)を得た。
【0055】
<比較例1>
ステアリン酸カリウム{関東化学株式会社}40部、エチルアルコール24部及び水36部を均一混合して、比較用のセメント組成物用白華防止剤(C1)を得た。
【0056】
<白華防止性の評価>
以下のようにしてモルタルを調製し、白華防止性の評価を行い、その結果を下表に示した。
(1)セメント硬化体の調製
セメント{普通ポルトランドセメント、太平洋セメント株式会社}80部、α型半水石膏{YGK、吉野石膏株式会社}20部、珪砂6号{愛知八草地区乾燥珪砂}100部及び増粘剤{メチルセルロース、90SH−30000、信越化学株式会社}0.1部を、モルタルミキサー{型式:C138A−486、株式会社丸東製作所}で10秒間空練りした後、減水剤{三洋レベロン、三洋化成工業株式会社}1部、水50部及び試料{白華防止剤0.1部又は粉末白華防止剤0.2部}を加えて、2分間混練を行い、10cm×10cm×2cmの型に流し込んで2週間養生(温度25℃、相対湿度90%)した。ついで、脱型して、評価用のセメント硬化体を得た。
【0057】
(2)白華防止性評価
評価用のセメント硬化体の表面を目視観察して、次の基準によって、白華防止性を評価した。
また、実施例1で得た本発明のセメント組成物用白華防止剤(1)を用いて硬化させた評価用のセメント硬化体の表面を写真撮影して、
図1に示した。また、比較例1で得た比較用のセメント組成物用白華防止剤(C1)を用いて硬化させた評価用のセメント硬化体の表面を写真撮影して、
図2に示した。
○ 白華は認められなかった
× 全面に白華が認められた
【0058】
【表1】
【0059】
表1の結果から明らかなように、本発明の白華防止剤及び粉末白華防止剤は、比較用の白華防止剤に比べて優れた白華防止性を発揮した。