特開2017-219434(P2017-219434A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-219434(P2017-219434A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】熱式流量センサ
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/684 20060101AFI20171117BHJP
【FI】
   G01F1/684 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-114333(P2016-114333)
(22)【出願日】2016年6月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】奥畑 和子
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035EA01
2F035EA08
(57)【要約】
【課題】ヒータにより生じた熱が温度センサに伝わることを抑制する。
【解決手段】ヒータ22を有し、配管1に貼り付けられたセンサチップ2と、温度センサ31を有し、センサチップ2に対して間隙を設けて配管1に貼り付けられたセンサチップ3と、センサチップ2とセンサチップ3との間に配置され、配管1に貼り付けられた放熱機構6とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータを有し、配管に貼り付けられた第1のセンサチップと、
温度センサを有し、前記第1のセンサチップに対して間隙を設けて前記配管に貼り付けられた第2のセンサチップと、
前記第1のセンサチップと前記第2のセンサチップとの間に配置され、前記配管に貼り付けられた放熱機構と
を備えた熱式流量センサ。
【請求項2】
前記放熱機構は、
ベースが金属部材から成り、前記第1のセンサチップ及び前記第2のセンサチップに接続された基板を有する
ことを特徴とする請求項1記載の熱式流量センサ。
【請求項3】
前記放熱機構は、
前記第1のセンサチップ及び前記第2のセンサチップに接続された基板と、
金属フィラーを含み、前記基板を前記配管に貼り付ける接着剤とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の熱式流量センサ。
【請求項4】
前記放熱機構は、
前記第1のセンサチップ及び前記第2のセンサチップに接続された基板と、
前記間隙の幅に対して1/5の幅を有し、前記基板を前記配管に貼り付ける接着剤とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の熱式流量センサ。
【請求項5】
前記接着剤は、金属フィラーを含む
ことを特徴とする請求項4記載の熱式流量センサ。
【請求項6】
前記基板は、ベースが金属部材から成る
ことを特徴とする請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載の熱式流量センサ。
【請求項7】
前記基板は、
ベース上に設けられたフレキシブル基板を有する
ことを特徴とする請求項2又は請求項6記載の熱式流量センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配管にセンサチップが貼り付けられた熱式流量センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ヒータを用いて、配管内を流れる流体の流量を測定する熱式流量センサが知られている(例えば特許文献1参照)。この熱式流量センサでは、ヒータが設けられたセンサチップと、温度センサが設けられたセンサチップとが、配管に貼り付けられている。そして、ヒータが、温度センサにより測定された温度よりも一定温度高くなるように加熱を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2001/084087号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の熱式流量センサでは、ヒータにより発生された熱が配管を介して温度センサまで伝わってしまい、温度センサによる測定に影響し、ヒータでの加熱温度に誤差が生じるという課題がある。その結果、熱式流量センサにおいて、微小流量域での流量測定精度が低下し、特に最大計測流量が小さくなると精度保証流量範囲が狭くなる。一方、熱式流量センサは、流量を測定する様々な分野で利用されており、測定環境において安定した計測が求められている。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ヒータにより生じた熱が温度センサに伝わることを抑制できる熱式流量センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る熱式流量センサは、ヒータを有し、配管に貼り付けられた第1のセンサチップと、温度センサを有し、第1のセンサチップに対して間隙を設けて配管に貼り付けられた第2のセンサチップと、第1のセンサチップと第2のセンサチップとの間に配置され、配管に貼り付けられた放熱機構とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、ヒータにより生じた熱が温度センサに伝わることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1A図1Bは、この発明の実施の形態1に係る熱式流量センサの構成例を示す図であって、上方から見た斜視図と、下方から見た底面図である。
図2図2A図2Bは、この発明の実施の形態1に係る熱式流量センサの別の構成例を示す図であって、上方から見た斜視図と、下方から見た底面図である。
図3図3A図3Bは、この発明の実施の形態1に係る熱式流量センサの効果を説明する図であって、配管の座繰り面における温度分布の一例を示す図と、温度センサにより測定される温度の一例を示す図である。
図4】この発明の実施の形態1に係る熱式流量センサの別の構成例を示す上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る熱式流量センサの構成例を示す図である。なお図1ではセンサチップ2,3と基板4とを接続する信号線の図示を省略している。
熱式流量センサは、ヒータ22を用いて、配管(キャピラリ)1内を流れる流体(液体又は気体)の流量を測定するセンサである。この熱式流量センサは、図1に示すように、ガラス管から成り、流体が流れる配管1と、配管1の座繰り面11に貼り付けられたセンサチップ2,3と、センサチップ2,3に接続され、信号の入出力を行う基板4とを備えている。
【0010】
センサチップ2には、配管1に貼り付けられる薄膜であるダイヤフラム部21に、配管1内の流体に熱を加えるヒータ22が設けられている。
センサチップ3には、配管1内の流体の温度を測定する温度センサ31が設けられている。なお、センサチップ2とセンサチップ3との間には間隙が設けられている。
【0011】
基板4には、一辺から突設された接続部41が設けられている。この接続部41が、接着剤5により配管1の座繰り面11に貼り付けられる。
そして、基板4は、温度センサ31により測定された温度を示す信号を取得し、当該温度よりも一定温度高くなるようにヒータ22を制御する。そして、基板4は、ヒータ22におけるパワーを示す信号を取得することで、流体の流量を測定する。すなわち、熱式流量センサでは、配管1内の流体が静止している場合に周囲に対して一定温度高くなるようにヒータ22により熱を加えた際の熱量と、配管1内の流体が上流側から下流側へ流れている場合に周囲に対して一定温度高くなるようにヒータ22により熱を加えた際の熱量とに、差が生じる。この熱量の差は、配管1内の流体の流量と相関関係がある。よって、熱式流量センサでは、この熱量の差から配管1内を流れる流体の流量を測定できる。
【0012】
また、熱式流量センサでは、センサチップ2とセンサチップ3との間に配置され、配管1に貼り付けられた放熱機構6が設けられている。
この放熱機構6は、基板4のベースを金属部材(アルミ等)から構成することで実現できる。また、放熱機構6は、接着剤5を金属フィラーを含む接着剤とすることでも実現できる。また、放熱機構6は、図2に示すように、接着剤5の幅を狭く構成することでも実現できる。なお図2では、接着剤5を、センサチップ2とセンサチップ3との間隙の幅に対して1/5の幅とした場合を示している。また、上記構成を組合わせて放熱機構6を実現してもよい。なお、基板4のベースを金属部材から構成する場合には、当該ベース上に、センサチップ2,3に接続され、信号の入出力を行うためのフレキシブル基板(不図示)を設ける。
【0013】
このように、センサチップ2とセンサチップ3との間に放熱機構6を設けることで、センサチップ2に設けられたヒータ22により生じた熱は、放熱機構6側に流れ、当該熱がセンサチップ3に設けられた温度センサ31に伝わることを抑制できる。
【0014】
次に、実施の形態1に係る熱式流量センサの効果について、図3を参照しながら説明する。図3は、各モデル(従来構成、図1,2に示す構成)による、配管1の座繰り面11における温度分布と、温度センサ31により測定される温度(測定温度)の解析結果を示している。なお図3Bでは、測定温度と、測定誤差(ΔT)と、従来構成における測定誤差を基準とした各モデルにおける測定誤差の比率とを示している。
なお図3に示す解析では、配管1を石英ガラスとし、外径を3mm及び内径を2mmとしている。また、配管1内の流体を水とし、流量を0ml/min及び温度を25℃としている。また、熱式流量センサの外部環境として、熱伝達係数を20W/m/K、温度を25℃及びラフネスを0ミクロンとしている。また、ヒータ22における設定温度を35℃としている。また、温度センサ31を、ヒータ22の中央位置から13.5mm離した位置としている。また、図3Aにおいて、符号304はヒータ22の配置箇所を示し、符号305は温度センサ31の配置箇所を示している。また、符号306は基板4の接続部41を貼り付ける接着剤5(6mmの場合)の配置箇所を示し、符号307は基板4の接続部41を貼り付ける接着剤5(2mmの場合)の配置箇所を示している。
【0015】
また、図3Aにおいて、符号301は従来構成の場合を示し、基板4のベースをガラスエポキシ(熱伝導率λ0.45)から構成し、接着剤5を一般的な樹脂系(熱伝導率λ0.3)のものとし、接着剤5の幅を6mmとしている。また、符号302は図1に示す構成の場合を示し、基板4のベースをアルミ(熱伝導率λ230)から構成し、接着剤5を金属フィラー入り高熱伝導系(熱伝導率λ100)のものとし、接着剤5の幅を6mmとしている。また、符号302は図2に示す構成の場合を示し、基板4のベースをアルミから構成し、接着剤5を金属フィラー入り高熱伝導系のものとし、接着剤5の幅を2mmとしている。
【0016】
この図3に示すように、従来構成に対し、実施の形態1に係る熱式流量センサでは、温度センサ31により検出される温度が低くなっていることが分かる。すなわち、従来構成に対し、実施の形態1に係る熱式流量センサでは、放熱機構6により、ヒータ22から生じた熱が温度センサ31側に伝熱され難くなっている。図2に示す構成(符号302)では、従来構成に対し、温度センサ31への伝熱を2割程度抑えることができている。
また、図1に示す構成に対し、図2に示す構成の方が伝熱の抑制効果が高い。これは、接着剤5の幅が広いと、ヒータ22側から受けた熱をそのまま温度センサ31側へ伝え易くなってしまうからであると推測される。
【0017】
以上のように、この実施の形態1によれば、ヒータ22を有し、配管1に貼り付けられたセンサチップ2と、温度センサ31を有し、センサチップ2に対して間隙を設けて配管1に貼り付けられたセンサチップ3と、センサチップ2とセンサチップ3との間に配置され、配管1に貼り付けられた放熱機構6とを備えたので、ヒータ22により生じた熱が温度センサ31に伝わることを抑制できる。
【0018】
なお上記では、放熱機構6として、基板4又は接着剤5の構成を変更する場合を示した。しかしながら、放熱機構6はこれに限るものではなく、例えば図4に示すように、基板4とは別体の部材(フィン)を配管1に貼り付けることで構成してもよい。なお、この場合の放熱機構6は、熱伝導のよい金属部材から成り、細長い形状に構成されている。また、この場合には、基板4は配管1には貼り付けず、別の箇所に設ける。なお図4では、基板4の図示を省略している。
【0019】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 配管
2 センサチップ(第1のセンサチップ)
3 センサチップ(第2のセンサチップ)
4 基板
5 接着剤
6 放熱機構
11 座繰り面
21 ダイヤフラム部
22 ヒータ
31 温度センサ
41 接続部
図1
図2
図3
図4