【課題】転写部が記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加した際に、記録媒体の表面及び裏面において記録媒体の厚み方向と交差する方向へ電流が流れて転写不良を生じ得る電気抵抗値である否かを、電圧の印加前に把握できるようにする。
【解決手段】記録媒体と画像との間に該記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加して画像を該記録媒体へ転写する転写部と、前記転写部が前記電圧を印加する前に、前記記録媒体の表面及び裏面のそれぞれにおける前記厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する一対の測定部と、を備える。
前記測定部は、前記検知部が前記配置状態を検知すると、前記電気抵抗値を測定し、その測定を終了した後は、前記検知部の検知状態が途切れてから前記配置状態を検知すると前記電気抵抗値を再度測定する
請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録媒体と画像との間に記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加して画像を記録媒体へ転写する転写部を備える構成において、記録媒体の表面及び裏面での電気抵抗値が低いと、転写部が記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加した際に、記録媒体の表面及び裏面において記録媒体の厚み方向と交差する方向へ電流が流れて、転写不良が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、転写部が記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加した際に、記録媒体の表面及び裏面において記録媒体の厚み方向と交差する方向へ電流が流れて転写不良を生じ得る電気抵抗値である否かを、電圧の印加前に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、記録媒体と画像との間に該記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加して画像を該記録媒体へ転写する転写部と、前記転写部が前記電圧を印加する前に、前記記録媒体の表面及び裏面のそれぞれにおける前記厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する一対の測定部と、を備える。
【0007】
請求項2の発明では、前記一対の測定部は、異なるタイミングで、前記記録媒体の表面及び裏面のそれぞれにおける前記厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0008】
請求項3の発明は、記録媒体と画像との間に該記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加して画像を該記録媒体へ転写する転写部と、前記転写部が前記電圧を印加する前に、前記記録媒体の内部における前記厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する測定部と、を備える。
【0009】
請求項4の発明は、前記測定部は、前記記録媒体における前記画像が転写される転写領域以外の領域において、通し部材を厚み方向へ前記内部に差し通して前記電気抵抗値を測定する。
【0010】
請求項5の発明は、前記転写部へ向けて前記記録媒体を供給する供給部と、前記供給部又は搬送経路上へ前記記録媒体が配置された配置状態を検知し、且つ、その検知状態を継続する検知部と、を備え、前記測定部は、前記検知部が前記配置状態を検知すると、前記電気抵抗値を測定し、その測定を終了した後、前記検知部の検知状態が継続している間は、前記電気抵抗値の測定を行わない。
【0011】
請求項6の発明は、前記測定部は、前記検知部が前記配置状態を検知すると、前記電気抵抗値を測定し、その測定を終了した後は、前記検知部の検知状態が途切れてから前記配置状態を検知すると前記電気抵抗値を再度測定する。
【0012】
請求項7の発明は、前記測定部は、供給部に複数配置された各記録媒体の前記電気抵抗値を測定する。
【0013】
請求項8の発明は、前記記録媒体は、予め搬送経路に配置された状態から搬送される記録媒体である。
【0014】
請求項9の発明は、前記測定部は、前記転写部へ向けて前記記録媒体を供給する供給部と、前記転写部と、の間の搬送経路上に配置されている。
【0015】
請求項10の発明は、前記測定部は、前記供給部と前記転写部との間であって且つ前記供給部に最も近い位置に配置され前記記録媒体が巻き掛けられる巻掛部材と、前記供給部と、の間の搬送経路上に配置されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1の構成によれば、転写部が記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加した際に、記録媒体の表面及び裏面において記録媒体の厚み方向と交差する方向へ電流が流れて転写不良を生じ得る電気抵抗値である否かを、電圧の印加前に把握できる。
【0017】
本発明の請求項2の構成によれば、一対の測定部が同じタイミングで電気抵抗値を測定する構成に比べ、一方の測定部の電気抵抗値の測定動作が、他方の測定部の電気抵抗値の測定動作の妨げになることを抑制できる。
【0018】
本発明の請求項3の構成によれば、転写部が記録媒体の厚み方向に沿って電圧を印加した際に、記録媒体の内部において記録媒体の厚み方向と交差する方向へ電流が流れて転写不良を生じ得る電気抵抗値である否かを、電圧の印加前に把握できる。
【0019】
本発明の請求項4の構成によれば、記録媒体の転写領域に対して通し部材を差し通す構成に比べ、差し通しの跡による画像への影響を低減できる。
【0020】
本発明の請求項5の構成によれば、電気抵抗値の測定を終了した後に検知部の検知状態が継続している間も電気抵抗値の測定を行う構成に比べ、測定部が電気抵抗値の測定を行う回数を低減できる。
【0021】
本発明の請求項6の構成によれば、検知部の検知状態が途切れた際に、異なる電気抵抗値の記録媒体に交換された場合でも、記録媒体の電気抵抗値を把握できる。
【0022】
本発明の請求項7の構成によれば、電気抵抗値が異なる複数の記録媒体が供給部に配置された場合でも、各記録媒体の電気抵抗値を把握できる。
【0023】
本発明の請求項8の構成によれば、搬送前において搬送経路上で電気抵抗値を測定できる。
【0024】
本発明の請求項9の構成によれば、供給部と転写部との間の搬送経路上に記録媒体を配置する際に、記録媒体の電気抵抗値を測定できる。
【0025】
本発明の請求項10の構成によれば、供給部と巻掛部材との間の搬送経路上に記録媒体を配置する際に、記録媒体の電気抵抗値を測定できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向を示し、矢印Wは水平方向であって装置幅方向を示す。
【0028】
≪第一実施形態≫
<画像形成装置10>
まず、画像形成装置10の構成について説明する。
図1には、画像形成装置10を正面側から見た構成が示されている。
【0029】
画像形成装置10は、予め搬送経路に配置された連帳紙Pを予め定められた搬送方向(以下、紙搬送方向という)へ搬送し、当該連帳紙Pに画像を形成する装置である。すなわち、画像形成装置10の画像形成対象である連帳紙Pは、予め搬送経路に配置された状態から搬送される記録媒体の一例である。この連帳紙Pは、紙搬送方向に沿って長さを有している。
【0030】
また、連帳紙Pは、例えば、表面が、画像が形成される画像面とされ、裏面が、画像が形成されない非画像面とされている。連帳紙Pとしては、例えば、普通紙、樹脂フィルム、金属箔(例えばアルミ箔など)、及び、樹脂フィルムと金属箔とが積層された記録媒体などが用いられる。樹脂フィルムと金属箔とが積層された記録媒体としては、画像面及び非画像面の一方の面に金属箔を有し、他方の面に樹脂フィルムを有する記録媒体がある。この記録媒体では、例えば、金属箔を有する一方の面で、樹脂フィルムを有する他方の面よりも電気抵抗値が低くなる。
【0031】
画像形成装置10は、具体的には、
図1に示されるように、搬送部50と、画像形成部12と、定着装置60と、制御部70と、一対の測定部100、110と、表示部150と、検知部160と、を有している。
【0032】
(搬送部50)
搬送部50は、予め搬送経路に配置された連帳紙Pを搬送する機能を有する部分である。具体的には、搬送部50は、
図1に示されるように、巻出ロール51(供給部の一例)と、巻取ロール53と、駆動部55と、巻掛ロール52、54、56(巻掛部材の一例)と、を有している。
【0033】
巻出ロール51は、連帳紙Pを巻き出すロールであり、後述の転写部35(二次転写位置NT)へ向けて連帳紙Pを供給する供給部の一例として機能する。この巻出ロール51には、連帳紙Pの後端側部分(紙搬送方向の上流側部分)が巻き掛けられている。巻取ロール53は、連帳紙Pを巻き取るロールであり、後述の転写部35(二次転写位置NT)から搬送される連帳紙Pを回収する回収部として機能する。この巻取ロール53には、連帳紙Pの先端側部分(紙搬送方向の下流側部分)が巻き掛けられている。
【0034】
駆動部55は、巻取ロール53が連帳紙Pを巻き取る方向(
図1における反時計周り方向)に巻取ロール53を回転駆動する。そして、駆動部55の回転駆動によって巻取ロール53が連帳紙Pを巻き取ることで、連帳紙Pが引っ張られて、巻出ロール51が連帳紙Pを巻き出す。このように、駆動部55の回転駆動によって、巻取ロール53が連帳紙Pを巻き取ると共に、巻出ロール51が連帳紙Pを巻き出すことで、連帳紙Pが紙搬送方向に搬送される。
【0035】
巻掛ロール52、54、56は、巻出ロール51と後述の転写部35(二次転写位置NT)との間の搬送経路上であって、且つ、巻掛ロール52、54、56の順で紙搬送方向に沿って配置されている。したがって、巻掛ロール52は、巻掛ロール52、54、56うち、巻出ロール51に最も近い位置に配置されている。また、巻掛ロール54は、巻掛ロール52、56の上側に配置されている。巻掛ロール52、56は、外周面が連帳紙Pの画像面に接触するように、連帳紙Pが巻き掛けられている。巻掛ロール54は、外周面が連帳紙Pの非画像面に接触するように、連帳紙Pが巻き掛けられている。
【0036】
(画像形成部12)
画像形成部12は、電子写真方式により連帳紙Pに画像を形成する機能を有する部分である。具体的には、画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像を連帳紙Pに転写する転写装置30と、を有している。
【0037】
トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。この実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計4色のトナー画像形成部20が設けられている。
図1に示す(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色に対応する構成部分を示している。
【0038】
〔トナー画像形成部20〕
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。具体的には、各色のトナー画像形成部20は、
図2に示されるように、
図2における時計周り方向に回転する感光体ドラム21(感光体)と、感光体ドラム21を帯電させる帯電器22と、帯電器22によって帯電された感光体ドラム21を露光して感光体ドラム21に静電潜像を形成する露光装置23と、を有している。さらに、各色のトナー画像形成部20は、露光装置23によって感光体ドラム21に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置24と、後述の転写ベルト31へのトナー画像の転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを除去する除去体としてのブレード25と、を有している。
【0039】
帯電器22は、例えば、感光体ドラム21の表面(感光層)を負極性に帯電させる。負極性に帯電した感光体ドラム21の表面は、露光装置23によって露光光Lが照射された部分が正極性を呈し、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。そして、現像装置24内で負極性に摩擦帯電されたトナーが、正極性を呈する静電潜像に付着して静電潜像が現像される。このように、感光体ドラム21の表面(外周面)にトナー画像が形成される。ブレード25は、感光体ドラム21の表面に接触して、感光体ドラム21の表面に残留したトナーを掻き取る。
【0040】
〔転写装置30〕
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を、転写ベルト31(中間転写体)に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像を二次転写位置NT(ニップ部)で連帳紙Pに二次転写する。具体的には、転写装置30は、
図1に示されるように、転写ベルト31と、一次転写ロール33と、二次転写ロール34と、を備えている。
【0041】
[転写ベルト31]
転写ベルト31は、
図1に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、
図1に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に回転させる駆動ロールとして機能する。転写ベルト31は、矢印A方向に回転することで、一次転写された画像を二次転写位置NTへ搬送する。
【0042】
また、複数のロール32のうち、
図1に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、
図1に示すロール32Bは、二次転写ロール34の対向ロール32Bとして機能する。対向ロール32Bには、前述の通り逆鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
【0043】
[一次転写ロール33]
一次転写ロール33は、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写させるロールであり、
図1に示されるように、転写ベルト31の内側に配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。また、一次転写ロール33と感光体ドラム21との間には、給電部37(
図2参照)によって、一次転写電圧が印加される。これにより、感光体ドラム21に形成されたトナー画像が、感光体ドラム21と一次転写ロール33との間の一次転写位置Tで転写ベルト31に転写される。
【0044】
[二次転写ロール34]
二次転写ロール34は、転写ベルト31に重畳されたトナー画像を連帳紙Pに転写するロールである。二次転写ロール34は、
図1に示されるように、対向ロール32Bとの間に転写ベルト31を挟むように配置されており、二次転写ロール34と転写ベルト31とは予め定められた荷重にて接触している。このように接触している二次転写ロール34と転写ベルト31の間が二次転写位置NT(ニップ部)とされる。この二次転写位置NTには、巻出ロール51から連帳紙Pが供給されるようになっている。二次転写ロール34は、
図1における時計周り方向へ回転駆動される。
【0045】
また、二次転写ロール34と対向ロール32Bとの間には、印加部39によって、二次転写電圧が印加される。これにより、転写ベルト31に転写されたトナー画像と、二次転写位置NTに搬送された連帳紙Pとの間に電位差が生じる。すなわち、二次転写位置NTにおいて、連帳紙Pとトナー画像との間に連帳紙Pの厚み方向に沿って電圧が印加される。これにより、転写ベルト31のトナー画像に対して静電力が作用し、二次転写位置NTを通過する連帳紙Pに、転写ベルト31からトナー画像が転写される。このように、本実施形態では、二次転写ロール34及び対向ロール32Bによって、連帳紙Pとトナー画像との間に連帳紙Pの厚み方向に沿って電圧を印加してトナー画像を連帳紙Pへ転写する転写部35が構成されている。
【0046】
(定着装置60)
定着装置60は、
図1に示されるように、二次転写位置NTに対する紙搬送方向下流側に配置されている。定着装置60は、具体的には、加熱ロール62と、加圧ロール64と、を有している。定着装置60では、連帳紙Pに転写されたトナー画像を、加熱ロール62及び加圧ロール64により、加熱及び加圧して連帳紙Pに定着する。
【0047】
(一対の測定部100、110)
一対の測定部100、110は、
図1に示されるように、巻出ロール51と転写部35(二次転写位置NT)との間の搬送経路上において、巻出ロール51と巻掛ロール52(巻掛部材の一例)との間に配置されている。
【0048】
測定部100は、転写部35が電圧を印加する前に連帳紙Pの画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する測定部である。具体的には、測定部100は、
図3に示されるように、一対の端子102と、対向ロール104と、を有している。一対の端子102は、連帳紙Pの搬送経路の上側に連帳紙Pの幅方向に沿って配置されている。この一対の端子102は、連帳紙Pの画像面に対して接触及び離間する構成とされている。
【0049】
対向ロール104は、連帳紙Pの搬送経路の下側であって、一対の端子102の下方に配置されている。すなわち、対向ロール104は、連帳紙Pを間において一対の端子102と対向して配置されている。対向ロール104は、連帳紙Pの非画像面に接触しており、搬送される連帳紙Pに従動して回転する。そして、対向ロール104は、一対の端子102が連帳紙Pに接触する状態において、連帳紙Pを一対の端子102とで挟む。
【0050】
一対の端子102が連帳紙Pに接触した際の連帳紙Pに対する押し当て圧力は、例えば、0.049MPa(0.5kgf/cm
2)以上、0.294MPa(3.0kgf/cm
2)以下とされる。当該押し当て圧力が、0.049MPa未満であると連帳紙Pの凹凸に追従できずに、端子102が連帳紙Pから浮くおそれがある。当該押し当て圧力が、0.294MPaを超えると、連帳紙Pが変形するおそれがある。
【0051】
測定部100では、例えば、一対の端子102が連帳紙Pの画像面に接触した状態で一対の端子102の間に予め定められた値の電圧を印加し、このとき、一対の端子102の間で流れる電流値を検知する。そして、測定部100では、印加した電圧値と検知した電流値とから連帳紙Pの画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0052】
測定部110は、連帳紙Pの非画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する測定部である。測定部110も、測定部100と同様に、一対の端子102と、対向ロール104と、を有している。測定部110は、上下が反転した点を除いて、測定部100と同様に構成されている。
【0053】
測定部110においても、例えば、一対の端子102が連帳紙Pの非画像面に接触した状態で一対の端子102の間に予め定められた値の電圧を印加し、このとき、一対の端子102の間で流れる電流値を検知する。そして、測定部110では、印加した電圧値と検知した電流値とから連帳紙Pの非画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0054】
また、本実施形態では、測定部100と測定部110とは、異なるタイミングで連帳紙Pの画像及び非画像面のそれぞれの電気抵抗値を測定する構成とされている。例えば、測定部110の一対の端子102が連帳紙Pから離間した状態において、測定部100の一対の端子102を連帳紙Pの画像面に接触させて画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。その後、測定部100の一対の端子102が連帳紙Pから離間した状態において、測定部110の一対の端子102を連帳紙Pの非画像面に接触させて非画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0055】
(表示部150)
図1に示す表示部150は、画像形成装置10の使用者に対して報知する事項を表示する機能を有している。表示部150は、例えば、使用者に対する警告や、画像形成装置10の動作状態などを表示する。
【0056】
(検知部160)
検知部160は、搬送経路上へ連帳紙Pが配置された配置状態を検知し、且つその検知状態を継続する機能を有している。検知部160は、
図1に示されるように、例えば、巻出ロール51と巻掛ロール52との間に配置されている。検知部160は、光センサや、連帳紙Pとの接触によりオン状態となるスイッチなどが用いられる。
【0057】
検知部160として、例えば、光センサを用いた場合では、搬送経路上に光を照射し、搬送経路上へ配置された連帳紙Pで光が遮断されることで、搬送経路上へ連帳紙Pが配置された配置状態を検知する。また、光センサから継続的に光を照射することで、連帳紙Pの配置状態を検知する検知状態を継続する。
【0058】
(制御部70)
制御部70は、画像形成装置10の各部の動作を制御する機能を有する部分である。制御部70には、一対の測定部100、110が接続されている。これにより、一対の測定部100、110の測定結果が、一対の測定部100、110から制御部70へ送られる。また、制御部70には、検知部160が接続されている。これにより、検知部160の検知結果が、検知部160から制御部70へ送られる。
【0059】
制御部70には、印加部39及び表示部150を含む画像形成装置10の各部が接続されている。制御部70は、検知部160の検知結果及び一対の測定部100、110の測定結果に基づき、印加部39及び表示部150を含む画像形成装置10の各部の動作を制御する。制御部70によって制御される各部の動作は、後述の作用にて説明する。
【0060】
<作用>
本実施形態では、まず、例えば、画像形成装置10の使用者の手作業により、連帳紙Pが画像形成装置10の搬送経路に予め配置される。連帳紙Pは、例えば、巻出ロール51より巻き出されて、巻出ロール51から搬送経路に沿って巻取ロール53まで配置される。
【0061】
次に、画像形成装置10の電源が入れられると、検知部160が搬送経路上へ連帳紙Pが配置された配置状態を検知する。検知部160が当該配置状態を検知すると、画像形成動作を実行する前に、一対の測定部100、110が、連帳紙Pの画像面及び非画像面のそれぞれにおける厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。すなわち、転写部35が連帳紙Pとトナー画像との間に電圧を印加する前に、連帳紙Pの画像面及び非画像面における電気抵抗値の測定が行われる。このとき、測定部100と測定部110とは、異なるタイミングで連帳紙Pの画像面及び非画像面のそれぞれの電気抵抗値を測定する。
【0062】
連帳紙Pの画像面及び非画像面において測定された電気抵抗値の少なくとも一方が、予め定められた基準抵抗値以下である場合には、制御部70によって以下のように、各部の動作が制御される。すなわち、表示部150が、例えば、品質保証外の連帳紙Pがセットされている旨の警告を表示する。なお、警告表示としては、画像不良が生じるおそれがある旨、連帳紙Pの交換を促す旨などの表示であってもよい。
【0063】
前述の警告表示に替えて又は加えて、転写装置30における転写動作(印加部93の印加動作)又は、搬送部50、画像形成部12及び定着装置60を含めた画像形成装置10全体の動作が実行できないようにしてもよい。また、前述の警告表示及び動作停止に替えて、印加部93の印加電圧値を低下させる構成であってもよい。
【0064】
連帳紙Pの画像面及び非画像面において測定された電気抵抗値が、予め定められた基準抵抗値を超える場合には、画像形成装置10の立ち上げ動作が行われ、画像の形成が実行可能な状態となる。そして、測定部100、110の測定を終了した後は、検知部160の検知状態が継続している間は、電気抵抗値が測定された連帳紙Pが継続して使用されているものとして、測定部100、110による電気抵抗値の測定を行わない。
【0065】
また、測定部100、110の測定を終了した後において、検知部160の検知状態が途切れてから、検知部160が搬送経路上へ連帳紙Pが配置された配置状態を検知すると、測定部100、110による電気抵抗値の測定が再度行われる。検知部160の検知状態が途切れる場合とは、連帳紙Pが交換された場合や、画像形成装置10の電源が落とされた場合や、例えば画像形成装置200が長時間使用されないことで移行する待機状態(スリープモード)となった場合などがある。
【0066】
以上のように、本実施形態では、画像形成動作を実行する前に(転写部35が電圧を印加する前に)、一対の測定部100、110が、連帳紙Pの画像面及び非画像面のそれぞれにおける厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0067】
このため、転写部35が連帳紙Pの厚み方向に沿って電圧を印加した際に、連帳紙Pの画像面及び非画像面において連帳紙Pの厚み方向と交差する方向へ電流が流れて転写不良を生じ得る電気抵抗値である否かが、電圧の印加前に把握される。
【0068】
また、本実施形態では、連帳紙Pの画像面及び非画像面において測定された電気抵抗値が、予め定められた基準抵抗値以下である場合には、警告表示や画像形成装置10の動作の制限を行うので、連帳紙Pの画像面及び非画像面において連帳紙Pの厚み方向と交差する方向へ電流が流れることが抑制される。これにより、転写ベルト31から連帳紙Pへ転写されるトナー画像のトナーが飛び散ることなどによる転写不良が抑制される。
【0069】
また、本実施形態では、測定部100と測定部110とは、異なるタイミングで連帳紙Pの画像面及び非画像面のそれぞれの電気抵抗値を測定する。このため、測定部100と測定部110とが同じタイミングで電気抵抗値を測定する構成に比べ、測定部100、110における一方の測定部の電気抵抗値の測定動作が、他方の測定部の電気抵抗値の測定動作の妨げになることが抑制される。具体的には、測定部100と測定部110とが同じタイミングで電気抵抗値を測定する構成に比べ、一対の端子102間で流れる電流が、測定部100と測定部110とで混在することが抑制され、測定誤差が抑制される。
【0070】
また、本実施形態では、測定部100、110の測定を終了した後に、検知部160の検知状態が継続している間は、電気抵抗値が測定された連帳紙Pが継続して使用されているものとして、測定部100、110による電気抵抗値の測定を行わない。このため、電気抵抗値の測定を終了した後に検知部160の検知状態が継続している間も電気抵抗値の測定を行う構成に比べ、測定部100、110が電気抵抗値の測定を行う回数が低減される。
【0071】
また、測定部100、110の測定を終了した後において、検知部160の検知状態が途切れてから、検知部160が搬送経路上へ連帳紙Pが配置された配置状態を検知すると、測定部100、110による電気抵抗値の測定が再度行われる。このため、例えば、画像形成装置10の電源が落とされて、検知部160の検知状態が途切れた際に、異なる電気抵抗値の連帳紙Pに交換された場合でも、連帳紙Pの電気抵抗値が把握される。
【0072】
また、本実施形態では、予め搬送経路に配置される連帳紙Pを用いているので、搬送前において搬送経路上で電気抵抗値の測定が行える。このため、予め搬送経路に配置されない記録媒体を用いる構成に比べ、測定部100、110の配置の自由度が高い。したがって、測定部100、110は、例えば、転写部35に対する紙搬送方向下流側に配置してもよく、連帳紙Pが配置される搬送経路上のいずれの位置に配置してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、一対の測定部100、110は、巻出ロール51と転写部35(二次転写位置NT)との間の搬送経路上において、巻出ロール51と巻掛ロール52との間に配置されている。したがって、例えば、巻出ロール51から巻き出した連帳紙Pを巻取ロール53まで配置する前において、巻出ロール51と巻掛ロール52との間の搬送経路上に配置する際に、連帳紙Pの電気抵抗値を測定してもよい。巻出ロール51から巻き出した連帳紙Pを巻取ロール53まで配置する前において、連帳紙Pの電気抵抗値を測定する場合では、測定結果に基づいて連帳紙Pを交換する際に、連帳紙Pが巻取ロール53まで配置された後に交換する場合に比べ、連帳紙Pの交換作業が容易になる。
【0074】
(測定部100、110の第一変形例)
連帳紙Pとしては、
図4に示されるように、画像面及び非画像面のそれぞれに樹脂フィルムPAを有し、その樹脂フィルムPAの間に金属箔PBを有する多層構造(3層構造)の記録媒体を用いてもよい。この場合では、測定部100、110に替えて、転写部35が電圧を印加する前に連帳紙Pの内部における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する測定部190が用いられる。
【0075】
測定部190は、
図5に示されるように、連帳紙Pの内部に連帳紙Pの厚み方向に差し通す一対のピン192(通し部材の一例)を有している。一対のピン192は、連帳紙Pの搬送経路の上側に連帳紙Pの幅方向に沿って配置されている。この一対のピン192は、連帳紙Pの画像面から連帳紙Pの内部に連帳紙Pの厚み方向に差し通す差通位置と、連帳紙Pから離間する離間位置と、に移動可能に構成されている。一対のピン192は、具体的には、差通位置において、連帳紙Pにおける画像が転写される転写領域以外の領域に差し通される。一対のピン192は、例えば、
図5に示されるように、転写領域以外の領域として、連帳紙Pの幅方向両端部に差し通される。なお、転写領域以外の領域としては、連帳紙Pの先端部(紙搬送方向下流端部)や後端部(紙搬送方向上流端部)であってもよい。また、一対のピン192は、紙搬送方向に沿って配置されていてもよい。
【0076】
測定部190では、例えば、一対のピン192が連帳紙Pに差し通された状態で、一対のピン192の間に予め定められた値の電圧を印加し、このとき、一対のピン192の間で流れる電流値を検知する。そして、測定部190では、印加した電圧値と検知した電流値とから連帳紙Pの内部における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0077】
このように、本第一変形例では、転写部35が連帳紙Pとトナー画像との間に電圧を印加する前に、測定部190が、連帳紙Pの内部における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0078】
このため、転写部35が連帳紙Pの厚み方向に沿って電圧を印加した際に、連帳紙Pの内部において連帳紙Pの厚み方向と交差する方向へ電流が流れて転写不良を生じ得る電気抵抗値である否かが、電圧の印加前に把握される。
【0079】
また、本第一変形例では、一対のピン192が、連帳紙Pにおける画像が転写される転写領域以外の領域に差し通されるので、連帳紙Pの転写領域に対して一対のピン192を差し通す構成に比べ、差し通しの跡による画像への影響が低減される。
【0080】
(測定部100、110の第二変形例)
第二変形例では、測定部100、110は、
図6に示されるように、一対の端子102に替えて、一対の測定ロール142を有している。測定ロール142は、連帳紙Pの非画像面に常時接触しており、搬送される連帳紙Pに従動して回転する。この構成では、測定ロール142を連帳紙Pから離間させる機構が不要となる。
【0081】
≪第二実施形態≫
<画像形成装置200>
次に、画像形成装置200の構成について説明する。
図7には、画像形成装置200を正面側から見た構成が示されている。以下では、画像形成装置10と同様の機能を有する部分については、適宜、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0082】
画像形成装置200は、後述の配置部251に配置されたカット紙P(記録媒体の一例)を予め定められた搬送方向(以下、紙搬送方向という)へ搬送し、当該カット紙Pに画像を形成する装置である。
【0083】
画像形成装置200は、具体的には、
図7に示されるように、搬送部250と、画像形成部12と、定着装置60と、制御部70と、一対の測定部220、210と、表示部150と、検知部260と、を有している。
【0084】
(搬送部250)
搬送部250は、
図7に示されるように、配置部251(供給部の一例)と、送出ロール253と、搬送ロール254と、重送抑制ロール255と、搬送ロール対256、258と、排出部259と、を有している。
【0085】
配置部251には、カット紙Pが厚み方向に複数積層して配置されている。送出ロール253は、配置部251に複数配置されたカット紙Pのうち、最上のカット紙Pの画像面(上面)に接触して、当該カット紙Pを配置部251から送り出す。搬送ロール254は、送出ロール253が送り出したカット紙Pの画像面に接触して、当該カット紙Pを転写部35(二次転写位置NT)へ向けて搬送する。重送抑制ロール255は、カット紙Pが複数枚重なって配置部251から送り出された場合に、下側のカット紙Pに搬送抵抗を付与し重送を抑制する。
【0086】
搬送ロール対256は、搬送ロール254と転写部35(二次転写位置NT)との間に配置されている。この搬送ロール対256は、搬送ロール254から搬送されたカット紙Pを転写部35(二次転写位置NT)へ搬送する。搬送ロール対258は、転写部35(二次転写位置NT)と定着装置60との間に配置されている。この搬送ロール対258は、カット紙Pを転写部35(二次転写位置NT)から定着装置60へ搬送する。排出部259には、定着装置60で画像が定着されたカット紙Pが排出される。
【0087】
(一対の測定部220、210)
測定部220は、転写部35が電圧を印加する前にカット紙Pの画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する測定部である。具体的には、測定部220は、前述の第二変形例における一対の測定ロール142を有している。一対の測定ロール142は、配置部251に複数配置されたカット紙Pのうち、最上のカット紙Pの上側にカット紙Pの幅方向(
図7における紙面の前後方向)に沿って配置されている。
【0088】
測定部220では、例えば、一対の測定ロール142の間に予め定められた値の電圧を印加し、このとき、一対の測定ロール142の間で流れる電流値を検知する。そして、測定部220では、印加した電圧値と検知した電流値とからカット紙Pの画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0089】
測定部210は、カット紙Pの非画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する測定部である。測定部210は、例えば、搬送ロール254及び重送抑制ロール255に対する紙搬送方向下流側に配置されている。測定部210は、前述の第二変形例における測定部110と同様に、対向ロール104と、一対の測定ロール142と、を有している。
【0090】
測定部210においても、例えば、一対の測定ロール142の間に予め定められた値の電圧を印加し、このとき、一対の測定ロール142の間で流れる電流値を検知する。そして、測定部210では、印加した電圧値と検知した電流値とからカット紙Pの非画像面における厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。なお、測定部210による測定は、例えば、カット紙Pの先端部が対向ロール104と一対の測定ロール142との間に挟まれる位置まで、カット紙Pを配置部251から送り出し、該カット紙Pを該位置で停止させて行われる。
【0091】
(検知部260)
検知部260は、配置部251へカット紙Pが配置された配置状態を検知し、且つその検知状態を継続する機能を有している。検知部260は、
図1に示されるように、例えば、配置部251の上方に配置されている。検知部260は、光センサや、カット紙Pとの接触によりオン状態となるスイッチなどが用いられる。
【0092】
検知部260として、例えば、光センサを用いた場合では、配置部251に光を照射し、配置部251へ配置されたカット紙Pで光が遮断されることで、配置部251へカット紙Pが配置された配置状態を検知する。また、光センサから継続的に光を照射することで、カット紙Pの配置状態を検知する検知状態を継続する。
【0093】
(制御部70)
制御部70には、一対の測定部220、210が接続されている。これにより、一対の測定部220、210の測定結果が、一対の測定部220、210から制御部70へ送られる。また、制御部70には、検知部260が接続されている。これにより、検知部260の検知結果が、検知部260から制御部70へ送られる。
【0094】
制御部70は、検知部260の検知結果及び一対の測定部220、210の測定結果に基づき、印加部39及び表示部150を含む画像形成装置200の各部の動作を制御する。制御部70によって制御される各部の動作は、後述の作用にて説明する。
【0095】
<作用>
本実施形態では、画像形成装置200の電源が入れられると、検知部260が配置部251へカット紙Pが配置された配置状態を検知する。検知部260が当該配置状態を検知すると、画像形成動作を実行する前に、一対の測定部220、210が、カット紙Pの画像面及び非画像面のそれぞれにおける厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。すなわち、転写部35がカット紙Pとトナー画像との間に電圧を印加する前に、カット紙Pの画像面及び非画像面における電気抵抗値の測定が行われる。
【0096】
測定部210によるカット紙Pの非画像面の測定は、例えば、カット紙Pの先端部が対向ロール104と一対の測定ロール142との間に挟まれる位置まで、カット紙Pを配置部251から送り出し、該カット紙Pを該位置で停止させて行われる。
【0097】
カット紙Pの画像面及び非画像面において測定された電気抵抗値の少なくとも一方が、予め定められた基準抵抗値以下である場合には、制御部70によって以下のように、各部の動作が制御される。すなわち、表示部150が、例えば、品質保証外のカット紙Pがセットされている旨の警告を表示する。なお、警告表示としては、画像不良が生じるおそれがある旨、カット紙Pの交換を促す旨などの表示であってもよい。
【0098】
前述の警告表示に替えて又は加えて、転写装置30における転写動作(印加部93の印加動作)又は、搬送部250、画像形成部12及び定着装置60を含めた画像形成装置200全体の動作が実行できないようにしてもよい。また、前述の警告表示及び動作停止に替えて、印加部93の印加電圧値を低下させる構成であってもよい。
【0099】
カット紙Pの画像面及び非画像面において測定された電気抵抗値が、予め定められた基準抵抗値を超える場合には、画像形成装置200の立ち上げ動作が行われ、画像の形成が実行可能な状態となる。そして、測定部220、210の測定を終了した後は、検知部260の検知状態が継続している間は、同種類のカット紙Pが使用されているものとして、測定部220、210による電気抵抗値の測定を行わない。
【0100】
また、測定部220、210の測定を終了した後において、検知部260の検知状態が途切れてから、検知部260が搬送経路上へカット紙Pが配置された配置状態を検知すると、測定部220、210による電気抵抗値の測定が再度行われる。検知部260の検知状態が途切れる場合とは、例えば、カット紙Pが交換された場合や、画像形成装置200の電源が落とされた場合や、例えば画像形成装置200が長時間使用されないことで移行する待機状態(スリープモード)となった場合などがある。
【0101】
第二実施形態においても、第一実施形態と同様に作用効果を有する。すなわち、第二実施形態では、画像形成動作を実行する前に(転写部35が電圧を印加する前に)、一対の測定部220、210が、カット紙Pの画像面及び非画像面のそれぞれにおける厚み方向と交差する方向の電気抵抗値を測定する。
【0102】
このため、転写部35がカット紙Pの厚み方向に沿って電圧を印加した際に、カット紙Pの画像面及び非画像面においてカット紙Pの厚み方向と交差する方向へ電流が流れて転写不良を生じ得る電気抵抗値である否かが、電圧の印加前に把握される。
【0103】
また、本実施形態では、カット紙Pの画像面及び非画像面において測定された電気抵抗値が、予め定められた基準抵抗値以下である場合には、警告表示や画像形成装置200の動作の制限を行うので、カット紙Pの画像面及び非画像面においてカット紙Pの厚み方向と交差する方向へ電流が流れることが抑制される。これにより、転写ベルト31からカット紙Pへ転写されるトナー画像のトナーが飛び散ることなどによる転写不良が抑制される。
【0104】
なお、第二実施形態では、配置部251に複数配置されたカット紙Pにおいて、一枚ずつ電気抵抗値を測定してもよい。この構成では、電気抵抗値が異なる複数のカット紙Pが配置部251に配置された場合でも、各カット紙Pの電気抵抗値が把握される。
【0105】
また、第二実施形態においても、一対の端子102と対向ロール104とを有する測定部や、カット紙Pの内部にカット紙Pの厚み方向に差し通す一対のピン192を有する前述の測定部を用いてもよい。
【0106】
(他の変形例)
上記の第一、第二実施形態では、測定部100、110、190、220、210は、二点間に予め定められた値の電圧を印加し、このとき、二点間で流れる電流値から電気抵抗値を測定していたが、これに限られない。例えば、二点間に電流を流し、このときの電圧値から抵抗を測定してもよい。また、測定端子内にコイルを設けて、測定対象に過電流を発生させてその過電流で発生した電界から抵抗値を測定する構成でも良い。すなわち、本実施形態における測定部の測定原理は不問である。
【0107】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。