【解決手段】静電容量検知装置10は、静電容量を検知する検知部と、電源電圧の変動をモニタするモニタ部と、モニタ部によりモニタされた電源電圧の変動が設定値よりも小さいときは検知部の検知結果を演算に使用し、モニタ部によりモニタされた電源電圧の変動が設定値よりも大きいときは検知部の検知結果を演算に使用しないMPU14とを備える。
前記検知部は、複数のセンサ電極の静電容量をそれぞれに応じた電圧に変換するC−V変換回路と、前記C−V変換回路により変換された電圧をデジタル信号に変換するA/Dコンバータとを備えることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知装置。
前記モニタ部は、前記電源電圧の信号レベルを減衰させる減衰器と、前記減衰器により減衰された電源電圧をデジタル信号に変換するA/Dコンバータとを備えることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知装置。
前記モニタ部は、前記電源電圧の信号レベルを減衰させる減衰器と、前記減衰器により減衰された電源電圧を基準電圧と比較する比較器とを備えることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知装置。
前記演算部は、ある回の変換処理中に前記電源電圧が異常であると判断した場合、その回に検知した1〜Nチャンネルの検知結果を廃棄することを特徴とする請求項6に記載の静電容量検知装置。
前記検知ステップにおいて、複数のセンサ電極の静電容量をそれぞれに応じた電圧に変換し、変換後の電圧をデジタル信号に変換することを特徴とする請求項11に記載の静電容量検知装置の誤動作防止方法。
前記モニタステップにおいて、前記電源電圧の信号レベルを減衰させ、減衰後の電源電圧をデジタル信号に変換することを特徴とする請求項11に記載の静電容量検知装置の誤動作防止方法。
前記モニタステップにおいて、前記電源電圧の信号レベルを減衰させ、減衰後の電源電圧を基準電圧と比較することを特徴とする請求項11に記載の静電容量検知装置の誤動作防止方法。
前記演算ステップにおいて、ある回の変換処理中に前記電源電圧が異常であると判断した場合、その回に検知した1〜Nチャンネルの検知結果を廃棄することを特徴とする請求項16に記載の静電容量検知装置の誤動作防止方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
[基本技術]
基本技術に係る静電容量検知装置10は、静電容量の変化を検知することにより人の動作を検知する静電スイッチコントロールIC等であって、
図1に示すように、C−V変換回路11と、A/Dコンバータ12と、フィルタ13と、MPU14とを備える。センサ値(後述する。)をC−V変換回路11で電圧に変換し、その電圧をA/Dコンバータ12でデジタル信号に変換し、そのデジタル信号の突発変動をフィルタ13で除去し、MPU14で処理するようになっている。
【0014】
既に説明した通り、車載用途のように、ノイズの大きい環境下や電源電圧の変動の大きい環境下では、電源電圧の変動等が発生したことによりセンサ値の変動が発生する場合がある。その対策としては、C−V変換回路11の差動化により電源電圧の変動の影響を低減したり、もしくはフィルタ13により突発変動を除去したりすることが挙げられる。しかし、C−V変換回路11の差動化では、電源電圧の変動の影響を除去できない場合がある。また、フィルタ13を実装すると、静電容量の変化を検知する時間(レスポンス時間)を犠牲にしてしまう問題もある。
【0015】
[実施の形態]
以下、実施の形態に係る静電容量検知装置について説明する。なお、以下の説明では、基本技術と同じ処理部については同じ符号を用いる。
【0016】
(概要)
実施の形態に係る静電容量検知装置10は、
図2に示すように、静電容量を検知する検知部(図示せず。)と、電源電圧の変動をモニタするモニタ部(図示せず。)と、モニタ部によりモニタされた電源電圧の変動が設定値よりも小さいときは検知部の検知結果を演算に使用し、モニタ部によりモニタされた電源電圧の変動が設定値よりも大きいときは検知部の検知結果を演算に使用しないMPU14とを備える。
【0017】
具体的には、MPU14は、静電容量の変化に基づいて人の動作を検知する。
【0018】
また、検知部は、複数のセンサ電極の静電容量をそれぞれに応じた電圧に変換するC−V変換回路11と、C−V変換回路11により変換された電圧をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ12とを備えてもよい。
【0019】
また、モニタ部は、電源電圧の信号レベルを減衰させるATT15と、ATT15により減衰された電源電圧をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ16とを備えてもよい。
【0020】
また、モニタ部は、電源電圧の信号レベルを減衰させるATT15と、ATT15により減衰された電源電圧を基準電圧と比較する比較器(図示せず。)とを備えてもよい。
【0021】
また、MPU14は、1〜m回目の1〜Nチャンネルの検知結果に基づいて演算してもよい。
【0022】
また、MPU14は、ある回の変換処理中に電源電圧が異常であると判断した場合、その回に検知した1〜Nチャンネルの検知結果を廃棄してもよい。
【0023】
また、MPU14は、1〜m回目の検知結果を平均化してもよい。
【0024】
また、MPU14は、1〜Nチャンネルの検知結果を平均化してもよい。
【0025】
また、静電容量検知装置は、車載用途のヒューマンインターフェースデバイスであってもよい。
【0026】
(静電容量検知装置)
以下、実施の形態に係る静電容量検知装置10について更に詳しく説明する。
【0027】
実施の形態に係る静電容量検知装置10は、静電容量の変化を検知することにより人の動作を検知する静電スイッチコントロールIC等であって、タッチパネルのような入力装置が備える複数のセンサ電極と接続されている。ユーザがセンサ電極に近接、接触すると、センサ電極の静電容量が変化する。この静電容量が変化を電気信号に変換し、ユーザによる接触の有無を検知するようになっている。
【0028】
具体的には、実施の形態に係る静電容量検知装置10は、
図2に示すように、C−V変換回路11と、A/Dコンバータ12と、フィルタ13と、MPU14と、ATT(Attenuator)15と、A/Dコンバータ16を備える。
【0029】
C−V変換回路11は、複数のセンサ電極の静電容量(センサ値)をそれぞれに応じた電圧に変換する。A/Dコンバータ12は、C−V変換回路11により変換された電圧をデジタル信号に変換する。フィルタ13は、A/Dコンバータ12から出力されるデジタル信号の突発変動を除去する平均化フィルタ等である。本実施の形態では、このフィルタ13は必ずしも必要でない。
【0030】
ATT15は、電源電圧を適切な信号レベルに減衰させる減衰器である。A/Dコンバータ16は、ATT15により減衰された電源電圧をデジタル信号に変換する。
【0031】
MPU14は、フィルタ13から(又は、フィルタ13を経由せずA/Dコンバータ12から直接)出力されるデジタル信号と、A/Dコンバータ16から出力されるデジタル信号とに基づいて静電容量の変化を演算する。ここで、電源電圧の変動が異常である場合は、その電源異常時に検知した静電容量の変化を破棄する。これにより、電源正常時に検知した静電容量の変化のみを使用することができる。
【0032】
(変形例)
次に、実施の形態に係る静電容量検知装置10の変形例について説明する。
【0033】
実施の形態に係る静電容量検知装置10は、
図3に示すように、A/Dコンバータ16に代えて比較器16Aを備えてもよい。比較器16Aは、ATT15により減衰された電源電圧を基準電圧と比較するコンパレータである。MPU14は、フィルタ13から(又は、フィルタ13を経由せずA/Dコンバータ12から直接)出力されるデジタル信号と、比較器16Aの比較結果とに基づいて静電容量の変化を演算する。ここでも、上記と同様、電源電圧の変動が異常である場合は、その電源異常時に検知した静電容量の変化を破棄する。これにより、電源正常時に検知した静電容量の変化のみを使用することができる。
【0034】
(動作例)
図4は、実施の形態に係る静電容量検知装置10の動作例を示すフローチャートである。以下、
図4に従って、電源異常時の誤動作防止方法について説明する。
【0035】
まず、MPU14は、静電容量を検知するとともに、電源電圧の変動をモニタしている(S1,S2)。具体的には、フィルタ13の出力データ(又は、フィルタ13をバイパスしたA/Dコンバータ12の出力データ)を取得するとともに、A/Dコンバータ16の出力データを取得する。
【0036】
次いで、MPU14は、モニタされた電源電圧の変動が設定値よりも小さいかどうか判断する(S3)。この設定値は、静電容量検知装置10の用途などに応じて適宜設定することが可能である。
【0037】
ここで、MPU14は、モニタされた電源電圧の変動が設定値よりも小さいときは、電源変動が正常であると判断し、検知された静電容量を真値として演算に使用する(S3→S4→S1→・・・)。一方、モニタされた電源電圧の変動が設定値よりも大きいときは、電源変動が異常であると判断し、検知された静電容量を偽値として破棄する(S3→S5→S1→・・・)。これにより、電源正常時に検知した静電容量の変化のみを使用することができる。
【0038】
以上のように、実施の形態に係る静電容量検知装置10では、電源変動を常にモニタし、その電源変動のモニタ結果と静電容量の検知結果とを組み合わせるようにしている。これにより、無駄なフィルタ処理が削減されるとともに電源異常時の誤検知が防止されるため、安定的に且つ正確に人の動作を検知することが可能となる。
【0039】
[具体例]
以下、より具体的な構成を例示して説明する。
【0040】
(比較例)
比較例に係る静電容量検知装置20は、
図5に示すように、マルチプレクサ24と、C−V変換回路21と、A/Dコンバータ22と、演算部23とを備える。演算部23には、CPU23Aと、フィルタ23Bが含まれる。
【0041】
センサ電極sen1,sen2,…,senNのセンサ値が入力端子を介して静電容量検知装置20に入力されるようになっている。これにより、各チャンネルのセンサ値をマルチプレクサ24の各スイッチで切り替え、C−V変換回路21で電圧に変換し、その電圧をA/Dコンバータ22でデジタル信号に変換し、そのデジタル信号の突発変動をフィルタ23Bで除去し、CPU23Aで処理する。
【0042】
図6は、
図5に示される静電容量検知装置20のシーケンス図である。
図6に示すように、制御信号ctrl1,ctrl2,…,ctrlNを順にイネーブル状態にすることでマルチプレクサ24の各スイッチを切り替え、センサ電極sen1,sen2,…,senNのセンサ値をC−V変換回路21で電圧に変換し、その電圧をA/Dコンバータ22でデジタル信号に変換し、そのデジタル信号に基づいてCPU23Aで演算する。以降、同様の処理を数回繰り返し、その数回分の1〜Nチャンネルの検知結果に基づいてCPU23Aで演算した結果を出力する。処理の繰り返し回数は特に限定されるものではない。すなわち、ノイズの程度により変換処理の結果を数回使用し、最終的な検知結果を出力するようになっている。
【0043】
(実施例)
実施例に係る静電容量検知装置20は、
図7に示すように、マルチプレクサ24と、C−V変換回路21と、A/Dコンバータ22と、演算部23と、電源検出回路25と、基準電圧源26と、比較器27とを備える。演算部23には、CPU23Aと、フィルタ23Bが含まれる。マルチプレクサ24、C−V変換回路21、A/Dコンバータ22については比較例と同様である。
【0044】
すなわち、センサ電極sen1,sen2,…,senNのセンサ値が入力端子を介して静電容量検知装置20に入力されるようになっている。これにより、各チャンネルのセンサ値をマルチプレクサ24の各スイッチで切り替え、C−V変換回路21で電圧に変換し、その電圧をA/Dコンバータ22でデジタル信号に変換し、そのデジタル信号の突発変動をフィルタ23Bで除去し、CPU23Aで処理する。
【0045】
このとき、本実施例では、電源電圧を電源検出回路25で検出し、基準電圧を基準電圧源26で発生させ、その電源電圧と基準電圧とを比較器27で比較し、その比較結果を演算部23で使用する。具体的には、
図8に示すように、電源電圧を抵抗R1,R2で分圧して電圧V1を得、その電圧V1と基準電圧V
REFとを比較器27で比較し、その比較結果を示す情報を電源レジスタR
pに書き込む。例えば、電圧V1が基準電圧V
REFよりも小さいときはフラグ「0」を書き込むようにし、電圧V1が基準電圧V
REFよりも大きいときはフラグ「1」を書き込むようにしてもよい。これにより、演算部23は、フラグに基づいて、検知結果が電源ノイズの影響を受けているかどうか判断することが可能である。
【0046】
図9は、
図7に示される静電容量検知装置20のシーケンス図である。数回分の1〜Nチャンネルの検知結果に基づいてCPU23Aで演算した結果を出力する点は、比較例(
図6)と同様である。ここで、本実施例では、ある区間TAの変換処理中に電源異常と判断した場合、その区間TAに検知した1〜Nチャンネルの検知結果は電源ノイズの影響を受けているため、CPU処理には使用せず廃棄する。このように異常な検知結果を廃棄することにより、電源ノイズに対して、より安定した出力を期待することが可能となる。また、検知結果を出力するまでの検知回数を少なくすることができる効果もある。
【0047】
(適用例)
実施の形態に係る静電容量検知装置20は、
図10(a)に示すように、カーナビやエアコンパネルなど、車載用途のユーザインターフェースデバイスに適用することができる。このようなユーザインターフェースデバイスは、
図10(b)に示すように、複数のセンサ電極sen1〜Nを備える。ユーザがセンサ電極sen1〜Nに近接、接触すると、センサ電極sen1〜Nの静電容量が変化する。この静電容量の変化を電気信号に変換し、ユーザによる接触の有無を判断するようになっている。
【0048】
近年、自動車に搭載されるあらゆる部品のための安全機能(例えば、フェールセーフ、異常検出、安全停止などの機能)の規格が見直されつつある。特に、車載用の機器の多くは、電気的/電子的に制御されており、高性能化・高機能化だけでなく、安全性の確保も重要なニーズとなっている。実施の形態に係る静電容量検知装置10を車載用途のユーザインターフェースデバイスに適用すると、電源異常時の誤検知が防止されるため、安全性の確保という面で非常に効果的である。
【0049】
(レジスタ)
実施の形態に係る静電容量検知装置30は、
図11に示すように、検知結果レジスタR
1,R
2,R
3,・・・,R
nと、電源レジスタR
pとを備える。検知結果レジスタR
1,R
2,R
3,・・・,R
nは、それぞれ、センサ電極sen1,sen2,…,senNのセンサ値を記憶する。電源レジスタR
pは、A/Dコンバータ36の出力データを記憶する。CPU33Aは、常に電源レジスタR
pを参照し、電源レジスタR
pに記憶されているデータの値が設定値よりも小さいか大きいかを判断する。これにより、電源電圧が正常であるか異常であるかを常に監視することができる。
【0050】
なお、ここでは、A/Dコンバータ36の出力データを電源レジスタR
pに記憶することとしているが、これに限定されるものではない。A/Dコンバータ36に代えて
図7に示すような比較器27を用いる場合は、比較器27の比較結果を示す情報を電源レジスタR
pに記憶すればよい。この場合でも、電源電圧が正常であるか異常であるかを常に監視することができるため、上記と同様の効果が得られる。
【0051】
上記の説明では特に言及しなかったが、
図11に示すように、A/Dコンバータ36の前段にはバッファ35を備えてもよい。また、CPU33Aで処理された結果はホスト40へ通知され、ホスト40において使用されるようになっている。
【0052】
(演算手法)
図12は、
図11に示されるCPU33Aの演算手法の説明図である。
図12に示すように、CPU33Aは、1〜m回目の1〜Nチャンネルの検知結果に基づいて演算してもよい。mは、検知回数を識別するための番号であり、Nは、チャンネルを識別するための番号である。このような場合、
図13(a)に示すように、1〜m回目の検知結果I
1〜I
mを平均化してもよいし、あるいは、
図13(b)に示すように、1〜Nチャンネルの検知結果を平均化してもよい。
【0053】
既に説明した通り、本実施例では、ある区間TAの変換処理中に電源異常と判断した場合、その区間TAに検知した1〜Nチャンネルの検知結果は電源ノイズの影響を受けているため、CPU処理には使用せず廃棄する。このように異常な検知結果を廃棄することにより、電源ノイズに対して、より安定した出力を期待することが可能となる。また、検知結果を出力するまでの検知回数(ここでいう“m回”)を少なくすることができる効果もある。
【0054】
[その他の適用例]
以下、実施の形態に係る静電容量検知装置をドア開閉装置が備える静電スイッチコントロールIC126に適用した場合について説明する。
【0055】
(ドア開閉装置のブロック構成)
図14は、実施の形態に係るドア開閉装置の構成例を示す概略ブロック構成図である。
【0056】
実施の形態に係るドア開閉装置は、開閉機構部100と、その他検知部300と、その他機能部400と、以上の各部を制御する制御部(マイコン)200とを備える。開閉機構部100は、接触検知部120と、非接触検知部140と、施錠部(ロック部)160とを備える。その他検知部300は、SOS信号検知部302と、強制信号検知部304と、テスト信号検知部306と、エンジン始動検知部308と、走行速度検知部310と、その他検知部312とを備える。尚、エンジン始動検知部308および走行速度検知部310は、実施の形態に係るドア開閉装置を車両などの移動手段に適用する際に用いられるオプション機能である。
【0057】
接触検知部120は、例えば、静電容量を検出する静電容量センサなどのスイッチ操作向け検知電極から構成される雨滴検知センサ(検知電極)122および人体検知センサ(検知電極)124と、雨滴検知センサ122(1〜2ch)および人体検知センサ124(2〜6ch)を制御する静電スイッチコントロールIC126とを備える。雨滴検知センサ122は、雨検知センサ(検知電極)128と晴検知センサ(検知電極)130とを備え、人体検知センサ124は、接触部検知センサ(検知電極)132と影部検知センサ(検知電極)134とを備える。接触部検知センサ132は、人間がドアの開閉操作を行う際に接触する接触部分への接触を検知する。影部検知センサ134は、人間がドアの開閉操作を行う際に人間の身体の少なくとも一部(例えば手や指など)によって影となる影部分への接触を検知する。
【0058】
制御部200は、接触部検知センサ132および影部検知センサ134による検知結果に基いて、接触部分への接触が人間の身体の少なくとも一部によるものであることを判定した場合に、ドアの開錠を行うように施錠部160に指示する。
【0059】
非接触検知部140は、例えば、カードキーやスマートフォンなどから構成される電子キー500との信号の送受信を行う信号送受信部(信号送受信装置)142と、信号送受信部142が送受信する信号に基いてキーやキーの操作を認識するキー認識部144とを備える。
【0060】
施錠部160は、ドアなどの施錠/開錠する施錠部(施錠装置)162と、接触検知部120、非接触検知部140、その他検知部300などが検知した検知信号(データ)に基いて、施錠部162に対して施錠(ロック)/開錠(ロック解除)を制御する施錠制御部164とを備える。
【0061】
その他機能部400には、例えば、エアコン機能、カーナビ機能、オーディオ/ビデオ機能、照明機能などの各種機能が含まれ、接触検知部120、非接触検知部140、その他検知部300などが検知した検知信号(データ)に基いて、各種機能を制御することができる。
【0062】
(ドア開閉装置を備えたドアノブ例)
実施の形態に係るドア開閉装置において、雨滴や洗車などの水が触れる部分と、人(手などの人体)が触れる部分のそれぞれに、何が触れているのかを判別するための検知機構として、静電容量センサなどのスイッチ操作向け検知電極から構成される接触検知部120を導入する。
【0063】
(接触検知部のブロック構成)
図15は、実施の形態に係る接触検知部120の応用回路構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0064】
接触検知部120の応用回路構成は、
図15に例示するように、静電スイッチコントロールIC126と、静電スイッチコントロールIC126に接続された雨検知センサ128、晴検知センサ130、接触部検知センサ132、および影部検知センサ134とを備え、静電スイッチコントロールIC126は、後述する電子キーシステムの電子機器などのホスト装置129に接続される。
【0065】
静電スイッチコントロールIC126は、雨検知センサ128、晴検知センサ130、接触部検知センサ132、および影部検知センサ134などのスイッチ操作向け静電容量センサのコントローラである。
【0066】
静電スイッチコントロールIC126は、静電容量を検出するAFE(Analog Front End)、検出容量をディジタル検出値に変換するA/Dコンバータ、検出値を処理するMPU(Micro Processing Unit)、PWM(Pulse Width Modulation)対応LED(Light Emitting Diode)コントローラ、I2C(Inter-Integrated Circuit)バスプロトコルに対応した2線シリアルバスホストインターフェース、パワーオンリセット、クロック発振回路、内部用LDO(Low Drop-Out regulator)などを内蔵可能である。
【0067】
静電スイッチコントロールIC126では、
図15に例示するように、1つの静電容量センサを1つの独立スイッチ(すなわち、独立した検知センサ(雨検知センサ128、晴検知センサ130、接触部検知センサ132、および/または影部検知センサ134))として用いることができる。各独立した検知センサでは、ON、OFF、長押しなどを認識することができる。
【0068】
また、
図16に例示するように、静電スイッチコントロールIC126では、複数のセンサ(雨検知センサ128、晴検知センサ130、接触部検知センサ132、および/または影部検知センサ134)をマトリクス状に配置し、そのマトリクス配置の交点(クロスポイント)を1つのキースイッチとして扱うこともできる。各クロスポイントでは、ON、OFF、長押しなどを認識することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態によれば、安定的に且つ正確に人の動作を検知することが可能な静電容量検知装置及びその誤動作防止方法を提供することができる。
【0070】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0071】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。