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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-220282(P2017-220282A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】スイッチ及びキーボード
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20171117BHJP
   H01H 13/7065 20060101ALI20171117BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20171117BHJP
【FI】
   H01H13/14 A
   H01H13/7065
   G06F3/02 310A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-111338(P2016-111338)
(22)【出願日】2016年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】井澤 一平
(72)【発明者】
【氏名】藤野 博章
(72)【発明者】
【氏名】仲 真美子
(72)【発明者】
【氏名】長田 健志
【テーマコード(参考)】
5B020
5G206
【Fターム(参考)】
5B020DD02
5G206AS09H
5G206AS09N
5G206FS23Z
5G206GS05
5G206HS16
5G206HS17
5G206HU12
5G206HW06
5G206HW45
5G206HW53
5G206HW63
5G206KS24
5G206KS38
5G206KS40
(57)【要約】
【課題】操作部における上方向への外力に対する耐性を向上し、より信頼性の高いスイッチ及びキーボードを提供するという効果を奏する。
【解決手段】スイッチ1は、ベース10と、ベース10の上方に配置され、かつ外力に応じて上下方向に移動する操作部50と、操作部50の上下方向移動を案内し、かつベース10と操作部50とに支持されるリンク部材20とを備える。ベース10に設けられた爪部16と、操作部50に設けられた爪係止部53・54とが互いに係止されることにより、操作部50が許容移動範囲の上端を超えて移動することが抑止される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースの上方に配置され、かつ外力に応じて上下方向に移動する操作部と、
前記操作部の前記上下方向移動を案内し、かつ前記ベースと前記操作部とに支持されるリンク部材とを備え、
前記ベースに設けられたベース側係止部と、前記操作部に設けられた操作部側係止部とが互いに係止されることにより、前記操作部が許容移動範囲の上端を超えて移動することが抑止されることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記ベース側係止部と前記操作部側係止部との少なくとも一方が、弾性を有する部材によって構成されており、前記ベース側係止部と前記操作部側係止部とがスナップフィット構造によって互いに係止されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記操作部が前記許容移動範囲の上端に配置されている状態において、
前記リンク部材の一部が、前記ベース側係止部と前記操作部側係止部との少なくとも一方の弾性変形を抑制する位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記リンク部材が、第1リンク部材と第2リンク部材からなっており、
前記第1リンク部材と第2リンク部材とを互いに回動自在に軸支して連結する連結部を備えていると共に、
前記第1リンク部材及び第2リンク部材が、前記ベース又は操作部のいずれか一方に支持される連結部側被支持部と、前記ベース又は操作部のいずれか他方に支持される端部側被支持部とをそれぞれ備え、
前記端部側被支持部が、前記ベース側係止部と操作部側係止部との少なくとも一方の弾性変形を抑制する位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチを複数備えていることを特徴とするキーボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部の隅部分を押圧しても該操作部を円滑に平行に上下移動させる一対のリンク部材を備えたスイッチ及びキーボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、低背化を達成しながら操作部の隅の部分が押された場合でも操作部が円滑に平行に上下動する機構として、例えば、リンク部材を用いた特許文献1に開示されたキースイッチ装置が知られている。
【0003】
前記特許文献1に開示されたキースイッチ装置100は、図7に示すように、基部101と、基部101の上方に配置されるキートップ105と、互いに連動してキートップ105を基部101に対し昇降方向(すなわち実質的鉛直方向)へ案内支持する一対のリンク部材102と、キートップ105の昇降動作に対応して開閉する電気回路の接点部を有するスイッチ部材103と、キートップ105に上昇方向への弾性付勢力(すなわち初期位置復帰力)を加える付勢部材104とを備えている。このキースイッチ装置100では、キートップ105は、一対のリンク部材102が互いに連動することにより、基部101に対して鉛直方向へ、所定の姿勢を保持しつつ昇降動作できるようになっている。
【0004】
このように、キースイッチ装置100は、キートップ105を平行に押圧するために、一対のリンク部材102を有する構造になっている。そして、図7の変形例である図8に示すように、このリンク部材102はキートップ105に取り付けられたリンク支持部材110(図7の106に相当)に固定されている。リンク支持部材110には、一つのリンク部材102に対して2個の軸受穴111が対向壁112に形成されており、リンク部材102の回転支軸102aをその軸受穴111に挿入している。これにより、キートップ105をリンク部材102から離脱させる力が加わったとしても、キートップ105とリンク支持部材110との連結を維持できると共に、軸受穴111の損傷を防止できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−21423号公報(2008年1月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の特許文献1に開示されたキースイッチ装置100では、リンク支持部材110をリンク部材102にだけしか連結していない。このため、キートップ105をリンク支持部材110から離脱させる力がキートップ105に加わったときに、その力がリンク支持部材110の軸受穴111に全て作用し、その結果、リンク支持部材110の軸受穴111又はリンク部材102が変形し、最終的にはリンク支持部材110がリンク部材102から離脱してしまうという問題点を有している。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、操作部における上方向への外力に対する耐性を向上し、より信頼性の高いスイッチ及びキーボードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のスイッチは、前記課題を解決するために、ベースと、前記ベースの上方に配置され、かつ外力に応じて上下方向に移動する操作部と、前記操作部の前記上下方向移動を案内し、かつ前記ベースと前記操作部とに支持されるリンク部材とを備え、前記ベースに設けられたベース側係止部と、前記操作部に設けられた操作部側係止部とが互いに係止されることにより、前記操作部が許容移動範囲の上端を超えて移動することが抑止されることを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、ベースと操作部とはリンク部材によって接続されており、これによって、操作部がベースに対して上下方向へ移動可能となっている。ここで、操作部とベースとがリンク部材のみによって支持されている構成の場合、例えば操作部に対して上方向へ引っ張られるような力が外部から加わると、リンク部材による接続構造の強度のみに依存してこのような力に耐えなければならない。
【0010】
しかしながら、例えばスイッチの小型化を図る場合、リンク部材の構造上の強度には限界があるため、前記のような上方向への外力に対する耐性が弱くなるという問題がある。
【0011】
そこで、本発明では、ベースに設けられたベース側係止部と、操作部に設けられた操作部側係止部とが互いに係止されることにより、操作部が許容移動範囲の上端を超えて移動することを抑止する。すなわち、ベースにベース側係止部を形成し、かつ操作部に操作部側係止部を形成して、ベース側係止部と操作部側係止部とが互いに係止されることにより、操作部をリンク部材だけでなく、ベースにも係止させている。
【0012】
したがって、操作部における上方向への外力に対する耐性を向上し、より信頼性の高いスイッチを提供することができる。
【0013】
本発明のスイッチは、前記記載のスイッチにおいて、前記ベース側係止部と前記操作部側係止部との少なくとも一方が、弾性を有する部材によって構成されており、前記ベース側係止部と前記操作部側係止部とがスナップフィット構造によって互いに係止されることが好ましい。
【0014】
これにより、ベース側係止部と前記操作部側係止部とがスナップフィット構造によって互いに係止されるので、ベースと操作部とを容易に組み立てることができる。
【0015】
本発明のスイッチは、前記記載のスイッチにおいて、前記操作部が前記許容移動範囲の上端に配置されている状態において、前記リンク部材の一部が、前記ベース側係止部と前記操作部側係止部との少なくとも一方の弾性変形を抑制する位置に配置されることが好ましい。
【0016】
これにより、操作部が許容移動範囲の上端に配置されている状態では、リンク部材によって、スナップフィット構造における弾性変形が抑制される構造となっている。この結果、操作部に対して上方向へ引っ張られるような力が外部から加わった場合に、スナップフィット構造において弾性変形が生じることによってベース側係止部と操作部側係止部との係止が外れてしまうリスクを低減することができる。
【0017】
本発明のスイッチは、前記記載のスイッチにおいて、前記リンク部材が、第1リンク部材と第2リンク部材からなっており、前記第1リンク部材と第2リンク部材とを互いに回動自在に軸支して連結する連結部を備えていると共に、前記第1リンク部材及び第2リンク部材が、前記ベース又は前記操作部のいずれか一方に支持される連結部側被支持部と、前記ベース又は操作部のいずれか他方に支持される端部側被支持部とをそれぞれ備え、前記端部側被支持部が、前記ベース側係止部と操作部側係止部との少なくとも一方の弾性変形を抑制する位置に配置されることが好ましい。
【0018】
これにより、第1リンク部材及び前記第2リンク部材における端部側被支持部によって、スナップフィット構造における弾性変形が抑制されることになる。この結果、操作部の上方向への移動に伴う端部側被支持部の移動を利用して、スナップフィット構造における弾性変形の抑制を実現することができる。
【0019】
本発明のキーボードは、前記課題を解決するために、前記記載のスイッチを複数備えていることを特徴としている。
【0020】
本発明によれば、操作部における上方向への外力に対する耐性を向上し、より信頼性の高いスイッチを備えたキーボードを提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、操作部における上方向への外力に対する耐性を向上し、より信頼性の高いスイッチ及びキーボードを提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a)は本発明の実施形態におけるスイッチの構成を示す断面図であり、(b)は前記スイッチにおける操作部を下方から見上げた状態を示す斜視図である。
図2】(a)は前記スイッチにおける操作部の非押し下げ時の状態を示す斜視図であり、(b)は前記操作部の押し下げ時の状態を示す斜視図である。
図3】前記スイッチの構成を示す分解斜視図である。
図4】(a)は前記スイッチにおける操作部の非押し下げ時の状態を示す断面図であり、(b)は前記操作部の押し下げ時の状態を示す断面図である。
図5】前記スイッチの変形例の構成を示す断面図である。
図6】前記スイッチの他の変形例の構成を示す断面図である。
図7】従来のキースイッチ装置を上方から見たときの構成を示す分解斜視図である。
図8】前記キースイッチ装置の変形例を下方から見たときの構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態について図1図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0024】
本実施の形態のスイッチは、操作部の隅部分を押圧しても該操作部を円滑に平行に上下移動させる一対のリンク部材を備えており、例えば、操作部の上にキートップが着脱自在に取り付けられることにより、パーソナルコンピュータのキーボード等において好適に利用される。尚、操作部がそのままキートップとして利用される場合もある。
【0025】
(スイッチの構成)
本実施の形態のスイッチの構成について、図2の(a)(b)及び図3に基づいて説明する。図2の(a)は、本実施の形態のスイッチにおける操作部50を押圧操作していない状態の構成を示す斜視図であり、図2の(b)は、前記スイッチ1における操作部50を押圧操作した状態の構成を示す斜視図である。図3は、本実施の形態のスイッチの構成を示す分解斜視図である。
【0026】
図2の(a)(b)に示すように、本実施の形態のスイッチ1は、ベース10と、ベース10の上方に配置された操作部としての操作部50とを備えている。ベース10と操作部50との間には、図3に示すように、互いに連動して操作部50をベース10上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材20と、操作部50の昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構30と、コイルバネ40とが設けられている。
【0027】
ベース10は、底部11を有する方形枠体12からなっており、方形枠体12における一対の一方対向側面壁12aの外側には鍔部13が形成されている。この鍔部13は、リンク部材20の支持に使用される。また、本実施の形態では、鍔部13の外側面に、弾性を有するリンク部材20が側方に押し出されるのを防止するための変形抑制部としての押し出し防止壁14が設けられている。
【0028】
図3に示すように、前記一方対向側面壁12aの中央部には、内部側に凹入りする隙間としての側面壁凹溝部15が形成されている。この側面壁凹溝部15は、リンク部材20の連結部23及び閉じられた第1リンク部材21及び第2リンク部材22が自在に上下移動できる幅を有している。この結果、第1リンク部材21及び第2リンク部材22が開いた状態では、連結部23及び後述する第1腕部21b及び第2腕部22bの第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gは、この側面壁凹溝部15を通過することができない。また、側面壁凹溝部15には庇部15aが形成されており、この庇部15aは、第1リンク部材21及び第2リンク部材22が開いた状態では、第1腕部21b及び第2腕部22bの第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gが当接して摺動するので、該第1腕部21b及び第2腕部22bが上方向への移動を規制する壁面としての機能を有している。
【0029】
また、方形枠体12における一対の他方対向側面壁12bの外側の中央上部には爪部16が形成されている。この爪部16は、操作部50が上側に容易に外れるのを防止するためのものである。尚、爪部16の詳細については、後述する。
【0030】
底部11には、前記コイルバネ40を支持して収容する環溝状のコイルバネ収容部11aと、前記スイッチ機構30の端子を貫通させる端子貫通孔11bとが形成されている。
【0031】
次に、前記リンク部材20は、一対の第1リンク部材21と第2リンク部材22とからなっており、操作部50の上下方向の移動が行われるように、ベース10と操作部50とを支持するようになっている。尚、本実施の形態のリンク部材20は、一対の第1リンク部材21と第2リンク部材22とからなっているが、本発明においては、必ずしもこれに限らない。例えば、リンク部材20は一対であることに限定されず、片側のみ(片持ち)であってもよい。
【0032】
前記第1リンク部材21及び第2リンク部材22は、互いに同一の形状を有し、中央側の一端で相互に連結する連結部23にて互いに連結されて側面視V字状に組合わされている。連結部23は、本実施の形態では、第1リンク部材21に形成された軸部21aと第2リンク部材22に形成された軸穴部22aとによって構成されており、一対のリンク部材20を互いに回動自在に軸支して連結するものとなっている。尚、第2リンク部材22に軸部が形成され、第1リンク部材21に軸穴部が形成されていてもよい。
【0033】
前記軸部21aと軸穴部22aとは、互いに遊嵌状態に回動自在に軸支して連結されており、この遊嵌部分は、隙間が一定となっている。
【0034】
尚、本実施の形態のスイッチ1では、連結部23は、第1リンク部材21又は第2リンク部材22のいずれか一方に形成された軸部と、第1リンク部材21又は第2リンク部材22のいずれか他方に形成された軸穴部とによって構成されているが、必ずしも軸部と軸穴部に限らない。例えば、図5に示すように、第1リンク部材21又は第2リンク部材22のいずれか一方に形成された球体部22a’と、この球体部22a’を回転自在に保持する球体受容部21a’とによって構成されたスイッチ2としてもよい。
【0035】
また、第1リンク部材21及び第2リンク部材22は、連結部23からそれぞれ互いに側方に平行に延びる一対の接続部材としての第1腕部21b及び第2腕部22bと、これら第1腕部21b及び第2腕部22bを連結部23の反対側の端部で相互に連結する第1係合棒21c及び第2係合棒22cとを一体に備えている。
【0036】
前記第1腕部21b及び第2腕部22bは、図1図3に示すように、操作部50に対向する部分が、例えば、階段状に形成されている。ただし、必ずしもこれに限らず、例えば、図6に示すように、前記第1腕部21b及び第2腕部22bの操作部50に対向する部分が、連結部23から第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dに至る直線状に形成されており、第1腕部21b及び第2腕部22bが断面略三角形に形成されたスイッチ3とすることも可能である。また、第1腕部21b及び第2腕部22bの形状は、必ずしもこれに限らず、板状又は棒状であってもよい。
【0037】
前記第1係合棒21c及び第2係合棒22cにおける両端部にはそれぞれ端部側被支持部としての第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dが形成されており、これら第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dは、操作部50に設けられた後述する第1軸受部51及び第2軸受部52に受容されるようになっている。
【0038】
本実施の形態では、第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dは、摺動規制部としての第1軸受部51及び第2軸受部52に遊嵌状態に受容されるようになっている。この結果、本実施の形態では、操作部50がベース10に対して上下方向に移動するときに、第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dは、第1軸受部51及び第2軸受部52の範囲内において規制された状態で上下方向に略垂直な方向に摺動可能となっている。
【0039】
また、第1係合棒21c及び第2係合棒22cの各中央には、上面が平坦に形成された上端平面部21e及び上端平面部22eが形成されており、操作部50の上端位置での姿勢をベース10に平行に保持するようになっている。
【0040】
第1腕部21b及び第2腕部22bにおける、連結部23に近接した箇所には、下方に向けて湾曲状に突出する連結部側被支持部としての第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fが形成されている。この結果、前記第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fは、連結部23と第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dとを結ぶ直線よりも、ベース10側にずれて配置されている。
【0041】
本実施の形態では、前記第1リンク部材21及び第2リンク部材22の回動に際して、前記第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fが前記ベース10の鍔部13の上面を摺動すると共に、第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gが前記ベース10の側面壁凹溝部15における庇部15aの下面を摺動する。この結果、操作部50が下限位置まで押し下げられて第1リンク部材21及び第2リンク部材22が開状態になったときには、連結部23が第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fよりも少し持ち上がった状態となる。これにより、操作部50がベース10に対して上下方向に移動する際に、第1リンク部材21における第1回転支軸21dと第2リンク部材22の第2回転支軸22dとの間隔の変動を抑制することが可能となる。
【0042】
さらに、本実施の形態の第1腕部21b及び第2腕部22bの内側における連結部23の近傍には、図3に示すように、その上面が側面壁凹溝部15の庇部15aに当接するように突出する湾曲形状の第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gが形成されている。この第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gは、第1リンク部材21及び第2リンク部材22を、連結部23を中心として開いたときに、その上面が側面壁凹溝部15の庇部15aに当接して摺動するようになっている。この結果、第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gは、連結部23と第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dとを結ぶ直線よりも、下側にずれて配置されている。
【0043】
次に、前記スイッチ機構30は、操作部50の押し下げ時に互いに接触状態となるように設けられた可撓性を有する金属からなる2枚のL字状導電板31・32から構成されている。L字状導電板31・32には、図示しない基板に接続するためのリード端子31a・32aが下方に延びて設けられていると共に、接触端子31b・32bが互いに対向して各側面に設けられている。また、L字状導電板31・32の端部には、操作部50の裏面に設けられた後述する図1の(b)に示す摺動カム55に摺動される被カム摺動部31c・32cが形成されている。前記操作部50の摺動カム55は、操作部50の非押し下げ時には、L字状導電板31・32の被カム摺動部31c・32cに当接して該被カム摺動部31c・32cを押圧し、L字状導電板31・32を撓ませてL字状導電板31・32の接触端子31b・32bが非接触となるようにする。一方、操作部50の押し下げ時には、操作部50の摺動カム55はL字状導電板31・32の被カム摺動部31c・32cに接触せず、これにより、L字状導電板31・32の接触端子31b・32bは互いに接触状態となる。この結果、操作部50の押し下げ時に、L字状導電板31とL字状導電板32とが導通し、スイッチがオン状態となる。
【0044】
尚、本実施の形態のスイッチ機構30は、前記手段に限らず、メンブレンスイッチや無接点スイッチ等の、スイッチとしての機能を有する構成であればよい。
【0045】
次に、前記コイルバネ40は、操作部50の押し下げに対して付勢力を作用させて、操作部50が元の押し下げ前の状態となるように復帰させる。尚、コイルバネ40は他の弾性部材でもよい。
【0046】
次に、前記操作部50は、略矩形平面形状を有する皿状の部材であり、第1リンク部材21及び第2リンク部材22の第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dに回転可能に係合する第1軸受部51及び第2軸受部52を一対ずつ備えている。これにより、操作部50は、第1リンク部材21及び第2リンク部材22に押し下げ自在に支持される。
【0047】
尚、本実施の形態のスイッチ1では、一対のリンク部材20が、ベース10に支持される連結部側被支持部としての第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fと、操作部50に支持される端部側被支持部としての第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dとを備え、操作部50がベース10に対して上下方向に移動するときに、第1湾曲部21f及び第2湾曲部22f及び第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gが、ベース10に対して、上下方向に略垂直な方向に摺動する場合について説明した。
【0048】
しかし、本発明では、必ずしもこれに限らず、一対のリンク部材20が、操作部50に支持される連結部側被支持部と、ベースに支持される端部側被支持部とを備え、操作部50がベース10に対して上下方向に移動するときに、連結部側被支持部が、操作部に対して、上下方向に略垂直な方向に摺動する構成であってもよい。
【0049】
(スイッチの動作)
前記構成のスイッチ1における操作部50の非押し下げ時と押し下げ時の動作について、図4の(a)(b)及び前記図2の(a)(b)に基づいて説明する。図4の(a)は、スイッチ1における操作部50の非押し下げ時つまり操作部50が上限位置に存在するときの状態を示す断面図であり、図4の(b)は、スイッチ1における操作部50の押し下げ時つまり操作部50が下限位置に存在するときの状態を示す断面図である。
【0050】
図4の(a)及び図2の(a)に示すように、スイッチ1における操作部50の非押し下げ時、つまり押し下げ前には、操作部50が上限位置に存在する。このとき、第1リンク部材21及び第2リンク部材22は、第1腕部21b及び第2腕部22bの一端が連結部23にて回動自在に軸支され、他端の第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dが操作部50の第1軸受部51及び第2軸受部52に受容されることにより支持されている。
【0051】
この状態から、操作部50をユーザが指等で押し下げると、操作部50の第1軸受部51及び第2軸受部52が押し下がり、これによって、第1リンク部材21及び第2リンク部材22が第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fとベース10の鍔部13との当接部、並びに第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gと側面壁凹溝部15の庇部15aとの当接部にて摺動しながら連結部23を中心として回動する。このとき、第1リンク部材21及び第2リンク部材22の第1腕部21b及び第2腕部22bにおける第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dは、外側への移動が少ない状態で鉛直方向に移動する。この結果、第1リンク部材21及び第2リンク部材22は、第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fとベース10の鍔部13との当接部並びに第1湾曲突起部21g及び第2湾曲突起部22gと側面壁凹溝部15の庇部15aとの当接部を摺動するときに、連結部23を持ち上げる。
【0052】
したがって、図4の(b)及び図2の(b)に示すように、操作部50が下限位置に移動する際にも、第1腕部21b及び第2腕部22bの長さが問題になることなく、移動することができる。そして、操作部50の下方移動により、操作部50の裏面に形成された図示しない摺動カムによって前記スイッチ機構30におけるL字状導電板31が撓んで、L字状導電板31の接触端子31bがL字状導電板32の接触端子32bに接触する。これにより、L字状導電板31とL字状導電板32とが導通され、スイッチオンの状態となる。
【0053】
尚、この操作部50の押し下げ状態から、ユーザが操作部50への指の押圧を解除すると、コイルバネ40の付勢力によって、操作部50が元の上限位置に復帰する。
【0054】
この結果、本実施の形態のスイッチ1では、操作部50の押し下げ動作において、第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dと第1軸受部51及び第2軸受部52とが係合しているだけであるので、クリアランスが一定であり、異物の噛み込みのリスクが少ない。
【0055】
また、操作部50の押し下げにより、第1リンク部材21及び第2リンク部材22における第1湾曲部21f及び第2湾曲部22fと鍔部13とに摺動位置が中心に移動するので、第1リンク部材21及び第2リンク部材22の外端が外側に広がり難い。
【0056】
(操作部の引き抜き強度の向上)
本実施の形態のスイッチ1における操作部50の引き抜き強度の向上について、図1の(a)(b)及び前記図3に基づいて説明する。図1の(a)は、本実施の形態のスイッチ1の構成を示す断面図である。図1の(b)は、前記スイッチ1の操作部50の構成を下方から見上げた状態を示す斜視図である。
【0057】
本実施の形態のスイッチ1は、前述した図2の(a)(b)に示すように、ベース10と操作部50とが第1リンク部材21及び第2リンク部材22によって連結されている。また、第1リンク部材21及び第2リンク部材22は、連結部23によって互いに回動自在に軸支して連結されている。そして、この構成によって、ベース10に対して操作部50が上下方向に移動する際に、操作部50が一定の方向を向いた状態を保つことが可能な構造を実現することができる。
【0058】
ところで、このように、操作部50とベース10とが一対のリンク部材20のみによって接続されている構成の場合、例えば操作部50に対して上方向へ引っ張られるような力が外部から加わると、リンク部材20による接続構造の強度のみに依存してこのような力に耐えなければならない。
【0059】
しかしながら、例えば、スイッチ1の小型化を図る場合、リンク部材20の構造上の強度には限界があるので、上記のような上方向への外力に対する耐性が弱くなるという問題がある。
【0060】
そこで、本実施の形態のスイッチ1では、図1の(a)及び図3に示すように、ベース10における方形枠体12の他方対向側面壁12bの上部中央にベース側係止部としての爪部16を設けると共に、図1の(a)(b)に示すように、操作部50の裏面に操作部側係止部としての爪係止部53・54を設けている。
【0061】
本実施の形態では、爪部16及び爪係止部53・54の少なくとも一方が、弾性を有する部材によって構成されており、爪部16及び爪係止部53・54は、スナップフィット構造によって互いに係止されるようになっている。
【0062】
この結果、本実施の形態のスイッチ1では、操作部50の両端にそれぞれ2個ずつ第1軸受部51及び第2軸受部52を形成し、その第1軸受部51及び第2軸受部52に第1リンク部材21及び第2リンク部材22の第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dを各々受容するだけでなく、ベース10に爪部16を形成し、操作部50の爪係止部53・54をスナップ式に嵌合させることにより、操作部50をリンク部材20だけでなく、ベース10にも嵌合させている。したがって、スイッチ1における操作部50の引き抜き強度の向上させることができる。
【0063】
ここで、本実施の形態では、操作部50は、リンク部材20との接続によって上限位置が決まり、その上限位置において、操作部50に上方向の外力が作用した場合に、スナップフィット構造で支えられて操作部50が外れるのを防止する構成となっている。すなわち、操作部50の上限位置において、必ずしも爪部16の下端と爪係止部53・54の上端とが当接している必要はなく、離れていてもよい。
【0064】
逆に、例えば、本実施の形態では、操作部50は、爪部16の下端と爪係止部53・54との互いの係止によって上限位置が決まり、その上限位置において、操作部50に上方向の外力が作用した場合に、操作部50とリンク部材20との支持によって操作部50が外れるのを防止する構成とすることも可能である。
【0065】
また、本実施の形態では、操作部50が許容移動範囲の上端つまり上限位置に配置されている状態においては、図1の(a)に示すように、一対のリンク部材20の端部側被支持部としての第1係合棒21c及び第2係合棒22cが、爪部16及び爪係止部53・54を側方にて当接し、かつ内側の該爪部16及び爪係止部53・54を押圧するようになっている。したがって、組み立て時には、一対のリンク部材20の端部側被支持部としての第1係合棒21c及び第2係合棒22cは、爪部16及び爪係止部53・54よりも下側に存在しており、その状態で、爪部16と爪係止部53・54との互いの係止が行われる。そして、その後、操作部50の上限位置でリンク部材20の第1回転支軸21d及び第2回転支軸22dを操作部50の第1軸受部51及び第2軸受部52に受領させたときには、リンク部材20の第1係合棒21c及び第2係合棒22cが弾性的に爪部16及び爪係止部53・54を内側に押圧する状態となる。
【0066】
このように、本実施の形態のリンク部材20の第1係合棒21c及び第2係合棒22cは、爪部16及び爪係止部53・54の少なくとも一方の弾性変形を抑制する位置に配置されている。
【0067】
この結果、爪部16及び爪係止部53・54が弾性変形するのを抑制し、スナップフィットが解除されるのを防止するようになっている。
【符号の説明】
【0068】
1〜3 スイッチ
10 ベース
11 底部
12 方形枠体
12a 一方対向側面壁
12b 他方対向側面壁
13 鍔部
14 押し出し防止壁(変形抑制部)
15 側面壁凹溝部(隙間)
15a 庇部(壁面)
16 爪部(ベース側係止部)
20 リンク部材
21 第1リンク部材
21a 軸部(連結部)
21b 第1腕部(接続部材)
21c 第1係合棒(端部側被支持部)
21d 第1回転支軸(端部側被支持部)
21e 上端平面部
21f 第1湾曲部(連結部側被支持部)
21g 第1湾曲突起部
22 第2リンク部材
22a 軸穴部(連結部)
22b 第2腕部(接続部材)
22c 第2係合棒(端部側被支持部)
22d 第2回転支軸(端部側被支持部)
22e 上端平面部
22f 第2湾曲部(連結部側被支持部)
22g 第2湾曲突起部
23 連結部
30 スイッチ機構
31・32 L字状導電板
31a・32a リード端子
31b・32b 接触端子
31c・32c 被カム摺動部
40 コイルバネ
50 操作部
51 第1軸受部(摺動規制部)
52 第2軸受部(摺動規制部)
53・54 爪係止部(操作部側係止部)
55 摺動カム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8