特開2017-220449(P2017-220449A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-220449(P2017-220449A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】キースイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20171117BHJP
   H01H 13/02 20060101ALN20171117BHJP
【FI】
   H01H13/14 A
   H01H13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-50212(P2017-50212)
(22)【出願日】2017年3月15日
(31)【優先権主張番号】特願2016-111340(P2016-111340)
(32)【優先日】2016年6月2日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(72)【発明者】
【氏名】井澤 一平
(72)【発明者】
【氏名】仲 真美子
(72)【発明者】
【氏名】長田 健志
(72)【発明者】
【氏名】藤野 博章
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS02H
5G206AS02J
5G206CS01H
5G206CS01J
5G206CS01N
5G206CS11J
5G206DS11H
5G206FS12K
5G206GS05
5G206HS24
5G206HU05
5G206HW04
5G206HW05
5G206KS24
5G206RS24
5G206RS32
(57)【要約】
【課題】線状補強部材を備えていても、キーキャップの取付作業を簡単に行うことができるようにする。
【解決手段】ベース1と、ベース1に対して接離可能に取り付けられるボタン3と、ベース1とボタン3の間に配置され、ボタン3をベース1に対して離間方向へと付勢する弾性体4と、ベース1とボタン3の間に配置され、ボタン3をベース1に対して接近方向に操作した際の傾きを抑制する線状補強部材102とを備える。ボタン3の外面部は、線状補強部材102の一部が配置される凹状の支持部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに対して接離可能に取り付けられるボタンと、
前記ベースと前記ボタンの間に配置され、前記ボタンを前記ベースに対して離間方向へと付勢する弾性体と、
前記ボタンに設けられ、前記ボタンを前記ベースに対して接近方向に操作した際の傾きを抑制する線状補強部材と、
を備え、
前記ボタンの外面部は、前記線状補強部材の一部が配置されて前記線状補強部材を支持する凹状の支持部を備えている、キースイッチ装置。
【請求項2】
前記ボタン及び前記線状補強部材は、キーキャップで覆われている、請求項1に記載のキースイッチ装置。
【請求項3】
前記キーキャップは平面視矩形状であり、前記ボタンの支持部に支持されている前記線状補強部材の長手方向沿いの部分は、前記キーキャップの長辺に沿って配置されている、請求項2に記載のキースイッチ装置。
【請求項4】
前記支持部を、前記ボタンの外面部上面の縁部に備えている、請求項1から3のいずれか1項に記載のキースイッチ装置。
【請求項5】
前記支持部を、前記ボタンの外面部の複数箇所に備えている、請求項1から4のいずれか1項に記載のキースイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、キーボードに使用されるキースイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キースイッチ装置として、ベースに対して押込操作可能に弾性支持されたボタンをキーキャップで覆ったものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記構成のキースイッチ装置を、細長い形状のキー、例えば、キーボードのスペースキーに採用する場合、端を押し込まれても傾かないように、通常、キーキャップとベースとの間に線状補強部材が配置される。線状補強部材は、キーキャップの下面に形成した断面円弧状の支持部にスナップフィットにより接続されて回転可能に保持される。
【0004】
ところで、線状補強部材を支持部にスナップフィットにより接続する場合、次のような問題が発生することがある。
・支持部が形状復帰できずに変形したままとなり、線状補強部材が脱落しやすくなる。
・支持部の弾性力が強くて線状補強部材が回転不能あるいは回転しにくい状態となる。
つまり、線状補強部材の取付状態を良好なものとできず、スペースキーの動作不良が引き起こされる恐れがある。
また、支持部はキーキャップの取付方向から見て裏側に形成されているため、目視できず、キーキャップへの線状補強部材の接続作業が煩雑なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案登録第205645574号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、線状補強部材の良好な取付状態を簡単に得ることができるキースイッチ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
ベースと、
前記ベースに対して接離可能に取り付けられるボタンと、
前記ベースと前記ボタンの間に配置され、前記ボタンを前記ベースに対して離間方向へと付勢する弾性体と、
前記ボタンに設けられ、前記ボタンを前記ベースに対して接近方向に操作した際の傾きを抑制する線状補強部材と、
を備え、
前記ボタンの外面部は、前記線状補強部材の一部が配置されて前記線状補強部材を支持する凹状の支持部を備えている、キースイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ボタンの支持部に線状補強部材を予め支持させることができ、良好な取付状態を得ることができる。しかも、支持部は凹状であって、線状補強部材を目視可能な状態で簡単に取り付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るキースイッチ装置をプリント基板に載置し、キーキャップを取り付けた状態を示す斜視図である。
図2図1からキーキャップを取り外した状態を示す斜視図である。
図3図2からキースイッチ装置を取り外した状態を示す斜視図である。
図4図2に示すキースイッチ装置からボタンを外した状態を示す斜視図である。
図5図4に示すキースイッチ装置の分解斜視図である。
図6A図5のベースの斜視図である。
図6B図6Aのベースを下方側から見た斜視図である。
図7A図5の導光体を上方側から見た斜視図である。
図7B図7Aの導光体を下方側から見た斜視図である。
図8A図5のボタンを上方側から見た斜視図である。
図8B図8Bのボタンを下方側から見た斜視図である。
図9A図5の固定接触片の斜視図である。
図9B図9Aの固定接触片を異なる角度から見た斜視図である。
図10A図5の可動接触片の斜視図である。
図10B図10Aの可動接触片を異なる角度から見た斜視図である。
図11A図5のスライダの斜視図である。
図11B図11Aのスライダを異なる角度から見た斜視図である。
図12図1に示すキースイッチ装置の正面断面図である。
図13図1に示すキースイッチ装置の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している。
【0011】
図1は、本実施形態に係るキーキャップ101を装着され、プリント基板103に取り付けられたキースイッチ装置100の全体を示す斜視図である。図2は、図1からキーキャップ101を取り外した状態、図3は、さらにキースイッチ装置100を取り外した状態を示す斜視図である。図4は、図1からキーキャップ101及びボタン3を取り外した状態を示す斜視図である。図5は、図1のキースイッチ装置100の分解斜視図である。このキースイッチ装置100は、ベース1、導光体2、ボタン3、コイルスプリング4、接点開閉機構5、スライダ6、昇降機構7を備え、ボタン3とキーキャップ101の間には線状補強部材102が回転可能に挟持される。
【0012】
図6A及び図6Bに示すように、ベース1は、合成樹脂材料を成形加工したもので、底部8と方形枠部9とを備える。
【0013】
底部8には平面視円形状の開口部10が形成されている。開口部10の内周面には、上下方向の中央部分に環状の係止受部11が形成されている。係止受部11には、後述するように導光体2の係止爪29aが係止される。
【0014】
開口部10の近傍には第1取付台12と第2取付台13とが形成されている。第1取付台12の側面には上下方向に延びる第1係止溝14が形成されている。底部8には、第1係止溝14に連続して下面に連通する第1端子孔15が形成されている。また第1取付台12は、上面が凸状の円弧面で構成された第1係止突条16を備える。第2取付台13も第1取付台12と同様な構成で、第2係止溝17及び第2係止突条18を備え、底部8には第2係止溝17に連通する第2端子孔19が形成されている。第1取付台12には固定接触片41が固定され、第2取付台13には可動接触片42が固定される。
【0015】
底部8の一側部上面には、中央部に平面視矩形状の窪み部20aが形成されている。また、底部8の4隅には窪み部20bがそれぞれ形成されている。窪み部20bの底面には、ボタン3を押し下げた際、後述するボタン3の当接部36の下端が当接し、ボタン3のそれ以上の移動が制限される。さらに、底部8の下面には、開口部10を挟んで両側に第1係合部8aと第2係合部8bとが形成されている。第1係合部8aは平面視円形であり、第2係合部8bは平面視矩形である。これらは、ベース1をプリント基板103に取り付ける際に対応する第1位置決め孔103aと第2位置決め孔103bとにそれぞれ係合し、後述するプリント基板103に実装したLED(Light Emitting Diode)104を、正確に後述する導光体2の凹部30に位置させる。
【0016】
方形枠部9は、対向する2組の側面壁21a,21bで構成され、それらの外側には鍔部22が形成されている。鍔部22は、後述する昇降機構7の支持に使用される。対向する側面壁21aの外側では、鍔部22の外側に押出防止壁23が形成されている。押出防止壁23は、第1アーム67及び第2アーム68が側方に押し出されるのを防止する。対向する側面壁21aの外面中央部には、凹所24が形成されている。凹所24は、側面壁21aの上半部が幅狭の溝部24aで構成され、下半部が溝部24aよりも広がった逃がし凹部24bで構成されている。溝部24aの幅寸法は、後述する第1アーム67と第2アーム68を折り畳んだ状態で挿通可能な幅寸法に形成されている。
【0017】
図7A及び図7Bに示すように、導光体2は、透光性を有する合成樹脂材料を成形加工したもので、円錐台形状の導光本体25と、この導光本体25の下端部から径方向に突出する弾性体受部26とで構成されている。
【0018】
導光本体25の上面には複数の凸レンズ25aが形成されている。これら凸レンズ25aにより、光源であるLED104からの光が拡散される。
【0019】
弾性体受部26は鍔状で、上半部の受部本体27と、下半部の筒状体28とで構成されている。また弾性体受部26は、周方向3箇所等分に切欠き26aが形成され、そこには爪部29がそれぞれ形成されている。受部本体27と筒状体28は、切欠き26aによって3つの円弧状部分に分割されている。受部本体27は、ベース1の開口部10よりも外径寸法が大きく、その下面が底部8の上面に当接する。筒状体28の外面は開口部10の内面に当接し、ベース1に対して導光体2を径方向に位置決めする。また、受部本体27の下面と筒状体28の内面とで囲まれた空間は、図示しないLEDを配置するための凹部30となっている。爪部29は、筒状体28と同様に下方側に延び、先端部分には外径側に突出する係止爪29aが形成されている。係止爪29aは、ベース1の開口部10に形成した係止受部11に係止され、導光体2が開口部10から上方側へと脱落するのを防止する。
【0020】
図8A及び図8Bに示すように、ボタン3は、合成樹脂材料を平面視矩形状に成形加工したもので、平板部31と、平板部31の対向する2辺からそれぞれ下方に延びる側壁部32と、平板部31の対向する残る2辺からそれぞれ側方に延びる延在部33a、33bとを備える。
【0021】
平板部31の下面中央部には筒状のスプリングガイド部34が形成されている。また平板部31の下面には、3辺に沿ってガイド壁35が設けられている。ガイド壁35の両側対向壁は、両端部分に他の部分よりも突出した当接部36が形成されると共に、両端部を除いて内側に迫り出している。また、ガイド壁35の両端部に位置する当接部36の対向部分には、スライダ6をガイドするガイド溝36aがそれぞれ形成されている。ガイド溝36aを構成する一方の側壁は上下端部を除いて切除され、下端部には持上用突部37が形成されている。持上用突部37は、上方に向かって徐々に傾斜する下方側の傾斜面37aと、上方側の平坦面37bとを備える。
【0022】
側壁部32には、さらに下方側へと延在する両端部分に軸受穴38が形成されている。各軸受穴38には、後述する第1アーム67と第2アーム68の第1軸部71がそれぞれ回転及びスライド可能に支持される。
【0023】
一方の延在部33aすなわちボタン3の外面部上面の一方の縁部には、3箇所等分に凹状の円弧面を有する第1突起39aが形成されている。平板部31の側縁と第1突起39aの円弧面とで、線状補強部材102を支持する凹状の第1支持部40aが構成されている。他方の延在部33bすなわちボタン3の外面部上面の他方の縁部には、両側2箇所に凹状の円弧面を有する第2突起39bが形成されている。平板部31の側縁と第2突起39bの円弧面とで第2支持部40bが構成されている。ここでは、第2支持部40bは使用しないが、キーキャップ101の形状等の諸条件の違いにより、第1支持部40aに代えて第2支持部40bを線状補強部材102の支持に使用することができるようになっている。また延在部33aの下面には、両側の第1突起39a及び第2突起39bに対応する位置に係止凹部39cがそれぞれ形成されている。この係止凹部39cには、後述するキーキャップ101の爪部109に形成した係止爪109aが係止する。
【0024】
図5に戻って、本発明の弾性体の一例であるコイルスプリング4は、導光体2の弾性体受部26と、ボタン3のスプリングガイド部34との間に配置され、ベース1に対してボタン3を上方へと付勢する。
【0025】
接点開閉機構5は、固定接触片41と可動接触片42とを備え、これらは平板状の銅合金をプレス及び折り曲げ加工することにより形成される。
【0026】
図9A及び図9Bに示すように、固定接触片41は、第1平面部43と、第1平面部43の下縁中央部から下方に延びる固定端子部44と、第1平面部43の一端側下縁から直交して延びる第2平面部45と、第2平面部45の一端縁から直交して延びる第3平面部46と、第3平面部46に設けた固定接点47と、第1平面部43の他端縁から直交して延び、第3平面部46に対向する第4平面部48とを備える。固定端子部44の中央部分には第1平面部43に至る第1係止突部49が形成されている。第1係止突部49がベース1の第1取付台12に形成した第1係止溝14に係止される。固定端子部44が第1端子孔15に圧入されて底部8の下面から突出する。第4平面部48には、下縁中央部に円弧状に切り欠いた第1係止凹部50が形成されている。第1係止凹部50は、前記第1取付台12の第1係止突条16に係止される。
【0027】
図10A及び図10Bに示すように、可動接触片42は、第1平面部51と、第1平面部51の一端側下縁から下方に延びる可動端子部52と、第1平面部51の一端から直交して延びる第2平面部53と、第1平面部51の他端から直交して延び、前記第2平面部53に部分的に対向する第3平面部54とを備える。可動端子部52の中央部分には第1平面部51に至る第2係止突部55が形成されている。第2平面部53には、下縁中央部に円弧状に切り欠いた第2係止凹部56が形成されている。第2係止凹部56は、前記第1取付台12の第2係止突条18に係止される。第3平面部54は、上縁中央部に断面略C字状に屈曲した突出片57が形成されている。突出片57は、後述するスライダ6の押圧部59に押圧され、第3平面部54(さらには第1平面部51)を弾性変形させる。第3平面部54の先端外面には可動接点58が設けられている。
【0028】
図11A及び図11Bに示すように、スライダ6は、合成樹脂材料を成形加工した平板状のものである。スライダ6は、中央部分に押圧部59を備える。押圧部59は、上端より所定寸法下方側から徐々に突出する第1傾斜面60と、第1傾斜面60に連続する、突出部分の中央が若干窪んだ凹曲面61とを備える。また押圧部59は、突出部分の下端側は徐々に突出寸法が小さくなる第2傾斜面62を備える。
【0029】
またスライダ6は、両端部に被ガイド突部64を備える。被ガイド突部64は、スライダ6の両端部に設けた平坦部65の外面中央部を左右に2分するように形成されている。被ガイド突部64は、ボタン3に形成したガイド溝36a内に挿入されて上下動可能にガイドされる。平坦部65には、被ガイド突部64によって2分された一方の下方側に被持上用突部66が形成されている。被持上用突部66の上面は、下方に向かうに従って徐々に突出する傾斜面66aで構成され、下面は平坦面66bで構成されている。被持上用突部66の平坦面66bに持上用突部37の平坦面37bが当接し、ボタン3が上動する際、一緒に持ち上げられる。
【0030】
図5に戻って、昇降機構7は、第1アーム67と第2アーム68とを備える。第1アーム67と第2アーム68は同一形状で、軸体69と、その両端部から延びる腕部70とで構成されている。軸体69の両端部には第1軸部71がそれぞれ形成されている。一方の腕部70の先端側には、内側に突出する第2軸部72と第1突起73とが形成されている。他方の腕部70の先端側には、前記第2軸部72が回転可能に挿通される軸受孔74と、内側に突出する第2突起75とが形成されている。
【0031】
第1アーム67と第2アーム68は、第1アーム67の第2軸部72を第2アーム68の軸受孔74に挿通し、第2アーム68の第2軸部72を第1アーム67の軸受孔74に挿通することにより連結される。連結された第1アーム67と第2アーム68とは、折り畳んだ状態で、連結部分をベース1の溝部24aに挿通され、逃がし凹部24bで広げることにより、第1突起73と第2突起75とが逃がし凹部24bを構成する上面に当接し、ベース1からの脱落が阻止される。また、連結された第1アーム67と第2アーム68とは、第1軸部71をボタン3の軸受穴38に挿通することによりボタン3に連結される。ボタン3は、第1軸部71が軸受穴38の内縁に当接することにより突出方向の移動が制限される。またボタン3は、当接部36の下端がベース1の窪み部20bの底面に当接することにより押込方向の移動が制限される。
【0032】
前記構成のキースイッチ装置100はプリント基板103に取り付けられる。プリント基板103には、LED104が実装されている。LED104を挟んで左右両側には第1端子孔105a及び第2端子孔105bがそれぞれ形成されている。また、LED104を挟んで上下両側には第1係合孔106a及び第2係合孔106bがそれぞれ形成されている。第1端子孔105aには固定端子部44が挿通される。第2端子孔105bには可動端子部52が挿通される。第1係合孔106aは平面視円形状で、そこにはベース1の第1係合部8aが係合される。第2係合孔106bは平面視矩形状で、そこにはベース1の第2係合部8bが係合される。
【0033】
キーキャップ101は、合成樹脂材料を成形加工したもので、一端から他端に延びる平面視矩形状の長尺な構成である。すなわち、平面視矩形状の平板部107と、この平板部107の4辺から直角方向に延在して枠状につながった周縁部108とで構成されている。周縁部108の各長辺の中央部には、一対の爪部109がそれぞれ形成されている。各爪部109の先端には対向方向に延びる係止爪109aが形成されている。これら係止爪109aは、キースイッチ装置100のボタン3に形成した4箇所の係止凹部39cにそれぞれ係止される。
【0034】
線状補強部材102は、線材を両端側で互い平行となるように直角に折り曲げることにより得られる略コ字状のワイヤであり、中間部102aと両側部102bとで構成されている。
【0035】
続いて、前記構成からなるキースイッチ装置100、キーキャップ101及び線状補強部材102の組立方法を説明する。
【0036】
LED104を実装したプリント基板103上にキースイッチ装置100を取り付ける。キースイッチ装置100の取付では、ベース1の下面に形成した第1位置決め突部1aと第2位置決め突部1bとを、プリント基板103に形成した第1位置決め孔103aと第2位置決め孔103bとにそれぞれ係合する。これにより、LED104が導光体2の凹部30に入り込んだ状態となる。
【0037】
次いで、キースイッチ装置100に線状補強部材102を取り付ける。線状補強部材102の取付は、中間部102aをボタン3に形成した第1支持部40aに配置し、両側部102bの先端を図示しない支持部材に支持させるだけでよい。第1支持部40aは、上方に開口する凹状に形成されているので、簡単に線状補強部材102の中間部102aを配置できる。
【0038】
最後に、プリント基板103に取り付けられたキースイッチ装置100にキーキャップ101を取り付ける。キーキャップ101の取付は、爪部109の係止爪109aをボタン3に形成した係止凹部39cにそれぞれ係止することにより行う。キーキャップ101が取り付けられた状態では、ボタン3の上面にキーキャップ101の下面が当接し、第1支持部40aに配置された線状補強部材102の中間部102aが覆われる。
【0039】
このように、キースイッチ装置100に対して予め線状補強部材102を取り付けておくことができるので、キーキャップ101の取付作業を簡単に行うことができる。しかも、線状補強部材102は、ボタン3の第1支持部40aとキーキャップ101の下面とで周囲をガイドされるので、良好な取付状態を得ることが可能となる。
【0040】
次に、プリント基板に取り付けられ、キーキャップを装着されたキースイッチ装置の動作について説明する。
【0041】
キーキャップを押込操作していない初期状態では、ボタン3はコイルスプリング4の付勢力によって上方に付勢され、第1アーム67と第2アーム68の各第1軸部71が第2アーム68と第1アーム67の各軸受穴38の内縁に当接している。これにより、ボタン3は突出位置に位置決めされる。この状態では、図13に示すように、可動接触片42は突出片57をスライダ6の押圧部59に押圧され、可動接点58が固定接触片41の固定接点47から開離している。
【0042】
キーキャップを押し下げると、ボタン3がコイルスプリング4の付勢力に抗して下方に移動し、一緒にスライダ6も下方へと移動する。このとき、可動接触片42の突出片57はスライダ6の凹曲面61から第1傾斜面60へと圧接位置を変更する。これにより、可動接触片42の第3平面部46に蓄えられた弾性エネルギーが、スライダ6を下方側へと付勢する力に変換される。この結果、ボタン3に対してスライダ6が単独で下方に移動し、被持上用突部66の下端の平坦面66bをボタン3の持上用突部37の平坦面37bに衝突させて音を発生させる。単にスライダ6が自重により落下するだけでなく、可動接触片42からの弾性力を作用させることができるので、発生する音を大きくすることが可能となる。したがって、前記構成のキースイッチ装置を備えたキーボードであれば、ユーザは押込操作が適切に行われたことを明確に認識することができる。また、前記キーボードをゲーム等で使用したとすれば、その押込操作により十分な音を発生させて使用状況に相応しいものとすることができる。また、弾性変形していた可動接触片42が形状を復帰して真っ直ぐに延びることにより、可動接点58が固定接点47に閉成する。
【0043】
キーキャップの押込操作を解除すると、コイルスプリング4の付勢力によりボタン3が上動する。ボタン3は、第1アーム67と第2アーム68の第1軸部71が軸受穴38の内縁に当接し、初期位置へと復帰する。スライダ6は、被持上用突部66の平坦面66bにボタン3に形成した持上用突部37の平坦面37bが当接して持ち上げられ、押圧部59が可動接触片42の突出片57を押圧して第3平面部54(さらには第1平面部51)を弾性変形させる。これにより、可動接点58が固定接点47から開離し、初期状態に復帰する。
【0044】
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0045】
前記実施形態では、線状補強部材102の中間部102aを支持する第1支持部40aを、ボタン3の外面部上面の縁部に設けるようにしたが、中央部等、他の位置に設けるようにしてもよい。また、線状補強部材102の中間部102aを支持するのは、第1支持部40a及び第2支持部40bの2箇所だけでなく、さらに支持部を増やして3箇所以上に設けるようにしてもよい。つまり、支持部を複数箇所として、使用条件に応じて適宜、適切な支持部を使用するようにしてもよい。
【0046】
前記実施形態では、弾性体の例としてコイルスプリング4を挙げたが、これに限らず、例えば、スポンジやゴム等を使用することも可能である。
【0047】
本発明の第1態様のキースイッチ装置では、
ベースと、
前記ベースに対して接離可能に取り付けられるボタンと、
前記ベースと前記ボタンの間に配置され、前記ボタンを前記ベースに対して離間方向へと付勢する弾性体と、
前記ベースと前記ボタンの間に配置され、前記ボタンを前記ベースに対して接近方向に操作した際の傾きを抑制する線状補強部材と、
を備え、
前記ボタンの外面部は、前記線状補強部材の一部が配置されて前記線状補強部材を支持する凹状の支持部を備えている。
【0048】
第1態様のキースイッチ装置によれば、予めボタンの支持部に線状補強部材を装着しておくことができる。しかも、支持部がボタンの外面部に形成されているため、線状補強部材の取付作業を目視可能な状態で容易に行うことができる。また、支持部は線状補強部材の一部を配置するだけの凹状のものであり、確実に所望の回転可能な状態を得ることができ、変形させることによる不具合も発生しない。
【0049】
本発明の第2態様のキースイッチ装置では、前記ボタン及び前記線状補強部材は、キーキャップで覆われている。
【0050】
第2態様のキースイッチ装置によれば、線状補強部材が周囲を支持部とキーキャップとで完全にガイドされるので、線状補強部材の取付状態をさらに安定させることができる。キーキャップはボタンに被せるだけでよいので、その取付作業は簡単である。
【0051】
本発明の第3態様のキースイッチ装置では、前記キーキャップは平面視矩形状であり、前記ボタンの支持部に支持されている前記線状補強部材の長手方向沿いの部分は、前記キーキャップの長辺に沿って配置されている。
【0052】
第3態様のキースイッチ装置によれば、平面視矩形状のキーキャップを線状補強部材によって安定的に支持することができる。
【0053】
本発明の第4態様のキースイッチ装置では、前記支持部を、前記ボタンの外面部上面の縁部に備えている。
【0054】
第4態様のキースイッチ装置によれば、線状補強部材の一部をボタンの外面部上面に載置するだけで簡単に組み付けることができる。
【0055】
本発明の第5態様のキースイッチ装置では、前記支持部を、前記ボタンの外面部の複数箇所に備えている。
【0056】
第5態様のキースイッチ装置によれば、複数ある支持部のいずれかを選択して線状補強部材の一部を配置するだけで、ボタンを所望の状態で支持することができる。
【符号の説明】
【0057】
1…ベース
2…導光体
3…ボタン
4…コイルスプリング
5…接点開閉機構
6…スライダ
7…昇降機構
8…底部
9…方形枠部
10…開口部
11…係止受部
12…第1取付台
13…第2取付台
14…第1係止溝
15…第1端子孔
16…第1係止突条
17…第2係止溝
18…第2係止突条
19…第2端子孔
20a,20b…窪み部
21a,21b…側面壁
22…鍔部
23…押出防止壁
24…凹所
25…導光本体
26…弾性体受部
27…受部本体
28…筒状体
29…爪部
30…凹部
31…平板部
32…側壁部
33a,33b…延在部
34…スプリングガイド部
35…ガイド壁
36…ガイド溝
37…持上用突部
38…軸受穴
39…突起
40a…第1支持部
40b…第2支持部
41…固定接触片
42…可動接触片
43…第1平面部
44…固定端子部
45…第2平面部
46…第3平面部
47…固定接点
48…第4平面部
49…第1係止突部
50…第1係止凹部
51…第1平面部
52…可動端子部
53…第2平面部
54…第3平面部
55…第2係止突部
56…第2係止凹部
57…突出片
58…可動接点
59…押圧部
60…第1傾斜面
61…凹曲面
62…第2傾斜面
64…被ガイド突部
65…平坦部
66…被持上用突部
67…第1アーム
68…第2アーム
69…軸体
70…腕部
71…第1軸部
72…第2軸部
73…第1突起
74…軸受孔
75…第2突起
100…キースイッチ装置
101…キーキャップ
102…線状補強部材
103…プリント基板
104…LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13