【課題を解決するための手段】
【0012】
追加の担持部位を、第1の担持部位から軸方向に離間することができる。担持部位間の前記間隔により、担持長さを長くすることができ、この結果、より高い傾斜モーメントを支持することができる。
【0013】
接極子シャフトを、接極子と一緒に同じ方向に移動可能とすることができる。加えて、接極子および/または接極子シャフトを、ソレノイド組立体によって占有される寸法内に位置付けることができる。接極子シャフトの部品がソレノイド組立体によって占有される寸法から突出することも可能である。
【0014】
接極子シャフトは、接極子シャフトが磁場の影響を受けないように、たとえばCr.−Ni.鋼などの鋼で製作することができる。
【0015】
接極子シャフトを、切り替え機構にリベット止めすることができる。加えて、接極子シャフトはナーリング(knurl)を有することができ、これを介して、接極子を接極子シャフト上端部に置き、これに溶接することができる。溶接は、たとえばレーザ溶接によって行うことができる。
【0016】
他の溶接方法も同様に使用できる。接極子を接極子シャフトに接続するために変更され特別に適合された方法ステップを使用する、接極子材料および接極子シャフト材料の他の材料組み合わせが考えられる。この場合、接極子シャフトはたとえば、たとえば真鍮などの別の非磁性材料で製作することができ、また、接極子への接極子シャフトの接続を、たとえば糊着、プレス嵌めによってまたは固止要素によってなど、他の方法により行うことができる。
【0017】
接極子は、その第1の担持部位に、遊び、たとえば2/100から2/10の間の、特に約1/10mmの担持間隙を有し得る。この間隙は、多くの要因に左右される接極子の担持性能における、必要とされる自由度を表す。
【0018】
接極子シャフトは、その横断方向への延長を大きく上回る、切り替え方向に沿った長手方向への延長を有し得る。
【0019】
接極子シャフトの断面は、丸形または角のあるものとすることができる。丸形の接極子シャフトは、接極子シャフト自体のおよび接極子シャフトを受容する部品の、より単純でよりコストの低い製造を可能にする。
【0020】
しかしながら、丸形の接極子シャフトは、切り替え方向と平行に配向される接極子シャフトの長手軸を中心とする回転において、自由度をもたらす。接極子シャフトおよびそこに取り付けられた要素の回転位置は、一方で、そこに取り付けられた要素によって、たとえばコンタクト機構によって、あるいは、切り替え方向においてまたはその反対方向において接極子シャフトの外側表面上にまたは接極子もしくは担持部位に取り付け可能な案内溝によって、固定することができる。同様に、たとえばピンの形態の案内要素を、接極子シャフトに取り付けることも考えられる。この場合、前記ピンは、接極子シャフト案内要素の相補的なピン案内溝内に係合する。
【0021】
電気的切り替え機構のさらなる有利な構成では、接極子シャフトは、切り替えコンタクト側の端部を有し、接極子は、担持部位と切り替えコンタクト側の端部との間に位置付けられる。
【0022】
接極子シャフトは、ソレノイド組立体によって占有される寸法から外へと一方向に突出することができる。特に、切り替えコンタクト側の端部は、ソレノイド組立体によって占有される寸法から外に突出することができ、コンタクト機構をこれに取り付けることができる。
【0023】
追加の担持部位の開口を、接極子シャフトの断面と相補の関係となるように構成することができる。接極子シャフトは、追加の担持部位を通って突出するか、これを越えて突き出るか、またはこれと面一で終端することができる。
【0024】
電気的切り替え機構のさらなる有利な構成では、ソレノイド組立体は、接極子のための第1の担持部位の第1の担持表面を形成するコアケーシングを有し、このコアケーシングにおいて、接極子シャフトの追加の担持部位が、コアケーシング上に直接、またはコアケーシングに直接取り付けられた担持要素上に間接的に形成される。
【0025】
コアケーシングは特に、固定式とすること、および、ソレノイドの輪状部がコアケーシングを包囲するように、ソレノイド組立体のソレノイドによって取り囲むことができる。接極子はコアケーシング内に位置付けられるので、接極子も包囲され得る。接極子のケーシングは、磁性材料から製造することができる。接極子のケーシングは、純鉄から成ること、および、青銅のガルバニック被覆(galvanic coating)を備えることができる。青銅の被覆はこの場合、コアケーシングの摩擦学的特性を改善し得る。担持部位は、コアケーシングの対向する2つの端部に位置付けられる。
【0026】
コアケーシングを、テフロン(登録商標)被覆された純鉄片を圧延することによって製造することも可能である。コアケーシングとして、他の強磁性材料も考えられる。
【0027】
磁性のコアケーシングはこの場合、スプールコアまたはスプールコアの一部を表し、生成される磁場を強化することが可能となっている。
【0028】
コアケーシングはこの場合、磁気系の一部とすることができる。
【0029】
特に、コアケーシングは、切り替えコンタクト側の端部の反対側に配設された端部において、面取り部を有し得る。
【0030】
電気的切り替え機構の追加の有利な構成は、担持要素として、担持ブッシュを提供する。
【0031】
担持ブッシュは、ガラスビーズで充填することもできるプラスチック、たとえば未充填ポリアミド(PA)で製作することができる。
【0032】
担持ブッシュを、コンタクト機構から離間される側部から、接極子のケーシング内に挿入することができる。
【0033】
担持ブッシュをさらに、コアケーシングと相補的に構成することができる。すなわち、担持ブッシュの外部輪郭は、担持ブッシュがコアケーシングの内部輪郭内に、形状嵌合(form-fitting)の様式で挿入されるように構成される。担持ブッシュの全周にわたって、または部分的にのみ、担持ブッシュとコアケーシングとの間に形状嵌合が存在し得る。
【0034】
接極子は担持ブッシュに対して移動するので、担持ブッシュは、接極子によって置き換えられた空気の脱出を可能にすること、および材料のさらなる節減を可能にすることの両方が可能な、少なくとも1つの圧力均等化開口(pressure-equalising aperture)を有し得る。
【0035】
担持ブッシュは、コアケーシングの内径と同様の外径を有することができ、このことは、コアケーシングにおける摩擦係合装着を可能にする。担持要素は、切り替え方向に対して垂直に測定されたその内径よりも小さい、切り替え方向に沿った延長を有し得る。
【0036】
本発明による電気的切り替え機構のさらなる構成によれば、接極子シャフトの挿入を簡略化するために、担持ブッシュに周縁挿入傾斜部(circumferential insertion slope)を設けることが有利であり得る。
【0037】
挿入傾斜部は、45°の角度を有する面取り部とすることができ、その放射方向の幅は、接極子シャフトの直径の4分の1から2分の1の間とすることができる。構造設計によっては、より小さいまたはより大きい角度も考えられる。
【0038】
挿入傾斜部により、担持ブッシュ内への接極子シャフトの導入が簡略化される。接極子およびさらに接極子シャフトはコアケーシング内で遊びを有するので、あり得る傾斜のために、接極子シャフトを、担持ブッシュの受容開口に対して中央に配向することができない。この場合、接極子シャフトの切り替えコンタクト側でない端部は、担持ブッシュ内への導入中に、周縁挿入傾斜部に沿って摺動し、これによって中心に配置される。
【0039】
加えて、挿入傾斜部は、コンタクトのところにない接極子シャフトの端部の可能な面取り部と同じ面取り部の角度を有し得る。
【0040】
挿入傾斜部は、狭い担持リップ上に、すなわち担持ブッシュから内向きに突き出る周縁領域上に、接極子シャフトが担持されることを可能にする。この結果、担持表面を、および結果的に摩擦も、低減することができる。
【0041】
電気的切り替え機構の追加の有利な構成では、担持要素は、ソレノイド組立体への取り付けのための少なくとも1つのフランジ部分を有する。フランジ部分は環状とすることができ、接極子シャフトの軸に対して横断方向に延在し得る。
【0042】
フランジ部分を、単独の部分として構成するか、または複数のフランジ部分によって作り出すことができる。ソレノイド組立体への取り付けはこうして、完全に周縁において行うことができる。
【0043】
少なくとも1つのフランジ部分による担持ケーシングの取り付けは、ソレノイド組立体の一部であるヨーク、またコアケーシングにおいて行われ得る。この取り付けは、重ね合わせ接続(overlapping connection)、溶接接続によって、または糊着もしくは噛み合いによって、行うことができる。
【0044】
加えて、フランジ部分を、担持ブッシュがコアケーシングの内側で支持されるように構成することができ、またフランジ部分は、フランジ部分を弾性的に付勢する突出部を表し得る。この結果、ソレノイド組立体の要素、たとえばヨーク上への、切り替え方向におけるフランジ部分の一定の圧力が可能となる。そのような構成では、担持ブッシュとのコアケーシングの密閉封止が可能である。たとえば、フランジ部分とソレノイド組立体との間の封止要素の助けにより、封止を保証することができる。
【0045】
フランジ部分が、コアケーシングの外部輪郭の背後で係合すること、および/またはコアケーシング内にフック係合することも考えられる。
【0046】
フランジ部分は、切り替えコンタクト側でない担持ブッシュ端部の面取り部と特に相補の関係であり得る、面取り部を有し得る。
【0047】
電気的切り替え機構の追加の構成において、担持要素がコアケーシングの一方の端部に配置されれば有利である。
【0048】
コアケーシングの一方の端部における、特に切り替えコンタクト側でない端部における担持要素の配置は、担持部位同士を最大限に離間でき、この結果大きい担持長さが生じ得るという利点を有する。
【0049】
電気的切り替え機構の1つの追加の構成の担持要素が、コアケーシングの一方の端部を封止すれば有利である。
【0050】
一方の端部における担持部位の配置およびコアケーシングの封止は、ほこりおよび流体の進入を、防止することまではできなくとも、少なくとも妨害することができるという利点を有する。
【0051】
電気的切り替え機構の追加の有利な構成では、担持要素は、突き出た環状段部によって形成される、少なくとも1つの追加の担持表面を有する。
【0052】
環状段部を周縁に途切れなく構成することができるか、またはこれは、部分的に担持表面を表し得る。環状段部により、接極子シャフトの点状でない画定された案内部兼装着部を生み出すことができ、担持要素と接極子シャフトとの間の摩擦を低減することができる。
【0053】
追加の有利な構成では、電気的切り替え機構は、切り替え方向において接極子シャフトの直径の2分の1の最大の長さを有する担持部位を備える。
【0054】
このように小さくなるように構成された担持部位は、担持性能は十分でありながら、担持部位上端部の摩擦が最小化されるという利点を有する。
【0055】
担持要素は、切り替え方向において、切り替え方向において測定された担持部位の長さも上回る長さを有し得る。
【0056】
本発明による電気的切り替え機構の追加の有利な構成では、担持要素は、射出成形部品である。
【0057】
担持要素は、担持要素の製造が単純かつ安価となるように、1段の射出成形法によって製造され得る。
【0058】
加えて、様々なプラスチックの使用が考えられ、したがってたとえば、担持要素の製造のために、射出成形法において、ポリアクリル酸塩(PA)または耐高温で低摩擦のプラスチックを使用することができる。
【0059】
射出成形法では、射出成形中に材料の蓄積が回避されれば有利である。その理由は、これらの蓄積が、この方法で製造される構成要素の歪みにつながる可能性があるからである。
【0060】
これを保証するための1つの可能な選択肢は、担持要素を、同軸に配向された異なる直径の2つの円筒部分に一体に結合される様式で接続される、環状円盤として構成することである。
【0061】
そのような構成では、射出成形部品の異なる領域の壁厚さは、ほぼ同じサイズである。すなわち、著しく大きくなった壁厚さを有する射出成形部品の領域が存在しない。
【0062】
電気的切り替え機構のさらなる有利な構成では、担持表面は、この電気的切り替え機構の中へと、コアケーシングの端部から離間して配置される。
【0063】
担持表面を、担持要素内の切り替え方向に沿った中心に、すなわち中央に配置することができる。担持表面を、接極子に面する担持要素の端部に配置することも可能である。
【0064】
ソレノイド組立体の内部へとずらして配置された担持表面は、切り替えプロセス中に、担持部位から離れてその切り替えコンタクト側の端部に向かって接極子シャフトが移動する場合あっても、依然として接極子シャフトを装着し案内することができるという利点を有する。
【0065】
担持表面の前記ずれの助けにより、接極子シャフトがソレノイド組立体によって占有される寸法から外に突出することなく、接極子シャフトを、いかなる任意の切り替え位置においても確実に装着することができる。
【0066】
電気的切り替え機構のさらなる有利な構成は、接極子シャフトの切り替えコンタクト側の端部においてソレノイド組立体に固着される、蓋体形状の機構を構想する。
【0067】
蓋体形状の機構は、コンタクト領域からソレノイド組立体を分離し、コンタクト領域において発生する電気アークからソレノイド組立体を遮蔽することができる。
【0068】
蓋体形状の機構は、ソレノイド組立体には属さず、接極子シャフトのための通過開口を有することができ、このことにより、接極子シャフトはソレノイド組立体から外に突出することができ、コンタクトチャンバ内へと突出することができる。
【0069】
蓋体形状の機構は、別個の要素とすること、またはコンタクトチャンバの一部を表すことができる。
【0070】
蓋体形状の機構はさらに、ヨーク全体を覆うことができる。このヨークは、U字形状となるように構成することができ、この結果、ソレノイド組立体も、コンタクトチャンバ開口を除き、蓋体形状の機構によって封止される。
【0071】
電気的切り替え機構は、担持要素を少なくとも部分的に覆い、かつソレノイド組立体を少なくとも部分的に包囲する、少なくとも1つの蓋体を有し得る。
【0072】
そのような蓋体は、電気的切り替え機構の両側部を、たとえばソレノイド組立体のヨークにおいてつかむ、ブラケットの形態で構成することができ、これらの側部において、個々の点にのみ当接して担持され得る。このとき、コンタクト側の端部から離間される下側領域を覆うことが可能である。蓋体は、コアケーシングを完全に覆うこと、および、コアケーシング内に緩く挿入される担持ブッシュがこのコアケーシングから滑り落ちるのを同様に防ぐことができる。
【0073】
さらに、そのような蓋体は、コアケーシング内へのほこりまたは流体の進入を防止することができ、機構全体の安定性および統合性を高めることができる。
【0074】
加えて、この蓋材を、溶接、糊着、螺着、リベット止め、または同様の方法などの別の方法によって、電気的切り替え機構に取り付けることもできる。
【0075】
蓋体が、電気的切り替え機構、特にソレノイド組立体を、形状嵌合の様式で包囲することも可能である。
【0076】
蓋体は、重なり合うか、または互いと縁部を並べて位置決めされて電気的切り替え機構を包囲することのできる、いくつかの部品を備え得る。
【0077】
蓋体はハウジング部を表すことができ、切り替えコンタクト側から取り付け可能な相手側ハウジング部に、さらに接続され得る。この結果、完成した電気的切り替え機構は密閉封止され、切り替えられるべきコンタクトおよび制御コンタクトのみが、ハウジングから外に突出する。
【0078】
2つのハウジング部を、妨害物または捕捉機構によって互いに取り付けることができる。
【0079】
蓋体をソレノイド組立体のヨークに取り付けることが可能であり、したがって、接極子のケーシングおよび担持ブッシュは、蓋体の助けにより確実に固定される。
【0080】
以下では、本発明について、図面を参照しつつ、実施形態を使用することによって説明する。ここで、上記の有利な構成の説明による各々有利である個々の特徴を、記載する実施形態において追加または省略することができる。