(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221094(P2017-221094A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】移動機充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20171117BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20171117BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20171117BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20171117BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/40
H02J50/90
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-3219(P2017-3219)
(22)【出願日】2017年1月12日
(31)【優先権主張番号】105117497
(32)【優先日】2016年6月3日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512305671
【氏名又は名称】勝方光電科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】黄致豪
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】本発明は、移動機に用いられる、移動機充電システムを提供する。
【解決手段】本発明の移動機充電システムは、停留台と、充電装置とからなる。前記停留台は、前記移動機が停留するために用いられる。前記充電装置は、電力発信インターフェースと、電力測定器とからなる。前記移動機が前記停留台に停留した時、前記電力発信インターフェースは、前記電力受信インターフェースを通して前記移動機の蓄電モジュールに対する充電を行う。以上により、前記移動機の操作者が前記移動機を前記停留台に停留させた時、前記移動機は前記移動機充電システムを通して充電される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動機に用いられる移動機充電システムであって、
前記移動機は、動力モジュールと、蓄電モジュールと、電力受信インターフェースとからなるとともに、前記移動機は、前記動力モジュールによって移動を行い、
前記蓄電モジュールは、前記動力モジュールと電気的に接続されるとともに、前記動力モジュールに電力を提供し、
前記電力受信インターフェースは、前記蓄電モジュールと電気的に接続されるとともに、無線方式によって電力の誘導と受信を行い、
前記移動機充電システムは、停留台と、充電装置とからなり、
前記停留台は、前記移動機が停留するために用いられ、
前記充電装置は、電力発信インターフェースと、電力測定器とからなり、
更に、前記移動機が前記停留台に停留した時、前記電力発信インターフェースは、前記電力受信インターフェースを通して前記蓄電モジュールに対する充電を行い、
前記電力測定器は、前記電力発信インターフェースを通して発された電量を測定するために、前記電力発信インターフェースと電気的に接続される
ことを特徴とする、移動機充電システム。
【請求項2】
更に、前記移動機は、前記移動機と対応した識別タグを含むとともに、
前記移動機充電システムは、更に識別モジュールを含み、
前記識別モジュールは、前記停留台に設けられるとともに、
前記移動機が前記停留台に停留した時、前記識別モジュールは、前記移動機の前記識別タグを探知測定し、且つ前記識別タグを識別した後、前記充電装置に前記移動機の充電を実行させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の移動機充電システム。
【請求項3】
更に、前記移動機充電システムは、サーバー装置を含み、
前記サーバー装置には、保存ユニットが設けられ、
前記保存ユニットには、複数個のアカウントデータが保存され、
前記サーバー装置は、ネットワークを通して前記識別モジュール及び前記充電装置と接続されるとともに、前記識別モジュールが前記識別タグを探知測定した後に発した弁別信号を受信し、且つ前記弁別信号を前記保存ユニットに保存された複数の前記アカウントデータと比較検証し、
更に、前記サーバー装置は、前記弁別信号が検証をパスしたと判断した時に充電開始信号を前記充電装置へ送信し、これにより前記充電装置が駆動して前記移動機に対する充電が行われる
ことを特徴とする、請求項2に記載の移動機充電システム。
【請求項4】
更に、前記充電装置は、前記電力発信インターフェースが発した電量に基づいて、充電データを産出し、且つ前記充電装置は、前記充電データを前記サーバー装置へ伝送し、
また更に、前記サーバー装置は、前記充電データを受信した後に、前記充電データを前記保存ユニットに保存し、且つ前記充電データと前記弁別信号に対応した前記アカウントデータとを互いに対応させる
ことを特徴とする、請求項3に記載の移動機充電システム。
【請求項5】
更に、前記移動機充電システムは、誘導モジュールを含み、
前記誘導モジュールは、前記移動機が前記停留台に停留するよう誘導するために、前記停留台に設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の移動機充電システム。
【請求項6】
更に、前記移動機充電システムは、水平校正モジュールを含み、
前記水平校正モジュールは、前記停留台の水平傾斜角度を自動で探知測定して調整するために、前記停留台に設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の移動機充電システム。
【請求項7】
更に、前記移動機充電システムは、固定部品を含み、
前記固定部品は、前記停留台に設けられ、
前記移動機が前記停留台に停留した時、前記固定部品によって前記移動機は前記停留台に固定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の移動機充電システム。
【請求項8】
更に、前記移動機充電システムは、撮影モジュールと、映像処理装置とを含み、
前記撮影モジュールは、前記停留台に設けられるとともに、前記停留台周辺の撮影範囲内における映像を撮影し、且つこれに応じた映像信号を産出し、
前記映像処理装置は、ネットワークを通して前記撮影モジュールと接続されるとともに、前記撮影モジュールが産出した前記映像信号を受信し、且つ前記映像処理装置には、再生モジュールが設けられ、
前記再生モジュールは、前記撮影モジュールから受信した前記映像信号を再生する
ことを特徴とする、請求項1に記載の移動機充電システム。
【請求項9】
更に、前記映像処理装置は、同時に複数の停留台における前記撮影モジュールと互いに接続されるとともに、各前記撮影モジュールが産出した前記映像信号をそれぞれ受信する
ことを特徴とする、請求項8に記載の移動機充電システム。
【請求項10】
更に、前記停留台は、街灯設備に設けられる
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一つに記載の移動機充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システムに関し、特に、移動式の機器に用いられる、移動機充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle、UAV)は、いずれも機体上に燃料タンクや蓄電池が搭載されることで、飛行任務を果たしている。しかし、飛行距離が長い場合には、無人航空機の機体上に、より大きくて重い蓄電池や燃料タンクを搭載する必要があるため、無人航空機の機体重量が重くなってしまう。軍用UAVにはガソリンが動力源として採用されているため、飛行持続力について考慮する必要はない。しかし、リチウム電池を電源とするUAVでは、飛行持続力の良し悪しが実際の使用における難点となる。
【0003】
図1を参照する。図は、従来の充電設備を使用して移動機の充電を行った際の使用状態図である。一般的に、移動機1を操作して動かす過程において、移動機1の電力は徐々に消耗されていくため、移動機1の電力が尽きそうになった時、移動機1の操作者は移動機1を呼び戻して、手動で充電設備2の電源を移動機1に差し込むことで移動機1を充電するか、或は移動機1の電池を交換しなければならない。このような電力補給の方法は、操作者にとって非常に不便であるだけでなく、操作者の協力を要するため、遠隔操作での電力補給が出来ない。電力補給が制限されるという問題のため、これまで移動機1の操作者は、移動機1を使用する時、短い距離にある目標地Gを設定して、短時間及び短距離の飛行任務(例えば空撮)を行うことしか出来なかった。もし、移動機1を救援や探査に使用する場合には、飛行持続力の不足によって責務を果たせない可能性があり、あえて使用した場合には、頻繁に充電を行わなければならず、救援や探査の作業効率が大幅に損なわれてしまう。
【0004】
前述した問題を解決するために、目標地G付近に複数個の充電設備2を設けるとともに、それぞれ人員を配置して充電操作を行うことで、往復を繰り返す過程で帰航経路の電力が尽きるのを防ぐことも可能である。しかし、このような方法はやはり不便であり、且つ複数の充電設備を設けるため、費用の問題が生じる可能性があり、更にはスペース利用上の問題もある。これらの問題は、現代都市の開発と建設において、常に難解且つ大きな障害となっている。
【0005】
以上の説明から分かるように、移動機1の電力を補給するため、従来技術では手動で繰り返し移動機1の充電や電池交換を行わなければならず、使用上非常に不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述を鑑み、本発明は、移動機充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の移動機充電システムは、移動機に用いられる。前記移動機は、動力モジュールと、蓄電モジュールと、電力受信インターフェースとからなるとともに、前記移動機は、前記動力モジュールによって移動可能である。前記蓄電モジュールは、前記動力モジュールと電気的に接続されるとともに、前記動力モジュールに電力を提供する。前記電力受信インターフェースは、前記蓄電モジュールと電気的に接続される。前記移動機充電システムは、停留台と、充電装置とからなる。前記停留台は、前記移動機を停留させるために用いられる。前記充電装置は、電力発信インターフェースと、電力測定器とからなる。前記移動機が前記停留台に停留した時、前記電力発信インターフェースは、前記電力受信インターフェースを通して前記蓄電モジュールに対する充電を行う。前記電力測定器は、前記電力発信インターフェースと電気的に接続されて、前記電力発信インターフェースから発された電量を測定する。
【0008】
また、本発明において、前記移動機は、更に前記移動機と対応した識別タグを含み、且つ前記移動機充電システムは、更に識別モジュールを含む。このうち、前記識別モジュールは、前記停留台に設けられる。前記移動機が前記停留台に停留した時、前記識別モジュールは、前記移動機の前記識別タグを探知測定することが可能であり、且つ前記識別タグを識別した後、前記充電装置に前記移動機の充電を実行させる。このほか、前記移動機充電システムは、更にサーバー装置を含む。前記サーバー装置には、保存ユニットが設けられ、前記保存ユニットには複数個のアカウントデータが保存される。前記サーバー装置は、ネットワークを通して前記識別モジュール及び前記充電装置と接続されるとともに、前記識別モジュールが前記識別タグを探知測定した後に発した弁別信号を受信することが可能であり、且つ前記弁別信号を前記保存ユニットに保存された複数の前記アカウントデータと比較検証する。また前記サーバー装置は、前記弁別信号が検証をパスしたと判断した時に、充電開始信号を前記充電装置へ送信する。これにより、前記充電装置が駆動して前記移動機に対する充電が行われる。加えて、前記充電装置は、前記電力発信インターフェースが発した電量(前記電力測定器の測定によって得られる)に基づいて充電データを産出し、且つ前記充電装置は、前記充電データを前記サーバー装置へ伝送する。更に前記サーバー装置は、前記充電データを受信した後に、前記充電データを前記保存ユニットに保存し、且つ前記充電データと前記弁別信号に対応した前記アカウントデータとを互いに対応させる。
【0009】
以上により、効果的に前記移動機充電システムがサービスを提供すべき対象を弁別可能であるとともに、効果的に対応する料金支払モデルを構築することが可能であり、商業化の運営に有利であるため、更に本発明の産業上の利用性が向上する。
【0010】
更にまた、本発明において、前記停留台には誘導モジュールが設けられることで、前記移動機が前記停留台に停留するように誘導する。以上により、前記移動機の操作者は、前記移動機を操作制御して前記停留台に停留させようとする時、前記誘導モジュールの補助の下で、よりスムーズに関連する操作を行うことが出来る。
【0011】
更にまた、本発明において、前記停留台には水平校正モジュールが設けられる。前記水平校正モジュールは、前記停留台の水平傾斜角度を自動で探知測定して調整することが出来る。このほか、前記停留台には、更に固定部品が設けられる。前記移動機が前記停留台に停留した時、前記固定部品は、前記移動機を前記停留台に固定することが出来る。
【0012】
以上により、前記移動機が前記停留台に停留した時、前記水平校正モジュールが自動で前記停留台のバランスを調整し、且つ前記固定部品によって前記移動機が固定されることで、前記移動機を安定的に前記停留台上に停留させることが出来る。
【0013】
更にまた、本発明において、前記移動機充電システムは、撮影モジュールと、映像処理装置とを含む。このうち、前記撮影モジュールは、前記停留台に設けられることで、前記停留台周辺の撮影範囲内における映像を撮影するとともに、これに応じた映像信号を産出する。前記映像処理装置は、ネットワークを通して前記撮影モジュールと接続されることで、撮影モジュールが産出した前記映像信号を受信する。このほか、前記映像処理装置には再生モジュールが設けられ、前記再生モジュールは前記撮影モジュールから受信した前記映像信号を再生することが出来る。
【0014】
以上により、安全性を考慮する場合や、前記移動機を監視制御する必要がある時、前記移動機の操作者は、前記映像処理装置を通して即時的に前記移動機を監視することが出来る。
【0015】
更に言えば、本発明の移動機充電システムにおいて、前記映像処理装置は、同時に複数の停留台における前記撮影モジュールと互いに接続されて、各前記撮影モジュールが産出した前記映像信号をそれぞれ受信することが出来る。これにより、前記移動機の操作者は、前記再生モジュールを通して、異なる撮影角度における前記移動機の取得画面を同時に見ることで、前記移動機の運行状況をきちんと把握することが出来る。加えて、予め設けられた複数の停留台と対応する撮影モジュールによって、ネットワーク状システムが構成されることで、前記撮影モジュールが産出した映像信号を統合して、前記移動機の移動経路に対する監視制御の効果を更に高めることが出来る。
【0016】
更に付記すれば、より全面的・普遍的に本発明の移動機充電システムを導入して、移動機の操作者が時間・場所を問わずに本発明の移動機充電システムによる充電を行うことが出来るように、本発明において、前記停留台は街灯設備に設けられる。これにより、街灯設備の普及性を利用することで、別途費用を掛けたりスペースを設けたりすることなく、迅速に本発明の移動機充電システムを導入して、現代都市構築を押し進める際に直面する費用とスペース利用の問題を効果的に解決することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来の充電設備を使用して移動機を充電する際の使用状態図である。
【
図3】本発明の実施例における停留台の一部構造を示した概略図である。
【
図4】本発明の実施例を使用して移動機を充電する際の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例1)
本発明の移動機充電システムについて、
図2を参照する。図は、本発明の実施例のシステム構成図である。本発明の移動機充電システム3は、移動機1に用いられるとともに、実際の使用において、移動機1は電動自転車・電気自動車・電気船・電力駆動を用いた無人航空機(Drone、或いはUnmanned Aerial Vehicleと呼ばれる。略称UAV)等であることが可能である。移動機1は、動力モジュール11と、蓄電モジュール12と、電力受信インターフェース13とからなる。移動機1は、動力モジュール11によって移動を行う(例えば電気自動車の運行や無人航空機の飛行)。蓄電モジュール12は、動力モジュール11と電気的に接続されるとともに、動力モジュール11に電力を提供し、これにより動力モジュール11が電力駆動によって移動機1を移動させる。本実施例において、蓄電モジュール12は、リチウム電池(lithium ion battery)、或はその他の類似物である。電力受信インターフェース13は、蓄電モジュール12と電気的に接続される。これにより、蓄電モジュール12に保存された電力が不足した時、移動機1の操作者は電力受信インターフェース13を通して蓄電モジュール12を充電することが出来る。
【0019】
上述を受けて更に述べる。移動機充電システム3は、停留台31と、充電装置32とからなる。このうち、停留台31は、移動機1を停留させるために用いられるとともに、実際に実施される時には、停留台31は、車両・船舶・航空機が停留(docking・parking・landing等)するための拠点であるか、或は本実施例と同様に、移動機1(UAV)を乗せるための台座体が設けられる。それぞれの実施形態に応じて、適切な調整が行われる。尚、前記停留「台」という語は、本発明の具体的構造を限定するものではないことを予め明記しておく。本発明の充電装置32は、電力発信インターフェース321と、電力測定器322とからなる。移動機1が停留台31に停留した時、電力発信インターフェース321は、電力受信インターフェース13を通して蓄電モジュール12に対する充電を行うことが出来る。本実施例において、電力受信インターフェース13は誘導充電コイル(induction charging coil)であり、充電装置32と移動機1の間では近距離通信技術(near field communication)を用いた無線方式によって電力誘導と電力伝送が行われる。以上により、移動機1の操作者は、わざわざ手動で電源供給コードを移動機1に差し込まずとも、移動機1を停留台31に停留させるだけで、移動機1の蓄電モジュール12の電力を補給することが可能であるため、操作上の利便性が大幅に向上する。このほか、本実施例は、近距離通信技術を用いて電力伝送を行うため、「識別」等の種々の付加機能を付け加えるのに有利であり、これにより本発明の実用性が向上する。ただし、実際に実施される時、本発明はこれに限られず、近距離通信技術以外のその他の無線充電技術を用いることも可能であり、本技術分野に携わる者が容易に思いつく変化は、いずれも本発明が保護されるべき範囲内に属する。更に加えて、充電装置32の電力源は、電力ケーブルから得られるほか、停留台31に設けられたソーラーパネルS(
図3参照)が補助的な電力源となることも可能である。本実施例において、ソーラーパネルSは、停留台31の一角に設けられる。ただし、実際に実施される時にはこれに限られず、停留台31の表面全体がソーラーパネルSとして設けられることも可能であり、更にまた、吊り掛け式に停留台31本体の両側に外部接続されることも可能であり、設置者の需要に応じて自由に変化を加えることが可能である。また、接続されたケーブルは、電力提供のほか、電力コードのネットワークを構成することも可能であるため、停留台31上に関連するネットワーク設備を設けて、無線ネットワークのホットスポット等の機能を付加することが出来る。
【0020】
引き続き述べる。本実施例において、移動機1は、更に容量素子15を含む。容量素子15は、電力受信インターフェース13と電気的に接続されるとともに、簡易取外し式のコネクタ(図示せず)によって蓄電モジュール12と電気的に接続されることで、設備メンテナンス等で解体作業を行う時、容量素子15・蓄電モジュール12の両方或はいずれかを、より手軽に取外すことが出来る。本実施例において、容量素子15はスーパーキャパシタ(supercapacitor)である。電力受信インターフェース13が電力発信インターフェース321から送られた電力を受信した時、容量素子15は電力誘導素子が受信した電力を一時的に保存した後に、電力を蓄電モジュール12へ向けて放出することが出来る。以上により、移動機1の蓄電システム(容量素子15と蓄電モジュール12からなる)は、充放電サイクルをより多く行うことが可能になるため、耐久性が向上する。加えて言えば、蓄電容量を向上させて、移動機1の連続作動時間を延長させ、且つ移動機1の体積を縮小させるため、移動機1は、容量素子15が移動機1のケース体となるように設けられることも可能であり、これにより前述の目的が同時に達成される。更に進んで言えば、本実施例において、容量素子15は、更に制御素子(図示せず)を含む。前記制御素子は、容量素子15における電力受信インターフェース13からの電力受信・蓄電モジュール12への電力放出の両方或はいずれかを制御することが可能であるほか、容量素子15の健康状態を持続的に確認することが出来る。以上により、本発明の移動機充電システム3が本実施例の移動機1に用いられた時、スーパーキャパシタは、普通の電池のように簡単な化学反応を通して充電を行うのではなく、電磁場環境において素早くエネルギーを蓄えるため、前述の無線充電技術と組合されることで、移動機1が素早く必要な電力を得られるようになる。
【0021】
再び
図2を参照する。本発明の電力測定器322は、電力発信インターフェース321と電気的に接続されることで、電力発信インターフェース321を通して発された電量を測定する。本実施例において、電力測定器322は、スマートメーター(advanced meter)であることが可能である。以上により、電力発信インターフェース321が発した電量を測定することで、移動機充電システム3を導入したサービス提供者は、移動機1の操作者から徴収すべき費用の金額を計算することが出来る。
図3を参照する。本実施例において、本発明の停留台31は、具体的な台座体であり、充電装置32は、前記台座体(即ち停留台31)の内部に設けられる。ただし実際に実施される時には、充電装置32は、停留台31に近い外部の位置に独立して設けられることも可能であり、停留台31に停留した移動機1を充電することが出来れば、いずれも本発明の構想に合致する。
【0022】
(実施例2)
再び
図2を参照する。本発明の実施例において、移動機1は、更に移動機1と対応した識別タグ14を含むとともに、移動機充電システム3には、識別モジュール33が設けられる。実際に実施される時には、無線通信による識別(Radio Frequency Identification、略称RFID)タグと省電力ブルートゥース(Bluetooth Low Energy、略称BLE)(登録商標)等の技術を採用することが可能である。ただし、本発明はこれに限られないことを予め明記しておく。前述を受けて述べると、本実施例において、識別モジュール33は停留台31に設けられる。移動機1が停留台31に停留した時、識別モジュール33は移動機1の識別タグ14を探知測定することが可能であり、且つ識別タグ14を識別した後、充電装置32に移動機1の充電を実行させる。このほか、移動機充電システム3は、更にサーバー装置34を含む。サーバー装置34には、保存ユニット341が設けられ、保存ユニット341には複数個のアカウントデータが保存される。サーバー装置34は、ネットワークを通して識別モジュール33及び充電装置32と接続される。本発明の移動機充電システム3が実際に作動する時、識別モジュール33は、識別タグ14を探知測定した後に弁別信号を発する。更にサーバー装置34は、ネットワークを通して前記弁別信号を受信するとともに、前記弁別信号を保存ユニット341に保存し、且つ前記弁別信号を保存ユニット341に保存された複数の前記アカウントデータと比較検証する。例を挙げて言えば、移動機1の操作者は、移動機充電システム3のサービス提供者にアカウント作成の申請をするとともに移動機1の識別タグ14を提供し、これにより移動機充電システム3のサービス提供者は、サーバー装置34の保存ユニット341に識別タグ14と対応したアカウントデータを作成し、この後、移動機1の操作者は、前記アカウントデータにチャージすることが可能になる。移動機1の操作者が移動機1を停留台31に停留させて、サーバー装置34が前記弁別信号を受信した時、サーバー装置34は、まず前記弁別信号が前記アカウントデータと確かに対応していることを判断し、加えて、前記アカウントデータ内にある残額を判断して、前記弁別信号が確かに検証をパスしたことを確認する。
【0023】
上述を受けて、更にサーバー装置34は、前記弁別信号が検証をパスしたと判断した後、充電開始信号を充電装置32に向けて発し、これにより充電装置32は、前記充電開始信号を受信した後、移動機1に対する充電を開始する。本実施例において、充電装置32は、電力測定器322が測定した充電値(即ち電力発信インターフェース321が発した電量)に基づいて充電データを産出し、且つ充電装置32は、前記充電データをサーバー装置34に伝送する。更に、サーバー装置34は、前記充電データを受信した後、前記充電データを保存ユニット341に保存し、且つ前記充電データと前記弁別信号に対応した前記アカウントデータとを互いに対応させる。実際に実施される時には、サーバー装置34を通して、対応する前記アカウントデータ内の残額から直接料金が引かれるか、或は先に前記充電データを保存してから、後で改めて統計を行うとともに、移動機充電システム3のサービス提供者が別途移動機1の操作者から料金を徴収することも可能である。これにより、効果的に移動機充電システム3がサービスを提供すべき対象を弁別可能であるだけでなく、より効果的に対応する料金支払モデルを構築することが可能である。また、商業化の運営に有利であり、本発明の産業上の利用性が更に向上する。
【0024】
(実施例3)
再び
図2と
図3を参照する。本実施例において、停留台31には更に誘導モジュール35が設けられることで、移動機1が停留台31に停留するよう誘導する。本実施例では、複数個のLEDによる案内灯が本発明の誘導モジュール35として採用されることで、移動機1の操作者が停留台31の位置を容易に認識可能であるとともに、スムーズに移動機1を停留台31に停留させることが出来る。ただし実際に実施される時には、その他の目印となる平面或は立体図形の標示を採用するか、場合によっては帰航標識(homing beacon)等を設けて、誘導モジュール35として用いることにより、操作者が移動機1を停留台31に停留させる際の手助けとすることが可能である。
【0025】
(実施例4)
図3を参照する。停留台31には、更に水平校正モジュール36が設けられる。本実施例では、自動水平校正アームが本発明の水平校正モジュール36として採用されるとともに、前記自動水平校正アームによって停留台31の水平傾斜角度の探知測定及び調整が行われることで、移動機1が停留台31に停留した時、重量や衝撃が原因で停留台31が傾いて、移動機1が停留台31から滑り落ちてしまうことを防止する。再び
図2を参照する。移動機1が停留台31に停留する際の安定度をより向上させるために、本実施例において、停留台31には更に、固定部品37(
図3には表示せず)が設けられる。固定部品37は、固定アームやその他の嵌合部品であるか、場合によっては移動機1と合わせて設けられた磁性部品であることが可能である。これにより、移動機1が停留台31に停留した時、固定部品37によって、移動機1を安定的に停留台31上に位置決めすることが出来る。
【0026】
(実施例5)
再び
図2と
図3を参照する。移動機充電システム3は更に、撮影モジュール38と、映像処理装置39とを含む。撮影モジュール38は、停留台31に設けられることで、停留台31周辺の撮影範囲内の映像を撮影するとともに、撮影した映像に基づいて映像信号を産出する。本実施例において、撮影モジュール38は、停留台31周辺におけるほぼ360度の視線範囲にある空域を撮影可能であるため、移動機1が停留台31に近づいた時、いずれの場合でも即時的且つ死角無く移動機1の映像を撮影することが出来る。映像処理装置39は、ネットワークを通して撮影モジュール38と接続されるとともに、ネットワークを通して前記映像信号を受信することが出来る。
【0027】
前述を更に受けて述べる。実施例において、映像処理装置39には、再生モジュール391が設けられることで、再生モジュール391を通して撮影モジュール38から受信した前記映像信号を再生することも可能である。例を挙げて言えば、映像処理装置39は、携帯電話(mobile phone)やタブレット型パソコン(tablet)、或は移動機1を操作制御するためのコントローラーに取付けられた表示装置であることが可能である。また映像処理装置39には、前記映像信号の受信再生が可能なソフトウェアがインストールされる。これにより、移動機1の操作者は、映像処理装置39を通して撮影モジュール38が撮影した映像画面を見ることが出来る。以上により、安全性を考慮する場合や、移動機1を監視制御する必要がある時(例えば、地方政府がUAV規制のために、UAVの操作者に対して常時UAVを視認可能な管理下に置くよう法令によって求めた場合)、移動機1の操作者は、映像処理装置39を通して即時的に移動機1を監視することが出来る。
【0028】
更にまた、その他の実施例において、映像処理装置39は、同時に複数の停留台31における撮影モジュール38と互いに接続されて、各撮影モジュール38が産出した映像信号をそれぞれ受信することも可能である。実際に実施される時には、映像処理装置39の再生モジュール391は、画面分割を通して、各撮影モジュール38から受信した各前記映像信号を同時に再生するか、或は組込みソフトウェアが提供するプルダウンメニューを通して、移動機1の操作者が撮影モジュール38から送信された特定の映像信号を自由に選択して再生することが出来る。以上により、移動機1の操作者は、再生モジュール391を通して、異なる撮影角度における移動機1の取得画面を同時に見ることで、移動機1の運行状況をきちんと把握することが出来る。特筆すべき点は、本実施例において、映像処理装置39は、停留台31の撮影モジュール38と直接接続されており、停留台31によって撮影モジュール38の取得した映像信号がサーバー装置34に伝送されてから、サーバー装置34によってネットワークを通して映像信号が映像処理装置39に伝送されるのではないということである。よって、更に効果的なデータ伝送が可能であり、移動機1の操作者は、最も即時性の高い映像画面を見ることが出来る。これにより、予め設けられた複数の停留台31と対応する撮影モジュール38を通して、ネットワーク状システムが構成されることで、撮影モジュール38が産出した映像信号を統合して、より精確な、或はより広範な監視制御を行うことが可能であるため、移動機1の移動経路に対する監視制御の効果を高めることが出来る。
【0029】
(実施例6)
更に付記すれば、より全面的・普遍的に本発明の移動機充電システム3を設置して、移動機1の操作者が時間・場所を問わずに本発明の移動機充電システム3を利用して移動機1の充電を行うことが出来るように、本実施例では、複数の停留台31が複数の街灯設備4上にそれぞれ設けられる(
図4を参照)。移動機1の操作者が移動機1を操作して比較的遠距離にある目的地Gに移動させようとする時、移動機1の移動過程において、移動機1の残電力が不足した場合でも、前記操作者は移動機1をいずれか一つの街灯設備4に設けられた停留台31上に停留させるだけで、手軽に移動機1の電力補給を行うことが出来る。特筆すべき点は、街灯設備4の普及性を利用することで、別途費用を掛けたりスペースを設けたりせずとも、迅速に本発明の移動機充電システム3を導入可能なことである。よって、現代都市建設を推し進める際に最も直面することの多い費用とスペース利用の問題を効果的に解決出来る。
【符号の説明】
【0030】
(従来技術)
1 移動機
2 充電設備
G 目標地
(本発明)
1 移動機
11 動力モジュール
12 蓄電モジュール
13 電力受信インターフェース
14 識別タグ
15 容量素子
3 移動機充電システム
31 停留台
32 充電装置
321 電力発信インターフェース
322 電力測定器
33 識別モジュール
34 サーバー装置
341 保存ユニット
35 誘導モジュール
36 水平校正モジュール
37 固定部品
38 撮影モジュール
39 映像処理装置
391 再生モジュール
4 街灯設備
G 目的地
S ソーラーパネル
【手続補正書】
【提出日】2017年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動機に用いられる移動機充電システムであって、
前記移動機は、動力モジュールと、蓄電モジュールと、電力受信インターフェースとからなるとともに、前記移動機は、前記動力モジュールによって移動を行い、
前記蓄電モジュールは、前記動力モジュールと電気的に接続されるとともに、前記動力モジュールに電力を提供し、
前記電力受信インターフェースは、前記蓄電モジュールと電気的に接続されるとともに、無線方式によって電力の誘導と受信を行い、
前記移動機充電システムは、停留台と、充電装置とからなり、
前記停留台は、前記移動機が停留するために用いられ、
前記充電装置は、電力発信インターフェースと、電力測定器とからなり、
更に、前記移動機が前記停留台に停留した時、前記電力発信インターフェースは、前記電力受信インターフェースを通して前記蓄電モジュールに対する充電を行い、
前記電力測定器は、前記電力発信インターフェースを通して発された電量を測定するために、前記電力発信インターフェースと電気的に接続され、
更に、前記移動機充電システムは、水平校正モジュールを含み、
前記水平校正モジュールは、前記停留台の水平傾斜角度を自動で探知測定して調整するために、前記停留台に設けられている
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記移動機は、前記移動機と対応した識別タグを含むとともに、
前記移動機充電システムは、更に識別モジュールを含み、
前記識別モジュールは、前記停留台に設けられるとともに、
前記移動機が前記停留台に停留した時、前記識別モジュールは、前記移動機の前記識別タグを探知測定し、且つ前記識別タグを識別した後、前記充電装置に前記移動機の充電を実行させる
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項3】
請求項2に記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記移動機充電システムは、サーバー装置を含み、
前記サーバー装置には、保存ユニットが設けられ、
前記保存ユニットには、複数個のアカウントデータが保存され、
前記サーバー装置は、ネットワークを通して前記識別モジュール及び前記充電装置と接続されるとともに、前記識別モジュールが前記識別タグを探知測定した後に発した弁別信号を受信し、且つ前記弁別信号を前記保存ユニットに保存された複数の前記アカウントデータと比較検証し、
更に、前記サーバー装置は、前記弁別信号が検証をパスしたと判断した時に充電開始信号を前記充電装置へ送信し、これにより前記充電装置が駆動して前記移動機に対する充電が行われる
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項4】
請求項3に記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記充電装置は、前記電力発信インターフェースが発した電量に基づいて、充電データを産出し、且つ前記充電装置は、前記充電データを前記サーバー装置へ伝送し、
また更に、前記サーバー装置は、前記充電データを受信した後に、前記充電データを前記保存ユニットに保存し、且つ前記充電データと前記弁別信号に対応した前記アカウントデータとを互いに対応させる
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項5】
請求項1に記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記移動機充電システムは、誘導モジュールを含み、
前記誘導モジュールは、前記移動機が前記停留台に停留するよう誘導するために、前記停留台に設けられる
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項6】
請求項1に記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記移動機充電システムは、固定部品を含み、
前記固定部品は、前記停留台に設けられ、
前記移動機が前記停留台に停留した時、前記固定部品によって前記移動機は前記停留台に固定される
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項7】
請求項1に記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記移動機充電システムは、撮影モジュールと、映像処理装置とを含み、
前記撮影モジュールは、前記停留台に設けられるとともに、前記停留台周辺の撮影範囲内における映像を撮影し、且つこれに応じた映像信号を産出し、
前記映像処理装置は、ネットワークを通して前記撮影モジュールと接続されるとともに、前記撮影モジュールが産出した前記映像信号を受信し、且つ前記映像処理装置には、再生モジュールが設けられ、
前記再生モジュールは、前記撮影モジュールから受信した前記映像信号を再生する
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項8】
請求項7に記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記映像処理装置は、同時に複数の停留台における前記撮影モジュールと互いに接続されるとともに、各前記撮影モジュールが産出した前記映像信号をそれぞれ受信する
ことを特徴とする移動機充電システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の移動機充電システムにおいて、
更に、前記停留台は、街灯設備に設けられる
ことを特徴とする移動機充電システム。