特開2017-221125(P2017-221125A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221125(P2017-221125A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】営巣防止具
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/32 20110101AFI20171124BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   A01M29/32
   H02G7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-117670(P2016-117670)
(22)【出願日】2016年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大畑 智洋
(72)【発明者】
【氏名】小原 剛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 正一
(72)【発明者】
【氏名】高井 重忠
(72)【発明者】
【氏名】矢田 勝
(72)【発明者】
【氏名】持田 隆
(72)【発明者】
【氏名】田原 康浩
(72)【発明者】
【氏名】宮野 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 翼
【テーマコード(参考)】
2B121
5G367
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121BB27
2B121BB29
2B121BB32
2B121EA21
2B121FA12
5G367BB11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鉄塔を構成する鋼材から吊り下げられる揺動体により営巣を防止する鳥類の営巣を防止具を提供する。
【解決手段】トラス構造物を構成する上側骨部材112と上側骨部材112よりも下側に配置される下側骨部材113との間に配置されて、揺動体30と、上側骨部材112から揺動体30を吊り下げる吊紐20と、上側骨部材112における吊紐20の接続位置を中心として揺動する揺動体30がトラス構造物に接触しないように揺動体30と下側骨部材との間で揺動体30が揺動するエリアを制限する制限紐40とを備えた鳥類の営巣を防止する営巣防止具。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラス構造物を構成する第1骨部材と前記第1骨部材よりも下側に配置される第2骨部材との間に配置されて、鳥類の営巣を防止する営巣防止具であって、
揺動体と、
前記第1骨部材から前記揺動体を吊り下げる吊紐と、
前記第1骨部材における前記吊紐の接続位置を中心として揺動する前記揺動体が前記トラス構造物に接触しないように、前記揺動体と前記第2骨部材との間で前記揺動体が揺動するエリアを制限する制限紐と、
を備えることを特徴とする営巣防止具。
【請求項2】
前記揺動体は、円錐形状を呈するとともに、円錐の頂点部で吊り下げられ、円錐の底面の中央部に前記制限紐が接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の営巣防止具。
【請求項3】
前記揺動体が揺動した際に、前記トラス構造物に前記揺動体が最も近づくように、前記吊紐の長さを調整する吊紐調整部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の営巣防止具。
【請求項4】
前記揺動体が揺動した際に、前記トラス構造物に前記揺動体が最も近づくように、前記制限紐の長さを調整する制限紐調整部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の営巣防止具。
【請求項5】
前記揺動体は、ゴム製の電気絶縁材料で形成される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の営巣防止具。
【請求項6】
前記吊紐および前記制限紐は、電気絶縁材料で形成される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の営巣防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営巣防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鉄塔などの鋼材に設ける鳥害防止具が知られている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−342157号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、鉄塔などにおける比較的水平部分に、カラスが通り抜けられる程度の大きさの径を有するリング部材を吊り下げて営巣を防止する鳥害防止装置が開示されている。しかし、特許文献1に係る鳥害防止装置では、リング部材の動きにより、一定の範囲における鳥害防止を図ることはできるものの、受風面積が狭小のリング形状のために、揺動範囲が小さいことから鳥類への威嚇が図れない虞があった。また、リング部材を吊るしているのみであり、リング部材の揺動による鉄塔部材への絡み付きや、鉄塔部材との干渉による接触音を生じさせる虞もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、トラス構造物を構成する第1骨部材と前記第1骨部材よりも下側に配置される第2骨部材との間に配置されて、鳥類の営巣を防止する営巣防止具であって、揺動体と、前記第1骨部材から前記揺動体を吊り下げる吊紐と、前記第1骨部材における前記吊紐の接続位置を中心として揺動する前記揺動体が前記トラス構造物に接触しないように、前記揺動体と前記第2骨部材との間で前記揺動体が揺動するエリアを制限する制限紐と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、広い受風面積を有する揺動体が鉄塔を構成する鋼材から吊り下げられるとともに、揺動範囲を制限する制限紐を揺動体の下部に設けることで、鉄塔部材との干渉を回避することが可能になり、安全に営巣を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る営巣防止具が配置される鉄塔を正面から見た一例を示す正面図である。
図2】本実施形態に係る営巣防止具が配置される鉄塔を側面から見た一例を示す側面図である。
図3】本実施形態に係る営巣防止具の一例を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る営巣防止具が鉄塔に配置された状態を正面から見た一例を示す正面図である。
図5】本実施形態に係る営巣防止具が鉄塔に配置された状態を上方向から見た一例を示す平面図である。
図6】本実施形態に係る営巣防止具が鉄塔に配置された状態を正面から見た一例を示す正面図である。
図7】本実施形態に係る営巣防止具が鉄塔に配置された状態を側面から見た一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
===営巣防止具10===
以下、図1図7を参照しつつ、本実施形態に係る営巣防止具10について説明する。
【0011】
営巣防止具10は、例えば、鉄塔あるいは鉄構などの所謂トラス構造物において、カラスなどの鳥類による営巣を防止するための道具である。以下、説明の便宜上、鉄塔100に営巣防止具10を設置する場合についてのみ説明するが、鉄構あるいは他のトラス構造物においても同様に用いられることとし、その説明を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る営巣防止具10が配置される鉄塔100を正面から見た一例を示す正面図である。図2は、本実施形態に係る営巣防止具10が配置される鉄塔100を側面から見た一例を示す側面図である。図3は、本実施形態に係る営巣防止具10の一例を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る営巣防止具10が鉄塔100に配置された状態を正面から見た一例を示す正面図である。図5は、本実施形態に係る営巣防止具10が鉄塔100に配置された状態を上方向から見た一例を示す平面図である。図6は、本実施形態に係る営巣防止具10が鉄塔100に配置された状態を正面から見た一例を示す正面図である。図7は、本実施形態に係る営巣防止具10が鉄塔100に配置された状態を側面から見た一例を示す側面図である。なお、図3において、実線で示される営巣防止具10は揺動していないときの状態を示し、破線で示される営巣防止具10は揺動したときの状態の一例を示している。また、図4において、破線で示される揺動体30は、制限紐40が最も張り詰めたときの状態の一例を示している。
【0013】
なお、以下説明において、図中のX軸、Y軸、Z軸はそれぞれ、営巣防止具10が設置された状態において、X軸が下側骨部材113の長手方向に沿う軸であり、Y軸が鉄塔100の高さ方向に沿う軸であり、Z軸はX軸及びY軸に直交する軸である。また、以下説明では、それぞれ単に「X方向」、「Y方向」、「Z方向」と表し、矢印の示す方向を+方向、矢印と逆の方向を−方向と表す。また、Y方向の+側を「上方向」と表すことがある。
【0014】
また、図1図7において、同一の部材については同一の数字を付して説明する。
【0015】
図1図2に示されるように、カラスなどの鳥類は、鉄塔100を構成する骨部材同士が交わる箇所(B角〜E角、F角〜I角(不図示)など)において、小枝や針金などを用いて営巣する。なお、I角(不図示)とは、F角と対角に位置し、F角、G角およびH角とともに後述する仮平面121を形成する角である。鉄塔100は、骨部材のそれぞれの端部もしくは中間部が係りあって構成されている。鳥類は、複数の骨部材により形成される空間(以下、「営巣空間」と称する。)に営巣する。なお、営巣空間とは、例えば、図1および図2に示されるように、A角〜E角で囲まれる領域や、B角〜I角(不図示)で囲まれる領域をいう。
【0016】
図3に示されるように、営巣防止具10は、例えば、B角〜I角(不図示)で形成される営巣空間120(図4を参照)を形成する上側(+Y方向の側)の骨部材(以下、「上側骨部材112」と称する。)と下側(−Y方向の側)の骨部材(以下、「下側骨部材113」と称する。)との間に配置されて、風圧などの外力により揺れ動くことで鳥類による営巣作業を妨害する。なお、上側骨部材112とは、例えばB角とE角とを結ぶ対角補助材であって、例えばL型鋼である。同様に、下側骨部材113とは、例えばF角とI角(不図示)とを結ぶ対角補助材であって、例えばL型鋼である。
【0017】
==構成==
上述した営巣防止具10は、例えば、吊紐20と、揺動体30と、制限紐40と、吊紐調整部50と、制限紐調整部60と、を含んで構成される。
【0018】
<<吊紐20>>
図3を参照しつつ、本実施形態に係る吊紐20について、以下のとおり説明する。
【0019】
図3に示されるように、吊紐20は、鉄塔100を構成する上側骨部材112に後述する揺動体30を吊り下げるための部材である。吊紐20は、例えば電気絶縁材料で形成される紐状の部材である。電気絶縁材料とは、例えば、ビニル系、ポリスチレン系、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの絶縁性の物質で構成される材料を示す。なお、電気絶縁材料は、特定の物質を限定するものではなく電気的絶縁性能を有していればよい。吊紐20は、一端部が上側骨部材112に接続され、他端部が揺動体30に接続される。吊紐20の一端部は、上側骨部材112に巻きつけられるとともに、後述する吊紐調節部を用いて上側骨部材112に圧接するように接続される。これにより、吊紐20は、上側骨部材112に圧接するため、上側骨部材112の長手方向へスライドしないように固定される。吊紐20の他端部は、揺動体30の吊孔31に挿通されるとともに、吊孔31から当該他端部が外れないように、他端部の末端がかしめて処理されている。なお、末端のかしめ処理は、例えば製造段階において処理して製造されるものとする。そして、吊紐20は、例えば、後述する揺動体30が下側骨部材113に接近できるように、調整可能な長さを有する。
【0020】
<<揺動体30>>
図3図4図5を参照しつつ、本実施形態に係る揺動体30について、以下のとおり説明する。
【0021】
図3に示されるように、揺動体30は、吊紐20で吊り下げられるように設けられ、営巣空間における鳥類の営巣作業を、その揺動(例えば、「回動」ともいう。)により妨害する部材である。揺動体30は、例えばゴム製の電気絶縁材料で形成され、例えば円錐形状を呈する。ゴム製を用いるため、揺動体30がトラス構造物に接触しても接触音を生じない。また、円錐形状を呈しているため、揺動体30がトラス構造物の角へ接近しやすくなる。なお、揺動体30は、その内部が中空か否かを限定されるものではない。つまり、揺動体30は、風圧を効率良く受けられるような面を有する形状のものであればよい。揺動体30は、鉄塔100の規模や営巣空間の大きさに応じて、頂点から底面33までの長さ及び底面33の大きさが決められるものであって、その大きさが限定されるものではない。揺動体30は、円錐形状の頂点部に吊紐20が挿通される吊孔31を有する。そして、揺動体30は、円錐形状の底面33の中央部から突出するように、後述する制限紐40が固定される巻付部32が設けられている。巻付部32は、後述する制限紐40が挿通する巻付孔32Aを有する。
【0022】
図4図5に示されるように、A角から吊り下げられる場合、揺動体30は、B角〜E角で囲まれる仮平面111と、揺動体30の底面33と、が平行となるように配置される。そして、揺動体30の底面33が仮平面111とできるだけ接近して配置されるように、吊紐20の長さが調整されている。また、接続点から吊り下げられる場合、揺動体30は、F角〜I角(不図示)で囲まれる仮平面121と、揺動体30の底面33と、が平行となるように配置される。つまり、揺動体30は、他の営巣空間においても同様に、吊り下げられる方向(−Y方向)における、複数の角で形成される仮平面と揺動体30の底面33とができるだけ接近するように吊紐20の長さが調整されつつ、それぞれが平行となるように配置される。これにより、揺動体30が営巣空間の角に接近しやすくなる。
【0023】
<<制限紐40>>
図3図4図5を参照しつつ、本実施形態に係る制限紐40について、以下のとおり説明する。
【0024】
図3に示されるように、制限紐40は、揺動体30が揺動するエリアを制限するための部材である。制限紐40は、例えば電気絶縁材料で形成される紐状の部材である。電気絶縁材料とは、例えば、ビニル系、ポリスチレン系、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの絶縁性の物質で構成される材料を示す。なお、電気絶縁材料は、特定の物質を限定するものではなく電気的絶縁性能を有していればよい。制限紐40は、一端部が揺動体30に接続され、他端部が下側骨部材113に接続される。制限紐40の一端部は、揺動体30の巻付孔32Aに挿通されるとともに、巻付孔32Aから当該一端部が外れないように、一端部の末端がかしめて処理されている。なお、末端のかしめ処理は、例えば製造段階において処理して製造されるものとする。制限紐40の他端部は、下側骨部材113に巻きつけられるとともに、後述する制限紐調節部60を用いて下側骨部材113に圧接するように接続される。これにより、制限紐40は、下側骨部材113に圧接するため、長手方向(X方向)へスライドしないように固定される。
【0025】
図4図5に示されるように、制限紐40は、それぞれの営巣空間において、揺動体30が揺動するときに、揺動体30が営巣空間を形成するいずれの骨部材とも接触しないように、揺動体30の揺動範囲を制限する機能を有する。そして、制限紐40は、仮平面を形成するそれぞれの角に揺動体30ができるだけ接近するように、その長さが調整される。具体的に述べると、A角〜E角で形成される営巣空間110において、制限紐40は、揺動体30が揺動したときに、例えば揺動体30がA角とC角とを結ぶAC骨部材110Bと接触しないように、揺動範囲を制限する(図4参照)。そして、制限紐40は、例えば揺動体30が角Cにできるだけ接近するように、その長さが調整される(図5参照)。なお、揺動体30と、AB骨部材110A、AD骨部材110CおよびAE骨部材110Dと、の関係においても同様である。また、B角〜I角(不図示)で形成される営巣空間120において、制限紐40は、揺動体30が揺動したときに、揺動体30がB角とF角とを結ぶBF骨部材121Aと接触しないように、揺動範囲を制限する(図4参照)。そして、制限紐40は、揺動体30が角Fにできるだけ接近するように、その長さが調整される。なお、揺動体30と、CG骨部材121B、DH骨部材121C(不図示)およびEI骨部材121D(不図示)と、の関係においても同様である。また、他の営巣空間においても同様に制限紐40が設けられる。
【0026】
<<吊紐調整部50>>
図3を参照しつつ、本実施形態に係る吊紐調整部50について、以下のとおり説明する。
【0027】
図3に示されるように、吊紐調整部50は、吊紐20の長さを調整するための部材である。なお、吊紐20の長さとは、揺動体30が吊り下げられた状態において、上側骨部材112から吊孔31までの距離に相当する長さをいう。吊紐調整部50は、例えば電気絶縁材料で形成されている。吊紐調整部50は、例えば吊紐20を所定の長さで固定するストッパー51を備える調整具である。具体的に述べると、上側骨部材112に吊紐20を固定する際に、作業員は、吊紐調整部50の一方の孔52に吊紐20を挿通しつつ、上側骨部材112に吊紐20を巻付けて、他方の孔53に吊紐20を挿通するとともに吊紐20の長さを調整する。そして、所望の吊紐20の長さで吊紐20を上側骨部材112に圧接させるとともに、ストッパー51を作用させる。これにより、吊紐調整部50は、吊紐20を所望の長さに調整しつつ、吊紐20を上側骨部材112に固定できる。つまり、作業員は、吊紐調整部50を用いて、揺動体30の底面33が仮平面(例えば仮平面111)にできるだけ接近するように、吊紐20の長さを調整できる。
【0028】
<<制限紐調整部60>>
図3図4を参照しつつ、本実施形態に係る制限紐調整部60について、以下のとおり説明する。
【0029】
図3に示されるように、制限紐調整部60は、制限紐40の長さを調整するための部材である。なお、制限紐40の長さとは、揺動体30が最も近い角に最も接近した状態において、下側骨部材113における制限紐40の接続点から巻付孔32Aまでの距離に相当する長さをいう。制限紐調整部60は、例えば電気絶縁材料で形成されている。制限紐調整部60は、例えば制限紐40を所定の長さで固定するためのストッパー61を備える調整具である。具体的に述べると、下側骨部材113に制限紐40を固定する際に、作業員は、制限紐調整部60の一方の孔62に制限紐40を挿通しつつ、下側骨部材113に制限紐40を巻付けて、他方の孔63に制限紐40を挿通するとともに制限紐40の長さを調整する。そして、所望の制限紐40の長さで制限紐40を下側骨部材113に圧接させるとともに、ストッパー61を作用させる。これにより、制限紐調整部60は、制限紐40を所望の長さに調整しつつ、制限紐40を下側骨部材113に固定できる。
【0030】
図4図5に示されるように、作業員は、制限紐調整部60を用いて、制限紐40が仮平面(例えば仮平面111)を形成するそれぞれの角にできるだけ揺動体30が接近するように、制限紐40の長さを調整できる。
【0031】
上述したように、営巣防止具10は、上側骨部材112と吊紐20との接続点を中心として揺動体30が揺動するとき、営巣空間におけるそれぞれの角に揺動体30を最も接近させるために、揺動体30と営巣空間の−Y方向側の仮平面とが最も接近するように、吊紐調整部50で吊紐20の長さを調整して配置される。その状況において、揺動体30がそれぞれの骨部材(例えばBF骨部材121A〜EI骨部材121D(不図示))に最も接近するときの回動角(Y軸に沿う仮線と吊紐20とが成す角)をθとしたときに、θを超える回動角では、揺動体30と骨部材とが接触してしまう。そこで、制限紐調整部60で制限紐40の長さを調整することにより、制限紐40は、θを超えない範囲に回動角を制限することで、揺動体30と骨部材との接触を回避しつつ、揺動体30をそれぞれの角に最も接近させることができる。
【0032】
==使用手順==
以下、図6図7を参照しつつ、実施形態に係る営巣防止具10の使用手順について、説明する。
【0033】
作業員は、鳥類の営巣を防止するために、トラス構造物の例えば鉄塔100に営巣防止具10を設置する。先ず、作業員は、営巣防止具10の設置対象の鉄塔100を確認する。作業員は、例えば鉄塔に付属する昇降設備により、所定の高さまで上る。
【0034】
作業員は、例えばA角〜E角で形成される営巣空間110において、上側骨部材112(A角に配置される骨部材)に吊紐20を巻付ける。作業員は、吊紐20を巻付けつつ、吊紐20の端部を吊紐調整部50に挿通する。作業員は、吊紐20を挿通方向へ引っ張りながら、営巣空間110のY方向の長さに応じて吊紐20の長さを調整する。作業員は、吊紐20の長さを調整した後に、吊紐20の端部を、さらに挿通方向へ引っ張ることで、上側骨部材112に吊紐20を圧接させる。これにより、吊紐20は、上側骨部材112に対してズレ動かなくなる。
【0035】
次に、作業員は、B角〜E角で形成される仮平面111に配置される下側骨部材113(例えば対角補助材)に制限紐40を巻付ける。作業員は、制限紐40を巻付けつつ、制限紐40の端部を制限紐調整部60に挿通する。作業員は、制限紐40を挿通方向へ引っ張りながら、営巣空間のX方向の長さに応じて制限紐40の長さを調整する。つまり、上述したように、作業員は、制限紐40がピンと張られた状態で、営巣空間110を形成するいずれの骨部材とも接触しないように、かつ、仮平面111を形成するB角〜E角にできるだけ接近するように、制限紐40の長さを調整する。
【0036】
したがって、作業員は、上側骨部材112と吊紐20との接続点を中心として揺動体30が揺動するとき、営巣空間110におけるB角〜E角に揺動体30を最も接近させるために、揺動体30と仮平面111とが最も接近するように、吊紐調整部50で吊紐20の長さを調整して配置する。その状況において、揺動体30がAB骨部材110A〜AE骨部材110Dに最も接近するときの回動角(Y軸に沿う仮線と吊紐20とが成す角)をθとしたときに、θを超える回動角では、揺動体30とAB骨部材110A〜AE骨部材110Dとが接触してしまう。そこで、制限紐調整部60で制限紐40の長さを調整することにより、作業員は、制限紐40を用いて、θを超えない範囲に回動角を制限することで、揺動体30とAB骨部材110A〜AE骨部材110Dとの接触を回避しつつ、揺動体30をB角〜E角に最も接近させることができる。
【0037】
図6図7に示すように、作業員は、上記の作業をそれぞれの営巣空間において実施することにより、鉄塔100に営巣防止具10が配置される。なお、上記においては、鉄塔100への営巣防止具10の設置手順を示したが、鉄構及びその他のトラス構造物についても同様に設置される。
【0038】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下に示すようなものも含まれる。
【0039】
===その他の実施形態===
<<吊紐20>>
上記の説明において、吊紐20の一端部が上側骨部材112に直接巻付けられるように記載したが、これに限定されない。例えば、上側骨部材112にあらかじめ設置される固定部のようなものを介して、吊紐20の一端部を鉄塔100に設置してもよい。これにより、上側骨部材112を直接的に圧接して固定するよりもスライドしにくく固定される。
【0040】
上記の説明において、吊紐20は電気絶縁材料で形成されているとして記載したが、これに限定されない。制限紐40の長さ調整により、吊紐20が鉄塔100などと接触しないため、例えば導電性材料で形成されていてもよい。
【0041】
上記の説明において、他端部の末端のかしめ処理は製造段階において処理して製造されるものとして記載したが、これに限定されない。例えば、上側骨部材112との接続に用いられる吊紐調整部50を用いて揺動体30の頂点部に圧接するように接続されていてもよい。
【0042】
<<揺動体30>>
上記の説明において、揺動体30はゴム製で形成されているとして記載したが、これに限定されない。例えば、樹脂製の電気絶縁材料で形成されていてもよい。
【0043】
上記の説明において、揺動体30は電気絶縁材料で形成されているとして記載したが、これに限定されない。例えば、制限紐40の長さ調整により、揺動体30が鉄塔100などと接触しないように配置されるため、例えば導電性材料で形成されていてもよい。
【0044】
上記の説明において、揺動体30は円錐形状を呈しているとして記載したが、これに限定されない。例えば、三角錐形状や四角錐形状、あるいは円柱形状や四角柱形状であってもよい。つまり、揺動体30は、風圧を効率よく受けるための面を有する形状のものであればよい。
【0045】
上記の説明において、揺動体30は吊紐20を挿通する吊孔31を有するとして記載したが、これに限定されない。例えば、吊紐20の他端部と揺動体30とが分離できないように、製造段階で一体的に製作されていてもよい。
【0046】
上記の説明において、揺動体30は制限紐40を挿通する巻付部32の巻付孔32Aを有するとして記載したが、これに限定されない。例えば、制限紐の一端部と揺動体30とが分離できないように、製造段階で一体的に製作されていてもよい。
【0047】
<<制限紐40>>
上記の説明において、制限紐40の他端部が下側骨部材113に直接巻付けられるように記載したが、これに限定されない。例えば、下側骨部材113にあらかじめ設置される固定部のようなものを介して、制限紐40の他端部を鉄塔100に設置してもよい。これにより、下側骨部材113を直接的に圧接して固定するよりもスライドしにくく固定される。
【0048】
上記の説明において、制限紐40は電気絶縁材料で形成されているとして記載したが、これに限定されない。制限紐40の長さ調整により、制限紐40が電線と接触しないため、例えば導電性材料で形成されていてもよい。
【0049】
上記の説明において、一端部の末端の端末処理は製造段階において処理して製造されるものとして記載したが、これに限定されない。例えば、下側骨部材113との接続に用いられる制限紐調整部50を用いて揺動体30の巻付部32に圧接するように接続されていてもよい。
【0050】
<<吊紐調整部50>>
上記の説明において、営巣防止具10は吊紐調整部50を含んで構成されているとして説明したが、これに限定されない。例えば、吊紐調整部50を含まずに構成されていてもよく、この場合、鉄塔100の大きさに応じて吊紐20の長さを製造段階において決定していればよい。
【0051】
上記の説明において、吊紐調整部50は所定の長さで固定するストッパー51が付いているとして記載したが、これに限定されない。例えば、ベルトのバックルのようなもので吊紐20の長さが固定されるものでもよく、吊紐20を上側骨部材112に巻付けつつ圧接した状態を保持できるものであればよい。
【0052】
<<制限紐調整部60>>
上記の説明において、営巣防止具10は制限紐調整部60を含んで構成されているとして説明したが、これに限定されない。例えば、制限紐調整部60を含まずに構成されていてもよく、この場合、鉄塔100の大きさに応じて制限紐40の長さを製造段階において決定していればよい。
【0053】
上記の説明において、制限紐調整部60は所定の長さで固定するストッパー61が付いているとして記載したが、これに限定されない。例えば、ベルトのバックルのようなもので制限紐40の長さが固定されるものでもよく、制限紐40を下側骨部材113に巻付けつつ圧接した状態を保持できるものであればよい。
【0054】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る営巣防止具10は、トラス構造物を構成する上側骨部材112と上側骨部材112よりも下側に配置される下側骨部材113との間に配置されて、鳥類の営巣を防止する営巣防止具10であって、揺動体30と、上側骨部材112から揺動体30を吊り下げる吊紐20と、上側骨部材112における吊紐20の接続位置を中心として揺動する揺動体30がトラス構造物に接触しないように、揺動体30と下側骨部材113との間で揺動体30が揺動するエリアを制限する制限紐40と、を備えることを特徴とする。本実施形態によれば、揺動体30に制限紐40が設けられているため、トラス構造物に接触しないように営巣空間における鳥類の営巣を防止することができることから、施設管理における安全性の向上が図れる。
【0055】
又、本実施形態に係る営巣防止具10において、揺動体30は、円錐形状を呈するとともに、円錐の頂点部で吊り下げられ、円錐の底面33の中央部に制限紐40が接続されることを特徴とする。本実施形態によれば、営巣空間のそれぞれの角に向かって、揺動体30が移動しやすくなるため、営巣を確実に防止することができることから、施設管理における安全性の向上が図れる。
【0056】
又、本実施形態に係る営巣防止具10において、揺動体30が揺動した際に、トラス構造物に揺動体30が最も近づくように、吊紐20の長さを調整する吊紐調整部50と、をさらに備えることを特徴とする。本実施形態によれば、営巣空間の大きさに応じて吊紐20を調整することができるため、異なる大きさの営巣空間ごとに営巣防止具10を製作する必要がないことから、コスト縮減が図れる。
【0057】
又、本実施形態に係る営巣防止具10において、揺動体30が揺動した際に、トラス構造物に揺動体30が最も近づくように、制限紐40の長さを調整する制限紐調整部60と、をさらに備えることを特徴とする。本実施形態によれば、営巣空間の大きさに応じて制限紐40を調整することができるため、異なる大きさの営巣空間ごとに営巣防止具10を製作する必要がないことから、コスト縮減が図れる。
【0058】
又、本実施形態に係る営巣防止具10において、揺動体30は、ゴム製の電気絶縁材料で形成されることを特徴とする。本実施形態によれば、制限紐40の破損などにより、揺動体30が電線・がいし等の充電部分に接触しても、地絡などの電気事故を回避できるため、安全性の向上が図れる。
【0059】
又、本実施形態に係る営巣防止具10において、吊紐20および制限紐40は、電気絶縁材料で形成されることを特徴とする。本実施形態によれば、吊紐20および制限紐40の破損などにより、これらが電線・がいし等の充電部分に接触しても、地絡などの電気事故を回避できるため、安全性の向上が図れる。
【符号の説明】
【0060】
10 営巣防止具
20 吊紐
30 揺動体
33 底面
40 制限紐
50 吊紐調整部
60 制限紐調整部
112 上側骨部材
113 下側骨部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7