特開2017-221141(P2017-221141A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221141(P2017-221141A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】シートの定着装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
   A01G9/14 H
   A01G9/14 R
   A01G9/14 N
   A01G9/14 S
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-118788(P2016-118788)
(22)【出願日】2016年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000221568
【氏名又は名称】東都興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】小林 裕明
【テーマコード(参考)】
2B029
【Fターム(参考)】
2B029CA04
2B029CA16
2B029CA22
2B029CA23
2B029CA30
2B029CA32
2B029DA04
(57)【要約】
【課題】 透明シートの固定は基より太陽光線の透過用透明シートからの結露水を回収でき、併せて換気用シートに亀裂が生じて雨水が漏れてもこれを回収して防虫用ネットからハウス内に落下するのを防止ことも出来る。
【解決手段】 開口部幅狭の第一の蟻溝フレーム12と、上記第一の蟻溝フレーム12の斜め下方に連設した開口部幅狭の第二の蟻溝フレーム13と、上記第一の蟻溝フレーム12の水平な底部12aの背面又は背面近傍に上記第二の蟻溝フレーム13とは逆方向に延びる樋フレーム12cと、上記第一、第二の蟻溝フレーム12、13の一方または両方に嵌合する弾性な係止線条14とで構成されているシートの定着装置において、
上記第一の蟻溝フレーム12の側壁12bと上記第二の蟻溝フレーム13の側壁13bとの間に長手方向に沿って結露回収用の溝Pを形成している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部幅狭の第一の蟻溝フレーム(12)と、上記第一の蟻溝フレーム(12)の斜め下方に連設した開口部幅狭の第二の蟻溝フレーム(13)と、上記第一の蟻溝フレーム(12)の水平な底部(12a)の背面又は背面近傍に上記第二の蟻溝フレーム(13)とは逆方向に延びる樋フレーム(12c)と、上記第一、第二の蟻溝フレーム(12)、(13)の一方または両方に嵌合する弾性な係止線条(14)とで構成されているシートの定着装置において、
上記第一の蟻溝フレーム(12)の側壁(12b)と上記第二の蟻溝フレーム(13)の側壁(13b)との間に長手方向に沿って結露回収用の溝(P)を形成していることを特徴とするシートの定着装置。
【請求項2】
上記溝(P)が上記第一の蟻溝フレーム(12)の側壁(12b)と、上記第二の蟻溝フレーム(13)の側壁(13b)とを連結する連結片(16)と、上記第二の蟻溝フレーム(13)の側壁(13b)から起立する壁フレーム(17)とで画成されている請求項1に記載のシートの定着装置。
【請求項3】
第二の蟻溝フレーム(13の)底部(13a)の背面に上記樋フレーム(12c)方向に延びる断面C字状の第一の引っ掛けフレーム(18)が設けられ、上記樋フレーム(12c)の上面に外方に延びる水平な補助フレーム(19)が設けられ、さらに上記補助フレーム(19)の外端に湾曲した他の第二の引っ掛けフレーム(21)が設けられている請求項1又は2のいずれか一項に記載のシートの定着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は温室たるビニールハウスのアーチパイプ上に展張した太陽光線の透過用透明シートと、換気用の透明シートまたは防虫用の網を上下二段に定着できる共に透明シートに結露した水滴を回収するのに適するシートの定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種ビニールハウスは多数のアーチパイプを地上に起立し、このアーチパイプと直交する方向に開口部幅狭の蟻溝フレームからなるシートの定着装置を固定し、このシートの定着装置に定着した透明な合成樹脂シートをアーチパイプ上に展張し、このシートを介して太陽光線をハウス内に透過させている。
【0003】
この場合、シートの定着装置として上段の蟻溝フレームと下段の蟻溝フレームとを上下二段に一体にして設け、上段の蟻溝フレームに透明シートを定着し、下段の蟻溝フレームに換気用の開口を開閉する他の換気用透明シートを定着する場合がある。
【0004】
しかしながら、上段の蟻溝フレームを介して展張された透明シートの下面には使用中に結露した水滴が溜り、これがハウス内の土壌に落下して育成中の植物の根腐れ、病気の発生、生育不良を起こす恐れがある。
【0005】
そこで、この不具合を解消する為、例えば、特許文献1に示すようなシートの定着と結露回収装置が開発されている。
【0006】
このシートの定着装置Aは、図10に示すように、開口部幅狭の第一の蟻溝フレーム2と、上記第一の蟻溝フレーム2の斜め下方に連設した開口部幅狭の第二の蟻溝フレーム3と、上記第一の蟻溝フレーム2の水平な底部2aの背面又は背面近傍に上記第二の蟻溝フレーム3とは逆方向に延びる樋フレーム2cと、上記第一、第二の蟻溝フレーム2、3の一方または両方に嵌合する弾性な係止線条44、とで構成されている。
【0007】
この場合、一般的には、上側の第一の蟻溝フレーム2には太陽光線を透過させる合成樹脂製の透明シート5を係止線条4を介して固定し、下側の第二の蟻溝フレーム3には換気用の透明シート(図示せず)が係止線条4を介して固定される。
【0008】
そして、日中に第一の蟻溝フレーム2に定着された透明シート5の下面に結露が発生し、この結露した水滴6は透明シート5を伝わり、さらに第一の蟻溝フレーム2の側壁2bの外面から樋フレーム2c上に流下して溜り、この溜まった水6aは樋フレーム2からこの樋フレーム2に接続している他の結露回収装置を介して外部に回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許文献1(特開2003−134944号公報 図1、要約参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に示す従来のシート定着装置Aでは、特に機能上欠陥があるわけではないが、次のような不具合の改善が望まれている。
【0011】
即ち、昨今、図10に示す従来のシートの定着装置Aは公知のようにアーチパイプ10上に取付けられて上側の第一の蟻溝フレーム2に透明シート5を定着しているが、その使用方法の一つの応用例として、下側の第二の蟻溝フレーム3をハウスの換気用開口を覆う防虫用ネット7の定着に使用し、上側の第一の蟻溝フレーム2を上方の透明シート5に連なって下方の換気用シート5Aの定着にも使用する場合がある。
【0012】
この場合は、換気用の開口は常時防虫用のネット7で閉じられているのでハウス内に害虫が侵入するのを防止でき、併せて、防虫ネット7の上側の換気用シート5Aをパイプ8に巻き付け又は巻き戻して換気用の開口を開閉し、ハウス内の換気、温度調整を行う。
【0013】
ところが、換気用シート5Aを第一の蟻溝フレーム2に定着する作業時、又は繰り返し換気用シート5Aの巻き付け、巻き戻し操作している時に、例えば、擦れて第一の蟻溝フレーム2の側壁2b近辺に亀裂が発生する場合がある。
【0014】
このように亀裂が発生すると、第一の蟻溝フレーム2内に雨水が溜まるとこの雨水がこの亀裂から第一の蟻溝フレーム2の右側側壁2b外周を伝わって第二の蟻溝フレーム3内に侵入し、さらに、この溜まった雨水が防虫用ネット7からハウス内の土壌に落下し、植物の育成に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0015】
そこで、本発明の目的は、透明シートの固定は基より太陽光線の透過用透明シートからの結露水を回収でき、併せて換気用シートに亀裂が生じて雨水が漏れてもこれを回収して防虫用ネットからハウス内に落下するのを防止ことも出来るシートの定着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成する為、本発明の手段は、幅狭の第一の蟻溝フレームと、上記第一の蟻溝フレームの斜め下方に連設した開口部幅狭の第二の蟻溝フレームと、上記第一の蟻溝フレームの水平な底部の背面又は背面近傍に上記第二の蟻溝フレームとは逆方向に延びる樋フレームと、上記第一、第二の蟻溝フレームの一方または両方に嵌合する弾性な係止線条とで構成されているシートの定着装置において、上記第一の蟻溝フレームの側壁と上記第二の蟻溝フレームの側壁との間に長手方向に沿って結露回収用の溝を形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
各請求項の発明によれば、換気用シートが装着時に係止線条が引っ掛かったり、或いは使用中に擦れたり、又はの他の原因で第一の蟻溝フレームの側壁近辺の部分に亀裂が発生し、この亀裂から雨水等が漏れても、この漏れた水は溝に溜り、この溝を伝わって外部に回収できるので、第二の蟻溝フレームに定着している防虫用ネットには伝わらず、その結果水滴が防虫用ネットからハウス内土壌に落下することがなく、育成している植物に根腐れ、病気等の悪影響を及ぼさない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施の形態に係るシートの定着装置をビニールハウスのアーチパイプに取付けた状態の縦断側面図である。
図2】同じくシートの定着装置におけるフレーム部の一部切欠き斜視図である。
図3】同じくシートの定着装置を取付けたビニールハウスの一部切欠き斜視図である。
図4図3の一部拡大斜視図である。
図5図1に示すシートの定着装置を結露回収装置に取付けた状態の縦断側面図である。
図6図1に示すシートの定着装置を結露回収装置に取付けた状態の拡大斜視図である。
図7図1に示すシートの定着装置の右側をジョイントを介してアーチパイプに取付けた状態の側面図である。
図8】同じくシートの定着装置の左側をジョイントを介してアーチパイプに取付けた状態の側面図である。
図9】他の実施の形態に係るシートの定着装置におけるフレーム部の一部切欠き斜視図である。
図10】従来のシートの定着装置の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の一実施の形態に係るシートの定着装置とこれを取付けたビニールハウスの結露回収装置を図1図9を参照しながら説明する。
【0020】
本発明のシートの定着装置は、公知のものと同じように、温室たるビニールハウスの骨組みを構成する多数のアーチパイプに取付けられて当該アーチパイプを覆って展張される合成樹脂製の透明シートを固定するものであり、特に透明シートを伝わる結露水の回収にも適用できるものである。
【0021】
このシートの定着装置A1は図1に示すように、開口部幅狭の第一の蟻溝フレーム12と、第一の蟻溝フレーム12の斜め下方に連設した開口部幅狭の第二の蟻溝フレーム13と、第一の蟻溝フレーム12の水平な底部12aの背面又は背面近傍に第二の蟻溝フレーム13とは逆方向に延びる樋フレーム12cと、第一、第二の蟻溝フレーム12、13の一方または両方に嵌合する弾性な係止線条14とで構成されているシートの定着装置において、上記第一の蟻溝フレーム12の側壁12bと上記第二の蟻溝フレーム13の側壁13bとの間に長手方向に沿って結露回収用の溝Pが形成されていることを特徴とするものである。
【0022】
この場合、上記溝Pは第一の蟻溝フレーム12の側壁12bと、第二の蟻溝フレーム13の側壁13bとを連結する傾斜した連結片16と、第二の蟻溝フレーム13の側壁13bから上方に起立する壁フレーム17とで画成されている。
【0023】
この実施の形態では図示のように壁フレーム17を第二の蟻溝フレーム13の側壁13b外周から起立しているが、この側壁13bの先端外周から第一の蟻溝フレーム12方向に向けて起立しても良く、又は上記連結片16の上面から起立しても良い。
【0024】
また、第二の蟻溝フレーム13の底部13aの背面に上記樋フレーム12c方向に延びる断面C字状の第一の引っ掛けフレーム18が設けられている。
【0025】
この引っ掛けフレーム18は後述するように結露回収装置Bの第二抱持部24内に嵌合して保持されるものであるが、この引っ掛け片18の上側空間18bは第一の蟻溝フレーム12内に溜まった雨水がこの第一の蟻溝フレーム12の端部から漏れた時この雨水を回収することが出来る。
【0026】
更に、上記樋フレーム12cの上面に外方、即ち、上記第一の引っ掛けフレーム18と逆方向に水平な補助フレーム19が設けられ、また、この補助フレーム19の外端に湾曲した下向きの他の第二の引っ掛けフレーム21と上方に起立する壁フレーム20が設けられている。
【0027】
上記のシートの定着装置A1は図3に示すように、ビニールハウスXの屋根面や側面にシートの定着と結露の回収を兼ねて固定されている。
【0028】
ビニールハウスXは地上に起立する多数のアーチパイプ10と、このアーチパイプ10上に左右のジョイントC1、C2を介して固定したシートの定着装置A1と、シートの定着装置A1の端部に連結した結露回収装置Bと、結露回収装置Bに接続され、この結露回収装置Bで回収した結露水を谷部に設けた樋Dに導くホースEとを備えている。
【0029】
この場合、シートの定着装置A1は一つでも良く、図示のように結露回収装置Bの両側に一対のシート定着装置A1、A1を長手方向に沿って連続して固定しても良い。
【0030】
ジョイントC1、C2は各シートの定着装置A1の右側、左側どちらかを引っ掛けてアーチパイプ10に連結しても良いが、バランス良く安定させて固定させる為、左右交互に千鳥状に配置している。
【0031】
即ち、図3図7に示すように、一方のジョイントC1を第二の蟻溝レーム13の右側に配置し、同じく、図3図8に示すように、他方のジョイントC2を第一の蟻溝フレーム12の左側に配置してそれぞれアーチパイプ10にシートの定着装置A1を連結している。
【0032】
更に、ビニールハウスXは、図3に示すように、当該ビニールハウスXの側面部に樋Dの上方に換気用の開口Fを形成しており、この開口Fを覆う防虫ネット7の上端がシートの定着装置A1における第二の蟻溝フレーム13に定着されるとともに、この防虫ネット7の下端は樋Dの端部に設けた蟻溝22内に係止線条を介して定着されている。
【0033】
防虫ネット7の上方に対置された換気用シート5Aは上端がシートの定着装置A1における第二の蟻溝フレーム13内に係止線条14を介して固定され、下端はパイプ8に巻き付け又は巻き戻されて上記の開口Fを開閉し、ハウス内の換気、温度調整を行っている。
【0034】
また、パイプ8に巻き付けられた換気用シート5AのロールRはシートの定着装置A1と下方のパイプ24との間に設けた紐23で抑え込まれて自重で落下しないようにしている。
【0035】
結露回収装置Bは特許文献1に示す公知のものと同じであり、これは図4に示すように、本体26の外周に形成した外側通路22、27と、中間に形成されて外側通路27に切欠き28を介して連通する中央通路25と、本体26の中央に二列平行に形成した蟻溝状の第一抱持部23および第二抱持部23とを備えている。
【0036】
第一抱持部23は水平な底部と、この底部の両側に起立する左右の側壁23a、23bと、左側の側壁23aの上端に形成した断面C字状の引掛け爪23cとを備えている。
【0037】
また、第二抱持部24は水平な底部と、この底部の両側に設けた左右の側壁24a、24bを備えている。
【0038】
そして、第一抱持部23内にシートの定着A1の樋フレーム12cを嵌合し、第二抱持部24にシートの定着装置A1の第二の蟻溝フレーム13と第一の引掛けフレーム18とを嵌合させている。
【0039】
これにより、図4に示すように、透明シート5の背面を流下する結露水が矢印で示すように、樋フレーム12cを介して中央通路25に導かれ、また、換気シート5Aに発生した亀裂を介して第一の蟻溝フレーム12における側壁12bの外周から漏水した水滴が溝Pに溜り、この溝P内の水も中央通路25に流出する。そして、中央通路25に合流した水が切欠き28と外部通路27とホースEを介して樋Dに導かれ、最終的にハウス外部に放出される。
【0040】
結露回収装置Bに対するシートの定着装置A1の嵌合状態が図5に示されている。
【0041】
即ち、結露回収装置Bの本体26内にシートの定着装置A1を長手方向に沿って嵌合した時、第一抱持部23内に樋フレーム12cが嵌合され、同じく、第二抱持部24内に第二の蟻溝フレーム13と第一の引っ掛けフレーム18が嵌合する。
【0042】
この時、第一抱持部23の左側に形成されている引っ掛け爪23cが樋フレーム12cの端部12dに係合し、同時に第二抱持部24の右側側壁24bが第二の蟻溝フレーム13の右側側壁13bに係合し、これによりシートの定着装置A1全体が上記の引っ掛け爪23cと側壁24bとで挟持されて固定される。
【0043】
この時、第二の引っ掛け片18の左側側面は第二抱持部24の左側側壁24aに当接して弛みなく保持される。
【0044】
このように、シートの定着装置A1が結露回収装置Bに結合されると、図4に示すように、透明シート5の背面を流下する結露水が矢印で示すように、樋フレーム12cに導かれ、また、換気シート5Aに発生した亀裂を介して第一の蟻溝フレーム12における側壁12bの外周から漏水した水滴が溝Pに溜る。
【0045】
即ち、図1図5に示すように、樋フレーム12cと補助フレーム19と壁フレーム20とで画成された空間に結露水からなる水W1が溜り、同じく溝P内にも漏れた水W2が溜り、これらの水W1、W2はホースEを介して外部に排出される。
【0046】
即ち、図4に示すように、透明シート5の背面を流下する結露水が矢印で示すように、樋フレーム12cを介して中央通路25に導かれ、また、換気シート5Aに発生した亀裂を介して第一の蟻溝フレーム12における側壁12bの外周から漏水した水滴が溝Pに溜り、この溝P内の水も中央通路25に流出する。そして、中央通路25に合流した水が切欠き28と外部通路27とホースEを介して樋Dに導かれ、最終的にハウス外部に放出される。
【0047】
特に、溝Pに溜まった水W2は、第二の蟻溝フレーム13に定着している防虫用ネット7には伝わらず、その結果水滴が防虫用ネット7からハウス内土壌に落下することがなく、育成している植物に根腐れ、病気等の悪影響を及ぼさない。
【0048】
上記の実施の形態では、壁フレーム20の内側に結露水回収用の空間を形成しているが、この壁フレーム20は図示のものに比べて長さを短くしても良く、又は無くても使用可能である。
【0049】
次に、シートの定着装置A1を左右のジョイントC1、C2を介してアーチパイプ10に固定する状態を図7図8に基づいて説明する。
【0050】
各ジョイントC1、C2はアーチパイプ10跨ぐ二股状、言い換えれば断面逆U字状のジョイント本体29と、本体29の上部中央に形成されて上方に解放されて開口部31と、開口部31の上端に設けられた相対抗する左右一対の爪32a、32bと、本体29の胴部に形成した楔挿入孔33に着脱自在に挿入した楔30とを備えている。
【0051】
そして、図3ですでに説明したように、一方のジョイントC1がシートの定着装置A1の右側に、同じく、他方のジョイントC2が左側に配置されて、各ジョイントC1、C2でシートの定着装置を千鳥状に固定している。
【0052】
この場合、図7に示すように、右側のジョイントC1では左側の爪32Aを第一の引っ掛け片18の外側面18Aに引っ掛け、右側の爪32Bを第二の蟻溝フレーム13の側壁13bの外面に引っ掛け、次いで、楔挿入孔33内に楔30を打ち込む。
【0053】
これにより、第一引っ掛け片18と第二の蟻溝フレーム13とアーチパイプ10とが重ねられた状態で一対の爪32A、32Bと楔30とで強固に挟持され、シートの定着装置A1の右側全体がジョイントC1を介してアーチパイプ10の上部に連結される。
【0054】
同様に、左側のジョイントC2は図8に示すように、左側の爪32Aを第二の引っ掛け片21の外面に引っ掛け、右側の爪32Bを樋フレーム12cの外側面12eに引っ掛けた状態で、上記と同じように楔30を打ち込むと第二の引っ掛け片21と樋フレーム12cの外側面12eとアーチパイプ10とが爪32A、32Bと楔30とで挟持され、これによりシートの定着装置A1の左側全体がアーチパイプ10上に固定される。
【0055】
図9は本発明の他の実施の形態に係るシートの定着装置をA2を示す。
【0056】
この実施の形態に係るシートの定着装置A2は特許文献1に示すシートの定着装置を改良したものであり、図1図2に示すシートの定着装置A1と同じく第一の蟻溝フレーム12と第二の蟻溝フレーム13との間に壁フレーム17Aを起立してその内側に溝P1を形成したものである。
【0057】
即ち、このシートの定着装置A2は、開口部幅狭の第一の蟻溝フレーム12と、第一の蟻溝フレーム12に連設した開口部幅狭の第二の蟻溝フレーム13と、第一の蟻溝フレーム12の水平な底部12aの背面又は背面近傍に第二の蟻溝フレーム13とは逆方向に延びる樋フレーム12cと、第一、第二の蟻溝フレーム12、13の一方または両方に嵌合する弾性な係止線条14とを有し、さらに、第一の蟻溝フレーム12の側壁12bと第二の蟻溝フレーム13の側壁13bとの間に長手方向に沿って結露回収用の溝P1を形成したものでる。
【0058】
このシートの定着装置A2をアーチパイプ10に結合するジョイントや結露回収装置はシートの定着装置A2の形状に則したものを使用するが、実質的に上記図7図4に示すジョイントと結露回収装置を若干設計変更したものを使用する。
【0059】
その他の、構成、作用効果は図1図2の実施の形態のシートの定着装置A1
と同じである。
【符号の説明】
【0060】
5 透明シート
5A 換気用シート
7 防虫ネット
12 第一の蟻溝フレーム
12c 樋フレーム
13 第二の蟻溝フレーム
14 係止線条
16 連結片
17 壁フレーム
18 第一の引っ掛けフレーム
19 補助フレーム
21 第二の引っ掛けフレーム
A1 シートの定着装置
B 結露回収装置
C1、C2 ジョイント
P 溝
W1、W2 水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10