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特開2017-221173植栽容器およびこの植栽容器を用いた空気清浄緑化装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221173(P2017-221173A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】植栽容器およびこの植栽容器を用いた空気清浄緑化装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20060101AFI20171124BHJP
   A01G 9/02 20060101ALI20171124BHJP
   F24F 7/00 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   A01G9/00 B
   A01G9/02 D
   A01G9/02 101G
   F24F7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-121141(P2016-121141)
(22)【出願日】2016年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157107
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 健司
(72)【発明者】
【氏名】西部 洋晴
(72)【発明者】
【氏名】河目 裕介
(72)【発明者】
【氏名】天保 美咲
(72)【発明者】
【氏名】久保田 謙三
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND01
2B327NE01
2B327NE09
2B327QA02
2B327QB03
2B327QB14
2B327QB23
2B327QD03
2B327QD04
2B327TA02
2B327TA19
2B327TA25
2B327TA27
2B327TA28
2B327UB21
2B327VA05
(57)【要約】
【課題】使用時に緑化設備の本体部(筐体)と植栽容器との隙間から空気漏れや水漏れなどを起こすことなく、密閉性を確保して本体部(筐体)に設置することができる植栽容器および空気清浄緑化装置が望まれていた。
【解決手段】本発明に係る植栽容器は、上端部に開口を有するカップ状の容器本体と、上端部の外周に着脱自在に装着されるリング状の固定部材を備える植栽容器であって、第一フランジ部を、容器本体の上端部の外周に設けるとともに、固定部材を上端部の外周に装着した際に第一フランジ部に対向する第二フランジ部を、固定部材の一方の端部の外周に設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に開口を有するカップ状の容器本体と、
前記上端部の外周に着脱自在に装着されるリング状の固定部材を備える植栽容器であって、
第一フランジ部を、前記容器本体の上端部の外周に設けるとともに、
前記固定部材を前記上端部の外周に装着した際に前記第一フランジ部に対向する第二フランジ部を、前記固定部材の一方の端部の外周に設けたことを特徴とする植栽容器。
【請求項2】
前記容器本体のうち、前記第一フランジ部よりも上方に位置する外周面に雄ネジを設けるとともに、
前記固定部材の内周面に前記雄ネジと螺合する雌ネジを設けたことを特徴とする請求項1に記載の植栽容器。
【請求項3】
前記容器本体の側面に、
通気孔を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の植栽容器。
【請求項4】
前記固定部材の他方の端部に係止部材を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の植栽容器。
【請求項5】
前記第一フランジ部または/および前記第二フランジ部が、
外周の全周に渡って環状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の植栽容器。
【請求項6】
正面に複数の挿入口を設けるとともに、植栽部と通気部を設けた本体部と、
通風手段と、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の植栽容器を備えた空気清浄緑化装置であって、
前記挿入口の開口の大きさは、
前記第一フランジ部よりも上方に位置する容器本体よりも大きく、かつ前記第一フランジ部および前記第二フランジ部よりも小さいものであり、
前記容器本体は、
前記第一フランジ部よりも上方に位置する外周面が前記本体部の内側から突出した状態で挿入されており、
前記固定部材は、
前記本体部の外側から前記外周面に装着されているものであることを特徴とする空気清浄緑化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化設備(特に壁面緑化設備)に用いる植栽容器に関するものである。詳しくは、使用時に緑化設備の本体部(筐体)と植栽容器との隙間から空気漏れや水漏れなどを起こすことなく、密閉性を確保して本体部(筐体)に設置することができる植栽容器に関するものである。特に、空気清浄緑化装置に用いた場合には、従前の空気清浄緑化装置に比べて清浄効率を向上させることができる植栽容器に関するものである。
また、この植栽容器を用いた空気清浄緑化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
緑化設備(特に壁面緑化設備)において植物を植栽する方法としては、フェルトや不織布などのシート材をマット状にして壁面に施工するとともに、マットの一部を突出させてポケット部を作製し、係るポケット部を植栽容器として用いる方法(特許文献1)と、プラスチックなどで作製した筒状の植栽容器を壁面に施工する方法(特許文献2、特許文献3、非特許文献1)の2つの方法に大きく分類される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−29425号公報
【特許文献2】特開2006−20621号公報
【特許文献3】特開2011−167137号公報
【非特許文献1】株式会社伊藤商事、“ジョイントパネルを使用したカセット式壁面緑化システム”、[online]、[平成28年5月4日検索]、インターネット<URL:http://www.itoshoji.co.jp/greenwall/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、緑化設備の中でも壁面タイプの緑化設備(壁面緑化設備)においては、平面タイプの緑化設備に比べて水勾配が大きくなることから、植栽の土壌や基盤に水を供給した際に緑化設備の本体部(筐体)と植栽部との隙間から水漏れなどを起こす恐れがあり、本体部(筐体)と植栽部との間の密閉性を確保することが重要となる。
また、緑化に加えて、土壌や基盤部に空気を通過させることによって空気の清浄も行う緑化設備(空気清浄緑化装置)においては、清浄効率に影響を与えることから、水漏れだけでなく空気漏れを起こすことがないように、壁面タイプ、平面タイプを問わず、本体部(筐体)と植栽部との間の密閉性を確保することが重要となる。
このように緑化設備においては、植栽の土壌や基盤に水や空気を効率的に供給することが要求される場合があることから、緑化設備の本体部(筐体)と植栽部との間の密閉性を確保することが重要となる。
【0005】
ここで、マット状の一部を突出させたポケット部を植栽容器として用いる方法に関しては、既に本願出願人において、通気箇所のムラの発生を防止して密閉性を確保することを目的とした技術を特許文献1に示すとおり開発している(特許文献1の[0015]など参照)。
【0006】
一方、筒状の植栽容器を壁面に施工する方法に関しては、まず、非特許文献1に示すような籠状の植栽容器を用いるものが挙げられる。しかしながら、非特許文献1の植栽容器は本体部(筐体)と植栽部の隙間が多く、密閉性に関しては課題を有したものとなっている。なお、非特許文献1に示す植栽容器については密閉性を確保する手段としてビス止めやシール材を用いて隙間を埋める手段を採用することもできるが、係る手段を採用した場合には今度はビス止めのために設けたビス孔の密閉性を確保するための対策やシール材の施工作業などが追加されることになり、施工性(作業性)が低下するという課題がある。また、ビス止めやシール材を用いた場合には、ビスやシール材の経年劣化によってビス止め部分やシール部分の密閉性が低下するという課題もある。
【0007】
また、筒状の植栽容器を壁面に施工する方法に関しては、特許文献2、3のように複数の筒状の植栽容器をトレー状に一体成型加工した基盤体を用いるものも挙げられる。このようないわゆる一体成型タイプの植栽容器は、緑化設備の本体部(筐体)と植栽部との隙間から空気漏れや水漏れなどを起こすことがなく、密閉性を確保することができるという利点がある。
しかしながら、係る形態は、密閉性においては優れているものの、一体成型タイプであるが故にトレー上に配置される植栽容器の数が決まってしまうことから、植栽容器の数の増減を行う場合には新たに金型を作製し直さなければならないという課題がある。
また、係る形態は、一体成型タイプであるが故に、施工後の強度(特に、骨組みと基盤体との間の強度)を確保するために構造が複雑になったり、重量が重くなったりするという課題がある。従って、一体成型タイプの植栽容器は軽量化を図るためにプラスチック材料によって作製されるのが一般的となっている。
ここで、緑化設備の中でも空気の清浄も行う空気清浄緑化装置においては、空気の清浄を行うための浄化剤や土壌が本体部(筐体)内に充填された構造となっており、清浄効率を向上させるために浄化剤や土壌はある程度の圧を持つように充填される(詰め込まれる)こととなる。
従って、プラスチック材料によって作製されるのが一般的な一体成型タイプの植栽容器を空気清浄緑化装置に用いた場合には、充填される浄化剤や土壌の圧によって歪みや変形を生じてしまい、空気漏れを起こしてしまう(清浄効率が低下してしまう)という課題がある。また、充填される浄化剤や土壌の圧による歪みや変形を防止しようとすると肉厚を厚くしなければならなくなり、軽量化が図れなくなってしまうという課題もある。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、使用時に緑化設備の本体部(筐体)と植栽容器との隙間から空気漏れや水漏れなどを起こすことなく、密閉性を確保して本体部(筐体)に設置することができる植栽容器の提供を目的とするものである。特に、空気清浄緑化装置に用いた場合には、従前の空気清浄緑化装置に比べて清浄効率を向上させることができる植栽容器の提供を目的とするものである。
また、この植栽容器を用いた空気清浄緑化装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る植栽容器は、上端部に開口を有するカップ状の容器本体と、上端部の外周に着脱自在に装着されるリング状の固定部材を備える植栽容器であって、第一フランジ部を、容器本体の上端部の外周に設けるとともに、固定部材を上端部の外周に装着した際に第一フランジ部に対向する第二フランジ部を、固定部材の一方の端部の外周に設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る植栽容器は、容器本体のうち、第一フランジ部よりも上方に位置する外周面に雄ネジを設けるとともに、固定部材の内周面に雄ネジと螺合する雌ネジを設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る植栽容器は、容器本体の側面に、通気孔を設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に係る植栽容器は、固定部材の他方の端部に係止部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に係る植栽容器は、第一フランジ部または/および第二フランジ部が、外周の全周に渡って環状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に係る空気清浄緑化装置は、正面に複数の挿入口を設けるとともに、植栽部と通気部を設けた本体部と、通風手段と、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の植栽容器を備えた空気清浄緑化装置であって、挿入口の開口の大きさは、第一フランジ部よりも上方に位置する容器本体よりも大きく、かつ第一フランジ部および前記第二フランジ部よりも小さいものであり、容器本体は、第一フランジ部よりも上方に位置する外周面が本体部の内側から突出した状態で挿入されており、固定部材は、本体部の外側から外周面に装着されているものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の植栽容器によれば、特定の形態を有する容器本体と固定部材を備えることによって、使用時に緑化設備の本体部(筐体)と植栽容器との隙間から空気漏れや水漏れなどを起こすことなく、密閉性を確保して本体部(筐体)に設置することができる植栽容器を得ることができる。
また、従前の植栽容器のようなビス孔やシール材等の加工を行うことなく密閉性を確保することができ、ビス孔やシール材の塗布などの現場での施工作業を省力化することができる。さらに、ビスやシール材を使用した場合に懸念される、ビスやシール材の経年劣化による密閉性の低下の問題を解消することができる。
【0016】
また、本発明の空気清浄緑化装置によれば、本発明の植栽容器を用いているので、密閉性を確保する(使用時の空気漏れを防止する)ことができ、その結果、清浄効率を向上させることができる。
【0017】
本発明の請求項2に係る植栽容器によれば、容器本体と固定部材を螺合するという簡単な方法で植栽容器の設置を行うことができることから、密閉性を確保しつつ、施工性(作業性)をより向上させることができる。
【0018】
本発明の請求項3に係る植栽容器によれば、容器本体の側面に通気孔を設けているので、植栽容器を通じて取り込んだ空気の緑化設備内における通過距離を長くする、すなわち、通風手段によって植栽容器内の土壌を通じて空気清浄緑化装置内の植栽部に空気を吸引した際に、植栽部における空気の通過距離を長くとることができることになり、空気の清浄効率をより向上させることができる。
【0019】
本発明の請求項4に係る植栽容器によれば、固定部材の他方の端部に係止部材を設けることによって、植物を植栽ポットなどから取り出して植栽容器1内に植え替えて、次にその上にフェルトやネットなどの押え部材を被せた状態で、当該係止部材に輪ゴムやビニタイなどの保護部材を対角線状に引っ掛ければ使用時に植栽容器1内から土壌や植物が零れ落ちることを防止することができる。なお、係る技術的効果は壁面緑化設備において、特に顕著な効果を示すものとなる。
【0020】
本発明の請求項5に係る植栽容器によれば、第一フランジ部、第二フランジ部を外周の全周に渡って環状(ドーナツ状)に形成することによって密閉性をより確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る植栽容器の正面図(図1(a)は固定部材の正面図、図1(b)は容器本体の正面図)である。
図2図1の植栽容器の斜視図(図2(a)は固定部材の斜視図、図2(b)は容器本体の斜視図)である。
図3図1の植栽容器の平面図(図3(a)は固定部材の平面図、図3(b)は容器本体の平面図)である。
図4図1の植栽容器の係止部材の使用態様を示す模式図である。
図5図1の植栽容器を用いた空気清浄緑化装置の断面模式図である。
図6図1の植栽容器を図5の空気清浄緑化装置に取り付ける手順を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
図1は本発明の一実施形態に係る植栽容器の正面図(図1(a)は固定部材の正面図、図1(b)は容器本体の正面図)であり、図2図1の植栽容器の斜視図(図2(a)は固定部材の斜視図、図2(b)は容器本体の斜視図)であり、図3図1の植栽容器の平面図(図3(a)は固定部材の平面図、図3(b)は容器本体の平面図)であり、図4図1の植栽容器の係止部材の使用態様を示す模式図であり、図5図1の植栽容器を用いた空気清浄緑化装置の断面模式図である。
【0023】
まず、本発明の植栽容器の基本構成を図1に基づいて説明する。本発明の植栽容器1は、カップ状の容器本体2とリング状の固定部材3を主要部材として構成されている。なお、本発明の植栽容器の材質は特に限定されるものではなく、各種の材料を用いることができるが、軽量で強度もあり、かつ製造が容易である点などから、プラスチックを用いることが好ましい。
次に、各構成要件について説明する。
【0024】
(容器本体)
本発明に用いられる容器本体2は、図1(b)、図2(b)、図3(b)に示すように、上端部4に開口5を有するカップ状のものであり、上端部4の外周6に第一フランジ部7を設けた構造となっている。このように上端部4の外周6に第一フランジ部7を設けることによって、植栽容器1を緑化設備の本体部(筐体)に設置した際に、係る第一フランジ部7がいわゆる座金(ワッシャー)の役目を果たすことになり、緑化設備の本体部(筐体)との間に隙間を生じさせることなく植栽容器1を緑化設備の本体部(筐体)に設置することができるのである。
【0025】
第一フランジ部7の形状、形態としては、座金(ワッシャー)の役目を果たすことができれば特に限定されるものではなく、各種の形状、形態を用いることができる。例えば、図1(b)、図2(b)、図3(b)に示すように、容器本体2の上端部4の外周6に水平方向に突設するように設けることができる。また、水平方向から少し傾斜を持たせて突設させた形状、形態とすれば、緑化設備の本体部(筐体)に容器本体2を設置して固定部材3を装着する際に掛かる力を利用することによって、第一フランジ部7を水平方向に変形させて緑化設備の本体部(筐体)に対する密着性を向上させることもできる。さらに、第一フランジ部7の形状、形態をいわゆるバネ座金や皿バネのようにバネ機構を持たせたものとすれば、固定部材3を装着する際に掛かる力をより効率的に利用して第一フランジ部7を水平方向に変形させて、緑化設備の本体部(筐体)との密着度をより向上させたものとすることもできる。
また、第一フランジ部7は、緑化設備の本体部(筐体)への密着性が確保されれば上端部4の外周6の一部に設けるものでもよいが、容器本体2の緑化設備の本体部(筐体)への密着性をより向上させることができることから、図1(b)、図2(b)、図3(b)に示すように、外周6の全周に渡って環状(ドーナツ状)に形成するように設けることが好ましい。
さらに、より密着性を向上させるために第一フランジ部7の本体部(筐体)との接触面8にシーリング材や粘着テープなどのシール部材を設けておくこともできる。
【0026】
また、本発明に用いられる容器本体2は、上端部4の外周6に後記する固定部材3を着脱自在に装着することによって使用するものとなる。ここで、第一フランジ部7よりも上方に位置する上端部4の外周面9の形態としては固定部材3が着脱できるものであれば特に限定されるものではなく、各種の嵌合形態やあるいはいわゆるツイストキャップのような形態など、各種の形態とすることができるが、施工性(作業性)がよく、また、より緑化設備の本体部(筐体)との密着度をより向上させることができることから、固定部材3が装着される部位となる、第一フランジ部7よりも上方に位置する上端部4の外周面9に雄ネジ10を設けた形態とすることが好ましい。
【0027】
さらに、本発明に用いられる容器本体2は側面に通気孔11を設けることが好ましい。
具体的には、本発明の植栽容器1を平面緑化に用いるだけ(単に植栽ポットとして用いるだけ)であれば通気孔を設けることは必ずしも要しないが、壁面緑化に用いる場合や、植栽の発育促進や脱落防止のために緑化設備内において根を張らせる場合や、緑化に加えて空気清浄も行う緑化設備に用いる場合などには、容器本体2の側面に通気孔11を設けることが好ましい。
なお、通気孔11は、容器本体2の側面の一部に設けることも、側面の全部に設けることも、あるいは側面および底面の全部に設けることもできるが、緑化に加えて空気清浄も行う緑化設備に用いる場合には、空気の通過距離、すなわち植栽容器1を通じて取り込んだ空気の緑化設備内における通過距離を長くすることができ、空気の清浄効率をより向上させることができる点から、容器本体2の側周面12に通気孔11を設け、容器本体2の底面13には通気孔11を設けないようにすることが好ましい。
【0028】
(固定部材)
本発明に用いられる固定部材3は、容器本体2の上端部4の外周6に着脱自在に装着されるものである。また、本発明に用いられる固定部材3は、図1(a)、図2(a)、図3(a)に示すように、リング状のものであり、一方の端部14の外周15に第一フランジ部7に対向する第二フランジ部16を設けた構造となっている。このように一方の端部14の外周15に第一フランジ部7に対向するように第二フランジ部16を設けることによって、植栽容器1を本体部(筐体)に設置した際に、第二フランジ部16が第一フランジ部7と共にいわゆる座金(ワッシャー)の役目を果たすことになり、緑化設備(図示せず)の本体部(筐体)との間に隙間を生じさせることなく植栽容器1を緑化設備の本体部(筐体)に設置することができるのである。
【0029】
第二フランジ部16の形状、形態についても、第一フランジ部7と同様に座金(ワッシャー)の役目を果たすことができれば特に限定されるものではなく、各種の形状、形態を用いることができる。例えば、図1(a)、図2(a)、図3(a)に示すように、固定部材3の一方の端部14の外周15に水平方向に突設するように設けることができる。また、第一フランジ部7と同様に水平方向から少し傾斜を持たせて突設する形状、形態とすることで、容器本体2に緑化設備の本体部(筐体)に設置して固定部材3を装着する際に掛かる力によって、第二フランジ部16を水平方向に変形させて緑化設備の本体部(筐体)に密着させるようにすることもできる。さらに、第二フランジ部16の形状、形態をいわゆるバネ座金や皿バネのようにバネ機構を持たせたものとすれば、固定部材3を装着する際に掛かる力をより効率的に利用して第二フランジ部16を水平方向に変形させて、緑化設備の本体部(筐体)との密着度をより向上させたものとすることもできる。
【0030】
また、第二フランジ部16は、緑化設備の本体部(筐体)への密着性が確保されていれば、図1(a)、図2(a)、図3(a)に示すように固定部材3の一方の端部14の外周15の一部に設けるものでも、あるいは第一フランジ部7と同様に固定部材3の一方の端部14の外周の全周に渡って環状に形成するように設けるものでも構わない。
さらに、第一フランジ部7と同様に、より密着性を向上させるために第一フランジ部7の本体部(筐体)との接触面17にシーリング材や粘着テープなどのシール部材を設けておくこともできる。
【0031】
また、本発明に用いられる固定部材3は、容器本体2の上端部4の外周6に着脱自在に装着することによって使用するものとなる。ここで、固定部材3の内周面18の形態としては固定部材3が着脱できるものであれば特に限定されるものではなく、嵌合形態やいわゆるツイストキャップのような形態など各種の形態とすることができるが、より緑化設備の本体部(筐体)との密着度を向上させることができることから、図2(a)、図3(a)に示すように固定部材3の内周面18に上記の雄ネジ10と螺合する雌ネジ19を設けた形態とすることが好ましい。
【0032】
(係止部材)
さらに、本発明に用いられる固定部材3は他方の端部20(第二フランジ部16を設けた一方の端部14とは逆の端部)に係止部材21を設けることが好ましい。係る係止部材21は、図4に示すように、輪ゴム、ビニタイ、紐、金属線などの保護部材22を対角線状に引っ掛けることによって、本発明の植栽容器1に植物23を植えた際に植栽容器1内から土壌などが零れ落ちないように保護するために使われるものである。具体的には、まず植物23を植栽ポットなどから取り出して植栽容器1内に植え替えて、次にその上にフェルトやネットなどの押え部材24を被せた状態で保護部材22を係止部材21に対角線状に引っ掛けることで、植栽容器1内から土壌などが零れ落ちることを防止するものである。
なお、係止部材21の形状、形態については特に限定されるものではなく、各種の形状、形態を用いることができるが、図1〜4に示すように固定部材3の他方の端部20の外周に突設するように設けると保護部材22が引っ掛け易くなり、施工性(作業性)を向上させることができるので好適である。
【0033】
(空気清浄緑化装置)
本発明の植栽容器は、通常の平面緑化設備や壁面緑化設備に用いることはできることはもちろん、緑化に加えて土壌や基盤部に空気を通過させることによって空気の清浄も行う空気清浄緑化装置にも用いることができる。
このような空気清浄緑化装置25としては、例えば図5に示すような構造が挙げられる。なお、図5に示す空気清浄緑化装置は壁面緑化に加えて空気の清浄も行うタイプのものであるが、平面緑化に加えて空気の清浄も行うタイプも同様である。
具体的には、必要に応じて浄化剤や土壌などを充填した植栽部26と通気部27を設けた本体部(筐体)28と、通風手段29と、本発明の植栽容器1を主要部品として構成されているものである。また、本体部(筐体)28の正面には複数の挿入口30を設けた構造となっており、係る挿入口30に本発明の植栽容器1を設置する構造となっている。さらに、植栽部26の上方には灌水を行うための灌水管31が設けられていると共に、植栽部26の下方には植栽部26を通過した灌水を排出するための排水機構32が設けられている構造となっている。
なお、本体部(筐体)28の材質は特に限定されるものではなく、各種の材料を用いることができるが、軽量で強度もあり、かつ植栽容器1の設置数の増減を容易に行うことができる点、本体部(筐体)28内に浄化剤や土壌が充填された場合においても軽量化を図りつつ、歪みや変形を有効に防止できる点などから、金属を用いて作製し、設置する植栽容器1の数に応じて挿入口30を設けることが好ましい。
【0034】
また、本発明の空気清浄緑化装置25は、本体部(筐体)28と植栽容器1との間の密閉性を確保する必要があることから、図5に示すとおり、挿入口30の開口の大きさ(開口の直径)は、第一フランジ部7よりも上方に位置する容器本体2の上端部4よりも大きく、かつ第一フランジ部7および第二フランジ部16よりも小さいものである必要がある。より具体的には、図1〜5に示す植栽容器1および空気清浄緑化装置25を例とすると、挿入口30の開口の大きさは、第一フランジ部7よりも上方に位置する容器本体2の上端部4(円筒部)の直径よりも大きく、かつ第一フランジ部7および第二フランジ部16の外周によって形成される円周の直径よりも小さいものである必要があるということになる。
【0035】
そして、本発明の植栽容器を空気清浄緑化装置に用いる場合には、容器本体2の通気孔11は、[0027]および図5に示すとおり、空気の通過距離を長くすることができ、空気の清浄効率をより向上させることができる点から、容器本体2の側周面12に通気孔11を設け、容器本体2の底面13には通気孔11を設けないようにすることが好ましい。
【0036】
次に、上記のように構成された植栽容器1の動作および作用を図6に基づいて説明する。
図6図1の植栽容器を図5の空気清浄緑化装置に取り付ける手順を示す模式図である。なお、図6においては、本発明の植栽容器を空気清浄緑化装置に用いる場合の手順を示したが、通常の平面緑化設備や壁面緑化設備においても同様の手順にて取り付けることができる。
【0037】
まず、図6(a)に示すように、容器本体2を、本体部(筐体)28の内側から挿入口30に対して、第一フランジ部7よりも上方に位置する上端部4の外周面9、すなわち雄ネジ10が突出するように挿入する。
次に、図6(b)に示すように、固定部材3の雌ネジ19を、本体部(筐体)28の外側から雄ネジ10に螺合することによって、図6(c)に示すように植栽容器1の本体部(筐体)28への装着を完了する。
次に、図6(c)に示すように植物23を植栽ポットなどから取り出して植栽容器1内に植え込みを行う。
最後に、植物23の植え込みを行った本体部(筐体)28を、壁面など緑化を行いたい箇所に施工することで作業を完了する。なお、図6においては、植物23の植え込みを行ってから本体部(筐体)28の施工を行ったが、本体部(筐体)28に植栽容器1の装着を完了した段階で、壁面など緑化を行いたい箇所に本体部(筐体)28を施工し、その後に植物23の植え込みを行うこともできる。
【0038】
以上から、本発明の植栽容器は、第一フランジ部と第二フランジ部によって本体部(筐体)を挟み込むようにして本体部(筐体)に装着されることになることから、従前の緑化設備に比べて密閉性を確保する(使用時の空気漏れを防止する)ことができる緑化設備を得ることができることになる。
また、従前の植栽容器のようなビス孔やシール材等の加工を行うことなく密閉性を確保することができ、ビス孔やシール材の塗布などの現場での施工作業を省力化することができる。さらに、ビスやシール材の経年劣化による密閉性の低下の問題を解消することができる。
【0039】
次に、本発明の植栽容器を用いた図5の空気清浄緑化装置25の動作および作用を図5に基づいて説明する。
まず、通風手段29を稼働することによって、通気部27内の空気の排出を開始する。
そうすると、空気清浄緑化装置25外の空気が、図5の実線の矢印のように、植栽容器1を通じて空気清浄緑化装置25内(本体部(筐体)28内)に取り込まれることになる。
ここで、[0035]に記載のとおり、容器本体2には側周面12にのみ通気孔11が設けられていることから、植栽容器1を通じて空気清浄緑化装置25内(本体部(筐体)28内)に取り込まれた空気は、植栽部26内において図5の実線の矢印のように、より長い距離を通過した後、通気部27に抜けていくことになる。
なお、灌水については、植栽部26の上方に設けられている灌水管31から植栽部26内に供給され、図5の点線の矢印のように、植栽容器1などを通過して植栽部26の下方には設けられた排水機構32から排出されることになる。
【0040】
以上から、本発明の植栽容器を用いた本発明の空気清浄緑化装置は、密閉性を確保する(使用時の空気漏れを防止する)ことができるとともに、空気の通過距離を長くすることもできることから、従前の空気清浄緑化装置に比べて清浄効率を向上させることができることになる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の植栽容器は、緑化設備(特に、緑化に加えて空気の清浄も行う壁面緑化設備(空気清浄緑化装置))に用いることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 植栽容器
2 容器本体
3 固定部材
4 上端部
5 開口
6 外周
7 第一フランジ部
8 接触面
9 外周面
10 雄ネジ
11 通気孔
12 側周面
13 底面
14 一方の端部
15 外周
16 第二フランジ部
17 接触面
18 内周面
19 雌ネジ
20 他方の端部
21 係止部材
22 保護部材
23 植物
24 押え部材
25 空気清浄緑化装置
26 植栽部
27 通気部
28 本体部(筐体)
29 通風手段
30 挿入口
31 灌水管
32 排水機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6