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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221188(P2017-221188A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】変異アルカリプロテアーゼ
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20171124BHJP
   C12N 9/56 20060101ALI20171124BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20171124BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20171124BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20171124BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20171124BHJP
   C12P 21/00 20060101ALI20171124BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20171124BHJP
   C11D 7/42 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   C12N15/00 AZNA
   C12N9/56
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   C12P21/00 C
   C11D3/386
   C11D7/42
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2017-103390(P2017-103390)
(22)【出願日】2017年5月25日
(31)【優先権主張番号】特願2016-115734(P2016-115734)
(32)【優先日】2016年6月9日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 耕造
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 剛
【テーマコード(参考)】
4B050
4B064
4B065
4H003
【Fターム(参考)】
4B050CC04
4B050DD02
4B050KK20
4B050LL04
4B064AG01
4B064CA19
4B064DA19
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA33
4B065CA57
4H003EC01
4H003FA47
(57)【要約】      (修正有)
【課題】キレート剤に対する安定性が向上した変異アルカリプロテアーゼの提供。
【解決手段】バチルスエスピー由来の分子量43,000のアルカリプロテアーゼKP43において、そのアミノ酸配列中の特定の位置のアミノ酸残基が置換された変異アルカリプロテアーゼであって、特定のアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、該アミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基が置換されている、変異アルカリプロテアーゼ。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基がスレオニンに置換されたアミノ酸配列からなる、変異アルカリプロテアーゼ。
【請求項2】
以下の(a´)〜(ds´)からなる群より選択される1つ以上のアミノ酸残基を有する、請求項1記載の変異アルカリプロテアーゼ:
(a´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の6位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はF;
(b´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の9位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ;
(c´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の11位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S又はN;
(d´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の15位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がH、C、Q、D、E、R、A、V、M、W又はF;
(e´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の16位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT、Q、V、C、Y、D、E、R、K、H、L、I、M、W又はF;
(f´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の20位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF又はA;
(g´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の22位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(h´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の23位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(i´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の37位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT;
(j´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の40位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、W又はF;
(k´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の41位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がI;
(l´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の46位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はW;
(m´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の49位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ;
(n´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の52位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG又はS;
(o´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の53位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がA、V又はI;
(p´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の54位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、H、A、V、M、W、F又はP;
(q´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の56位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV;
(r´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の57位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(s´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の59位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、M、W又はF;
(t´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の60位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、W又はF;
(u´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の63位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、D又はL;
(v´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の65位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW又はP;
(w´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の66位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、Q、D、E、H、A、V、L、I、M又はW;
(x´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の80位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がH又はA;
(y´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の81位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ、Y、L、I、W又はF;
(z´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の82位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、C、Q、D、E、R、K、H、A又はM;
(aa´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の83位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、C又はA;
(ab´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の84位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR;
(ac´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の89位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がH;
(ad´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の91位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がC;
(ae´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の100位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、I、W又はF;
(af´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の101位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ag´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の102位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ah´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の103位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ai´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の104位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(aj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の105位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ak´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の106位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(al´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の107位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、R、K又はA;
(am´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の109位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、I又はF;
(an´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の113位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL又はW;
(ao´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の119位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又はP;
(ap´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の120位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、R、I、W又はF;
(aq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の124位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がK又はA;
(ar´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の132位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、N、Q、D、I又はM;
(as´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の133位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はP;
(at´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の134位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T又はA;
(au´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の133位又はそれに相当する位置と134位又はそれに相当する位置との間のアミノ酸残基がG、S、T、N、Q、Y、R、K、H、A、L、I、M又はW;
(av´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の135位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR、A、L又はM;
(aw´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の136位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ax´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の138位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又は;
(ay´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の140位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、W又はF;
(az´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の148位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、M、W、FまたはP;
(ba´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の151位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(bb´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の163位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、N、Q、D、K、H、V、L、I又はF;
(bc´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の166位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、V、L、I、W又はF;
(bd´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の167位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV;
(be´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の170位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV又はL;
(bf´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の171位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T、E又はA;
(bg´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の187位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS;
(bh´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の191位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、W又はF;
(bi´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の193位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(bj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の194位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、R又はK;
(bk´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の195位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(bl´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の200位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(bm´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の204位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W又はP;
(bn´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の205位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はW;
(bo´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の212位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN、Q、R、V、L又はW;
(bp´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の226位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY;
(bq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の233位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、I又はW;
(br´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の237位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(bs´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の238位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL;
(bt´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の243位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、L又はI;
(bu´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の245位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(bv´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の246位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、V、L、W又はF;
(bw´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の247位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、E、H、A、V、L、I、M、W又はF;
(bx´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の248位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(by´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の250位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(bz´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の251位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T、N、Q、D、A、V、L又はI;
(ca´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の256位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、W、F又はP;
(cb´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の257位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV又はI;
(cc´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の264位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、Q、D、E、A、V、L、I又はM;
(cd´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の273位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T又はI;
(ce´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の275位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、W又はF;
(cf´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の277位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I又はF;
(cg´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の281位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR;
(ch´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の296位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV;
(ci´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の297位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、W又はF;
(cj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の304位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS;
(ck´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の313位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(cl´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の319位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はP;
(cm´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の320位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T、V、L、I又はF;
(cn´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の326位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(co´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の330位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がM、W又はF;
(cp´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の332位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T又はV;
(cq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の334位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL;
(cr´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の335位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(cs´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の337位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、Q、R、K、H、A又はV;
(ct´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の342位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(cu´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の343位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT;
(cv´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の346位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR;
(cw´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の357位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL;
(cx´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の359位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、Q、V、L、I又はF;
(cy´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の361位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、I又はW;
(cz´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の369位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(da´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の376位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(db´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の378位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL又はW;
(dc´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の379位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がD、E、R又はK;
(dd´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の380位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(de´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の385位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、M又はP;
(df´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の386位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がA、L、I又はM;
(dg´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の387位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、Q、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はF;
(dh´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の390位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、Y又はF;
(di´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の393位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ;
(dj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の396位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG;
(dk´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の403位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT又はK;
(dl´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の405位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がD、V、L、I、W、F又はP;
(dm´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の406位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、W又はF;
(dn´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の407位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG又はC;
(do´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の408位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN、Y、I又はW;
(dp´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の409位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY又はW;
(dq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の411位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がA、V、L又はP;
(dr´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の427位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR又はV;
(ds´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の433位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL。
【請求項3】
請求項1又は2記載の変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチド。
【請求項4】
請求項3記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
【請求項5】
請求項3記載のポリヌクレオチド又は請求項4記載のベクターを含む形質転換体。
【請求項6】
請求項5記載の形質転換体を用いる変異アルカリプロテアーゼの製造方法。
【請求項7】
請求項1又は2記載の変異アルカリプロテアーゼを含有する洗剤組成物。
【請求項8】
配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基をスレオニンに置換することを含む、変異アルカリプロテアーゼの製造方法。
【請求項9】
配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基をスレオニンに置換することを含む、アルカリプロテアーゼのキレート剤に対する安定性向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変異アルカリプロテアーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤はその形態により、粉末洗剤と液体洗剤に分類することが出来る。液体洗剤は、粉末洗剤に比べて、溶解性に優れ、また汚れ部分に原液を直接塗布出来るという利点がある。反面、液体洗剤は、プロテアーゼ等の酵素を液体中で常温保存しなければならないため、酵素の安定保存に関して粉末洗剤には無い技術的な困難さを伴う。
【0003】
さらに、液体洗剤は、界面活性剤、脂肪酸、溶剤、キレート剤等を含有するため、酵素にとって極めて厳しい条件になっている。例えば従来、液体洗剤中で酵素を安定化させる手段としてカルシウムイオンの添加が知られているが、液体洗剤に含まれるキレート剤は酵素に配位するカルシウムイオンを奪う性質を有するため、カルシウムイオンによる安定化効果を弱め、酵素を不安定化させる。
【0004】
洗剤中にプロテアーゼを配合する目的は、衣料に付着したタンパク質汚れを分解して低分子化し、汚れの除去を促進することである。洗剤用プロテアーゼとして、これまでに、タンパク質だけでなく脂質も混在する複合汚れに対して洗浄性を有する分子量約43,000のアルカリプロテアーゼが開発されている(特許文献1参照)。さらに、アルカリプロテアーゼを変異させて比活性又は安定性等を向上させることで、その洗浄性能を高める研究が行われている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第99/18218号パンフレット
【特許文献2】特開2010−273673号公報
【特許文献3】特許第5202690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、キレート剤に対する安定性が向上したアルカリプロテアーゼ変異体を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、分子量43,000のアルカリプロテアーゼKP43が、そのアミノ酸配列中の特定の位置のアミノ酸残基を置換することによって、キレート剤を含む液体中での安定性が向上することを見出した。
【0008】
すなわち、一態様において、本発明は、配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基がスレオニンに置換されたアミノ酸配列からなる、変異アルカリプロテアーゼを提供する。
別の一態様において、本発明は、前記変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチドを提供する。
別の一態様において、本発明は、前記ポリヌクレオチドを含有するベクターを提供する。
別の一態様において、本発明は、前記ポリヌクレオチド又は前記ベクターを含む形質転換体を提供する。
別の一態様において、本発明は、前記形質転換体を用いる変異アルカリプロテアーゼの製造方法を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、前記変異アルカリプロテアーゼを含有する洗剤組成物を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基をスレオニンに置換することを含む、変異アルカリプロテアーゼの製造方法を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基をスレオニンに置換することを含む、アルカリプロテアーゼのキレート剤に対する安定性向上方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の変異アルカリプロテアーゼは、キレート剤に対して高い安定性を有し、キレート剤を含む組成物(例えば洗剤組成物)に配合する酵素として好適である。本発明の変異アルカリプロテアーゼを含む洗剤組成物は、洗剤液中でプロテアーゼ活性を安定に保持することができるため、タンパク質及び脂質を含む複合汚れに対して優れた洗浄性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】クエン酸塩水溶液中におけるアルカリプロテアーゼ変異体の残存相対活性。
図2】EDTA水溶液中におけるアルカリプロテアーゼ変異体の残存相対活性。
図3】EDTA水溶液中におけるアルカリプロテアーゼ変異体の残存相対活性。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において、「アミノ酸残基」とは、タンパク質を構成する20種のアミノ酸残基、アラニン(Ala又はA)、アルギニン(Arg又はR)、アスパラギン(Asn又はN)、アスパラギン酸(Asp又はD)、システイン(Cys又はC)、グルタミン(Gln又はQ)、グルタミン酸(Glu又はE)、グリシン(Gly又はG)、ヒスチジン(His又はH)、イソロイシン(Ile又はI)、ロイシン(Leu又はL)、リシン(Lys又はK)、メチオニン(Met又はM)、フェニルアラニン(Phe又はF)、プロリン(Pro又はP)、セリン(Ser又はS)、スレオニン(Thr又はT)、トリプトファン(Trp又はW)、チロシン(Tyr又はY)及びバリン(Val又はV)を意味する。
【0012】
本明細書において、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列間の同一性は、リップマン−パーソン法(Lipman−Pearson法;Science,1985,227:1435−41)によって計算することができる。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行なうことにより算出できる。
【0013】
本明細書において、「1又は複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」としては、1個以上20個以下、好ましくは1個以上10個以下、より好ましくは1個以上5個以下、さらに好ましくは1個以上3個以下のアミノ酸が欠失、挿入、置換若しくは付加されたアミノ酸配列が挙げられる。また本明細書において、「1又は複数個のヌクレオチドが欠失、挿入、置換若しくは付加されたヌクレオチド配列」としては、1個以上60個以下、好ましくは1個以上30個以下、より好ましくは1個以上15個以下、さらに好ましくは1個以上10個以下のヌクレオチドが欠失、挿入、置換若しくは付加されたヌクレオチド配列が挙げられる。また本明細書において、アミノ酸又はヌクレオチドの「付加」には、配列の一末端及び両末端への1又は複数個のアミノ酸又はヌクレオチドの付加が含まれる。
【0014】
本明細書において、アミノ酸配列又はヌクレオチド配列上の「相当する位置」は、目的配列と参照配列(例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列)とを、各アミノ酸配列又はヌクレオチド配列中に存在する保存アミノ酸残基又はヌクレオチドに最大の相同性を与えるように整列(アラインメント)させることにより決定することができる。アラインメントは、公知のアルゴリズムを用いて実行することができ、その手順は当業者に公知である。例えば、アラインメントは、上述のリップマン−パーソン法等に基づいて手作業で行うこともできるが、Clustal Wマルチプルアラインメントプログラム(Thompson,J.D.et al,1994,Nucleic Acids Res,22:4673−4680)をデフォルト設定で用いることにより行うことができる。あるいは、Clustal Wの改訂版であるClustal W2やClustal omegaを使用することもできる。Clustal W、Clustal W2及びClustal omegaは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI[www.ebi.ac.uk/index.html])や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ[www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome−j.html])のウェブサイト上で利用することができる。
【0015】
当業者であれば、上記で得られたアミノ酸配列のアラインメントを、最適化するようにさらに微調整することができる。そのような最適アラインメントは、アミノ酸配列の類似性や挿入されるギャップの頻度等を考慮して決定するのが好ましい。ここでアミノ酸配列の類似性とは、2つのアミノ酸配列をアラインメントしたときにその両方の配列に同一又は類似のアミノ酸残基が存在する位置の数の全長アミノ酸残基数に対する割合(%)をいう。類似のアミノ酸残基とは、タンパク質を構成する20種のアミノ酸のうち、極性や電荷の点で互いに類似した性質を有しており、いわゆる保存的置換を生じるようなアミノ酸残基を意味する。そのような類似のアミノ酸残基からなるグループは当業者にはよく知られており、例えば、アルギニンとリジン又はグルタミン;グルタミン酸とアスパラギン酸又はグルタミン;セリンとトレオニン又はアラニン;グルタミンとアスパラギン又はアルギニン;ロイシンとイソロイシン等がそれぞれ挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
上述のアラインメントにより参照配列の任意の位置に対応する位置にアラインされた目的アミノ酸配列のアミノ酸残基の位置は、当該任意の位置に「相当する位置」とみなされ、当該アミノ酸残基は「相当する位置のアミノ酸残基」と称される。
【0017】
本明細書において、所与の変異ポリヌクレオチド又はポリペプチドの「親」ポリヌクレオチド又はポリペプチドとは、そのヌクレオチド又はアミノ酸残基に所定の変異がなされることにより、当該変異ポリヌクレオチド又はポリペプチドとなるポリヌクレオチド又はポリペプチドをいう。
【0018】
また本明細書において、制御領域と遺伝子との「作動可能な連結」とは、遺伝子と制御領域とが、該遺伝子が該制御領域の制御の下で発現し得るように連結されていることをいう。遺伝子と制御領域との「作動可能な連結」の手順は当業者に周知である。
【0019】
本明細書において、別途限定がない限り、遺伝子に関する「上流」及び「下流」とは、該遺伝子の転写方向の上流及び下流をいう。
【0020】
本明細書において、「キレート剤」とは、金属イオンと配位結合をすることができる化合物をいう。洗剤組成物に添加されたキレート剤は、洗濯用水又は汚れの中のカルシウムイオン、マグネシウムイオン等の洗浄に悪影響を及ぼす金属イオンを封鎖する作用を有する。洗剤組成物に添加されるキレート剤の例としては、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びこれらのアルカリ金属又は低級アミン塩、などが挙げられる。
【0021】
本発明は、変異アルカリプロテアーゼを提供する。本発明の変異アルカリプロテアーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼに対して、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基が置換されたアミノ酸配列からなる。
【0022】
本発明の変異アルカリプロテアーゼの親アルカリプロテアーゼとしては、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、及び配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼであり、294位に相当する位置のアミノ酸残基がスレオニンではないアルカリプロテアーゼが挙げられる。配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼの例としては、KP43〔バチルス エスピーKSM−KP43(FERM BP−6532)〕由来のアルカリプロテアーゼが挙げられる(特許文献1を参照)。
【0023】
配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼの例としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列と95%以上の同一性、好ましくは96%以上の同一性、より好ましくは97%以上の同一性、さらに好ましくは98%以上の同一性、なお好ましくは99%以上の同一性を有するアルカリプロテアーゼが挙げられる。配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼの別の例としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列に対して1又は複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼが挙げられる。
【0024】
配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼのさらなる例としては、プロテアーゼKP9860[バチルス エスピーKSM−KP9860(FERM BP−6534)由来、WO99/18218、GenBank accession no.AB046403]、及びプロテアーゼ9865〔バチルス エスピーKSM−9865(FERM P−18566)由来、GenBank accession no.AB084155〕が挙げられる。
【0025】
本発明で親アルカリプロテアーゼとして用いられる、配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ由来の変異アルカリプロテアーゼであってもよい。当該変異アルカリプロテアーゼの例としては、上記KP−43株由来のアルカリプロテアーゼに対して、特許5202690号公報、特開2002−218989号公報、特開2002−306176号公報、特開2004−000122号公報、特開2004−305176号公報、特開2006−129865号公報、特開2007−061101号公報、特開2008−212084号公報、特開2009−034062号公報、特開2010−273672号公報、特開2010−273673号公報、特開2012−228216号公報及び特開2013−233141号公報に記載の変異のうちの1つ以上を施した変異アルカリプロテアーゼが挙げられる。
【0026】
上述した本発明で親アルカリプロテアーゼとして用いられる変異アルカリプロテアーゼの好ましい例としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列に対して以下の(a)〜(ds)からなる群より選択される1つ以上の変異を有する変異アルカリプロテアーゼが挙げられる:
(a)6位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はFへの置換;
(b)9位又はそれに相当する位置におけるKからQへの置換;
(c)11位又はそれに相当する位置におけるDからG、S又はNへの置換;
(d)15位又はそれに相当する位置におけるSからH、C、Q、D、E、R、A、V、M、W又はFへの置換;
(e)16位又はそれに相当する位置におけるSから、T、Q、V、C、Y、D、E、R、K、H、L、I、M、W又はFへの置換;
(f)20位又はそれに相当する位置におけるYからF又はAへの置換;
(g)22位又はそれに相当する位置におけるQからWへの置換;
(h)23位又はそれに相当する位置におけるGからNへの置換;
(i)37位又はそれに相当する位置におけるRからTへの置換;
(j)40位又はそれに相当する位置におけるSからV、L、I、W又はFへの置換;
(k)41位又はそれに相当する位置におけるSからIへの置換;
(l)46位又はそれに相当する位置におけるFからS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はWへの置換;
(m)49位又はそれに相当する位置におけるKからQへの置換;
(n)52位又はそれに相当する位置におけるAからG又はSへの置換;
(o)53位又はそれに相当する位置におけるLからA、V又はIへの置換;
(p)54位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、H、A、V、M、W、F又はPへの置換;
(q)56位又はそれに相当する位置におけるLからVへの置換;
(r)57位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(s)59位又はそれに相当する位置におけるTからV、L、I、M、W又はFへの置換;
(t)60位又はそれに相当する位置におけるNからV、L、I、W又はFへの置換;
(u)63位又はそれに相当する位置におけるNからS、D又はLへの置換;
(v)65位又はそれに相当する位置におけるTからW又はPへの置換;
(w)66位又はそれに相当する位置におけるNからG、S、T、C、Q、D、E、H、A、V、L、I、M又はWへの置換;
(x)80位又はそれに相当する位置におけるGからH又はAへの置換;
(y)81位又はそれに相当する位置におけるSからQ、Y、L、I、W又はFへの置換;
(z)82位又はそれに相当する位置におけるTからG、S、C、Q、D、E、R、K、H、A又はMへの置換;
(aa)83位又はそれに相当する位置におけるNからS、C又はAへの置換;
(ab)84位又はそれに相当する位置におけるKからRへの置換;
(ac)89位又はそれに相当する位置におけるQからHへの置換;
(ad)91位又はそれに相当する位置におけるNからCへの置換;
(ae)100位又はそれに相当する位置におけるSからL、I、W又はFへの置換;
(af)101位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ag)102位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ah)103位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ai)104位又はそれに相当する位置におけるLからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(aj)105位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ak)106位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(al)107位又はそれに相当する位置におけるLからS、R、K又はAへの置換;
(am)109位又はそれに相当する位置におけるSからL、I又はFへの置換;
(an)113位又はそれに相当する位置におけるTからL又はWへの置換;
(ao)119位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又はPへの置換;
(ap)120位又はそれに相当する位置におけるSからY、R、I、W又はFへの置換;
(aq)124位又はそれに相当する位置におけるRからK又はAへの置換;
(ar)132位又はそれに相当する位置におけるAからS、T、N、Q、D、I又はMへの置換;
(as)133位又はそれに相当する位置におけるAからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(at)134位又はそれに相当する位置におけるVからG、S、T又はAへの置換;
(au)133位又はそれに相当する位置と134位又はそれに相当する位置との間へのG、S、T、N、Q、Y、R、K、H、A、L、I、M又はWの挿入;
(av)135位又はそれに相当する位置におけるNからR、A、L又はMへの置換;
(aw)136位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ax)138位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又はPへの置換;
(ay)140位又はそれに相当する位置におけるTからL、W又はFへの置換;
(az)148位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、M、W、FまたはPへの置換;
(ba)151位又はそれに相当する位置におけるKからFへの置換;
(bb)163位又はそれに相当する位置におけるEからS、T、N、Q、D、K、H、V、L、I又はFへの置換;
(bc)166位又はそれに相当する位置におけるNからG、V、L、I、W又はFへの置換;
(bd)167位又はそれに相当する位置におけるGからVへの置換;
(be)170位又はそれに相当する位置におけるIからV又はLへの置換;
(bf)171位又はそれに相当する位置におけるSからG、T、E又はAへの置換;
(bg)187位又はそれに相当する位置におけるNからSへの置換;
(bh)191位又はそれに相当する位置におけるSからV、L、I、W又はFへの置換;
(bi)193位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(bj)194位又はそれに相当する位置におけるSからY、R又はKへの置換;
(bk)195位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(bl)200位又はそれに相当する位置におけるNからWへの置換;
(bm)204位又はそれに相当する位置におけるQからS、T、C、N、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W又はPへの置換;
(bn)205位又はそれに相当する位置におけるFからS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はWへの置換;
(bo)212位又はそれに相当する位置におけるKからN、Q、R、V、L又はWへの置換;
(bp)226位又はそれに相当する位置におけるFからYへの置換;
(bq)233位又はそれに相当する位置におけるSからL、I又はWへの置換;
(br)237位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(bs)238位又はそれに相当する位置におけるSからLへの置換;
(bt)243位又はそれに相当する位置におけるNからY、L又はIへの置換;
(bu)245位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(bv)246位又はそれに相当する位置におけるSからY、V、L、W又はFへの置換;
(bw)247位又はそれに相当する位置におけるKからS、T、C、N、Q、E、H、A、V、L、I、M、W又はFへの置換;
(bx)248位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(by)250位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(bz)251位又はそれに相当する位置におけるMからG、T、N、Q、D、A、V、L又はIへの置換;
(ca)256位又はそれに相当する位置におけるMからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、W、F又はPへの置換;
(cb)257位又はそれに相当する位置におけるAからV又はIへの置換;
(cc)264位又はそれに相当する位置におけるNからG、S、T、C、Q、D、E、A、V、L、I又はMへの置換;
(cd)273位又はそれに相当する位置におけるVからG、T又はIへの置換;
(ce)275位又はそれに相当する位置におけるNからL、W又はFへの置換;
(cf)277位又はそれに相当する位置におけるGからV、L、I又はFへの置換;
(cg)281位又はそれに相当する位置におけるKからRへの置換;
(ch)296位又はそれに相当する位置におけるIからVへの置換;
(ci)297位又はそれに相当する位置におけるGからL、W又はFへの置換;
(cj)304位又はそれに相当する位置におけるNからSへの置換;
(ck)313位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(cl)319位又はそれに相当する位置におけるAからS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(cm)320位又はそれに相当する位置におけるYからG、T、V、L、I又はFへの置換;
(cn)326位又はそれに相当する位置におけるSからWへの置換;
(co)330位又はそれに相当する位置におけるSからM、W又はFへの置換;
(cp)332位又はそれに相当する位置におけるKからG、T又はVへの置換;
(cq)334位又はそれに相当する位置におけるTからLへの置換;
(cr)335位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(cs)337位又はそれに相当する位置におけるFからG、S、T、C、Q、R、K、H、A又はVへの置換;
(ct)342位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(cu)343位又はそれに相当する位置におけるKからTへの置換;
(cv)346位又はそれに相当する位置におけるKからRへの置換;
(cw)357位又はそれに相当する位置におけるSからLへの置換;
(cx)359位又はそれに相当する位置におけるTからG、S、Q、V、L、I又はFへの置換;
(cy)361位又はそれに相当する位置におけるSからV、I又はWへの置換;
(cz)369位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(da)376位又はそれに相当する位置におけるNからWへの置換;
(db)378位又はそれに相当する位置におけるTからL又はWへの置換;
(dc)379位又はそれに相当する位置におけるQからD、E、R又はKへの置換;
(dd)380位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(de)385位又はそれに相当する位置におけるFからY、M又はPへの置換;
(df)386位又はそれに相当する位置におけるTからA、L、I又はMへの置換;
(dg)387位又はそれに相当する位置におけるSからG、好ましくは、Q、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はFへの置換;
(dh)390位又はそれに相当する位置におけるNからG、S、T、Y又はFへの置換;
(di)393位又はそれに相当する位置におけるWからQへの置換;
(dj)396位又はそれに相当する位置におけるRからGへの置換;
(dk)403位又はそれに相当する位置におけるFからT又はKへの置換;
(dl)405位又はそれに相当する位置におけるNからD、V、L、I、W、F又はPへの置換;
(dm)406位又はそれに相当する位置におけるAからV、W又はFへの置換;
(dn)407位又はそれに相当する位置におけるPからG又はCへの置換;
(do)408位又はそれに相当する位置におけるQからN、Y、I又はWへの置換;
(dp)409位又はそれに相当する位置におけるSからY又はWへの置換;
(dq)411位又はそれに相当する位置におけるTからA、V、L又はPへの置換;
(dr)427位又はそれに相当する位置におけるTからR又はVへの置換;
(ds)433位又はそれに相当する位置におけるVからLへの置換。
【0027】
上記(a)〜(ds)の変異は、いずれか単独で適用してもいずれか2以上を組み合わせてもよい。好ましい例としては、該(ar);該(as)及び(at)及び(au)の組み合わせ;該(bk);該(cz);該(v)、(cd)、(cx)及び(dg)の組み合わせ;該(bc)及び(bd)の組み合わせ;該(e)及び(aa)の組み合わせ;該(j)、(s)、(y)、(bh)及び(dl)の組み合わせ、;該(e)、(v)、(aa)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;該(e)、(v)、(aa)、(ar)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;該(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;該(j)、(s)、(v)、(y)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bh)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)、(dg)及び(dl)の組み合わせ;該(v)、(aa)、(ar)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;該(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;該(e)、(v)、(aa)、(bc)、(bd)、(bk)、(bm)、(cd)、(cl)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;ならびに、該(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bj)、(bk)、(bo)(cd)、(cx)、(cz)、(dc)及び(dg)の組み合わせ、が挙げられる。
【0028】
好ましくは、当該本発明の変異体の親アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の30位に相当する位置のアミノ酸残基はアスパラギン酸であり、68位に相当する位置のアミノ酸残基はヒスチジンであり、かつ255位に相当する位置のアミノ酸残基はセリンである。より好ましくは、当該本発明の変異体の親アルカリプロテアーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列における下記表1(i)に記載の各位置に相当する位置に、表1(ii)に記載のアミノ酸残基を有する。表1に示すアミノ酸残基は、上記に例示した親アルカリプロテアーゼ間で高度に保存されているアミノ酸残基である(Saekiら,Journal of bioscience and Bioengineering,2007,103:501−508)。
【0029】
【表1】
【0030】
好ましくは、当該本発明の変異体の親アルカリプロテアーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ(特許文献1)が有する次の酵素学的性質のいずれかを有する:1)酸化剤耐性を有し、アルカリ側(pH8以上)で作用し、かつ安定である。ここで、酸化剤耐性を有するとは、当該アルカリプロテアーゼを50mM過酸化水素(5mM塩化カルシウムを含有)溶液中(20mMブリットンロビンソン緩衝液、pH10)で、20℃20分間放置した後の残存活性(合成基質法)が少なくとも50%以上であることをいう;2)50℃、pH10で10分間処理したとき80%以上の残存活性を示す;3)ジイソプロピルフルオルリン酸(DFP)及びフェニルメタンスルホニルフルオライド(PMSF)で阻害される;4)SDS−PAGEによる分子量が43,000±2,000である。より好ましくは、当該親アルカリプロテアーゼは、上記1)〜4)の酵素学的性質を全て有する。
【0031】
好ましくは、本発明の変異アルカリプロテアーゼの親アルカリプロテアーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置にアラニンを有する。
【0032】
当該本発明の変異体の親アルカリプロテアーゼの好ましい例としては、配列番号2〜11のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼが挙げられる。配列番号3、4、5、6、7、8、9、10及び11で示されるアミノ酸配列は、配列番号2で示されるアミノ酸配に対して、それぞれ99.8%、97.7%、97.5%、97.5%、96.3%、97.7%、97.5%、97.2%及び96.8%の同一性を有する。なお、配列番号3〜11で示されるアミノ酸配列における配列番号2の294位アラニンに相当するアミノ酸残基は、294位アラニン(配列番号3〜5、8、10)及び295位アラニン(配列番号6〜7、9、11)である。
【0033】
本発明の変異アルカリプロテアーゼは、上述した親アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基をスレオニンに置換することによって製造することができる。したがって、本発明の変異アルカリプロテアーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基はスレオニンである。本発明の変異アルカリプロテアーゼは、その親アルカリプロテアーゼと比べて、キレート剤に対する安定性が向上している。したがって、本発明の変異アルカリプロテアーゼは、その親アルカリプロテアーゼと比べて、キレート剤含有液、例えば洗剤液中でより安定であり、その結果、当該キレート剤含有液中でより高いアルカリプロテアーゼ活性を保持することができる。
【0034】
好ましくは、本発明の変異アルカリプロテアーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基がスレオニンであり、かつ配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。より好ましくは、本発明の変異アルカリプロテアーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有し、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基がスレオニンであり、配列番号2で示されるアミノ酸配列の30位に相当する位置のアミノ酸残基はアスパラギン酸であり、68位に相当する位置のアミノ酸残基はヒスチジンであり、かつ255位に相当する位置のアミノ酸残基はセリンである。
【0035】
上述した親アルカリプロテアーゼの間で、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基は、それらのタンパク質の三次元構造中で、配列番号2で示されるアルカリプロテアーゼの294位アラニンと同等の位置に存在すると考えられる。したがって、親アルカリプロテアーゼにおける当該294位に相当する位置に存在するアミノ酸残基の変異は、それらの特異的機能に対して互いに類似した効果を及ぼすと推定される。
【0036】
なお、親アルカリプロテアーゼに上記(au)のように1アミノ酸残基が挿入されている場合、該親アルカリプロテアーゼの配列番号2の134位以降の位置に相当する位置は、配列番号2と比べて1残基下流に位置する。
【0037】
本発明の変異アルカリプロテアーゼは、上記294位に相当する位置における変異に加えて、そのキレート剤含有溶液中での安定性向上効果を妨げない限り、親アルカリプロテアーゼに対して他の任意の位置における変異(例えば、欠失、置換、付加、挿入)を有するものであってもよい。当該変異は、天然に生じたものであっても、人工的に導入したものであってもよい。
【0038】
例えば、本発明の変異アルカリプロテアーゼは、上記(a)〜(ds)に示した置換後のアミノ酸残基からなる群より選択される1つ以上を有していてもよい。例えば、本発明の変異アルカリプロテアーゼは、以下のアミノ酸残基を有していてもよい:該(ar)に示した置換後のアミノ酸残基;該(as)、(at)及び(au)に示した置換後のアミノ酸残基;該(bk)に示した置換後のアミノ酸残基;該(cz)に示した置換後のアミノ酸残基;該(v)、(cd)、(cx)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基;該(bc)及び(bd)に示した置換後のアミノ酸残基;該(e)及び(aa)に示した置換後のアミノ酸残基;該(j)、(s)、(y)、(bh)及び(dl)に示した置換後のアミノ酸残基;該(e)、(v)、(aa)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基;該(e)、(v)、(aa)、(ar)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基;該(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基;該(j)、(s)、(v)、(y)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bh)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)、(dg)及び(dl)に示した置換後のアミノ酸残基;該(v)、(aa)、(ar)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基;該(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基;該(e)、(v)、(aa)、(bc)、(bd)、(bk)、(bm)、(cd)、(cl)、(cx)、(cz)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基;又は、該(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bj)、(bk)、(bo)(cd)、(cx)、(cz)、(dc)及び(dg)に示した置換後のアミノ酸残基。これらの変異アルカリプロテアーゼは、該(a)〜(ds)に示した変異のいずれか1つ以上を有する親アルカリプロテアーゼにおいて、その配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアラニンをスレオニンに置換することによって得てもよく、又は配列番号2で示されるアミノ酸配列の親アルカリプロテアーゼにおいて、A294T変異とともに、該(a)〜(ds)に示した変異のいずれか1つ以上を導入することによって得てもよい。
【0039】
例えば、本発明の変異アルカリプロテアーゼとしては、配列番号2〜5、8、10のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼのA294T変異体、及び配列番号6〜7、9、11のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼのA295T変異体が挙げられる。
【0040】
本発明において、親アルカリプロテアーゼのアミノ酸残基を変異させる手段としては、当技術分野で公知の各種変異導入技術を使用することができる。例えば、親アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド(以下、親遺伝子ともいう)において、変異すべきアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列を、変異後のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列に変異させ、さらにその変異遺伝子からタンパク質を発現させることにより、目的の変異アルカリプロテアーゼを得ることができる。
【0041】
親遺伝子への目的の変異の導入は、例えば基本的には、親遺伝子を鋳型DNAとして用いるPCR増幅や各種DNAポリメラーゼによる複製反応に基づき、当業者には周知の様々な部位特異的変異導入法を用いて行うことができる。部位特異的変異導入法は、例えば、インバースPCR法やアニーリング法など(村松ら編、「改訂第4版 新遺伝子工学ハンドブック」、羊土社、p82−88)の任意の手法により行うことができる。Stratagene社のQuickChange II Site−Directed Mutagenesis Kitや、QuickChange Multi Site−Directed Mutagenesis Kit等の各種の市販の部位特異的変異導入用キットを使用することもできる。
【0042】
親遺伝子への部位特異的変異導入は、最も一般的には、導入すべきヌクレオチド変異を含む変異用プライマーを用いて行うことができる。該変異用プライマーは、親遺伝子における変異すべきアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列を含む領域にアニーリングし、かつその変異すべきアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列(コドン)に代えて変異後のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列(コドン)を有するヌクレオチド配列を含むように設計すればよい。変異前及び変異後のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列(コドン)は、当業者であれば通常の教科書等に基づいて適宜認識し選択することができる。あるいは、部位特異的変異導入は、導入すべきヌクレオチド変異を含む相補的な2つのプライマーを別々に用いて変異部位の上流側及び下流側をそれぞれ増幅したDNA断片を、SOE(splicing by overlap extension)−PCR(Horton et al,Gene,1989,77(1):p61−68)により1つに連結する方法を用いることもできる。
【0043】
親遺伝子を含む鋳型DNAは、上述したバチルス エスピーKSM−KP43(FERM BP−6532)、バチルス エスピーKSM―KP9860(FERM BP−6534)、バチルス エスピーKSM−9865(FERM P−18566)等の菌、又はそれらの変異株から、常法によりゲノムDNAを抽出するか、又はRNAを抽出し逆転写によりcDNAを合成することによって、調製することができる。あるいは、親アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列に基づいて、対応するヌクレオチド配列を化学合成して鋳型DNAとして用いてもよい。
【0044】
当該バチルス属菌株からのゲノムDNAの調製は、例えば、Pitcher et al,Lett Appl Microbiol,1989,8:151−156に記載の方法などを用いて行うことができる。親遺伝子を含む鋳型DNAは、調製したcDNA、又はゲノムDNAから切り出した親遺伝子を含むDNA断片を、任意のベクター中に挿入した形で調製してもよい。
【0045】
変異用プライマーは、ホスホロアミダイト法(Nucleic Acids Research,1989,17:7059−7071)等の周知のオリゴヌクレオチド合成法により作製することができる。そのようなプライマー合成は、例えば市販のオリゴヌクレオチド合成装置(ABI社製など)を用いて実施することもできる。該変異用プライマーを含むプライマーセットを使用し、親遺伝子を鋳型DNAとして上記のような部位特異的変異導入を行うことにより、目的の変異が導入された変異アルカリプロテアーゼ遺伝子を得ることができる。
【0046】
したがって、本発明はまた、変異アルカリプロテアーゼ遺伝子を提供する。本発明の変異アルカリプロテアーゼ遺伝子は、当該本発明の変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチドである。当該本発明のポリヌクレオチドは、一本鎖又は2本鎖のDNA、cDNA、RNAもしくは他の人工核酸を含み得る。該DNA、cDNA及びRNAは、化学合成されていてもよい。また当該本発明のポリヌクレオチドは、オープンリーディングフレーム(ORF)に加えて、非翻訳領域(UTR)のヌクレオチド配列を含んでいてもよい。
【0047】
本発明はまた、当該本発明の変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターを提供する。該ベクターは、該本発明のポリヌクレオチドを常法により任意のベクター中に挿入し連結することにより作製することができる。該ベクターの種類は特に限定されず、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、ウイルス、YACベクター、シャトルベクター等の任意のベクターであってよい。また該ベクターは、限定ではないが、好ましくは、細菌内、とりわけバチルス属細菌内で増幅可能なベクターであり、より好ましくは、バチルス属細菌内で導入遺伝子の発現を誘導可能な発現ベクターである。中でも、バチルス属細菌と他の生物のいずれでも複製可能なベクターであるシャトルベクターは、本発明の変異アルカリプロテアーゼを組換え生産する上で好適に用いることができる。好ましいベクターの例としては、限定するものではないが、pHA3040SP64、pHSP64R又はpASP64(特許第3492935号)、pHY300PLK(大腸菌と枯草菌の両方を形質転換可能な発現ベクター;Ishikawa and Shibahara,Jpn J Genet,1985,60:235−243)、pAC3(Moriyama et al,Nucleic Acids Res,1988,16:8732)等のシャトルベクター;pUB110(Gryczan et al,J Bacteriol,1978,134:318−329)、pTA10607(Bron et al,Plasmid,1987,18:8−15)等のバチルス属細菌の形質転換に利用可能なプラスミド;分泌シグナルを組換えタンパク質に付与可能な分泌ベクター(山根他,「枯草菌分泌ベクターによる融合タンパク質」澱粉科学,34.(1987),163−170)等が挙げられる。また大腸菌由来のプラスミド(例えばpET22b(+)、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pBluescript等)を用いることもできる。
【0048】
本発明の変異アルカリプロテアーゼを組換え生産する場合、当該ベクターは発現ベクターであることが好ましい。発現ベクターは、転写プロモーター、ターミネーター、リボソーム結合部位等の宿主生物における発現に必須な各種エレメント;ポリリンカー、エンハンサー等のシスエレメント;ポリA付加シグナル;リボソーム結合配列(SD配列);薬剤(例えばアンピシリン、ネオマイシン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール等)耐性遺伝子等の選択マーカー遺伝子、などの有用な配列を必要に応じて含み得る。
【0049】
本発明はまた、本発明の変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチド又はそれを含有するベクターを含む、形質転換体を提供する。該形質転換体は、本発明の変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチド、又はそれを含有するベクター(好ましくは組換え発現ベクター)を宿主に導入することにより製造することができる。
【0050】
当該形質転換体の宿主としては、大腸菌や枯草菌等の細菌、酵母細胞を始めとする微生物の他、昆虫細胞、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞)、植物細胞等の任意の細胞が挙げられる。該宿主は、好ましくはバチルス属細菌であり、より好ましくは枯草菌又はその変異株である。したがって、本発明の形質転換体は、組換えバチルス属細菌であり、より好ましくは枯草菌又はその変異株の組換え体である。
【0051】
宿主の形質転換には、例えば、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、パーテイクルガン法、PEG法等の周知の形質転換技術を適用することができる。例えばバチルス属細菌に適用可能な形質転換法としては、コンピテントセル形質転換法(J Bacteriol,1967,93:1925−1937)、エレクトロポレーション法(Brigidi et al,FEMS Microbiol Lett,1990,55:135−138)、プロトプラスト形質転換法(Chang and Cohen,Mol Gen Genet,1979,168:111−115)、Tris−PEG法(Takahashi et al,J Bacteriol,1983,156:1130−1134)などが挙げられる。
【0052】
当該本発明の形質転換体を培養することにより、本発明の変異アルカリプロテアーゼを製造することができる。したがって、本発明はまた、本発明の形質転換体を用いる変異アルカリプロテアーゼの製造方法を提供する。変異アルカリプロテアーゼ製造のための当該形質転換体の培養は、当業者には一般的な方法に従って行うことができる。例えば、大腸菌や酵母細胞等の微生物宿主に基づく形質転換体を培養する培地としては、該微生物宿主が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であればよい。該培地は、天然培地及び合成培地のいずれを用いてもよい。例えば、組換えタンパク質を生産するための枯草菌形質転換体の培養には、LB培地、2×YT培地、2×L−マルトース培地、又はCSL発酵培地等を用いることができる。該培地には、形質転換体に導入した薬剤耐性遺伝子(選択マーカー遺伝子)の種類に対応した薬剤を添加してもよい。また、誘導性プロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドール酢酸(IAA)等を培地に添加することができる。
【0053】
あるいは、本発明の変異アルカリプロテアーゼは、無細胞翻訳系を使用して、本発明の変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチド又はその転写産物から発現させてもよい。「無細胞翻訳系」とは、宿主となる細胞を機械的に破壊して得た懸濁液にタンパク質の翻訳に必要なアミノ酸等の試薬を加えて、in vitro転写翻訳系又はin vitro翻訳系を構成したものである。
【0054】
当該形質転換体又は無細胞翻訳系で製造された本発明の変異アルカリプロテアーゼは、タンパク質精製に用いられる一般的な方法、例えば遠心分離、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、培養液、細胞破砕液、無細胞翻訳系の反応液などから取得することができる。あるいは、遠心分離や限外濾過型フィルター等を用いて分離又は濃縮した培養上清や溶菌液上清等の溶液を、粗酵素液としてそのまま使用することができる。発現された変異アルカリプロテアーゼが細胞内から分泌されない場合には、その細胞を破砕してからタンパク質の分離精製を行えばよい。
【0055】
本発明において用いるmRNAの調製、cDNAの作製、PCR、RT−PCR、ライブラリーの作製、ベクター中へのライゲーション、細胞の形質転換、DNAの塩基配列の決定、核酸化学合成、タンパク質のN末端側のアミノ酸配列決定、突然変異誘発、タンパク質の抽出等の実験は、通常の実験書に記載の方法によって行うことができる。そのような実験書としては、例えば、SambrookらのMolecular Cloning,A laboratory manual,2001,3rd Ed.,Sambrook,J.& Russell,DW.Cold Spring Harbor Laboratory Pressを挙げることができる。さらに、枯草菌の遺伝子組換え実験については、例えば吉川博文著、"7.2 枯草菌系"「続生化学実験講座1.遺伝子研究法II」,1986,東京化学同人社(東京),p150−169等の、枯草菌の遺伝子操作に関する一般的な実験書を参照することができる。
【0056】
本発明の製造方法により得られた変異アルカリプロテアーゼは、親アルカリプロテアーゼと比べて、キレート剤に対する安定性が向上しており、キレート剤含有液、好ましくは液体洗剤中でより安定性に存在することができる、したがって、本発明の別の態様は、上述した親アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基を置換することを含む、アルカリプロテアーゼのキレート剤に対する安定性向上方法であり得る。
【0057】
本発明の変異アルカリプロテアーゼはキレート剤に対する安定性が高いため、洗剤配合用酵素として有用である。本発明の変異アルカリプロテアーゼを含有する洗剤は、従来と比べてより高いプロテアーゼ活性を維持することが可能になり、結果としてより強力な酵素洗浄力を発揮することができる。従って、本発明はまた、本発明の変異アルカリプロテアーゼを含有する洗剤組成物を提供する。該洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいが、好ましくは液体洗剤組成物である。
【0058】
本発明の洗剤組成物は、キレート剤を含有する。本発明の洗剤組成物に含まれ得るキレート剤の例としては、上記に挙げたとおりである。本発明の洗剤組成物におけるキレート剤の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜4質量%である。
【0059】
本発明の洗剤組成物における本発明の変異アルカリプロテアーゼの含有量は、アルカリプロテアーゼが活性を示す量であれば特に制限されないが、洗剤組成物1kg当たり0.1〜25000Uが好ましく、0.1〜5000Uがより好ましく、0.1〜2500Uがさらに好ましい。なお、アルカリプロテアーゼの活性(U)は以下の方法により測定される:1/15Mリン酸緩衝液(pH7.4)0.9mL、40mMGlt−Ala−Ala−Pro−Leu−p−ニトロアニリド/ジメチルスルホキシド溶液0.05mLを試験管に採り、30℃で5分間保温する。これに酵素液0.05mLを加えて30℃で10分間反応を行った後、5%(w/v)クエン酸水溶液2.0mLを加えて反応を停止し、分光光度計を用いて420nmにおける吸光度を測定する。ここで酵素1単位(U)は上記反応において1分間に1μmolのp−ニトロアニリンを生成する量とする。
【0060】
本発明の洗剤組成物は、本発明の変異アルカリプロテアーゼに加えて、界面活性剤及び水を含有する。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤等の任意の界面活性剤を1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の洗剤組成物における当該界面活性剤の含有量は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
【0061】
非イオン性界面活性剤としては、一般的に液体洗剤に配合されているC8〜C22の炭化水素基を有し、C2オキシアルキレン基が数モル以上付加された非イオン性界面活性剤であればよいが、例えば、以下が挙げられる:
1O−(AO)m−H(R1=C8−C22炭化水素、AO=C2−C5オキシアルキレン基、m=16〜35)〔特開2010−275468号公報〕;
1O−(EO)l−(AO)m−(EO)n−H(R1=C8−C18炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=3〜30、m=1〜5、l+n=14〜50)〔特開2010−265445号公報、特開2011−63784号公報〕;
1O−(EO)m/(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=10〜30、n=0〜5、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−189551号公報〕;
1(CO)lO−(EO)m/(AO)n−R2(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=0〜1、m=14〜50、n=1〜5、R2=水素(l=0)又はC1−C3アルキル基、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−229385号公報〕;
1O−(EO)m−(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=15〜30、n=1〜5)〔特開2010−229387号公報〕;
1O−(AO)m/(Gly)n−H及び/又はR2−COO−(AO)p/(Gly)q−H(R1=C8−C22炭化水素基、R2=C7−C21炭化水素基、AO=C2−C3オキシアルキレン基、Gly=グリセロール基、m=0〜5、n=2〜10、p=0〜5、q=2〜10、AO及びGlyはランダム又はブロック結合)〔特開2010−254881号公報〕;
1−COO−(PO)m/(EO)n−R2(R1=C7−C21炭化水素基,COO=カルボニルオキシ基、R2=C1−C3アルキル基、PO=オキシプロピレン基、EO=オキシエチレン基、m=0.3〜5、n=8〜25、PO及びEOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−265333号公報〕;
1O−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H(R1=C8−C20炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、PO=オキシプロピレン基、l>=1、n>=1、0<m<l+n、EO及びPOはブロック結合)〔WO98/24865〕;
1O−(EO)m−(PO)n−H(R1=C10−C16のアルキル基又はアルケニル基、EO=エチレンオキシド基、PO=プロピレンオキシド基、m=5〜15、n=1〜3)〔特開平8−157867号公報〕;
1(CO)−(EO)m−OR2(R1=C11−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、R2=C1−C3アルキル基、EO=エチレンオキシド基、m=10〜20)〔特開2008−7706号公報、特開2009−7451号公報、特開2009−155594号公報、特開2009−155606号公報〕;
1(CO)−(AO)m−OR2(R1=C9−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、AO=C2−C4オキシアルキレン基、R2=C1−C3アルキル基、m=5〜30)〔特開2009−144002号公報、特開2009−173858号公報、特開2010−189612号公報〕;ならびに、
脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルカノールグルカミド、アルキルポリグルコシド等。
【0062】
陰イオン界面活性剤としては、例えばカルボキシレート型陰イオン界面活性剤、スルホン酸型又は硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、非石鹸系アニオン界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、脂肪酸石鹸、リン酸エステル塩系界面活性剤、アシルアラニネート、アシルタウレート、アルキルエーテルカルボン酸、アルコール硫酸エステル等が挙げられる。
【0063】
陽イオン界面活性剤としては、例えば長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩、長鎖アルキル基を1つ有する3級アミン、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。好ましくは炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する第4級アンモニウム型界面活性剤、炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する3級アミンが挙げられる。
【0064】
両性イオン活性剤としては、例えばアルキル酢酸ベタイン、アルカノールアミドプロピル酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリン、アルキルアラニン等、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。好ましくは炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン又はカルボベタインを挙げることができる。
【0065】
本発明の洗剤組成物は、さらに、洗剤組成物に通常使用される成分、例えば、水溶性ポリマー、水混和性有機溶剤、アルカリ剤、有機酸又はその塩、本発明の変異アルカリプロテアーゼ以外の他の酵素、酵素安定化剤、蛍光剤、再汚染防止剤、分散剤、色移り防止剤、仕上げ剤、過酸化水素等の漂白剤、酸化防止剤、可溶化剤、pH調製剤、緩衝剤、防腐剤、香料、塩、アルコール、糖類、などを含み得る。
【0066】
水溶性ポリマーとしては、例えば、(i)炭素数2〜5のエポキシド由来の重合単位を含んで構成されるポリエーテル鎖部分と(ii)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の重合単位を含んで構成されるポリマー鎖部分とを有し、(i)又は(ii)のいずれかが幹鎖となり、他方が枝鎖となったグラフト構造を有する高分子化合物(特開2010−275468号公報、特開平10−060496号公報);アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位を有する水溶性ポリマー(特開2009−155606号公報)、などが挙げられる。本発明の洗剤組成物における当該水溶性ポリマーの含有量は、好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.4〜5質量%である。
【0067】
水混和性有機溶剤としては、例えば、アルカノール類のアルキレングリコール類やグリセリン、ポリアルキレングリコール類、(ポリ)アルキレングリコール(モノ又はジ)アルキルエーテル類、アルキルグリセリルエーテル類、(ポリ)アルキレングリコールの芳香族エーテル類が挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、又はヘキシレングリコールなどの炭素数2〜6のアルキレングリコール類やグリセリン、又はポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等が好ましい。本発明の洗剤組成物における当該水混和性有機溶剤の含有量は、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは1〜35質量%である。
【0068】
アルカリ剤としては、例えば、C2−C4のアルカノールを1〜3個有するアルカノールアミンとして、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシアルキレンアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。モノエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。本発明の洗剤組成物における当該アルカリ剤の含有量は、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%である。
【0069】
有機酸又はその塩としては、例えば、飽和脂肪酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、又はそれらの塩等の多価カルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、安息香酸又はそれらの塩等のヒドロキシカルボン酸類、などが挙げられ、なかでもクエン酸又はその塩が好ましい。本発明の洗剤組成物における当該有機酸又はその塩の含有量は、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜3質量%である。
【0070】
再汚染防止剤及び分散剤としては、例えばポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース、重量平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、及び特開昭59−62614号公報の請求項1〜21(1頁3欄5行〜3頁4欄14行)記載のポリマーなどの再汚染防止剤及び分散剤を挙げることができるが、配合に適さない場合は除外してもよい。
【0071】
色移り防止剤としては、例えばポリビニルピロリドンが挙げられ、含有量は0.01〜10質量%が好ましい。
【0072】
漂白剤としては、例えば過酸化水素、過炭酸塩、過硼酸塩などの漂白剤を、当該洗剤組成物中1〜10質量%含有させることが好ましい。漂白剤を使用するときは、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)や特開平6−316700号公報記載などの漂白活性化剤(アクチベーター)を、当該洗剤組成物中0.01〜10質量%含有させることができる。
【0073】
蛍光剤としては、例えばビフェニル型蛍光剤(チノパールCBS−Xなど)やスチルベン型蛍光剤(DM型蛍光染料など)が挙げられる。本発明の洗剤組成物における当該蛍光剤の含有量は0.001〜2質量が好ましい。
【0074】
本発明の変異アルカリプロテアーゼ以外の他の酵素としては、例えば、他のプロテアーゼ、セルラーゼ、β−グルカナーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ペクチンリアーゼ、マンナナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びトランスグルタミナーゼ等の加水分解酵素、ならびにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0075】
酵素安定化剤としては、例えばホウ素化合物、カルシウムイオン源(カルシウムイオン供給化合物)、ヒドロキシ化合物、蟻酸などが挙げられ、酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられ、可溶化剤としては、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)などが挙げられる。さらに、本発明の洗剤組成物は、オクタン、デカン、ドデカン、トリデカンなどのパラフィン類、デセン、ドデセンなどのオレフィン類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化アルキル類、D−リモネンなどのテルペン類などの水非混和性有機溶剤、色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤などを含有していてもよい。
【0076】
本発明の変異アルカリプロテアーゼを配合することができる洗剤組成物の好ましい例としては、特開2010−265333号公報、特開2014−141662号公報、特開2009−191128号公報、特開2012−224652号公報、特表2013−503950号公報、特表平11−512768号公報の実施例に記載の液体洗剤組成物が挙げられる。例えば、特開2014−141662号公報の実施例4に記載される液体洗剤組成物〔界面活性剤を30%(陰イオン界面活性剤を20%、非イオン界面活性剤10%)、クエン酸 3%、水酸基を有する有機溶剤(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)を18%、組成物のpHを8.0にするのに必要なアルカリ剤(モノエタノールアミン)、イオン交換水、及び香料等を配合した組成物〕に本発明の変異アルカリプロテアーゼを配合することにより、本発明の洗剤組成物を調製することができる。
【0077】
本発明の洗剤組成物は、限定するものではないが、好ましくは衣料又は布製品(シーツ、カーテン、カーペット、壁クロス等)の洗浄用のものである。本発明に係る洗剤組成物は、本発明の変異アルカリプロテアーゼを安定に保持することができるため、高い酵素洗浄力を発揮することができる。
【0078】
本発明はまた、例示的実施形態として以下の物質、製造方法、用途、方法等を包含する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
【0079】
〔1〕配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基がスレオニンに置換されたアミノ酸配列からなる、変異アルカリプロテアーゼ。
〔2〕好ましくは、前記配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置にアラニンを有する、〔1〕記載の変異アルカリプロテアーゼ。
〔3〕好ましくは、前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、プロテアーゼKP9860又はプロテアーゼ9865のアミノ酸配列である、〔1〕又は〔2〕記載の変異アルカリプロテアーゼ。
〔4〕前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、
(i) 好ましくは、以下の(a´)〜(ds´)からなる群より選択される1以上のアミノ酸残基を有し:
(a´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の6位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はF;
(b´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の9位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ;
(c´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の11位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S又はN;
(d´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の15位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がH、C、Q、D、E、R、A、V、M、W又はF;
(e´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の16位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT、Q、V、C、Y、D、E、R、K、H、L、I、M、W又はF;
(f´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の20位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF又はA;
(g´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の22位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(h´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の23位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(i´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の37位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT;
(j´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の40位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、W又はF;
(k´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の41位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がI;
(l´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の46位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はW;
(m´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の49位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ;
(n´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の52位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG又はS;
(o´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の53位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がA、V又はI;
(p´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の54位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、H、A、V、M、W、F又はP;
(q´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の56位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV;
(r´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の57位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(s´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の59位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、M、W又はF;
(t´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の60位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、W又はF;
(u´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の63位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、D又はL;
(v´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の65位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW又はP;
(w´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の66位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、Q、D、E、H、A、V、L、I、M又はW;
(x´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の80位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がH又はA;
(y´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の81位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ、Y、L、I、W又はF;
(z´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の82位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、C、Q、D、E、R、K、H、A又はM;
(aa´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の83位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、C又はA;
(ab´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の84位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR;
(ac´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の89位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がH;
(ad´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の91位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がC;
(ae´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の100位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、I、W又はF;
(af´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の101位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ag´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の102位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ah´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の103位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ai´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の104位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(aj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の105位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ak´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の106位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(al´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の107位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、R、K又はA;
(am´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の109位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、I又はF;
(an´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の113位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL又はW;
(ao´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の119位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又はP;
(ap´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の120位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、R、I、W又はF;
(aq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の124位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がK又はA;
(ar´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の132位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、N、Q、D、I又はM;
(as´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の133位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はP;
(at´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の134位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T又はA;
(au´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の133位又はそれに相当する位置と134位又はそれに相当する位置との間のアミノ酸残基がG、S、T、N、Q、Y、R、K、H、A、L、I、M又はW;
(av´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の135位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR、A、L又はM;
(aw´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の136位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(ax´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の138位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又は;
(ay´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の140位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、W又はF;
(az´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の148位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、M、W、FまたはP;
(ba´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の151位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(bb´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の163位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、N、Q、D、K、H、V、L、I又はF;
(bc´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の166位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、V、L、I、W又はF;
(bd´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の167位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV;
(be´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の170位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV又はL;
(bf´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の171位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T、E又はA;
(bg´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の187位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS;
(bh´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の191位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I、W又はF;
(bi´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の193位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(bj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の194位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、R又はK;
(bk´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の195位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(bl´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の200位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(bm´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の204位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W又はP;
(bn´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の205位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はW;
(bo´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の212位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN、Q、R、V、L又はW;
(bp´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の226位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY;
(bq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の233位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、I又はW;
(br´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の237位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(bs´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の238位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL;
(bt´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の243位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、L又はI;
(bu´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の245位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(bv´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の246位又はそれに相当する位置におけるYアミノ酸残基が、V、L、W又はF;
(bw´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の247位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、E、H、A、V、L、I、M、W又はF;
(bx´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の248位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(by´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の250位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(bz´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の251位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T、N、Q、D、A、V、L又はI;
(ca´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の256位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、W、F又はP;
(cb´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の257位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV又はI;
(cc´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の264位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、Q、D、E、A、V、L、I又はM;
(cd´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の273位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T又はI;
(ce´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の275位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、W又はF;
(cf´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の277位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、L、I又はF;
(cg´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の281位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR;
(ch´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の296位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV;
(ci´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の297位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、W又はF;
(cj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の304位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS;
(ck´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の313位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(cl´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の319位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はP;
(cm´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の320位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T、V、L、I又はF;
(cn´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の326位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(co´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の330位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がM、W又はF;
(cp´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の332位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、T又はV;
(cq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の334位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL;
(cr´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の335位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(cs´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の337位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、C、Q、R、K、H、A又はV;
(ct´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の342位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はP;
(cu´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の343位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT;
(cv´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の346位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR;
(cw´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の357位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL;
(cx´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の359位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、Q、V、L、I又はF;
(cy´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の361位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、I又はW;
(cz´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の369位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN;
(da´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の376位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がW;
(db´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の378位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL又はW;
(dc´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の379位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がD、E、R又はK;
(dd´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の380位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がF;
(de´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の385位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY、M又はP;
(df´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の386位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がA、L、I又はM;
(dg´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の387位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、Q、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はF;
(dh´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の390位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG、S、T、Y又はF;
(di´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の393位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がQ;
(dj´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の396位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG;
(dk´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の403位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がT又はK;
(dl´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の405位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がD、V、L、I、W、F又はP;
(dm´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の406位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がV、W又はF;
(dn´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の407位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がG又はC;
(do´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の408位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がN、Y、I又はW;
(dp´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の409位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がY又はW;
(dq´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の411位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がA、V、L又はP;
(dr´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の427位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がR又はV;
(ds´)配列番号2で示されるアミノ酸配列の433位又はそれに相当する位置におけるアミノ酸残基がL、
(ii)より好ましくは、以下のいずれか:
(ar´)に示したアミノ酸残基;
(as´)、(at´)及び(au´)に示したアミノ酸残基;
(bk´)に示したアミノ酸残基;
(cz´)に示したアミノ酸残基;
(v´)、(cd´)、(cx´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基;
(bc´)及び(bd´)に示したアミノ酸残基;
(e´)及び(aa´)に示したアミノ酸残基;
(j´)、(s´)、(y´)、(bh´)及び(dl´)に示したアミノ酸残基;
(e´)、(v´)、(aa´)、(bc´)、(bd´)、(bk´)、(cd´)、(cx´)、(cz´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基;
(e´)、(v´)、(aa´)、(ar´)、(bc´)、(bd´)、(bk´)、(cd´)、(cx´)、(cz´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基;
(v´)、(as´)、(at´)、(au´)、(bc´)、(bd´)、(bk´)、(cd´)、(cx´)、(cz´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基;
(j´)、(s´)、(v´)、(y´)、(as´)、(at´)、(au´)、(bc´)、(bd´)、(bh´)、(bk´)、(cd´)、(cx´)、(cz´)、(dg´)及び(dl´)に示したアミノ酸残基;
(v´)、(aa´)、(ar´)、(bc´)、(bd´)、(bk´)、(cd´)、(cx´)、(cz´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基;
(v´)、(as´)、(at´)、(au´)、(bc´)、(bd´)、(bk´)、(cd´)、(cx´)、(cz´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基;
(e´)、(v´)、(aa´)、(bc´)、(bd´)、(bk´)、(bm´)、(cd´)、(cl´)、(cx´)、(cz´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基;及び
(v´)、(as´)、(at´)、(au´)、(bc´)、(bd´)、(bj´)、(bk´)、(bo´)(cd´)、(cx´)、(cz´)、(dc´)及び(dg´)に示したアミノ酸残基、
を有する、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の変異アルカリプロテアーゼ。
〔5〕前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、
好ましくは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の30位に相当する位置にアスパラギン酸を、68位に相当する位置にヒスチジンを、かつ255位に相当する位置にセリンを有し、
より好ましくは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の上記表1(i)記載の位置に相当する位置に、当該表1(ii)記載のアミノ酸残基を有する、
〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の変異アルカリプロテアーゼ。
〔6〕好ましくは、配列番号2〜5、8、10のいずれかで示されるアミノ酸配列からなる変異アルカリプロテアーゼのA294T変異体であるか、又は配列番号6〜7、9、11のいずれかで示されるアミノ酸配列からなる変異アルカリプロテアーゼのA295T変異体である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の変異アルカリプロテアーゼ。
【0080】
〔7〕〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の変異アルカリプロテアーゼをコードするポリヌクレオチド。
〔8〕〔7〕記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
〔9〕外来の〔7〕記載のポリヌクレオチド又は〔8〕記載のベクターを含む形質転換体。
〔10〕好ましくは、前記ベクターがバチルス属細菌内で導入遺伝子の発現を誘導可能な発現ベクターである、〔8〕記載のベクター又は〔9〕記載の形質転換体。
〔11〕好ましくは組換えバチルス属細菌である、〔9〕又は〔10〕記載の形質転換体。
〔12〕〔9〕〜〔11〕記載の形質転換体を用いる変異アルカリプロテアーゼの製造方法。
【0081】
〔13〕〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の変異アルカリプロテアーゼを含有する洗剤組成物。
〔14〕好ましくはキレート剤を含有する、〔13〕記載の洗剤組成物。
〔15〕好ましくは液体洗剤組成物である、〔13〕又は〔14〕記載の洗剤組成物。
〔16〕界面活性剤の含有量が、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である〔15〕記載の洗剤組成物。
【0082】
〔17〕配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基をスレオニンに置換することを含む、変異アルカリプロテアーゼの製造方法。
〔18〕配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置のアミノ酸残基をスレオニンに置換することを含む、アルカリプロテアーゼのキレート剤に対する安定性向上方法。
〔19〕好ましくは、前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、配列番号2で示されるアミノ酸配列の294位に相当する位置にアラニンを有する、〔17〕又は〔18〕記載の方法。
〔20〕好ましくは、前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、プロテアーゼKP9860又はプロテアーゼ9865のアミノ酸配列である、〔17〕〜〔19〕のいずれか1項記載の方法。
〔21〕好ましくは、前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、配列番号2で示されるアミノ酸配列に対して以下の変異を有するアミノ酸配列である、〔17〕〜〔19〕のいずれか1項記載の方法:
(i) 好ましくは、以下の(a)〜(ds)からなる群より選択される1つ以上:
(a)6位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はFへの置換;
(b)9位又はそれに相当する位置におけるKからQへの置換;
(c)11位又はそれに相当する位置におけるDからG、S又はNへの置換;
(d)15位又はそれに相当する位置におけるSからH、C、Q、D、E、R、A、V、M、W又はFへの置換;
(e)16位又はそれに相当する位置におけるSから、T、Q、V、C、Y、D、E、R、K、H、L、I、M、W又はFへの置換;
(f)20位又はそれに相当する位置におけるYからF又はAへの置換;
(g)22位又はそれに相当する位置におけるQからWへの置換;
(h)23位又はそれに相当する位置におけるGからNへの置換;
(i)37位又はそれに相当する位置におけるRからTへの置換;
(j)40位又はそれに相当する位置におけるSからV、L、I、W又はFへの置換;
(k)41位又はそれに相当する位置におけるSからIへの置換;
(l)46位又はそれに相当する位置におけるFからS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はWへの置換;
(m)49位又はそれに相当する位置におけるKからQへの置換;
(n)52位又はそれに相当する位置におけるAからG又はSへの置換;
(o)53位又はそれに相当する位置におけるLからA、V又はIへの置換;
(p)54位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、H、A、V、M、W、F又はPへの置換;
(q)56位又はそれに相当する位置におけるLからVへの置換;
(r)57位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(s)59位又はそれに相当する位置におけるTからV、L、I、M、W又はFへの置換;
(t)60位又はそれに相当する位置におけるNからV、L、I、W又はFへの置換;
(u)63位又はそれに相当する位置におけるNからS、D又はLへの置換;
(v)65位又はそれに相当する位置におけるTからW又はPへの置換;
(w)66位又はそれに相当する位置におけるNからG、S、T、C、Q、D、E、H、A、V、L、I、M又はWへの置換;
(x)80位又はそれに相当する位置におけるGからH又はAへの置換;
(y)81位又はそれに相当する位置におけるSからQ、Y、L、I、W又はFへの置換;
(z)82位又はそれに相当する位置におけるTからG、S、C、Q、D、E、R、K、H、A又はMへの置換;
(aa)83位又はそれに相当する位置におけるNからS、C又はAへの置換;
(ab)84位又はそれに相当する位置におけるKからRへの置換;
(ac)89位又はそれに相当する位置におけるQからHへの置換;
(ad)91位又はそれに相当する位置におけるNからCへの置換;
(ae)100位又はそれに相当する位置におけるSからL、I、W又はFへの置換;
(af)101位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ag)102位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ah)103位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ai)104位又はそれに相当する位置におけるLからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(aj)105位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ak)106位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(al)107位又はそれに相当する位置におけるLからS、R、K又はAへの置換;
(am)109位又はそれに相当する位置におけるSからL、I又はFへの置換;
(an)113位又はそれに相当する位置におけるTからL又はWへの置換;
(ao)119位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又はPへの置換;
(ap)120位又はそれに相当する位置におけるSからY、R、I、W又はFへの置換;
(aq)124位又はそれに相当する位置におけるRからK又はAへの置換;
(ar)132位又はそれに相当する位置におけるAからS、T、N、Q、D、I又はMへの置換;
(as)133位又はそれに相当する位置におけるAからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(at)134位又はそれに相当する位置におけるVからG、S、T又はAへの置換;
(au)133位又はそれに相当する位置と134位又はそれに相当する位置との間へのG、S、T、N、Q、Y、R、K、H、A、L、I、M又はWの挿入;
(av)135位又はそれに相当する位置におけるNからR、A、L又はMへの置換;
(aw)136位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(ax)138位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、M、W、F又はPへの置換;
(ay)140位又はそれに相当する位置におけるTからL、W又はFへの置換;
(az)148位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、M、W、FまたはPへの置換;
(ba)151位又はそれに相当する位置におけるKからFへの置換;
(bb)163位又はそれに相当する位置におけるEからS、T、N、Q、D、K、H、V、L、I又はFへの置換;
(bc)166位又はそれに相当する位置におけるNからG、V、L、I、W又はFへの置換;
(bd)167位又はそれに相当する位置におけるGからVへの置換;
(be)170位又はそれに相当する位置におけるIからV又はLへの置換;
(bf)171位又はそれに相当する位置におけるSからG、T、E又はAへの置換;
(bg)187位又はそれに相当する位置におけるNからSへの置換;
(bh)191位又はそれに相当する位置におけるSからV、L、I、W又はFへの置換;
(bi)193位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(bj)194位又はそれに相当する位置におけるSからY、R又はKへの置換;
(bk)195位又はそれに相当する位置におけるYからG、S、T、C、N、Q、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(bl)200位又はそれに相当する位置におけるNからWへの置換;
(bm)204位又はそれに相当する位置におけるQからS、T、C、N、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W又はPへの置換;
(bn)205位又はそれに相当する位置におけるFからS、T、C、N、Q、Y、E、K、H、A、V、L、I、M又はWへの置換;
(bo)212位又はそれに相当する位置におけるKからN、Q、R、V、L又はWへの置換;
(bp)226位又はそれに相当する位置におけるFからYへの置換;
(bq)233位又はそれに相当する位置におけるSからL、I又はWへの置換;
(br)237位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(bs)238位又はそれに相当する位置におけるSからLへの置換;
(bt)243位又はそれに相当する位置におけるNからY、L又はIへの置換;
(bu)245位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(bv)246位又はそれに相当する位置におけるSからY、V、L、W又はFへの置換;
(bw)247位又はそれに相当する位置におけるKからS、T、C、N、Q、E、H、A、V、L、I、M、W又はFへの置換;
(bx)248位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(by)250位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(bz)251位又はそれに相当する位置におけるMからG、T、N、Q、D、A、V、L又はIへの置換;
(ca)256位又はそれに相当する位置におけるMからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、W、F又はPへの置換;
(cb)257位又はそれに相当する位置におけるAからV又はIへの置換;
(cc)264位又はそれに相当する位置におけるNからG、S、T、C、Q、D、E、A、V、L、I又はMへの置換;
(cd)273位又はそれに相当する位置におけるVからG、T又はIへの置換;
(ce)275位又はそれに相当する位置におけるNからL、W又はFへの置換;
(cf)277位又はそれに相当する位置におけるGからV、L、I又はFへの置換;
(cg)281位又はそれに相当する位置におけるKからRへの置換;
(ch)296位又はそれに相当する位置におけるIからVへの置換;
(ci)297位又はそれに相当する位置におけるGからL、W又はFへの置換;
(cj)304位又はそれに相当する位置におけるNからSへの置換;
(ck)313位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(cl)319位又はそれに相当する位置におけるAからS、T、C、N、Q、Y、D、E、R、K、H、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(cm)320位又はそれに相当する位置におけるYからG、T、V、L、I又はFへの置換;
(cn)326位又はそれに相当する位置におけるSからWへの置換;
(co)330位又はそれに相当する位置におけるSからM、W又はFへの置換;
(cp)332位又はそれに相当する位置におけるKからG、T又はVへの置換;
(cq)334位又はそれに相当する位置におけるTからLへの置換;
(cr)335位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(cs)337位又はそれに相当する位置におけるFからG、S、T、C、Q、R、K、H、A又はVへの置換;
(ct)342位又はそれに相当する位置におけるGからS、T、C、Q、Y、D、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W、F又はPへの置換;
(cu)343位又はそれに相当する位置におけるKからTへの置換;
(cv)346位又はそれに相当する位置におけるKからRへの置換;
(cw)357位又はそれに相当する位置におけるSからLへの置換;
(cx)359位又はそれに相当する位置におけるTからG、S、Q、V、L、I又はFへの置換;
(cy)361位又はそれに相当する位置におけるSからV、I又はWへの置換;
(cz)369位又はそれに相当する位置におけるDからNへの置換;
(da)376位又はそれに相当する位置におけるNからWへの置換;
(db)378位又はそれに相当する位置におけるTからL又はWへの置換;
(dc)379位又はそれに相当する位置におけるQからD、E、R又はKへの置換;
(dd)380位又はそれに相当する位置におけるYからFへの置換;
(de)385位又はそれに相当する位置におけるFからY、M又はPへの置換;
(df)386位又はそれに相当する位置におけるTからA、L、I又はMへの置換;
(dg)387位又はそれに相当する位置におけるSからG、Q、E、R、K、H、A、V、L、I、M、W又はFへの置換;
(dh)390位又はそれに相当する位置におけるNからG、S、T、Y又はFへの置換;
(di)393位又はそれに相当する位置におけるWからQへの置換;
(dj)396位又はそれに相当する位置におけるRからGへの置換;
(dk)403位又はそれに相当する位置におけるFからT又はKへの置換;
(dl)405位又はそれに相当する位置におけるNからD、V、L、I、W、F又はPへの置換;
(dm)406位又はそれに相当する位置におけるAからV、W又はFへの置換;
(dn)407位又はそれに相当する位置におけるPからG又はCへの置換;
(do)408位又はそれに相当する位置におけるQからN、Y、I又はWへの置換;
(dp)409位又はそれに相当する位置におけるSからY又はWへの置換;
(dq)411位又はそれに相当する位置におけるTからA、V、L又はPへの置換;
(dr)427位又はそれに相当する位置におけるTからR又はVへの置換;
(ds)433位又はそれに相当する位置におけるVからLへの置換、
(ii) より好ましくは、以下のいずれか:
(ar);
(as)、(at)及び(au)の組み合わせ;
(bk);
(cz);
(v)、(cd)、(cx)及び(dg)の組み合わせ;
(bc)及び(bd)の組み合わせ;
(e)及び(aa)の組み合わせ;
(j)、(s)、(y)、(bh)及び(dl)の組み合わせ、;
(e)、(v)、(aa)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;
(e)、(v)、(aa)、(ar)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;
(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;
(j)、(s)、(v)、(y)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bh)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)、(dg)及び(dl)の組み合わせ;
(v)、(aa)、(ar)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;
(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bk)、(cd)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;
(e)、(v)、(aa)、(bc)、(bd)、(bk)、(bm)、(cd)、(cl)、(cx)、(cz)及び(dg)の組み合わせ;及び
(v)、(as)、(at)、(au)、(bc)、(bd)、(bj)、(bk)、(bo)(cd)、(cx)、(cz)、(dc)及び(dg)の組み合わせ。
〔22〕前記配列番号2で示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、
好ましくは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の30位に相当する位置にアスパラギン酸を、68位に相当する位置にヒスチジンを、かつ255位に相当する位置にセリンを有し、
より好ましくは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の上記表1(i)記載の位置に相当する位置に、当該表1(ii)記載のアミノ酸残基を有する、
〔17〕〜〔21〕のいずれか1項記載の方法。
〔23〕好ましくは、前記配列番号2で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列が、配列番号2〜11のいずれかで示されるアミノ酸配列である、〔17〕〜〔22〕のいずれか1項記載の方法。
【実施例】
【0083】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0084】
実施例1 アルカリプロテアーゼ変異体の作製
本発明のアルカリプロテアーゼ変異体の作製方法を、野生型KP43プロテアーゼ成熟酵素領域のアミノ酸配列(配列番号2)における294位のアラニン(A294)をスレオニンに変異させた「A294T」変異体の作製を例として以下に示す。
【0085】
配列番号2のアルカリプロテアーゼをコードするバチルス エスピー KSM−KP43株由来のアルカリプロテアーゼ構造遺伝子(配列番号1)を含有する組換えベクターに対して、配列番号2の294位のアミノ酸残基をスレオニンに置換する部位特異的変異を導入した。変異用プライマーA294−F(配列番号12:GGTGCAACTGACATCGGCCTTGGCTAC)及びA294−R(配列番号13:GATGTCAGTTGCACCGGCAATCAGTGC)を設計した。これらのプライマーを用いて、PrimeSTAR Mutagenesis Basal Kit(Takara)のプロトコルに従い、変異を導入したPCR産物を取得した。PCR産物をPCR product purification kit(ロッシュ)にて精製した後、宿主菌であるバチルス エスピー KSM9865株(FERM P−18566)を形質転換した。
【0086】
得られた形質転換体を、スキムミルク含有アルカリ寒天培地〔スキムミルク(ディフコ)1%(w/v)、バクトトリプトン(ディフコ)1%、酵母エキス(ディフコ)0.5%、塩化ナトリウム1%、寒天1.5%、炭酸ナトリウム0.05%、テトラサイクリン15ppm〕に生育させ、ハローの形成状況により、変異プロテアーゼ遺伝子導入の有無を判定した。該形質転換体は、5mLの種母培地〔6.0%(w/v)ポリペプトンS、0.05%酵母エキス、1.0%マルトース、0.02%硫酸マグネシウム7水和物、0.1%リン酸2水素カリウム、0.25%炭酸ナトリウム、30ppmテトラサイクリン〕に植菌し、30℃で16時間振盪培養を行った。次いで20mLの主培地〔8%ポリペプトンS、0.3%酵母エキス、10%マルトース、0.04%硫酸マグネシウム7水和物、0.2%リン酸2水素カリウム、1.5%無水炭酸ナトリウム、30ppmテトラサイクリン〕に種母培養液を1%(v/v)植菌し、30℃で3日間振盪培養を行なった。得られた培養液を遠心分離し、アルカリプロテアーゼ変異体を含む培養上清を取得し、そのタンパク質量を、プロテインアッセイラピッドキットワコー(和光純薬)を用いて測定した。
【0087】
実施例2 アルカリプロテアーゼ多重変異体の作製
特許5202690号公報、特開2002−218989号公報、特開2002−306176号公報、特開2004−000122号公報、特開2004−305176号公報、特開2006−129865号公報、特開2007−061101号公報、特開2008−212084、特開2010−273672号公報、特開2010−273673号公報、及び特開2013−233141号公報の記載を参考に、野生型KP43プロテアーゼ(配列番号2)に変異を導入し、以下のKP43プロテアーゼ変異体を作製した。
【0088】
(1)1重変異体(配列番号3):
132位のアラニンをスレオニンに置換(特許5202690号公報)、
(2)10重変異体−1(配列番号4):
195位のチロシンをグルタミンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
16位のセリンをバリンに置換、及び83位のアスパラギンをアラニンに置換(特開2010−273672号公報、及び特開2010−273673号公報)、
(3)11重変異体−1(配列番号5):
132位のアラニンをスレオニンに置換(特許5202690号公報);
195位のチロシンをグルタミンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
16位のセリンをバリンに置換、及び83位のアスパラギンをアラニンに置換(特開2010−273672号公報、及び特開2010−273673号公報)、
(4)11重変異体−2(配列番号6):
195位のチロシンをグルタミンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
133位のアラニンをセリンに置換、134位のバリンをトレオニンに置換、及び133位と134位の間にセリンを挿入(特開2006−129865号公報)、
(5)16重変異体(配列番号7):
195位のチロシンをグルタミンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
133位のアラニンをセリンに置換、134位のバリンをトレオニンに置換、及び133位と134位の間にセリンを挿入(特開2006−129865号公報);
40位のセリンをイソロイシンに置換、59位のスレオニンをバリンに置換、81位のセリンをロイシンに置換、191位のセリンをロイシンに置換、及び405位のアスパラギンをロイシンに置換(特開2013−233141号公報)。
【0089】
(6)10重変異体−2(配列番号8):
132位のアラニンをスレオニンに置換(特許5202690号公報);
195位のチロシンをアルギニンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
83位のアスパラギンをアラニンに置換(特開2010−273672号公報)、
(7)11重変異体−3(配列番号9):
195位のチロシンをアルギニンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
133位のアラニンをセリンに置換、134位のバリンをトレオニンに置換、及び133位と134位の間にセリンを挿入(特開2006−129865号公報)、
(8)12重変異体(配列番号10):
195位のチロシンをグルタミンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
83位のアスパラギンをアラニンに置換、及び319位のアラニンをバリンに置換(特開2010−273672号公報)、
16位のセリンをバリンに置換、及び204位のグルタミンをアスパラギン酸に置換(特開2010−273673号公報)、
(9)14重変異体(配列番号11):
195位のチロシンをアルギニンに置換(特開2002−218989号公報);
369位のアスパラギン酸をアスパラギンに置換(特開2002−306176号公報);
65位のトレオニンをプロリンに置換、273位のバリンをイソロイシンに置換、359位のトレオニンをセリンに置換、及び387位のセリンをアラニンに置換(特開2004−000122号公報);
166位のアスパラギンをグリシンに置換、及び167位のグリシンをバリンに置換(特開2004−305176号公報);
133位のアラニンをセリンに置換、134位のバリンをトレオニンに置換、及び133位と134位の間にセリンを挿入(特開2006−129865号公報);
194位のセリンをアルギニンに置換、212位のリジンをアルギニンに置換、379位のグルタミンをアルギニンに置換(特開2008−212084号公報)。
【0090】
上記1重変異体(配列番号3)、10重変異体−1(配列番号4)、11重変異体−1(配列番号5)、11重変異体−2(配列番号6)、16重変異体(配列番号7)、10重変異体−2(配列番号8)、11重変異体−3(配列番号9)、12重変異体(配列番号10)及び14重変異体(配列番号11)は、野生型KP43プロテアーゼ(配列番号2)対して、それぞれ99.8%、97.7%、97.5%、97.5%、96.3%、97.7%、97.5%、97.2%、及び96.8%のアミノ酸配列の同一性を有していた。
【0091】
上記で得られた各変異体をコードするポリヌクレオチドに対して、実施例1と同様の手順で、配列番号2の294位に相当する位置のアラニンをスレオニンに置換する変異(配列番号3〜5、8、10に対するA294T、及び配列番号6〜7、9、11に対するA295T)を導入した後、宿主に形質転換し、該形質転換体を培養してアルカリプロテアーゼ変異体を含む培養上清を取得し、そのタンパク質量を測定した。以下の実施例では、実施例1及び2で得られた配列番号2の294位に相当する位置にTを有するアルカリプロテアーゼ変異体を、まとめてA294T変異体と称する。
【0092】
実施例3 アルカリプロテアーゼ変異体のキレート剤含有液中での安定性評価
(1)クエン酸塩水溶液中での安定性評価
2mMのクエン酸3Naを含む、又は含まない20mM Tris−HClバッファー(pH8.0)に、実施例1で得たA294T変異体の培養上清を加えてよく混合し、酵素溶液を得た(酵素終濃度0.017mg/mL)。該酵素溶液を96穴アッセイプレートに200μL分取し、そこへ10mMのGlt−Ala−Ala−Pro−Leu−pNA・HO(ペプチド研究所)を10μL添加し、マイクロプレートリーダー(infinite M200Pro;TECAN)を用いて30℃で15分間振盪しながら405nmの吸光度を経時的に測定した。吸光度変化速度(mOD405/min)を酵素活性とみなし、初期活性値を得た。該酵素溶液を70℃で10分間加熱したものについて、初期活性値の測定と同様の方法で、残存活性値を取得した。下式を用いて、アルカリプロテアーゼの残存活性(%)を算出した:
残存活性(%)= 残存活性値 / 初期活性値 × 100
次いで、親アルカリプロテアーゼ(野生型KP43プロテアーゼ;配列番号2)の残存活性を100%とした場合における、該A294T変異体の残存活性の相対値(残存相対活性(%))を求めた。
【0093】
同様に、実施例2で得た1重変異体(配列番号3)、11重変異体−2(配列番号6)、14重変異体(配列番号11)、及び16重変異体(配列番号7)のA294T変異体の残存活性(%)を算出し、それぞれの親アルカリプロテアーゼに対する残存相対活性(%)を求めた。
【0094】
(2)EDTA水溶液中での安定性評価
1mMのEDTAを含む、又は含まない20mM Tris−HClバッファー(pH8.0)に、実施例1で得たA294T変異体の培養上清を加えてよく混合し、酵素溶液を得た(酵素終濃度0.017mg/mL)。当該酵素溶液を用いて、上記(1)と同様の条件でアルカリプロテアーゼの残存活性(%)を算出し、親アルカリプロテアーゼに対する残存相対活性(%)を求めた。
【0095】
同様に、実施例2で得た1重変異体(配列番号3)、10重変異体−1(配列番号4)、10重変異体−2(配列番号8)、11重変異体−1(配列番号5)、11重変異体−2(配列番号6)、11重変異体−3(配列番号9)、12重変異体(配列番号10)及び16重変異体(配列番号7)のA294T変異体の残存活性(%)を算出し、それぞれの親アルカリプロテアーゼに対する残存相対活性(%)を求めた。
【0096】
(3)結果
図1及び表2に、上記(1)で測定したクエン酸塩水溶液中でのA294T変異体の残存相対活性を示す。図2〜3及び表3〜4に、上記(2)で測定したEDTA水溶液中でのA294T変異体の残存相対活性を示す。A294T変異体は、それらの親アルカリプロテアーゼと比べて、キレート剤を含まない液中での残存活性は同等であったが、キレート剤含有液中ではより高い残存活性を有していた。これは、該A294T変異体が親アルカリプロテアーゼと比べて、キレート剤含有液中での安定性が向上していることを示す。
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
実施例4 アルカリプロテアーゼ変異体の洗剤組成物中での安定性評価
市販の衣料用液体洗剤組成物(ウルトラアタックNeo;花王、2015年発売、クエン酸塩配合)を、電子レンジ加熱して製品中の酵素を失活させた。これに実施例1のA294T変異体又は野生型KP43プロテアーゼを1.0%(v/v)添加してよく混合し、酵素含有洗剤組成物を得た。該洗剤組成物をイオン交換水で10倍に希釈した後、十分に撹拌した。得られた洗剤液を96穴アッセイプレートに200μL分取し、そこへ10mMのGlt−Ala−Ala−Pro−Leu−pNA・HO(ペプチド研究所)を10μL添加し、マイクロプレートリーダー(infinite M200Pro;TECAN)を用いて30℃で15分間振盪しながら 405nmの吸光度を経時的に測定した。吸光度変化速度(mOD405/min)を酵素活性とみなし、初期活性値を得た。また、該洗剤組成物を40℃で28日間保存した後、初期活性値の測定と同様の方法で残存活性値を取得し、下式を用いてアルカリプロテアーゼの残存活性(%)を算出した。
残存活性(%)= 残存活性値 / 初期活性値 × 100
次いで、野生型KP43プロテアーゼの残存活性を100%とした場合における該A294T変異体の残存相対活性(%)を求めた。
【0101】
結果を表5に示す。A294T変異体は、その親アルカリプロテアーゼである野生型KP43プロテアーゼと比べて、洗剤組成物中での保存安定性を約2倍に向上させた。
【0102】
【表5】
【0103】
参考例1
実施例2において親アルカリプロテアーゼとして用いたKP43プロテアーゼの1重変異体及び多重変異体について、クエン酸耐性及びEDTA耐性を実施例3及び4と同条件にて調べた。クエン酸耐性の結果を表6に、EDTA耐性の結果を表7に示す。表6及び7の値は、野生型KP43プロテアーゼ(配列番号2)の残存活性を100%としたときの各変異体の残存相対活性(%)を表す。各親アルカリプロテアーゼは、野生型KP43プロテアーゼと比べて、同等以上のキレート剤耐性を有していた。これらの結果は、実施例3及び4で示したA294T変異体のキレート剤耐性が、親アルカリプロテアーゼ及び野生型のいずれと比べても優れていることを示す。
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらが、本発明を、説明した特定の実施形態に限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明の範囲内にある様々な他の変更及び修正は当業者には明白である。
本明細書に引用されている文献及び特許出願は、あたかもそれが本明細書に完全に記載されているかのように参考として援用される。
図1
図2
図3
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]