【解決手段】本発明の遊技機は、複数の図柄が各々表示された複数の回転リールと、遊技者の操作に基づいて複数の回転リールの回転を開始させるスタートスイッチと、複数の回転リールの各々に対応して設けられるとともに、回転中の回転リールを停止させる複数のストップスイッチと、遊技者によるスタートスイッチの操作に基づいて内部抽せんを行って当せん役を決定する内部抽せん部と、当せん役が所定の役である場合にいずれの遊技演出を発生させるかの演出抽せんを行う演出抽せん部と、当せん役が所定の役である場合に遊技者によりストップスイッチに対し特定の操作がなされたか否かを判定する操作判定部と、特定の操作がなされたと操作判定部が判定した場合に演出抽せんにより決定した遊技演出を発生させる演出制御部とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
図1は、本発明の遊技機の実施形態としてのスロットマシンである。
スロットマシン1は、
図1に示すように、筐体10を備えている。この筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0011】
前面扉100は、その中央部分に透光性のリール窓200を備える。このリール窓200は、後述する各回転リール20の表面に表示された複数の図柄が視認可能に配置されている。
【0012】
リール窓200の上方には、液晶表示部3と、電飾部(図示略)と、スピーカ(図示略)とが設けられている。液晶表示部3は、遊技中に各種の演出動画を表示する。電飾部は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。スピーカは、所定の条件を満たした場合に、所定のBGMおよびSE(サウンドエフェクト)を出力する。すなわち、遊技中の各種の演出は、液晶表示部3、電飾部、およびスピーカによって行われる。
【0013】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するための投入口41と、メダルをベットするためのベットスイッチ42と、各回転リール20を回転させるレバーとしてのレバー43と、各回転リール20に対応して設けられ回転中の各回転リール20を停止させるための各ストップスイッチ40とで構成されている。
【0014】
これらの操作部4の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、投入口41にはメダルセンサ(図示略)が設けられている。メダルセンサは遊技者による投入口41へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。また、操作部4には、これらに加えて精算スイッチ(図示略)、および貯留メダル表示部(図示略)等が設けられている。
【0015】
さらに、操作部4の下部には、メダルを払い出すための払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。
【0016】
図2は、スロットマシン1の機能ブロック図である。
図3は、スロットマシン1の回転リール20の図柄の配列を示す図である。また、
図4は、スロットマシンの有効ラインLを示す模式図である。
図5は、スロットマシン1のRT遷移を説明するための図である。
【0017】
スロットマシン1は、前記のとおり、ベットスイッチ42、レバー43、およびストップスイッチ40のほか、
図2に示すように、回転リールユニット2と、スロットマシン1全体を制御する制御部6とを備えている。回転リールユニット2および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示略)等とともに、筐体10の内部に配置されている。
【0018】
回転リールユニット2は、3つの回転リール20と、これらを駆動する3つのステッピングモータ21とで構成されている。この回転リールユニット2は、筐体10の内部の中央付近に配置されている。
【0019】
本実施形態におけるステッピングモータ21は、ストップスイッチ40が操作されてから、190m秒以内に回転リール20の回転を停止させるように設定されている。また、ステッピングモータ21は、504ステップで1回転し、回転リールを80回転/分の速度で回転させる。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップとなる。
【0020】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述する回転開始制御部611および回転停止制御部612によって、その回転および停止の制御がなされる。
【0021】
<遊技の説明>
スロットマシン1で遊技をするに当たって、遊技者は、まず、メダルを投入口41から投入する、あるいは、ベットスイッチ42を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化され、レバー43の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。
【0022】
有効ラインLは、例えば、
図4に示すように、水平方向の上段ライン1本で構成されている。本実施形態では、Max Bet(マックスベット)となる3枚掛けをした場合に、1本の有効ラインL(上段ライン)が有効化される。
【0023】
本実施形態における1ゲームとは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、遊技の結果を得る一連の動作をいう。具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー43を操作すると、当せん役の内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインL上に揃った(入賞した)図柄の組み合わせに応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0024】
スロットマシン1は、
図5に示すように、通常状態(RT0、RT1、RT2)、ART遊技状態(RT3)、および、第1種特別役物に係る役物連続作動装置(1種BB)が作動している状態である1種BB遊技状態(RT4)を備える。
【0025】
通常状態としては、通常状態0(RT0)、通常状態1(RT1)、および、通常状態2(RT2)がある。
【0026】
通常状態0(RT0)は、1種BB遊技状態で規定枚数のメダルが払い出された後、あるいは、制御部6に設けられたRAMのクリア時に移行する遊技状態である。
【0027】
通常状態1(RT1)は、遊技状態がRT0のときに、内部抽せんの結果、シングルボーナス(SB)に当せんし、かつ、SBが入賞しなかった場合(SBをとりこぼした場合)に移行する遊技状態である。
【0028】
通常状態2(RT2)は、遊技状態がRT1のときに、内部抽せんの結果、RT2移行リプレイに当せんし、かつ、RT2移行リプレイに対応する図柄が有効ラインL上に揃った場合に移行する遊技状態である通常状態2(RT2)である。なお、遊技状態がRT2のときにSBを取りこぼすと、遊技状態がRT2からRT1に移行する。
【0029】
ART遊技状態(RT3)は、遊技状態がRT2のときに、内部抽せんの結果、RT3移行リプレイに当せんし、かつ、RT3移行リプレイに対応する図柄が有効ラインL上に揃った場合に移行する遊技状態である。遊技状態がARTのときにSBを取りこぼすと、遊技状態がRT3からRT1に移行する。
【0030】
ART遊技状態においては、通常状態0〜2よりも再遊技(リプレイ)の確率が上がり、メダルが減りにくい状態で、ストップスイッチ40を所定の操作手順で操作することで入賞可能な役(押し順役)を獲得しやすくするための報知が行われる。いったんART遊技状態に移行すると、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)が経過してARTが終了するまで、遊技状態はARTであるとみなされる。すなわち、例えば、遊技状態がARTに移行したのち、SBの取りこぼしにより遊技状態がRT1に移行したとしても、ART中であるとみなされる。
【0031】
また、
図5において、RT3はART遊技状態であることが記載されているが、ART遊技状態ではないRT3もありうる。すなわち、ART抽せんに当せんしていない状態で、RT3移行リプレイに対応する図柄が有効ラインL上に揃うことにより、遊技状態がRT2からRT3に移行する場合もある。
【0032】
1種BB遊技状態(RT4)は、1種BBに当せんし、1種BBに対応する図柄が有効ラインL上に揃ってから、規定枚数のメダルが払い出されるまでの遊技状態である。前述したように、RT4中に規定枚数のメダルが払い出されるとRT0に移行する。
【0033】
SB、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ、1種BB、および2種BBは、所定の移行条件を満たすことにより、遊技状態の移行を可能にする移行役の一例である。また、SB、RT2移行リプレイ、および、RT3移行リプレイは、ストップスイッチ40を所定の操作手順で操作することにより、対応図柄が有効ラインL上に揃うことが可能となる特定役の一例である。
【0034】
<制御部の説明>
制御部6は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶するROM、RAM等を備える。この制御部6は、
図2に示すように、主に、メイン制御部61と、サブ制御部62とで構成される。
【0035】
メイン制御部61は、遊技を進行させるための制御を行う。メイン制御部61は、遊技者による、ベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40への操作に基づいて、ステッピングモータ21の制御、および、回転リール20の回転開始または終了の制御を行う。
【0036】
また、サブ制御部62は、各種演出等を行うための制御を行う。サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて演出内容の決定をするとともに、電飾部、およびスピーカの制御、ならびに、決定された演出内容の出力といった制御を行う。
【0037】
[メイン制御部]
メイン制御部61は、
図2に示すように、複数の内部抽せんテーブルT1を備える内部抽せん部610、回転開始制御部611、回転リール検出部612aと図柄判定部612bと押し順判定部612cと図柄テーブルT2とを備える回転停止制御部612、遊技結果判定部613、ホッパー制御部614、状態移行判定部615、ART制御部616、操作抽せん部617、および、操作判定部618で構成される。
【0038】
内部抽せん部610は、レバー43の操作信号に基づいて、回転リール20の図柄の組み合わせに対応する当せん役の内部抽せんを行う。具体的には、レバー43の操作信号が出力されたときに取得される乱数と内部抽せんテーブルT1とに基づいて内部抽せんを行い、当せん役を判定する。内部抽せん結果は、内部抽せん結果信号として出力される。出力された内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転リールユニット2、およびサブ制御部62に送信される。
【0039】
ベットスイッチ42の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ42の操作が行われた場合(ベットスイッチがオンされた場合)に出力される。
【0040】
なお、各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲームごとに行われる。また、本実施形態において、各スイッチへの操作は、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味する。
【0041】
図6、
図7は、内部抽せんテーブルT1に含まれる情報のフォーマットを説明した図である。内部抽せんテーブルT1は、
図6に示すような遊技状態における役の抽せん情報、および、
図7に示すような入賞役および押し順に対応する図柄の組み合わせの情報を含む。また、内部抽せんテーブルT1は、レバー43の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数領域)を備える。なお、内部抽せん部610は、遊技状態(RT遷移状態)等に応じて、異なる内部抽せんテーブルを選択する。
【0042】
以下に、内部抽せんテーブルT1を詳細に説明する。
内部抽せんテーブルT1は、
図6に示すように、RT0〜RT4の遊技状態(各RT遷移)ごとに設けられる。また、内部抽せんテーブルT1は、内部抽せん部610の役の抽せんにより当せんの可能性がある役の情報を備える。内部抽せんテーブルT1において、RT遷移ごとに「○」となっている欄が当せんする可能性のある役であり、空欄となっている欄が当せんする可能性のない役である。例えば、
図6の「純はずれ」の欄から、「純はずれ」は、通常状態0〜2(RT0〜RT2)では当せんする可能性があるが、RT3、RT4では当せんしないことがわかる。なお、以下では、説明の便宜上、リプレイあるいは1種BB等に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも入賞と表現することがある。
【0043】
図7に示すように、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役のうち、一部の小役およびリプレイは、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する押し順役、および押し順に関係なく入賞可能な押し順不問役を含む。押し順役の押し順は、所定の条件を満たした場合に、報知される。
【0044】
小役は、入賞した場合に一定枚数のメダルの払い出しが行われる図柄の組み合わせである。また、リプレイは、対応する図柄が有効ラインL上に揃った場合にメダルをベットすることなく次の遊技が可能となる図柄の組み合わせである。
【0045】
前述のとおり、内部抽せんテーブルT1には、レバー43の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域が設けられている。この領域の各々が、
図6において「○」となっている欄の役に対応づけられている。
【0046】
また、
図7に示すように、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役の情報には、各役に設定されている1以上の役の情報が含まれる。例えば、当せん役が所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞可能な役である押し順役の情報には、設定されている押し順役の情報と、対応するストップスイッチ40の操作の順番の情報とが含まれる。
【0047】
なお、
図7では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ40の操作の順番が、テーブルの上部の3個の数字で示されている。例えば、「123」であれば、左の回転リール20aに対応するストップスイッチ40a、中の回転リール20bに対応するストップスイッチ40b、右の回転リール20cに対応するストップスイッチ40cの順にストップスイッチを操作することを示している。押し順役の押し順は、所定の条件を満たした場合に、ナビゲーション(押し順の報知)される。
【0048】
本実施形態では、当せんした役に対応づけられている役が、すべて同時に当せんする。例えば、内部抽せん部610の内部抽せんの結果、役「中ベル1」に当せんした場合、中段ベルと中ベル1とが同時に当せんする。そして中段ベルを入賞させるための押し順(「213」あるいは「231」)に従って遊技者がストップスイッチ40を押した場合、「213」および「231」のいずれの押し順によっても中段ベルが揃う。同様に、例えば中ベル1を入賞させるための押し順(「123」、「132」、「312」、または「321」)に従って遊技者がストップスイッチ40を押した場合、いずれの押し順によっても中ベル1が入賞する可能性がある。
【0049】
図7において、役「中ベル1」に設定された押し順役の欄に「中ベル1orベルこぼし」とあるのは、中ベル1が、遊技者のストップスイッチ40に対する操作タイミングによっては入賞しない押し順役、すなわち、取りこぼす可能性のある押し順役であることを示している。具体的には、役「中ベル1」に当せんし、中ベル1が入賞可能な順番でストップスイッチ40の操作が行われたが、遊技者が操作タイミングを誤り、中ベル1を取りこぼした場合にベルこぼしとなる。ベルこぼしの場合には、メダルの払い出しはない。なお、スイカ等は、押し順に関係なく、遊技者による操作タイミングによっては取りこぼす可能性のある役である。
【0050】
回転開始制御部611は、レバー43の操作信号に基づいて、回転リールユニット2のステッピングモータ21を制御して回転リール20の回転を開始させる。なお、回転開始制御部611は、回転リール20が、例えば、80回転/分の速度で回転するように、ステッピングモータ21を制御する。
【0051】
回転停止制御部612は、回転リール検出部612aと、図柄テーブルT2と、図柄判定部612bとを備える。回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と遊技者によるストップスイッチ40の操作信号と図柄テーブルT2とに基づいて、回転リールユニット2のステッピングモータ21を制御する。そして、遊技者によるストップスイッチ40の操作のあと、190m秒以内に、対応する回転リール20の回転が停止する。
【0052】
回転リール検出部612aは、回転中の回転リール20の位置を検出する。具体的には、回転リール検出部612aは、回転リール20の回転が開始されたあと、各回転リール20の基準点(図示略)の通過を検出する。各回転リール20の基準点の通過が検出されると、回転リール検出部612aは、各回転リール20の基準点が通過したことを表す検出信号を出力する。本実施形態のスロットマシン1では、有効ラインLがスロットマシン1の絶対的な位置である検出位置として設定されている。また、検出信号は、各回転リール20の基準点がこの検出位置を通過するたびに検出される。
【0053】
また、回転リール検出部612aは、回転リール20の基準点が有効ラインLを通過したことを示す検出信号を受信するたびに(すなわち、回転リールが1回転するたびに)、各ステッピングモータ21のステップ(以下、単にステップという)の計測値をゼロクリアし、再び0からステップを計測する。これにより、回転リール検出部612aは、ステップを計測する。
【0054】
また、回転リール検出部612aは、計測されたステップに基づいて、スロットマシン1における絶対的な位置である検出位置からの各回転リール20の基準点のステップを検出する。この検出された基準点のステップから、回転リール20の位置が検出される。検出された回転リール20の位置は、回転リール検出部612aによって、回転リール位置検出信号として出力される。なお、この回転リール検出部612aは、回転リール20の基準点が検出位置を通過したことを検出できる位置であれば、スロットマシン1の設計等に応じて任意に配置することができる。出力された検出信号は、回転リール検出部612aから制御部6に送信される。
【0055】
図柄判定部612bは、回転リール検出部612aにより出力された回転リール位置検出信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、すべての回転リール20が停止したときの有効ラインL上の図柄を判定する。この判定結果は、図柄判定部612bにより、図柄判定信号として出力される。
【0056】
押し順判定部612cは、3つのストップスイッチ40のいずれのストップスイッチ40が操作されたかを判定する。また、いずれかのストップスイッチ40が長押しされたか否かを判定する。この判定結果は、押し順判定信号として操作判定部618等へと送信される。なお、この押し順判定信号は、6通りの押し順に関する情報であってもよいし、遊技者が3つのストップスイッチ40のうちのいずれのストップスイッチ40を最初に操作したかという情報であってもよい。
【0057】
図柄テーブルT2は、内部抽せん部610の内部抽せんの結果当せんした役とストップスイッチ40の操作信号が出力されたときの有効ラインL上の図柄とに応じて定められている回転リール20の停止位置の情報をも備える。この回転リール20の停止位置の情報には、内部抽せん部610の役の抽せんの結果当せんした役と、ストップスイッチ40が操作されたときの回転リール20の位置とに応じて、ストップスイッチ40が操作されてから回転リール20が停止するまでのステッピングモータ21のステップの情報(図柄の滑りコマ数)が含まれる。
【0058】
回転リール20の回転停止制御は、回転停止制御部612によって、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と、図柄判定部612bにより出力された図柄検出信号と、図柄テーブルT2とに基づいて行われる。例えば、当せんした役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うように回転リール20の回転停止制御(いわゆる引き込み制御)が行われたり、あるいは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように回転リール20の回転停止制御(いわゆる蹴飛ばし制御)が行われたりする。回転停止制御部612は、この回転リール20の回転停止制御の結果を回転リール停止信号として出力する。出力された回転リール停止信号は、回転停止制御部612から遊技結果判定部613等に送信される。
【0059】
また、
図7に示す役のうち「中ベル1」に当せんした場合、内部抽せん結果信号、図柄検出信号および図柄テーブルT2に加えて、さらに、押し順判定部612cから出力される押し順判定信号と、図柄判定部612bから出力された図柄判定信号とに基づいて、回転リール20の回転停止制御が行われる。
【0060】
遊技結果判定部613は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、回転停止制御部612から出力された回転リール停止信号とに基づいて、遊技の結果を判定する。すなわち、遊技結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かを判定する。具体的には、遊技結果判定部613は、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせが所定の図柄の組み合わせと一致した場合に当せん役が入賞したと判定する。この判定結果は、遊技結果判定信号として出力される。出力された遊技結果判定信号は、遊技結果判定部613からホッパー制御部614およびサブ制御部62に送信される。
【0061】
ホッパー制御部614は、遊技結果判定部により出力された遊技結果判定信号、あるいは操作部4の精算スイッチ(図示略)を操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット(図示略)を制御する。これにより、メダルの払い出しが行われる。遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(役の当せん、入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。
【0062】
メダルが貯留された結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超える場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御される。すなわち、クレジットの上限を超えた分のメダルがホッパーユニットから払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御され、貯留されているメダルがホッパーユニットから払い出される。
【0063】
状態移行判定部615は、例えば、遊技状態を有利状態であるART遊技状態に移行させるか否かの抽せん(ART抽せん)、あるいは、当せんした役に応じてART遊技状態(RT3)への移行確率を高確率状態(高確モード)もしくは低確率状態(低確モード)へ移行させるか否かの抽せん(後述する昇格モード抽せんもしくは降格モード抽せん)を行う。これらの抽せんは、内部抽せん部610から出力される内部抽せん結果信号等に基づいて行われる。
【0064】
状態移行判定部615は、例えばレア役に当せんした場合に、このレア役の当せん時におけるART抽せんモードに基づいて、ART遊技状態に移行するか否かの抽せんを行う。
また、状態移行判定部615は、レア役ごとに、ART抽せんに当せんする確率の異なる複数のART抽せんモードを用いて遊技状態の抽せんを行う。
【0065】
本実施形態では、状態移行判定部615により選択されるART抽せんモードとしては、通常モード、通常モードよりもART抽せんに当せんしやすい高確モード、および通常モードよりもART抽せんに当せんしにくい低確モードの3つの抽せんモードがある。ART抽せんモードは、遊技の進行状況に応じて、複数のうちからいずれか1つが選択される。
ART抽せんモードは、スロットマシン1の設定が変更された場合およびスロットマシン1の電源がオンされた場合(リセット時)、または、ARTが終了した場合(ART終了時)に所定の割合で選択される。
【0066】
また、状態移行判定部615は、選択されているART抽せんモードを他のART抽せんモードに変更するか否かの抽せんであるARTモード抽せんを行う。ARTモード抽せんとしては、前述のとおり、内部抽せんの結果、レア役に当せんした場合に行われる昇格モード抽せん、および、レア役に当せんしなかった場合に行われる降格モード抽せんがある。
【0067】
本実施形態では、状態移行判定部615により選択されるART抽せんモードとしては、通常モード、通常モードよりもART抽せんに当せんしやすい高確モード、および通常モードよりもART抽せんに当せんしにくい低確モードの3つの抽せんモードがある。ART抽せんモードは、スロットマシン1の設定が変更された場合およびスロットマシン1の電源がオンされた場合(リセット時)、または、ARTが終了した場合(ART終了時)に所定の割合で選択される。
【0068】
また、状態移行判定部615は、遊技状態がART遊技状態であるときに、レア役に当せんしたことを表す内部抽せん結果信号を受信した場合、ARTゲーム数の上乗せ等の抽せんを行う。この抽せんの結果は、ART上乗せ抽せん結果信号として状態移行判定部615からART制御部616および演出制御部620に送信される。なお、本実施形態においては、状態移行判定部615がARTの上乗せ抽せんに関する制御を行っているが、これとは異なり、ART制御部616に状態移行判定部615の機能を持たせることもできる。
【0069】
ART制御部616は、状態移行判定部615から送信されたART抽せん結果信号を受信して、遊技状態を通常遊技状態からART遊技状態に移行させる。
【0070】
状態移行判定部615から出力されたART抽せん結果信号に基づいて、遊技状態を通常遊技状態からART遊技状態に移行させる場合、ART制御部616は、ART準備信号を生成する。生成されたART準備信号は、ART制御部616から演出制御部620に送信される。
【0071】
遊技状態をART遊技状態から通常遊技状態に移行させる場合、例えば、以下のような処理が実行される。ART制御部616は、ART遊技状態に移行後の遊技期間(ART消化ゲーム数)と、ART抽せんに当せんした場合に決定されたARTゲーム数に上乗せされたARTゲーム数を加えた総ARTゲーム数とに基づいて、ART消化ゲーム数が総ARTゲーム数に達したか否かを判定する。
【0072】
そして、ART制御部616は、ART消化ゲーム数が総ARTゲーム数に達した場合には、遊技状態をART遊技状態から通常遊技状態に移行させる。ART制御部616は、これらの情報を通常遊技状態準備信号として出力する。出力された通常遊技状態準備信号は、ART制御部616から演出制御部620に送信される。その後、ART制御部616は、遊技状態がART遊技状態から通常遊技状態に移行したことを表すART終了信号を出力する。出力されたART終了信号は、ART制御部616から演出制御部620等に送信される。なお、ART遊技状態が終わった後でもSBを取りこぼすまでは、遊技状態はRT3のままである。
【0073】
ART抽せんに当せんした場合には、状態移行判定部615は何ゲームのART遊技状態を実施するかの情報を生成する。状態移行判定部615によって生成された情報は、ART抽せん結果信号として演出制御部620に送信される。その後、RT3移行リプレイの当せんを契機として、ART遊技状態が始まる。
【0074】
操作抽せん部617は、内部抽せんによりレア役が当せんするたびに、遊技者が行うべき特定の操作の内容を抽せんで決定する。例えば、特定の操作としては、何番目に停止させるストップスイッチ40を操作対象とするか、または、遊技者がストップスイッチ40を長押しすること、あるいは、回転リール20の回転開始から所定の時間以内に所定のストップスイッチ40を停止させるかといったことが挙げられる。本実施形態において、操作抽せん部617は、遊技者が2秒間長押しすべきストップスイッチ40をいずれのストップスイッチ40にするかを抽せんする。
【0075】
操作判定部618は、内部抽せんによりレア役が当せんした場合に、押し順判定部612cからの押し順判定信号を受信し、操作抽せん部617により決定された特定の操作を遊技者が行ったか否かを判定する。操作判定部618は、操作判定結果信号を演出制御部620へと送信する。なお、本実施形態では、操作順のみを特定の操作の判定対象としているため、操作判定部としての機能は、押し順判定部612cが備えていてもよい。
【0076】
[サブ制御部]
サブ制御部62は、
図2に示すように、演出制御部620と、演出抽せん部621とを備える。演出制御部620は、例えば、内部抽せん部610から出力される内部抽せん結果信号、状態移行判定部615から出力されるART抽せん結果信号、ART制御部616から出力されるART移行信号および通常遊技状態移行信号、または、後述する演出抽せん部621からの演出抽せん結果信号に応じて、1ゲームごとに、演出パターンを選択する。
【0077】
演出パターンの選択は、当せんした役、あるいは遊技状態等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(演出テーブルT3)に基づいて行われる。演出制御部620は、選択された演出パターンに基づいて、電飾部、およびスピーカを制御して、演出を出力する。
【0078】
また、演出テーブルT3は、例えば、所定の役に当せんした場合、あるいは、ART抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含む。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルに記憶されている領域の一つである。また、前兆演出とは、遊技状態が有利状態に移行する期待度を示唆する演出の一つである。
【0079】
内部抽せんによりレア役が当せんするたびに、演出抽せん部621は、内部抽せん部610から内部抽せん結果を受信し、当せんしたレア役に応じた遊技演出のうちいずれの遊技演出を発生させるかの演出抽せんを行う。演出抽せん結果信号は、演出抽せん部621から演出制御部620へと送信される。本実施形態において遊技演出とは、液晶表示部3にレア役の種類に基づいたART当せんの期待度を表示することである。演出抽せん部621は、レア役が当せんした場合に、例えば、ART当せん確率(期待度)を表す「100%」、「50%」、「10%」の中から液晶表示部3に表示する期待度を抽せんにて決定する。
【0080】
なお、期待度は、同じレア役であっても、ARTの抽せん結果および/またはART抽せんモードによって変更することができる。例えば、ART抽せんモードが低確モードであって、レア役である弱チェリーが当せんし、かつ、ART抽せんに当せんした場合には、期待度10%が表示される確率を70%、期待度50%が表示される確率を20%、期待度100%が表示される確率を10%とすることができる。また、ART抽せんモードが高確モードであって、レア役である弱チェリーが当せんし、かつ、ART抽せんに当せんした場合には、期待度10%が表示される確率を30%、期待度50%が表示される確率を50%、期待度100%が表示される確率を20%とすることができる。なお、この期待度は、当せん確率の低いレア役ほど、高くなるよう設定することもできる。
【0081】
<期待度示唆処理の説明>
以下に、ART当せんの期待度を示唆する処理について、
図8を用いて説明する。
本実施形態では、ART(RT3)以外の遊技状態であるRT0〜RT2、RT4において、ART当せんの期待度を示すための処理を例示する。
【0082】
まず、遊技者によりレバー43が操作されると(レバーオン)、レバー43の操作信号が出力される(ステップS10)。レバー43の操作信号が出力されると、内部抽せん部610が、当せん役の内部抽せんを行う(ステップS11)。
【0083】
ついで、当せん役がレア役であるか否かが判定される(ステップS12)。当せん役がレア役でない場合(S12:NO)には、処理は終了する。一方、当せん役がレア役である場合(S12:YES)には、状態移行判定部615によってART抽せんが実行されるとともに、操作抽せん部617によって特定の操作の内容が抽せんされる(ステップS13)。
【0084】
ついで、遊技者がステップS13で決定された特定の操作を行ったか否か(例えば、3番目に押すストップスイッチ40を遊技者が長押ししたか否か)が判定される(ステップS14)。遊技者が特定の操作を行わなかった場合(S14:NO)には、処理は終了する。一方、遊技者が特定の操作を行った場合(S14:YES)には、ARTに当せんしている可能性(期待度)が示唆され(ステップS15)、処理は終了する。
【0085】
<作用効果>
本発明のスロットマシン1においては、所定の役が当せんした場合に遊技者にとって有利な遊技状態への移行の期待度を表示することができる。
【0086】
(他の実施形態)
前記実施形態では、液晶表示部にART当せんの期待度を示唆する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、筐体の前面にLEDからなる発光部を設け、その発光部の色によってART当せんの期待度を表現することもできる。
【0087】
また、操作抽せん部は、特定の操作の内容を抽せんするとともに、例えば、当せんした所定の役、遊技状態、または抽せんモードに応じて、特定の操作の内容を報知するか否かを抽せんしてもよい。具体的には、所定の役ごとに報知確率が異なっており、その確率に応じて特定の操作の内容を報知するか否かを演出抽せん部が抽せんを行ってもよい。
【0088】
さらに、所定のゲーム期間(ゲーム数)、遊技者が所定の役を入賞させた回数を計数し、その回数が所定回数となった場合に必ず特定の操作の内容が報知されてもよい。なお、前記所定のゲーム期間は通常遊技中に定められるゲーム期間であってもよく、また、1種BB等の特殊遊技中のゲーム期間であってもよい。また、前記ゲーム期間につき、状態移行判定部がどのタイミングでどの程度のゲーム数とするかを抽せんによって決定してもよい。
【0089】
また、前記実施形態では、当せん役がレア役であった場合に特定の操作のための操作抽せんを行う例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、当せん役が純はずれであっても、操作抽せんを行ってもよい。
【0090】
また、前記実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態への移行の期待度が示される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、RT遷移が高RT状態である場合に、低RT状態への転落確率が示唆されてもよい。
【0091】
また、前記実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態をARTであるとしているが、1種BBあるいは2種BBなど、他の遊技状態であってもよい。
また、前記実施形態では、ART当せんの期待度が示唆される例が記載されているが、ART中にARTゲーム数の上乗せ期待度が示唆されてもよい。
【0092】
また、ART当せんモードが高確モードの場合は、特定の操作の有無にかかわらず、ART当せんの期待度の示唆が行われてもよい。また、所定の役が当せんした場合にART当せんモードの抽せんを行うに当たって、特定操作の内容を抽せんすることもできる。