【解決手段】遊技盤に回転可能に設けられて遊技球を撥ね返す回転反発機構を備え、前記回転反発機構は、前記遊技盤の法線方向に延在するように該遊技盤に設けられた回転軸と、前記回転軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、前記回転体の周方向の側面の一部分に設けられた第1反発部であって、該第1反発部の、前記一部と反対側の端部に設けられた第1部材、および伸縮方向が前記遊技盤の面内方向であり、前記第1部材に遊技球が衝突すると変形する第1バネ部材を有する第1反発部と、前記回転体の周方向の側面の前記一部分とは異なる部分に設けられた第2反発部であって、該第2反発部の、前記異なる部分と反対側の端部に設けられた第2部材、及び伸縮方向が前記面内方向であり、前記第2部材に遊技球が衝突すると変形する第2バネ部材を有する第2反発部と、を備え、前記第1バネ部材のバネ定数が前記第2バネ部材のバネ定数より大きい弾球遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
(パチンコ機の外観構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機の外観構成を示す図である。パチンコ機10は、前面枠101の前面に前面ガラス枠102が
図1において左方向に開くように回動可能に取り付けられている。また、前面枠101の内側には、遊技盤103が設けられている。
【0011】
遊技盤103には、大当たり抽せんの結果等を示す様々な演出が施された映像を表示するディスプレイ104、遊技球の入球が大当たり抽せんの契機となる始動口105、大当たり発生時に開放される大入賞口106、始動口105及び大入賞口106に入らなかった遊技球を排出する排出口107等が設けられている。
【0012】
また、遊技盤103には、釘、風車、回転反発機構11A、11Bが設けられている。遊技盤103の左下部分から左側面に沿って発射される遊技球は、遊技盤103の上部に達した後、釘、風車、回転反発機構11A、11Bに当たって進路を変えながら落下する。始動口105及び大入賞口106に入らずに遊技盤103の下部まで落下した遊技球は、排出口107から排出される。以下では、同様の構成を備える回転反発機構11A、11Bについて、符号を省略して「回転反発機構11」と称して説明する場合がある。
【0013】
遊技盤103のディスプレイ104の前面には、ワープ孔51からステージ53に通じるワープ通路52が左右に設けられている。ステージ53は、始動口105の上方に設けられ、遊技球を始動口105に導く誘導溝54を有する。
【0014】
ワープ孔51に入球した遊技球は、ワープ通路52を通ってステージ53に導かれる。ステージ53に導かれた遊技球は、ステージ53上で左右に転動した後に誘導溝54から始動口105に向かって落下し、高確率で始動口105に入球する。
【0015】
前面枠101の下に設けられている下部パネル113には、それぞれ払い出される遊技球を貯留する上受皿108及び下受皿109が配置されている。上受皿108には、玉貸し/返却ボタン110、十字キー111、操作ボタン112が設けられている。また、下部パネル113には、遊技球を発射するための操作ハンドル114が回動可能に設けられている。
【0016】
パチンコ機10では、遊技者が玉貸しボタン110を押下すると、遊技球が上受皿108に貸与される。遊技者は、操作ハンドル114を操作することで、貸与された遊技球を遊技盤103に打ち出すことができる。打ち出された遊技球が始動口105に入ると、パチンコ機10の内部において大当たり抽せんが行われる。
【0017】
大当たり抽せんの結果は、ディスプレイ104に様々な演出を伴って表示される。大当たりの場合には、例えばディスプレイ104に表示される複数の図柄のうち、停止した全ての図柄が揃うことで、遊技者に大当たりしたことが告知され、大当たり状態が発生する。ディスプレイ104に表示される様々な演出において、例えば十字キー111や操作ボタン112を用いた遊技者による操作が促される場合もある。
【0018】
(回転反発機構)
図2は、本発明の一実施形態に係る回転反発機構を示す図である。
【0019】
図2に示されるように、回転反発機構11は、回転体20、第1反発部30a、第2反発部30bを有する。第1反発部30a及び第2反発部30bは、回転体20の側面に交互に設けられている。
【0020】
回転体20は、円柱形状を有し、回転軸21を中心に回転可能に遊技盤103に設けられている。なお、回転体20は、円柱形状に限られるものではなく、例えば多角柱形状等であってもよい。回転軸21は、遊技盤103の法線方向に延在するように設けられている。
【0021】
第1反発部30aは、回転体20の周方向の側面の一部分に設けられ、伸縮方向が遊技盤103の面内方向となるように設けられている第1バネ部材31a、第1バネ部材31aに支持されて遊技球を撥ね返す第1部材としての第1反発部材32aを有する。第1バネ部材31aは、第1反発部材32aに遊技球が衝突すると変形する。
【0022】
第1バネ部材31aは、回転体20の半径方向に伸縮可能に設けられているコイルバネである。第1バネ部材31aは、一端が回転体20の側面に固定され、他端に第1反発部材32aが固定されている。なお、第1バネ部材31aは、例えば板バネ等であってもよい。
【0023】
第1反発部材32aは、第1バネ部材31aの回転体20とは反対側端部に固定されている。第1反発部材32aは、伸縮する第1バネ部材31aからの反発力(復元力)を受けて、衝突してきた遊技球を撥ね返す。なお、第1反発部材32aの形状は、遊技球を撥ね返すことが可能であれば、
図2に示される形状に限られない。
【0024】
図3は、第1反発部により遊技球が撥ね返される様子を示す図である。
【0025】
図3(A)に示されるように、第1反発部30aの第1反発部材32aに遊技球100が当たると、第1バネ部材31aが、第1反発部材32aを介して遊技球100に押圧されて収縮する。続いて、
図3(B)に示されるように、第1バネ部材31aが伸長して第1反発部材32aを押し返すことで、遊技球100が第1反発部材32aに撥ね返される。
【0026】
また、回転反発機構11の第1反発部材32a又は第2反発部材32bに遊技球100が当たると、
図3(B)に示されるように、回転体20が回転軸21を中心に矢印方向に回転する。なお、回転体20は、時計回り方向及び反時計回り方向の両方に回転可能に設けられており、遊技球100の衝突角度によって時計回り方向又は反時計回り方向に回転する。
【0027】
回転反発機構11の第2反発部30bは、
図2に示されるように、回転体20周方向の側面において第1反発部30aとは異なる部分に設けられ、伸縮方向が遊技盤103の面内方向となるように設けられている第2バネ部材31b、第2バネ部材31bに支持されて遊技球を撥ね返す第2部材としての第2反発部材32bを有する。第2バネ部材31bは、第2反発部材32bに遊技球が衝突すると変形する。
【0028】
第2バネ部材31bは、回転体20の半径方向に伸縮可能に設けられているコイルバネである。第2バネ部材31bは、一端が回転体20の側面に固定され、他端に第2反発部材32bが固定されている。なお、第2バネ部材31bは、例えば板バネ等であってもよい。
【0029】
第2反発部材32bは、第2バネ部材31bの回転体20とは反対側端部に固定されている。第2反発部材32bは、伸縮する第2バネ部材31bからの反発力を受けて、衝突してきた遊技球を撥ね返す。なお、第2反発部材32bの形状は、遊技球を撥ね返すことが可能であれば、
図2に示される形状に限られない。
【0030】
第1反発部30a及び第2反発部30bは、上記したように同様の構成を有するが、第1バネ部材31aのバネ定数と第2バネ部材31bのバネ定数とが異なっている。本実施形態では、第1バネ部材31aのバネ定数が、第2バネ部材31bのバネ定数より大きい。
【0031】
また、第1反発部30aの第1反発部材32aの反発係数が、第2反発部30bの第2反発部材32bの反発係数より大きくなるように、例えば第1反発部材32a及び第2反発部30bをそれぞれ異なる材料で形成してもよい。
【0032】
本実施形態では、第1バネ部材31aのバネ定数が第2バネ部材31bのバネ定数より大きく、さらに第1反発部材32aの反発係数が第2反発部材32bの反発係数より大きくなるように構成されている。このような構成により、第1反発部30a及び第2反発部30bは、衝突してきた遊技球を撥ね返す力が互いに異なっている。
【0033】
図4は、第1反発部及び第2反発部により遊技球が撥ね返される様子を示す図である。
【0034】
第1反発部30aは、第1バネ部材31aのバネ定数が第2バネ部材31bのバネ定数より大きく、第1反発部材32aの反発係数が第2反発部材32bの反発係数より大きい。このため、第1反発部30aは、第1反発部材32aに衝突してきた遊技球100を反発する力が第2反発部30bより大きい。
【0035】
したがって、第1反発部30aの第1反発部材32aに当たった遊技球100は、
図4(A)に示されるように勢い良く撥ね返される。これに対して、第2反発部30bの第2反発部材32bに当たった遊技球100は、
図4(B)に示されるように、第1反発部30aの第1反発部材32aに同じ角度及び同じ速度で当たった場合に比べて、勢いを失って落下するように撥ね返される。
【0036】
遊技球100が第1反発部30a又は第2反発部30bに当たると、遊技球100から受ける力により回転反発機構11が時計回り方向又は反時計回り方向に回転する。回転反発機構11が回転することにより、遊技球100が同じ角度で回転反発機構11に向かっても、第1反発部30aに当たって勢い良く撥ね返される場合と、第2反発部30bに当たって勢いを失って落下するように撥ね返される場合とが生じる。このように回転反発機構11が回転しながら遊技球100を撥ね返すことで、遊技球100の動きが不規則で遊技者が予測できないものとなり、遊技の興趣が向上する。
【0037】
図1に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10は、ワープ通路52に通じるワープ孔51の近傍に回転反発機構11Aが設けられている。また、各回転反発機構11Aの下方に回転反発機構11Bが設けられている。
【0038】
回転反発機構11Aでは、
図1に矢印で示されるように、遊技球が第1反発部30aに当たってワープ孔51に向かって勢い良く撥ね返される場合と、遊技球が第2反発部30bに当たって下方に落下するように撥ね返される場合とが生じる。ワープ孔51に入球した遊技球は、ワープ通路52を通じてステージ53に導かれて誘導溝54から始動口105に入る確率が高い。このため、遊技者は、遊技球がワープ孔51に向かって撥ね返されることを期待しながら、回転反発機構11Aに向かう遊技球の行方を追うことができる。
【0039】
また、回転反発機構11Bでは、
図1に矢印で示されるように、遊技球が第1反発部30aに当たって始動口105に向かって勢いよく撥ね返される場合と、遊技球が第2反発部30bに当たって下方に落下するように撥ね返される場合とが生じる。このため、遊技者は、遊技球が始動口105に向かって撥ね返されることを期待しながら、回転反発機構11Bに向かう遊技球の行方を追うことができる。
【0040】
上記したように、遊技盤103に設けられている回転反発機構11によって、遊技球の動きが不規則で予測できないものとなり、遊技の興趣が向上する。また、ワープ孔51や始動口105に向かって遊技球を撥ね返すことが可能な位置に回転反発機構11を設けることで、遊技者に回転反発機構11に向かう遊技球の行方に期待感を持たせることが可能になり、遊技の興趣がより向上する。
【0041】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細及び添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0042】
例えば、回転反発機構11に設けられる第1反発部30a及び第2反発部30bの数や配置等は、上記した実施形態において例示した構成に限られるものではない。例えば、第1反発部30aの数と第2反発部30bの数とが異なってもよく、第1反発部30aと第2反発部30bとが回転体20の側面に交互に設けられなくてもよい。また、第1反発部30a及び第2反発部30bと同様の構成で、バネ部材のバネ定数や反発部材の反発係数が第1反発部30a及び第2反発部30bとは異なる1つ又は複数の反発部が回転反発機構11に設けられてもよい。
【0043】
また、上記した実施形態における回転反発機構11は、遊技球と接触することで回転するように設けられているが、このような構成に限られるものではない。回転反発機構11は、例えば遊技盤103に設けられているモータ等によって、一定速度で回転駆動してもよく、予め設定されているプログラム等により回転方向や回転速度が制御されてもよい。
【0044】
また、遊技盤103に設けられる回転反発機構11の数や配置は、上記した実施形態において例示した構成に限られるものではない。回転反発機構11は、遊技盤103の構成等に応じて遊技の興趣を高めることが可能な位置に1つ以上設けられる。