【解決手段】制御装置が、第2有利状態への移行抽せんが行われるチャンスゾーンに遊技状態を移行させるか否かのチャンスゾーン移行抽せんを行うチャンスゾーン移行抽せん部と、チャンスゾーンで遊技可能なチャンスゾーン遊技数の上乗せ抽せんが行われるチャンスゾーン上乗せモードに遊技状態を移行させるか否かのチャンスゾーン上乗せモード移行抽せんを行うチャンスゾーン上乗せモード移行抽せん部と、チャンスゾーン遊技数の上乗せ抽せんを行うチャンスゾーン上乗せ抽せん部と、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(遊技機の構成)
はじめに、
図1を参照しながら、本発明の一実施形態の遊技機であるスロットマシン1の構成を説明する。
【0011】
スロットマシン1は、
図1に示すように、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、正面に開口を有している。この開口には、前扉20が開閉可能かつロック可能に取り付けられている。
【0012】
前扉20は、略中央部分に透光性の窓21を有している。この窓21は、後述する各回転リール41,42,43の表面に表示される複数の図柄を視認できるように、配置されている。
【0013】
また、窓21の上部には、液晶表示装置22と、電飾装置23と、スピーカ24とが設けられている。液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。すなわち、遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24によって行われる。
【0014】
一方、窓21の下部には、操作部30が設けられている。操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、各回転リール41,42,43に対して設けられ、回転中の各回転リール41,42,43を停止させるためのストップスイッチ34,35,36とで構成されている。これら操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
【0015】
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)、および、貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。
【0016】
さらに、操作部30の下部には、メダルを払い出すための払い出し口25と、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留するための下皿26とが設けられている。
【0017】
スロットマシン1は、
図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、メダルを払い出すためのホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44およびホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)等と共に、筺体10の内部に配置されている。
【0018】
回転リールユニット40は、3個の回転リール41,42,43と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。この回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置されている。回転リール41,42,43の表面には、
図3に示すように配列された図柄が表示されると共に、基準点(図示せず)が設けられている。この基準点は、例えば、回転リール41,42,43のAの図柄(ベルA)の中心に配置されている。
【0019】
ここで、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。
【0020】
スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、あるいは、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、メダルをベットする。スロットマシン1の遊技状態(以下、単に「遊技状態」という)等に応じて設定されている規定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
【0021】
有効ラインは、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、この有効ラインによって、窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。このスロットマシン1では、有効ラインは、例えば、
図4に示すように、上段ライン71、中段ライン72、および、下段ライン73の水平方向の3本と、右上がりライン74、および、右下がりライン75の斜め方向の2本とで構成され、ベットされたメダルの枚数(ベット枚数)に応じて有効化される。なお、このスロットマシン1の窓21に表示される図柄は、
図4に示すように、各回転リールにつき3図柄である。また、「役の入賞」には、メダルの払い出しがない役(リプレイ等)に対応する図柄が有効ライン上に揃った場合も含まれる。
【0022】
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作されると、スロットマシン1内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽せんという)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作されると、ストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43を停止させることで、1ゲームが終了し、有効ライン上に揃った図柄の組み合わせ、すなわち、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。
【0023】
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技といい、遊技が行われる、または、行われた数を遊技数という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
【0024】
また、スロットマシン1は、
図5,
図6に示すように、RT0〜4で構成された第1遊技状態と、通常状態、ART準備状態、ART、および、一種BB実施状態で構成された第2遊技状態とを有している。第1遊技状態は、内部抽せんにより当せんする役の種類およびその当せん確率を決定するための遊技状態であり、第2遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための遊技状態である。
【0025】
RT0は、
図5に示すように、一種BB終了後、あるいは、RAMクリア時に移行する遊技状態である。
【0026】
RT1は、
図5に示すように、内部抽せんの結果、
図7,
図8に示すシングルボーナス(SB)に当せんし、かつ、SBが入賞しなかった場合(すなわち、SBを取りこぼした場合)に移行する遊技状態である。
【0027】
RT2は、
図5に示すように、遊技状態がRT1のときに、内部抽せんの結果、
図7,
図8に示すRT2移行リプレイに当せんし、かつ、RT2移行リプレイが入賞した場合に移行する遊技状態である。遊技状態がRT2のときにSBを取りこぼすと、遊技状態がRT2からRT1に移行する。
【0028】
RT3は、
図5に示すように、遊技状態がRT2のときに、内部抽せんの結果、
図7,
図8に示すRT3移行リプレイに当せんし、かつ、RT3移行リプレイが入賞した場合に移行する遊技状態である。遊技状態がARTのときにSBを取りこぼすと、遊技状態がARTからRT1に移行する。
【0029】
RT4は、
図5に示すように、
図7,
図8に示す一種BBに当せん後、一種BBが入賞し、かつ、RT4に移行した後、所定の枚数のメダルが払い出される前の場合の遊技状態である。メダルの払い出し枚数は、例えば、480枚以内で任意に設定できる。RT4に移行した後、所定のメダルが払い出されると、RT0に移行する。
【0030】
通常状態は、
図6に示すように、ART終了後、ART抽せんに当せんしていない状態で遊技が行われる遊技状態である。
【0031】
なお、一種BBは、一種特別役物に係る連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)である。このスロットマシン1では、全ての回転リール41,42,43について、
図3に示す10番の図柄“セブン”が一種BBの入賞に係る図柄として対応付けられている。
【0032】
ART準備状態は、
図6に示すように、ART抽せんに当せんした後、RT3移行リプレイに当せんしていない状態で遊技が行われる遊技状態である。
【0033】
ARTは、
図6に示すように、ART通常状態、チャンスゾーン、ARTゲーム数上乗せモード、CZ(チャンスゾーン)ゲーム数上乗せモード、および、ART+CZゲーム数上乗せモードとで構成されている。
【0034】
ART通常状態は、ART抽せんに当せんした後、最初に移行する遊技状態である。ARTは、ART通常状態で行われた遊技の数が、ARTで遊技可能な遊技数(ARTゲーム数)に到達することで終了するようになっている。
【0035】
チャンスゾーンは、各上乗せモードへの移行抽せんが行われる遊技状態であり、遊技状態がART通常状態であるときに行われる移行抽せんに当せんすることで移行する。また、チャンスゾーンで行われた遊技数が、チャンスゾーンで遊技可能な遊技数(チャンスゾーンゲーム数)に到達することで終了し、ART通常状態に移行する。
【0036】
ARTゲーム数上乗せモードは、ARTゲーム数の上乗せ抽せんが行われる遊技状態であり、CZゲーム数上乗せモードは、チャンスゾーンゲーム数の上乗せ抽せんが行われる遊技状態であり、ART+CZゲーム数上乗せモードは、ARTゲーム数の上乗せ抽せんとチャンスゾーンゲーム数の上乗せ抽せんとが同時に行われる遊技状態である。各上乗せモードへは、遊技状態がチャンスゾーンであるときに行われ移行抽せんに当せんすることで移行し、上乗せモードで行われた遊技数が、上乗せモードで遊技可能な遊技数(上乗せモードゲーム数)に到達することで終了し、チャンスゾーンに移行する。
【0037】
なお、ARTは、通常状態よりも再遊技(リプレイ)の確率が上がり、メダルが減りにくい状態で、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順(押し順)で操作することで入賞可能な押し順役であるベルを確実に獲得するための報知が行われる有利状態の一例である。
【0038】
一種BB実施状態は、一種特別役物に係る連続作動装置が作動した状態で遊技が行われる遊技状態である。一種BB実施状態は、第1遊技状態がRT4に移行することで移行し、第1遊技状態RT4からRT0に移行することで終了する。
【0039】
(制御装置)
次に、
図2を参照しながら、筺体10の内部に配置された制御装置100を説明する。
【0040】
制御装置100は、
図2に示すように、メイン制御部110とサブ制御部120とで構成されている。
【0041】
メイン制御部110は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、遊技を進行させるための制御を行う。例えば、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36の操作に基づいてステッピングモータ61,62,63を制御して、回転リール41,42,43の回転を開始または終了させる。
【0042】
また、サブ制御部120もメイン制御部110と同様に、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、各種演出等を行うための制御を行う。例えば、メイン制御部110から送信された信号に基づいて演出内容を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を制御して、決定された演出内容を出力する。
【0043】
なお、下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120を構成する各部は、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0044】
[メイン制御部]
メイン制御部110は、
図2に示すように、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、ホッパー制御部114と、外部信号出力部115と、有利状態抽せん部116と、遊技状態移行部117と、ART制御部118と、計測部119とで構成されている。
【0045】
内部抽せん部111は、複数の役抽せんテーブル1111を有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、回転リール41,42,43の所定の図柄の組み合わせが対応付けられている役の抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられた第1遊技状態(
図5に示す)を判定し、判定された第1遊技状態に応じて
図8に示す内部抽せんに用いる役抽せんテーブル1111を選択する。そして、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数と選択された役抽せんテーブル1111とに基づいて内部抽せんを行い、この内部抽せんにより当せんした役を判定する。内部抽せんの結果は、内部抽せん部111により、内部抽せん結果信号として出力される。
【0046】
なお、このスロットマシン1において、ベットスイッチ32の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ32の操作が行われ、受け付けられた場合(ベットスイッチ32がオンされた場合)に出力される。
【0047】
スタートスイッチ33の操作信号は、ベットスイッチ32の操作信号または所定の枚数分のメダル投入センサの検出信号が出力された状態で、スタートスイッチ33の操作が行われ、受け付けられた場合(スタートスイッチ33がオンされた場合)に出力される。
【0048】
ストップスイッチ34,35,36の操作信号は、回転リール41,42,43の回転が開始され定常回転になった以降、スタートスイッチ33の操作信号が出力された状態で、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われ、受け付けられた場合(ストップスイッチ34,35,36がオンされた場合)に出力される。
【0049】
また、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、および、ストップスイッチ34,35,36の各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲーム毎に行われる。また、本明細書において、各スイッチの操作は、別途説明がある場合を除いて、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味しているものとする。
【0050】
役抽せんテーブル1111は、
図8に示すように、RT0〜RT4の遊技状態毎に設けられており、
図7に示す内部抽せん部111の内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域の情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
【0051】
図8に示す各役抽せんテーブルでは、遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。役抽せんテーブル1111には、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数の領域)が設けられており、この領域の各々が、“○”で示されている当せん領域にそれぞれ対応付けられている。
【0052】
なお、
図7では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ34,35,36の操作の順番を表の上部の3個の数字で示している。この数字は、“1”は左リール、“2”は中リール、“3”は右リールに対応するストップスイッチ34,35,36の操作を意味している。例えば、“123”であれば、左リール41に対応するストップスイッチ34、中リール42に対応するストップスイッチ35、右リール43に対応するストップスイッチ36の順にストップスイッチ34,35,36を操作することを示している。押し順役の押し順は、所定の条件を満たした場合に報知されるようになっている。
【0053】
スロットマシン1では、当せんした当せん領域に設定されている役が、全て同時に当せんするように設定されている。例えば、内部抽せん部111の役抽せんの結果、当せん領域“中ベル1〜4”および“右ベル1〜4”に当せんした場合、中段ベルと、中ベル1〜4あるいは右ベル1〜4に同時に当せんする。
【0054】
例えば、“中ベル1”に当せんした場合、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“213”および“231”の中段ベルと、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“123”、“132”、“312”および“321”の中ベル1に同時に当せんする。“213”の中段ベルと“231”の中段ベルは、同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。また、“123”、“132”、“312”および“321”の中ベル1は、全て同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。
【0055】
また、中段ベル、中ベル1〜4および右ベル1〜4は、メダルの払い出しのある小役であると共に、入賞したときに払い出されるメダルが中ベル1〜4および右ベル1〜4よりも中段ベルのほうが多くなるように設定されている。このスロットマシン1では、3枚のメダルをベットしたとき、中段ベルの入賞で8枚のメダルが払い出され、中ベル〜4および右ベル1〜4の入賞で1枚のメダルが払い出される。
【0056】
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33の操作信号、すなわち、スタートスイッチ33の受け付けられた操作の内容に基づいて、回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始させる回転開始制御を行う。また、回転リール制御部112は、ストップスイッチ34,35,36の操作信号、すなわち、ストップスイッチ34,35,36の受け付けられた操作の内容に基づいて、回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、回転している各回転リール41,42,43の回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0057】
回転停止制御では、内部抽せん部111により出力された内部抽せん結果信号等に基づいて、各回転リール41,42,43の停止位置を決定し、例えば、当せんした役に対応する図柄が有効ライン上に揃うように回転リール41,42,43の回転を停止させたり(いわゆる引き込み制御)、あるいは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させたりする(いわゆる蹴飛ばし制御)。回転リール41,42,43の回転停止制御の結果は、回転リール制御部112によって、回転リール停止信号として出力される。
【0058】
遊技結果判定部113は、内部抽せん部111から出力された役抽せん結果信号、および、回転リール制御部112から出力された回転リール停止信号に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。ここでは、遊技結果判定部113は、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが所定の図柄と一致した場合に、役が入賞したと判定し、この判定結果を遊技結果判定信号として出力する。
【0059】
ホッパー制御部114は、遊技結果判定部により出力された遊技結果判定信号、あるいは、操作部30の精算スイッチを操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(役の当せん、入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
【0060】
外部信号出力部115は、遊技状態が所定の有利状態に移行した場合に、ホールコンピュータに、遊技状態が所定の有利状態へ移行したこと表す信号を出力する。また、外部信号出力部115は、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合に、サブ制御部120等に、スロットマシン1が設定変更されたことを表す設定変更信号、または、スロットマシン1がリセットされたことを表すリセット信号、または、スロットマシン1の電源がオンされたことを表す電源オン信号を出力する。
【0061】
なお、有利状態とは、現在の遊技状態よりもメダル獲得の期待度が直接的または間接的に高い遊技者にとって有利な状態をいい、ARTのほか、通常状態1,2におけるART当せん高確率状態も含まれる。
【0062】
有利状態抽せん部116は、遊技状態、および、メイン制御部110の内部抽せん部111から出力される内部抽せん結果信号等に基づいて、例えば、有利状態抽せんの一例のART抽せん、あるいは、高確率状態移行抽せんを行う。
【0063】
ART抽せんは、第2遊技状態が通常状態であり、かつ、内部抽せんにより所定の役に当せんした場合に行われる、ARTを発生させるか否かの抽せんである。有利状態抽せん部116には、抽せん状態(高確率状態および低確率状態)に応じて選択される当せん期待度の異なる複数のテーブルが設けられており、このテーブルと内部抽せんにより当せんした役とに基づいて、ART抽せんの当せん確率が決定される。有利状態抽せん部116は、決定された当せん確率に基づいて、ART抽せんに当せんしたか否かを判定し、ART抽せんに当せんしたと判定された場合には、併せて、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)等を決定する。ART抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によってART抽せん結果信号として出力される。
【0064】
高確率状態移行抽せんは、第2遊技状態が通常状態であり、かつ、ART抽せんの抽せん状態が低確率状態のときに行われる、ART抽せんの抽せん状態を低確率状態から高確率状態へ移行させるか否かの抽せんである。この高確率状態移行抽せんは、内部抽せんにより当せんした役に基づいて当せん確率が決定され、遊技状態の移行を伴わない。高確率状態移行抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によって高確率状態抽せん結果信号として出力される。
【0065】
遊技状態移行部117は、内部抽せんにより第1遊技状態毎に設定されている移行役に当せんした場合に、この移行役に設定されている移行条件が満たされている場合に、第1遊技状態を移行役毎に設定された遊技状態に移行させる。
【0066】
図5に示すように、遊技状態移行部117は、遊技状態がRT0、または、RT2、または、RT3であるときに、SBを取りこぼした場合、遊技状態をRT1に移行させ、内部抽せんが行われた遊技状態がRT1であるときに、RT2移行リプレイが入賞した場合、遊技状態をRT2に移行させ、内部抽せんが行われた遊技状態がRT2であり、かつ、RT3移行リプレイが入賞した場合、遊技状態をRT3に移行させる。
【0067】
また、遊技状態移行部117は、遊技状態がRT4に移行した後、所定の枚数のメダルが払い出された場合、あるいは、スロットマシン1がRAMクリア、設定変更、および、リセットされた場合、遊技状態をRT0に移行させる。
【0068】
また、遊技状態移行部117は、第2遊技状態の遊技状態(通常状態、ART準備状態、ART、および、一種BB実施状態)毎に設定されている移行条件が満たされているか否かを判定し、この移行条件が満たされていない場合に、第2遊技状態を遊技状態毎に設定された遊技状態に移行させる。
【0069】
図6に示すように、遊技状態移行部117は、第2遊技状態が通常状態であるときに、ART抽せんに当せんした場合、遊技状態をART準備状態に移行させ、第2遊技状態がART準備状態であるときに、内部抽せんによりRT3移行リプレイに当せんした場合、遊技状態をARTに移行させ、第2遊技状態がARTであるときに、ARTが終了した場合、遊技状態を通常状態に移行させる。
【0070】
また、遊技状態移行部117は、スロットマシン1がRAMクリア、設定変更、および、リセットされた場合、元の遊技状態にかかわらず、遊技状態を通常状態に移行させる。
【0071】
さらに、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態への移行に要する遊技数の上限値(天井ゲーム数)を設定し、計測部119から出力された天井計測信号に基づいて、計測された天井消化ゲーム数が、設定された天井ゲーム数に到達したか否かを判定する。そして、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態に移行させる。例えば、計測部119により計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態をARTに強制的に移行させる。
【0072】
なお、天井ゲーム数は、例えば、予め定められた遊技数であり、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達した場合に加え、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合等に、再設定される。
【0073】
ART制御部118は、遊技状態がART(RT3)に移行した後(ARTへの移行擬制を含む)、ARTゲーム数が経過するまで、内部抽せんにより当せんした押し順役の押し順の報知を発生させる。押し順役の押し順の報知は、液晶表示装置22等を介して行われる。
【0074】
また、ART制御部118は、有利状態抽せん部116により出力されたART抽せん結果信号と、計測部119により出力されたART計測信号とに基づいて、内部抽せんによりRT3移行リプレイに最初に当せんした後、ART通常状態で行われた遊技の数(ART消化ゲーム数)が、ARTゲーム数に達したか否かを判定する。ART消化ゲーム数がARTゲーム数に達したと判定された場合、ART制御部118は、押し順役の押し順の報知を停止させ、ARTを終了させる。
【0075】
さらに、ART制御部118は、チャンスゾーン移行抽せん部およびチャンスゾーン上乗せモード移行抽せん部の一例のART中モード移行抽せん部1181と、ART中モード移行部1182と、チャンスゾーン上乗せ抽せん部の一例のART中上乗せ抽せん部1183とを有している。
【0076】
ART中モード移行抽せん部1181は、ART中に行われた内部抽せんにより当せんした役に応じて、第2遊技状態を移行させるか否かの移行抽せんを行う。
【0077】
例えば、遊技状態がART通常状態である場合、ART中モード移行抽せん部1181は、内部抽せんにより当せんした役に応じて、遊技状態をART通常状態からチャンスゾーンに移行させるか否かの抽せんであるチャンスゾーン移行抽せんを行う。
【0078】
チャンスゾーン移行抽せんの当せん確率は、例えば、抽せん状態(高確率状態および低確率状態)に応じて、当せん期待度が異なる複数のテーブルの中から選択された1つのテーブルと内部抽せんにより当せんした役とに基づいて決定される。テーブルの選択は、例えば、ART抽せんに当せんしたときに行われる。
【0079】
また、遊技状態がチャンスゾーン(CZ)である場合、ART中モード移行抽せん部1181は、内部抽せんにより当せんした役に応じて、遊技状態をチャンスゾーンから各上乗せモードに移行させるか否かの抽せんである上乗せモード移行抽せんを行う。
【0080】
上乗せモード移行抽せんの当せん確率は、例えば、各上乗せモード(ARTゲーム数上乗せモード、CZゲーム数上乗せモード、および、ART+CZゲーム数上乗せモード)への移行期待度が異なる複数のテーブルの中から選択された1つのテーブルと内部抽せんにより当せんした役とに基づいて決定される。テーブルの選択は、例えば、チャンスゾーン移行抽せんに当せんしたときに行われる。
【0081】
ART中モード移行抽せん部1181は、決定された当せん確率に基づいて、チャンスゾーン移行抽せん、あるいは、上乗せモード移行抽せんに当せんしたか否かを判定する。
【0082】
なお、上乗せモード移行抽せんに用いるテーブルは、上乗せモード毎に移行抽せんの当せん確率が定められているものでもよいし、各上乗せモード共通の当せん確率が定められているものでもよい。上乗せモード毎に移行抽せんの当せん確率が定められている場合、内部抽せんにより当せん役に応じた所定の順番で上乗せモード移行抽せんを行い、いずれかの上乗せモード移行抽せんに当せんした時点で、上乗せモード移行抽せんを終了する。また、各上乗せモード共通の当せん確率が定められている場合、内部抽せんにより当せん役に応じて上乗せモード移行抽せんを行い、上乗せモード移行抽せんに当せんした場合に、移行する上乗せモードを決定するための抽せんをさらに行う。
【0083】
また、チャンスゾーンで遊技可能な遊技数(チャンスゾーンゲーム数)あるいは上乗せモードで遊技可能な遊技数(上乗せモードゲーム数)の初期値は、予め定められた遊技数でもよいし、チャンスゾーン移行抽せんに当せんしたときに、複数の値の中から決定されるようにしてもよい。
【0084】
ART中モード移行部1182は、ARTモード移行抽せん部1181により行われた移行抽せんの結果、あるいは、チャンスゾーンおよび各上乗せモードで行われた遊技数に基づいて、遊技状態を移行させる。
【0085】
例えば、ARTモード移行部1182は、チャンスゾーン移行抽せんに当せんした場合、遊技状態をART通常状態からチャンスゾーンに移行させ、チャンスゾーンで行われた遊技数がチャンスゾーンゲーム数に到達した場合、遊技状態をチャンスゾーンからART通常状態に移行させる。また、ARTモード移行部1182は、各上乗せモード移行抽せんに当せんした場合、遊技数をチャンスゾーンから各上乗せモードに移行させ、各上乗せモードで行われた遊技数が上乗せモードゲーム数に到達した場合、遊技数を各上乗せモードからチャンスゾーンに移行させる。
【0086】
ART中上乗せ抽せん部1183は、各上乗せモードで行われた内部抽せんにより当せんした役に応じて、ARTゲーム数、および/または、チャンスゾーンゲーム数の上乗せ抽せんを行う。
【0087】
例えば、ART中上乗せ抽せん部1183は、遊技状態がARTゲーム数上乗せモードである場合、内部抽せんにより当せんした役に応じてARTゲーム数上乗せ抽せんを行い、遊技状態がCZゲーム数上乗せモードである場合、内部抽せんにより当せんした役に応じてCZゲーム数上乗せ抽せんを行う。また、遊技状態がART+CZゲーム数上乗せモードである場合、ART中上乗せ抽せん部1183は、内部抽せんにより当せんした役に応じてARTゲーム数上乗せ抽せんおよびCZゲーム数上乗せ抽せんを同時に行う。
【0088】
ARTゲーム数上乗せ抽せんおよびCZゲーム数上乗せ抽せんの当せん確率は、例えば、上乗せ期待度が異なる複数のテーブルの中から選択された1つのテーブルと、内部抽せんにより当せんした役とに基づいて決定される。テーブルの選択は、例えば、各上乗せモード移行抽せんに当せんしたときに行われる。
【0089】
計測部119は、遊技結果判定部113から出力される遊技結果判定信号に基づいて、ART消化ゲーム数を計測する。また、計測部119は、遊技結果判定部113から出力される遊技結果判定信号に基づいて、チャンスゾーンおよび上乗せモードで行われた遊技の数(チャンスゾーン消化ゲーム数および上乗せモード消化ゲーム数)を計測する。計測されたART消化ゲーム数、チャンスゾーン消化ゲーム数、および、上乗せモード消化ゲーム数は、計測部119によりART計測信号として出力される。なお、ART中に一種BBに当せんした場合、計測部119によるART消化ゲーム数の計測は、遊技状態がRT4を介してRT0に移行した後、再びRT3移行リプレイに当せんするまで中断する。
【0090】
また、計測部119は、遊技結果判定部113から出力された遊技結果判定信号に基づいて、所定の有利状態終了後、この有利状態に移行することなく経過した遊技期間を計測する。詳しくは、計測部119は、ARTが終了し、第2遊技状態がARTから通常状態に移行した後、ART抽せんに当せんすることなく経過した遊技期間(天井消化ゲーム数)を計測する。計測部119により計測された天井消化ゲーム数は、天井計測信号として出力される。
【0091】
なお、計測部119は、第2遊技状態がARTまたは一種BB実施状態に移行した場合に、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。また、設定変更信号、リセット信号、あるいは、電源オン信号を受信した場合、すなわち、スロットマシン1が設定変更またはリセットまたは電源オンされた場合も、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。
【0092】
[サブ制御部]
サブ制御部120は、
図2に示すように、演出制御部121で構成されている。
【0093】
演出制御部121は、例えば、内部抽せん部111から出力される役抽せん結果信号、有利状態抽せん部116から出力されるART抽せん結果信号、あるいは、遊技状態移行部117から出力される各移行信号に応じて、1ゲーム毎に、演出パターンを選択する。演出パターンの選択は、遊技状態、あるいは、内部抽せんにより当せんした役等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(図示せず)に基づいて行われる。演出制御部121は、選択された演出パターンに基づいて、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を制御して、演出を出力する。
【0094】
演出制御部121に記憶されている演出テーブルには、例えば、所定の役に当せんした場合、あるいは、ART抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含んでいる。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルに記憶されている領域の1つであり、前兆演出とは、遊技状態が有利状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
【0095】
前兆演出テーブルが選択された場合、演出制御部121は、例えば、前兆演出が行われる遊技数(前兆ゲーム数)を決定し、記憶する。そして、演出制御部121は、前兆演出の開始から経過した前兆演出期間の遊技数(前兆消化ゲーム数)を計測し、この前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したか否かを判定する。前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したと判定された場合、演出制御部121は、前兆演出を終了する。
【0096】
なお、演出制御部121によって出力される演出パターンには、押し順役の押し順の報知も含まれている。例えば、演出制御部121は、ART制御部118により出力されたART報知信号に基づいて、押し順役の押し順の報知を発生させる。
【0097】
(遊技制御処理)
次に、
図9を参照して、スロットマシン1のART通常状態の制御処理について説明する。なお、以下に説明する処理は、制御装置100が所定のプログラムを実行することで実施される。
【0098】
図9に示すように、ART抽せんに当せんし、第2遊技状態がART通常状態に移行して(ステップS101)、内部抽せん部111により内部抽せんが行われると(ステップS102)、ART中モード移行抽せん部1181が、内部抽せんにより所定の役に当せんしたか否かを判定する(ステップS103)。
【0099】
内部抽せんにより所定の役に当せんしたと判定されると、ART中モード移行抽せん部1181が、内部抽せんにより当せんした役に応じてチャンスゾーン移行抽せんを行い、このチャンスゾーン移行抽せんに当せんしたか否かを判定する(ステップS104)。
【0100】
チャンスゾーン移行抽せんに当せんしたと判定されると、チャンスゾーンの制御処理が行われる(ステップS105)。
【0101】
ステップS103で、所定の役に当せんしていないと判定された場合、ステップS104でチャンスゾーン移行抽せんに当せんしていないと判定された場合、あるいは、チャンスゾーン制御処理が終了した場合、遊技状態移行部117が、ART消化ゲーム数がARTゲーム数に到達したか否か、すなわち、ARTゲーム数からART消化ゲーム数を引いた残りARTゲーム数がゼロであるか否かを判定する(ステップS106)。
【0102】
残りARTゲーム数がゼロであると判定されると、ART制御部118が、ARTを終了させ、チャンスゾーン移行抽せんの制御処理を終了させる。
【0103】
一方、残りARTゲーム数がゼロではないと判定されると、残りARTゲーム数がゼロであると判定されるまで、ステップS102〜ステップS107の処理が繰り返される。
【0104】
(遊技制御処理)
続いて、
図10を参照して、スロットマシン1のチャンスゾーンの制御処理について説明する。なお、以下に説明する処理は、制御装置100が所定のプログラムを実行することで実施される。
【0105】
図10に示すように、チャンスゾーン移行抽せんに当せんし、遊技状態がART通常状態からチャンスゾーンに移行して(ステップS201)、内部抽せん部111により内部抽せんが行われると(ステップS202)、ART中モード移行抽せん部1181が、内部抽せんにより所定の役に当せんしたか否かを判定する(ステップS203)。
【0106】
内部抽せんにより所定の役に当せんしたと判定されると、ART中モード移行抽せん部1181が、内部抽せんにより当せんした役に応じて上乗せモード移行抽せんを行い、この上乗せモード移行抽せんに当せんしたか否かを判定する(ステップS204)。
【0107】
上乗せモード移行抽せんに当せんしたと判定されると、ART中モード移行部1182が、遊技状態をチャンスゾーンから当せんした上乗せモードに移行させる(ステップS205)。
【0108】
遊技状態がチャンスゾーンから上乗せモードに移行すると、ART中上乗せ抽せん部1183が、内部抽せんにより当せんした役に応じて、ARTゲーム数、および/または、チャンスゾーンゲーム数の上乗せ抽せんを行う(ステップS206)。
【0109】
上乗せ抽せんが行われると、ART中モード移行部1182が、上乗せモード消化ゲーム数が上乗せモードゲーム数に到達したか否か、すなわち、上乗せモードゲーム数から上乗せモード消化ゲーム数を引いた残り上乗せモードゲーム数がゼロであるか否かを判定する(ステップS207)。
【0110】
残り上乗せゲーム数がゼロであると判定されると、ART中モード移行部1182が、上乗せモードを終了させる(ステップS208)。一方、残り上乗せゲーム数がゼロではないと判定されると、残り上乗せゲーム数がゼロであると判定されるまで、ステップS206およびステップS207の処理が繰り返される。
【0111】
ステップS203で、所定の役に当せんしていないと判定された場合、ステップS204でチャンスゾーン移行抽せんに当せんしていないと判定された場合、あるいは、上乗せモードが終了した場合、ART中モード移行部1182が、チャンスゾーン消化ゲーム数がチャンスゾーンゲーム数に到達したか否か、すなわち、チャンスゾーンゲーム数からチャンスゾーン消化ゲーム数を引いた残りチャンスゾーンゲーム数がゼロであるか否かを判定する(ステップS209)。
【0112】
残りチャンスゾーンゲーム数がゼロであると判定されると、ART中モード移行部1182が、遊技状態をチャンスゾーンからART通常状態に移行させて、チャンスゾーンの制御処理を終了させる。
【0113】
一方、残りチャンスゾーンゲーム数がゼロではないと判定されると、残りチャンスゾーンゲーム数がゼロであると判定されるまで、ステップS202〜ステップS209の処理が繰り返される。
【0114】
このように、前記スロットマシン1では、ARTゲーム数の上乗せ抽せんに加えて、ARTゲーム数の上乗せ抽せんが行われる上乗せモードへの移行抽せんが行われるチャンスゾーンで遊技可能なチャンスゾーンゲーム数の上乗せ抽せんが行われる。これにより、例え、ARTゲーム数上乗せモードに移行しなくても、遊技の興趣を高めることができる。
【0115】
また、ARTゲーム数の上乗せ抽せんとチャンスゾーンゲーム数の上乗せ抽せんが同時に行われるART+CZゲーム数上乗せモードを有している。これにより、遊技の趣向をさらに高めることができる。
【0116】
(その他の実施形態)
制御装置100は、ソフトウェアと協働して所定の機能を実行するCPUに代えて、ハードウェアのみで所定の機能を実現するように専用に設計されているFPGA(field-programmable gate array)、あるいは、ASIC(application specific integrated circuit)を含んでいてもよい。
【0117】
メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれ異なる基板に設けてもよいし、同一基板上に設けてもよい。すなわち、メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれがCPU、ROMおよびRAM等を備えていてもよいし、CPU、ROMおよびRAM等を共有していてもよい。
【0118】
上乗せモードは、少なくともARTゲーム数上乗せモードがあればよく、チャンスゾーンゲーム数上乗せモード、および、ART+CZゲーム数上乗せモードのいずれか一方、あるいは、両方は、必要に応じて省略できる。例えば、チャンスゾーンゲーム数上乗せモードを省略した場合、チャンスゾーンゲーム数の上乗せ抽せんは、例えば、チャンスゾーン中に行われるようにすればよい。
【0119】
チャンスゾーン移行抽せん、各上乗せモード移行抽せん、および、各上乗せ抽せんの当せん確率の決定は、前記実施形態に限らず、スロットマシン1の設計に応じて、適宜変更可能である。例えば、予め定められた1つのテーブルのみを用いて、当せん確率を決定してもよいし、1つだけ、あるいは、3つ以上の抽せん状態に応じて、当せん確率を決定してもよい。
【0120】
遊技状態移行部117が遊技状態を移行させる条件は、移行役を入賞または取りこぼした場合に限らず、例えば、内部抽せんにより当せんした場合に遊技状態を移行させてもよい。
【0121】
SBは、必ずしも設ける必要はなく、また、SBの取りこぼしにより遊技状態をRT1に移行させなくてもよい。
【0122】
一種BBの代わりに、擬似ボーナスを採用してもよい。擬似ボーナス終了後の遊技状態は、前記実施形態と同様に、通常状態0に移行するようにしてもよいし、擬似ボーナスに当せんした遊技状態に復帰するようにしてもよい。
【0123】
一種BBに加えて、あるいは、一種BBの代わりに、二種BBを含んでいてもよい。二種BBは、二種特別役物に係る連続作動装置、いわゆるチャレンジタイムである。
【0124】
役抽せんテーブル1111は、
図7,
図8に示されているものに限らず、スロットマシンの設計に応じて、任意に変更できる。
【0125】
有効ラインは、少なくとも1本設定されていればよい。また、
図4に示す各回転リール41,42,43の図柄が一直線に並ぶライン71,72,73,74,75を有効ラインとする必要はなく、例えば、各回転リール41,42,43の図柄がV字状に並ぶラインを有効ラインとしてもよい。また、有効ラインは、ベット数に応じて有効化される場合に限らず、例えば、メダルを1枚ベットすることで、全ての有効ラインが有効化されるようにしてもよい。さらに、遊技状態に応じて、有効ラインが変動するようにしてもよい。
【0126】
ARTは、所定のARTゲーム数が予め決められているセット継続型であってもよいし、毎ゲーム継続抽せんを行う継続ゲーム数不定型であってもよい。
【0127】
有利状態は、ARTおよび一種BB実施状態に限らず、例えば、AT(アシストタイム)であってもよいし、遊技状態の移行を伴わない通常状態におけるARTの当せん高確率状態を含んでいてもよい。
【0128】
可能であれば、メイン制御部110の構成をサブ制御部120に設けてもよいし、サブ制御部120の構成をメイン制御部110に設けてもよい。
【0129】
以上、説明した構成および機能等は、適宜、組み合わせてもよく、また、適宜、選択、置換、あるいは、削除してもよい。
【0130】
本発明および実施形態を纏めると、次のようになる。
【0131】
本発明の遊技機は、
複数の回転リールと、
前記回転リールを回転させるためのスタートスイッチと、
複数の前記回転リールの各々に対して設けられ、回転中の前記回転リールを停止させるための複数のストップスイッチと、
前記スタートスイッチおよび前記ストップスイッチの受け付けられた操作の内容に基づいて前記回転リールを回転および停止させる制御装置と、
を備え、
前記制御装置が、
前記スタートスイッチの操作の受付に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
所定の遊技状態で行われた前記内部抽せんにより当せんした役に応じて、遊技状態を通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態に移行させるか否かの有利状態移行抽せんを行うと共に、前記有利状態移行抽せんに当せんした場合に、前記有利状態で遊技可能な有利状態遊技数を決定する有利状態抽せん部と、
前記有利状態移行抽せんに当せんした場合に、遊技状態を有利状態に移行させる遊技状態移行部と、
を有する遊技機において、
前記有利状態における遊技状態として、前記有利状態に移行したときから経過した遊技数が前記有利状態遊技数に達するまで継続する第1有利状態と、前記有利状態遊技数の上乗せ抽せんが行われる第2有利状態とを有しており、
前記制御装置が、
前記第2有利状態への移行抽せんが行われるチャンスゾーンに遊技状態を移行させるか否かのチャンスゾーン移行抽せんを前記第1有利状態で行われた前記内部抽せんにより当せんした役に応じて行うチャンスゾーン移行抽せん部と、
前記チャンスゾーンで遊技可能なチャンスゾーン遊技数の上乗せ抽せんが行われるチャンスゾーン上乗せモードに遊技状態を移行させるか否かのチャンスゾーン上乗せモード移行抽せんを前記チャンスゾーンで行われた前記内部抽せんにより当せんした役に応じて行うチャンスゾーン上乗せモード移行抽せん部と、
前記チャンスゾーン上乗せモードで行われた前記内部抽せんにより当せんした役に応じて、前記チャンスゾーン遊技数の上乗せ抽せんを行うチャンスゾーン上乗せ抽せん部と、
を有する。
【0132】
本発明の遊技機によれば、有利状態遊技数の上乗せ抽せんに加えて、有利状態遊技数の上乗せ抽せんが行われる上乗せモードへの移行抽せんが行われるチャンスゾーンで遊技可能なチャンスゾーン遊技数の上乗せ抽せんが行われる。これにより、例え、第2有利状態に移行しなくても、遊技の興趣を高めることができる。
【0133】
一実施形態の遊技機では、
前記チャンスゾーン上乗せ抽せん部が、前記第2有利状態で行われた前記内部抽せんにより当せんした役に応じて、前記チャンスゾーン遊技数の上乗せ抽せんを行う。
【0134】
前記実施形態によれば、第2有利状態において、有利状態遊技数に加えてチャンスゾーン遊技数の上乗せ抽せんが行われる。これにより、遊技の趣向をさらに高めることができる。