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特開2017-221338コンピュータ、表示方法及びコンピュータの制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221338(P2017-221338A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】コンピュータ、表示方法及びコンピュータの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0245 20060101AFI20171124BHJP
   A61B 5/0255 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   A61B5/02 711E
   A61B5/02 730R
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-118203(P2016-118203)
(22)【出願日】2016年6月14日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000106324
【氏名又は名称】サンスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】羽栗 和弘
(72)【発明者】
【氏名】橘川 千里
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】松永 健吾
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA09
4C017AA19
4C017BC21
4C017CC02
(57)【要約】
【課題】本発明は、自律神経のバランスを直観的に把握可能なコンピュータ等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るコンピュータ(2)は、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される、自律神経の働きを示す働き指標の値とバランスを示すバランス指標の値とを取得する指標取得部(251)と、働き指標の値に基づいて測定結果に対応する状態図形の大きさを決定する大きさ決定部(252)と、バランス指標の値に基づいて状態図形を決定する外形形状決定部(253)と、大きさと外形形状とに基づいて状態図形を描画する描画部(255)と、描画部が描画した画像を表示する表示部(240)と、を有し、外形形状決定部(253)は、バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう外形形状を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される、自律神経の働きを示す働き指標の値とバランスを示すバランス指標の値とを取得する指標取得部と、
前記働き指標の値に基づいて前記測定結果に対応する状態図形の大きさを決定する大きさ決定部と、
前記バランス指標の値に基づいて前記状態図形の外形形状を決定する外形形状決定部と、
前記大きさと前記外形形状とに基づいて前記状態図形を描画する描画部と、
前記描画部が描画した画像を表示する表示部と、
を有し、
前記外形形状決定部は、前記バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう前記外形形状を決定することを特徴とするコンピュータ。
【請求項2】
前記外形形状決定部は、前記バランス指標が悪いバランスを示すほど苛辣性が高くなるよう前記外形形状を決定することを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータ。
【請求項3】
前記バランス指標の値が小さいほど自律神経のバランスがより良いことを示す場合、
前記外形形状決定部は、前記バランス指標の値と負の相関を有するよう前記状態図形の外形形状における凸部の内角の角度を決定することを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンピュータ。
【請求項4】
前記状態図形の表示の変化を決定する変化決定部をさらに有し、
前記変化決定部は、前記バランス指標の値と正の相関を有するよう表示の変化の頻度を決定し、
前記描画部は、前記変化決定部の決定する表示の変化の内容に基づいて前記状態図形を描画することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のコンピュータ。
【請求項5】
前記働き指標の値が大きいほど自律神経の働きがより強いことを示す場合、
前記外形形状決定部は、前記働き指標の値と正の相関を有するよう前記状態図形の大きさを決定することを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンピュータ。
【請求項6】
前記描画部は、前記状態図形に対応するユーザの生体情報の測定時点に基づいて前記状態図形の描画位置を決定し、前記描画位置に前記状態図形を描画することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のコンピュータ。
【請求項7】
前記描画部は、測定時間順に予め配置された描画位置に基づいて前記状態図形の描画位置を決定し、描画することを特徴とする、請求項6に記載のコンピュータ。
【請求項8】
前記描画部は、最も古い測定時間に対応する状態図形の描画位置の近傍に配置された、前記状態図形とは異なる第2の図形を描画することを特徴とする、請求項7に記載のコンピュータ。
【請求項9】
前記描画部は、複数の前記状態図形をループ状に描画することを特徴とする、請求項7に記載のコンピュータ。
【請求項10】
前記描画部は、第1の測定期間に属する1つの描画位置と、前記第1の測定期間に属し前記1つの描画位置に隣接する他の描画位置との間に、前記第1の測定期間とは異なる第2の測定期間に属する状態図形を描画することを特徴とする、請求項9に記載のコンピュータ。
【請求項11】
前記描画部は、所定の測定期間に対応する複数個の前記状態図形が構成する集合図形と、前記所定の期間と異なる所定の期間に対応する集合図形とが同時に表示されるよう描画することを特徴とする、請求項7〜10の何れか一項に記載のコンピュータ。
【請求項12】
コンピュータが自律神経の状態を表示する方法であって、
ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される、自律神経の働きを示す働き指標の値とバランスを示すバランス指標の値とを取得し、
前記働き指標の値に基づいて前記測定結果に対応する状態図形の大きさを決定し、
前記バランス指標の値に基づいて、前記バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう前記状態図形の外形形状を決定し、
前記大きさと前記外形形状とに基づいて前記状態図形を描画し、
描画された画像を表示する、
ことを特徴とする自律神経の状態表示方法。
【請求項13】
コンピュータの制御プログラムであって、
ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される、自律神経の働きを示す働き指標の値とバランスを示すバランス指標の値とを取得し、
前記働き指標の値に基づいて前記測定結果に対応する状態図形の大きさを決定し、
前記バランス指標の値に基づいて、前記バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう前記状態図形の外形形状を決定し、
前記大きさと前記外形形状とに基づいて前記状態図形を描画し、
描画された画像を表示する、
ことを前記コンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律神経の状態を表示するコンピュータ、表示方法及びコンピュータの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人間の自律神経の状態を測定し、表示するための機器が普及しつつある。
【0003】
例えば、特許文献1には、自律神経の状態を示す画像を表示する画像表示装置が開示されている。この画像表示装置は、自律神経の活動強度に応じた大きさの図形を、一端側に交感神経の優位度が設定され、他端側に副交感神経の優位度が設定された軸に沿い、かつ、交感神経及び副交感神経の優位度に応じた位置に表示する。これにより、自律神経の状態を把握しやすくするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−220244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された画像表示装置では、図形の位置により交感神経及び副交感神経の優位度(自律神経のバランス)を表現する。このため、一端側、他端側のどちらが交感神経の優位度に対応するかを認識することが必要であり、自律神経のバランスの直観的な把握は必ずしも容易とは言えなかった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、自律神経の働き及びバランスを直観的に把握可能なコンピュータ、表示方法及びコンピュータの制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンピュータは、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される、自律神経の働きを示す働き指標の値とバランスを示すバランス指標の値とを取得する指標取得部と、前記働き指標の値に基づいて前記測定結果に対応する状態図形の大きさを決定する大きさ決定部と、前記バランス指標の値に基づいて前記状態図形の外形形状の凹凸度を決定する外形形状決定部と、前記大きさと前記外形形状とに基づいて前記状態図形を描画する描画部と、前記描画部が描画した画像を表示する表示部と、を有し、前記外形形状決定部は、前記バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう前記外形形状を決定する。
【0008】
本発明に係るコンピュータが自律神経の状態を表示する方法は、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される、自律神経の働きを示す働き指標の値とバランスを示すバランス指標の値とを取得し、前記働き指標の値に基づいて前記測定結果に対応する状態図形の大きさを決定し、前記バランス指標の値に基づいて、前記バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう前記状態図形の外形形状を決定し、前記大きさと前記外形形状とに基づいて前記状態図形を描画し、描画された画像を表示する。
【0009】
本発明に係るコンピュータの制御プログラムは、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される、自律神経の働きを示す働き指標の値とバランスを示すバランス指標の値とを取得し、前記働き指標の値に基づいて前記測定結果に対応する状態図形の大きさを決定し、前記バランス指標の値に基づいて、前記バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう前記状態図形の外形形状を決定し、前記大きさと前記外形形状とに基づいて前記状態図形を描画し、描画された画像を表示する、ことを前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコンピュータ、表示方法及びコンピュータの制御プログラムにおいて、コンピュータは、働き指標の値に基づいて測定結果に対応する状態図形の大きさを決定し、バランス指標の値に基づいて状態図形の外形形状を決定する。これにより、ユーザは自律神経の状態を一見して理解することが可能となる。
【0011】
また、外形形状決定部は、バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう外形形状を決定する。これにより、表示方法について説明を受けなくても、ユーザは自律神経のバランスを直観的に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】自律神経の状態表示システム1における処理概要の一例を示す図である。
図2】自律神経の状態表示システム1の概略構成の一例を示す図である。
図3】状態図形の表示処理の一例を示すシーケンス図である。
図4】状態図形の大きさの決定方法の一例を示す図である。
図5】(a)は状態図形の外形形状の一例を示す図であり、(b)はバランス指標の値bと状態図形の外形形状との関係の一例を示す図である。
図6】集合図形の表示処理の一例を示すフローチャートである。
図7】(a)は集合図形における状態図形の描画位置の一例を示す図であり、(b)は表示された集合図形の一例を示す図である。
図8】(a)は集合図形における状態図形の描画位置の他の一例を示す図であり、(b)は表示された集合図形の一例を示す図である。
図9】集合図形における状態図形の描画位置の他の一例を示す図である。
図10】(a)は集合図形における状態図形の描画位置の他の一例を示す図であり、(b)は表示された集合図形の一例を示す図である。
図11】集合図形を複数個表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、自律神経の状態表示システム1における処理概要の一例を示す図である。
【0015】
ユーザの心電、脈波などの情報に基づいて、コンピュータは、自律神経の働きを示す指標の値と、自律神経のバランスを示す指標の値とを取得する。自律神経の働きを示す指標とは、自律神経機能全体の働きを示す指標であり、自律神経のバランスを示す指標とは、交感神経と副交感神経とのバランスを示す指標である。以下、自律神経の働きを示す指標を働き指標と呼び、自律神経のバランスを示す指標をバランス指標と呼ぶ。それぞれの指標の詳細については後述する。
【0016】
コンピュータは、自律神経の状態を所定の図形で表現し、働き指標の値に基づいてその図形の大きさを決定し、バランス指標の値に基づいて同じ図形の外形形状の凹凸度を決定する。この自律神経の状態を表現する図形を、状態図形と呼ぶ。凹凸度とは、図形の外形形状のでこぼこの度合いを示すものであり、凹凸度が高いほど図形がでこぼこしていることを示す。例えば、状態図形の凹凸の組の数が増えることは、凹凸度を高くする方向に働く。また、状態図形の凹部の最もへこんだ部分と凸部の最も突出した部分との距離(図形の中心から外側へ向かう距離)を長くすることは、凹凸度を高くする方向に働く。ここでコンピュータは、バランス指標が自律神経の悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなる、すなわち状態図形がでこぼこするように、バランス指標と凹凸度とを対応づける。そして、コンピュータは、決定した凹凸度に基づいて状態図形の外形形状を決定する。
【0017】
次にコンピュータは、決定した大きさと外形形状とに基づいて図形を描画し、表示する。以上により、自律神経の状態の表示処理は終了する。
【0018】
図2は、自律神経の状態表示システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0019】
自律神経の状態表示システム1は、コンピュータ2と測定器3とを有する。
【0020】
コンピュータ2は、例えば多機能携帯電話(いわゆる「スマートフォン」)であり、近距離無線通信、所定のアプリケーションプログラムの実行等が可能である。そのために、コンピュータ2は、近距離通信部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、処理部250とを備える。なお、コンピュータ2は、通信機能を有する演算装置であればよく、例えば携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレットPC等でもよい。
【0021】
近距離通信部210は、Bluetooth LE(Low Energy)(登録商標)等の通信方式に従った近距離無線通信を行うためのインターフェース回路を有し、測定器3との間で近距離無線通信を行う。そして、近距離通信部210は、測定器3から受信したデータを処理部250に供給する。また、近距離通信部210は、処理部250から供給されたデータを測定器3に送信する。なお、近距離通信部210は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency IDentification)、ZigBee等の他の通信方式に従った近距離無線通信を行うためのインターフェース回路を有してもよい。
【0022】
記憶部220は、例えば、半導体メモリを有する。記憶部220は、処理部210での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部220は、ドライバプログラムとして、近距離通信部210を制御する近距離無線通信デバイスドライバプログラム、操作部230を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部240を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、記憶部220は、オペレーティングシステムプログラムとして、Bluetooth LE(登録商標)規格の近距離無線通信方式を実行する接続制御プログラム、携帯電話の接続制御プログラム等を記憶する。また、記憶部220は、アプリケーションプログラムとして、自律神経の状態の指標データの取得及び表示を行うプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部220にインストールされてもよい。
【0023】
操作部230は、コンピュータ2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の入力装置、キーパッド等である。ユーザは、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力したり、メニューを選択したりすることが可能である。操作部230は、ユーザの指示を受け付け、受け付けた指示に対応する信号を発生し、処理部250に出力する。
【0024】
表示部240は、動画像、静止画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部240は、処理部250から供給される動画像データに応じた動画像、静止画像データに応じた静止画像等を表示する。
【0025】
処理部250は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部250は、コンピュータ2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部250は、コンピュータ2の各種処理が記憶部205に記憶されているプログラム、操作部230の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、近距離通信部210、表示部240等の動作を制御する。処理部250は、記憶部220に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部250は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することが可能である。
【0026】
処理部250は、指標取得部251と、大きさ決定部252と、形状決定部253と、変化決定部254と、描画部255とを有する。処理部250が有するこれらの各部は、処理部250が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部250が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてコンピュータ2に実装されてもよい。
【0027】
測定器3は、生体情報測定器の一例であり、コンピュータ2からの命令に従って生体情報の測定を開始し、コンピュータ2へ測定結果に基づく自律神経の状態の指標の値を送信する。そのために、測定器3は、測定器近距離通信部310と、測定器記憶部320と、センサ部330と、測定器処理部340とを備える。
【0028】
測定器近距離通信部310は、Bluetooth LE(Low Energy)(登録商標)等の通信方式に従った近距離無線通信を行うためのインターフェース回路を有し、コンピュータ2との間で近距離無線通信を行う。そして、測定器近距離通信部310は、コンピュータ2から受信したデータを測定器処理部340に供給する。また、測定器近距離通信部310は、測定器処理部340から供給されたデータをコンピュータ2に送信する。なお、測定器近距離通信部310は、Bluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency IDentification)、ZigBee等の他の通信方式に従った近距離無線通信を行うためのインターフェース回路を有してもよい。
【0029】
測定器記憶部320は、例えば、半導体メモリを有する。測定器記憶部320は、測定器処理部340での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、測定器記憶部320は、ドライバプログラムとして、測定器近距離通信部310を制御する近距離無線通信デバイスドライバプログラム、センサ部330を制御する入力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、測定器記憶部320は、オペレーティングシステムプログラムとして、Bluetooth LE(登録商標)規格の近距離無線通信方式を実行する接続制御プログラム、携帯電話の接続制御プログラム等を記憶する。また、測定器記憶部320は、アプリケーションプログラムとして、自律神経の状態の指標データの取得及び表示を行うプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて測定器記憶部320にインストールされてもよい。
【0030】
センサ部330は、ユーザの心電や脈波等を測定するセンサであり、例えば、心電を測定する電極、脈波を測定する光センサを含む。そして、センサ部330は、測定した心電、脈波等のデータを測定器処理部340に供給する。
【0031】
測定器処理部340は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。測定器処理部340は、測定器3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。測定器処理部340は、測定器3の各種処理が測定器記憶部320に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、測定器近距離通信部310等の動作を制御する。測定器処理部340は、測定器記憶部320に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、測定器処理部340は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することが可能である。
【0032】
また、測定器処理部340は、生体信号測定部341、指標算出部342、指標送信部343等を有する。測定器処理部340が有するこれらの各部は、測定器処理部340が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、測定器処理部340が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして測定器3に実装されてもよい。
【0033】
図3は、状態図形の表示処理の一例を示すシーケンス図である。
【0034】
以下に説明する動作シーケンスは、各装置において予め各装置の記憶部に記憶されているプログラムに基づき主に各装置の制御部により各装置の各要素と協働して実行される。
【0035】
最初に、コンピュータ2の指標取得部251は、操作部230を用いたユーザの指示に従って、近距離通信部210を介して生体情報の測定開始要求を測定器3へ送信する(ステップS101)。
【0036】
次に、測定器3の生体信号測定部341は、測定器近距離通信部310を介してコンピュータ2から生体情報の測定開始要求を受信すると、センサ部330を用いてユーザの生体情報を測定する(ステップS102)。この例では、生体信号測定部341は心電と脈波とを測定するものとする。
【0037】
次に、指標算出部342は、生体信号測定部341の測定した生体信号に基づいて、自律神経の状態を示す指標の値を算出する(ステップS103)。
【0038】
例えば、指標算出部342は、心電の測定結果から心拍周期を求め、心拍周期の揺らぎを周波数解析する。指標算出部342は、この周波数解析から得られるパワー値を周波数帯0.04〜0.15Hzで積分する。この積分値をLF(Low Frequency)と呼び、LFには主に交感神経成分が含まれる。また、指標算出部342は、パワー値を周波数帯0.15〜0.4Hzで積分する。この積分値をHF(High Frequency)と呼び、HFには副交感神経成分が含まれる。
【0039】
指標算出部342は、例えば、働き指標(TP、Total Power)=LF+HFという式により働き指標の値を算出し、バランス指標=LF/HFという式によりバランス指標の値を算出する。なお、バランス指標、すなわちLF/HFの値が大きくなることを、自律神経のバランスが悪くなるという。また、指標算出部342は、心電の測定結果をうまく取得できない場合に、その測定結果を補完するために脈波の測定結果を用いても良い。また、上記働き指標およびバランス指標の算出は心電の測定結果に基づくものに限られず、体温、呼吸、脳波など自律神経の活動に関連がある生体信号を用いて算出してもよい。
【0040】
次に、指標送信部343は、測定器近距離通信部310を介して、指標算出部342が算出した働き指標の値とバランス指標の値とをコンピュータ2に送信する(ステップS104)。
【0041】
次に、コンピュータ2の指標取得部251は、近距離通信部210を介して測定器3から働き指標の値とバランス指標の値とを受信し、受信した日付と対応付けてこれらの指標の値をデータとして記憶部220に記憶する(ステップS105)。なお、ここでは測定器3が働き指標の値、バランス指標の値を算出しコンピュータ2に送信する例について記載したが、測定器3がLF、HFの値をコンピュータ2に送信し、コンピュータ2が働き指標の値又はバランス指標の値を算出しても良い。また、測定器3が心電、脈波のデータをコンピュータ2に送信し、コンピュータがLF、HF、働き指標、バランス指標の各値を算出しても良い。
【0042】
次に、大きさ決定部252は、働き指標の値に基づいて状態図形の大きさを決定する(ステップS106)。
【0043】
図4は、状態図形の大きさの決定方法の一例を示す図である。この例では、状態図形を作成するための元となる基本図形は円形とし、基本図形の大きさaは円の直径を表す。また、基本図形の大きさa=状態図形を表示可能な画面領域の大きさ×0.2とする。また、状態図形の大きさ=基本図形の大きさa×{働き指標(TP)の値の整数部分/400}とする。この式より、働き指標の値が大きくなるほど、図形の大きさも大きくなることがわかる。仮に働き指標の値の整数部分が1200であれば、状態図形の大きさ=a×(1200/400)=3aとなる。なお、大きさの単位としてピクセル数を用いることが可能である。
【0044】
図3に戻って、ステップS106において、大きさ決定部252は、記憶部220が記憶する基本図形の大きさ(図4の例ではa)と、指標取得部251が取得した働き指標の値とを図4で示した数式に入力し、状態図形の大きさを決定する。なお、状態図形の大きさの決定方法はこれに限らず、例えば、「働き指標の値が800以上1200未満であれば、状態図形の大きさは200ピクセルとする」等の条件によって決定してもよい。
【0045】
次に、形状決定部253は、バランス指標の値に基づいて状態図形の外形形状を決定する(ステップS107)。
【0046】
図5(a)は、状態図形の外形形状の決定方法の一例を示す図である。この例では、状態図形を作成するための元となる基本図形は円形である。そして、円と円の中心を通る直線との交点401が凸部402になるように、交点401と交点401に隣接する交点とを結ぶ円弧の中点403を円の中心に近づけて状態図形の外形形状を定める。図5(a)は、円の中心を通る直線は4本、交点は8つの例である。ただし、図の視認性を高めるため、円の中心を通る直線は2本のみ記載している。図から分かる通り、円の中心を通る直線の数を増やすことにより、交点401、すなわち状態図形の凸部402の数を増やすことが可能である。また、円弧の中点403を円の中心に近づけることにより、1つ1つの凸部402の内角の角度θをより鋭角にすることが可能である。
【0047】
図5(b)は、バランス指標の値bと状態図形の外形形状との関係の一例を示す図である。この例では、bの範囲に応じた状態図形の形状を予め定めている。例えば、bが0を超え1.0以下である場合、状態図形は円形であり凸部及び凹部を持たない。すなわち、状態図形は凹凸がなく、刺々しさもない図形である。bが1.0を超え2.0以下である場合、状態図形は8個の凸部と8個の凹部を持ち、かつ凸部の内角の角度θ=90度の図形である。図5(b)中の状態図形の形状から分かる通り、バランス指標の値bが大きくなるほど、状態図形の凸部及び凹部の数は増え、凸部の内角の角度θはより鋭角になり、図形がでこぼこに、かつ刺々しくなる。すなわち、バランス指標が自律神経の悪いバランスを示すほど凹凸度及び苛辣性が高くなるように、バランス指標と状態図形の外形形状とが対応づけられている。
【0048】
ここで苛辣性とは、いわゆる刺々しさを示す性質であり、苛辣性が高いほど図形が刺々しいことを示す。例えば、苛辣性が高くなるほど、状態図形の凸部の内角の角度はより鋭角になる。すなわち、苛辣性が高くなるほど、状態図形の凸部の内角の角度はより小さくなる。
【0049】
図3に戻って、形状決定部253は、図5(b)に示すルールに従って、バランス指標の値bに基づいて状態図形の外形形状を決定する。なお、図5(b)の例では凸部が状態図形の周囲に万遍なく配置されているが、凸部の配置はこれに限らず、状態図形の一部、例えば状態図形の上半分にだけ凸部を配置しても良い。また、図5(b)の例では状態図形の凸部の数を増やすと凸部の内角の角度がより鋭角になるが、凸部の数と角度とは独立に設定できる。例えば凸部の数を変えずに凸部の内角の角度をより鋭角にする外形形状を用いても良い。また、図5(b)の例では状態図形の凸部の内角の角度はすべての凸部について同じであるが、一部の凸部の内角の角度が異なっていても良い。また、図5(b)の例では、バランス指標の値bが1.0を超える場合の状態図形の外形形状はすべて直線で構成されているが、外形形状の一部、あるいは全部が曲線で構成されていても良い。
【0050】
次に、変化決定部254は、バランス指標の値に基づいて状態図形の表示の変化について決定する(ステップS108)。
【0051】
図5(b)には、バランス指標の値bと、状態図形の表示の変化の一例である点滅との関係も記載されている。bが0を超え1.0以下である場合、状態図形の点滅は1回/秒である。bが1.0を超え2.0以下である場合、状態図形の点滅は2回/秒である。他のバランス指標の値についても、バランス指標が自律神経の悪いバランスを示すほど時間当たりの点滅数が多くなるように、バランス指標と点滅の頻度とが対応づけられている。
【0052】
図3に戻って、変化決定部254は、図5(b)に示すルールに従って、バランス指標の値bに基づいて状態図形の点滅の頻度を決定する。なお、変化決定部により決定する変化の内容は、状態図形の明るさの変化、色の変化等であってもよい。また、ステップS106〜S108の処理は、順序を入れ替えて実行されても、並列に実行されてもよい。
【0053】
次に、描画部255は、ステップS106〜S108で決定した状態図形の大きさ、外形形状、表示の変化と、記憶部220が記憶する状態図形の描画位置とに基づいて、状態図形の画像を描画する(ステップS109)。
【0054】
次に、描画部255は、描画された画像を表示部240に表示する(ステップS110)。以上により、状態図形の表示処理は終了する。
【0055】
ここまで、1回の測定結果を表現する状態図形を表示する方法について示したが、ある期間に含まれる複数個の状態図形をまとめて表示することも可能である。その例を以下に示す。
【0056】
図6は、集合図形の表示処理の一例を示すフローチャートである。集合図形とは、複数個の状態図形が集合して構成される図形である。
【0057】
最初に、ユーザはコンピュータ2の操作部230を操作して、集合図形を表示する対象の月を入力する(ステップS201)。処理部250は、操作部230への入力に基づいて、表示対象の月を決定し、処理対象としてその月の初日を選択する(ステップS202)。次に処理部250は、記憶部220がステップS105で記憶した働き指標及びバランス指標のデータの中に、その日付に対応するデータが有るか否かを検索する(ステップS203)。
【0058】
その日付に対応するデータが有る場合(ステップS204で「Y」の場合)、大きさ決定部252、形状決定部253、変化決定部254は、その日付に対応する状態図形の大きさ、外形形状、表示の変化をそれぞれ決定する(ステップS205)。この処理はステップS106〜S108の方法に従って実行される。
【0059】
次に、描画部255は、記憶部220が記憶する状態図形の描画位置に基づいて、状態図形の描画位置を決定する(ステップS206)。
【0060】
図7(a)は、集合図形における状態図形の描画位置の一例を示す図である。この図は、記憶部220が記憶する状態図形の描画位置のデータを、絵で表現したものである。ここではブドウの房を模したレイアウトを有する集合図形の例を示す。ブドウの房全体で表示期間である1日〜31日の1か月分の状態図形を表示し、数字が記載された円は、その月の日付に対応する状態図形が描画される位置を示す。すなわち、描画位置のデータは、測定日付とその測定日付に対応する状態図形の描画位置とを対応付けている。この例においては、最上段において左から右に向かって1日〜4日、次の段に5日〜10日の状態図形が配置され、一番下に31日の状態図形が配置されることを示している。すなわち、状態図形の描画位置は、状態図形に対応するユーザの生体情報の測定時点の時間順に予め配置されている。
【0061】
描画位置のデータは、状態図形の描画位置と共に、状態図形とは異なる第2の図形の描画位置についても定めることが可能である。図7(a)上部のT字型の図形は第2の図形の一例であり、ブドウの房の根元を模した図形である。T字型の図形は、最も新しい測定時間(測定日)である31日の状態図形よりも、最も古い測定時間(測定日)である1日の状態図形の近傍に配置されている。
【0062】
図6に戻って、ステップS206において、描画部255は、図7(a)に示したデータから現在処理している状態図形に対応する日付を探し、状態図形の中心の描画位置をその日付に対応する状態図形の描画位置を示す円の中心に決定する。
【0063】
描画部255は、ステップS205で決定した状態図形の大きさ、外形形状、表示の変化と、ステップS206で決定した状態図形の描画位置とに基づいて、状態図形を描画する(ステップS207)。
【0064】
ステップS204でその日付に対応するデータが無い場合(ステップS204で「N」の場合)、ステップS205〜S207の処理はスキップされる。すなわち、描画部255はその日付に対応する状態図形の描画を行わない。
【0065】
処理部250は、ステップS203〜S206の処理対象の日付が、ステップS201で入力された表示月の最終日か否かを判断する(ステップS208)。日付が最終日ではない場合(ステップS208で「N」)、処理部250は日付を翌日に進めて(ステップS209)、ステップS203〜S208の処理を繰り返す。日付が最終日の場合(ステップS208で「Y」)、描画部255は、第2の図形を描画し(ステップS210)、描画した集合図形及び第2の図形を表示部240に表示する(ステップS211)。以上により、集合図形の表示処理は終了する。
【0066】
図7(b)は、表示された集合図形の一例を示す図である。この図は図6に示す手順に従って作成されたものであり、3月分の表示について3月10日に作成した集合図形を想定している。2日と5日は生体情報の測定を行わなかったため、2日、5日に対応する状態図形は表示されていない。また、まだ測定されていない11日〜31日に対応する状態図形は表示されていない。また、働き指標については、3日は1日、4日等より大きな円のため自律神経の働きがより強く、6日は1日、4日等より小さな円のため自律神経の働きがより弱いことがわかる。さらに、バランス指標については、状態図形の凸部が最も鋭角である7日が最も自律神経のバランスが悪く、次いで10日が悪いことを、この図は示している。
【0067】
また、表示期間のうち最も古い測定日である1日に対応する描画位置を、31日等に対応する描画位置より第2の図形の近くに配置している。このため、図7(b)のように集合図形の対象期間(この例では3月1日〜3月31日)の途中で表示した場合でも、第2の図形の近くから順々に図形が完成していく印象を与えることが可能である。
【0068】
図8(a)は、集合図形における状態図形の描画位置の他の一例を示す図である。ここではひまわりの花を模した集合図形の例を示す。この例においては、ひまわりの花全体で表示期間である1日〜31日の1か月分の状態図形を表示し、数字が記載された花びらは、その日付に対応する状態図形が描画される位置を示す。働き指標の値は、ひまわりの花の中心から放射状に延びる方向の花びらの長さに反映され、働き指標の値が大きい(自律神経の働きが強い)ほど、花びらの長さは長くなる。バランス指標の値は、花びら先端の凸部の内角の角度に反映され、バランス指標の値が大きい(自律神経のバランスが悪い)ほど、凸部の内角の角度がより鋭角になる。
【0069】
図8(a)の例においては、32枚の花びらが設けられ、上方から右回りに月の前半の測定期間である1日〜15日の状態図形が配置される。スペースの調整のため、1日と15日との間には、特定の一日と1:1に対応しない花びら(◆印の付いた図形)が配置される。そして、月の後半の測定期間である16日〜31日についても上方から右回りに表示されるが、1日と、1日に隣接する2日との間に16日の状態図形の描画位置が配置される。17日以降は同様に表示され、最後に◆印の付いた図形と1日の状態図形との間に、月末である31日の状態図形が配置される。
【0070】
すなわち、表示期間の一部である前半、後半のそれぞれにおいて、状態図形の描画位置はループ状に配置される。表示期間の一部だけでループ状に状態図形が表示されることにより、表示期間のすべてが経過しなくても、ユーザは集合図形の完成形を想像することが容易になる。
【0071】
図8(b)は、表示された集合図形の一例を示す図である。この図は図8(a)の描画位置に基づいて作成した集合図形であり、3月分の表示について3月29日に作成した集合図形を想定している。10日は生体情報の測定が行われなかったため、10日に対応する状態図形は表示されていない。また、生体情報がまだ測定されていない29日〜31日に対応する状態図形は表示されていない。また、働き指標については、7日、11日、19日の状態図形はその他の日の状態図形より大きく、自律神経の働きが他の日より強くなっていることがわかる。さらに、バランス指標については、状態図形の凸部の角度が最も鋭角である11日が最も自律神経のバランスが悪く、次いで19日が悪いことを、この図は示している。
【0072】
図9は、集合図形における状態図形の描画位置の他の一例を示す図である。図8と同様に、ひまわりの花を模したレイアウトを持つ集合図形の例を示す。但しこの例においては、月の前半と後半でそれぞれ花一輪ずつを用い、一輪の花におけるループは1周である点が、図8の例とは異なる。
【0073】
図9の例は4月等の1か月が30日の場合の例であるため、月の後半の16日と30日との間にも、◆印の付いたスペース調整用の図形(花びら)が配置される。
【0074】
なお、図8図9いずれの例においても、描画部255は、◆印の付いた図形を、他の状態図形の表示状況とは無関係に表示することが可能である。例えば、月初めの1日において、当日の測定結果が存在しない状態でも、描画部255は、◆印の付いた図形を表示することが可能である。
【0075】
また、描画部255は、対象の月の状態図形が少なくとも1つ表示されることを条件として、◆印の付いた図形を表示するよう動作しても良い。
【0076】
また、描画部255は、◆印の付いた図形が属する表示期間の測定結果がすべて存在することを条件として、◆印の付いた図形を表示するように動作しても良い。この場合の表示期間は、図9の月の前半の例であれば1日〜15日、月の後半の例であれば16日〜30日を指し、図10の例であれば1日〜31日を指す。◆印の付いた図形が表示されることにより、花びらの抜けがなくなりきれいな円形の花に近づくため、毎日の測定に関するユーザのモチベーションが上がることが期待される。
【0077】
また、◆印の付いた図形の大きさ、外形形状は、所定のものであっても良いし、◆印の付いた図形に隣接する2つの状態図形にそれぞれ対応する、働き指標又はバランス指標の値に基づいて定める値であっても良い。例えば、働き指標の値の平均値を用いて◆印の付いた図形の大きさを決定し、バランス指標の値の平均値を用いて◆印の付いた図形の凸部の内角の角度を決定しても良い。また、◆印の付いた図形の大きさ又は外形形状は、隣接する2つの状態図形だけでなく、表示期間全体の状態図形など複数の状態図形に対応する働き指標又はバランス指標の値に基づいて定める値であっても良い。
【0078】
図10(a)は、集合図形における状態図形の描画位置の他の一例を示す図である。この図は、図8(a)の例において、1日(月初)〜月末のそれぞれに対応する状態図形を上方から右回りに、日付順に配置するよう変更した図である。すなわち、表示期間の前半、後半を分けず、表示期間全体で一周するように、環状に状態図形が配置される。
【0079】
図8図9の例とは異なり、この例においては◆印の付いたスペース調整用の図形(花びら)を配置しない。代わりに、各状態図形の描画位置は、表示対象の月の日数に応じて定まる角度に基づいて定められる。この角度は、円形であるひまわりの花の中心をO、ある状態図形の所定の位置(この例では凸部の頂点)をA、それに隣接する状態図形の所定の位置をBとした場合、∠AOB=360/表示月の日数、という式で求められる。図10(a)は一か月が31日の月の例であり、ある状態図形とそれに隣接する状態図形とのなす角度は、360(度)/31(日)≒11.6(度)となる。一か月が30日の月の場合の角度は、360(度)/30(日)=12(度)となり、一か月が28日の月の場合の角度は、360(度)/28(日)≒12.9(度)となる。すなわち、一か月に含まれる日数が少ないほど、角度が大きくなる。
【0080】
図10(b)は表示された集合図形の一例を示す図である。この図は図10(a)の描画位置に基づいて作成した集合図形であり、3月分の表示について3月29日に作成した集合図形を想定している。また、その他の条件についても図8(b)と同じ条件を想定した図である。
【0081】
なお、各状態図形の基本的な大きさは、月の日数にかかわらず同一であっても良いし、月の日数に応じて定めても良い。
【0082】
また、集合図形を1つではなく、複数個同時に表示することも可能である。その例を以下に示す。
【0083】
図11は、集合図形を複数個表示する画面の一例を示す図である。この例は、図6に示す手順で作成した1か月分の集合図形を、1月〜12月分それぞれについて同じブドウの房のレイアウトで作成し、月順に並べて表示する例である。同じレイアウトで作成された集合図形を複数個同時に表示することにより、ユーザは集合図形の大きさや状態図形間の隙間の有無を比較して、自律神経の働きの月別の違いを直観的に理解することが可能となる。また、ユーザは集合図形を構成する状態図形の外形形状の違いを月別に比較することにより、自律神経のバランスの月別の違いを直観的に理解することが可能となる。
【0084】
以上説明してきたように、コンピュータ2は、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて算出される働き指標の値に基づいて測定結果に対応する状態図形の大きさを決定し、バランス指標の値に基づいて状態図形の外形形状を決定する。これにより、ユーザは自律神経の状態を一見して理解することが可能となる。
【0085】
また、外形形状決定部253は、バランス指標が悪いバランスを示すほど凹凸度が高くなるよう外形形状を決定する。これにより、表示方法について説明を受けなくても、ユーザは自律神経のバランスを直観的に把握することが可能となる。
【0086】
また、バランス指標の値が小さいほど自律神経のバランスがより良いことを示す場合、前記外形形状決定部は、前記バランス指標の値と負の相関を有するよう前記状態図形の外形形状における凸部の内角の角度を決定する。したがって、ユーザはバランス指標の値をより直観的に理解することが可能となる。
【0087】
また、コンピュータ2は、状態図形の表示の変化を決定する変化決定部254をさらに有し、変化決定部254は、バランス指標の値と正の相関を有するよう表示の変化の頻度を決定し、描画部255は、変化決定部254の決定する表示の変化の内容に基づいて状態図形を描画する。したがって、自律神経のバランスが悪化するほど表示の変化の頻度が増加するため、ユーザはバランス指標の値をより直観的に理解することが可能となる。
【0088】
また、働き指標の値が大きいほど自律神経の働きがより強いことを示す場合、外形形状決定部253は、働き指標の値と正の相関を有するよう状態図形の大きさを決定する。したがって、ユーザは働き指標の値を直観的に理解することが可能となる。
【0089】
また、描画部255は、測定時間順に予め配置された描画位置に基づいて状態図形の描画位置を決定し、描画する。したがって、描画位置が予め配置されていることから、ユーザは測定期間全体にわたる表示イメージに基づいて、実際の測定結果に基づく自律神経の状態を理解することが可能となる。
【0090】
また、描画部255は、最も古い測定時間に対応する状態図形の描画位置の近傍に配置された、状態図形とは異なる第2の図形を描画する。したがって、第2の図形の近くから順々に図形が完成していく印象を与えることが可能である。
【0091】
また、描画部255は、所定の測定期間に対応する複数個の状態図形が構成する集合図形と、その所定の期間と異なる所定の期間に対応する集合図形とが同時に表示されるよう描画する。したがって、ユーザは自律神経の働き指標の測定期間別の違いを直観的に理解することが可能である。
【0092】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、コンピュータ2と測定器3とが別々の物である例について説明したが、コンピュータ2が測定器3の機能を有し、コンピュータ2と測定器3とが1つの機器として実装されてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、コンピュータ2が状態図形の大きさ、外形形状を決定し、状態図形の描画と表示とを行う例について説明したが、例えば描画データを静止画像データや動画像データの形式等で他の電子機器に送信してもよい。これにより、コンピュータ2とは異なる電子機器で状態図形を表示することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態では、状態図形は1日単位、集合図形は1か月単位で表示する例について説明したが、例えば状態図形は1時間単位、集合図形は1日単位など、別の単位で表示しても良い。
【0095】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0096】
2 コンピュータ
240 表示部
251 指標取得部
252 大きさ決定部
253 外形形状決定部
254 変化決定部
255 描画部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11