(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221625(P2017-221625A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】骨折内固定具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/76 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
A61B17/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-132031(P2016-132031)
(22)【出願日】2016年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】591264717
【氏名又は名称】山田 郁史
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 栄
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL56
4C160LL58
(57)【要約】
【課題】大腿骨頸部骨折等の骨折は内固定具で手術固定する場合がある。従来の方法では、術後、早期歩行を行う場合、大腿骨骨頭付近の内固定具に過重が集中しすぎ、痛みや固定の破たんが発生することがある。この不具合の発生を抑制する。
【解決手段】近位骨の固定にコルクスクリュー様構造固定部を設けることにより、大腿骨骨頭付近の内固定部への過重の集中に対し強い固定力を与える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腿骨頸部骨折において、大腿骨頭方向の支持部を強くする方法に関するものである。大腿骨頸部骨折等において、大腿骨頭を固定するコルクスクリュー様構造固定部をもつ内固定具である。本内固定具は、遠位固定部である髄内釘やプレートや筒やネジ頭構造を持っていてもよいし、コルクスクリュー様構造固定部であってもよい。またコルクスクリュー様構造固定部と遠位固定部の間に互いにスライドする構造があってもよい。コルクスクリュー様構造固定部のピッチは先端に行くほど広くしたり、狭くすることや、テーパー部を持つことで骨接合力を変えることができてもよい。大腿骨頸部骨折以外の骨折の骨接合にも用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨の骨折を固定するための、内固定具であり、例えば整形外科学分野における、大腿骨頸部骨折での固定に用いる。またその他の骨接合に用いる。
【背景技術】
【0002】
図1のように大腿骨頸部骨折などにおいて、骨折1がある場合、骨折部分は、近位骨2と、遠位骨3に分かれる。この時、
図2や
図3のように固定する方法があった。
図2は、フック部分で、
図3は、ネジ部分で近位骨2を固定する方法である。
【0003】
しかし、この方法では近位骨2と、遠位骨3間の固定力や引き抜き力が十分大きくなかった。
【0004】
問題は、従来の方法で近位骨2と遠位骨3の間の骨折1を接合した場合、骨折がずれてしまうことがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、近位骨2と、遠位骨3間の固定力や引き抜き力を十分大きくすることである。
【0006】
図4に示すように、本発明は、本内固定具4での近位骨2の固定にコルクスクリュー様構造固定部5を設けていることを特徴とする。
【0007】
本発明の内固定具では、コルクスクリュー様構造固定部5を設けているため、近位骨2と、遠位骨3間の固定力や引き抜き力を、従来より格段に大きくできる。これにより、従来の固定具に比べ、骨折部が痛みの原因になったりしにくくなる利点がある。コルクスクリュー様構造固定部5のピッチは先端に行くほど広くしたり、狭くすることで骨接合力を変えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本内固定具4は、近位骨2を固定するためのコルクスクリュー様構造固定部5があることで、近位骨2と、遠位骨3間の固定力や引き抜き力を、従来より格段に大きくでき従来の固定強度の問題を解決した。
【実施例1】
【0010】
大腿骨頚部内側骨折用の本実施例の最良の形態では、本内固定具4は、
図4のように近位骨2を固定するためのコルクスクリュー様構造固定部5があり、遠位骨3に固定する筒6からなる。筒6はコルクスクリュー様構造固定部5との間で挿入されずれることができるスライデイング構造になっている。また筒6は大腿骨皮質に固定するためのネジ構造7がある。この筒6は必ずしも必要ではない。また筒6の大腿骨皮質に固定するための手段は必ずしもネジ構造でなくともよい。通常本内固定具4は、
図5のように、複数個用いる。
【0011】
大腿骨頚部外側骨折用の本実施例の形態例では、本内固定具は、
図6のように近位骨2を固定するためのコルクスクリュー様構造固定部5と、遠位骨3を固定する髄内釘8からなる。髄内釘8はコルクスクリュー様構造固定部5との間で挿入されずれることができるスライデイング構造になっている。コルクスクリュー様構造固定部5は
図7の様に複数構造であってもよく、
図8の様にラグスクリュー9と組み合わされていてもよい。
【0012】
大腿骨頚部外側骨折用の本実施例の形態例では、本内固定具は、
図9のように近位骨2を固定するためのコルクスクリュー様構造固定部5と、遠位骨3を固定するプレート10からなる。プレート10はコルクスクリュー様構造固定部5との間で挿入されずれることができるスライデイング構造になっている。コルクスクリュー様構造固定部5は複数構造であってもよく、
図10の様にラグスクリュー9と組み合わされていてもよい。
【0013】
舟状骨、中足骨等骨折用の本実施例の形態例では、本内固定具は、
図11のように近位骨2及び遠位骨3を固定するためのコルクスクリュー様構造固定部5とネジ頭11からなる。スクリューピッチが先端ほど広くなることやスクリューが先細になることで骨折部に圧迫をかけることができてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0014】
主として医療整形外科分野の大腿骨頸部骨折に用いることができる。
【符号の説明】
【0015】
1 骨折
2 近位骨
3 遠位骨
4 本内固定具
5 コルクスクリュー様構造固定部
6 筒
7 ネジ構造
8 髄内釘
9 ラグスクリュー
10 プレート
11 ネジ頭