特開2017-221750(P2017-221750A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221750(P2017-221750A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2017-165602(P2017-165602)
(22)【出願日】2017年8月30日
(62)【分割の表示】特願2016-10161(P2016-10161)の分割
【原出願日】2016年1月21日
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相坂 昌範
(72)【発明者】
【氏名】平口 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】小宮 誉
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC07
2C088DA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遊技者による音量の調節が可能な遊技機であって、好適な音量に自動調節する技術を提供する。
【解決手段】パチンコ遊技機は、スピーカと、音量を設定するディップスイッチと、十字ボタンとを備える。また、パチンコ遊技機は、音量を複数段階で設定可能であり、画像制御基板の音量記憶部に音量の設定値を記憶し、記憶される設定値に応じた音声をスピーカから出力する。そして、パチンコ遊技機は、待機状態中に所定の条件を満たした場合、ディップスイッチによって設定された値であるハードウェア値に基づく音量が、基準値に基づく音量よりも大きければ、設定値をハードウェア値に設定し、ハードウェア値に基づく音量が基準値に基づく音量よりも大きくなければ、設定値を基準値に設定する。
【選択図】図40
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音量の設定値を記憶する記憶手段と,
前記記憶手段に記憶される前記設定値に応じた音声を出力する音声出力手段と,
音量を設定する設定手段と,
遊技者の操作による入力を受け付ける入力手段と,
制御手段と,
を備え,
前記制御手段は,
前記入力手段への入力を受け付けたことに応じて,前記設定値を変更する音量設定処理と,
待機状態中に所定の条件を満たした場合,前記設定手段によって設定された値であるハードウェア値に基づく音量が,基準値に基づく音量よりも大きいか否かを判断する判断処理と,
前記判断処理にて前記ハードウェア値に基づく音量が前記基準値に基づく音量よりも大きいと判断された場合,前記設定値を前記ハードウェア値に設定し,前記判断処理にて前記ハードウェア値に基づく音量が前記基準値に基づく音量よりも大きいと判断されなかった場合,前記設定値を前記基準値に設定する初期化処理と,
を実行することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,パチンコ遊技機に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から,パチンコ遊技機に代表される遊技機は,音量を調節するためのハードウェアスイッチが遊技機枠内に設けられており,ハードウェアスイッチによって設定された値を音量の初期値としている。ハードウェアスイッチは,遊技機の後面に配置され,遊技場(ホール)のスタッフによって操作される。また,遊技機は,遊技機の前面に配置されたボタン等によって,遊技者の操作によっても音量が1段階ずつ調節可能であり,遊技者の操作によって音量が変更された場合は,その変更された音量をハードウェアスイッチによって設定された音量よりも優先する。
【0003】
また,遊技機の音量を自動的に変更する技術を開示した技術文献としては,例えば,特許文献1がある。特許文献1に開示される遊技機では,遊技者によって音量が調節された後,待機状態となって所定時間以上が経過しても遊技が開始されなかった場合,音量を自動的に初期値に戻す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−229766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に,ホールの開店から暫くは稼働中の遊技機が少なく,ホール内の音量も小さいため,遊技機の音量が小さい方が好ましい。そのため,音量の初期値となるハードウェアスイッチの値が,音量が小さい値に設定されていることがある。しかし,ホール内の遊技機の多くが稼働し始めると,ホール内の音量も次第に大きくなる。この場合,遊技者は,遊技機の音量を大きくしないと遊技を楽しめない傾向にある。一方で,遊技機の設定操作に不慣れな遊技者は,遊技機の音量を調節せずに遊技を行うことが多く,遊技を十分に楽しめていない可能性が高い。また,特許文献1のように音量を初期値に自動調節する構成では,ハードウェアスイッチに音量が小さい値が設定されている場合,遊技者が再度音量調節を行う必要があり,手間になる。それらのことから,遊技機の音量の自動調節の改善が望まれる。
【0006】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,遊技者による音量の調節が可能な遊技機であって,好適な音量に自動調節する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、
音量の設定値を記憶する記憶手段と,
前記記憶手段に記憶される前記設定値に応じた音声を出力する音声出力手段と,
音量を設定する設定手段と,
遊技者の操作による入力を受け付ける入力手段と,
制御手段と,
を備え,
前記制御手段は,
前記入力手段への入力を受け付けたことに応じて,前記設定値を変更する音量設定処理と,
待機状態中に所定の条件を満たした場合,前記設定手段によって設定された値であるハードウェア値に基づく音量が,基準値に基づく音量よりも大きいか否かを判断する判断処理と,
前記判断処理にて前記ハードウェア値に基づく音量が前記基準値に基づく音量よりも大きいと判断された場合,前記設定値を前記ハードウェア値に設定し,前記判断処理にて前記ハードウェア値に基づく音量が前記基準値に基づく音量よりも大きいと判断されなかった場合,前記設定値を前記基準値に設定する初期化処理と,
を実行することを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば,遊技者による音量の調節が可能な遊技機であって,好適な音量に自動調節する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。
図2図1に示すパチンコ遊技機の打球供給皿の上部中央付近の部分拡大斜視図である。
図3】実施の形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
図4】実施の形態に係るパチンコ遊技機の第2大入賞装置の詳細を示す図である。
図5図3に示すパチンコ遊技機の枠A内の表示器類を示す図である。
図6】パチンコ遊技機の主制御基板および周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
図7】パチンコ遊技機のサブ制御基板および周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
図8】音量の具体例を示す図である。
図9】大当たりの判定テーブルを示す図である。
図10】大当たり種別の判定テーブルを示す図である。
図11】大入賞口の開放態様テーブルを示す図である。
図12】リーチの判定テーブルを示す図である。
図13】第1特別図柄の抽選における変動パターン判定テーブルを示す図である。
図14】第2特別図柄の抽選における変動パターン判定テーブルを示す図である。
図15】普通当たりの判定テーブルを示す図である。
図16】音量設定画面を示す図である。
図17】パチンコ遊技機の待機状態中の画面遷移を示す図である。
図18】最大音量設定画面および音量設定の画面遷移を示す図である。
図19】主制御基板におけるメイン側起動処理の手順を示すフローチャートである。
図20】主制御基板における電源投入処理の手順を示すフローチャートである。
図21】主制御基板におけるメイン側タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
図22】主制御基板における特別動作処理の手順を示すフローチャートである。
図23】主制御基板における特別図柄待機処理の手順を示すフローチャートである。
図24】主制御基板における特別図柄変動中処理の手順を示すフローチャートである。
図25】主制御基板における特別図柄確定処理の手順を示すフローチャートである。
図26】主制御基板における大当たり遊技処理の手順を示すフローチャートである。
図27】主制御基板における電源断監視処理の手順を示すフローチャートである。
図28】サブ制御基板におけるサブ側起動処理の手順を示すフローチャートである。
図29】サブ制御基板におけるサブ側2msタイマ割り込み処理の手順を示すフローチャートである。
図30】サブ制御基板におけるサブ側10msタイマ割り込み処理の手順を示すフローチャートである。
図31】サブ制御基板におけるサブ側受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
図32】サブ制御基板におけるスイッチデータ解析処理の手順を示すフローチャートである。
図33】画像制御基板における画像側起動処理の手順を示すフローチャートである。
図34】画像制御基板における画像側タイマ割り込み処理の手順を示すフローチャートである。
図35】画像制御基板における画像側受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
図36】画像制御基板における変動演出処理の手順を示すフローチャートである。
図37】セリフ画像を含む音量調節画像の一例を示す図である。
図38】帯画像を含む音量調節画像の一例を示す図である。
図39】画像制御基板における客待ち開始処理の手順を示すフローチャートである。
図40】画像制御基板における客待ち表示処理の手順を示すフローチャートである。
図41】第1の変形例におけるサブ制御基板での変動演出パターン選択処理の手順を示すフローチャートである。
図42】変動演出パターンの特別選択テーブルを示す図である。
図43】変動演出パターンの通常選択テーブルを示す図である。
図44】第2の変形例における画像制御基板での客待ち表示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下,本実施形態にかかる遊技機について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,パチンコ遊技機に本発明を適用したものである。なお,以下の説明において,パチンコ遊技機の各部の左右方向は,そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させる。また,パチンコ遊技機の各部の前側は,そのパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく側とし,パチンコ遊技機の各部の後側は,そのパチンコ遊技機に対面する遊技者に遠のく側とする。
【0011】
1.パチンコ遊技機1の構造
本形態のパチンコ遊技機1は,図1に示すように,遊技機枠50と,遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2と,を備えている。また,遊技機枠50は,前方側から順に,前面枠51,内枠52,外枠53によって構成される。また,パチンコ遊技機1は,遊技機枠50のうち前方にある前面枠51に,上側装飾ユニット200と,左側装飾ユニット210と,右側装飾ユニット220と,操作ユニット230と,を備えている。
【0012】
さらに,パチンコ遊技機1の操作ユニット230は,演出ボタン63と,十字ボタン68と,ハンドル60と,打球供給皿61と,余剰球受皿62と,を備えている。十字ボタン68は,図2に示すように,後側に配される上方向ボタン68U,前側に配される下方向ボタン68D,左側に配される左方向ボタン68L,右側に配される右方向ボタン68R,から構成される。十字ボタン68および演出ボタン63は,パチンコ遊技機1の前側,具体的には打球供給皿61の上部前方に設けられる。そのため,遊技者は,パチンコ遊技機1の前方付近から,十字ボタン68および演出ボタン63を容易に操作できる。
【0013】
ハンドル60は,前面枠51中の中央下側に位置し,遊技者によって操作され,回転角度に応じた遊技球の発射強度を,パチンコ遊技機1に入力する。打球供給皿61は,前面枠51の中央下側に位置し,遊技球を貯留する。余剰球受皿62は,打球供給皿61よりも下方に位置し,打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。
【0014】
また,パチンコ遊技機1の右側装飾ユニット220は,剣の一部および柄の形状を模した剣部材222を備えている。剣部材222は,遊技者によって下方向への押し込みが可能であり,パチンコ遊技機1は剣部材222の押し込み操作を検知できる。すなわち,剣部材222は,入力デバイスの1つである。剣部材222もパチンコ遊技機1の前側に設けられており,遊技者は,パチンコ遊技機1の前方付近から,剣部材222を容易に操作できる。
【0015】
また,パチンコ遊技機1は,前面枠51に,ガラス板55,装飾用の枠ランプ66,およびスピーカ67を備えている。このうちガラス板55は,前面枠51の略中央部に取り付けられ,透明なガラス板55を通して前方から遊技者が遊技盤2を視認可能になっている。
【0016】
枠ランプ66は,上側装飾ユニット200に設けられ,「L」,「O」,「G」,「O」,のそれぞれアルファベットの形状に模された4つの発光部によって構成され,各種の演出の必要に応じて各発光部が個別にあるいは同時に点灯する。
【0017】
スピーカ67は,前面枠51の左側と右側とにそれぞれ設けられ,音声,楽曲,効果音,報知音,等の各種の音を必要に応じて出力する。例えば,パチンコ遊技機1の遊技制御中に,演出に合わせて音声,楽曲,効果音等を出力する。また,遊技中にパチンコ遊技機1に異常が生じた場合に,その異常を報知するために,例えば,サイレン音を出力する。なお,左側に設けられたスピーカ67は,右側に設けられたスピーカ67と同様に上側装飾ユニット200の直下に配置されており,図1においては図示されていない。
【0018】
次に,パチンコ遊技機1の遊技盤2について説明する。パチンコ遊技機1は,図3に示すように,遊技盤2に,レール部材4と,複数の遊技くぎ(符号は省略)と,が設けられている。また,遊技盤2には,レール部材4に一部が囲まれ,遊技球が転動可能な遊技領域3が形成されている。レール部材4は,遊技領域3の下方から発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けてガイドする。
【0019】
さらに,パチンコ遊技機1は,遊技領域3の中央付近に,液晶表示部材を有する画像表示装置7を備えている。また,パチンコ遊技機1は,遊技領域3における画像表示装置7の下方に位置し,遊技球の入り易さが常に変わらない第1始動口20が組み付けられた固定入賞装置19を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は,パチンコ遊技機1による第1特別図柄の抽選の契機となる。第1特別図柄の抽選は,大当たりの抽選の1つであり,詳細については後述する。
【0020】
また,パチンコ遊技機1は,画像表示装置7の前方に,センター装飾体10を備え,さらに画像表示装置7を挟んでセンター装飾体10の下方に,ステージ部11を備えている。ステージ部11は,遊技球を,第1始動口20へと誘導する。また,パチンコ遊技機1は,センター装飾体10の左下方に,ワープ部12を備えている。ワープ部12は,遊技球をステージ部11へと誘導する。
【0021】
また,パチンコ遊技機1は,センター装飾体10の上部に,盤可動体15を備えている。なお,盤可動体15は,可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は,画像表示装置7の上部でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態から,その折り畳みが解除されて画像表示装置7の中央部を含む前方で露出している露出状態に変位可能である。盤可動体15は,例えば,パチンコ遊技機1の遊技制御中に,演出に合わせて変位する。
【0022】
また,パチンコ遊技機1は,遊技領域3における第1始動口20の下方に,普通可変入賞装置22を備えている。以下,普通可変入賞装置22を,「電チュー22」とする。電チュー22は,第2始動口21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は,パチンコ遊技機1による第2特別図柄の抽選の契機となる。第2特別図柄の抽選も,大当たりの抽選の1つであり,詳細については後述する。電チュー22は,可動部材23を備え,可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。
【0023】
第2始動口21は,可動部材23が開いた位置にある開状態であるときのみ,遊技球が入球可能になる。一方,可動部材23が閉じた位置にある閉状態である場合,遊技球が入球不可能になる。この場合,第2始動口21の上側に到達した遊技球は,可動部材23の左右方向に弾かれる。つまり,第2始動口21は,可動部材23の位置によって遊技球の入り易さが異なる。この点,遊技球の入り易さが常に変わらない第1始動口20と異なる。なお,可動部材23が閉状態では開状態よりも第2始動口21に遊技球が入球困難であればよく,可動部材23が閉状態で完全に入球不可能になる構成でなくてもよい。
【0024】
また,パチンコ遊技機1は,固定入賞装置19よりも右上方の遊技領域3,すなわち遊技盤2の右斜め上方に,第1大入賞口30を有する第1大入賞装置31を備えている。さらに第1大入賞装置31は,開閉部材32を備え,開閉部材32の作動により,第1大入賞口30を開閉する。第1大入賞口30は,開閉部材32が開いた位置にある開状態であるときのみ,遊技球が入球可能になり,開閉部材32が閉じた位置にある閉状態である場合,遊技球が入球不可能になる。なお,開閉部材32が閉状態とは,開状態よりも第1大入賞口30に遊技球が入球困難であればよく,開閉部材32が完全に入球不能になる構成でなくてもよい。
【0025】
また,パチンコ遊技機1は,第1大入賞口30よりも右上方の遊技領域3,すなわち遊技盤2の右斜め上方に,第2大入賞口35を有する第2大入賞装置36を備えている。さらに第2大入賞装置36は,開閉部材37を備え,開閉部材37の作動により,第2大入賞口35を開閉する。第2大入賞口35は,開閉部材37が開いた状態である開状態であるときのみ,遊技球が入球可能になり,開閉部材37が閉じた位置にある閉状態である場合,遊技球が入球不可能になる。なお,開閉部材37が閉状態とは,開状態よりも第2大入賞口35に遊技球が入球困難であればよく,開閉部材37が完全に入球不能になる構成でなくてもよい。
【0026】
より詳細には,図4に示すように,第2大入賞装置36の内部には,第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な領域である特定領域39および非特定領域70が形成されている。また,第2大入賞装置36の内部には,遊技球の転動方向の特定領域39および非特定領域70よりも上流に,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第2大入賞口35を通過した際に出力値が変化する信号を出力する第2大入賞口センサ35aが設けられている。また,特定領域39内には,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が特定領域39を通過する際に出力値が変化する信号を出力する特定領域センサ39aが設けられ,非特定領域70内には,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が非特定領域70を通過する際に出力値が変化する信号を出力する非特定領域センサ70aが設けられている。
【0027】
また,第2大入賞装置36は,第2大入賞口35を通過した遊技球を,特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と,振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は,遊技盤2に対して左右方向に進退可能に取り付けられ,遊技球の特定領域39への転動と非特定領域70への転動とを切り換える。
【0028】
具体的には,図4(A)に示すように,振分部材71が遊技球の特定領域39への転動を許容する位置に退避した状態では,第2大入賞口35に入賞した遊技球は,第2大入賞口35を通過した後,特定領域39を通過することが可能になる。一方,図4(B)に示すように,振分部材71が特定領域39の入口を塞ぐことで遊技球の特定領域39への転動を規制した状態では,第2大入賞口35に入賞した遊技球は,第2大入賞口35を通過した後,振分部材71によってガイドされ,非特定領域70を通過する。
【0029】
パチンコ遊技機1では,特定領域39への遊技球の通過が遊技状態を変更する契機となっている。パチンコ遊技機1の遊技状態および変更内容については後述する。これに対し,非特定領域70への遊技球の通過は,遊技状態の変更の契機とならない。
【0030】
図3の説明に戻り,パチンコ遊技機1には,遊技領域3におけるセンター装飾体10の左下方に,遊技球が通過可能な第1ゲート28が設けられている。また,パチンコ遊技機1には,遊技領域3における第1始動口20の右上方であって第1大入賞口30の上方に,遊技球が通過可能な第2ゲート29が設けられている。第1ゲート28および第2ゲート29への遊技球の通過は,電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄の抽選の契機となる。普通図柄の抽選の詳細についても後述する。なお,以下の説明では,第1ゲート28および第2ゲート29を総称する場合,ゲートという。
【0031】
また,パチンコ遊技機1は,さらに遊技領域3内に,1ないし複数の普通入賞口27や,いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16を有している。
【0032】
このように各種の入賞口等が配置されている遊技領域3には,左右方向の中央より左側に位置する左遊技領域3Aと,右側に位置する右遊技領域3Bと,がある。左遊技領域3Aを遊技球が転動するように遊技球を発射する遊技者の打ち方を,「左打ち」という。一方,右遊技領域3Bを遊技球が転動するように遊技球を発射する遊技者の打ち方を,「右打ち」という。パチンコ遊技機1では,左打ちの場合,第1始動口20への入賞が狙い易い構成になっている。一方,右打ちの場合,第2始動口21,第1大入賞口30,および第2大入賞口35への入賞が狙い易い構成になっている。
【0033】
また,パチンコ遊技機1は,遊技盤2の右上方に,表示器類40を備えている。表示器類40には,図5に示すように,第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器41aと,第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器41bと,普通図柄を変動表示する普通図柄表示器42と,が含まれる。また,表示器類40には,第1特別図柄表示器41aの作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと,第2特別図柄表示器41bの作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと,普通図柄表示器42の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器44と,が含まれる。この他,表示器類40には,例えば,パチンコ遊技機1が特定の遊技状態か否かを表示する表示器が含まれていてもよい。
【0034】
第1特別図柄の表示変更は,第1始動口20への遊技球の入賞を契機に行われる。第2特別図柄の表示変更は,第2始動口21への遊技球の入賞を契機に行われる。なお,以下の説明では,第1特別図柄および第2特別図柄を総称する場合,特別図柄という。また,第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称する場合,特別図柄表示器41という。また,第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称する場合,特図保留表示器43という。
【0035】
パチンコ遊技機1では,第1始動口20または第2始動口21への入賞を契機に,大当たりの抽選が行われる。そこで,パチンコ遊技機1は,特別図柄表示器41に,特別図柄を変動表示させた後,抽選結果に対応する特別図柄である停止図柄を停止表示させることにより,パチンコ遊技機1による大当たりの抽選の結果を報知する。停止図柄は,抽選の結果に応じて複数種類の特別図柄の中から選択された1つの特別図柄である。なお,大当たりに当選した場合,パチンコ遊技機1は,第1大入賞口30および第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技の制御を行う。なお,大当たり遊技を特別遊技ともいう。大当たり遊技における第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンについては後述する。
【0036】
具体的に特別図柄表示器41は,図5に示すように,8個のLEDから構成されており,その点灯態様によって,パチンコ遊技機1による大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。特別図柄表示器41は,大当たりの当選に対応する特別図柄の表示として,例えば「○○●●○○●●」(○:点灯,●消灯)といったように,あらかじめ決められた図柄に従って,左から1,2,5,6番目にあるLEDを点灯させる。また,特別図柄表示器41は,ハズレの場合の特別図柄の表示として,例えば「●●●●●●●○」といったように,あらかじめ決められた図柄に従って,左から8番目にあるLEDを点灯させる。また,特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされる。この変動表示の態様は,例えば左から右へ点灯箇所が流れるように各LEDを点灯させる等,各LEDが停止表示する態様以外のいずれでもよい。
【0037】
パチンコ遊技機1は,第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると,その入賞に対して大当たりの抽選用の乱数である大当たり乱数を取得し,その大当たり乱数を自身のメモリの特定の記憶領域に一旦記憶する。詳細には,第1始動口20への入賞があれば,取得した大当たり乱数を第1始動口20用の記憶領域(後述する図6に示す第1特図保留記憶部85a)に記憶し,第2始動口21への入賞があれば,取得した大当たり乱数を第2始動口21用の記憶領域(後述する図6に示す第2特図保留記憶部85b)に記憶する。各々の記憶領域に記憶可能な大当たり乱数の数には上限があり,パチンコ遊技機1では第1特図保留記憶部85a,第2特図保留記憶部85bともに,その上限数を4としている。
【0038】
記憶された大当たり乱数は,その値に基づく特別図柄の表示が可能となる消化条件を満たしたことによって消化される。大当たり乱数の消化とは,パチンコ遊技機1がその大当たり乱数の値が大当たりに対応する値か否かを判定し,その判定結果を示すための特別図柄の表示を実行することであり,停止図柄を停止表示させることで完了する。従って,パチンコ遊技機1では,第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の表示がその入賞後に直ぐに行えない場合,例えば前回の抽選結果に基づく特別図柄の変動表示中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても,上限数までその入賞に対する大当たりの抽選の権利を保留できる。この抽選の権利の保留を,特図保留という。さらに第1始動口20への入賞に対する特図保留を,第1特図保留とし,第2始動口21への入賞に対する特図保留を,第2特図保留とする。
【0039】
なお,第1特図保留記憶部85aに記憶された第1特図保留に対する消化条件には,その第1特図保留よりも先に第1特図保留記憶部85aに記憶された第1特図保留が無いこと,すなわち先に記憶された第1特図保留が全て消化されたことが含まれる。また,第2特図保留記憶部85bに記憶された第2特図保留に対する消化条件には,その第2特図保留よりも先に第2特図保留記憶部85bに記憶された第2特図保留が無いこと,すなわち先に記憶された第2特図保留が全て消化されたことが含まれる。また,パチンコ遊技機1では,第2特図保留の消化が第1特図保留の消化よりも優先される。そのため,第1特図保留に対する消化条件には,第2特図保留が無いことも含まれる。
【0040】
パチンコ遊技機1は,前述のような特図保留の数を,特図保留表示器43に表示する。具体的には,特図保留表示器43は,図5に示すように,第1特図保留表示器43aが4個のLEDで構成されており,第2特図保留表示器43bも4個のLEDで構成されている。パチンコ遊技機1は,特図保留表示器43に各特図保留の数だけLEDを点灯させることで特図保留の数を表示する。
【0041】
また,パチンコ遊技機1では,ゲートへの遊技球の通過を契機に,普通図柄抽選が行われる。そこで,パチンコ遊技機1は,普通図柄表示器42に,普通図柄を変動表示させた後,抽選結果に対応する普通図柄を停止表示させることにより,パチンコ遊技機1による普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄は,抽選の結果に応じて複数種類の普通図柄の中から選択された1つの普通図柄である。なお,普通図柄抽選の抽選結果に応じて,パチンコ遊技機1は,第2始動口21を開放させる補助遊技の制御を行う。補助遊技における第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0042】
具体的に普通図柄表示器42は,図5に示すように,2個のLEDから構成されており,その点灯態様によって,パチンコ遊技機1による普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示する。普通図柄表示器42は,普通図柄抽選の普通当たりに当選に対応する特定普通図柄の表示として,例えば「○○」(○:点灯,●消灯)といったように,あらかじめ決められた普通当たりの図柄に従って,両LEDを点灯させる。また,普通図柄表示器42は,ハズレの場合の普通図柄の表示として,例えば「●○」といったように,あらかじめ決められた普通図柄に従って,左のLEDを点灯させる。なお,普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされる。この変動表示の態様は,例えば両LEDを交互に点灯させる等,各LEDが停止表示する態様以外のいずれでもよい。
【0043】
パチンコ遊技機1は,ゲートへの遊技球の通過があると,その通過に対して普通図柄の抽選用の乱数である普通図柄乱数の値を取得し,その普通図柄乱数を自身のメモリの特定の記憶領域(後述する図6に示す普図保留記憶部86)に一旦記憶する。記憶領域に記憶可能な普通図柄乱数の値の数には上限があり,パチンコ遊技機1では上限数を4としている。
【0044】
記憶された普通図柄乱数は,その値に基づく普通図柄の表示が可能となったことを条件として消化される。普通図柄乱数の値の消化とは,パチンコ遊技機1がその普通図柄乱数の値が普通当たりに対応する値か否かを判定し,その判定結果を示すための普通図柄の表示を実行することであり,抽選結果に対応する普通図柄を停止表示させることで完了する。従って,パチンコ遊技機1では,ゲートへの遊技球の通過に基づく普通図柄の表示がその通過後に直ぐに行えない場合,例えば前回の抽選結果に基づく普通図柄の変動表示中や補助遊技の実行中に遊技球のゲートの通過があった場合であっても,4個を上限として,その通過に対する普通図柄の抽選の権利を保留できる。この抽選の権利の保留を,普図保留という。
【0045】
なお,普図保留記憶部86に記憶された普図保留に対する消化条件には,その普図保留よりも先に普図保留記憶部86に記憶された普図保留が無いこと,すなわち先に普図保留記憶部86に記憶された普図保留が全て消化されたことが含まれる。
【0046】
パチンコ遊技機1は,前述のような普図保留の数を,普図保留表示器44に表示する。具体的には,普図保留表示器44は,図5に示すように,4個のLEDで構成されており,普図保留の数だけLEDを点灯させることで普図保留の数を表示する。
【0047】
また,パチンコ遊技機1は,図3に示したように,遊技領域3の中央付近に,画像表示装置7を備え,画像表示装置7の表示画面7aには,表示器類40が表示する第1特別図柄ないし第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの表示を行う演出図柄表示領域が含まれる。なお,演出図柄8L,8C,8Rの表示内容を変更しながら表示する演出を演出図柄変動演出という。
【0048】
演出図柄表示領域は,例えば,「左」「中」「右」の3つの図柄表示領域からなる。左の図柄表示領域には,左の演出図柄8Lが表示され,中の図柄表示領域には,中の演出図柄8Cが表示され,右の図柄表示領域には,右の演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ,例えば,「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄からなる。画像表示装置7は,左,中,右の演出図柄の組合せによって,特別図柄表示器41にて表示される特別図柄の変動表示の内容,すなわちパチンコ遊技機1による大当たり抽選の結果を,遊技者に分かり易く表示する。
【0049】
例えば,画像表示装置7は,大当たりの抽選にて「大当たり」に当選していた場合,「777」等の同じ数字の組み合わせであるゾロ目で演出図柄を表示する。また,「ハズレ」であった場合には,少なくとも1つの数字が他の数字と異なる組み合わせであるバラケ目で演出図柄を表示する。これにより,遊技者は,遊技の進行状況の把握が容易になる。つまり,遊技者は,パチンコ遊技機1による大当たりの抽選の結果を,表示器類40にて表示される特別図柄によって把握可能な他,画像表示装置7に表示される演出図柄の組み合わせによっても把握できる。なお,図柄表示領域の位置は,固定的なものであっても可変的なものであってもよい。また,画像表示装置7は,演出図柄の変動表示に際し,例えば,演出図柄を上下方向にスクロールさせてもよいし,左右方向にスクロールさせてもよい。
【0050】
なお,画像表示装置7は,前述のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか,例えば,大当たりの抽選結果を予告する予告演出に用いる画像,大当たり遊技や補助遊技の実行に用いられる画像,客待ち用のデモンストレーション画像,各種の設定内容の表示に用いる画像,を表示画面7aに表示する。なお,演出図柄変動演出では,数字等の演出図柄のほか,背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の画像も表示してよい。
【0051】
また,画像表示装置7の表示画面7aには,第1特図保留の記憶数に応じて,演出保留画像を表示する第1演出保留表示領域9Aと,第2特図保留の記憶数に応じて,演出保留画像を表示する第2演出保留表示領域9Bと,が含まれる。画像表示装置7は,演出保留画像の表示により,表示器類40にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留の記憶数を,遊技者に分かり易く表示する。つまり,遊技者は,特図保留の数を,表示器類40の特図保留表示器43よって把握可能な他,画像表示装置7の第1演出保留表示領域9Aおよび第2演出保留表示領域9Bに表示される演出保留画像の数によっても把握できる。
【0052】
2.パチンコ遊技機1の電気的構成
続いて,パチンコ遊技機1における電気的な構成を,図6および図7を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機1は,主制御基板80と,サブ制御基板90と,画像制御基板100と,払出制御基板110と,を備えている。主制御基板80は,遊技盤2に取り付けられ,特別図柄や普通図柄の抽選,遊技状態の移行等,主として遊技利益に関する制御を行う。サブ制御基板90は,遊技盤2に取り付けられ,画像表示装置7の表示,各種のランプの点灯,音声出力等,主として遊技の進行に伴って実行される演出に関する制御を行う。画像制御基板100は,画像表示装置7に表示される画像やスピーカ67から出力される音声に関する制御を行う。払出制御基板110は,遊技球の払い出しに関する制御を行う。
【0053】
また,パチンコ遊技機1は,電源基板150を備えている。電源基板150は,主制御基板80,サブ制御基板90,画像制御基板100,および払出制御基板110に対する電力の供給制御を行い,これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。
【0054】
電源基板150には,バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は,パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合,すなわち主電源がオフであったり停電が生じた場合に,後述する主制御基板80のRAM84等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。従って,主制御基板80のRAM84等に記憶されている情報は,パチンコ遊技機1に外部から電力が供給されていない場合も,バックアップ電源回路151から電力を供給できる間,一時的に保持される。また,電源基板150には,電源スイッチ155が接続されている。この電源スイッチ155の操作により,主電源のオンオフが切り換えられる。なお,各制御基板に対する専用のバックアップ電源回路をそれぞれ設けてもよい。
【0055】
主制御基板80には,図6に示すように,プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン81が実装されている。以下,遊技制御用ワンチップマイコン81を,遊技制御用マイコン81とする。遊技制御用マイコン81には,遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83,ワークメモリとして使用されるRAM84,ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82,が含まれる。遊技制御用マイコン81は,I/Oポートによって構成される入出力回路87を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路87は,遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また,ROM83は,外付けであってもよい。
【0056】
RAM84には,大当たりの抽選に関する乱数を記憶する特図保留記憶部85と,普通図柄の抽選に関する乱数を記憶する普図保留記憶部86と,が設けられる。また,特図保留記憶部85には,第1始動口20を遊技球が通過したことに起因して取得した乱数を記憶する第1特図保留記憶部85aと,第2始動口21を遊技球が通過したことに起因して取得した乱数を記憶する第2特図保留記憶部85bとが設けられる。
【0057】
詳細には,第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85bは,それぞれ保留の上限数に対応する記憶領域が設けられている。パチンコ遊技機1では,保留の上限数がそれぞれ4であることから,第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85bには,それぞれ4つの記憶領域が設けられる。さらに各記憶領域には,取得した乱数を記憶する小領域が設けられる。具体的にパチンコ遊技機1では,遊技球が始動口に入賞することに起因して,大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,変動パターン乱数,の4つの乱数を取得する。そのため,各小領域には,それら4つの乱数が記憶される。各乱数の詳細については後述する。
【0058】
また,普図保留記憶部86も,保留の上限数に対応する記憶領域が設けられている。パチンコ遊技機1では,保留の上限数が4であることから,普図保留記憶部86には,4つの記憶領域が設けられる。さらに各領域には,取得した乱数を記憶する記憶領域が設けられる。具体的にパチンコ遊技機1では,遊技球がゲートを通過することに起因して,普通当たり乱数を取得する。そのため,上述の記憶領域には,普通当たり乱数が記憶される。普通当たり乱数の詳細については後述する。
【0059】
主制御基板80には,中継基板88を介して各種センサやソレノイドが電気的に接続されている。そのため,主制御基板80には各センサからの信号が入力され,各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にセンサ類としては,第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a,第1ゲートセンサ28a,第2ゲートセンサ29a,第1大入賞口センサ30a,第2大入賞口センサ35a,特定領域センサ39a,非特定領域センサ70a,および普通入賞口センサ27a,がある。
【0060】
第1始動口センサ20aは,第1始動口20の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第1始動口20を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。第2始動口センサ21aは,第2始動口21の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第2始動口21を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。第1ゲートセンサ28aは,第1ゲート28の直下の通過領域内に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する。第2ゲートセンサ29aは,第2ゲート29の直下の通過領域内に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する。
【0061】
第1大入賞口センサ30aは,第1大入賞口30の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第1大入賞口30を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。第2大入賞口センサ35aは,第2大入賞口35の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第2大入賞口35を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
【0062】
特定領域センサ39aは,特定領域39内に位置し,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が特定領域39を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。非特定領域センサ70aは,非特定領域70内に位置し,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が非特定領域70を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
【0063】
普通入賞口センサ27aは,各普通入賞口27の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が各普通入賞口27を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
【0064】
また,ソレノイド類としては,電チューソレノイド24,第1大入賞口ソレノイド33,第2大入賞口ソレノイド38,および振分部材ソレノイド73,がある。電チューソレノイド24は,電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は,第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は,第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。振分部材ソレノイド73は,第2大入賞装置36の振分部材71を駆動する。
【0065】
また,主制御基板80には,第1特別図柄表示器41a,第2特別図柄表示器41b,普通図柄表示器42,第1特図保留表示器43a,第2特図保留表示器43b,および普図保留表示器44,が電気的に接続されている。すなわち,これらの表示器類40の表示制御は,遊技制御用マイコン81によって行われる。
【0066】
また,主制御基板80には,払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに,払い出し監視のために払出制御基板110から各種信号を受信する。具体的に払出制御基板110には,賞球払出装置120,貸球払出装置130,およびカードユニット135,が電気的に接続されている。カードユニット135は,パチンコ遊技機1に隣接して設置され,挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。また,払出制御基板110には,発射制御基板111を介して,発射装置112が電気的に接続されている。
【0067】
払出制御基板110は,遊技制御用マイコン81からの信号や,パチンコ遊技機1に電気的に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて,賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球払出装置120に賞球の払い出しを行わせたり,貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球払出装置130に貸球の払い出しを行わせる。払い出される賞球は,その計数のための賞球センサ122からの信号によって制御される。払い出される貸球は,その計数のための球貸センサ132からの信号によって制御される。
【0068】
パチンコ遊技機1では,第1始動口20への入賞による払い出しの賞球数は3球であり,第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数は2球である。また,第1大入賞口30または第2大入賞口35への入賞による払い出しの賞球数は13球であり,普通入賞口27への入賞による払い出しの賞球数は3球である。これらの賞球数は,一例であり,適宜選択すればよい。
【0069】
発射装置112は,発射モータ113と,タッチスイッチ114と,発射ボリューム115と,発射停止スイッチ116と,を備える。遊技者によるハンドル60の操作があった場合,タッチスイッチ114からハンドル60への接触があった旨の信号が発射制御基板111に出力され,さらに発射ボリューム115からハンドル60の回転量に応じた信号が発射制御基板111に出力される。発射制御基板111は,発射モータ113を駆動し,発射装置112から入力された各種の信号に基づいて,適切な強さで遊技球が発射されるよう,発射装置112を制御する。
【0070】
また,主制御基板80には,RAMクリアスイッチ161が接続されている。RAMクリアスイッチ161は,主制御基板80に付設され,パチンコ遊技機1の後面に配置される。すなわち,RAMクリアスイッチ161は,通常,パチンコ遊技機1の前面側にいる遊技者から視認できず,遊技者が操作できない位置にある。そのため,RAMクリアスイッチ161は,通常,ホールのスタッフによって操作される。パチンコ遊技機1は,RAMクリアスイッチ161が押下された状態で起動されると,RAM84を初期化する。これにより,RAM84に記憶されている情報が失われる。
【0071】
また,主制御基板80は,サブ制御基板90に対して,各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との通信は,主制御基板80からサブ制御基板90へのコマンドの送信のみが可能な単方向通信となっている。すなわち,主制御基板80とサブ制御基板90との間には,通信方向規制手段として,例えばダイオードを用いた単方向制御回路が介在している。
【0072】
また,主制御基板80には,外部端子板190が接続されている。外部端子板190は,遊技制御用マイコン81から受信した信号に基づく各種の信号を,データ表示器910やホールコンピュータ900といったパチンコ遊技機1の外部に配された外部装置に対して出力する。具体的に外部端子板190には,外部出力用の複数のチャネル(CN)が設けられている。そして,各チャネル(CN)に対応するコネクタと,データ表示器910側のコネクタとはケーブルによって接続される。各コネクタからは,それぞれ一つの信号が外部に出力される。外部端子板190では,例えば,大当たりの当選したことを示す大当たりカウント信号,パチンコ遊技機1の遊技状態を示す信号,遊技機枠50が開放されていることを示す枠開放信号,所定数(例えば10球)の賞球がなされたことを示す信号,想定外の入賞があったことを示すセキュリティ信号,がそれぞれ別のチャネルから出力される。
【0073】
サブ制御基板90には,図7に示すように,プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91が実装されている。以下,演出制御用ワンチップマイコン91を,演出制御用マイコン91とする。演出制御用マイコン91には,遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93,ワークメモリとして使用されるRAM94,ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92,が含まれる。演出制御用マイコン91は,I/Oポートによって構成される入出力回路97を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路97は,演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また,ROM93は,外付けであってもよい。
【0074】
サブ制御基板90には,画像制御基板100,盤可動体中継基板108,ランプ中継基板107,十字ボタン検出スイッチ68x,演出ボタン検出スイッチ63x,剣部材検出スイッチ222x,および振動モータ223が電気的に接続されている。そのため,サブ制御基板90には各スイッチに基づく信号が入力され,各基板や振動モータ223にはサブ制御基板90から信号が出力される。
【0075】
画像制御基板100には,プログラムに従って画像表示装置7およびスピーカ67の出力を制御する画像制御用ワンチップマイコン101が実装されている。以下,画像制御用ワンチップマイコン101を,画像制御用マイコン101とする。画像制御用マイコン101には,演出の進行に伴って表示画像を制御するためのプログラムや,画像表示装置7に表示される静止画や動画,より具体的にはキャラクタ,アイテム,図形,文字,数字,記号,背景画像,などの画像データや,スピーカ67を介して出力される音声,楽曲,効果音,などの音声データを記憶したROM103,ワークメモリとして使用されるRAM104,ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102,が含まれる。画像制御用マイコン101は,I/Oポートによって構成される入出力回路105を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路105は,画像制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。また,ROM103は,外付けであってもよい。
【0076】
画像制御基板100には,画像表示装置7,スピーカ67,およびディップスイッチ106が電気的に接続されている。そのため,画像制御基板100にはディップスイッチ106に基づく信号が入力され,画像表示装置7やスピーカ67には画像制御基板100から信号が出力される。
【0077】
また,RAM104には,音量の設定値を記憶する音量記憶部109が設けられる。パチンコ遊技機1で設定可能な音量は,図8に示すように,0〜9の10段階あり,「0」が無音,「1」が最小音量,「9」が最大音量,となっている。なお,本形態では,設定値が大きいほど音量が大きいが,設定値が小さいほど音量が大きいようにしてもよい。パチンコ遊技機1は,音量記憶部109に記憶された設定値に基づいて,スピーカ67から出力される音量を決定する。
【0078】
ディップスイッチ106は,音量の初期値を設定するスイッチであり,音量と同じく0〜9までの10段階の調節が可能である。ディップスイッチ106は,画像制御基板100に付設され,パチンコ遊技機1の後面に配置される。すなわち,ディップスイッチ106は,通常,パチンコ遊技機1の前面側にいる遊技者から視認できず,遊技者が操作できない位置にある。
【0079】
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,画像制御基板100の画像制御用マイコン101に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御用マイコン101のCPU102は,演出制御用マイコン91からのコマンドに基づいて,ROM103から画像データや音声データを読み出す。そして,読み出した画像データを画像表示装置7に表示させ,読み出した音声データに基づいて音声をスピーカ67から出力する。
【0080】
なお,音声を出力する構成として,サブ制御基板90およびスピーカ67と電気的に接続される音声制御基板を備え,演出制御用マイコン91が,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,その音声制御基板を介して,スピーカ67に音声,楽曲,効果音等を出力させる構成でもよい。この場合,音声データは,サブ制御基板90のROM93に記憶すればよい。
【0081】
また,サブ制御基板90には,遊技盤2に取り付けられた盤可動体中継基板108を介して,盤可動体15が電気的に接続されている。演出制御用マイコン91は,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,盤可動体中継基板108を介して電気的に接続された盤可動体15の動作制御を行う。具体的に,演出制御用マイコン91は,盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータをROM93から読み出し,その動作パターンデータに基づいて,盤可動体中継基板108を介して盤可動体15の動作制御を行う。
【0082】
また,サブ制御基板90には,遊技機枠50に取り付けられたランプ中継基板107を介して,枠ランプ66および枠可動体600が電気的に接続されている。演出制御用マイコン91は,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,ランプ中継基板107を介して,枠ランプ66の点灯制御ないし枠可動体600の動作制御を行う。具体的に,演出制御用マイコン91は,各ランプの発光態様を決める発光パターンデータをROM93から読み出し,その発光パターンデータに基づいてランプ中継基板107を介して各ランプの発光制御を行う。また,演出制御用マイコン91は,枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータをROM93から読み出し,その動作パターンデータに基づいてランプ中継基板107を介して枠可動体600の動作制御を行う。
【0083】
十字ボタン検出スイッチ68xは,十字ボタン68に対応する検出スイッチである。そのため,十字ボタン68が押下されると,十字ボタン検出スイッチ68xからサブ制御基板90に対して,十字ボタン68の押下された方向に関する信号が出力される。十字ボタン検出スイッチ68xから出力される信号に基づいて,サブ制御基板90は,十字ボタン68のいずれかの方向ボタン68U,68D,68R,68Lが押下されたか否かを判断できる。演出ボタン検出スイッチ63xは,演出ボタン63に対応する検出スイッチである。そのため,演出ボタン63が押下されると,演出ボタン検出スイッチ63xからサブ制御基板90に対して,演出ボタン63に関する信号が出力される。演出ボタン検出スイッチ63xから出力される信号に基づいて,サブ制御基板90は,演出ボタン63が押下されたか否かを判断できる。剣部材検出スイッチ222xは,剣部材222に対応する検出スイッチである。そのため,剣部材222が押し込まれると,剣部材検出スイッチ222xからサブ制御基板90に対して,剣部材222に関する信号が出力される。剣部材検出スイッチ222xから出力される信号に基づいて,サブ制御基板90は,剣部材222が押し込まれたか否かを判断できる。
【0084】
振動モータ223は,演出ボタン63内に収容され,演出ボタン63の外装体を振動させる部材である。なお,振動モータ223は,演出ボタン63の外装体を振動させず,演出ボタン63に収容される構造物のみを振動させてもよい。演出制御用マイコン91は,ROM93に記憶されているデータを用いて,振動モータ223の動作態様を決める動作パターンデータを作成し,その動作パターンデータに基づいて振動モータ223の動作制御を行う。
【0085】
3.パチンコ遊技機1の大当たり
続いて,パチンコ遊技機1における大当たりについて説明する。パチンコ遊技機1では,前述したように第1始動口20あるいは第2始動口21への遊技球の入賞を契機に,大当たりの抽選を行う。第1始動口20への遊技球の入賞を契機に行われる大当たりの抽選は,その抽選結果が第1特別図柄表示器41aに表示され,第1特別図柄(特図1)の抽選ともいう。また,第2始動口21への遊技球の入賞を契機に行われる大当たりの抽選は,その抽選結果が第2特別図柄表示器41bに表示され,第2特別図柄(特図2)の抽選ともいう。
【0086】
パチンコ遊技機1は,第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に応じて,大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,特図変動パターン乱数,の各種の乱数を取得する。大当たりの抽選は,取得した大当たり乱数に基づいて行われる。
【0087】
パチンコ遊技機1が行う大当たりの抽選の結果には,「大当たり」と「ハズレ」とがある。大当たり乱数は,0〜65535までの範囲内の値となる。そして,パチンコ遊技機1では,図9に示すように,通常確率状態では,例えば,大当たり乱数が0〜164の範囲内の値であれば,大当たりに当選したと判断し,それ以外の数値であればハズレと判断する。なお,パチンコ遊技機1では,大当たりの当選確率が異なる2つの遊技状態,すなわち通常確率状態と高確率状態とがあり,高確率状態では,例えば,大当たり乱数が0〜649の範囲内の値であれば,大当たりに当選したと判断する。遊技状態の詳細については後述する。
【0088】
パチンコ遊技機1は,「大当たり」の場合には,特別図柄表示器41に,大当たりに対応する特別図柄である「大当たり図柄」を停止表示させる。大当たりには,幾つかの種類があり,種類に応じた「大当たり図柄」を停止表示させる。「ハズレ」の場合には,パチンコ遊技機1は,特別図柄表示器41に,ハズレに対応する特別図柄である「ハズレ図柄」を停止表示させる。
【0089】
さらにパチンコ遊技機1は,大当たりに当選した場合,大当たりの種類に応じた開放パターンにて,第1大入賞口30および第2大入賞口35を開放する制御である「大当たり遊技」を実行する。なお,以下の説明では,第1大入賞口30および第2大入賞口35を総称する場合,大入賞口という。
【0090】
大当たり遊技は,1回または複数回のラウンド遊技と,初回のラウンド遊技が開始される前のオープニングと,最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディングと,を含んでいる。各ラウンド遊技は,オープニングの終了または前のラウンド遊技の終了によって開始し,次のラウンド遊技の開始またはエンディングの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間であるインターバル時間は,その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0091】
パチンコ遊技機1では,大当たりの種別として,「Vロング大当たり」と「Vショート大当たり」とがある。パチンコ遊技機1では,大当たりに当選した場合,大当たり種別の抽選も行う。大当たり種別の抽選は,大当たり種別乱数に基づいて行われる。大当たり種別乱数は,0〜9までの範囲内の値となる。そして,パチンコ遊技機1では,図10に示すように,第1特別図柄の抽選(特図1の抽選)では,例えば,大当たり種別乱数が0〜4の範囲内の値であれば,Vロング大当たりに当選したと判断し,それ以外の数値であればVショート大当たりと判断する。一方,第2特別図柄の抽選(特図2の抽選)では,例えば,大当たり種別乱数が0〜9の範囲内の値,すなわち全ての値で,Vロング大当たりに当選したと判断する。
【0092】
「Vロング大当たり」は,その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能なVロング開放パターンで,第1大入賞装置31の開閉部材32および第2大入賞装置36の開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は,その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が実質的に不可能なVショート開放パターンで,第1大入賞装置31の開閉部材32および第2大入賞装置36の開閉部材37を作動させる大当たりである。
【0093】
より具体的には,図11に示すように,「Vロング大当たり」は,総ラウンド数が16ラウンド(R)である。1R目から13R目までの各ラウンドおよび15R目では,パチンコ遊技機1は,1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放する。また,14R目および16R目の各ラウンドでは,パチンコ遊技機1は,1R当たり最大25.0秒にわたって第2大入賞口35を開放する。なお,振分部材71は,大当たり遊技の開始またはラウンド遊技の開始から,前述した図4(A)に示す第1状態,または図4(B)に示す第2状態に一定の周期で変動している。そのため,14R目および16R目の各ラウンドでは,第2大入賞口35を通過した遊技球を,第2大入賞口35を介して特定領域39内に通過させることが可能である。
【0094】
これに対して,「Vショート大当たり」は,総ラウンド数が16Rであるものの,実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり,1R目から13R目までの各ラウンドは,1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放するが,15R目は,0.08秒しか第1大入賞口30を開放しない。また,14R目および16R目の各ラウンドも,0.08秒しか第2大入賞口35を開放しない。従って,Vショート大当たりでは,14R目から16R目までの各ラウンドは,大入賞口の開放時間が極めて短く,賞球が見込めないラウンドとなっている。つまり,Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
【0095】
また,Vショート大当たりにおける14R目および16R目の各ラウンドでは,パチンコ遊技機1は,仮に遊技球が第2大入賞口35を通過してもその遊技球が特定領域39を通過することができないタイミング,すなわち振分部材71が第2の状態(図4参照)になったタイミングで,第2大入賞装置36の開閉部材37を開放する。このため,Vショート大当たりにおける14R目および16R目の各ラウンドでは,特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能になっている。
【0096】
パチンコ遊技機1では,大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて,その大当たり遊技の終了後の遊技状態を,高確率状態に移行させる。つまり,前述のVロング大当たりに当選した場合には,大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過することで,大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して,Vショート大当たりに当選した場合には,大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域39をほぼ通過できないため,大当たり遊技後の遊技状態は,通常確率状態となる。
【0097】
パチンコ遊技機1では,図10に示したように,第1特別図柄の抽選(特図1の抽選)における大当たりの振分率は,Vロング大当たりが50%,Vショート大当たりが50%となっている。これに対して,第2特別図柄の抽選(特図2の抽選)における大当たりの振分率は,Vロング大当たりが100%となっている。すなわち,後述する電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく大当たりの抽選により大当たりに当選した場合には,必ずVロング大当たりになる。このようにパチンコ遊技機1では,第1特別図柄の抽選よりも,第2特別図柄の抽選の方が,遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0098】
なお,パチンコ遊技機1では,前述したように,第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づいて取得される乱数として,大当たり乱数,大当たり種別乱数の他に,リーチ乱数および変動パターン乱数がある。
【0099】
リーチ乱数は,大当たり判定の結果がハズレである場合に,その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数である。リーチとは,複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって,変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たりの当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態,例えば「7↓7」(「↓」は変動中を意味する)といった状態,のことである。なお,リーチ状態において停止表示されている演出図柄は,表示画面7a内で多少揺れているように表示されてもよい。すなわち,演出図柄が完全に停止していなくてもよい。リーチ乱数は,0〜127までの範囲内の値となる。
【0100】
そして,パチンコ遊技機1では,図12に示すように,非時短状態では,リーチ乱数が0〜13の範囲内の値であれば,リーチ有りと判断し,それ以外の数値であればリーチ無しと判断する。また,時短状態では,リーチ乱数が0〜5の範囲内の値であれば,リーチ有りと判断し,それ以外の数値であればリーチ無しと判断する。時短状態および非時短状態の詳細については後述する。
【0101】
変動パターン乱数は,特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数である。変動パターン乱数も,0〜127までの範囲内の値となる。図13および図14は,変動パターン乱数と変動パターンとの関係を示すテーブルである。本形態では,変動パターンによって,リーチ演出の実行可否や,リーチ演出を行う場合の態様が決められる。変動パターンに含まれるリーチ演出の態様としては,通常リーチと,通常リーチよりも変動時間が長いスーパーリーチ(SPリーチ)と,がある。パチンコ遊技機1では,変動パターン乱数の他,特別図柄の種類,時短状態か非時短状態か,大当たりやリーチの抽選結果,に基づいて,変動パターンを決定する。
【0102】
また,パチンコ遊技機1では,ゲートへの遊技球の通過に基づいて取得される乱数として,普通当たり乱数がある。普通当たり乱数は,電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選に用いられる乱数である。普通当たり乱数は,0〜255までの範囲内の値となる。
【0103】
そして,パチンコ遊技機1では,図15に示すように,非時短状態では,普通当たり乱数が0〜2の範囲内の値であれば,普通当たりに当選したと判断し,それ以外の数値であればハズレと判断する。また,時短状態では,普通当たり乱数が0〜254の範囲内の値であれば,普通当たりに当選したと判断し,それ以外の数値であればハズレと判断する。すなわち,普通当たりの抽選は,非時短状態ではほとんどハズレとなり,時短状態ではほとんど普通当たりとなる。時短状態および非時短状態の詳細については後述する。
【0104】
4.パチンコ遊技機1の遊技状態
続いて,パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は,大当たりの抽選(特別図柄表示器41)および普通当たりの抽選(普通図柄表示器42)に関して,それぞれ「確率変動機能」と「変動時間短縮機能」とを有している。
【0105】
大当たりの抽選で確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい,作動していない状態を「通常確率状態」という。高確率状態では,図9に示したように,大当たりに当選する確率が通常確率状態よりも高い。すなわち,確率変動機能が作動すると,作動していないときと比較して,大当たりの抽選で結果が大当たりとなる確率が高くなる。
【0106】
また,大当たりの抽選における変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい,作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では,特別図柄表示器41での特別図柄の変動時間,すなわち変動表示の開始時から表示結果の停止表示時までの時間が,非時短状態よりも短くなり易い。具体的にパチンコ遊技機1は,大当たりの抽選でハズレとなった場合に,図12に示したように,リーチ有りと判定されるリーチ乱数の値が非時短状態よりも時短状態の方が少なくなる判定テーブルを用いて,リーチの判定を行う。つまり,時短状態では,大当たりの抽選でハズレとなった場合に,特別図柄が停止表示されるまでの時間が長いリーチになる確率が低くなる。また,図13および図14に示したように,リーチ無しハズレとなった場合,非時短状態よりも時短状態の方が,変動時間が短い変動パターンが選択され易い。つまり,変動時間短縮機能が作動していると,作動していないときと比較して,変動時間が短くなり易い。その結果,時短状態では,特図保留の消化のペースが速くなり,特図保留として記憶され得る始動口への有効な入賞が発生し易くなる。そのため,遊技者は,スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能となる。
【0107】
大当たりの抽選における確率変動機能と変動時間短縮機能とは,同時に作動してもよいし,一方のみが作動してもよい。普通当たりの抽選における確率変動機能と変動時間短縮機能とは,大当たりの抽選における変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち,普通当たりの抽選における確率変動機能および変動時間短縮機能は,時短状態において作動し,非時短状態において作動しない。よって,時短状態では,普通当たり抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。具体的にパチンコ遊技機1は,図15に示したように,普通当たりと判定される普通当たり乱数の値が非時短状態よりも時短状態の方が多くなる判定テーブルを用いて,普通当たりの抽選を行う。つまり,普通当たりの抽選で確率変動機能が作動すると,作動していないときと比較して,普通当たりの抽選で結果が普通当たりとなる確率が高くなる。
【0108】
また,時短状態では,普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短い。パチンコ遊技機1では,例えば,非時短状態の変動時間が30秒であり,時短状態の変動時間が1秒である。また,時短状態では,補助遊技における電チュー22の開放時間が,非時短状態よりも長くなっている。すなわち,電チュー22の開放時間延長機能が作動している。一方,時短状態でも非時短状態でも,補助遊技における電チュー22の開放回数は同じである。つまり,時短状態では,電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。なお,時短状態では,電チュー22の開放回数増加機能を作動してもよい。
【0109】
かくして,普通当たりの抽選における確率変動機能と変動時間短縮機能,および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では,これらの機能が作動していない場合と比較して,電チュー22が頻繁に開放され,第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することになる。その結果,遊技球の発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って,これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい,作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では,遊技者は,手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお,高ベース状態とは,電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御,いわゆる電サポ制御が実行されている状態ともいえる。
【0110】
なお,高ベース状態は,前述した複数の機能が全て作動するものでなくてもよい。すなわち,普通当たりの抽選における確率変動機能,普通当たりの抽選における変動時間短縮機能,電チュー22の開放時間延長機能,および電チュー22の開放回数増加機能のうち,1つ以上の機能の作動によって,その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また,高ベース状態は,時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0111】
パチンコ遊技機1では,Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態が,その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなされていれば,高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態となる。この遊技状態を特に,「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は,大当たりに当選しないまま所定回数(本形態では160回)の大当たりの抽選が実行されるか,大当たりに再び当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0112】
また,パチンコ遊技機1では,Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技の遊技状態が,その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過がほぼなされないことから,通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に,「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は,大当たりに当選しないまま所定回数(本形態では100回)の大当たりの抽選が実行されるか,大当たりに再び当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0113】
なお,パチンコ遊技機1の電源投入後の遊技状態は,通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に,「低確低ベース状態」という。また,大当たり遊技の実行中の状態を「大当たり遊技状態」と称する。なお,大当たり遊技状態を「特別遊技状態」ともいう。
【0114】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では,右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が遊技者にとって有利に遊技を進められる。電サポ制御が実行されているため,低ベース状態と比べて電チュー22が開放され易くなっており,第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易になっているからである。従って,遊技者は,普通当たり抽選の契機となる第2ゲート29へ遊技球を通過させつつ,第2始動口21へ入賞させるべく右打ちを行う。これにより,左打ちよりも,始動口への入賞を多数得ることが期待できる。
【0115】
これに対して,低ベース状態では,左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が遊技者にとって有利に遊技を進められる。電サポ制御が実行されていないため,高ベース状態と比べて電チュー22が開放され難くなっており,第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易になっているからである。従って,遊技者は,第1始動口20へ入賞させるべく左打ちを行う。これにより,右打ちよりも,始動口への入賞を多数得ることが期待できる。
【0116】
5.パチンコ遊技機1の音量調節
続いて,パチンコ遊技機1の音量調節について説明する。パチンコ遊技機1の音量は,前述したように画像制御用マイコン101の音量記憶部109に記憶されている設定値によって決まる。音量記憶部109に記憶されている設定値の変更,すなわちパチンコ遊技機1の音量調節には,遊技者の操作によって設定値を変更する手動調節と,パチンコ遊技機1が所定の条件を満たすことで自動的に設定値を変更する自動調節と,がある。
【0117】
パチンコ遊技機1では,音量の手動調節の1つとして,遊技者による十字ボタン68の押下,より具体的には左方向ボタン68Lまたは右方向ボタン68Rの押下がある。パチンコ遊技機1は,遊技者による遊技が行われていないと見做すことができる待機状態において,左方向ボタン68Lおよび右方向ボタン68Rの押下を受け付ける。具体的に待機状態とは,主電源のオンから,最初の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間,あるいは特別図柄が停止表示されて特図保留の数が0になった後から,次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間である。
【0118】
パチンコ遊技機1は,待機状態中に左方向ボタン68Lが押下されると,音量記憶部109に記憶されている設定値を1段階下げる変更を行う。例えば,音量記憶部109に記憶されている設定値が「3」であった場合,新たな設定値として「2」が記憶される。一方,パチンコ遊技機1は,待機状態中に右方向ボタン68Rが押下されると,音量記憶部109に記憶されている設定値を1段階上げる変更を行う。例えば,音量記憶部109に記憶されている設定値が「3」であった場合,新たな設定値として「4」が記憶される。これにより,遊技者は好みの音量を設定できる。
【0119】
さらに,パチンコ遊技機1は,音量の設定値が変更される,すなわち音量記憶部109に新たな設定値が記憶されると,図16に示すように現在の音量の設定値を表示する音量設定画面706を,画像表示装置7の表示画面7aに表示する。音量設定画面706には,現在の音量の設定値を示す数値画像706Aと,音量の設定値の大小を示唆する音符画像706Bと,が含まれる。音符画像706Bは,音量の設定値が大きいほど大きく表示される。また,音量設定画面706は,停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rや,待機状態中の客待ち演出にて表示される待機画面701よりも前面に表示される。すなわち,音量設定画面706は,他の画像よりも優先して最前面に表示される。なお,音量設定画面706を表示画面7a全体に表示し,他の画像を非表示としてもよい。音量設定画面706は,音量が変更されてから所定時間(本形態では3秒)表示され,所定時間経過後は非表示となる。
【0120】
また,パチンコ遊技機1では,音量設定の自動調節として,待機状態中に所定の条件を満たした場合に,音量記憶部109に記憶されている設定値を,予め規定された基準値以上の値にする。基準値としては,ホール内の音量が大きい状況であったとしても,遊技を楽しめる可能性が高い音量に対応する値であればよく,例えばメーカ推奨の音量の値が該当する。本形態では基準値を「7」とする。パチンコ遊技機1は,ディップスイッチ106によって設定された値であるハードウェア値と基準値とを比較し,ハードウェア値が大きい場合に,音量記憶部109にハードウェア値を記憶し,ハードウェア値と基準値とが等しいあるいは基準値が大きい場合に,音量記憶部109に基準値を記憶する。例えば,ハードウェア値が「3」であった場合,新たな設定値として基準値である「7」が記憶される。一方,ハードウェア値が「8」であった場合,新たな設定値としてハードウェア値である「8」が記憶される。
【0121】
パチンコ遊技機1は,自動調節を行うための所定の条件として,特定の待機画面が所定回数表示されたことを適用する。具体的にパチンコ遊技機1は,待機状態中,客待ち演出の実行を開始し,図17に示すように複数の待機画面701〜704を切り替えて表示する。パチンコ遊技機1は,演出図柄が停止表示され,特図保留の数が0になると待機状態となる。客待ち演出では,パチンコ遊技機1は先ず,図17(A)に示すように,演出図柄8L,8C,8Rの停止表示を所定時間(本形態では30秒)維持する。この間でも待機状態であることから,パチンコ遊技機1は,手動調節による音量調節が可能である。
【0122】
所定時間が経過すると,パチンコ遊技機1は,図17(B)に示すように,待機画面701を演出図柄8L,8C,8Rよりも前面に表示する。待機画面701には,例えば,音量調節および光量調節の操作ガイダンスが表示される。待機画面701を所定時間(本形態では60秒)表示した後,パチンコ遊技機1は,図17(C)に示すように,待機画面701を非表示とし,待機画面702を演出図柄8L,8C,8Rよりも前面に表示する。待機画面702には,例えば,ホールの情報や広告が表示される。待機画面702を所定時間(本形態では30秒)表示した後,パチンコ遊技機1は,図17(D)に示すように,待機画面702を非表示とし,待機画面703を演出図柄8L,8C,8Rよりも前面に表示する。待機画面703には,例えば,パチンコ遊技機1の情報や広告が表示される。待機画面703を所定時間(本形態では30秒)表示した後,パチンコ遊技機1は,図17(E)に示すように,待機画面703を非表示とし,待機画面704を演出図柄8L,8C,8Rよりも前面に表示する。待機画面704には,例えば,注意事項が表示される。待機画面704を所定時間(本形態では48秒)表示した後,パチンコ遊技機1は,待機画面704を非表示とし,再び待機画面701を表示する。以降,客待ち演出では,パチンコ遊技機1は,待機状態が解除されるまで,待機画面701〜704の切り替えを繰り返す。各待機画面701〜704の表示内容は一例であり,前述した内容に限るものではない。また,各待機画面を切り替えるための所定時間も一例であり,前述した時間に限るものではない。
【0123】
各待機画面701,702,703,704は同じサイズであり,表示画面7a内の同じ位置に表示される。そのため,パチンコ遊技機1は,待機状態中,各待機画面701,702,703,704を重ねて表示し,表示順番となった待機画面を最前面に表示する。この場合,画像表示装置7は最前面に表示された待機画面以外の待機画面も表示しているが,遊技者からは見えないため,本明細書では非表示と記載する。なお,本形態のように複数の待機画面を重ねて表示せず,1つ1つの待機画面の表示ないし非表示を制御してもよい。
【0124】
パチンコ遊技機1では,待機状態中,待機状態になってからの待機画面704の表示が3回目の場合に,音量設定の自動調節を行う。すなわち,前述した自動調節を行うための所定の条件のうち,特定の待機画面を待機画面704とし,所定回数を3回とする。
【0125】
パチンコ遊技機1の出荷時は,静かな環境下でもパチンコ遊技機1からの出力音が騒がしく感じない程度の音量とするために,85db以下の値(本形態では設定値「3」)がディップスイッチ106に設定されることが多い。そのため,ホールのスタッフ等がディップスイッチ106の値を変更しなければ,パチンコ遊技機1は,音量が小さい状態で動作を開始することになる。また,前の遊技者の手動調節によって,音量の設定値が小さい値に変更されていることもある。そこで,パチンコ遊技機1は,待機状態中に所定の条件を満たした際,音量の設定値をハードウェア値と基準値との大きい方とすることで,少なくとも基準値の音量レベル,すなわち遊技を楽しめることができる音量レベルを確保する。これにより,遊技者の音量調節の手間を軽減するとともに,音量調節の操作に不慣れな遊技者であっても好適な音量レベルで遊技を楽しむことが期待できる。
【0126】
また,パチンコ遊技機1では,前述した十字ボタン68の押下以外の,音量の手動調節として,待機状態中での遊技者の演出ボタン63の押下がある。パチンコ遊技機1は,待機状態中であっても,演出ボタン63の押下を受け付ける。そして,パチンコ遊技機1は,待機状態中に演出ボタン63の押下を受け付けると,音量の設定値を最大値に設定する。すなわち,始めから最大音量で遊技したい遊技者や設定操作に不慣れな遊技者にとって,十字ボタン68を何回も操作することは手間である。そこで,パチンコ遊技機1は,演出ボタン63の1回の操作によって,音量記憶部109に音量の設定値の最大値である「9」を記憶する。
【0127】
この演出ボタン63による音量調節を告知するため,パチンコ遊技機1は,待機状態中,音量記憶部109に記憶されている設定値(「現在の音量の設定値」ともいう)が最大値以外の場合,図18(A)に示すように,最大音量設定画面705を,画像表示装置7の表示画面7aに表示する。最大音量設定画面705には,演出ボタン63の押下を示唆するボタン画像705Aと,演出ボタン63の押下を通知するコメントを表示するメッセージ画像705Bと,が含まれる。また,最大音量設定画面705は,演出図柄8L,8C,8Rや,待機画面701よりも前面に表示される。すなわち,最大音量設定画面705は,他の画像よりも優先して最前面に表示される。なお,最大音量設定画面705を表示画面7a全体に表示し,他の画像を非表示としてもよい。
【0128】
メッセージ画像705Bには,演出ボタン63の押下によって音量の設定値が最大値になること,すなわち音量の設定値を最大値にするための操作ガイダンスが表示される。さらには,音量の設定値を最大値にすることの利点が表示される。具体的にパチンコ遊技機1では,音量の設定値が最大値である場合に限り実行されるプレミア演出がある。そのため,音量の設定値を最大値にしないとプレミア演出が見られない旨の注意が表示される。なお,プレミア演出とは,実行される確率が極めて低い演出であり,例えば,同一の演出図柄を同時に回転させるリーチ演出や,特別なキャラクタ,特別なタイトル,あるいは特別メッセージがカットインすることによる予告演出や,特別な演出保留画像を表示する保留演出や,盤可動体15や枠可動体600に特別な動作を行わせる可動体演出が該当する。この他,パチンコ遊技機1は,音量の設定値を最大値にしないと背景画像が切り替わらない等,音量の設定値を最大値にしないと制限される他の演出の注意も表示してもよい。
【0129】
最大音量設定画面705は,待機状態であって音量の設定値が最大値でない期間中,表示画面7aに表示される。これにより,遊技者は,現在の音量が最大値ではないことを認識でき,さらに最大音量とするための操作を把握できる。そして,演出ボタン63が押下される等,音量の設定値が最大値になると,パチンコ遊技機1は,図18(B)に示すように,最大音量設定画面705を非表示とし,現在の音量の設定値が最大であることを示す音量設定画面706を表示する。
【0130】
一方,最大音量設定画面705は,待機状態であって音量の設定値が最大値である期間中,表示画面7aに表示されない。この場合,音量を最大値にする操作は不要であることから,パチンコ遊技機1は,最大音量設定画面705を非表示とし,待機画面701等,他の画像の表示スペースを確保する。
【0131】
6.遊技制御用マイコン81の動作
続いて,パチンコ遊技機1の主制御基板80における遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81が実行する具体的な処理としては,メイン側起動処理がある。なお,遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ,タイマ,フラグ,ステータス,バッファ,などは,RAM84に設けられる。
【0132】
[メイン側起動処理]
遊技制御用マイコン81が実行するメイン側起動処理について,図19のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技制御用マイコン81は,パチンコ遊技機1の主電源がオフからオンになったことを契機に,すなわち電源スイッチ155がオンになり,電源基板150を介して外部からの電力供給が開始されたことを契機に,ROM83からメイン側起動処理のプログラムを読み出して実行する。
【0133】
メイン側起動処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,CPU82の初期設定やRAM84の初期化等を行う電源投入処理を実行する(S001)。S001の詳細については後述する。
【0134】
S001の後,遊技制御用マイコン81は,割り込みを禁止する(S002)。次いで,遊技制御用マイコン81は,各種の乱数の値を更新する(S003)。具体的にS003では,遊技制御用マイコン81は,大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,変動パターン乱数,普通当たり乱数,の各種の乱数の値を更新する。乱数の更新方法としては,例えば,1回の更新に際して値を所定数加算する。所定数は,全ての乱数で共通であってもよいし,乱数ごとに異なってもよい。乱数の値は,上限値に達すると0に戻る。また,乱数の初期値は,0であっても0以外の値であってもよい,また,乱数の初期値は,全ての乱数で共通であってもよいし,乱数ごとに異なってもよい。また,各乱数は,カウンタIC等からなる公知の乱数発生回路を利用して生成してもよい。
【0135】
S003の後,遊技制御用マイコン81は,割り込みを許可する(S004)。以降,S002〜S004を繰り返す。割り込みが許可されている間は,メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能になる。メイン側タイマ割り込み処理は,例えば,4ms周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして,メイン側タイマ割り込み処理が実行された場合には,メイン側タイマ割り込み処理が終了してから,次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に,S002〜S004の処理が繰り返される。なお,割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合には,メイン側タイマ割り込み処理の実行を直ぐには開始せず,割り込み許可状態となるのを待って開始する。
【0136】
[電源投入処理]
次に,図19のS001の電源投入処理について,図20のフローチャートを参照しつつ説明する。電源投入処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,RAM84へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより,RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。
【0137】
S011の後,遊技制御用マイコン81は,電源断フラグがオンか否かを判断する(S012)。電源断フラグは,主電源が正常な手順でオフされたか否かを判断するフラグであり,後述するS181の電源断監視処理を通じて正常な手順で主電源がオフされた場合にオンになり,停電や不正アクセス等によって正常な手順で主電源がオフされなかった場合にオフのままとなる。電源断フラグがオンであれば(S012:YES),遊技制御用マイコン81は,RAMクリアスイッチ161が押下された状態か否かを判断する(S013)。
【0138】
RAMクリアスイッチ161が押下されていない状態であれば(S013:NO),遊技制御用マイコン81は,CPU82やRAM84の起動時の異常の有無を診断する(S014)。S014では,例えば,チェックサムによるRAM84の情報の整合性を診断する。その後,遊技制御用マイコン81は,S014による診断によって異常が有ったか否かを判断する(S015)。
【0139】
電源断フラグがオフの場合(S012:NO),あるいはRAMクリアスイッチ161が押下されている状態(S013:YES),あるいは異常が有った場合(S015:YES),遊技制御用マイコン81は,RAM84を初期化する(S021)。これにより,RAM84に記憶されていた各種の情報が失われる。例えば,遊技状態の情報が,初期値である通常確率状態の情報にリセットされる。
【0140】
S021の後,遊技制御用マイコン81は,RAMの初期化を指示するRAM初期化コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S022)。出力バッファにセットされたRAM初期化コマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によってコマンドに応じた処理が実行される。
【0141】
S022の後,あるいは異常が無かった場合(S015:NO),遊技制御用マイコン81は,電源断フラグをオフにする(S016)。さらに,遊技制御用マイコン81は,CPU82等の初期化設定を行う(S017)。具体的にS017では,遊技制御用マイコン81は,例えば,スタックの設定,定数設定,割り込み時間の設定,CPUの設定,SIO,PIO,CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定を行う。S017の後,電源投入処理を終了する。
【0142】
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に,S005のメイン側タイマ割り込み処理について,図21のフローチャートを参照しつつ説明する。メイン側タイマ割り込み処理は,4ms周期の割り込みパルスが入力される度に,遊技制御用マイコン81によって実行される。
【0143】
メイン側タイマ割り込み処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,RAM84の出力バッファにセットされたコマンドを,サブ制御基板90や払出制御基板110等,パチンコ遊技機1内の主制御基板80以外のデバイスに出力する(S101)。RAM84の出力バッファには,後述する各種の処理によって適宜コマンドがセットされる。
【0144】
S101の後,遊技制御用マイコン81は,払い出しに関する情報を更新する(S102)。具体的にS102では,遊技制御用マイコン81は,第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a,第1大入賞口センサ30a,第2大入賞口センサ35a,普通入賞口センサ27a等の,各種のセンサから出力された信号に基づいて入賞の有無を判断し,入賞口の種類に応じた賞球の払い出しを指示する払い出しコマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。
【0145】
S102の後,遊技制御用マイコン81は,各種の乱数の値を更新する(S103)。S103の処理は,S003と同様である。すなわち,遊技制御用マイコン81は,メイン側タイマ割り込み処理の実行期間中と,それ以外の期間との両方で,各種の乱数の値を更新する。なお,乱数の値の更新を,いずれか一方の期間のみで行ってもよい。
【0146】
S103の後,遊技制御用マイコン81は,各種のセンサから出力された信号に基づいて,始動口等への入球を検出するセンサ検出処理を実行する(S111)。具体的にS111では,遊技制御用マイコン81は,第1ゲートセンサ28aおよび第2ゲートセンサ29aから出力された信号に基づいて,遊技球がゲートを通過したか否かを判断し,遊技球がゲートを通過していた場合には,普図保留の数が4個未満であることを条件として,普図保留の数を1つ加算し,普通当たり乱数の値を取得して普図保留記憶部86に記憶する。
【0147】
また,遊技制御用マイコン81は,第1始動口センサ20aから出力された信号に基づいて,遊技球が第1始動口20を通過したか否かを判断し,遊技球が第1始動口20を通過していた場合には,第1特図保留の数が4個未満であることを条件として,第1特図保留数に1を加算し,さらに大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,変動パターン乱数,の大当たりに関する各乱数の値を取得して第1特図保留記憶部85aに記憶する。さらに遊技球の第1始動口20への入賞を通知する第1始動入賞コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。また,遊技制御用マイコン81は,第2始動口センサ21aから出力された信号に基づいて,遊技球が第2始動口21を通過したか否かを判断し,遊技球が第2始動口21を通過していた場合には,第2特図保留の数が4個未満であることを条件として,第2特図保留数に1を加算し,さらに大当たりに関する各乱数の値を取得して第2特図保留記憶部85bに記憶する。さらに遊技球の第2始動口21への入賞を通知する第2始動入賞コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。
【0148】
また,遊技制御用マイコン81は,特定領域センサ39aから出力された信号に基づいて,遊技球が特定領域39を通過したか否かを判断し,遊技球が特定領域39を通過していた場合には,特定領域39への遊技球の通過を通知するV通過コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。
【0149】
なお,出力バッファにセットされたコマンドは,メイン側タイマ割り込み処理(図21参照)のS101にてサブ制御基板90に送信される。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は,そのコマンドが入力されたことに応じて,そのコマンドに対応する処理を実行する。
【0150】
S111の後,遊技制御用マイコン81は,普通図柄に関する動作である普通動作処理を実行する(S121)。具体的にS121では,遊技制御用マイコン81は,普通当たりの抽選条件を満たしている場合に,普図保留記憶部86に記憶されている普通当たり乱数,および図15に示す普通当たり判定テーブルを用いて,普通当たりに当選したか否かを判定する。そして,判定結果に応じた普図停止図柄データおよび遊技状態に応じた変動パターンを決定し,普通図柄表示器42に普通図柄の表示を行わせる。さらに普通当たりに当選した場合には,遊技状態に応じた電チュー22の開放パターンを決定し,電チュー22を作動させる。
【0151】
S121の普通動作処理の後,遊技制御用マイコン81は,特別図柄に関する動作である特別動作処理を実行する(S131)。なお,S121とS131とは逆順であってもよい。S131の詳細は後述する。
【0152】
S131の後,遊技制御用マイコン81は,普図保留数,第1特図保留数,第2特図保留数,の各保留数に基づいて,特図保留表示器43および普図保留表示器44の表示を更新させる(S161)。
【0153】
S161の後,遊技制御用マイコン81は,RAM84の外部出力バッファにセットされたコマンドに基づいて,外部端子板190を介して各種の信号を出力する(S171)。例えば,大当たりの抽選にて大当たりに当選した場合,遊技制御用マイコン81は,大当たり信号をホールコンピュータ900に出力する。
【0154】
S171の後,遊技制御用マイコン81は,主電源を正常にオフさせるための電源断監視処理を実行する(S181)。S181の詳細は後述する。S181の後,メイン側タイマ割り込み処理を終了する。
【0155】
その後,遊技制御用マイコン81は,次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまではメイン側起動処理のS002〜S004の処理を繰り返し,割り込みパルスが入力されると,再び,メイン側タイマ割り込み処理を実行する。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理のS101では,前回のメイン側タイマ割り込み処理にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンドが出力される。
【0156】
[特別動作処理]
次に,図21のS131の特別動作処理について,図22のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0157】
特別動作処理では,特別図柄表示器41,第1大入賞装置31,および第2大入賞装置36に関する処理を4つの段階に分け,それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスが1か否か(S901),2か否か(S911),3か否か(S921),をそれぞれ判断し,現時点でどのステータスに該当するかを判断する。特別動作ステータスの初期値は1である。
【0158】
そして,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスが1であれば(S901:YES),特別図柄待機処理を実行する(S902)。特別動作ステータスが2であれば(S911:YES),特別図柄変動中処理を実行する(S912)。特別動作ステータスが3であれば(S921:YES),特別図柄確定処理を実行する(S922)。一方,特別動作ステータスが4であれば(S921:NO),大当たり遊技処理を実行する(S932)。以下,特別動作処理にて実行される各処理について説明する。
【0159】
[特別図柄待機処理]
図23は,図21のS902の特別図柄待機処理の手順を示している。特別図柄待機処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,第2特図保留の数が0であるか否かを判断する(S1001)。第2特図保留の数が0であれば(S1001:YES),遊技制御用マイコン81は,第1特図保留の数が0であるか否かを判断する(S1020)。つまり,遊技制御用マイコン81は,第2特図保留に関する処理を,第1特図保留に関する処理よりも優先する。
【0160】
第1特図保留の数も0であれば(S1020:YES),遊技制御用マイコン81は,客待ち演出が開始されているか否かを判断する(S1031)。客待ち演出は,待機状態中,複数の待機画面701〜704を順に表示する演出である(図17参照)。客待ち演出が開始されていれば(S1031:YES),特別図柄待機処理を終了する。
【0161】
客待ち演出が開始されていなければ(S1031:NO),遊技制御用マイコン81は,客待ち演出を開始させるための客待ち待機コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S1032)。出力バッファにセットされた客待ち待機コマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によってコマンドに応じた処理が実行される。S1032の後,特別図柄待機処理を終了する。
【0162】
一方,第2特図保留の数が0でなければ(S1001:NO),遊技制御用マイコン81は,大当たりに当選したか否かを判定する(S1011)。具体的にS1011では,遊技制御用マイコン81は,第2特図保留記憶部85bの先頭に記憶されている大当たりに関する各乱数の値を読み出し,図9に示した大当たり判定テーブルを用いて,読み出した大当たり乱数に基づいて,大当たり,ハズレの判定を行う。また,大当たりに当選した場合,遊技制御用マイコン81は,図10に示した大当たり種別テーブルを用いて,読み出した大当たり種別乱数に基づいて,大当たりの種類の判定を行う。
【0163】
S1011の後,遊技制御用マイコン81は,読み出した変動パターン乱数およびリーチ乱数に基づいて,変動パターンを決定する(S1012)。具体的にS1012では,遊技制御用マイコン81は,第2特別図柄の抽選(特図2の抽選)にて大当たりに当選している場合は,大当たりの種類と,変動パターン乱数と,図14に示した変動パターン判定テーブルとを用いて,遊技状態に応じた変動パターンを決定する。さらに,遊技制御用マイコン81は,大当たりの判定結果に応じて,停止図柄を決定する(S1013)。
【0164】
なお,遊技制御用マイコン81は,大当たりの判定を行った後,第2特図保留の数を1つ減算する。そして,第2特図保留記憶部85bにおける各特図保留のデータを現在の記憶領域から読み出しの優先度が高い側の記憶領域に1つシフトするとともに,最後にシフトされたシフト元の記憶領域を初期化する。これにより,第2特図保留が保留された順に消化される。
【0165】
S1013の後,遊技制御用マイコン81は,S1012にて決定した変動パターンに従って,第2特別図柄表示器41bに特別図柄の変動表示を開始させる(S1014)。このとき遊技制御用マイコン81は,変動開始コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。変動開始コマンドには,停止図柄データの情報や変動パターンの情報が含まれる。変動開始コマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によって変動開始コマンドに応じた演出が実行される。S1014の後,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを2に変更し(S1017),特別図柄待機処理を終了する。
【0166】
一方,第2特図保留の数が0であり(S1001:YES),第1特図保留の数が0でなければ(S1020:NO),遊技制御用マイコン81は,第2特図保留の場合と同様に,大当たりに当選したか否かを判定する(S1021)。S1021は,S1011と同様の処理であるが,判定値となる各乱数は,第1特図保留記憶部85aから読み出す。
【0167】
S1021の後,遊技制御用マイコン81は,変動パターン乱数等の各種乱数と図13に示した変動パターン判定テーブルに基づいて,変動パターンを決定する(S1022)。さらに,遊技制御用マイコン81は,大当たりの判定結果に応じて,停止図柄を決定する(S1023)。S1022およびS1023もS1012およびS1013と同様の処理である。
【0168】
S1023の後,遊技制御用マイコン81は,S1022にて決定した変動パターンに従って,第1特別図柄表示器41aに特別図柄の変動表示を開始させる(S1024)。このとき遊技制御用マイコン81は,S1014と同様に,変動開始コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。S1024の後,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを2に変更し(S1017),特別図柄待機処理を終了する。
【0169】
[特別図柄変動中処理]
図24は,図22のS912の特別図柄変動中処理の手順を示している。特別図柄変動中処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する(S1501)。変動時間は,前述した特別図柄待機処理のS1012あるいはS1022によって決定された変動パターンによって決められる。特別図柄の変動時間が経過していない場合(S1501:NO),特別図柄変動中処理を終了する。すなわち,特別図柄の変動表示が継続される。
【0170】
一方,特別図柄の変動時間が経過した場合(S1501:YES),遊技制御用マイコン81は,変動停止コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S1502)。変動停止コマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によって変動停止コマンドに応じた演出が実行される。S1502の後,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを3に変更する(S1503)。
【0171】
S1503の後,遊技制御用マイコン81は,特別図柄表示器41に特別図柄の変動表示を停止させる(S1504)。そして,遊技制御用マイコン81は,特別図柄を一定時間にわたって停止表示させるための停止時間をセットし(S1505),特別図柄変動中処理を終了する。
【0172】
[特別図柄確定処理]
図25は,図22のS922の特別図柄確定処理の手順を示している。特別図柄確定処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,前述した特別図柄変動中処理のS1505でセットされた停止時間が経過したか否かを判断する(S1601)。停止時間が経過していなければ(S1601:NO),特別図柄確定処理を終了する。停止時間が経過していれば(S1601:YES),遊技状態を管理する(S1602)。
【0173】
具体的にS1602では,遊技制御用マイコン81は,高確率状態であれば,確変カウンタを1つ減算する。確変カウンタは,高確率状態中に大当たりの抽選を実行できる残りの回数を示すものである。そして,大当たりの抽選が行われる度に,確変カウンタは1ずつ減算される。さらに,遊技制御用マイコン81は,確変カウンタの値が0になったか否かを判断し,確変カウンタの値が0であれば,遊技状態を通常確率状態に移行する。
【0174】
また,遊技制御用マイコン81は,時短状態であれば,時短カウンタを1つ減算する。時短カウンタは,時短状態中に大当たりの抽選を実行できる残りの回数を示すものである。そして,大当たりの抽選が行われる度に,時短カウンタは1ずつ減算される。さらに,遊技制御用マイコン81は,時短カウンタの値が0になったか否かを判断し,時短カウンタの値が0であれば,非時短状態に移行する。
【0175】
S1602の後,遊技制御用マイコン81は,大当たりに当選したか否かを判断する(S1611)。大当たりに当選していれば(S1611:YES),遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを4に変更する(S1612)。そして,遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技を開始する(S1613)。なお,大当たり遊技の実行中は,通常確率状態かつ非時短状態として制御される。つまり,大当たり遊技の実行中,パチンコ遊技機1は,低ベース状態になる。また,S1613では,遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技を開始するべく,大当たりのオープニングコマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされたオープニングコマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によってコマンドに応じた処理が実行される。これにより,大当たり遊技が開始されることになる。
【0176】
一方,大当たりに当選していなければ(S1611:NO),大当たりの抽選結果がハズレであり,大当たり遊技を実行しないことから,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを1に変更する(S1631)。S1631あるいはS1613の後,特別図柄確定処理を終了する。
【0177】
[大当たり遊技処理]
図26は,図22のS932の大当たり遊技処理の手順を示している。大当たり遊技処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,大当たり遊技が終了したか否かを判断する(S2001)。大当たり遊技が終了していなければ(S2001:NO),遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技を継続することから,大当たり遊技処理を終了する。
【0178】
一方,大当たり遊技が終了していれば(S2001:YES),特別動作ステータスを1に変更する(S2011)。S2011の後,遊技制御用マイコン81は,遊技状態を設定する(S2012)。
【0179】
具体的にS2012では,遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技中に遊技球が特定領域39を通過していることを条件として,高確率状態に移行する。さらに確変カウンタに160をセットする。これにより,高確率状態で連続して最大160回の大当たりの抽選が可能になる。さらに遊技制御用マイコン81は,時短状態に移行する。さらに時短カウンタに160をセットする。これにより,時短状態で連続して最大160回の大当たりの抽選が可能になる。すなわち,大当たり遊技中に遊技球が特定領域39を通過していた場合には,遊技状態が,高確率状態かつ時短状態となる。
【0180】
一方,遊技球が特定領域39を通過していなければ,遊技制御用マイコン81は,時短状態に移行する。さらに時短カウンタに100をセットする。これにより,時短状態で連続して最大100回の大当たりの抽選が可能になる。一方で,遊技制御用マイコン81は,遊技状態を高確率状態にしない。すなわち,大当たり遊技中に遊技球が特定領域39を通過していない場合には,遊技状態が,通常確率状態かつ時短状態となる。さらに,時短状態で大当たりの抽選が連続して行える最大回数が,特定領域39を通過した場合と比較して少ない。S2012の後,大当たり遊技処理を終了する。
【0181】
[電源断監視処理]
次に,図21のS181の電源断監視処理について,図27のフローチャートを参照しつつ説明する。電源断監視処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,電源断信号の入力が有ったか否かを判断する(S3001)。電源断信号は,電源スイッチ155がオフになった際に,電源基板150から遊技制御用マイコン81に入力される。
【0182】
電源断信号の入力が有った場合(S3001:YES),遊技制御用マイコン81は,CPU82やRAM84等の終了設定を行う(S3002)。具体的にS3002では,遊技制御用マイコン81は,例えば,チェックサムを算出してRAM84の所定の記憶領域に算出結果を記憶する。
【0183】
S3002の後,遊技制御用マイコン81は,電源断フラグをオンにする(S3003)。そして,RAM84へのアクセスの禁止設定を行う(S3004)。これにより,RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが不可になる。すなわち,主電源のオフ中は,RAM84に対するアクセスが制限される。S3004の後,あるいは電源断信号の入力が無かった場合(S3001:NO),電源断監視処理をする。
【0184】
7.演出制御用マイコン91の動作
続いて,パチンコ遊技機1のサブ制御基板90における演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91が実行する具体的な処理としては,サブ側起動処理がある。なお,演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ,タイマ,フラグ,ステータス,バッファ,などは,RAM94に設けられる。
【0185】
[サブ側起動処理]
演出制御用マイコン91が実行するサブ側起動処理について,図28のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側起動処理は,パチンコ遊技機1の電源オンを契機に,演出制御用マイコン91によって実行される。
【0186】
サブ側起動処理では,演出制御用マイコン91は先ず,CPU92の初期化を行う(S4001)。具体的にS4001では,演出制御用マイコン91は,例えば,スタックの設定,定数設定,CPUの設定,SIO,PIO,CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定,を行う。なお,S4001は,電源投入後に一度だけ実行され,その後は実行されない。
【0187】
S4001の後,演出制御用マイコン91は,遊技制御用マイコン81からRAM初期化コマンドを受信しているか否かを判断する(S4002)。RAM初期化コマンドを受信していた場合(S4002:YES),演出制御用マイコン91は,RAM94を初期化する(S4011)。これにより,RAM94に記憶されていた各種の情報が失われる。S4011の後,演出制御用マイコン91は,RAMの初期化を指示するRAM初期化コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4012)。出力バッファにセットされたRAM初期化コマンドは,画像制御基板100に出力され,画像制御基板100によってコマンドに応じた処理が実行される。なお,画像制御基板100へのRAM初期化コマンドは,遊技制御用マイコン81から出力してもよい。この場合,S4012は不要である。
【0188】
S4012の後,あるいはRAM初期化コマンドを受信していなかった場合(S4002:NO),演出制御用マイコン91は,割り込みを禁止する(S4004)。次いで,演出制御用マイコン91は,各種の乱数の値を更新する(S4005)。具体的にS4005では,演出制御用マイコン91は,演出図柄乱数,変動演出パターン乱数,予告演出乱数,予告演出種類乱数,の各種の乱数の値を更新する。これらの乱数は,先に説明した遊技制御用マイコン81にて用いられる乱数とは異なる乱数であり,演出制御用マイコン91でのみ用いられる。乱数の更新方法としては,遊技制御用マイコン81と同様であってもよいし,異なってもよい。
【0189】
S4005の後,演出制御用マイコン91は,RAM94の出力バッファにセットされている各種のコマンドを,画像制御基板100等に送信する(S4006)。例えば,コマンドを受信した画像制御基板100は,そのコマンドに従って画像表示装置7に各種の静止画ないし動画を表示させ,スピーカ67に各種の音声を出力させる。すなわち,演出図柄変動演出や,大当たり遊技に伴う遊技演出や,客待ち演出等を実行する。
【0190】
なお,画像制御基板100による各種の演出の実行に伴って,演出制御用マイコン91は,ランプ中継基板107を介して枠ランプ66を点灯させたり,枠可動体600を駆動させたりする。なお,前述したように主制御基板80はサブ制御基板90からの入力を受け付けないことから,S4006から送信されるコマンドは遊技制御用マイコン81には入力されない。
【0191】
S4006の後,演出制御用マイコン91は,割り込みを許可する(S4007)。以降,S4004〜S4007を繰り返す。割り込みが許可されている間は,サブ側2msタイマ割り込み処理(S4009),サブ側10msタイマ割り込み処理(S4010),の各種の処理の実行が可能になる。
【0192】
なお,演出制御用マイコン91は,S4009,S4010以外の割り込み処理も実行する。例えば,演出制御用マイコン91は,主制御基板80から送られたコマンドが演出制御用マイコン91の入出力回路97に入力された場合に,そのコマンドをRAM94に記憶させる主制御コマンド割り込み処理を実行する。主制御コマンド割り込み処理は,他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される。
【0193】
[サブ側2msタイマ割り込み処理]
次に,サブ側2msタイマ割り込み処理について,図29のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側2msタイマ割り込み処理は,2ms周期の割り込みパルスが入力される度に,演出制御用マイコン91によって実行される。
【0194】
サブ側2msタイマ割り込み処理では,演出制御用マイコン91は先ず,演出ボタン検出スイッチ63x,十字ボタン検出スイッチ68x,および剣部材検出スイッチ222xからの出力信号に基づいて,演出ボタン63,十字ボタン68,および剣部材222への操作の有無の情報を示すスイッチデータを作成する(S4201)。なお,パチンコ遊技機1にこれら以外の入力部材が設けられている場合,その入力部材の入力の有無の情報もスイッチデータに含める。
【0195】
S4201の後,演出制御用マイコン91は,後述するサブ側10msタイマ割り込み処理にて作成されるランプデータに従って,枠ランプ66を点灯ないし消灯させるための制御を行う(S4202)。さらに,演出制御用マイコン91は,同じくサブ側10msタイマ割り込み処理にて作成される可動体駆動データに従って,枠可動体600および盤可動体15を変位させるための制御を行う(S4203)。
【0196】
S4203の後,演出制御用マイコン91は,ウォッチドックタイマをリセットする等,その他の処理を実行する(S4299)。S4299の後,サブ側2msタイマ割り込み処理を終了する。
【0197】
[サブ側10msタイマ割り込み処理]
次に,サブ側10msタイマ割り込み処理について,図30のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側10msタイマ割り込み処理は,10ms周期の割り込みパルスが入力される度に,演出制御用マイコン91によって実行される。
【0198】
サブ側10msタイマ割り込み処理では,演出制御用マイコン91は先ず,主制御基板80から受信したコマンドを解析するサブ側受信コマンド解析処理を実行する(S4301)。S4301の詳細については後述する。S4301の後,演出制御用マイコン91は,特図保留の数の変化に応じて,演出保留画像に関する処理を行う(S4302)。
【0199】
S4302の後,演出制御用マイコン91は,サブ側2msタイマ割り込み処理のS4201にて作成されたスイッチデータを取得する(S4303)。そして,演出制御用マイコン91は,スイッチデータに基づいて,各種の入力部材への操作に応じたスイッチ制御を行うスイッチデータ解析処理を実行する(S4304)。S4304の詳細については後述する。
【0200】
S4304の後,演出制御用マイコン91は,各種の演出に応じて,枠ランプ66の点灯制御を行うためのランプデータを作成する(S4305)。さらに,演出制御用マイコン91は,盤可動体15や枠可動体600の稼働制御を行うための可動体駆動データを作成する(S4306)。
【0201】
S4306の後,演出制御用マイコン91は,演出制御用マイコン91で用いる各種の乱数を更新する等,その他の処理を実行し(S4399),サブ側10msタイマ割り込み処理を終了する。
【0202】
[サブ側受信コマンド解析処理]
図31は,図30のS4301のサブ側受信コマンド解析処理の手順を示している。サブ側受信コマンド解析処理では,演出制御用マイコン91は先ず,変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(S4411)。変動開始コマンドは,例えば,特別図柄の変動表示を開始するにあたって主制御基板80から出力される。
【0203】
主制御基板80から変動開始コマンドを受信した場合(S4411:YES),演出制御用マイコン91は,演出図柄の変動演出において最終的に停止表示させる演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S4412)。具体的にS4412では,演出制御用マイコン91は,演出図柄乱数を取得し,特別図柄の有無やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から,変動開始コマンドの解析結果に基づいて1つのテーブルを選択し,そのテーブルを用いて,取得した演出図柄乱数を判定することにより,演出図柄を選択する。これにより,「777」等の最終的に停止表示させる演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせが決定される。
【0204】
S4412の後,演出制御用マイコン91は,変動開始コマンドの内容を解析し,変動演出パターンの選択を行う(S4413)。具体的にS4413では,演出制御用マイコン91は,変動演出パターン乱数を取得し,変動パターンの種類に応じて分類される複数のテーブルの中から,変動開始コマンドの解析結果に基づいて1つのテーブルを選択し,そのテーブルを用いて,取得した変動演出パターン乱数を判定することにより,変動演出パターンを選択する。これにより,枠ランプ66の点灯の有無やそのタイミング,盤可動体15や枠可動体600の稼働の有無やそのタイミング,といった詳細まで含めて変動演出の内容が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば,変動演出の時間,演出図柄の変動表示態様,リーチ演出の有無,リーチ演出の内容,演出中のボタン操作の有無,演出の展開構成,背景の種類等,変動演出の詳細,すなわち図柄変動中の演出のシナリオが決まることになる。
【0205】
S4413の後,演出制御用マイコン91は,変動開始コマンドの内容を解析し,予告演出の選択を行う(S4414)。具体的にS4414では,演出制御用マイコン91は,予告演出の実行有無を判定し,予告演出を実行する場合には,予告演出乱数や予告演出種類乱数を取得し,これらの乱数を判定することにより,予告演出を選択する。これにより,いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出の内容が決定される。
【0206】
S4414の後,演出制御用マイコン91は,S4412にて選択された演出図柄,S4413にて選択された変動演出パターン,およびS4414にて選択された各種の予告演出,を含む変動演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4415)。セットされた変動演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像等をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。これにより,演出図柄変動演出が開始される。
【0207】
S4415の後,演出制御用マイコン91は,待機フラグをオフにする(S4416)。待機フラグは,待機状態であるか否かを示すフラグであり,待機状態であればオンになり,非待機状態であればオフになる。主電源の投入直後は待機状態であり,待機フラグの初期値はオンである。
【0208】
S4416の後,あるいは主制御基板80から変動開始コマンドを受信していない場合(S4411:NO),演出制御用マイコン91は,変動終了コマンドを受信したか否かを判断する(S4421)。変動終了コマンドは,例えば,特別図柄の変動表示を終了した際に主制御基板80から出力される。主制御基板80から変動終了コマンドを受信した場合(S4421:YES),演出制御用マイコン91は,変動終了コマンドを解析し,演出図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4422)。
【0209】
S4422の後,あるいは主制御基板80から変動終了コマンドを受信していない場合(S4421:NO),演出制御用マイコン91は,主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否かを判断する(S4461)。客待ち待機コマンドは,例えば,特図保留の数が0になった場合に,主制御基板80から出力される。主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信した場合(S4461:YES),演出制御用マイコン91は,客待ち演出を実行するための客待ち演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4462)。セットされた客待ち演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。これにより,客待ち演出が開始される。S4462の後,演出制御用マイコン91は,待機フラグをオンにする(S4463)。
【0210】
S4463の後,あるいは主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信していない場合(S4461:NO),演出制御用マイコン91は,前述のコマンド以外のコマンドに対応する処理を実行する(S4499)。前述のコマンド以外のコマンドとしては,例えば,遊技球が始動口に入賞した際の始動口入賞コマンド,遊技球が特定領域39を通過した際のV通過コマンド,各種の異常報知コマンド,余剰球受皿62の満杯報知コマンドが該当する。S4499の後は,サブ側受信コマンド解析処理を終了する。
【0211】
[スイッチデータ解析処理]
図32は,図30のS4304のスイッチデータ解析処理の手順を示している。スイッチデータ解析処理では,演出制御用マイコン91は先ず,S4303にて取得したスイッチデータを解析し,演出ボタン63が押下されたか否かを判断する(S6001)。
【0212】
演出ボタン63が押下されていた場合(S6001:YES),演出制御用マイコン91は,待機フラグがオンか否かを判断する(S6002)。待機フラグがオフの場合(S6002:NO),非待機状態であることから,演出制御用マイコン91は,演出ボタン63の押下を受け付けるタイミングか否かを判断し,演出図柄変動演出のシナリオに応じた演出ボタン63の制御を行う(S6098)。例えば,演出ボタン63の押下に応じて,画像表示装置7による予告画像の表示やリーチの表示,盤可動体15や枠可動体600の変位,振動モータ223による演出ボタン63の振動,が該当する。
【0213】
一方,待機フラグがオンの場合(S6002:YES),待機状態であることから,演出制御用マイコン91は,演出ボタン63の操作による音量設定以外の他の選択項目の入力を受け付けているタイミングか否かを判断する(S6003)。例えば,待機状態中に演出ボタン63を遊技者に押下させて演出のカスタマイズを行う場合,そのカスタマイズ用の演出ボタン63の押下を受け付けるボタン有効期間が設定される。そこで,音量設定以外の他の選択項目の入力を受け付けているタイミングであれば(S6003:YES),演出制御用マイコン91は,各種の選択項目に応じた演出ボタン63の制御を行う(S6099)。
【0214】
一方,音量設定以外の他の選択項目の入力を受け付けているタイミングでなければ(S6003:NO),演出制御用マイコン91は,音量の設定値を最大値に設定する音量最大コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S6004)。セットされた音量最大コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応して音量の最大値を音量記憶部109に記憶する。
【0215】
S6004の後,あるいはS6099の後,あるいはS6098の後,あるいは演出ボタン63が押下されていない場合(S6001:NO),演出制御用マイコン91は,S4303にて取得したスイッチデータを解析し,左方向ボタン68Lまたは右方向ボタン68Rが押下されたか否かを判断する(S6201)。左方向ボタン68Lまたは右方向ボタン68Rが押下されていた場合(S6201:YES),演出制御用マイコン91は,待機フラグがオンか否かを判断する(S6202)。
【0216】
待機フラグがオン場合(S6202:YES),演出制御用マイコン91は,左方向ボタン68Lまたは右方向ボタン68Rの操作による音量設定以外の他の選択項目の入力を受け付けているタイミングか否かを判断する(S6203)。
【0217】
音量設定以外の他の選択項目の入力を受け付けているタイミングでなければ(S6203:NO),演出制御用マイコン91は,音量を変更する音量調節コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S6204)。具体的にパチンコ遊技機1では,2種類の音量調節コマンドが有り,左方向ボタン68Lが押下された場合は,音量を1段階下げる第1の音量調節コマンドがセットされ,右方向ボタン68Rが押下された場合は,音量を1段階上げる第2の音量調節コマンドがセットされる。セットされた音量調節コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応して音量記憶部109に記憶される設定値を更新する。
【0218】
音量設定以外の他の選択項目の入力を受け付けているタイミングであれば(S6203:YES),あるいは待機フラグがオフの場合(S6202:NO),演出制御用マイコン91は,左方向ボタン68Lまたは右方向ボタン68Rの押下を受け付けるタイミングか否かを判断し,各種の選択項目に応じた左方向ボタン68Lまたは右方向ボタン68Rの制御を行う(S6298)。
【0219】
S6204の後,あるいはS6298の後,あるいは十字ボタン68が押下されていない場合(S6201:NO),演出制御用マイコン91は,その他の入力デバイスに関する制御を行う(S6299)。その他の入力デバイスとしては,例えば,剣部材222,上方向ボタン68U,下方向ボタン68D,が該当する。S6299の後,スイッチデータ解析処理を終了する。
【0220】
8.画像制御基板100の動作
続いて,パチンコ遊技機1の画像制御基板100の動作について説明する。画像制御基板100が実行する具体的な処理としては,画像側起動処理がある。なお,画像制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ,タイマ,フラグ,ステータス,バッファ,などは,RAM104に設けられる。
【0221】
[画像側起動処理]
画像制御用マイコン101が実行する画像側起動処理について,図33のフローチャートを参照しつつ説明する。画像側起動処理は,パチンコ遊技機1の電源オンを契機に,画像制御用マイコン101によって実行される。
【0222】
画像側起動処理では,画像制御用マイコン101は先ず,CPU102の初期化を行う(S7001)。具体的にS7001では,画像制御用マイコン101は,例えば,スタックの設定,定数設定,CPUの設定,SIO,PIO,CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定,を行う。なお,S7001は,電源投入後に一度だけ実行され,その後は実行されない。
【0223】
S7001の後,画像制御用マイコン101は,演出制御用マイコン91からRAM初期化コマンドを受信しているか否かを判断する(S7002)。RAM初期化コマンドを受信していた場合(S7002:YES),画像制御用マイコン101は,RAM104を初期化する(S7011)。これにより,RAM104に記憶されていた各種の情報が失われる。S7011の後,画像制御用マイコン101は,音量をディップスイッチ106によって設定された値であるハードウェア値に設定する(S7012)。具体的にS7012では,音量記憶部109にハードウェア値を記憶する。これにより,RAM104の初期化後の音量がハードウェア値に基づく音量となる。
【0224】
S7012の後,あるいはRAM初期化コマンドを受信していなかった場合(S7002:NO),画像制御用マイコン101は,割り込みを禁止する(S7004)。次いで,画像制御用マイコン101は,各種の乱数の値を更新する(S7005)。S7005の後,画像制御用マイコン101は,RAM104の出力バッファにセットされている各種のコマンドを,主制御基板80を除く他の基板に送信する(S7006)。
【0225】
S7006の後,画像制御用マイコン101は,割り込みを許可する(S7007)。以降,S7004〜S7007を繰り返す。割り込みが許可されている間は,画像側タイマ割り込み処理(S7009)の実行が可能になる。
【0226】
[画像側タイマ割り込み処理]
次に,画像側タイマ割り込み処理について,図34のフローチャートを参照しつつ説明する。画像側タイマ割り込み処理は,10ms周期の割り込みパルスが入力される度に,画像制御用マイコン101によって実行される。
【0227】
画像側タイマ割り込み処理では,画像制御用マイコン101は先ず,サブ制御基板90等の他の基板から受信したコマンドを解析する画像側受信コマンド解析処理を実行する(S7301)。S7301の詳細については後述する。
【0228】
S7301の後,画像制御用マイコン101は,演出図柄変動演出が実行されている場合に,演出図柄変動演出のシナリオに応じて,演出図柄変動演出に関する制御を行う(S7302)。例えば,所定のタイミングで所定の演出画像を画像表示装置7に表示させる。また,所定のタイミングで所定の演出音声や演出楽曲をスピーカ67に出力する。スピーカ67から音声や楽曲を出力する際には,RAM104の音量記憶部109に記憶されている設定値に基づく音量で出力する。
【0229】
S7302の後,画像制御用マイコン101は,演出図柄変動演出が実行されている場合に,予告演出のシナリオに応じて,予告演出に関する制御を行う(S7303)。例えば,所定のタイミングで所定の予告画像を画像表示装置7に表示させる。また,所定のタイミングで所定の予告音声をスピーカ67に出力する。スピーカ67から音声を出力する際には,S7302と同様に,RAM104の音量記憶部109に記憶されている設定値に基づく音量で出力する。
【0230】
S7303の後,画像制御用マイコン101は,客待ち演出が実行されている場合に,客待ち演出のシナリオに応じて,待機状態における画像表示装置7の表示を制御する客待ち表示処理を実行する(S7304)。S7304の詳細については後述する。
【0231】
S7304の後,画像制御用マイコン101は,画像制御用マイコン101で用いる各種の乱数を更新する等,その他の処理を実行し(S7399),画像側タイマ割り込み処理を終了する。
【0232】
[画像側受信コマンド解析処理]
図35は,図34のS7301の画像側受信コマンド解析処理の手順を示している。画像側受信コマンド解析処理では,画像制御用マイコン101は先ず,変動演出開始コマンドを受信したか否かを判断する(S7411)。変動演出開始コマンドは,特別図柄の変動表示を開始するにあたってサブ制御基板90から出力される。
【0233】
サブ制御基板90から変動演出開始コマンドを受信した場合(S7411:YES),画像制御用マイコン101は,変動演出開始コマンドに基づいて演出図柄変動演出を開始する変動演出処理を実行する(S7412)。S7412の詳細は後述する。
【0234】
S7412の後,画像制御用マイコン101は,客待ち演出によって表示される待機画面701〜704を非表示とする(S7415)。なお,待機画面701〜704を表示していない場合にはS7415を省略する。また,画像制御用マイコン101は,客待ち演出によって表示される最大音量設定画面705を非表示とする(S7416)。なお,最大音量設定画面705を表示していない場合にはS7416を省略する。
【0235】
S7416の後,あるいはサブ制御基板90から変動演出開始コマンドを受信していない場合(S7411:NO),画像制御用マイコン101は,変動演出停止コマンドを受信したか否かを判断する(S7421)。変動演出停止コマンドは,特別図柄の変動表示を終了した際にサブ制御基板90から出力される。
【0236】
サブ制御基板90から変動演出停止コマンドを受信した場合(S7421:YES),画像制御用マイコン101は,演出図柄変動演出を停止する(S7422)。これにより,変動表示中の演出図柄が停止表示される。
【0237】
S7422の後,あるいはサブ制御基板90から変動演出停止コマンドを受信していない場合(S7421:NO),画像制御用マイコン101は,背景切替コマンドを受信したか否かを判断する(S7431)。背景切替コマンドは,例えば,背景画像を切り替える切替条件を満たした際にサブ制御基板90から出力される。切替条件としては,例えば,所定回数の大当たりの抽選を実行したこと,が該当する。
【0238】
サブ制御基板90から背景切替コマンドを受信した場合(S7431:YES),画像制御用マイコン101は,音量記憶部109に記憶されている現在の音量の設定値が最大値か否かを判断する(S7432)。現在の音量の設定値が最大値の場合(S7432:YES),画像制御用マイコン101は,ROM103に記憶されている複数の背景画像の中から,背景切替コマンドによって指定された背景画像を読み出し,読み出した背景画像を画像表示装置7に表示させる(S7433)。なお,背景画像が指定されていない場合には,画像制御用マイコン101が乱数に基づいて背景画像を選択する。一方,現在の音量の設定値が最大値ではない場合(S7432:NO),画像制御用マイコン101は,背景画像の切り替えを行わない。すなわち,画像制御用マイコン101は,背景画像の切り替えをキャンセルする。
【0239】
S7433の後,あるいは音量の設定値が最大値ではない場合(S7432:NO),あるいはサブ制御基板90から背景切替コマンドを受信していない場合(S7431:NO),画像制御用マイコン101は,音量調節コマンドを受信したか否かを判断する(S7441)。音量調節コマンドは,待機状態中に左方向ボタン68Lまたは右方向ボタン68Rが押下された際にサブ制御基板90から出力される。
【0240】
サブ制御基板90から音量調節コマンドを受信した場合(S7441:YES),画像制御用マイコン101は,音量調節コマンドを解析し,音量を変更する(S7442)。具体的に音量調節コマンドには,音量を1段階上げるか下げるかの情報が含まれており,S7442では,音量調節コマンドに従って音量記憶部109に記憶されている設定値を,1段階上げるもしくは1段階下げる。さらに,画像制御用マイコン101は,音量が変更された旨を通知するため,音量設定画面706を画像表示装置7に最前面に表示させる(S7443)。画像制御用マイコン101は,音量設定画面706を,所定時間表示させた後,非表示とする。なお,音量記憶部109に記憶されている設定値が最大値のときに音量を1段階上げる音量調節コマンドを受信した場合,あるいは音量記憶部109に記憶されている設定値が最小値のときに音量を1段階下げる音量調節コマンドを受信した場合,S7442およびS7443を省略してもよい。
【0241】
S7443の後,あるいはサブ制御基板90から音量調節コマンドを受信していない場合(S7441:NO),画像制御用マイコン101は,音量最大コマンドを受信したか否かを判断する(S7451)。音量最大コマンドは,待機状態中に演出ボタン63が押下された際にサブ制御基板90から出力される。
【0242】
サブ制御基板90から音量最大コマンドを受信した場合(S7451:YES),画像制御用マイコン101は,音量記憶部109に記憶されている設定値を,最大値にする(S7452)。さらに,画像制御用マイコン101は,音量が最大値になった旨を通知するため,音量設定画面706を画像表示装置7に最前面に表示させる(S7453)。画像制御用マイコン101は,音量設定画面706を,所定時間表示させた後,非表示とする。S7453の後,画像制御用マイコン101は,最大音量設定画面705を表示中か否かを判断する(S7454)。最大音量設定画面705を表示中の場合(S7454:YES),画像制御用マイコン101は,最大音量設定画面705を非表示にする(S7455)。なお,音量記憶部109に記憶されている設定値が最大値のときに音量最大コマンドを受信した場合,S7452,S7453,S7454,およびS7455を省略してもよい。
【0243】
S7455の後,あるいは最大音量設定画面705を表示していない場合(S7454:NO),あるいはサブ制御基板90から音量最大コマンドを受信していない場合(S7451:NO),画像制御用マイコン101は,客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判断する(S7461)。客待ち演出開始コマンドは,例えば,特図保留が0の状態で客待ち演出を実行していない場合に,サブ制御基板90から出力される。
【0244】
サブ制御基板90から客待ち演出開始コマンドを受信した場合(S7461:YES),画像制御用マイコン101は,待機画面701〜704の表示等を行う客待ち開始処理を実行する(S7462)。S7462の詳細は後述する。
【0245】
S7462の後,あるいはサブ制御基板90から客待ち演出開始コマンドを受信していない場合(S7461:NO),画像制御用マイコン101は,前述のコマンド以外のコマンドに対応する処理を実行する(S7499)。前述のコマンド以外のコマンドとしては,例えば,遊技球が特定領域39を通過したことを報知するためのV通過報知コマンド,各種の異常報知コマンド,余剰球受皿62の満杯報知コマンドが該当する。S7499の後は,画像側受信コマンド解析処理を終了する。
【0246】
[変動演出処理]
図36は,図35のS7412の変動演出処理の手順を示している。変動演出処理では,画像制御用マイコン101は先ず,変動演出開始コマンドを解析し,画像表示装置7等に実行させる変動演出パターンや予告演出のシナリオを決定する(S7711)。
【0247】
S7711の後,画像制御用マイコン101は,音量記憶部109に記憶されている現在の音量の設定値が最大値か否かを判断する(S7712)。現在の音量の設定値が最大値でない場合(S7712:NO),音量調節を促す演出である音量調節催促演出をS7711にて決定されたシナリオに追加する(S7713)。
【0248】
具体的に音量調節催促演出としては,例えば図37に示すように,音量調節を促すセリフを含む画像であるセリフ画像707を,画像表示装置7に表示させる。あるいは図38に示すように,音量調節を促すメッセージをスクロール表示させる帯状の画像である帯画像708を,画像表示装置7に表示させる。あるいは音量調節を促すセリフを含む音声を,スピーカ67から出力してもよい。ただし,音声を出力する場合,音量の設定値が小さい場合に遊技者が聞き取れない可能性が高い。そのため,セリフ画像707等,音量調節を促す画像の表示と組み合わせる方が好ましい。
【0249】
S7713の後,画像制御用マイコン101は,プレミア演出の実行が有るか否かを判断する(S7714)。どの演出をプレミア演出とするかは,あらかじめ決められており,画像制御用マイコン101は,S7711にて決定されたシナリオにプレミア演出が含まれている場合に,プレミア演出の実行が有ると判断する。
【0250】
プレミア演出の実行が有る場合(S7714:YES),画像制御用マイコン101は,実行予定のプレミア演出を代替する代替演出を決定する(S7715)。画像制御用マイコン101には,プレミア演出の種類毎に代替演出が予め決められており,プレミア演出の種類に応じて,代替演出を決定し,プレミア演出の実行をキャンセルする。代替演出は,プレミア演出以外の演出であり,プレミア演出と比較して実行頻度が高い演出である。なお,演出の代替が困難な場合,S7715では,実行予定のプレミア演出を実行しないことに決定する。一方,現在の音量の設定値が最大値の場合(S7712:YES),画像制御用マイコン101は,プレミア演出の代替を行わない。すなわち,プレミア演出の実行をキャンセルしない。
【0251】
S7715の後,あるいはプレミア演出の実行が無い場合(S7714:NO),あるいは現在の音量の設定値が最大値の場合(S7712:YES),画像制御用マイコン101は,演出図柄変動演出に必要な画像および音声を,ROM103から読み出す(S7721)。さらに,予告演出に必要な画像および音声を,ROM103から読み出す(S7722)。
【0252】
そして,S7722の後,画像制御用マイコン101は,読み出した画像をシナリオに沿ったタイミングで画像表示装置7に表示させ,読み出した音声をシナリオに沿ったタイミングでスピーカ67に出力させる演出図柄変動演出を開始する(S7723)。S7723の後,変動演出処理を終了する。
【0253】
[客待ち開始処理]
図39は,図35のS7462の客待ち開始処理の手順を示している。客待ち開始処理では,画像制御用マイコン101は先ず,客待ち演出の実行中に表示する複数の待機画面701〜704(図17参照)をROM103から読み出す(S7611)。さらに,画像制御用マイコン101は,最大音量への音量調節を促す最大音量設定画面705を,ROM103から読み出す(S7612)。そして,画像制御用マイコン101は,待機画面701を最前面として,読み出した複数の待機画面701〜704を,画像表示装置7に表示させる(S7613)。
【0254】
S7613の後,画像制御用マイコン101は,音量記憶部109に記憶されている現在の音量の設定値が最大値か否かを判断する(S7621)。現在の音量の設定値が最大値でない場合(S7621:NO),画像制御用マイコン101は,S7612にて読み出した最大音量設定画面705を,画像表示装置7に最前面に表示させる(S7622)。これにより,最大音量設定画面705が他の待機画面701〜704よりも優先して前面に表示される。S7622の後,客待ち開始処理を終了する。また,現在の音量の設定値が最大値の場合(S7621:YES),最大音量設定画面705を表示する必要がないため,最大音量設定画面705を表示することなく,客待ち開始処理を終了する。
【0255】
[客待ち表示処理]
図40は,図34のS7304の客待ち表示処理の手順を示している。客待ち表示処理では,画像制御用マイコン101は先ず,客待ち演出の実行中か否かを判断する(S7511)。
【0256】
客待ち演出の実行中の場合(S7511:YES),画像制御用マイコン101は,次の待機画面の表示タイミングか否かを判断する(S7512)。客待ち演出の実行中,画像制御用マイコン101は,待機画面ごとに表示期間が規定されており,現在最前面に表示中の待機画面に対応する表示期間が経過するごとに,読み出した待機画面701〜704の中から,最前面に表示する待機画面を切り換える。そのため,S7512では,現在最前面に表示されている待機画面に対応する表示期間を超えた場合に,次の待機画面の表示タイミングと判断する。次の待機画面の表示タイミングであれば(S7512:YES),画像制御用マイコン101は,最前面に表示される待機画面の表示を切り替える(S7513)。
【0257】
S7513の後,画像制御用マイコン101は,音量記憶部109に記憶されている現在の音量の設定値が最大値か否かを判断する(S7514)。現在の音量の設定値が最大値でない場合(S7514:NO),画像制御用マイコン101は,最大音量設定画面705を最前面に表示させる(S7515)。これにより,最大音量設定画面705が他の待機画面701〜704よりも優先して前面に表示される。一方,音量の設定値が最大値の場合(S7514:YES),最大音量設定画面705の表示は不要であることから,画像制御用マイコン101は,最大音量設定画面705を非表示とする(S7516)。なお,最大音量設定画面705を表示していない場合には,S7516を省略する。
【0258】
S7515あるいはS7516の後,画像制御用マイコン101は,S7513での待機画面の切り替えによって,特定の待機画面が表示されたか否かを判断する(S7521)。本形態では,待機画面704が特定の待機画面である。特定の待機画面が表示された場合には(S7521:YES),画像制御用マイコン101は,客待ち演出の実行を開始してから3回目の特定の待機画面の表示であるか否かを判断する(S7522)。
【0259】
客待ち演出の実行を開始してから3回目の特定の待機画面の表示であった場合(S7522:YES),画像制御用マイコン101は,ディップスイッチ106によって設定されるハードウェア値が,予め規定された基準値(本形態では「7」)よりも大きいか否かを判断する(S7523)。ハードウェア値が基準値よりも大きい場合(S7523:YES),画像制御用マイコン101は,音量記憶部109にハードウェア値を記憶する(S7524)。一方,ハードウェア値が基準値よりも大きくない場合(S7523:NO),画像制御用マイコン101は,音量記憶部109に基準値を記憶する(S7525)。これにより,少なくとも基準値以上に音量の設定値が更新される。
【0260】
なお,本形態では,基準値をメーカの推奨値である「7」としているが,メーカの推奨値に限らない。例えば,基準値を最大値である「9」としてもよい。この場合,音量記憶部109に記憶される音量の設定値が最大値となる機会が増え,プレミア演出の実行が制限される期間も短くなる。
【0261】
S7524またはS7525の後,あるいは客待ち演出の実行を開始してから3回目の特定の待機画面の表示でなかった場合(S7522:NO),あるいは特定の待機画面が表示されなかった場合(S7521:NO),あるいは次の待機画面の表示タイミングでない場合(S7512:NO),あるいは客待ち演出中でない場合(S7511:NO),客待ち表示処理を終了する。
【0262】
なお,本形態では,音量の設定値が最大値か否かによって,背景画像の切り替えのキャンセルと,プレミア演出の実行のキャンセルと,を決定しているが,必ずしも両方行う必要はなく,いずれか一方のみであってもよい。すなわち,音量の設定値が最大値でなければ,少なくとも1つの特別演出が実行され難い構成であればよい。
【0263】
また,代替対象となる演出は,大当たりが確定しているプレミア演出に限るものではなく,大当たりに当選している確率が極めて高い演出であってもよく,大当たりの信頼度に関係なく実行確率が低い演出であってもよい。例えば,特定のキャラクタが登場する演出全てを代替対象となる演出としてもよいし,特定の可動体を動作させる演出全てを代替対象となる演出としてもよい。また,代替対象となる演出は,大当たりが確定している全てのプレミア演出に限るものではなく,一部のプレミア演出であってもよい。
【0264】
また,本形態では,音量の設定値が最大値でなければ,必ず背景画像の切り替えのキャンセルとプレミア演出の実行のキャンセルとを実行しているが,これらの実行可否を乱数によって決定してもよい。すなわち,特別演出が実行される頻度を低減する処理であればよく,特別演出のキャンセルを100%実行しなくてもよい。この場合,現在の音量の設定値が所定値(本形態では最大値)から離れるほど,特別演出が実行され難くなるように乱数の比率を設定するとよい。また,現在の音量の設定値が最大値以外であれば,プレミア演出が実行される頻度を通常の頻度とし,現在の音量の設定値が最大値であれば,プレミア演出が実行される頻度を通常の頻度よりも増加させてもよい。なお,本形態のように音量の設定値が最大値でなければこれらの特別演出を実行しないようにする,すなわち特別演出のキャンセルを100%実行することで,遊技者に対して音量調節をより促すことが期待できる。
【0265】
また,本形態では,音量の設定値が最大値でなければ,S7713にて必ず音量調節催促演出を追加しているが,音量調節催促演出の追加を乱数によって決定してもよい。すなわち,音量調節催促演出の追加を100%実行しなくてもよい。この場合,現在の音量の設定値が所定値(本形態では最大値)から離れるほど,音量調節催促演出が実行され易くなるように乱数の比率を設定するとよい。また,現在の音量の設定値にかかわらず,音量調節催促演出を追加しなくてもよい。すなわち,音量調節催促演出を実行しなくてもよい。
【0266】
また,本形態では,待機状態中,最大音量設定画面705において,音量の設定値を最大値にしないと,プレミア演出が実行されないことを遊技者に報知しているが,プレミア演出の実行が制限されることの報知態様は,これに限るものではない。例えば,他の待機画面にて報知してもよいし,パチンコ遊技機1の周囲に置かれる冊子(遊技機の簡易な説明書)に記載してもよい。
【0267】
9.実施の形態の効果
パチンコ遊技機1は,待機状態中での音量の設定値の初期化の際に,遊技を楽しむことができる音量として予め規定された音量の基準値と,ディップスイッチ106に基づくハードウェア値とのうち,音量が大きい方の値に設定される。そのため,パチンコ遊技機1の音量が,少なくとも基準値に基づく音量まで上がる。このことから,遊技機は,ホール内の音量が大きい状況であったとしても,遊技を十分に楽しむことが期待できる音量になる。また,ハードウェア値の大小にかかわらず,少なくとも基準値に基づく音量よりも下がらないことから,遊技者が再度音量調節する手間が軽減される。
【0268】
10.実施の形態の第1の変形例
続いて,前述したパチンコ遊技機1の変形例について説明する。第1の変形例にかかるパチンコ遊技機1では,サブ制御基板90側で,音量の設定値に応じた演出を決定する。この点,画像制御基板100側で,サブ制御基板90によって決定された演出を,音量の設定値に応じて代替演出に切り替える前述の実施の形態と異なる。
【0269】
第1の変形例にかかるパチンコ遊技機1では,サブ制御基板90の演出制御用マイコン91にて音量の設定値に応じた演出を決定することから,画像制御基板100からサブ制御基板90に対して,音量記憶部109に記憶されている音量の設定値が入力される。例えば,画像制御用マイコン101は,画像側タイマ割り込み処理のその他の処理(S7399)にて,音量記憶部109に記憶されている設定値に応じた信号をサブ制御基板90に送信する。サブ制御基板90は,画像制御基板100からの信号を受信して所定の入力バッファに記憶する。この他,サブ制御基板90からの要求に応じて,画像制御基板100が音量の設定値を応答する構成であってもよい。
【0270】
演出制御用マイコン91は,サブ側受信コマンド解析処理(図31参照)のS4413の変動演出パターンの選択の際に,図41に示す変動演出パターン選択処理を実行する。変動演出パターン選択処理では,演出制御用マイコン91は先ず,主制御基板80から受信した変動開始コマンドにて,大当たりで且つSPリーチが指定されているか否かを判断する(S4511)。
【0271】
大当たりで且つSPリーチが指定されている場合(S4511:YES),演出制御用マイコン91は,入力バッファに記憶されている音量の設定値を取得する(S4512)。そして,演出制御用マイコン91は,取得した現在の音量の設定値が最大値か否かを判断する(S4513)。
【0272】
現在の音量の設定値が最大値の場合(S4513:YES),画像制御用マイコン101は,プレミア演出を行う変動演出パターンが選択肢に含まれる変動演出パターン群の中から,変動演出パターン乱数を用いて,1つの変動演出パターンを決定する(S4514)。例えば,パチンコ遊技機1は,図42に示すようなプレミア演出を行う変動演出パターンが数多く登録されている特別選択テーブル931をROM93に記憶しており,特別選択テーブル931に登録されているレコードの1つが選択される。図42に示した特別選択テーブル931では,シナリオ「Sc11」,「Sc12」,あるいは「Sc13」に対応する変動演出パターンがプレミア演出を含んでおり,これらの変動演出パターンは,プレミア演出を含まない他の変動演出パターンと比較して選択され難いように,変動演出パターン乱数が設定されている。
【0273】
一方,現在の音量の設定値が最大値でない場合(S4513:NO),画像制御用マイコン101は,プレミア演出を行う変動演出パターンの選択肢が図42と比較して少ない変動演出パターン群の中から,変動演出パターン乱数を用いて,1つの変動演出パターンを決定する(S4515)。例えば,パチンコ遊技機1は,図43に示すようなプレミア演出を含む変動演出パターンの選択肢が1つしか登録されていない通常選択テーブル932をROM93に記憶しており,通常選択テーブル932に登録されているレコードの1つが選択される。図43に示した通常選択テーブル932では,シナリオ「Sc11」や「Sc12」に対応する変動演出パターンが登録されておらず,プレミア演出を行う変動演出パターンが選択され難い。例えば,変動演出パターン乱数が「250〜251」であれば,特別選択テーブル931では,プレミア演出を含む変動演出パターンのシナリオ「Sc11」が選択されるところ,通常選択テーブル932では,プレミア演出を含む変動演出パターン以外のシナリオとして,シナリオ「Sc01」が選択される。
【0274】
一方,大当たりでなくSPリーチでもない場合(S4511:NO),演出制御用マイコン91は,変動開始コマンドの内容に対応するテーブルを参照し,1つの変動パターンを決定する(S4521)。S4514の後,またはS4515の後,またはS4521の後,変動演出パターン選択処理を終了する。
【0275】
その後,サブ側受信コマンド解析処理に戻り,予告演出の選択の際にも,変動演出パターン選択処理と同様に,現在の音量の設定値が最大値であれば,プレミア演出を行う予告演出が選択肢に含まれる予告演出群の中から,予告演出乱数を用いて,1つないし複数の予告演出を選択する。一方,現在の音量の設定値が最大値でなければ,プレミア演出を行う予告演出が選択肢に含まれない予告演出群の中から,予告演出乱数を用いて,1つないし複数の予告演出を選択する。
【0276】
そして,選択された変動演出パターンおよび予告演出を含む変動演出開始コマンドを,画像制御基板100が受信し,変動演出開始コマンドの内容に応じた演出が画像制御用マイコン101によって実行される。本変形例では,演出制御用マイコン91によって音量の設定値に応じた演出が選択されているため,画像制御用マイコン101によって音量の設定値に応じて代替演出を決定する処理(S7714〜7715)は省略する。
【0277】
前述した第1の変形例にかかるパチンコ遊技機1では,現在の設定値に基づく音量が最大値の場合,すなわち所定値に基づく音量(最大値の1つ手前の設定値「8」に基づく音量)よりも大きい場合,特別演出が実行され易くなる。そのため,特別演出を見る機会が増え,特別演出を見たい遊技者に対して音量調節を行う意欲を付与し得る。従って,第1の変形例にかかるパチンコ遊技機1の構成であっても,遊技者に音量を所定値以上に設定することを間接的に促すことが期待できる。また,サブ制御基板90によって特別演出の実行を制御するため,枠可動体600や盤可動体15等,画像制御基板100と直接接続されていないデバイスを含めた特別演出の制御が容易である。
【0278】
なお,第1の変形例にかかるパチンコ遊技機1では,現在の音量の設定値が最大値であってもなくても,プレミア演出を含む変動パターンが実行され得る。そのため,遊技者に音量調節を促すメッセージ画像705B(図18参照)には,例えば,音量の設定値を最大値するとプレミア演出の出現確率が高まる旨の注意を表示すればよい。
【0279】
また,第1の変形例にかかるパチンコ遊技機1では,通常選択テーブル932において,プレミア演出を含む変動パターンを1つも登録しなくてもよい。つまり,プレミア演出を含む変動パターンの実行が制限されてもよい。
【0280】
11.実施の形態の第2の変形例
続いて,前述したパチンコ遊技機1の別の変形例について説明する。第2の変形例にかかるパチンコ遊技機1では,音量設定の自動調節として,待機状態中に所定の条件を満たした場合に,音量記憶部109に記憶されている設定値を,ディップスイッチ106によって設定された値であるハードウェア値以上の値にする。この点,待機状態中に所定の条件を満たした場合に,音量記憶部109に記憶されている設定値を,基準値以上の値にする前述の実施の形態と異なる。
【0281】
具体的に第2の変形例のパチンコ遊技機1では,待機状態中に所定の条件を満たした場合に,現在の音量の設定値とハードウェア値とを比較し,大きい方の値を新たな音量の設定値とする。例えば,音量記憶部109に記憶されている設定値が「2」であり,ハードウェア値が「3」であった場合,新たな設定値としてハードウェア値である「3」が記憶される。一方,音量記憶部109に記憶されている設定値が「7」であり,ハードウェア値が「3」であった場合,設定値は「7」のままである。自動調節を行うための所定の条件は,前述の実施の形態と同様であればよく,本変形例でも,待機状態中,待機状態になってからの待機画面704の表示が3回目の場合に,音量設定の自動調節を行うものとする。
【0282】
第2の変形例にかかるパチンコ遊技機1では,音量の自動調節を行うS7305の客待ち表示処理が,図40に示した実施の形態と異なる。そこで,本変形例の客待ち表示処理を,図44のフローチャートを参照しつつ説明する。なお,前述の実施の形態の客待ち表示処理(図40参照)と同じ処理については,同じ符号を付して説明を省略する。
【0283】
第2の形態の客待ち表示処理では,客待ち演出の実行中であり(S7511:YES),かつ次の待機画面の表示タイミングであり(S7512:YES),かつ特定の待機画面(本変形例では待機画面704)が表示され(S7521:YES),かつ客待ち演出の実行を開始してから3回目の特定の待機画面の表示であった場合(S7522:YES)において,画像制御用マイコン101は,ディップスイッチ106によって設定されるハードウェア値が,音量記憶部109に記憶されている現在の音量の設定値よりも大きいか否かを判断する(S7553)。
【0284】
ハードウェア値が現在の音量の設定値よりも大きい場合(S7553:YES),画像制御用マイコン101は,音量記憶部109にハードウェア値を記憶し(S7554),客待ち表示処理を終了する。一方,ハードウェア値が現在の音量の設定値よりも大きくない場合(S7553:NO),現在の音量の設定値を変更せずに,客待ち表示処理を終了する。これにより,少なくともハードウェア値以上に音量の設定値が更新される。
【0285】
第2の変形例にかかるパチンコ遊技機1は,待機状態中に所定の条件を満たした際,音量の設定値をハードウェア値と現在の音量の設定値との大きい方とすることで,少なくともハードウェア値の音量レベルを確保する。そのため,起動後に遊技者の手動調節によって音量がハードウェア値に基づく音量よりも大きくなるように調節されると,パチンコ遊技機1はその音量を継続することができ,遊技者は音量を調節し直す必要がない。また,ホールのスタッフ等がディップスイッチ106の値を音量が大きい値に変更していた場合,前の遊技者が小さい音量の設定値に変更したとしても,ホールが希望するハードウェア値に戻される。そのため,次の遊技者が遊技を楽しめる可能性が高く,次の遊技者にとって音量の設定値を上げる操作の手間が少ない。
【0286】
12.実施の形態のその他の変形例
本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,本実施の形態に記載された数値(抽選回数,各種テーブルの設定値,各種の保留数の上限等)は例示であって,適宜選択すればよい。
【0287】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1は,待機状態中,停止図柄を表示したままで背景画像を変更していないが,変更してもよい。例えば,メーカやホールの広告を表示してもよいし,デモンストレーション動画を再生してもよい。
【0288】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,客待ち演出の実行中の3回目の待機画面704の表示を契機に,現在の音量の設定値(音量記憶部109に記憶されている値)を更新しているが,更新するための条件はこれに限るものではない。例えば,他の待機画面であってもよいし,表示回数も3回に限らない。また,客待ち演出の実行開始から所定時間が経過したことを,更新条件としてもよい。
【0289】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,「1回分の入力」を演出ボタン63の単発のタッチ操作や長押し操作としているが,これに限らず,所定期間内での演出ボタン63の複数回の操作を「1回分の入力」としても良い。また,複数回の操作は,1つの入力手段に限らず,複数の入力手段の組み合わせであってもよい。
【0290】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,待機状態中の演出ボタン63の1回の押下によって,音量の設定値を最大値に設定しているが,このような特定の音量に設定できるショートカット手段を設けなくてもよい。
【0291】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,待機状態中の演出ボタン63の押下によって,音量の設定値を最大値に設定しているが,設定される音量の設定値は最大値に限るものではない。例えば,メーカ推奨値に設定してもよい。この場合,S7621やS7514では,音量記憶部109に記憶されている現在の音量の設定値がメーカ推奨値よりも小さいか否かを判断すればよく,小さければ,演出ボタン63を押下する旨の報知画面を表示すればよい。あるいは音量記憶部109に記憶されている現在の音量の設定値がメーカ推奨値と異なるか否かを判断し,メーカ推奨値と異なる場合に,演出ボタン63を押下する旨の報知画面を表示してもよい。
【0292】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,演出図柄変動演出中に押下される演出ボタン63が,音量の設定値を最大値にするためのボタンを兼ねているが,音量の設定値を最大値とするための専用ボタンを設けてもよい。この場合,専用ボタンは,待機状態以外の状態であっても操作を受け付け,遊技者の操作に応じて音量の設定値を最大値とするとよい。なお,演出ボタン63が音量の設定値を最大値とするボタンを兼ねることで,遊技者は馴染みの操作によって音量の設定値を最大値にすることができる。
【0293】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,待機状態中,音量の設定値が最大になっていない場合に,演出ボタン63によって音量の設定値が最大値となる旨を示唆する最大音量設定画面705を表示しているが,表示しなくてもよい。ただし,最大音量設定画面705を表示することで,演出ボタンによる音量調節を遊技者が利用し易い。
【0294】
また,実施の形態では,待機状態中,最大音量設定画面705を表示するか否かの判断を,客待ち演出の実行開始時,あるいは待機画面の切り替え時,に行っているが,判断のタイミングはこれらに限るものではない。例えば,待機状態中,定期的に判断してもよいし,十字ボタン68の押下時に判断してもよい。
【0295】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,現在の音量の設定値が最大値でない場合に,最大音量設定画面705を他の画像に優先して最前面に表示しているが,他の画像に優先しなくてもよい。例えば,待機状態中に繰り返し表示される待機画面の1つとして表示してもよい。また,現在の音量の設定値にかかわらず,最大音量設定画面705を表示しなくてもよい。
【0296】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,最大音量設定画面705にて演出ボタン63の押下を報知しているが,十字ボタン68の押下による音量調節を報知してもよい。ただし,演出ボタン63の押下の方が,簡単な操作で音量の設定値を最大値にできるため,遊技者の操作の負担を軽減できる。
【0297】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,現在の音量の設定値が最大値でない場合に,最大音量設定画面705を表示し続けているが,例えば,所定時間(例えば5秒)ごとに表示と非表示とを繰り返してもよい。
【0298】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,現在の設定値に基づく音量が所定値(本形態では最大値)よりも小さい場合,複数ある演出のうちプレミア演出が実行されない,すなわち現在の音量の設定値に応じてプレミア演出の実行頻度を変更しているが,変更しなくてもよい。この場合,図36中のS7714およびS7715を省略すればよい。あるいは図41中のS4513およびS4515を省略すればよい。
【0299】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1では,演出ボタン63と十字ボタン68とを用い,入力手段の違いによって,音量を最大値とするか,1段階ずつの調節とするかを区別しているが,これに限るものではない。例えば,入力操作の違いによって,音量を最大値とするか,1段階ずつの調節とするかを区別してもよい。例えば,サブ制御基板90によるスイッチデータ解析処理(図32参照)において,十字ボタン68あるいは演出ボタン63の押下が音量設定タイミング中であった場合に,その押下操作が,押下時間が短い操作(タッチ操作。第2の操作に相当)か,押下時間が長い操作(長押し操作。第1の操作に相当)か,を判断し,タッチ操作であれば1段階ずつの調節(音量調節コマンドのセット)とし,長押し操作であれば最大値とする調節(音量最大コマンドのセット)としてもよい。
【0300】
また,実施の形態のパチンコ遊技機1は,画像制御基板100がスピーカ67と接続され,画像制御用マイコン101のRAM104に現在の音量の設定値を記憶しているが,音声を出力する構成はこれに限るものではない。例えば,サブ制御基板90が音声制御基板を介してスピーカ67と接続され,演出制御用マイコン91のRAM94に音量の設定値を記憶してもよい。この場合,ディップスイッチ106に設定されている値が,任意のタイミングあるいは主電源がオンである期間中,画像制御基板100からサブ制御基板90に入力される。また,サブ制御基板90が音声制御基板を介してスピーカ67と接続され,演出制御用マイコン91のRAM94に音量の設定値を記憶する場合,ディップスイッチ106もサブ制御基板90と接続される構成であってもよい。この場合,画像制御基板100からサブ制御基板90に対して,音量に関する信号の入力は不要である。
【0301】
なお,以下に記す手段の説明では,[発明を実施するための形態]における対応する構成名や表現,図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し,本発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0302】
本明細書に開示される遊技機(パチンコ遊技機1)は,音量の設定値を記憶する記憶手段(音量記憶部109)と,前記記憶手段に記憶される前記設定値に応じた音声を出力する音声出力手段(スピーカ67)と,音量を設定する設定手段(ディップスイッチ106)と,遊技者の操作による入力を受け付ける入力手段(十字ボタン68)と,制御手段(画像制御基板100,サブ制御基板90)と,を備え,前記制御手段は,前記入力手段への入力を受け付けたことに応じて,前記設定値を変更する音量設定処理(S6204,S7442)と,待機状態中に所定の条件を満たした場合,前記設定手段によって設定された値であるハードウェア値に基づく音量が,基準値に基づく音量よりも大きいか否かを判断する判断処理(S7523)と,前記判断処理にて前記ハードウェア値に基づく音量が前記基準値に基づく音量よりも大きいと判断された場合,前記設定値を前記ハードウェア値に設定し,前記判断処理にて前記ハードウェア値に基づく音量が前記基準値に基づく音量よりも大きいと判断されなかった場合,前記設定値を前記基準値に設定する初期化処理(S7524,S7525)と,を実行することを特徴としている。
【0303】
本明細書に開示される遊技機は,待機状態中に音量を自動調節する際,遊技を楽しむことができる音量として予め規定された基準値と,ディップスイッチ等のハードウェアスイッチに代表される設定手段によって設定されたハードウェア値とのうち,音量が大きい方の値に設定することで,少なくとも基準値に基づく音量まで上げる。これにより,遊技機は,ホール内の音量が大きい状況であったとしても,遊技を十分に楽しむことが期待できる音量になる。また,少なくとも基準値に基づく音量よりも下がらないことから,遊技者が再度音量調節する手間が軽減される。
【0304】
また,前記基準値は,前記音声出力手段の最大音量であるとよい。最大音量であれば遊技を楽しめる可能性が高まる。
【0305】
また,本明細書に開示される遊技機は,表示手段(画像表示装置7)を備え,待機状態中に,前記表示手段に所定の待機画像を所定回数表示させたことを,前記所定の条件とするとよい。所定の画像が所定回数表示された場合,遊技が所定時間以上行われてない可能性が高い。そのため,次の遊技者のために音量を初期化する方が好ましい。
【0306】
また,本明細書に開示される遊技機は,前記記憶手段に記憶される情報の消去指示の入力を受け付ける消去入力手段(RAMクリアスイッチ161)を備え,前記制御手段は,前記消去入力手段への前記消去指示の入力を受け付けたことに応じて,前記記憶手段に記憶される情報を消去する消去処理(S7011)と,前記消去処理が実行された後,前記設定値に前記ハードウェア値を設定する初期音量設定処理(S7012)と,を実行するとよい。設定値が不明の場合は,ハードウェア値を採用する方が好ましい。
【0307】
なお,上記遊技機の機能を実現するための制御方法,コンピュータプログラム,および当該コンピュータプログラムを格納する,コンピュータによる読取可能な記憶媒体も,新規で有用である。
【0308】
また,実施の形態に開示されている処理は,主として主制御基板80の遊技制御用マイコン81のCPU82,サブ制御基板90の演出制御用マイコン91のCPU92,および画像制御用マイコン101のCPU102によって実行されるが,例えば,単一の制御基板による単一あるいは複数のCPUによって実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,画像制御用マイコン101の少なくとも1つにおいて複数のCPUによって実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,あるいは画像制御用マイコン101に加え,他のハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理のうち,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,あるいは画像制御用マイコン101の処理の一部を,他のマイコンが実行してもよい。つまり,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,画像制御用マイコン101,これらを包含した1つのマイコン,他のハードウェアと組み合わせ,これらすべて制御手段の一例である。また,実施の形態に開示されている処理は,その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体,または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0309】
1 パチンコ遊技機
63 演出ボタン
67 スピーカ
68 十字ボタン
7 画像表示装置
701 待機画面
705 最大音量設定画面
706 音量設定画面
80 主制御基板
81 遊技制御用マイコン
90 サブ制御基板
91 演出制御用マイコン
100 画像制御基板
101 画像制御用マイコン
106 ディップスイッチ
109 音量記憶部
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