【解決手段】遊技機1は、遊技球発射手段(発射ソレノイド181、球送りソレノイド182)による遊技球の発射を制御可能な発射制御回路(発射制御回路141)と、DC5Vの電力を供給可能な電圧変換供給手段(電源基板200)と、電圧変換供給手段から分岐部分J1までの共通電力ライン(ハーネスH1と配線RR)と、分岐部分J1から発射制御回路までの第1電力ライン(配線R1)と、分岐部分J1から人体検出手段(タッチセンサ173)までの第2電力ライン(配線R2とハーネスH2,H3,H4,H6)を備える。第1電力ライン又は第2電力ラインには、ツェナー電圧が5Vよりも大きい6.1Vに設定されているツェナーダイオードZD1が接続される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.遊技機の構造
本発明の各実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0013】
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52とガラス扉枠(前枠)53とを備えている。外枠51は、パチンコ遊技機1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。ガラス扉枠53は、内枠52の前方に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。
【0014】
遊技機枠50のうちのガラス扉枠53には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル本体170、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。またガラス扉枠53には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。またガラス扉枠53には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0015】
遊技盤2には、ハンドル本体170の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(
図7参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ29が突設されている。
【0016】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(
図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0017】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0018】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0019】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(
図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0020】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上方には、文字や図形を表した装飾部材13が配されていて、装飾部材13の後方には装飾可動体15が配されている。
【0021】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0022】
本形態では、固定入賞装置19よりも右方の遊技領域3、即ち遊技盤2の右斜め下方に、入球ユニットUN(
図2参照)が配されている。入球ユニットUNは、第1大入賞装置31と、第2大入賞装置36と、普通可変入賞装置22と、ゲート28とを主に備えていて、これら各装置31,36,22及びゲート28とがユニット化されたものである。
【0023】
図2に示すように、入球ユニットUNの右側には、普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が配されている。電チュー22は、第2始動口(可変始動口)21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後方向に進退可能な進退部材23を備え、進退部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。進退部材23は、電チューソレノイド24(
図6参照)により駆動される。そのため第2始動口21は、進退部材23が後方に退避したときにのみ遊技球が入球可能となっている。
【0024】
なお電チュー22は、前後方向に進退可能な進退部材23によって第2始動口21を開閉させるものに限られず、左右方向に可動する羽根部材によって第2始動口21を開閉させるものであっても良い。また電チューの可動部材が開状態と閉状態とをとる場合に、可動部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくても良い。
【0025】
また第2始動口21の上方には、ゲート28が配されている。ゲート28は、遊技球が上下方向に通過可能な通過領域28bを有し、通過領域28bへの遊技球の通過を検知するゲートセンサ28aを組付けている。ゲート28(通過領域28b)への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄の抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0026】
また電チュー22の左下方には、第1大入賞口(第1特別入球部)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入球手段)31が配されている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図6参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
【0027】
また電チュー22の左方、即ち第1大入賞装置31の上方には、第2大入賞口(第2特別入球部)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入球手段)36が配されている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図6参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
【0028】
より詳細には、
図3(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域(非V領域)70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aと、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aとが配されている。
【0029】
また第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材(振分手段)71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(
図6参照)とを備えている。振分部材71は、下端部を中心に回転可能に取付けられている。振分部材ソレノイド73は、通電の有無によって、振分部材71による遊技球の振り分けを切り替えるものである。
【0030】
そのため、
図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71が遊技球を特定領域39に振り分ける第1状態をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の左側面を転動して特定領域39を通過する。
【0031】
一方、
図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71が遊技球を非特定領域70に振り分ける第2状態をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71に当たることなく非特定領域70を通過する。
【0032】
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
【0033】
図1に戻り、さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
【0034】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
【0035】
また
図1および
図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類(報知手段)40が配置されている。表示器類40には、
図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留、第1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留、第2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0036】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0037】
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。
【0038】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選(大当たりの抽選)の結果に応じた特別図柄を表示するものである。大当たりに当選した場合には、例えば「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(特別報知態様)を表示する。
【0039】
また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0040】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値は、特図保留記憶部85(
図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(
図6参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(
図6参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における第1特図保留の上限数及び第2特図保留の上限数はそれぞれ4個となっている。
【0041】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0042】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0043】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
【0044】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(
図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0045】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(
図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における普図保留の上限数は4個となっている。
【0046】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0047】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
【0048】
また
図5に示すように、遊技機1の後方側には、複数の制御基板が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板80、サブ制御基板90、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107(
図5では不図示)、払出制御基板110、発射制御基板140、電源基板200がある。これら制御基板は、単独で又は複数にまとめられていて、ボックスに収納或いは覆われた状態で配置されている。主制御基板80とサブ制御基板90と画像制御基板100と音声制御基板106とランプ制御基板107は、画像表示装置7の後方側で遊技盤2に取付けられている。払出制御基板110と発射制御基板140と電源基板200は、内枠52の下側に取付けられている。
【0049】
2.遊技機の電気的構成
次に
図6及び
図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。主制御基板(遊技制御基板)80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う基板である。サブ制御基板(演出制御基板)90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う基板である。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
【0050】
主制御基板80には、
図6に示すように、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
【0051】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0052】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0053】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の進退部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
【0054】
さらに主制御基板80には、
図7に示すように、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0055】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板140が接続されている。
【0056】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行うための基板である。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。
【0057】
発射制御基板140は、遊技者によるハンドル本体170への操作に基づいて、発射ユニット180による遊技球の発射を制御可能な発射制御回路(制御IC)141(
図8参照)を備える基板である。この発射制御基板140は、発射ユニット180に接続されるとともに、中継端子板150と発射中継端子板160を介してハンドル本体170に接続されている。
【0058】
ハンドル本体(発射操作手段)170は、遊技者が回転操作可能なものであり、発射ボリューム171と発射停止スイッチ(単発スイッチ)172とタッチセンサ(タッチスイッチ)173とを備えている。発射ボリューム171は、ハンドル本体170の回転量を検出するものである。発射ボリューム171の検出信号(ハンドル本体170の回転量に基づく操作検知信号)は、発射ボリューム171から発射中継端子板160と中継端子板150とを介して発射制御基板140に出力される。
【0059】
発射停止スイッチ172は、遊技者が遊技球の発射を停止するときに押圧されるものである。発射停止スイッチ172への押圧は、後述するように、発射制御基板140の発射制御回路141で検出される。タッチセンサ173は、ハンドル本体170に露出した状態で取付けられているタッチ電極(図示省略)を備え、タッチ電極に対する人体(遊技者)の接触を検出するものである。タッチセンサ173の検出信号(タッチ電極への接触に基づく操作検知信号)は、発射中継端子板160と中継端子板150を介して発射制御基板140に出力される。
【0060】
発射ユニット180は、遊技者によるハンドル本体170の回転操作に基づいて、遊技球を遊技領域3に向けて発射するものであり、発射ソレノイド181と球送りソレノイド182とを備えている。発射ソレノイド181は、発射制御基板140(発射制御回路141)から入力される駆動信号(駆動電流)により駆動して、図示しない弾球槌を可動させるものである。弾球槌が可動すると、発射レール(図示省略)の所定位置で待機している遊技球が遊技領域3に向けて打ち込まれるようになっている。球送りソレノイド182は、発射制御基板140(発射制御回路141)から入力される駆動信号(駆動電流)により駆動して、打球供給皿61に貯留されている遊技球を1球ずつ発射レールの所定位置に送り込むものである。
【0061】
こうして遊技者がハンドル本体170を回転操作すると、発射ボリューム171がハンドル本体170の回転量に応じた検出信号を出力すると共に、タッチセンサ173がタッチ電極の接触に基づく検出信号を出力する。これら検出信号は、発射制御基板140の発射制御回路141(
図8参照)に入力され、発射制御回路141がこれら検出信号に基づいて、球送りソレノイド182及び発射ソレノイド181に駆動信号を出力する。これにより、球送りソレノイド182及び発射ソレノイド181が駆動して、ハンドル本体170の回転量に応じた強さで遊技球が遊技領域3に向けて発射されることになる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0062】
ここで遊技者が発射停止スイッチ172を押圧すると、発射制御基板140の発射制御回路141が発射停止スイッチ172への押圧を検出する。これにより、発射制御回路141が球送りソレノイド182及び発射ソレノイド181を駆動させない。よって、遊技者がハンドル本体170を回転操作していても、発射停止スイッチ172を押圧することにより、遊技球の発射が停止するようになっている。
【0063】
図6及び
図7に示すように、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0064】
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0065】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0066】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0067】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0068】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(
図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。
【0069】
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。演出ボタン検出SW63aは、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0070】
また
図6及び
図7に示すように、主制御基板80、サブ制御基板90、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、払出制御基板110、発射制御基板140等の各制御基板には、電源基板200が接続されている。なお図示を省略しているが、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、振分部材ソレノイド73、発射ソレノイド181、球送りソレノイド182等の各ソレノイドにも、電源基板200が直接的に又は制御基板や中継基板を介して接続されている。
【0071】
電源基板200は、各制御基板及び各ソレノイド等が作動するのに必要な電圧値の電力(電源)を生成し、各制御基板及び各ソレノイド等に電力を供給する基板である。具体的に、電源基板200は、遊技機1の外部から受電したAC24Vの電力を整流回路によりDC37Vの電力に変換し、DC37Vの電力の一部をレギュレータIC等の電圧変換手段によりDC12Vの電力や、DC5Vの電力に変換する。これにより、各制御基板及び各ソレノイドの作動に必要な各電力が生成されるようになっている。後述するように、DC37Vの電力は、ソレノイド(発射ソレノイド181や球送りソレノイド182等)の電源として用いられ、DC5Vの電力は、制御回路(発射制御回路141等)や各種センサ類(発射ボリューム171やタッチセンサ173等)の電源として用いられる。なおDC12Vの電力は、例えばLEDや役物駆動用モータ等の電源として用いられる。
【0072】
3.発射制御基板及びその周りの電気回路
次に
図8〜
図10に基づいて、本形態の発射制御基板140及びその周りの電気回路について説明する。先ず
図8及び
図9に基づいて、発射制御基板140の周りの電気回路について説明する。
図8に示すように、電源基板200にコネクタCN1が接続され、発射制御基板140にコネクタCN2が接続されている。これらコネクタCN1,CN2には、ハーネスH1の両端部が接続されている。ハーネスH1は、DC37Vの電力が流れる配線と、グランド(電位の基準点)となる配線と、DC5Vの電力が流れる配線と、グランドとなる配線とをまとめたものである。このハーネスH1により、DC37Vの電力とDC5Vの電力を、電源基板200から発射制御基板140へ供給することが可能である。
【0073】
また発射制御基板140にコネクタCN3が接続され、中継端子板150にコネクタCN4が接続されている。これらコネクタCN3,CN4には、ハーネスH2の両端部が接続されている。ハーネスH2は、グランドとなる配線と、発射ボリューム171の検出信号が送信される配線と、DC5Vの電力が流れる配線と、発射停止スイッチ172のNC端子(
図9参照、ノーマルクローズであるb接点)へと接続するための配線と、発射停止スイッチ172のCOM(コモン、共通)端子(
図9参照)へと接続するための配線(DC5Vの電力が流れる配線)と、タッチセンサ173の検出信号が送信される配線とをまとめたものである。このハーネスH2により、発射ボリューム171の検出信号を中継端子板150から発射制御基板140へ送信することが可能である。またDC5Vの電力を、発射制御基板140から中継端子板150へ供給することが可能である。またタッチセンサ173の検出信号を中継端子板150から発射制御基板140へ送信することが可能である。
【0074】
なお
図9に示すように、発射停止スイッチ172が押圧されると、発射停止スイッチ172のNC端子(b接点)がオープンになる。これにより、発射停止スイッチ172のNC端子に接続される配線が導通状態から非導通状態になって、発射制御基板140の発射制御回路141が、発射停止スイッチ172への押圧を検出するようになっている。
【0075】
また
図8に示すように、中継端子板150にコネクタCN5が接続され、
図9に示すように、発射中継端子板160にコネクタCN6が接続されている。これらコネクタCN5,CN6には、ハーネスH3の両端部が接続されている。ハーネスH3は、グランドとなる配線と、発射ボリューム171の検出信号が送信される配線と、DC5Vの電力が流れる配線と、発射停止スイッチ172のNC端子へと接続するための配線と、発射停止スイッチ172のCOM端子へと接続するための配線(DC5Vの電力が流れる配線)と、タッチセンサ173の検出信号が送信される配線とをまとめたものである。このハーネスH3により、発射ボリューム171の検出信号を発射中継端子板160から中継端子板150へ送信することが可能である。またDC5Vの電力を中継端子板150から発射中継端子板160へ供給することが可能である。またタッチセンサ173の検出信号を発射中継端子板160から中継端子板150へ送信することが可能である。
【0076】
また発射中継端子板160にコネクタCN7が接続され、発射ボリューム171にコネクタCN8が接続されている。これらコネクタCN7,CN8には、ハーネスH4の両端部が接続されている。ハーネスH4は、グランドとなる配線と、発射ボリューム171の検出信号が送信される配線と、DC5Vの電力が流れる配線とをまとめたものである。このハーネスH4により、発射ボリューム171の検出信号を発射ボリューム171から発射中継端子板160へ送信することが可能である。またDC5Vの電力を、発射中継端子板160から発射ボリューム171へ供給することが可能である。こうして発射ボリューム171は、DC5Vの電力が供給されることにより、ハンドル本体170の回転量を検出して、検出信号を出力できるようになっている。
【0077】
また発射中継端子板160にコネクタCN9が接続され、発射停止スイッチ172にコネクタCN10が接続されている。これらコネクタCN9,CN10には、ハーネスH5の両端部が接続されている。ハーネスH5は、発射停止スイッチ172のNC端子へと接続するための配線と、発射停止スイッチ172のCOM端子へと接続するための配線(DC5Vの電力が流れる配線)とをまとめたものである。
【0078】
また発射中継端子板160にコネクタCN11が接続され、タッチセンサ173にコネクタCN12が接続されている。これらコネクタCN11,CN12には、ハーネスH6の両端部が接続されている。ハーネスH6は、DC5Vの電力が流れる配線と、タッチセンサ173の検出信号が送信される配線と、グランドとなる配線と、後述するフレームグランドとなる配線とをまとめたものである。このハーネスH6により、DC5Vの電力を発射中継端子板160からタッチセンサ173へ供給することが可能である。またタッチセンサ173の検出信号をタッチセンサ173から発射中継端子板160へ送信することが可能である。こうしてタッチセンサ173は、DC5Vの電力が供給されることにより、タッチ電極(図示省略)に対する人体の接触を検出して、検出信号を出力できるようになっている。
【0079】
また
図9に示すように、ガラス扉枠53は、フレームグランドとなる配線H7とコネクタCN13とを介して発射中継端子板160に接続されている。そして上述したように、発射中継端子板160は、コネクタCN11とフレームグランドとなる配線とコネクタCN12を介してタッチセンサ173に接続されている。なおフレームグランドとは、機器(タッチセンサ173)を筐体(ガラス扉枠53)に接続することにより、電位の基準点を筐体の電位にするためのグランドである。そのため、遊技者がタッチセンサ173(タッチ電極)に触れたときに、静電気の放電による電流をタッチセンサ173からフレームグランドとなる配線を介してできるだけガラス扉枠53へ逃がすようになっている。
【0080】
また
図8に示すように、発射制御基板140にコネクタCN14が接続され、発射ソレノイド181にコネクタCN15が接続されている。これらコネクタCN14,CN15には、ハーネスH8の両端部が接続されている。ハーネスH8は、駆動信号(駆動電流)が送信される配線と、DC37Vの電力が流れる配線とをまとめたものである。このハーネスH8により、発射制御回路141が出力した駆動信号を発射制御基板140から発射ソレノイド181へ送信することが可能である。またDC37Vの電力を、発射制御基板140から発射ソレノイド181へ供給することが可能である。こうして発射ソレノイド181は、供給されるDC37Vの電力と送信される駆動信号によって、駆動するようになっている。
【0081】
また
図8に示すように、発射制御基板140にコネクタCN16が接続され、球送りソレノイド182にコネクタCN17が接続されている。これらコネクタCN16,CN17には、ハーネスH9の両端部が接続されている。ハーネスH9は、DC37Vが流れる配線と、駆動信号(駆動電流)が送信される配線とをまとめたものである。このハーネスH9により、DC37Bの電力を、発射制御基板140から球送りソレノイド182へ供給することが可能である。また発射制御回路141が出力した駆動信号を発射制御基板140から球送りソレノイド182へ送信することが可能である。こうして球送りソレノイド182は、供給されるDC37Vの電力と送信される駆動信号によって、駆動するようになっている。
【0082】
次に
図10に基づいて、発射制御基板140の電気回路について説明する。
図10(A)は、発射制御基板140のうちコネクタCN2側の電気回路を示していて、
図10(B)は、発射制御基板140のうちコネクタCN3側の電気回路を示している。
図10(A)に示すように、コネクタCN2は4つのピンを有し、1ピンからDC37Vの電力が供給され、2ピンがグランドGに接続され、3ピンからDC5Vの電力が供給され、4ピンがグランドGに接続されている。
【0083】
コネクタCN2の1ピンから供給されるDC37Vの電力は配線SSを通って、
図10(B)に示すように、コネクタCN16の1ピンに入力される。このコネクタCN16の1ピンから、球送りソレノイド182へDC37Vの電力が供給されることになる(
図8参照)。なおコネクタCN2の1ピンから延びる配線SSに対して、コンデンサC1が並列的に接続されている。つまり、コンデンサC1の一方側は配線SSに接続され、コンデンサC1の他方側はグランドGに接続されている。このコンデンサC1は、DC37Vの電力に含まれる高周波成分(高周波ノイズ)を除去するローパスフィルタになっている。コンデンサC1により、DC37Vの電力に含まれる高周波成分をグランドGの方へ流す(減衰させる)ことが可能である。その結果、DC37Vの電圧のブレを抑制することができ、DC37の電力を安定させることが可能となる。
【0084】
また
図10(B)に示すように、発射制御回路141から配線Xaが延びていて、配線Xaの先端がコネクタCN16の2ピンに接続されている。よって、発射制御回路141が出力した駆動信号は、配線Xa及びコネクタCN16の2ピンを通って発射ソレノイド181へ送信されることになる(
図8参照)。
【0085】
また
図10(B)に示すように、配線SSは、配線SSaへ分岐すると共に配線SSbへ分岐していて、分岐した配線SSa,SSbは発射制御回路141に接続されている。そして発射制御回路141から配線SScが延びていて、配線SScの先端がコネクタCN14の2ピンに接続されている。なお配線SSa,SSbは、図示しない発射制御回路141内で、配線SScに接続されている。
【0086】
こうして、コネクタCN2の1ピンから供給されるDC37Vの電力は、配線SSと配線SSa,SSbと配線SScを通って、コネクタCN14の2ピンに伝達される。そして、このコネクタCN14の2ピンから、発射ソレノイド181へDC37Vの電力が供給されることになる(
図8参照)。なお発射ソレノイド181では、発射制御回路141により駆動の強弱制御を行うために、DC37Vの電力を発射制御回路141に一旦供給したあと、発射制御回路141から発射ソレノイド181へ供給するようになっている。
【0087】
また
図10(B)に示すように、発射制御回路141から配線Xbが延びていて、配線Xbの先端がコネクタCN14の1ピンに接続されている。よって、発射制御回路141が出力した駆動信号は、配線Xb及びコネクタCN14の1ピンを通って発射ソレノイド181へ送信されることになる(
図8参照)。
【0088】
また
図10(A)に示すように、コネクタCN2の3ピンから配線RRが延びていて、配線RRの先端部分J1は配線R1と配線R2とに分岐している。配線RRの先端部分J1が、本発明の「分岐部分」に相当し、以下では「分岐部分J1」と呼ぶことにする。この分岐部分J1により、配線RRで流れるDC5Vの電力は、配線R1の方へ伝達されると共に、配線R2の方へ伝達される。
【0089】
配線R1には、第1フィルタ(第1ノイズ除去手段)F1が接続されている。第1フィルタF1は、2つのコイル(インダクタ)と1つのコンデンサとから構成されていて、所謂3素子型のローパスフィルタである。2つのコイルは配線R1に対して直列的に接続されていて、1つのコンデンサは配線R1に対して並列的に接続されている。つまり、コンデンサの一方側は配線R1に接続され、コンデンサの他方側はグランドGに接続されている。この第1フィルタF1は、例えば定格電流が6A、定格電圧が100V(DC)、耐電圧が250V(DC)、静電容量が約10000pFになっていて、配線R1で高周波ノイズを除去するものである。なお、第1フィルタF1は、電磁妨害を解消するためのフィルタとして、EMIフィルタともいうことができる。
【0090】
図16では、本形態における第1フィルタF1の挿入損失の周波数特性が示されている。つまり
図16では、第1フィルタF1によって信号がどのくらい減衰(除去)できるかを示していて、或る周波数に対して信号のゲイン(dB)がどのくらい減衰されるのかを把握することができる。
図16から明らかなように、100MHz付近まで周波数が大きくなるほど挿入損失が大きくなって、信号のゲインを大きく減衰できることが分かる。こうして第1フィルタF1は、高周波成分を除去することが可能なローパスフィルタであることが分かる。第1フィルタF1の効果については後述する。
【0091】
また配線R1には、コンデンサC2が並列的に接続されている。つまり、コンデンサC2の一方側は配線R1に接続され、コンデンサC2の他方側はグランドGに接続されている。コンデンサC2は、DC5Vの電力に含まれる高周波成分(高周波ノイズ)を除去するローパスフィルタとなる。このコンデンサC2により、DC5の電力に含まれる高周波成分をグランドGの方へ流すことが可能である。その結果、DC5Vの電圧のブレを抑制することができ、DC5Vの電力を安定させることが可能となる。
【0092】
また配線R1には、ツェナーダイオード(制御回路保護手段)ZD1が並列的に接続されている。つまりツェナーダイオードZD1のアノード側anがグランドGに接続され、ツェナーダイオードZD1のカソード側ksが配線R1に接続されている。ツェナーダイオードZD1は、設定されているツェナー電圧(降伏電圧)以下の電圧が印可された場合には、当該ツェナーダイオードZD1の方へ電流をほぼ流さない。しかしツェナーダイオードZD1は、ツェナー電圧よりも大きな電圧が印可された場合に、ツェナー効果によって、印可された電圧をツェナー電圧(定電圧)と等しくなるように降下させて、ツェナーダイオードZD1の方へ電流を流し易くする。
【0093】
本形態のツェナーダイオードZD1は、ツェナー電圧が5Vよりも大きい6.1Vに設定されているものである。そのため、配線R1にDC5Vの電圧が印可されているときには、ツェナー効果が生じなくて、配線R1からツェナーダイオードZD1を通ってグランドGへ電流がほぼ流れない。一方、配線R1にツェナー電圧6.1Vを超える電圧(超過電圧)が印可されたときには、ツェナー効果が生じて、配線R1からツェナーダイオードZD1を通ってグランドG1へ電流が流れ易くなる。ツェナーダイオードZD1の効果については後述する。
【0094】
そして配線R1は、
図10(B)に示すように、配線R1aと配線R1bと配線R1cとに分岐している。なお
図10(A)で配線R1に印可される電圧5Vと、
図10(B)で配線R1a,R1b,R1cに印可される電圧とが同じであることを分かり易くするために、「DC5V(A)」と示している。配線R1aと配線R1bは、発射制御回路141に接続されている。よって、配線R1に流れるDC5Vの電力は、配線R1a,R1bを通って発射制御回路141へ供給される。こうして発射制御回路141は、DC5Vの電力が供給されることにより、作動できるようになっている。
【0095】
また配線R1cは、発振回路190に接続されている。発振回路190は、出力信号の周波数が約100/60になるように出力信号を発振するものである。この発振回路190から配線R1dが延びていて、配線R1dの先端が発射制御回路141に接続されている。よって、発射制御回路141は、発振回路190から入力された出力信号に基づいて、発射ソレノイド181の駆動(駆動信号の出力)及び球送りソレノイド182の駆動を制御する。その結果、遊技者がハンドル本体170を回転操作したときに、1分間に約100発の遊技球を発射可能になっている。
【0096】
一方配線R2には、
図10(A)に示すように、第2フィルタ(第2ノイズ除去手段)F2が接続されている。第2フィルタF2は、2つのコイルと1つのコンデンサとから構成されている。2つのコイルは配線R2に対して直列的に接続されていて、1つのコンデンサは配線R2に対して並列的に接続されている。この第2フィルタF2は、上述した第1フィルタF1と同様のものであり、配線R2で高周波成分を除去することが可能なローパスフィルタである。第2フィルタF2の効果については後述する。
【0097】
そして配線R2は、
図10(B)に示すように、コネクタCN3の3ピンに接続されている。なお
図10(A)で配線R2に印可される電圧5Vと、
図10(B)で配線R2に印可される電圧5Vとが同じであることを分かり易くするために、「DC5V(B)」と示している。よって、配線R2を流れるDC5Vの電力は、発射制御回路141の方へ向かわずに、コネクタCN3を介してハンドル本体170の方へ向かうことになる(
図8及び
図9参照)。
【0098】
また発射制御回路141から配線U1が延びていて、配線U1の先端がコネクタC3の6ピンに接続されている。コネクタの6ピンは、ハーネスH2(
図8参照)のうちタッチセンサ173の検出信号が送信される配線とつながっている。よって、タッチセンサ173の検出信号は、コネクタCN3の6ピンから配線U1を介して発射制御回路141に入力される。
【0099】
この配線U1には、サージアブソーバ(サージ吸収手段)SA1が並列的に接続されている。つまり、サージアブソーバSA1の一方側は配線U1に接続され、サージアブソーバSA1の他方側はグランドGに接続されている。サージアブソーバSA1は、数百V(本形態では300V以上)のサージ電圧が印可されたときに、そのサージ電圧を吸収可能なものである。つまり、本形態のサージアブソーバSA1は、吸収可能なサージ電圧が300V以上に設定されているものである。
【0100】
具体的には、サージアブソーバSA1は、配線U1側に配されている薄膜の電極と、グランドG側に配されている薄膜の電極とを備え、これら電極がマイクロギャップを挟んで対向している。そのため、静電気の放電による高電圧(サージ電圧)がタッチセンサ173に印可されて、サージアブソーバSA1に300V以上のサージ電圧が印可されると、マイクロギャップにアーク放電が生じて、両電極間は導通状態になる。これにより、サージ電圧による電流をグランドGの方へ流して、サージ電圧を吸収することが可能である。こうしてサージアブソーバSA1により、サージ電圧による高電流が配線U1から発射制御回路141に流れ難くすることが可能であり、発射制御回路141の故障を生じ難くすることが可能である。
【0101】
次に
図11に基づいて、本出願人による従来の発射制御基板140の電気回路について説明する。なお以下では、従来の発射制御基板140の電気回路のうち、上述した本形態の発射制御基板140の電気回路(
図10参照)と異なる部分を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図11(A)に示すように、コネクタCN2の3ピンには、配線T1の一端が接続されている。そして、配線T1の他端側は、
図11(B)に示すように、配線T1aと配線T1bと配線T1cと配線T1dとに分岐している。
【0102】
配線T1aと配線T1bは、発射制御回路141に接続されていて、上述した本形態の配線R1aと配線R1b(
図10(B)参照)と実質的に同様である。配線T1cは、発振回路190に接続されていて、上述した本形態の配線R1c(
図10(B)参照)と実質的に同様である。配線T1dは、コネクタCN3の3ピンに接続されていて、上述した本形態の配線R2(
図10(B)参照)と実質的に同様である。
【0103】
続いて
図12に基づいて、従来における電源基板200と発射制御基板140と発射ユニット180とハンドル本体170との電気回路を模式的に説明する。なお
図12及び後に説明する
図13〜
図15では、DC5Vの電力が流れる配線が実線で示されている。またハンドル本体170により出力された検出信号(タッチセンサ173の検出信号)が送信される配線が、破線で示されている。また発射制御回路141により出力された駆動信号が送信される配線が、一点鎖線で示されている。
【0104】
図12に示すように、発射制御基板140の配線T1に対して第1フィルタF1が直列的に接続されている。そして、配線T1の分岐部分J2から発射制御回路141の方へ配線T1a,T1bが延び、配線T1の分岐部分J2からハンドル本体170の方へ配線T1dが延びている。
図12から明らかなように、従来の電気回路では、本形態の電気回路と異なり、分岐部分J2から発射制御回路141までの配線T1a,T1bにツェナーダイオードが接続されていない。そして配線T1a,T1bと、分岐部分J2からハンドル本体170の方へ向かう配線T1dに、高周波成分を除去可能なフィルタ(第1フィルタF1,第2フィルタF2に相当するフィルタ)が接続されていない。
【0105】
ここで
図13に基づいて、従来の電気回路の問題点について説明する。
図13に示すように、例えば遊技者がハンドル本体170を回転操作しようとする際に、遊技者に帯電した静電気による高電圧が、ハンドル本体170(特にタッチセンサ173のタッチ電極)に印可される場合が生じ得る。この場合、静電気に基づく高電圧のノイズが、検出信号を送信する配線(
図12の破線参照)を通って、発射中継端子板160と中継端子板150を介して発射制御基板140に伝達し得る。なお高電圧のノイズが発射制御基板140に伝達する場合には、上述したように遊技者に帯電した静電気が原因となる場合以外に、遊技球が合成樹脂で構成された装飾部材等とこすれることにより帯電して、遊技球に帯電した静電気が原因となる場合等がある。
【0106】
こうして高電圧のノイズが発射制御基板140に伝達されて、数百V(300V以上)の高電圧が配線U1に印可されると、サージアブソーバSA1のマイクロギャップが導通状態になる。これにより、高電圧のノイズによる高電流を発射制御回路141の方ではなく、グランドGの方へ流すことが可能である。よって、検出信号を送信する配線U1においては、発射制御回路141に高電流が流れ込むのを抑制できるようになっていた。
【0107】
しかしながら、静電気による高電圧がハンドル本体170に印可されたときに、高電圧のノイズが、DC5Vの電力が流れる配線を通って発射制御基板140に伝達する場合が有り得る。この場合、高電圧が配線T1d及びT1a,T1bに瞬間的に印可されることにより、高電流が発射制御回路141に流れ込むおそれがある。その結果、発射制御回路141に故障又は破壊が生じて、発射ユニット180を正常に駆動させることができなくなる可能性があった。なお
図17では、配線T1a,T1bを流れる高電圧のノイズのピーク部分W1を模式的に示していて、ピーク部分W1の電圧は約10Vであり、時間t1は約1nsである。また
図17では、配線T1a,T1bを流れる高電圧のノイズに含まれる高周波成分W2を模式的に示していて、時間t2は約3nsである。
【0108】
そこで本形態の電気回路では、上記した問題点に対して以下のように対処している。
図14では、本形態における電源基板200と発射制御基板140と発射ユニット180とハンドル本体170との電気回路が模式的に示されている。
図14に示すように本形態では、分岐部分J1から発射制御回路141に向かう配線R1にツェナーダイオードZD1が接続されていることに特徴がある。
【0109】
そのため、高電圧のノイズが発射制御基板140に伝達し、約10Vの電圧(
図16に示すピーク部分W1)が配線R1に瞬間的に印可されたときに、
図15に示すように、配線R1を流れる高電流を発射制御回路141の方ではなく、グランドGの方へ流すことが可能である。つまり、ツェナーダイオードZD1により、
図16に示すピーク部分W1をツェナー電圧(6.1V)にまで降下させて、高電流を発射制御回路141に流れ難くする一方、高電流をグランドGに流れ易くすることが可能である。従って、静電気による高電圧が配線R1,R2に印可されたときに、発射制御回路141に故障又は破壊を生じ難くさせることが可能である。なお本形態の電気回路においても、従来の電気回路と同様に、高電圧のノイズが検出信号を送信する配線U1に伝達されて、数百V(300V以上)の高電圧が配線U1に印可されると、サージアブソーバSA1により、発射制御回路141に高電流が流れ込むのを抑制することが可能である。
【0110】
また本形態の電気回路では、
図14に示すように、分岐部分J1から発射制御回路141に向かう配線R1に第1フィルタF1が配されている。そのため、電源基板200から供給されたDC5Vの電力が配線R1を流れるときに、第1フィルタF1により、DC5Vの電力に含まれる高周波ノイズ(高周波成分)をグランドGの方へ流す(減衰させる)ことが可能であり、高周波ノイズを除いたDC5Vの電力を発射制御回路141に供給することが可能である。更に静電気による高電圧のノイズがハンドル本体170から発射制御基板140に伝達されたときでも、第1フィルタF1により、
図16に示すような高周波成分W2を除去することが可能である。従って、発射制御回路141に供給されるDC5Vの電力を安定させることが可能であり、発射制御回路141の動作を安定させることが可能である。
【0111】
また本形態の電気回路では、
図14に示すように、分岐部分J1からハンドル本体170に向かう配線R2に第2フィルタF2が配されている。そのため、電源基板200から供給されたDC5Vの電力が配線R2を流れるときに、第2フィルタF2により、DC5Vの電力に含まれる高周波ノイズをグランドGの方へ流すことが可能であり、高周波ノイズを除いたDC5Vの電力をハンドル本体170に供給することが可能である。従って、ハンドル本体170に供給されるDC5Vの電力を安定させることが可能であり、発射ボリューム171による検出信号の出力動作やタッチセンサ173による検出信号の出力動作等を安定させることが可能である。
【0112】
また第2フィルタF2は、静電気による高電圧のノイズがハンドル本体170から発射制御基板140に伝達されたときに、配線R2の場所で、
図16に示すような高周波成分W2を除去することが可能である。従って、配線R2に配された第2フィルタF2により、静電気による電源基板200への悪影響と、静電気による発射制御回路141への悪影響との両方を抑制することが可能である。そして、ハンドル本体170から発射制御回路141に向かう高周波ノイズを第1フィルタF1と第2フィルタF2とによって2重で除去することが可能であり、発射制御回路141に対して静電気に基づく高周波ノイズをより侵入させ難くすることが可能である。
【0113】
本形態では、ハーネスH1のうちDC5Vの電力が流れる配線と、配線RRとが、本発明の「共通電力ライン」に相当する。また配線R1が本発明の「第1電力ライン」に相当する。また配線R2と、ハーネスH2,H3,H4,H6のうちDC5Vの電力が流れる配線とが本発明の「第2電力ライン」に相当する。またハーネスH2,H3,H6のうちタッチセンサ173の検出信号が送信される配線と、配線U1とが、本発明の「操作検知信号ライン」に相当する。
【0114】
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
【0115】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0116】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については
図18及び
図19に示す通りである。
図18及び
図19に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
【0117】
より具体的には、
図19に示すように、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
【0118】
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.08秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.08秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
【0119】
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(
図3(B)参照)から第1状態(
図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
【0120】
本形態のパチンコ遊技機1では、遊技制御用マイコン81が、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
【0121】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
【0122】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
【0123】
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。特図変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、普通図柄乱数(当たり乱数)および普図変動パターン乱数がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。普図変動パターン乱数は、0〜232までの範囲で値をとる。
【0124】
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図20(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0125】
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0126】
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている(
図20(C)参照)。また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなる。つまり、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
【0127】
図21に示すように、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。しかし時短状態及び非時短状態において、補助遊技における電チュー22の開放回数は共に1回である。すなわち、時短状態では電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。なお時短状態では、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしても良い。
【0128】
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
【0129】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記した複数の機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0130】
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0131】
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0132】
6.パチンコ遊技機1の動作
次に、
図22に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、
図23に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
【0133】
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、
図22に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、特別図柄の変動パターンを決めるための特図変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)、普通図柄の変動パターンを決めるための普図変動パターン乱数等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。
【0134】
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a等(
図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
【0135】
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aがONしていれば、ONした始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び特図変動パターン乱数)を取得する。また、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数及び普図変動パターン乱数を取得する。
【0136】
特別動作処理(S104)では、始動口センサ処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む特図変動開始コマンド(第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始コマンド)をRAM84の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、
図19に示す所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。
【0137】
普通動作処理(S105)では、始動口センサ処理にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この普通図柄の表示に際しては、普通図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む普図変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、
図21に示す所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
【0138】
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行い、本処理を終える。
【0139】
以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は
図23に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン91の動作について説明する。
【0140】
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、
図23に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
【0141】
受信コマンド解析処理(S1001)では、例えば演出制御用マイコン91が遊技制御用マイコン81から特図変動開始コマンドを受信していれば、変動演出パターン決定用乱数を取得する共に、特図変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択する。次に、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。そして、選択された変動演出パターンの情報を含む変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0142】
演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出など)を実行する。例えば、変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
【0143】
7.本形態の効果
本形態のパチンコ遊技機1によれば、
図14に示すように、DC5Vの電力が電源基板200から発射制御基板140の配線RRと配線R1と配線R2へ流れるとき、ツェナーダイオードZD1にDC5Vの電圧が印可される。このとき、ツェナーダイオードZD1に印可される電圧(DC5V)は、ツェナー電圧(6.1V)よりも低いため、配線R1を流れる電流はツェナーダイオードZD1を通ってグランドGの方へほぼ流れない。よって、発射制御回路141にDC5Vの電力(電流)を供給することが可能であり、発射制御回路141を正常に動作させることが可能である。
【0144】
一方、例えば帯電した遊技者がハンドル本体170に触れることにより、静電気に基づく高電圧のノイズが、ハンドル本体170から発射制御基板140の配線R2と配線R1に伝達する場合が生じ得る。この場合、ツェナーダイオードZD1に高電圧(6.1Vを超える約10Vの電圧)が印可されることにより、
図15に示すように、高電圧のノイズによる電流をグランドGの方へ流して、発射制御回路141の方へ流し難くすることが可能である。よって、発射制御回路141の故障を生じ難くさせることが可能である。
【0145】
また本形態によれば、発射制御回路141を保護するためにツェナーダイオード(制御回路保護手段)ZD1を配線R1に接続するだけであるため、制御回路保護手段を安価且つ簡易に構成することが可能である。またツェナーダイオードZD1であれば、従来から直流回路の制御回路保護手段として多く用いられているため、信頼性を高くすることが可能である。なお本出願人は、試験的にハンドル本体170に対して静電気を印可(放電)して、発射制御回路141に故障又は破壊が生じないことを実際に確認している。
【0146】
また本形態によれば、ツェナーダイオードZD1が、発射制御基板140のうち分岐部分J1から発射制御回路141の方へ延びる配線R1に接続されている。そのため、例えばツェナーダイオードZD1が分岐部分J1からハンドル本体170の方へ延びる配線R2に接続されている場合に比べて、発射制御回路141からより近い位置で高電圧のノイズを遮断することが可能である。よって、発射制御回路141に対する高電圧のノイズの遮断をより確実に行うことが可能である。
【0147】
また本形態によれば、静電気によるハンドル本体170への放電により、タッチセンサ173の検出信号が送信される配線(
図15の破線で示した配線)に印可される比較的高い電圧(例えば300V以上のサージ電圧)に対しては、サージアブソーバSA1で対応することが可能である。またDC5Vの電力が流れる配線(
図15の実線で示した配線)に印可される比較的低い電圧(例えば約10Vの電圧)に対しては、ツェナーダイオードZD1で対応することが可能である。つまり、タッチセンサ173の検出信号が送信される配線においては従来と同様にサージアブソーバSA1で発射制御回路141を保護しつつ、DC5Vの電力が流れる配線においてツェナーダイオードZD1を新たに配することにより10V程度のノイズから発射制御回路141を保護していること特徴がある。
【0148】
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0149】
<第2形態>
図24に基づいて第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、
図14に示すように、発射制御基板140のうち分岐部分J1から発射制御回路141の方へ延びる配線R1にツェナーダイオードZD1が接続されていた。しかしながら第2形態では、
図24に示すように、発射制御基板140のうち分岐部分J1からハンドル本体170の方へ延びる配線R2にツェナーダイオードZD2が接続されている。ツェナーダイオードZD2は、ツェナーダイオードZD1と同様の構成であり、ツェナー電圧が6.1Vに設定されているものである。この第2形態では、上記した第1形態と同様、静電気によってハンドル本体170から発射制御基板140に高電圧のノイズが伝達されたときに、ツェナーダイオードZD2に5Vを超える高電圧が瞬間的に印可される。これにより、高電圧のノイズによる電流をグランドGの方へ流して、発射制御回路141の故障を生じ難くさせることが可能である。
【0150】
<第3形態>
図25に基づいて第3形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、
図14に示すように、発射制御基板140にツェナーダイオードZD1が配されていた。しかしながら第3形態では、
図24に示すように、中継端子板150にツェナーダイオードZD3が配されている。ツェナーダイオードZD3は、中継端子板150のうちDC5Vの電力が流れる配線151に並列的に接続されている。このツェナーダイオードZD3も、ツェナーダイオードZD1と同様の構成であり、ツェナー電圧が6.1Vに設定されているものである。配線151の両端部は、ハーネスH2,H3のうちDC5Vの電力が流れる配線に接続されている。この第3形態では、上記した第1形態と同様、静電気によってハンドル本体170から中継端子板150に高電圧のノイズが伝達されたとき、ツェナーダイオードZD3に5Vを超える高電圧が瞬間的に印可される。これにより、高電圧のノイズによる電流をグランドGの方へ流して、発射制御回路141の故障を生じ難くさせることが可能である。
【0151】
なお上記した第3形態の説明から分かるように、ツェナーダイオードの位置は、発射制御基板140に限られるものではなく、発射制御回路141とハンドル本体170との間であって、電源基板200から供給されるDC5Vの電力が流れる配線であれば、適宜変更可能である。よって、発射中継端子板160やハンドル本体170に配されていても良い。
【0152】
<第4形態>
図26に基づいて第4形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、
図14に示すように、発射制御回路141を保護する制御回路保護手段がツェナーダイオードZD1で構成されていた。しかしながら第4形態では、制御回路保護手段がバリスタVR1で構成されている。バリスタVR1は、印可される電圧が低い場合には電気抵抗が高いものであるが、印可される電圧が或る基準電圧(バリスタ電圧)を超えると、急激に電気抵抗が低くなるものである。本形態のバリスタVR1は、バリスタ電圧が例えば数V(例えば6V)に設定されているチップ型積層バリスタであり、バリスタVR1の一方側が配線R1に接続され、バリスタVR1の他方側がグランドGに接続されている。
【0153】
この第4形態では、DC5Vの電力が電源基板200から発射制御基板140の配線RRと配線R1と配線R2へ流れるとき、バリスタV1の電気抵抗が高い。そのため、配線R1を流れる電流を、バリスタVR1を通してグランドGの方へほとんど流さずに、発射制御回路141の方へ流すことが可能である。一方、静電気によってハンドル本体170から発射制御基板140に高電圧のノイズが伝達されたとき、バリスタVR1にバリスタ電圧(6V)を超える高電圧(例えば約10V)が瞬間的に印可される。このときバリスタVR1は電気抵抗を急激に低くするため、高電圧のノイズによる電流をグランドGの方へ流し、発射制御回路141の方へ流し難くすることが可能である。よってツェナーダイオードに換えて、バリスタVR1であっても発射制御回路141の故障を生じ難くさせることが可能である。
【0154】
<第5形態>
図27に基づいて第5形態の遊技機について説明する。上記第1形態では、
図14に示すように、第2フィルタF2が配線R2に配されていた。しかしながら第5形態では、
図26に示すように、第2フィルタF2に換えて第3フィルタF3が配線RRに配されている。第3フィルタF3は、第2フィルタF2(第1フィルタF1)と同様のローパスフィルタである。そのため、電源基板200から供給されたDC5Vの電力が配線RRを流れるときに、第3フィルタF3により、DC5Vの電力に含まれる高周波ノイズ(高周波成分)をグランドGの方へ流すことが可能であり、ハンドル本体170に供給されるDC5Vの電力を安定させることが可能である。更に静電気による高電圧のノイズがハンドル本体170から発射制御基板140に伝達されたときに、第3フィルタF3により、
図17に示すような高周波成分W2を除去することが可能であり、静電気による電源基板200への悪影響を抑制することが可能である。
【0155】
<その他の変更例>
上記した各形態では、第1フィルタF1、第2フィルタF2、第3フィルタF3は、2つのコイル(インダクタ)と1つのコンデンサとから構成されている3素子型のローパスフィルタであった。しかしながら、
図28(A)に示すフィルタF4のように、1つのコイルと2つのコンデンサとから構成されている3素子型のローパスフィルタであっても良い。また
図28(B)に示すフィルタF5のように、1つのコイルと1つのコンデンサとから構成されているLC2素子型のローパスフィルタであっても良い。また
図28(C)に示すフィルタF6のように、1つのコンデンサと1つのコイルとから構成されているCL2素子型のローパスフィルタであっても良い。また
図28(D)に示すフィルタF7のように、1つのコイルから構成されているL単独のローパスフィルタであっても良い。また
図28(E)に示すフィルタF8のように、1つのコンデンサから構成されているコンデンサ単独のローパスフィルタであっても良い。なおローパスフィルタの素子数が少なくなるほど、挿入損失の周波数特性を示す線の傾き(
図16参照)が緩やかになり、高周波成分を除去(減衰)し難くなる。よって第1フィルタF1、第2フィルタF2、第3フィルタF3や、
図28(A)に示すフィルタF4のように、3素子型のローパスフィルタを用いることが好ましい。
【0156】
また上記各形態では、第1フィルタF1、第2フィルタF2、第3フィルタF3は、同様の構成のローパスフィルタであった。しかしながら、第1フィルタF1、第2フィルタF2、第3フィルタF3は異なる構成のローパスフィルタであっても良く、除去する高周波成分に応じて例えば第1フィルタF1では3素子型のローパスフィルタを用い、第2フィルタF2では2素子型のローパスフィルタを用いる等しても良い。またDC5Vの電力が流れる配線で高周波成分を除去するローパスフィルタの数は、2個に限られるものではなく、1個又は3個以上であっても良い。また第1フィルタF1、第2フィルタF2、第3フィルタF3は、
図14に示す位置や
図27に示す位置以外に配されていても良く、例えば第2フィルタF2又は第3フィルタF3を中継端子板150に配しても良い。
【0157】
また上記第1,第2,第3,第5形態では、ツェナー電圧が6.1Vに設定されているツェナーダイオードZD1,ZD2,ZD3を用いた。しかしながら、ツェナー電圧は5Vよりも高ければ適宜変更可能であり、例えばツェナー電圧が8Vに設定されているツェナーダイオードを用いても良い。但し、上述したようにサージアブソーバSA1が300V以上のサージ電圧を吸収するものであって、ツェナーダイオードZD1がサージアブソーバSA1よりも低い電圧に対応するものであることを考慮すると、ツェナー電圧は300Vよりも低いことが好ましい。特に、静電気による高電圧のノイズが発射制御基板140に伝達されたときに配線R1に印可される電圧が約10V程度であることを考慮すると、ツェナー電圧は10Vよりも低いことがより好ましい。また上記第4形態では、バリスタ電圧が6Vに設定されているバリスタVR1を用いたが、バリスタ電圧が6V以外に設定されているバリスタを用いても良い。また発射制御回路141を保護するために、配線R1及び配線R2に2個以上のツェナーダイオード又はバリスタを配していても良く、ツェナーダイオードとバリスタとを組み合わせて配しても良い。
【0158】
また上記した各形態では、配線U1でサージ電圧を吸収可能なサージ吸収手段が、マイクロギャップを利用したサージアブソーバSA1であった。しかしながら、サージ吸収手段は、バリスタ、ガスアレスタ、Si電圧素子(ツェナーダイオード)を利用したサージアブソーバであっても良い。またサージアブソーバSA1は、300V以上のサージ電圧を吸収可能なものであったが、吸収可能なサージ電圧の範囲が300V以上でない(例えば200V以上である)サージアブソーバを用いることは勿論可能である。
【0159】
また上記した各形態では、
図6に示すように、発射制御基板140と払出制御基板110とが別々の制御基板であった。しかしながら、発射制御基板と払出制御基板とが一体になっていても良く、発射制御基板と払出制御基板とが一体になっている制御基板も本発明の「発射制御基板」に相当する。
【0160】
また上記した各形態では、発射制御回路141を作動させると共に、ハンドル本体170(発射ボリューム171及びタッチセンサ173)に検出信号の出力動作をさせるために、電源基板200がDC5V(所定電圧)の電力を供給していたが、5V以外の電圧値の電力を供給していても良い。また発射ユニット180(発射ソレノイド181及び球送りソレノイド182)を駆動させるために、電源基板200がDC37Vの電力を供給していたが、37V以外の電圧値(例えば34V)の電力を供給していても良い。
【0161】
また上記した各形態では、
図5に示すように、主制御基板80、サブ制御基板90、画像制御基板100、音声制御基板106、払出制御基板110、発射制御基板140、電源基板200が配置されていたが、各制御基板の配置は適宜変更可能である。また、
図6に示すように、発射制御基板140とハンドル本体170とは、中継端子板150と発射中継端子板160とを介して接続されていたが、発射制御基板140とハンドル本体170との間の介在する中継基板は1つ又は3つ以上であっても良く、中継基板を介さないで直接的に接続されていても良い。
【0162】
また上記した各形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機として説明したが、特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機や、所謂1種2種混合機、2種タイプ(羽根物タイプの遊技機)等、他の種類の遊技機として構成しても良い。
【0163】
また上記した各形態では、
図19に示すように大入賞口を開放させたが、大入賞口の開放態様はこれらに限られなくても良い。また、
図20(A)に示す大当たり判定テーブル、
図20(B)に示すリーチ判定テーブル、
図20(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルを用いたが、これら以外の各テーブルを用いることは勿論可能である。また上記した各形態の特徴をそれぞれ組み合わせて実施することも勿論可能である。
【0164】
なお、上記した実施の形態には、以下の手段1〜5の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0165】
手段1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射可能な遊技球発射手段(発射ユニット180)と、
遊技者が操作可能な発射操作手段(ハンドル本体170)と、
前記発射操作手段への操作に応じて前記遊技球発射手段による遊技球の発射を制御可能な発射制御回路(発射制御回路141)を備える発射制御基板(発射制御基板140)と、
所定電圧(DC5V)の電力を少なくとも供給可能な電源基板(電源基板200)と、を備える遊技機において、
前記電源基板から当該電源基板と前記発射制御回路との間に設けられている分岐部分(分岐部分J1)までの共通電力ライン(ハーネスH1のうちDC5Vの電力が流れる配線と配線RR)と、
前記分岐部分から前記発射制御回路までの第1電力ライン(配線R1)と、
前記分岐部分から前記発射操作手段までの第2電力ライン(配線R2とハーネスH2,H3,H4,H6のうちDC5Vの電力が流れる配線)と、を備え、
前記共通電力ラインと前記第1電力ラインと前記第2電力ラインとは、前記電源基板から供給される所定電圧の電力を流すことが可能なものであり、
前記第1電力ラインとグランド(グランドG)との間又は前記第2電力ラインとグランドとの間に、制御回路保護手段(ツェナーダイオードZD1、バリスタVR1)が配されていて、
前記制御回路保護手段は、
当該制御回路保護手段に前記所定電圧が印可された場合には、前記発射制御回路に電流を流れ易くする一方、前記グランドに電流を流れ難くし、
当該制御回路保護手段に前記所定電圧を超える超過電圧(例えば10V)が印可された場合には、前記発射制御回路に電流を流れ難くする一方、前記グランドに電流を流れ易くすることが可能なものであることを特徴とする遊技機である。
【0166】
手段1に係る発明によれば、所定電圧の電力が電源基板から共通電力ラインと第1電力ラインと第2電力ラインへ流れるとき、制御回路保護手段に所定電圧が印可される。このとき、制御回路保護手段が電流をグランドの方へ流さないことにより、発射制御回路に所定電圧の電力(電流)を供給することが可能である。よって、発射制御回路は正常に動作することが可能である。一方、例えば帯電した遊技者が発射操作手段に触れることにより、静電気に基づく高電圧のノイズが、発射操作手段から第2電力ラインに伝達する場合が生じ得る。この場合、制御回路保護手段に高電圧(所定電圧を超える超過電圧)が印可されることより、高電圧のノイズによる電流をグランドの方へ流して、発射制御回路の方へ流し難くすることが可能である。よって、発射制御回路の故障を生じ難くさせることが可能である。
【0167】
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記制御回路保護手段は、ツェナー電圧(6.1V)が前記所定電圧よりも大きく設定されているツェナーダイオード(ツェナーダイオードZD1)を含んで構成されていて、
前記ツェナーダイオードのアノード側(アノード側as)が前記グランドに接続され、前記ツェナーダイオードのカソード側(カソード側ks)が前記第1電力ライン又は前記第2電力ラインに接続されていることを特徴とする遊技機である。
【0168】
手段2に係る発明によれば、ツェナーダイオードにより、制御回路保護手段を安価に構成することが可能である。またツェナーダイオードであれば、従来から直流回路の制御回路保護手段として多く用いられているため、信頼性を高くすることが可能である。
【0169】
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機であって、
前記分岐部分及び前記第1電力ラインは、前記発射制御基板に設けられていて、
前記ツェナーダイオードのカソード側は、前記第1電力ラインに接続されていることを特徴とする遊技機である。
【0170】
手段3に係る発明によれば、ツェナーダイオードが発射制御基板の第1電力ラインに接続されているため、ツェナーダイオードが第2電力ラインに接続されている場合に比べて、発射制御回路からより近い位置で高電圧のノイズを遮断することが可能である。よって、発射制御回路に対する高電圧のノイズの遮断をより確実に行うことが可能である。
【0171】
手段4に係る発明は、
手段2又は手段3に記載の遊技機であって、
前記発射操作手段から前記発射制御回路までの操作検知信号ライン(ハーネスH2,H3,H6のうちタッチセンサ173の検出信号が送信される配線と配線U1)とグランドとの間に、前記所定電圧よりも大きいサージ電圧(300V以上の電圧)を吸収可能なサージ吸収手段(サージアブソーバSA1)が配されていて、
前記ツェナー電圧は、前記サージ吸収手段が吸収可能に設定されているサージ電圧の下限値(300V)よりも低く設定されていることを特徴とする遊技機である。
【0172】
手段4に係る発明によれば、静電気によって発射操作手段から操作検知信号ラインに印可される比較的高い電圧(例えば数百Vのサージ電圧)に対しては、サージ吸収手段で対応することが可能である。また静電気によって発射操作手段から第2電力ライン及び第1電力ラインに印可される比較的低い電圧(例えば10Vの超過電圧)に対しては、ツェナーダイオードで対応することが可能である。
【0173】
手段5に係る発明は、
手段1乃至手段4の何れかに記載の遊技機であって、
前記第1電力ラインには、高周波ノイズを除去することが可能な第1ノイズ除去手段(第1フィルタF1)が配されていることを特徴とする遊技機である。
【0174】
手段5に係る発明によれば、第1ノイズ除去手段が、第1電力ラインで、電源基板から供給される所定電圧の電力に含まれる高周波ノイズを除去することが可能であると共に、静電気によって発射操作手段から伝達される高周波ノイズを除去することが可能である。そのため、発射制御回路に供給される電力(所定電圧)を安定させることが可能であり、発射制御回路の動作を安定させることが可能である。
【0175】
手段6に係る発明は、
手段1乃至手段5の何れかに記載の遊技機であって、
前記第2電力ラインには、高周波ノイズを除去することが可能な第2ノイズ除去手段(第2フィルタF2)が配されていることを特徴とする遊技機である。
【0176】
手段6に係る発明によれば、第2ノイズ除去手段が、第2電力ラインで、電源基板から供給される所定電圧の電力に含まれる高周波ノイズを除去することが可能である。そのため、発射操作手段に供給される電力(所定電圧)を安定させることが可能であり、発射操作手段による動作(操作検知信号の出力動作)を安定させることが可能である。また第2ノイズ除去手段が、第2電力ラインで、静電気によって発射操作手段から伝達される高周波ノイズを除去することが可能である。従って、第2ノイズ除去手段により、静電気による電源基板への悪影響と、静電気による発射制御回路への悪影響との両方を抑制することが可能である。