特開2017-222121(P2017-222121A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-222121コルゲート型不織布ボードの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222121(P2017-222121A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】コルゲート型不織布ボードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/28 20060101AFI20171124BHJP
   D06M 17/00 20060101ALI20171124BHJP
   D04H 3/018 20120101ALI20171124BHJP
   D06J 1/04 20060101ALI20171124BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   B32B3/28 C
   D06M17/00 M
   D04H3/018
   D06J1/04
   B32B5/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-120479(P2016-120479)
(22)【出願日】2016年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089152
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】木原 幸弘
【テーマコード(参考)】
3B154
4F100
4L032
4L047
【Fターム(参考)】
3B154AA07
3B154AB22
3B154AB26
3B154BA36
3B154BB02
3B154BB12
3B154BC23
3B154DA24
4F100AA21
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK41C
4F100AK42
4F100AL01
4F100BA03
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100CB00D
4F100CB00E
4F100DD12A
4F100DE01
4F100DG04A
4F100DG04B
4F100DG04C
4F100DG15A
4F100DG15B
4F100DG15C
4F100DG20A
4F100DG20B
4F100DG20C
4F100GB56
4F100GB90
4F100JA04
4F100JA06
4L032AA07
4L032AB04
4L032AC02
4L032BA06
4L032BD01
4L032BD03
4L032CA01
4L032EA03
4L047AA21
4L047AA27
4L047AB03
4L047AB09
4L047BA09
4L047DA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】厚み方向に圧縮されにくい、コルゲート型不織布ボードを製造する方法の提供。
【解決手段】横断面形状が、略Y字1の下端で上下左右に連結した

形状(以下、「略Y4形状」という。)のポリエステル長繊維で構成されてなる平坦なポリエステル不織布を製造し、平坦なポリエステル不織布にコルゲート加工を施し、コルゲートポリエステル不織布を製造し、コルゲートポリエステル不織布12の両面に、平坦ポリエステル不織布11を積層し、積層間を接着剤で接着させる、コルゲート型不織布ボードの製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)のポリエステル長繊維で構成されてなる平坦なポリエステル不織布を製造する工程と、
平坦なポリエステル不織布にコルゲート加工を施して、コルゲートポリエステル不織布を製造する工程と、
コルゲートポリエステル不織布の両面に、前記平坦なポリエステル不織布を積層し、積層間を接着剤で接着させる工程とを具備することを特徴とするコルゲート型不織布ボードの製造方法。
【請求項2】
ポリエステル長繊維が、略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維であって、該低融点ポリエステルの熱融着により、該複合型ポリエステル長繊維相互間が結合されてなる平坦なポリエステル不織布を用いる請求項1記載のコルゲート型不織布ボードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮されにくく通気性の良好なコルゲート型不織布ボードの製造方法に関し、特に、フィルター材や吸音材等として使用しうるコルゲート型不織布ボードの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、フィルター材として、種々のタイプのものが知られているが、その一つとしてコルゲート型の不織布製フィルター材が知られている(特許文献1)。コルゲート型とは、波状或いは畝状の形態であることを意味するものである。したがって、コルゲート型の不織布製フィルター材は、波状或いは畝状の形態となった不織布の両面に平坦な不織布を積層接着したものである。かかるフィルター材は、不織布が波状或いは畝状となっているため、その表面積の拡大により濾過面積が増え、好ましいものである。しかしながら、低剛性の不織布を用いた場合は、コルゲート型にすると厚み方向に圧縮されやすく、通気性が低下する。一方、高剛性の不織布を用いた場合は、不織布自体の通気性が低く、これをコルゲート型に積層すると、より通気性が低下する。このようなことから、コルゲート型の不織布製フィルター材は、適用範囲が制限されるということがあった。
【0003】
ところで、本発明者は、特殊な横断面形状を持つポリエステル不織布を開発した(特許文献2)。これは、ポリエステル長繊維を構成繊維とする不織布であって、該ポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であることを特徴とするポリエステル不織布というものである。かかるポリエステル不織布は、高剛性であるという特性を持っている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−128040号公報
【特許文献2】特開2013−76182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者が、上記ポリエステル不織布を用いて、コルゲート型不織布ボードを作成したところ、厚み方向に圧縮されにくく、通気性が低下しにくいものが得られた。したがって、本発明の課題は、厚み方向に圧縮されにくく、通気性が低下しにくいコルゲート型不織布ボードを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)のポリエステル長繊維で構成されてなる平坦なポリエステル不織布(以下、「平坦ポリエステル不織布」という。)を製造する工程と、平坦なポリエステル不織布にコルゲート加工を施して、コルゲートポリエステル不織布(以下、「コルゲートポリエステル不織布」という。)を製造する工程と、コルゲートポリエステル不織布の両面に、平坦ポリエステル不織布を積層し、積層間を接着剤で接着させる工程とを具備することを特徴とするコルゲート型不織布ボードの製造方法に関するものである。
【0007】
まず、本発明で用いられるポリエステル長繊維について説明する。このポリエステル長繊維は、その横断面形状に特徴を有するものである。この横断面形状は、図1に示すような略Y字を四個持つものである。そして、略Y字の下端1で上下左右に連結して、図2に示すような略Y4形状となっている。この略Y4形状は、四個の凹部2と八個の凸部3と四個の小凹部4とを有している。このように多数の凹部2、多数の小凹部4、多数の凸部3を持っており、嵩高性に優れているため、このポリエステル長繊維が集積されて長繊維相互間が結合していても、通気性は良好である。また、四個の凹部2の箇所に塵埃が捕捉されやすく、塵埃除去性に優れている。そして、中央の略+字部5と、略+字部5の各先端に連結された四個の略V字部6により、高剛性となっている。すなわち、六角形やY字等の単なる異形ではなく、剛性の高い略+字部5と略V字部6の組み合わせによって、より高剛性となるのである。かかるポリエステル長繊維を集積して、高剛性の平坦ポリエステル不織布を準備する。特に、ポリエステル長繊維相互間を熱融着することにより結合して、嵩高で且つ高剛性の平坦ポリエステル不織布を準備することができる。
【0008】
ポリエステル長繊維は、一種類のポリエステルからなるものでもよいが、低融点ポリエステルと高融点ポリエステルとを組み合わせるのが好ましい。すなわち、ポリエステル長繊維の横断面形状の略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型にするのが好ましい。複合型ポリエステル長繊維を集積した後、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させた後、固化させることにより、ポリエステル長繊維相互間が低融点ポリエステルによって熱融着された平坦ポリエステル不織布が得られるからである。また、平坦ポリエステル不織布を構成するポリエステル長繊維の繊度は、10デシテックス以上であるのが好ましい。繊度が10デシテックス未満になると、長繊維の剛性が低下する傾向が生じ、ひいては平坦ポリエステル不織布の剛性も低下する傾向が生じる。また、平坦ポリエステル不織布の目付は、15〜150g/m2であるのが好ましい。目付が15g/m2未満になると、平坦ポリエステル不織布の剛性が低下する傾向が生じる。目付が150g/m2を超えると、通気性が低下する傾向が生じる。なお、本発明で用いる平坦ポリエステル不織布の詳細については、上記した特許文献2に詳述されている。
【0009】
平坦ポリエステル不織布は、上記したポリエステル長繊維で構成されてなるものであり、一般的にスパンボンド法によって製造されるものである。本発明で用いる、もう一方のコルゲートポリエステル不織布は、この平坦ポリエステル不織布を用いて製造されるものである。すなわち、平坦ポリエステル不織布に、公知のコルゲート加工を施せばよい。具体的には、歯車状の一対の加熱ロールであって、噛合して回転している加熱ロール間に、平坦ポリエステル不織布を通せばよい。加熱ロールの各歯間のピッチは任意でよいが、一般的には1〜50mm程度である。また、各歯の高さも任意でよいが、一般的には0.5〜3.0mm程度である。一対の加熱ロールの温度は、ポリエステル長繊維の融点未満であり、100〜170℃程度が好ましい。コルゲートポリエステル不織布の目付も、前述した理由で、15〜150g/m2であるのが好ましい。
【0010】
前述した方法で得られたコルゲートポリエステル不織布の両面に、前述した方法で得られた平坦ポリエステル不織布を積層する。そして、平坦ポリエステル不織布とコルゲートポリエステル不織布は、接着剤によって接着され、一体化される。接着剤としては、従来公知のものが用いられる。たとえば、液状の感圧性接着剤、感熱性接着剤又は硬化性接着剤が用いられる。これらの液状接着剤を、コルゲートポリエステル不織布の波或いは畝の頂上に線状に塗布して、平坦ポリエステル不織布を積層加圧して接着すればよい。また、くもの巣状、ネット状又は粉状のホットメルト接着剤も用いることができる。これらのホットメルト接着剤は、平坦ポリエステル不織布とコルゲートポリエステル不織布の間に挟んで、加熱及び加圧して、ホットメルト接着剤を軟化又は溶融させて、両者を接着すればよい。フィルム状のホットメルト接着剤は、溶融してフィルム形態を失えば問題はないが、フィルム形態を維持している場合には、通気性が損なわれるので、フィルター材等として使用しにくくなる。本発明で用いる平坦ポリエステル不織布及びコルゲートポリエステル不織布は、高剛性であるので、低荷重の加圧であれば圧縮されることなく嵩高なまま接着することができる。
【0011】
平坦ポリエステル不織布とコルゲートポリエステル不織布の積層形態は、少なくとも三層、すなわち、コルゲートポリエステル不織布の両面に平坦ポリエステル不織布を積層した形態となっているが、三層以上の積層形態としてもよい。たとえば、平坦ポリエステル不織布/コルゲートポリエステル不織布/平坦ポリエステル不織布/コルゲートポリエステル不織布/平坦ポリエステル不織布の順に積層して五層の積層ボードとしてもよいし、さらに両ポリエステル不織布を積層して七層以上の積層ボードとしてもよい。
【0012】
以上のようにして得られたコルゲート型不織布ボードは、図3又は図4に示すように、平坦ポリエステル不織布11とコルゲートポリエステル不織布12とが積層されてなるものである。そして、両不織布11及び12間には、大きな空隙が形成されており、嵩高な状態となっている。かかるコルゲート型不織布ボードは、ボード状のまま使用してもよいし、巻回して円板状や円柱状にして使用してもよい。また、平坦ポリエステル不織布11とコルゲートポリエステル不織布12の間の大きな空隙に、活性炭粉末等の機能性材料を収納して使用してもよい。さらに、被濾過流体を、コルゲート型不織布ボードの平坦ポリエステル不織布11面に対して垂直に流入させてもよいし、平行に流入させてもよい。かかるコルゲート型不織布ボードは、フィルター材、吸音材、建築又は土木資材等として好適に使用しうるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る方法で得られたコルゲート型不織布ボードは、それを構成している平坦ポリエステル不織布及びコルゲートポリエステル不織布の両者共に、高剛性であるため、圧縮されにくく、通気性能や濾過性能等が低下しにくいという効果をも奏する。
【実施例】
【0014】
実施例1
[平坦ポリエステル不織布の製造]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタール酸(IPA)8mol%を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を得た。この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4.0質量%の酸化チタンを添加して、低融点ポリエステル樹脂を準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、図5に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル樹脂を供給し、+字部に高融点ポリエステル樹脂を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル樹脂の供給量と高融点ポリエステル樹脂の供給量の重量比は、1:2であった。
【0015】
ノズル孔から排出されたフィラメント群を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型ポリエステル長繊維の繊度が17デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型ポリエステル長繊維群を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、表面温度が213℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mm2で、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱融着装置に導入し、両ロール間の線圧30kgf/cmの条件で熱融着して、目付40g/m2の平坦ポリエステル不織布を得た。
【0016】
[コルゲートポリエステル不織布の製造]
上記方法で得られた平坦ポリエステル不織布を、120℃に加熱した一対の歯車状ロール間に通して、山間のピッチが2.6mmで、山の高さが1.5mmのコルゲートポリエステル不織布を得た。
【0017】
[コルゲート型不織布ボードの製造]
平坦ポリエステル不織布の上に、コルゲートポリエステル不織布を積層し、その上に平坦ポリエステル不織布、コルゲートポリエステル不織布及び平坦ポリエステル不織布を順に積層し、各層間は接着剤で接着して一体化させて、目付307g/m2で厚さ3.4mmのコルゲート型不織布ボードを得た。平坦ポリエステル不織布とコルゲートポリエステル不織布との接着は、コルゲートポリエステル不織布両面の山の頂上に、ビニル共重合樹脂系エマルジョン接着剤を塗布した後、前記した順序で交互に両不織布を積層し、厚み方向に5g/cm2の加重を掛けた状態で、120℃の熱処理器内に5分間放置して行った。
【0018】
実施例2
[平坦ポリエステル不織布の製造]
目付を90g/m2とする他は、実施例1と同一の方法で平坦ポリエステル不織布を得た。
[コルゲートポリエステル不織布の製造]
実施例1で得られた平坦ポリエステル不織布を、120℃に加熱した一対の歯車状ロール間に通して、山間のピッチが4.2mmで、山の高さが2.6mmのコルゲートポリエステル不織布を得た。
[コルゲート型不織布ボードの製造]
上記した平坦ポリエステル不織布及び上記したコルゲートポリエステル不織布を用いる他は、実施例1と同一の方法でコルゲート型不織布ボードを得た。このコルゲート型不織布ボードは、目付が453g/m2で厚さが5.4mmであった。
【0019】
実施例3
[平坦ポリエステル不織布の製造]
目付を90g/m2とする他は、実施例1と同一の方法で平坦ポリエステル不織布を得た。
[コルゲートポリエステル不織布の製造]
上記の方法で得られた平坦ポリエステル不織布を、120℃に加熱した一対の歯車状ロール間に通して、山間のピッチが2.6mmで、山の高さが1.6mmのコルゲートポリエステル不織布を得た。
[コルゲート型不織布ボードの製造]
上記した平坦ポリエステル不織布及び上記したコルゲートポリエステル不織布を用いる他は、実施例1と同一の方法でコルゲート型不織布ボードを得た。このコルゲート型不織布ボードは、目付が612g/m2で厚さが3.6mmであった。
【0020】
[通気性能の評価]
実施例1〜3で得られた各コルゲート型不織布ボードの通気度(cc/cm2/sec.)を測定した。通気度の測定方法は、フラジール型通気度試験機(DAIEI KAGAKUSEIKI SEISAKUSHO LTD.TEXTILE AIRPERMEABILITY TESTER 織物通気度試験機) を用い、JISL1096の「一般織物試験方法」に準拠し、傾斜型気圧計は12.7mmに固定して、平坦ポリエステル不織布面に対して垂直方向に空気を流入させて行った。なお、コルゲート型不織布ボードの側面から空気が吸い込まれるのを防ぐために、コルゲート型不織布ボードの側面をシールして測定した。その結果を表1に示した。
【0021】
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
通気度(cc/cm2/sec.)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 141
実施例2 69
実施例3 52
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0022】
[圧縮性能の評価]
実施例1〜3で得られた各コルゲート型不織布ボードの厚みの減少率(%)を測定した。この測定方法は、コルゲート型不織布ボードを直径60mmの丸形円板に挟んで、初荷重1.96kPaを掛けてコルゲート型不織布ボードの厚みを測定する。その後、荷重を0.98〜21.55kPaまで上乗せして増加させ、コルゲート型不織布ボードの厚みの減少率を求め、この結果を表2に示した。厚みの減少率(%)は、[(t0−t1)/t0]×100で算出されるものである。t0は初荷重を掛けたときのコルゲート型不織布ボードの厚みであり、t1は荷重を上乗せしたときのコルゲート型不織布ボードの厚みである。その結果を表2に示した。
[表2]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚 み の 減 少 率 (%)
──────────────────
荷重(kPa) 実施例1 実施例2 実施例3
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.96 0 0 0
2.94 0.4 0.8 0.6
3.92 0.9 1.6 1.0
6.86 2.3 1.8 2.0
9.80 3.4 2.8 2.8
10.78 3.8 3.0 3.1
11.76 4.1 3.3 3.4
13.72 4.7 3.9 3.8
16.66 5.4 4.6 4.5
23.51 10.0 6.5 5.4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0023】
[吸音性能の評価]
実施例1〜3で得られたコルゲート型不織布ボードから、直径28.7mmの検体を採取した。検体3点について、JISA1405−2伝達関数法に準拠し、日本音響エンジニアリング株式会社の垂直入射吸音率測定システムWinZacMTXで測定周波数帯域500〜5000HZの各周波数につき吸音率を測定した。そして、検体3点の吸音率の平均値を算出し、表3に示した。
[表3]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
周波数(Hz) 吸 音 率 (%)
───────────────────
実施例1 実施例2 実施例3
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
500 3.3 3.7 3.5
630 3.7 4.1 3.9
800 4.0 4.6 4.4
1000 4.4 5.2 5.0
1250 4.6 5.8 5.6
1600 4.9 7.2 6.6
2000 5.8 9.1 8.3
2500 7.7 12.8 11.7
3150 10.8 18.6 17.2
4000 14.1 26.4 24.5
5000 20.7 38.0 35.7
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0024】
表1及び表2の結果から、実施例1〜3に係る方法で得られたコルゲート型不織布ボードは、通気性に優れており、かつ荷重が厚み方向に負荷されても圧縮しにくいことが分かる。したがって、荷重が負荷された状態でも、通気性に優れており、フィルター材として好適に使用しうることが分かる。また、表3の結果から、実施例1〜3に係る方向で得られたコルゲート型不織布ボードは、音をある程度減衰させるものであり、吸音材として使用可能であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字を示した図である。
図2】本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状を示した図である。
図3】本発明の一例に係る製造方法で得られたコルゲート型不織布ボードの模式的側面図である。
図4】本発明の他の例に係る製造方法で得られたコルゲート型不織布ボードの模式的側面図である。
図5】実施例で用いた平坦ポリエステル不織布を製造するときに用いる紡糸孔の形状を示した図である。
【符号の説明】
【0026】
1 ポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字の下端
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略+字部
6 略Y4形状中の略V字部
11 平坦ポリエステル不織布
12 コルゲートポリエステル不織布
図1
図2
図3
図4
図5