特開2017-222123(P2017-222123A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2017-222123ペースト回収装置及びペースト回収方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222123(P2017-222123A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】ペースト回収装置及びペースト回収方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/40 20060101AFI20171124BHJP
   B41F 15/12 20060101ALI20171124BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   B41F15/40 B
   B41F15/12 A
   B41F15/08 303E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-120510(P2016-120510)
(22)【出願日】2016年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山岸 裕幸
【テーマコード(参考)】
2C035
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA13
2C035FA18
2C035FD01
2C035FD02
2C035FD05
2C035FD29
2C035FD42
2C035FE01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より確実にペーストを回収できるペースト回収装置を提供する。
【解決手段】第1のペースト回収装置7Aは、ペーストが供給されたマスク上を第1のスキージが摺動した後に残余のペーストを回収する装置であり、ペースト回収部が設けられた上面、及び、上面の反対側に位置し、マスクに接触可能な第1の下面端部を含む下面を有する回収板71と、第2の下面端部側における回収板の端部である第1の回収板端部の近傍を保持する保持部材73と、マスクに吸着することで第1の下面端部がマスクに接触した状態を保持する吸着部72と、を備え、第1の下面端部側における回収板の端部である第2の回収板端部は、第1の回収板端部に対して、鉛直方向に相対的に移動可能となっており、回収板は、第2の回収板端部が第1の回収板端部に対して鉛直方向に相対的に移動することで、第1の下面端部が第2の下面端部よりも上面に対して下面側に位置する姿勢となる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーストが供給された被摺動体上を摺動体が摺動した後に残余のペーストを回収するペースト回収装置であって、
ペースト回収部が設けられた第1の面、及び、前記第1の面の反対側に位置し、前記被摺動体に接触可能な一端を含む第2の面を有する回収板と、
前記第2の面の他端側における前記回収板の端部である第1の回収板端部の近傍を保持する保持部材と、
前記被摺動体に吸着することで前記第2の面の一端が前記被摺動体に接触した状態を保持する吸着手段と、を備え、
前記第2の面の一端側における前記回収板の端部である第2の回収板端部は、前記第1の回収板端部に対して、鉛直方向に相対的に移動可能となっており、
前記回収板は、前記第2の回収板端部が前記第1の回収板端部に対して鉛直方向に相対的に移動することで、前記第2の面の一端が前記第2の面の他端よりも前記第1の面に対して前記第2の面側に位置するように傾斜する姿勢となるペースト回収装置。
【請求項2】
請求項1に記載のペースト回収装置であって、
前記吸着手段は、平面視において、前記回収板の両端に設けられた吸着パッドと、
前記吸着パッドに接続され、負圧を発生させる負圧発生源と、を含むペースト回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のペースト回収装置であって、
前記吸着手段は、前記第2の面に形成された凹部と、
前記凹部に接続され、負圧を発生させる負圧発生源と、を含むペースト回収装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のペースト回収装置であって、
前記ペースト回収部を冷却する冷却手段をさらに備えたペースト回収装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載のペースト回収装置であって、
前記ペースト回収部を冷却する冷却手段をさらに備え、
前記冷却手段は、
前記第1の面上の残余のペーストに向かって開口する吹出口と、
冷媒を供給する供給手段と、
前記吹出口と前記供給手段を接続する流路と、を含み、
前記負圧発生源は、前記流路に接続されているペースト回収装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のペースト回収装置であって、
前記ペースト回収部を加熱する加熱手段をさらに備えるペースト回収装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載のペースト回収装置であって、
前記回収板と前記保持部材とは、前記鉛直方向に対して交差する方向に延在する回転軸を含む可動部を介して接続されているペースト回収装置。
【請求項8】
ペーストが供給された被摺動体上を摺動体が摺動した後に残余のペーストを回収するペースト回収方法であって、
ペースト回収部が設けられた第1の面、及び、前記第1の面の反対側に位置し、前記被摺動体に接触可能な一端を含む第2の面を有する回収板と、前記第2の面の他端側における前記回収板の端部である第1の回収板端部の近傍を保持する保持部材と、前記被摺動体に吸着することで前記第2の面の一端が前記被摺動体に接触した状態を保持する吸着手段と、を備え、前記第2の面の一端側における前記回収板の端部である第2の回収板端部は、前記第1の回収板端部に対して、鉛直方向に相対的に移動可能となっているペースト回収装置を準備する第1の工程と、
前記第2の回収板端部が前記第1の回収板端部に対して鉛直方向に相対的に移動することで、前記第2の面の一端が前記第2の面の他端よりも前記第1の面に対して前記第2の面側に位置するように傾斜する姿勢で前記回収板を配置する第2の工程と、
前記吸着手段により前記被摺動体を吸着することで、前記第2の面の一端が前記被摺動体に接した状態を保持する第3の工程と、
前記摺動体を前記被摺動体上から前記ペースト回収部上に進入させて、残余のペーストを前記ペースト回収部上に移動する第4の工程と、を備えるペースト回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト回収装置及びペースト回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷装置において、スキージの前後のストローク端であってマスクの上部にペーストを受け取るためのペースト回収スコップユニットをそれぞれ設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このスクリーン印刷装置では、スキージがマスクに接触しながらペーストを塗った状態を保ったままペースト回収スコップユニット上まで移動し、残留ペーストをスコップ上まで移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−62209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術では、ペースト回収スコップユニットがマスクの姿勢や形状に追従できずに、ペースト回収スコップユニットとマスクとの間に隙間が空いてしまい、ペーストを十分に回収することができない場合がある、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、より確実にペーストを回収できるペースト回収装置及びペースト回収方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係るペースト回収装置は、ペーストが供給された被摺動体上を摺動体が摺動した後に残余のペーストを回収する装置であり、ペースト回収部が設けられた第1の面、及び、前記第1の面の反対側に位置し、前記被摺動体に接触可能な一端を含む第2の面を有する回収板と、前記第2の面の他端側における前記回収板の端部である第1の回収板端部の近傍を保持する保持部材と、前記被摺動体に吸着することで前記第2の面の一端が前記被摺動体に接触した状態を保持する吸着手段と、を備え、前記第2の面の一端側における前記回収板の端部である第2の回収板端部は、前記第1の回収板端部に対して、鉛直方向に相対的に移動可能となっており、前記回収板は、前記第2の回収板端部が前記第1の回収板端部に対して鉛直方向に相対的に移動することで、前記第2の面の一端が前記第2の面の他端よりも前記第1の面に対して前記第2の面側に位置するように傾斜する姿勢となるペースト回収装置である。
【0007】
[2]上記発明において、前記吸着手段は、平面視において、前記回収板の両端に設けられた吸着パッドと、前記吸着パッドに接続され、負圧を発生させる負圧発生源と、を含んでもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記吸着手段は、前記第2の面に形成された凹部と、前記凹部に接続され、負圧を発生させる負圧発生源と、を含んでもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記ペースト回収部を冷却する冷却手段をさらに備えてもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記ペースト回収部を冷却する冷却手段をさらに備え、前記冷却手段は、前記第1の面上の残余のペーストに向かって開口する吹出口と、冷媒を供給する供給手段と、前記吹出口と前記供給手段を接続する流路と、を含み、前記負圧発生源は、前記流路に接続されていてもよい。
【0011】
[6]上記発明において、前記第1の面上の残余のペーストを加熱する加熱手段をさらに備えてもよい。
【0012】
[7]上記発明において、前記回収板と前記保持部材とは、前記鉛直方向に対して交差する方向に延在する回転軸を含む可動部を介して接続されていてもよい。
【0013】
[8]本発明に係るペースト回収方法は、ペーストが供給された被摺動体上を摺動体が摺動した後に残余のペーストを回収する方法であり、ペースト回収部が設けられた第1の面、及び、前記第1の面の反対側に位置し、前記被摺動体に接触可能な一端を含む第2の面を有する回収板と、前記第2の面の他端側における前記回収板の端部である第1の回収板端部の近傍を保持する保持部材と、前記被摺動体に吸着することで前記第2の面の一端が前記被摺動体に接触した状態を保持する吸着手段と、を備え、前記第2の面の一端側における前記回収板の端部である第2の回収板端部は、前記第1の回収板端部に対して、鉛直方向に相対的に移動可能となっているペースト回収装置を準備する第1の工程と、前記第2の回収板端部が前記第1の回収板端部に対して鉛直方向に相対的に移動することで、前記第2の面の一端が前記第2の面の他端よりも前記第1の面に対して前記第2の面側に位置するように傾斜する姿勢で前記回収板を配置する第2の工程と、前記吸着手段により前記被摺動体を吸着することで、前記第2の面の一端が前記被摺動体に接した状態を保持する第3の工程と、前記摺動体を前記被摺動体上から前記ペースト回収部上に進入させて、残余のペーストを前記ペースト回収部上に移動する第4の工程と、を備えるペースト回収方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被摺動体と回収板との間に隙間が生じ難くなるため、より確実にペーストを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置を示す分解斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る第1のペースト回収装置を示す斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施の形態に係る第1のペースト回収装置を示す分解斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施の形態に係る回収板を上方から視た斜視図である。
図6図6は、本発明の一実施の形態に係る回収板を下方から視た斜視図である。
図7図7は、図3のVII-VII線に沿った断面図である。
図8図8は、図3のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図9は、図3のIX部の部分拡大図である。
図10図10(A)及び図10(B)は、本発明の一実施の形態に係る第2の可動部の動作を説明するための図である。
図11図11(A)及び図11(B)は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置の動作(その1)を説明するための断面図である。
図12図12は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置の動作(その2)を説明するための断面図である。
図13図13(A)及び図13(B)は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置の動作(その3)を説明するための断面図である。
図14図14(A)及び図14(B)は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置の動作(その4)を説明するための断面図である。
図15図15(A)〜図15(C)は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置の動作(その5)を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る印刷装置を示す斜視図、図2は本発明の一実施の形態に係る印刷装置を示す分解斜視図である。
【0018】
図1に示す印刷装置1は、スクリーン印刷法を用いて所定のパターン140(図13(A)参照)を形成するためのパターン形成装置である。この印刷装置1は、マスク100上に供給されたペースト130をスキージ4によりマスク100の貫通孔101(図13(A)参照)に対して押し込み通過させることで基材120(図13(A)参照)上にパターン140を形成する。ペーストを構成する材料としては、特に限定されないが例えば、半田や銀や銅などの導電性材料に、熱硬化性樹脂等の樹脂材料や溶媒が含まれる。基材120としては、特に限定されないが例えば、ガラスエポキシ樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate,PET)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene naphthalate,PEN)、ポリイミド(Polyimide,PI)等の材料からなるフレキシブル基板や、導電性材料の周りを樹脂で被覆したフラットケーブル等が挙げられる。本実施形態における「ペースト130」が本発明における「ペースト」の一例に相当する。
【0019】
この印刷装置1は、図1及び図2に示すように、ステージ2と、スキージヘッド3と、第1のスキージ4Aと、第2のスキージ4Bと、第1の移動部51と、第2の移動部52と、ディスペンサ6と、第1のペースト回収装置7Aと、第2のペースト回収装置7Bと、を備えている。以下の説明では、必要に応じて、「第1のスキージ4A」及び「第2のスキージ4B」を「スキージ4」と総称する。本実施形態における「スキージ4」が本発明における「摺動体」の一例に相当する。
【0020】
ステージ2は、基材120を載置できる保持面21を有している。保持面21には、特に図示しない複数の吸引口が開口しており、基材120を吸着保持することが可能となっている。基材120を保持機構としては、特に上述に限定されない。ステージ2には、ステージ2を鉛直方向に沿って上下方向に移動させる第1の移動部51が接続されている。第1の移動部51としては、特に限定されないが例えば、モータ等を用いたラックアンドピニオンギア機構等を用いることができる。
【0021】
マスク100が張設されるマスク用枠体110は、ステージ2に対して相対的な位置が維持されるように装置フレーム(不図示)等に固定されている。マスク用枠体110は、矩形状の枠であり、その中央には、マスク100の形状に対応する開口部が形成されている。
【0022】
マスク100は、ステージ2とスキージ4の間に配置されている。マスク100は、面方向から加わる押圧力によって変形可能な程度の剛性を有している。マスク100には、所定のパターン140に対応するように配置された複数の貫通孔101(図13(A)参照)が形成されている。本実施形態における「マスク100」が本発明における「被摺動体」の一例に相当する。
【0023】
ステージ2と対向するように第1のスキージ4A及び第2のスキージ4Bが配置されている。第1のスキージ4A及び第2のスキージ4Bは、幅方向(平面視においてスキージ4の摺動方向に対して直交する方向)において長尺なへら状の部材である。第1のスキージ4Aは、マスク100上を+X方向に向かって摺動し、ペースト130の押込み・掻き取り動作を実行する場合に用いられる。第2のスキージ4Bは、マスク100上を−X方向(第1のスキージ4Aの摺動方向とは反対方向)に向かって摺動し、ペースト130の押込み・掻き取り動作を実行する場合に用いられる。
【0024】
第1のスキージ4A及び第2のスキージ4Bは、一つのスキージヘッド3に搭載されている。スキージヘッド3は、第1のスキージ4A及び第2のスキージ4Bのそれぞれを独立して上下動させる機能を有する。第1のスキージ4Aによる押し込み・掻き取り動作を実行する場合には、第1のスキージ4Aを下降させて、第1のスキージ4Aを第2のスキージ4Bに対してマスク100に接近する側に突出させる。第2のスキージ4Bによる押し込み・掻き取り動作を実行する場合には、第2のスキージ4Bを下降させて、第2のスキージ4Bを第1のスキージ4Aに対してマスク100に接近する側に突出させる。
【0025】
スキージヘッド3は、軸部521を介して第2の移動部52に接続されている。第2の移動部52は、スキージヘッド3を鉛直方向に沿って上下方向(Z方向)に移動させる移動機構を有する。また、第2の移動部52は、スキージヘッド3を軸部521の延在方向(X方向)に沿って移動させる移動機構を有する。第2の移動部52としては、特に限定されないが例えば、モータ等を用いたラックアンドピニオンギア機構等を用いることができる。
【0026】
第2の移動部52によりスキージヘッド3を下降させ、スキージ4とマスク100とを接触させた状態で、スキージ4の摺動の開始位置から終了位置に向けて水平方向に移動させることで、スキージ4の動作範囲において、マスク100への押込み・掻き取りが実行される。これにより、基材120にマスク100の貫通孔101の配置に対応する所定のパターン140が形成される(例えば、図16(A)参照)。なお、パターン140を形成した後、パターン140の形成に寄与しなかった残余のペースト130は、スキージ4によって、スキージ4の摺動の終了位置まで移動される。
【0027】
本実施形態の印刷装置1は相互に反対方向に摺動する2つのスキージ4A,4Bを有するが、この場合、第1のスキージ4Aの摺動の終了位置と、第2のスキージ4Bの摺動の開始位置とは、実質的に一致する。また、第2のスキージ4Bの摺動の終了位置と、第1のスキージ4Aの摺動の開始位置とは、実質的に一致する。
【0028】
なお、スキージ4とマスク100との相対的な移動が可能であれば、第2の移動部52は特に上述に限定されない。例えば、特に図示しないが、移動機構によりマスク100がスキージ4に対して水平移動してもよい。または、スキージ4及びマスク100のそれぞれに移動機構を設け、これらの移動機構の同期駆動下において、スキージ4及びマスク100を相対的に水平移動させてもよい。
【0029】
ディスペンサ6は、図1及び図2に示すように、ペースト130を供給するための装置である。ディスペンサ6は、マスク100を基準にしてスキージ4と同じ側に配置されており、マスク100上にペースト130を供給する機能を有する。
【0030】
図3は本発明の一実施の形態に係る第1のペースト回収装置を示す斜視図、図4は本発明の一実施の形態に係る第1のペースト回収装置を示す分解斜視図、図5は本発明の一実施の形態に係る回収板を上方から視た斜視図、図6は本発明の一実施の形態に係る回収板を下方から視た斜視図、図7図3のVII-VII線に沿った断面図、図8図3のVIII-VIII線に沿った断面図、
図9図3のIX部の部分拡大図である。
【0031】
第1のペースト回収装置7A及び第2のペースト回収装置7Bは、スキージ4がマスク100上を摺動することで、基材120上にペースト130による所定のパターン140が形成された後、マスク100上に残余するペースト130を回収するための装置である。第1のペースト回収装置7Aは、第1のスキージ4Aに対応して設けられ、第2のペースト回収装置7Bは、第2のスキージ4Bに対応して設けられている。第2のペースト回収装置7Bは、第1のペースト回収装置7Aに対して鏡対称に配置されている点で第1のペースト回収装置7Aと相違するが、基本的な構成は第1のペースト回収装置7Aと同様である。したがって、以下の説明では、第1のペースト回収装置7Aについて詳細に説明し、第2のペースト回収装置7Bについては、繰り返しの説明を省略して、第1のペースト回収装置7Aでした説明の内容を援用する。本実施形態における「第1のペースト回収装置7A」及び「第2のペースト回収装置7B」が本発明における「ペースト回収装置」の一例に相当する。
【0032】
第1のペースト回収装置7Aは、図3及び図4に示すように、枠部70と、回収板71と、吸着部72と、保持部材73と、第1の可動部74と、第2の可動部75と、冷却部76と、加熱部77とを備えている。本実施形態における「回収板71」が本発明における「回収板」の一例に相当し、本実施形態における「吸着部72」が本発明における「吸着手段」の一例に相当し、本実施形態における「保持部材73」が本発明における「保持部材」の一例に相当し、本実施形態における「冷却部76」が本発明における「冷却手段」の一例に相当し、本実施形態における「加熱部77」が本発明における「加熱手段」の一例に相当し、本実施形態における「第1の可動部74」が本発明における「可動手段」の一例に相当する。
【0033】
枠部70は、図2に示すように、マスク用枠体110に取り付けられており、マスク用枠体110の開口部の内部に配置された矩形状の枠である。この枠部70は、スキージ4の動作範囲に対応して開口する開口部を有している。本実施形態では、第1のペースト回収装置7Aと第2のペースト回収装置7Bとは、共通の枠部70を有している。
【0034】
回収板71は、図3図6に示すように、平面視において略矩形の板状部材である。回収板71は、枠部70の開口部の内部に配置されている。この回収板71は、第1のスキージ4Aの動作範囲の一部と重複するように配置されており、具体的には、その一部が第1のスキージ4Aの摺動の終了位置上となるように配置されている。本実施形態の回収板71は、側方から視た場合に、直線状となっている。なお、回収板71は、側方から視た場合に、曲線状であってもよい。
【0035】
このような回収板71を構成する材料としては、マスク100との密着性を確保する観点から、弾性に富んだ材料を用いるがことが好ましい。特に限定されないが例えば、ばね鋼やシリコーンゴム等を用いることができる。
【0036】
この回収板71は、第1の回収板端部7101と、第2の回収板端部7102とを有している。第1の回収板端部7101及び第2の回収板端部7102は、第1のスキージ4Aの摺動方向における回収板71の端部である。第1の回収板端部7101の長さ及び第2の回収板端部7102の長さは、スキージ4の幅よりも大きくなっている。本実施形態における「第1の回収板端部7101」が本発明における「第1の回収板端部」の一例に相当し、本実施形態における「第2の回収板端部7102」が本発明における「第2の回収板端部」の一例に相当する。
【0037】
回収板71の上面711は、回収板71の主面のうち回収板71を基準にしてスキージ4側に位置する主面である。上面711は、第1のスキージ4Aと接触可能となっており、本実施形態では、回収板71の第2の回収板端部7102の側から第1のスキージ4Aが乗り上がることができるようになっている。この上面711には、第1のスキージ4Aにより移動された残余のペーストを回収するペースト回収部7111が設けられている。このペースト回収部7111は、第1のスキージ4Aが乗り上がる部分に対応して形成されており、具体的には、第1のスキージ4Aの幅以上の幅を有し、回収板71の第2の回収板端部7102の略中央に対応して形成されている。
【0038】
このペースト回収部7111は、図6に示すように、当該ペースト回収部7111上に第1のスキージ4Aを案内し易くするため、第2の回収板端部7102に向かうに従い回収板70の厚みが漸次的に減少するように傾斜して形成されている。ペースト回収部7111が傾斜して形成されていることで、回収板71とマスク100との間に段差が形成され難くなり、第1のスキージ4Aを上面711上に滑らかに案内することができる。本実施形態における「上面711」が本発明における「第1の面」の一例に相当する。
【0039】
回収板71の下面712は、回収板71の主面のうち回収板71を基準にしてステージ2側(マスク100側)に位置する上面711の反対側の主面である。この下面712は、図6に示すように、略平坦に形成されている。下面712は、図6図8に示すように、第1の下面端部7121と、第2の下面端部7122とを有している。詳細は後述するが、第1の下面端部7121は、マスク100と接触可能となっている。
【0040】
なお、回収板71の第1の回収板端部7101は、第2の下面端部7121側に位置している。また、回収板71の第2の回収板端部7102は、第1の下面端部7122側に位置している。本実施形態における「下面712」が本発明における「第2の面」の一例に相当し、本実施形態における「第1の下面端部7121」が本発明における「第2の面の一端」の一例に相当し、本実施形態における「第2の下面端部7122」が本発明における「第2の面の他端」の一例に相当する。
【0041】
吸着部72は、図3図4、及び図8に示すように、マスク100に吸着することで第1の下面端部7121がマスク100に接触した状態を保持する機能を有する。吸着部72は、吸着パッド721と、凹部722と、負圧発生源723と、を含んでいる。本実施形態における「吸着パッド721」が本発明における「吸着パッド」の一例に相当し、本実施形態における「凹部722」が本発明における「凹部」の一例に相当し、本実施形態における「負圧発生源723」が本発明における「負圧発生源」の一例に相当する。
【0042】
吸着パッド721は、図3及び図4に示すように、回収板71の両端(具体的には、長辺7101の両端)に対応して設けられている。吸着パッド721は、図8に示すように、回収板71の両端に形成された回収板71を厚さ方向に貫通する複数の取付穴713(本実施形態では、2つ)に嵌め込まれている。回収板71の上面711には、吸着パッド721を内部に収容し、吸着パッド721を外部から保護するカバー7211が取り付けられている。吸着パッド721は、全体として回収板71の厚さ方向に延在し、下側に向かうに従い漸次的に拡径する円錐台形状を有している。吸着パッド721は、配管Fを介して負圧発生源723に接続されている。吸着パッド721の下面には、下側(マスク100側)に開口する吸着口7212が形成されている。なお、図5においては、配管Fを二点鎖線により表示しているが、実際は、吸着パッド721と負圧発生源723との間に配管が布設されている。
【0043】
吸着パッド721は、回収板71の姿勢及びマスク100の形状に応じて変形可能な材料により構成されている。このような吸着パッド721を構成する材料としては、特に限定されないが例えば、公知のゴム材料が含まれる。
【0044】
凹部722は、図6及び図7に示すように、下面712に設けられた、下面712上で開口する略矩形の断面形状を有する直線状の溝部である。複数の凹部722は、相互に並列されている。凹部722は、第1の下面端部7121の近傍に、第1の下面端部7121に沿って延在するように形成されている。凹部722は、上面711上に第1のスキージ4Aが進入する領域に対応するように形成されており、平面視において、第1のスキージ4Aの動作範囲と重複するように形成されている。図6の部分拡大図に示すように、凹部722の両方の端部は閉塞している。なお、凹部722は、直線状の溝に限らず、曲線状の溝であってもよい。また、凹部722は、溝に限定されず、半球形状の凹部であってもよいし、円柱形状の凹部であってもよい。
【0045】
それぞれの凹部722は、その一端近傍で貫通孔7221と連通している。貫通孔7221は、一端が上面711で開口し、他端が凹部722内で開口する回収板71の厚み方向に沿って回収板71を貫通する貫通孔である。貫通孔7221の一端は、配管F3を介して負圧発生源723に接続されている。結果として、凹部722は、貫通孔7221及び配管F3を介して負圧発生源と接続している。これにより、負圧発生源723が作動すると、配管F3及び貫通孔7221を介して、凹部722の内部を負圧とすることができる。なお、図4においては、配管Fを二点鎖線により表示しているが、実際は、貫通孔7221と負圧発生源723との間に配管が布設されている。
【0046】
負圧発生源723は、図4に示すように、配管Fを介して供給部767から吹出口761に冷媒が供給されることにより負圧を発生させている。このような負圧発生源723としては、特に限定されないが例えば、配管F上に設けられる真空エジェクタを用いることができる。なお、図4においては、配管Fを二点鎖線により表示しているが、実際は、吹出口761と供給部767の間(具体的には、供給部767と負圧発生源722の吸入口との間、及び、負圧発生源723の吐出口と吹出口761との間)に配管が布設されている。
【0047】
保持部材73は、図7及び図8に示すように、回収板71の第1の回収板端部7101の近傍を保持している。この保持部材73は、図3及び図4に示すように、板状の部材であり、枠部70の開口部の内部に配置されている。保持部材73の外形を構成する1辺の略中央部分には、平面視において、回収板71を配置可能な大きさを有する切欠き731が形成されている。この切欠き731の内部に回収板71が配置されている。保持部材73を構成する材料としては、特に限定されないが例えば、アルミ合金やステンレス(SUS)等が含まれる。
【0048】
図9に示すように、回収板71と保持部材73とは、複数の第1の可動部74(本実施形態では、2つ)を介して接続されている。この第1の可動部74は、2つのヒンジブラケット741,742と、回転軸であるヒンジピン743とを含むヒンジである。ヒンジブラケット741は、回収板71の第1の回収板端部7101の近傍にボルトを介して取り付けられ、ヒンジブラケット742は、保持部材73にボルトを介して取り付けられている。ヒンジピン743は、2つのヒンジブラケット741,742の3つの孔に挿通され、カシメや圧入によって固定されている。ヒンジピン743は、鉛直方向に対して交差する方向(本実施形態では、直交する方向)に延在している。ヒンジブラケット741,742は、ヒンジピン743を中心に回転可能に連結されている。
【0049】
回収板71は、第1の可動部74を介して保持部材73に接続されることで、ヒンジピン743を中心に回転可能となっている。これにより、回収板71の第2の回収板端部7102が、第1の回収板端部7101に対して、鉛直方向(図中Z方向)に相対的に移動可能となっている。
【0050】
図9に示すように、保持部材73と枠部70とは、複数の第2の可動部75(本実施形態では、4つ)を介して連結されている。保持部材73は、上下方向に移動自在となるように枠部70から垂設されている。
【0051】
この第2の可動部75は、リニアシャフト751と、リニアブッシュ752とを含んでいる。リニアシャフト751は、リニアブッシュ752の拘束孔753内を鉛直方向に沿って上下動する移動子である。リニアシャフト751は、ブラケットを介して枠部70に固定されている。リニアブッシュ752は、保持部材73に取り付けられている。リニアブッシュ752は、リニアシャフト752が挿通可能な鉛直方向に沿って延在する拘束孔753を有している。拘束孔753の内面には、リニアシャフト751を滑らかに上下動させるためのガイドボール(不図示)が設けられている。
【0052】
第2の可動部75は、保持部材73(回収板71)の姿勢をマスク100の姿勢や形状に追従させるために設けられている。例えば、図10(A)及び図10(B)に示すように、傾斜した姿勢のマスク100とペースト回収装置7Aとが接触した場合、複数の第2の可動部75のそれぞれが独立して上下動することで、マスク100の姿勢に応じて保持部材73の姿勢が調整される。保持部材73の姿勢をマスク100の姿勢に追従させることで、マスク100と回収板71(第1の下面端部7121)との接触状態が保持され易くなる。
【0053】
冷却部76は、ペースト回収部7111を冷却する機能を有する。この冷却部76は、ペースト回収部7111に向けた冷却を行うことで、当該ペースト回収部7111上の残余のペースト130を冷却し、ペースト130の表面の流動性を低下させる程度(ペースト130の表面を硬化させる程度)の冷却能力を有する。例えば、スキージ4の長さが300mmである場合、−5〜10℃の冷媒を100〜600L/min程度で吹き出すことができる程度の冷却能力を有する。
【0054】
この冷却部76は、図4に示すように、吹出口761と、冷媒を供給する供給部767と、吹出口761と供給部767とを接続する配管Fと、を含んでいる。本実施形態における「吹出口761」が本発明における「吹出口」の一例に相当し、本実施形態における「供給部767」が本発明における「供給手段」の一例に相当し、本実施形態における「配管F」が本発明における「流路」の一例に相当する。
【0055】
吹出口761は、図4及び図7に示すように、第1の傾斜部7111に向けて開口しており、ペースト回収部7111に向けて冷媒を吹き付けることができる。吹出口761は、回収板71の上面711と吹出口形成部762とにより構成されている。吹出口形成部762は、回収板71の上面711に設けられている。吹出口形成部762は、回収板71の上面711と略平行に延在する矩形状の主部763と、主部763の3辺に対応して設けられた璧状部764と、主部763の残余の1辺に対応して設けられた規制部765と、を有している。
【0056】
主部763は、回収板71の上面711と離間して配置されている。上面711と主部763との間には、冷媒が流れる流路が形成される。璧状部764は、主部763から回収板71側に向けて起立している。壁状部764は、回収板71の上面711と接触しており、回収板71の上面711と主部763との間から冷媒が漏れ出るのを防いでいる。規制部765は、上面711と離間して配置されている。これにより、規制部765と上面711との間には、開口766が形成され、この開口766から冷媒が吹き出すことができる。また、規制部765は、冷媒の吹出方向を規制しており、冷媒の風向をペースト回収部7111に向かう方向に偏向させている。具体的には、この規制部765は、側方から視た場合に、主部763から離れるに従い上面711に接近するように傾斜している。なお、本実施形態では、吹出口761から吹き出す冷媒の風向をペースト回収部7111に向かう方向に偏向し易くするため、回収板71の上面711を規制部765の延在方向と略平行に延在するように傾斜させている。
【0057】
吹出口形成部762を構成する材料としては、冷却部76を動作させたときに、吹出口形成部762の表面に結露が生じるのを抑えるため、断熱性を有する材料を用いることが好ましい。吹出口形成部762を構成する材料としては、特に限定されないが例えば、ウレタン、ポリエチレン(Polyethylene,PE)、ポリオキシメチレン(Polyoxymethylene,POM)等の樹脂材料や、発泡樹脂材料等が含まれる。
【0058】
供給部767は、冷媒を生成し、吹出口761に冷媒を供給する機能を有する。供給部767としては、例えば、冷凍式エアドライヤや吸着式エアドライヤ等の公知のエアドライヤ等を用いる。冷媒としては、乾燥した冷却空気を用いることが好ましい。
【0059】
冷却部76は、吹出口761から常時冷媒を吹き出していてもよいし、残余のペースト130が回収されたタイミングに合わせて冷媒を吹き出してもよい。なお、冷却部76は、特に上述に限定されず、例えばペルチェ素子等を用いた冷却手段であってもよい。
【0060】
加熱部77は、図3及び図4に示すように、上面711と対向するように配置されている。加熱部77は、回収板71との相対的に位置関係が維持されるように、特に図示しない装置フレーム等に固定されている。この加熱部77は、冷却された残余のペースト130を再度利用する際に、ペースト130を常温まで加熱する機能を有する熱源である。本実施形態では、加熱部77は、ペースト回収部7111に向けて熱エネルギを照射している。このような加熱部77としては、例えば、ヒータ、赤外線ランプ、温風供給装置等を用いる。
【0061】
次に、本実施形態のペースト回収装置7によるペースト回収方法及びその作用について説明する。
【0062】
本実施形態における印刷装置1の動作について説明する。図11(A)、図11(B)、 図12図13(A)、図13(B)、図14(A)、図14(B)、及び図15(A)〜図15(C)は本発明の一実施の形態に係る印刷装置の動作を説明するための断面図である。
【0063】
まず、マスク100が張設されたマスク用枠体110を準備する。マスク用枠体110を、印刷装置1の装置フレーム(不図示)等に取り付ける。第1のペースト回収装置7A及び第2のペースト回収装置7Bを準備する(第1の工程)。そして、第1のペースト回収装置7A及び第2のペースト回収装置7Bをマスク用枠体110に取り付ける。そして、ステージ2上に基材120を載置し、第1の移動部51によりステージ2を上昇させる。基材120とマスク100との距離が所定の距離となったら、第1の移動部51を停止して、ステージ2を待機させる。
【0064】
ここで、本実施形態の回収板71では、第2の回収板端部7102は、第1の回収板端部7101に対して、鉛直方向に相対的に移動可能となっている。この場合、図11(A)及び図11(B)に示すように、第1のペースト回収装置7Aをマスク用枠体110に取り付けたとき、第1の下面端部7121がマスク100の上面と接触すると、ヒンジピン743を中心に回収板71が回転して、第2の回収板端部7102が、第1の回収板端部7101に対して、鉛直方向上側に向かって相対的に移動する。これにより、回収板71は、第1の下面端部7121が第2の下面端部7122よりも、上面711に対して下面712側に位置するように傾斜する姿勢で配置される(第2の工程)。
【0065】
このとき、第1の下面端部7121は、マスク100と接触した状態となり、第2の下面端部7122は、マスク100の上面と離間しており、マスク100と非接触な状態となっている。回収板71が上記の姿勢となることで、回収板71のうち第1の端部7121の近傍のみがマスク100と接触した状態となるので、第1の下面端部7121をマスク100に密着させることが可能となる。
【0066】
図12に示すように、吸着部72がマスク100に吸着することで、第1の下面端部7121がマスク100に接触した状態を保持する(第3の工程)。吸着部72のうち吸着パッド721は、回収板71及びマスク100の姿勢やマスク100の形状に応じて変形できる柔軟な材料により構成されており、回収板71とマスク100の接触状態に応じて吸着パッド721が変形する。これにより、吸着口7212がマスク100と密着し易くなり、第1の下面端部7121とマスク100との接触状態が保持され易くなる。
【0067】
また、回収板71の下面712に形成された凹部722には、負圧発生源723が接続されている。この負圧発生源723により凹部722とマスク100との間を負圧にすることで、回収板71をマスク100に吸着させることができる。これにより、第1の下面端部7121とマスク100との接触状態がさらに保持され易くなる。
【0068】
ここで、回収板71は、弾性に富んだ材料により構成されている。このため、吸着部72を動作させたときに、回収板71がマスク100の形状等に応じて変形することができるので、第1の下面端部7121とマスク100との接触状態がさらに保持され易くなる。
【0069】
次に、ディスペンサ6によりマスク100上にペースト130を供給する。第1のスキージ4Aが突出した状態で、第2の移動部52によりスキージヘッド3を下降させて、第1のスキージ4Aとマスク100とを接触させる。これにより、第1のスキージ4Aからの押圧力を受けて、マスク100が基材120と接触する程度に下方に撓み変形する。そして、図13(A)に示すように、第2の移動部52を動作させて、第1のスキージ4Aを+X方向に沿ってマスク100上を摺動させる。第1のスキージ4Aからの押圧力により、マスク100の貫通孔101をペースト130が通過し、基材120上に付着する。これにより、基材120上に所定のパターン140が形成される。
【0070】
この場合、スキージ4がマスク100上を摺動することで、マスク100の撓み変形の程度が変化する。これに対し、本実施形態の回収板71は、第1の可動部74を介して、保持部材73に接続されているため、マスク100の形状が変化しても、回収板71の姿勢がマスク100の形状に追従するため、第1の下面端部7121とマスク100との接触状態を保持できる。
【0071】
第1のスキージ4Aは、パターン140を形成した後、パターン140の形成に寄与しなかった残余のペースト130を伴って第1のペースト回収装置7Aの回収板71に向かって移動する。そして、図13(B)に示すように、第1のスキージ4Aは、ペースト回収部7111上に乗り上げるように進入する。残余のペースト130は、第1のスキージ4Aに伴って、ペースト回収部7111に移動し(第4の工程)、当該ペースト回収部7111上に保持される。これにより、残余のペースト130が第1のペースト回収装置7Aにより回収される。
【0072】
このとき、従来では、ペーストの回収機構がマスクの姿勢や形状に追従できずに、回収機構とマスクとの間に隙間が生じてしまうことがあった。このため、マスク上にペーストが残存してしまい、ペーストを十分に回収することができない場合があった。このように、回収できなかった大量のペーストは、廃棄されてしまうことになるため、経済的に好ましくない。特に、近年では、高価な材料を含むペーストが用いられており、ペーストをより確実に回収することが求められていた。
【0073】
これに対し、本実施形態の第1のペースト回収装置7Aでは、第2の回収板端部7102を第1の回収板端部7101に対して、鉛直方向に相対的に移動可能とし、第2の回収板端部7102を第1の回収板端部7101に対して鉛直方向に相対的に移動させることで、第1の下面端部7121が第1の下面端部7122よりも上面711に対して下面712側に位置するように回収板71を傾斜した姿勢にすることができる。これにより、第1の下面端部7121がマスク100に接触すると共に、第2の下面端部7122がマスク100に非接触となり、第1の下面端部7121がマスク100により確実に接触した状態にすることができる。このため、第1の下面端部7121をマスク100に密着させることが可能となる。そして、吸着部72によりマスク100を吸着することで、第1の下面端部7121がマスク100に接した状態を保持している。これにより、第1の下面端部7121がマスク100から離れるのを抑えることができる。
【0074】
特に、回収板71を、第1の下面端部7121がマスク100と接触し、第2の下面端部7122がマスク100と非接触となる姿勢とすることで、回収板71のうち第1の下面端部7121の近傍のみがマスク100と接触する。このため、マスク100の姿勢や形状に因らず、第1の下面端部7121とマスク100との接触状態が維持され易い。この結果、残余のペースト130を回収することができる。
【0075】
次に、図14(A)に示すように、第2の移動部52によりスキージヘッド3を上昇させて、第1のスキージ4Aを回収板71上から退避させる。
【0076】
次に、図14(B)に示すように、残余のペースト130がペースト回収部7111上に移動した後、冷却部76によりペースト回収部7111上の残余のペースト130を冷却する。ここでは、冷却部76の吹出口761から冷媒である冷却空気を、上面711上の残余のペースト130に向けて吹き付けてペースト130を冷却し、ペースト130の表面を硬化させて、ペースト130を流動し難くする。これにより、上面711上から残余のペースト130が脱落するのを抑えることができる。このとき、本実施形態では、吹出口761を構成する吹出口形成部762を、断熱性を有する材料で構成している。このため、冷却部76を動作させたときに、吹出口形成部762の表面で結露が生じ難い。これにより、上面711上に保持する残余のペースト130に結露した液滴が混入してしまうのを抑えることができる。
【0077】
そして、ペースト回収部7111上に保持された残余のペースト130を再度利用する場合には、図15(A)に示すように、加熱部77によりペースト回収部7111上の残余のペースト130を加熱する。これにより、ペースト130が軟化して、ペースト130が流動し易くなる。そして、図15(B)に示すように、第2のスキージ4Bが突出した状態で、第2の移動部52によりスキージヘッド3を下降させて、第2のスキージ4Bと回収板71とを接触させる。そして、図15(C)に示すように、第2の移動部52を動作させて、第2のスキージ4Bを−X方向に向かって移動させる。第2のスキージ4Bは、回収板71の上面711上のペースト130を伴って、回収板71の上面711上からマスク100上へ移動し、第2のペースト回収装置7Bに向かって移動しながらペースト130の押込み・掻き取り動作を実行する。
【0078】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0079】
例えば、上述の実施形態では、スクリーン印刷法を用いたパターン形成装置に設けられるペースト回収装置について説明したが、特にこれに限定されず、平板状の版を用いるグラビア印刷法を用いたパターン形成装置に設けられていてもよい。この場合、被摺動体である凹版をステージ上に載置して、摺動体であるドクタブレードの動作範囲の一部と重なるように回収板を配置すればよい。この場合、ドクタブレードが摺動する平板状の版が、本発明における被摺動体の一例に相当する。
【符号の説明】
【0080】
1…印刷装置
2…ステージ
3…スキージヘッド
4A,4B…第1及び第2のスキージ
51…第1の移動部
52…第2の移動部
521…軸部
6…ディスペンサ
7A,7B…第1及び第2のペースト回収装置
70…枠部
71…回収板
7101,7102…第1及び第2の回収板端部
711…上面
7111…ペースト回収部
712…下面
7121,7122…第1及び第2の下面端部
713…取付穴
72…吸着部
721…吸着パッド
7211…カバー
7212…吸着口
722…凹部
7221…貫通孔
723…負圧発生源
73…支持部
731…切欠き部
74…第1の可動部
741,742…ヒンジブラケット
743…ヒンジピン
75…第2の可動部
751…リニアブッシュ
752…リニアシャフト
753…拘束孔
76…冷却部
761…吹出口
762…吹出口形成部
763…主部
764…璧状部
765…先端部
766…開口
767…供給部
77…加熱部
〜F…配管
100…マスク
101…貫通孔
110…マスク用枠体
120…基材
130…ペースト
140…パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15