特開2017-222207(P2017-222207A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017222207-自動車のフィルム貼着補助装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222207(P2017-222207A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】自動車のフィルム貼着補助装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 65/00 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
   B62D65/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-117219(P2016-117219)
(22)【出願日】2016年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000150774
【氏名又は名称】株式会社槌屋
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】横井 誉
(72)【発明者】
【氏名】川上 秀一
(72)【発明者】
【氏名】矢野 芳和
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 徹
【テーマコード(参考)】
3D114
【Fターム(参考)】
3D114AA04
3D114BA08
3D114DA20
(57)【要約】
【課題】コンパクトかつシンプルで安価な構成によって、自動車へボディへのフィルムの貼着作業の負担を効率的に軽減するとともに、フィルムの貼着作業の仕上がりを良好なものとすることが可能なフィルム貼着補助装置を提供する。
【解決手段】フィルム貼着補助装置1は、自動車Vに固定するための左右一対の固定部材2,2と、基端を固定部材2に回動自在に固着させてなる左右一対の棒状の支承部材3,3と、それらの支承部材3,3の先端に懸架された棒状の支持部材4と、フィルムFを把持するための把持部材6、および、その把持部材6を片端に固着し、他端を支持部材4に固着させた伸縮自在な連結具7からなるフィルム引張部材5,5・・とを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のボディにフィルムを貼着する際に用いるフィルム貼着補助装置であって、
自動車に固定するための左右一対の固定手段と、
基端を固定手段に回動自在に固着させてなる左右一対の棒状の支承手段と、
それらの支承手段の先端に懸架された棒状の支持手段と、
フィルムを把持するための把持部材、および、その把持部材を片端に固着し、他端を前記支持手段に固着させた伸縮自在な紐状体からなるフィルム引張手段とを有することを特徴とする自動車のフィルム貼着補助装置。
【請求項2】
前記固定手段が、吸盤機構によって自動車のボディに固定されるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車のフィルム貼着補助装置。
【請求項3】
前記支持手段が、長手方向に沿った中心軸の周りに回転可能になっていることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の自動車のフィルム貼着補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のボディの保護や装飾を目的としてフィルムを貼着する際に使用するフィルム貼着補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車が購入者の手に渡るまでに、砂塵、鉄粉等によって自動車のボディに傷や汚れが生じたり、塗装が変色したりする事態を防止するために、自動車のボディに保護フィルムが貼着されることがある。また、自動車の意匠性を高めるために、ルーフやボンネット、アウターミラー等の自動車の一部をボディとは異なる色に装飾することもあるが、その場合には、それらの部分を構成する部材を本来のボディとは異なる色の別部材と取り換える方法のみならず、それらの部分に、本来のボディとは異なる色の加飾フィルムをボディに貼着する方法や、それらの部分のみを本来のボディとは異なる色に塗装する方法が採用される。そして、そのようにボディの一部を別の色に塗装する場合には、他の部分にフィルムを貼着してマスキングする必要がある。
【0003】
上記の如く、ボディの保護あるいは装飾のためにフィルムを貼着する際の貼着作業は、たとえば、自動車のルーフにフィルムを貼着する場合には、複数の作業車が、それぞれ、自動車の前後で、大面積のフィルムの前後の端縁を把持して、片端から順にフィルムをルーフに密着させる、という態様で行われる。また、自動車のボディへのフィルムの貼着作業を自動に行うための装置として、特許文献1の如きフィルム貼着装置(塗装保護フィルム貼着装置)も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−156862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の作業者によるフィルムの貼着作業は、複数の作業者を要するために作業効率が悪い上、貼着されたフィルムにシワ等が入り易い。また、特許文献1の如きフィルム貼着装置は、大掛かりで、設置に大きなスペースを要する上、導入に多大なコストが掛かる、という不具合がある。さらに、特許文献1の如き保護フィルム貼着装置は、保護フィルムの切断時に張力によって保護フィルムが裂け易い上、貼着された保護フィルムにシワ等が入り易い、という不具合もある。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の自動車へのフィルムの貼着方法や自動車のフィルム貼着装置が有する問題点を解消し、コンパクトかつシンプルで安価な構成によって、自動車へボディへの保護フィルム、加飾フィルム、マスキングフィルム等のフィルムの貼着作業の負担を効率的に軽減できるとともに、フィルムの貼着作業の仕上がりを良好なものとすることが可能なフィルム貼着補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、自動車のボディにフィルム(保護フィルム、加飾フィルム、マスキングフィルム等)を貼着する際に用いるフィルム貼着補助装置であって、自動車に固定するための左右一対の固定手段と、基端を固定手段に回動自在に固着させてなる左右一対の棒状の支承手段と、それらの支承手段の先端に懸架された棒状の支持手段と、フィルムを把持するための把持部材、および、その把持部材を片端に固着させ、他端を前記支持手段に固着させた伸縮自在な紐状体からなるフィルム引張手段とを有することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記固定手段が、吸盤機構によって自動車のボディに固定されるものであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、前記支持手段が、長手方向に沿った中心軸の周りに回転可能になっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る自動車のフィルム貼着補助装置によれば、シンプルな構造であるにも拘わらず、従来二人の作業者を必要としていた自動車のボディへのフィルムの貼着作業を一人の作業者で容易に行うことが可能となる。
【0011】
請求項2に係る自動車のフィルム貼着補助装置によれば、固定手段が自動車のボディにキズを付けたりすることなく強固に固着することができるので、自動車のボディの上面へのフィルムの貼着作業をきわめて短時間の内に効率良く行うことが可能となる。
【0012】
請求項3に係る自動車のフィルム貼着補助装置によれば、支持手段の回転により、フィルム引張手段によるフィルムの張り状態(弛み具合)を容易に調整することができるので、自動車のボディへのフィルムの貼着作業を失敗することなく綺麗に仕上げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】自動車のフィルム貼着補助装置を示す説明図である(aは正面図であり、bはaにおけるA部分の拡大図である)。
図2】自動車のフィルム貼着補助装置の使用状態を示す説明図(右側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<フィルム貼着補助装置の構造>
以下、本発明に係る自動車のフィルム貼着補助装置(以下、単に、フィルム貼着補助装という)の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、フィルム貼着補助装置を示したものであり、フィルム貼着補助装置1は、自動車に固定するための左右一対の固定部材2,2(固定手段)、基端を固定部材2に回動自在に固着させてなる左右一対の棒状の支承部材3,3(支承手段)、それらの支承部材3,3の先端に懸架された棒状の支持部材4(支持手段)、自動車のフィルムを把持して張力(張り具合)を調整するための4つのフィルム引張部材5,5・・(引張手段)等によって構成されている。
【0015】
固定部材2,2は、ハウジング11、吸盤12、固定レバー13、軸部材(図示せず)等によって構成されている。ハウジング11は、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって形成されており、扁平な円柱状の収納部11aの上面から筒状の固着部11bを突出させた形状を有している。また、ハウジング11の下側には、軟質の合成樹脂(ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、シリコン系樹脂等)によって形成された吸盤12が固着されている。当該吸盤12は、円盤状に形成されており、下面が凹状の吸着面になっており、上面が凸状になっている。かかる吸盤12の上面には、鉛直に配置された略円柱状の軸部材(図示せず)が固着されている。さらに、その軸部材の上端縁には、固定レバー13が回動可能に取り付けられている。
【0016】
上記の如く構成された固定部材2,2は、固定レバー13を起立させた状態で、自動車のフロントガラスやボディ等の平坦な任意の場所へ配置し、吸盤12を自動車のフロントガラス等に当着(密着)させ、その状態で固定レバー13を回動させて横向きにすると、ハウジング11の内部で軸部材(図示せず)が上昇し、その上昇に伴って吸盤12の中央部分が上方に持ち上げられることによって、きわめて高い吸着力(吸着面の面積当たり20kg以上)で固着させることができる。
【0017】
また、固定部材2,2は、それぞれ、ハウジング11の固着部11bの内部に、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって長尺な筒状に形成された連結アーム14の左右両端縁際を挿通させた状態で、当該連結アーム14に固着されている。そして、連結アーム14の左右の両端縁際であって、各固定部材2,2の内側には、それぞれ、支承部材3,3が固着されている。
【0018】
それらの支承部材3,3は、上下2つの継手15,15と、支承アーム16とによって構成されている。各継手15,15は、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって一体的に形成されており、筒状の貫通部と円柱状の凹状部分を設けた結合部とを有している。一方、支承アーム16は、継手15,15と同様に、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって長尺な筒状に形成されている。そして、各支承部材3,3は、上下2つの継手15,15を、それぞれの結合部に支承アーム16を嵌入させることによって、一体的に組み付けられている。そして、そのように組み付けられた支承部材3,3は、下側の継手15の貫通部に、連結アーム14を挿通させた状態で、当該連結アーム14に対して回転可能に固着されている(継手15の内周面と連結アーム14の表面との間の摩擦力、および、それらの部材の有する弾性力によって回転可能に固着されている)。
【0019】
一方、支持部材4は、支持アーム19、継手18、および、支承部材3,3に対する回転を容易にするためのハンドル17によって構成されている。支持アーム19は、連結アーム14等と同様に、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって長尺な筒状に形成されており、支承部材3,3の継手15,15と同様に形成された継手18が左端縁に固着されている。また、ハンドル17は、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって棒状に形成されており、継手18の貫通部に挿通された状態で、継手18に固着されている。そして、当該支持部材4は、各支承部材3,3の上側の継手15,15の貫通部に挿通された状態で、それらの継手15,15に対して回転可能に固着されている(支持部材4の内周面と継手15の表面との間の摩擦力、および、それらの部材の有する弾性力によって回転可能に固着されている)。
【0020】
また、フィルム引張手段5,5・・は、フィルムを把持するための把持部材6、紐状体である連結具7、連結具7の基端を支持アーム19に固着させるための固着部材8によって構成されている。把持手段6は、バネを利用したクリップ機構を備えており、フィルムを把持したり開放したりすることができるようになっている。一方、連結具7は、伸縮自在なゴム紐によって形成されている。そして、フィルム引張手段5,5・・は、リング状の固着部材8を支持アーム19の中間に挿通させた状態で、支持アーム19の中間に左右に移動可能に固着されている。
【0021】
さらに、連結アーム14に対して直交するように固着(回転自在に固着)された各支承部材3,3の支承アーム16,16には、連結継手21,21・・を利用して、上側補強部材9および下側補強部材10が、連結アーム14、支持アーム19と平行になるように固着されている。すなわち、連結継手21,21・・は、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって、筒状の2つの貫通部を互いに直交させた形状に一体的に形成されており、上側補強部材9および下側補強部材10は、連結アーム14、支持アーム19と同様に、硬質の合成樹脂(ポリ塩化ビニル等)によって長尺な筒状に形成されている。そして、左右の上側の連結継手21,21は、片方の貫通部に支承アーム16を貫通させ、片方の貫通部に、上側補強部材9を貫通させた状態で、支承アーム16の上端縁際で、上側補強部材9の左右の端縁際を固着した状態になっており、左右の下側の連結継手21,21は、片方の貫通部に支承アーム16を貫通させ、片方の貫通部に、下側補強部材10を貫通させた状態で、支承アーム16の下端縁際で、下側補強部材10の左右の端縁際を固着した状態になっている。なお、下側補強部材10の外側には、カバー22が被覆されている。
【0022】
<フィルム貼着補助装置の使用方法>
図2は、上記の如く構成された自動車のフィルム貼着補助装置1の使用状態を示したものであり、フィルム貼着補助装置1を利用して自動車VのルーフRにフィルム(たとえば、保護フィルム)Fを貼着する場合には、まず、固定部材2,2を利用してフィルム貼着補助装置1を、自動車Vのフロントガラスの上面に、支持アーム19が自動車Vの前後方向と直交し、かつ、2つの支承アーム16,16が自動車Vのフロントガラスの上面に対して約60〜80°傾斜するように固定する。すなわち、固定部材2,2の吸盤12の吸着面を自動車Vのフロントガラスに当着させて、支持アーム19および支承アーム16,16が上記した所定の状態となるように配置させた後に、固定レバー13を回動させることによって、固定部材2,2の吸盤12を自動車Vのフロントガラスに強固に固着(密着)させる。
【0023】
次に、略矩形に裁断されたフィルムFの前後方向の片端縁を、フィルム引張部材5,5・・の把持部材6,6・・によって、概ね等間隔に把持させる。しかる後、そのように片端縁を把持部材6,6・・によって把持させたフィルムFの他端縁を、自動車VのルーフRの後端縁際に貼着させる。そして、後述する方法で、フィルムFの張り具合を調整した後に、自動車VのルーフRの後端縁から前方へと順に、単独の作業者が、所定の道具を利用して(あるいは作業車の手によって)、フィルムFを貼着する(密着させる)。
【0024】
上記の如く、フィルム貼着補助装置1を自動車Vに固定させて使用する際に、フィルムFの高さ(ボディからの距離H)を変更したい場合、あるいは、フィルムFに加わる張力(テンション)Tを調整したい場合には、支承アーム19,19の傾斜角度を変更する。なお、2つの支承アーム19,19の間には、上側補強部材9および下側補強部材10が懸架されているので、支承アーム19,19の傾斜角度を変更する際に、支承アーム19,19の間で傾斜角度のずれが起こりにくい。また、支承部材3,3に対して、支持アーム19を回転させることによって、フィルムFに加わる張力Tを微調整することができる。
【0025】
また、支持部材4に対する支承部材3,3の固定位置を変えて支承部材3,3間の距離を変更することによって、フィルムFを貼着する自動車Vの大きさに合わせて、固定部材2,2の固定位置を調整することができる。さらに、支持アーム19に対する固着部材8,8・・の固着位置を変えることによって、フィルムFに張力を加える位置を変更することができ、自動車Vの大きさに合致したフィルムFの把持が可能となる。加えて、そのように、支持アーム19に対する固着部材8,8・・の固着位置を変えてフィルムFに張力を加える位置を変更することによって、自動車Vに装着されるフィルムFにシワ等が入ったりする事態を効果的に防止することができる。
【0026】
<フィルム貼着補助装置の効果>
フィルム貼着補助装置1は、上記の如く、自動車Vに固定するための左右一対の固定部材2,2と、基端を固定部材2に回動自在に固着させてなる左右一対の棒状の支承部材3,3と、それらの支承部材3,3の先端に懸架された棒状の支持部材4と、フィルムFを把持するための把持部材6、および、その把持部材6を片端に固着し、他端を支持部材4に固着させた伸縮自在な連結具7からなるフィルム引張部材5,5・・とを有している。それゆえ、フィルム貼着補助装置1によれば、シンプルな構造であるにも拘わらず、従来二人の作業者を必要としていた自動車VのボディへのフィルムFの貼着作業を一人の作業者で容易に行うことが可能となる。
【0027】
また、フィルム貼着補助装置1は、固定部材2,2が吸盤機構によって自動車Vのボディに固定されるものであるため、固定部材2,2が自動車Vのフロントガラスやボディにキズを付けたりすることなく強固に固着することができるので、自動車Vのボディ(ルーフR)の上面へのフィルムFの貼着作業をきわめて短時間の内に効率良く行うことができる。
【0028】
さらに、フィルム貼着補助装置1は、支持部材4が、長手方向に沿った中心軸の周りに回転可能になっているため、支持部材4の回転により、フィルム引張部材5,5・・によるフィルムFの張り状態(弛み具合)を容易に微調整することができるので、自動車Vのボディ(ルーフR)の上面へのフィルムFの貼着作業を失敗することなく綺麗に仕上げることができる。
【0029】
<フィルム貼着補助装置の変更例>
本発明に係るフィルム貼着補助装置の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、固定手段、支承手段、支持手段、フィルム引張手段(把持手段、紐状体)等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0030】
たとえば、フィルム貼着補助装置は、上記実施形態の如く、4個のフィルム引張部材を設けたものに限定されず、3個ないし2個、あるいは5個以上のフィルム引張部材を設けたものに変更することも可能である。また、フィルム貼着補助装置は、上記実施形態の如く、上下に補強部材を設けたものに限定されず、補強部材のないものあるいは上下のいずれかに補強部材を設けたもの等でも良い。なお、上記実施形態の如く、上下に補強部材を設けた場合には、支承手段の棒状部材の傾斜角度のバラツキを低減することができる、というメリットがある。
【0031】
さらに、フィルム貼着補助装置は、上記実施形態の如く、固定部材が左右に1個ずつ設けられたものに限定されず、固定部材が左右に複数個ずつ設けられたものに変更することも可能である。加えて、フィルム貼着補助装置は、上記実施形態の如く、フィルム引張部材がゴム紐であるものに変更されず、フィルム引張手段が(長尺状の)コイルバネ等であるものに変更することも可能である。
【0032】
また、フィルム貼着補助装置の継手(支承部材または支持部材の継手、あるいは連結継手)は、上記実施形態の如く、硬質の合成樹脂によって形成されたものに限定されず、鉄、ステンレスやアルミニウム等の金属によって形成されたメタルジョイント等に変更することも可能である。加えて、支承アーム、支持アーム、連結アーム、上側補強部材、下側補強部材は、上記実施形態の如く、硬質の合成樹脂によって形成されたものに限定されず、鉄、ステンレス、アルミニウム等によって形成された金属製のパイプや、円柱状、角柱状、H形あるいはC形の金属部材(フレーム)や、それらの金属製のパイプやフレームの表面の全部あるいは一部を樹脂でコーティングしたもの等に変更することも可能である。なお、支承アームを、表面に樹脂コーティングした金属製のパイプあるいはフレームとした場合には、フィルムの貼着作業中に大きなテンションが加わった場合でも破損しにくい、というメリットがある。
【符号の説明】
【0033】
1・・フィルム貼着補助装置
2・・固定部材(固定手段)
3・・支承部材(支承手段)
4・・支持部材(支持手段)
5・・フィルム引張部材(フィルム引張手段)
6・・把持部材(把持手段)
7・・連結具(紐状体)
V・・自動車
F・・フィルム(保護フィルム)
図1
図2