(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222386(P2017-222386A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】具材包装容器、丼物包装容器、包装容器に収容した具材及び丼物
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
B65D81/34 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-118662(P2016-118662)
(22)【出願日】2016年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】502217252
【氏名又は名称】株式会社シーサット
(74)【代理人】
【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
(72)【発明者】
【氏名】藤本 久仁夫
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013BA30
3E013BB06
3E013BC04
3E013BC06
3E013BD02
3E013BD06
3E013BD07
3E013BD11
3E013BD13
3E013BE01
3E013BF77
(57)【要約】
【課題】 具材包装容器に収容された刺身等の具材をご飯の上に移す際に、型崩れすることなしに、スムーズかつ綺麗な状態で載せることができる具材包装容器、丼物包装容器、包装容器に収容した具材及び丼物の提供。
【解決手段】 深皿状のご飯包装容器1と浅皿状の具材収容容器2よりなり、具材収容容器2はその内底面が一方の開口縁部21aに向けて傾斜した内底面22に形成されており、ご飯包装容器1にご飯4が収容され、具材収容容器2内には、先ず傾斜した内底面22の上に、しその葉6の茎側を傾斜した内底面22の傾斜上部側に向けて表向きに敷き詰め、その上に刺身5を載せた状態で収容し、具材収容容器2の開口部を封止フィルム等の蓋体3で密閉状態に閉じられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
丼物の具材を収容する略方形で浅皿状であり、その内底面が一方の開口縁部に向けて傾斜した内底面に形成されていることを特徴とする具材包装容器。
【請求項2】
請求項1記載の具材包装容器において、前記傾斜した内底面に滑り摩擦抵抗低減加工が施されていることを特徴とする具材包装容器。
【請求項3】
請求項2記載の具材包装容器において、前記滑り摩擦抵抗低減加工として、傾斜した内底面に超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されていることを特徴とする具材包装容器。
【請求項4】
請求項2記載の具材包装容器において、前記滑り摩擦抵抗低減加工として、傾斜した内底面に超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されたアルミシートを貼付していることを特徴とする具材包装容器。
【請求項5】
請求項2記載の具材包装容器において、前記滑り摩擦抵抗低減加工として、傾斜した内底面全体に傾斜方向に向けた多数の突状又は溝が形成されていることを特徴とする具材包装容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の具材包装容器に、刺身、鰻、天ぷら、牛等の丼物の具材が収容され、具材収容容器の開口部を蓋体で密閉状態に閉じていることを特徴とする包装容器に収容された具材。
【請求項7】
請求項6記載の包装容器に収容された具材において、前記具材包装容器の傾斜した内底面と収容する具材との間に、しその葉の茎側を傾斜した内底面の傾斜上部側に向けて表向きに敷き詰めてなることを特徴とする包装容器に収容された具材。
【請求項8】
請求項6記載の包装容器に収容された具材において、前記具材包装容器の傾斜した内底面と収容する具材との間に、錦糸卵を敷き詰めてなることを特徴とする包装容器に収容された具材。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の具材包装容器と、具材包装容器に被せる蓋体と、深皿状のご飯包装容器とから成り、
前記具材包装容器の開口縁部がご飯包装容器の開口縁部に着脱可能に係止されていることを特徴とする丼物包装容器。
【請求項10】
請求項9記載の丼物包装容器における前記ご飯包装容器にご飯が収容され、前記具材包装容器に刺身、鰻、天ぷら、牛等の丼物の具材が収容されていることを特徴とする包装容器に収容された丼物。
【請求項11】
請求項10記載の包装容器に収容された丼物において、前記ご飯の上に、ご飯のタレをゲル化した状態で載せ、その上をシートで覆っていることを特徴とする包装容器に収容された丼物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海鮮丼等のようにご飯と具材を分離状態で収容する食品包装容器及び食品包装容器にご飯と具材を分離状態で収容した具材及び丼物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような丼物包装容器として、深皿状の主材包装容器と、ご飯包装容器に被せる浅皿状の具材包装容器と、具材包装容器に被せる蓋体とを備えて構成されたものが知られている。
そして、ご飯包装容器にご飯を収容し、具材包装容器に刺身、鰻、天ぷら、牛等の丼物の具材を収容し、店舗にて冷蔵又は冷凍状態で販売されている(特許文献1、2参照。)
【0003】
この食品収容容器に収容された丼物は、具材が刺身の海鮮丼の場合、ご飯包装容器から刺身が収容された具材包装容器を取り外した状態で、ご飯が収容されたご飯収容容器をレンジ等で暖めた後、具材包装容器の蓋体を開けて中に収容された刺身を温めたご飯の上に移し、刺身の上に醤油やわさび等の調味料を加えて食することになる。
なお、具材が生ものでない鰻丼、天丼、牛丼等の場合は、そのままレンジで温めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−46210号公報
【特許文献2】特開平9−51767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例の食品包装容器の具材包装容器は、主材包装容器よりは浅いといっても、4方向に側壁があるため、具材包装容器に収容された刺身等の具材をご飯の上に移し替える際に、この側壁が邪魔をし、具材をご飯の上にスムーズかつ綺麗な状態で載せることができないという問題があった。
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、具材包装容器に収容された刺身等の具材をご飯の上に移す際に、型崩れすることなしに、スムーズかつ綺麗な状態で載せることができる具材包装容器、丼物包装容器、包装容器に収容した具材及び丼物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1記載の具材包装容器は、丼物の具材を収容する略方形で浅皿状であり、その内底面が一方の開口縁部に向けて傾斜した内底面に形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の具材包装容器は、請求項1記載の具材包装容器において、前記傾斜した内底面に滑り摩擦抵抗低減加工が施されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の具材包装容器は、請求項2記載の具材包装容器において、前記滑り摩擦抵抗低減加工として、傾斜した内底面に超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載の具材包装容器は、請求項2記載の具材包装容器において、前記滑り摩擦抵抗低減加工として、傾斜した内底面に超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されたアルミシートを貼付していることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5記載の具材包装容器は、請求項2記載の具材包装容器において、前記滑り摩擦抵抗低減加工として、傾斜した内底面全体に傾斜方向に向けた多数の突状又は溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載の包装容器に収容された具材は、請求項1〜5のいずれかに記載の具材包装容器に、刺身、鰻、天ぷら、牛等の丼物の具材が収容され、具材収容容器の開口部を蓋体で密閉状態に閉じていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7記載の包装容器に収容された具材は、請求項6記載の包装容器に収容された具材において、前記具材包装容器の傾斜した内底面と収容する具材との間に、しその葉の茎側を傾斜した内底面の傾斜上部側に向けて表向きに敷き詰めてなることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8記載の包装容器に収容された具材は、請求項6記載の包装容器に収容された具材において、前記具材包装容器の傾斜した内底面と収容する具材との間に、錦糸卵を敷き詰めてなることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9記載の丼物包装容器は、請求項1〜5のいずれかに記載の具材包装容器と、具材包装容器に被せる蓋体と、深皿状のご飯包装容器とから成り、
前記具材包装容器の開口縁部がご飯包装容器の開口縁部に着脱可能に係止されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10記載の包装容器に収容された丼物は、請求項9記載の丼物包装容器における前記ご飯包装容器にご飯が収容され、前記具材包装容器に刺身、鰻、天ぷら、牛等の丼物の具材が収容されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11記載の包装容器に収容された丼物は、請求項10記載の包装容器に収容された丼物において、前記ご飯の上に、ご飯のタレをゲル化した状態で載せ、その上をシートで覆っていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の食品包装容器では、上述のように、その内底面が一方の開口縁部に向けて傾斜した内底面に形成されることで、具材包装容器に収容された刺身等の具材をご飯の上に移す際に、型崩れすることなしに、スムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになるという効果が得られる。
【0019】
また、請求項2〜4記載の具材包装容器では、上述のように、前記傾斜した内底面に超高分子量ポリエチレン樹脂加工や超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されたアルミシート等の滑り摩擦抵抗低減加工が施されることで、刺身等の具材をご飯の上に、さらにスムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになる。
【0020】
また、請求項5記載の具材包装容器では、上述のように、傾斜した内底面全体に傾斜方向に向けた多数の突状又は溝が形成されることで、刺身等の具材をご飯の上に、さらにスムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになる。
【0021】
また、請求項7記載の包装容器に収容された具材では、上述のように、前記具材包装容器の傾斜した内底面と収容する具材との間に、しその葉の茎側を傾斜した内底面の傾斜上部側に向けて表向きに敷き詰めることで、しその葉の裏側に茎側から葉先側に向かって無数に存在する産毛状の毛による傾斜した内底面の上部側に向かう送り出し効果で、刺身等の具材をご飯の上に、さらにスムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになる。
【0022】
また、請求項8記載の包装容器に収容された具材では、上述のように、前記具材包装容器の傾斜した内底面と収容する具材との間に、滑り効果の高い錦糸卵を敷き詰めることで、刺身等の具材をご飯の上に、さらにスムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになる。
【0023】
また、請求項11記載の包装容器に収容された丼物では、上述のように、前記ご飯の上に、ご飯のタレをゼラチン等でゲル化した状態で載せることで、冷蔵又は冷凍状態の丼物のご飯収容容器を電子レンジ等で温めると、ゲル化したタレが融けてご飯に染み渡らせることができるようになる。また、ゲル化したタレの上をシートで覆うことで、具材収容容器2の底面へのご飯4やタレ7の付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施例1の包装容器に収容された丼物を示す分解斜視図である。
【
図2】ご飯収容容器と具材収容容器の組み合わせ状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0026】
まず、この実施例1の包装容器に収容された丼物を図面に基づいて説明する。
なお、この実施例1では、丼物として海鮮丼を例にとって説明する。
【0027】
この包装容器に収容された海鮮丼は、
図1、2に示すように、ご飯収容容器1と、具材収容容器2と、蓋体3と、ご飯4と、刺身(具材)5と、しその葉6と、ご飯のタレ7と、シート8と、を主な構成として備えている。
【0028】
さらに詳述すると、前記ご飯収容容器1は、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂にて略方形で深皿状に形成され、上端開口縁部には外側に向けた周縁11が形成されている。
そして、ご飯収容容器1内の下半分位にご飯4が収容され、ご飯4の上には、ご飯のタレ7をゲル化した状態で載せ、その上をシート8で覆っている。
【0029】
前記具材収容容器2は、
図2に示すように、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂にて略方形で浅皿状に形成され、上端開口縁部にはご飯包装容器1の周縁11上に係止可能な外側に向けた周縁21が形成されている。
また、
図2に示すように、この具材収容容器2の内底面22が一方の開口縁部21aに向けて傾斜した内底面に形成され、この傾斜した内底面22には、超高分子量ポリエチレン樹脂吹き付け加工や超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されたアルミシート貼付等の滑り摩擦抵抗低減加工22aが施されている。
【0030】
この具材収容容器2内には、
図1に示すように、具材として刺身5が収容されるが、先ず傾斜した内底面22の上に、しその葉6の茎側を傾斜した内底面22の傾斜上部側に向けて表向きに敷き詰め、その上に刺身5を載せた状態で収容し、具材収容容器2の開口部を封止フィルム等の蓋体3で密閉状態に閉じられている。
【0031】
そして、ご飯収容容器1の周縁11上に具材収容容器2の周縁21を係止した状態で具材収容容器2をご飯収容容器1内上部に収容一体化し、必要であれば透明な包装フィルムによって全体をシュリンク包装する。
【0032】
次に、この実施例1の作用を説明する。
この実施例1の海鮮丼では、上述のように構成されるため、ご飯収容容器1から具材収容容器2を取り外した状態で、ご飯4が収容されたご飯収容容器1をレンジ等で暖めた後、具材包装容器2の蓋体3を開けて中に収容された刺身5を温めたご飯4の上に移し、刺身5の上に醤油やわさび等の調味料を加えて食するものである。
【0033】
次に、この実施例1の効果を説明する。
この実施例1の食品包装容器では、上述のように、その内底面22が一方の開口縁部に向けて傾斜した内底面に形成されることで、具材包装容器2に収容された刺身5等の具材をご飯4の上に移す際に、型崩れすることなしに、スムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになるという効果が得られる。
【0034】
また、前記傾斜した内底面22に超高分子量ポリエチレン樹脂吹き付け加工や超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されたアルミシート貼付等の滑り摩擦抵抗低減加工22aが施されることで、刺身5等の具材をご飯4の上に、さらにスムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになる。
【0035】
また、前記具材包装容器2の傾斜した内底面22と収容する刺身5との間に、しその葉6の茎側を傾斜した内底面22の傾斜上部側に向けて表向きに敷き詰めることで、しその葉6の裏側に茎側から葉先側に向かって無数に存在する産毛状の毛による傾斜した内底面22の傾斜上部側に向かう送り出し効果で、刺身5等の具材をご飯4の上に、さらにスムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになる。
【0036】
また、前記ご飯4の上に、ご飯のタレ7をゼラチン等でゲル化した状態で載せることで、冷蔵又は冷凍状態の海鮮丼のご飯収容容器1を電子レンジ等で温めると、ゲル化したご飯のタレ7が融けてご飯4に染み渡らせることができるようになる。また、ゲル化したご飯のタレの上をシート8で覆うことで、具材収容容器2の底面へのご飯4やタレ7の付着を防止することができる。
【0037】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0038】
例えば、実施例では、丼物として刺身5を具材とする海鮮丼を例にとって説明したが、鰻、天ぷら、牛等、任意の具材を用いることができる。
【0039】
また、実施例では、滑り摩擦抵抗低減加工の素材として、超高分子量ポリエチレン樹脂を例にとって説明したが、その他にシリコン樹脂、フッ素樹脂等、摩擦抵抗の少ない樹脂素材を用いることができる。
【0040】
また、実施例では、滑り摩擦抵抗低減加工として、傾斜した内底面22に超高分子量ポリエチレン樹脂吹き付け加工や、超高分子量ポリエチレン樹脂加工が施されたアルミシート貼付加工を例にとって説明したが、傾斜した内底面全体に傾斜方向に向けて多数の突状又は溝を形成することで、滑り摩擦抵抗を低減させるようにしてもよい。
また、超高分子量ポリエチレン樹脂フィルムを傾斜した内底面22に直接貼付するようにしてもよい。
【0041】
また具材包装容器2の傾斜した内底面22と収容する刺身5等の具材との間に、滑り摩擦抵抗の少ない錦糸卵を敷き詰めることで、刺身5等の具材をご飯4の上に、さらにスムーズかつ綺麗な状態で載せることができるようになる。
【符号の説明】
【0042】
1 ご飯収容容器
11 周縁
2 具材収容容器
21 周縁
21a 一方の開口縁部
22 傾斜した内底面
22a 滑り摩擦抵抗低減加工
3 蓋体
4 ご飯
5 刺身(具材)
6 しその葉
7 ご飯のタレ
8 シート