【解決手段】実施形態の読取装置は、単票用紙Sの情報を読み取る読取部150が配置された用紙搬送路120と、用紙搬送路120に接続された用紙反転部180と、単票用紙Sを用紙反転部180から取り出す正転搬送及び単票用紙Sを用紙反転部180に送り出す逆転搬送が可能な搬送部130と、用紙反転部180の中に搬送されてきた単票用紙Sを反転搬送して用紙搬送路120に送り出す反転搬送部184と、搬送速度を制御する搬送制御手段と、を備える。搬送制御手段は、単票用紙Sが用紙反転部180に入るときには、反転搬送部184の反転搬送が搬送部130の逆転搬送よりも速くなるように搬送速度を制御し、単票用紙Sが用紙反転部180から出るときには、搬送部130の正転搬送が用紙反転部180の反転搬送よりも速くなるように搬送速度を制御する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0009】
図1は、実施形態の読取装置100を備える商品情報処理装置1のブロック図である。商品情報処理装置1は、例えば、POS(Point of sales)端末である。商品情報処理装置1は、各ストアに設置され、オペレータ等のユーザによって操作される。商品情報処理装置1はネットワークを介して不図示のストアサーバ(POSサーバ)と接続されている。
【0010】
商品情報処理装置1は、制御部11と、通信部12と、操作部13と、出力部14と、印刷部15と、を備える。
【0011】
制御部11は、プロセッサ等の処理装置で構成される。制御部11は不図示のROM(Read Only Memory)或いはRAM(Random Access Memory)に格納されているプログラムに従って動作することで、商品情報処理装置1の各部を制御する。
【0012】
通信部12は、LAN(Local Area Network)インタフェース、USBインタフェース等の通信インタフェースである。通信部12は、商品情報処理装置1をネットワークに接続する。
【0013】
操作部13は、キーボード、スイッチ、タッチパネル等のユーザインタフェースである。操作部13は、ユーザからの入力を制御部11に通知する。
【0014】
出力部14は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置や、スピーカー、ブザー等の音響発生装置である。出力部14は、ユーザに各種情報を出力する。
【0015】
印刷部15は、ロール紙から取り出されたレシート用紙に各種情報を印刷する印刷装置である。印刷部15は、例えば、サーマル方式のプリントユニットである。
【0016】
読取装置100は、単票用紙から情報を読み取る装置である。読取装置100は、商品情報処理装置1に固定或いは内蔵されている。
図2は、読取装置100の一例を示す斜視図である。
【0017】
単票用紙は、例えば、手形、小切手等の帳票である。本実施形態の読取装置100が対象とする単票用紙には、MICR(Magnetic ink character recognition)方式により、使用者の口座番号、帳票の通し番号等の文字が印字されている。MICR方式の印字とは、磁気インク、或いは、磁気トナーを使った、単票用紙の予め決められた位置になされた、MICRフォントの印字のことである。MICRフォントの例としては、E13Bフォント、及びCMC7フォントが挙げられる。以下の説明では、MICR方式の印字のことをMICRデータという。本実施形態の読取装置100は、単票用紙からMICRデータを読み取る。
【0018】
図3は、読取装置100のブロック図である。読取装置100は、制御部110と、用紙搬送路120と、搬送部130と、センサ140と、読取部150と、印字部160と、経路切換部170と、用紙反転部180と、を備える。
【0019】
制御部110は、プロセッサ等の処理装置で構成される。制御部110は、読取装置100の各部を制御する制御装置として機能する。制御部110は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、複数のプロセッサで構成されていてもよい。制御部110が複数のプロセッサで構成される場合、これら複数のプロセッサは、読取装置100内の離れた場所(例えば、別の基板)に配置されていてもよい。制御部110は、制御部110内の或いは制御部110外のROM(Read Only Memory)或いはRAM(Random Access Memory)に格納されているプログラムに従って動作することで、後述の読取処理を含む種々の動作を実現する。なお、プログラムという概念には、マイクロコードを用いたマイクロプログラムも含まれる。
【0020】
図4は、制御部110の機能を示す機能ブロック図である。制御部110は、搬送制御部111、印字制御部112としての機能を有している。これら機能ブロック(搬送制御部111、印字制御部112)は、ソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、
図4に示した各機能ブロックがそれぞれ1つのハードウェア(例えば、1つのプロセッサ、或いは、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロック)であってもよい。勿論、1つの機能ブロックが複数のプロセッサの協働により実現されていてもよい。また、制御部110を1つのプロセッサとし、各機能ブロックをソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現してもよい。各機能ブロックをソフトウェアで実現する場合であっても、制御部110を複数のプロセッサで構成することは可能である。搬送制御部111は読取装置100の搬送制御手段として機能し、印字制御部112は読取装置100の印字制御手段として機能する。
【0021】
用紙搬送路120は、単票用紙を搬送するための経路である。
図5は、読取装置100の内部構造を示す図である。読取装置100は、ユーザが単票用紙Sをセットするための用紙セットテーブルを有する。用紙セットテーブルは上方向に緩やかに湾曲する湾曲部を有している。本実施形態の用紙搬送路120は、湾曲部から上方向に延伸している。なお、以下の説明では、用紙搬送路120の用紙セットテーブル側(図面下側)を上流、その反対側(図面上側)を下流という。用紙搬送路120の上流には用紙反転部180が配置されている。
【0022】
搬送部130は、単票用紙Sを用紙搬送路120に沿って搬送するための装置である。搬送部130は、読取装置100の第1の搬送手段として機能する。搬送部130は、上流及び下流の双方に単票用紙Sを搬送可能である。以下の説明では、搬送部130が単票用紙Sを下流への搬送することを正転搬送、搬送部130が単票用紙Sを上流への搬送することを逆転搬送という。
【0023】
搬送部130は、用紙搬送路120の最上流に配置されている。搬送部130は、正転搬送により、単票用紙Sを用紙セットテーブルから用紙搬送路120に単票用紙Sに取り込む。或いは、搬送部130は、正転搬送により、単票用紙Sを用紙反転部180から取り出し、用紙搬送路120に取り込む。また、搬送部130は、逆転搬送により、単票用紙Sを用紙セットテーブル或いは用紙反転部180に送り出す。
【0024】
搬送部130は、ローラ131と、ローラ132と、を備える。ローラ131は、不図示の駆動手段(例えば、DCモータ)によって回転する駆動ローラであり、ローラ132は単票用紙Sをローラ131に押し付ける受動ローラである。なお、この搬送部130の構成はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、ローラ131、132は双方とも駆動ローラであってもよい。
【0025】
センサ140は、単票用紙Sの端部T1、T2を検出するセンサである。端部T1は、
図5に示すように、単票用紙Sが用紙セットテーブルから用紙搬送路120に取り込まれる際の先端側(進行側)の端部であり、端部T2はその反対側の端部である。センサ140は、下流用紙検出センサ141と、上流用紙検出センサ142と、を備える。下流用紙検出センサ141と上流用紙検出センサ142はいずれも用紙搬送路120に設置されている。下流用紙検出センサ141は、搬送部130と印字部160の間(すなわち、搬送部130の下流、印字部160の上流)に設置されており、上流用紙検出センサ142は搬送部130の手前(搬送部130の上流)に設置されている。下流用紙検出センサ141及び上流用紙検出センサ142は、例えば、光学センサである。下流用紙検出センサ141及び上流用紙検出センサ142は、それぞれ、単票用紙Sの端部を検出し、制御部110に通知する。制御部110は、下流用紙検出センサ141及び上流用紙検出センサ142の通知に基づいて、単票用紙Sが各センサの設置位置を通過したことを検知する。
【0026】
読取部150は、単票用紙Sから情報を読み取る装置である。本実施形態の読取部150は、単票用紙SからMICRデータを読み取る。読取部150は、読取ヘッド151と、ヘッド押さえ152と、を備える。読取ヘッド151は、MICRデータを読み取る磁気ヘッドである。ヘッド押さえ152は、読取ヘッド151に単票用紙Sを押し付ける押圧部材である。用紙搬送路120には、単票用紙SのMICRデータを磁化するための磁石153が配置されている。磁石153は単票用紙Sが読取部150に到達するまでの間にMICRデータを磁化する。読取ヘッド151は、磁化されたMICRデータを読み取る。
【0027】
印字部160は、単票用紙Sに各種情報(例えば、小切手の裏書)を印字するための印刷装置である。印刷部15は、例えば、ドットインパクト方式のプリントユニットである。印字部160は、シャフト161と、シャフト161に沿って往復動可能なキャリッジ162と、キャリッジ162に固定された印字ヘッド163と、を備える。
【0028】
経路切換部170は、単票用紙Sの搬送経路を切り換えるための装置である。経路切換部170は、例えば、フラッパーである。経路切換部170は、制御部110の制御に従って、単票用紙Sの経路を、用紙セットテーブル側及び用紙反転部180側のいずれかに切り換える。
【0029】
用紙反転部180は、単票用紙Sを反転する装置である。用紙反転部180は、反転搬送部184と、ローラ185a〜185dと、を備える。反転搬送部184は、無端状の搬送ベルト184cと、搬送ベルト184cを駆動するローラ184a、184bと、を備える。反転搬送部184(ローラ184a、184bの少なくとも一方)はステッピングモーターによって駆動されている。反転搬送部184は、読取装置100の第2の搬送手段として機能する。反転搬送部184及びローラ184a、184bは、筐体182、183により形成された空洞の内部に配置されている。この空洞は、用紙搬送路120に繋がる出入口181を有している。空洞内部には、出入口181から搬送ベルト184cに沿って一回転するループ状(
図5の例では長楕円形状)の反転搬送経路が形成されている。出入口181から挿入された単票用紙Sは、反転搬送部184によって反転搬送経路を進行し、出入口181から送出される。なお、以下の説明では、反転搬送部184(第2の搬送手段)による単票用紙Sの搬送のことを反転搬送という。
【0030】
次に、このような構成を有する読取装置100の動作について説明する。
【0031】
上流用紙検出センサ142が単票用紙Sを検出すると、読取装置100の制御部110は読取処理を開始する。制御部110は、
図4に示したように、搬送制御部111、印字制御部112として機能する。以下、
図6のフローチャートを参照して読取処理を説明する。
【0032】
搬送制御部111は、搬送部130を制御して、単票用紙Sを正転搬送する(ACT101)。これにより、単票用紙Sは用紙セットテーブルから用紙搬送路120に引き込まれるとともに、用紙搬送路120に沿って下流に搬送される。
【0033】
次に、搬送制御部111は、上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの端部T2を検出したか、すなわち、単票用紙Sの端部T2が上流用紙検出センサ142の設置位置を通過したか判別する(ACT102)。上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの端部T2を検出していない場合(ACT102:No)、搬送制御部111は単票用紙Sの正転搬送を継続する。上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの端部T2を検出している場合(ACT102:Yes)、搬送制御部111は単票用紙Sの正転搬送を停止する。
図7は、単票用紙Sの端部T2が上流用紙検出センサ142の設置位置を通過した様子を示している。
【0034】
続いて、搬送制御部111は、搬送部130を制御して、単票用紙Sを逆転搬送する(ACT103)。
図8(A)は、搬送部130(第1の搬送手段)の搬送速度を示すタイミングチャートである。縦軸Vが搬送部130の搬送速度であり、横軸tが単票用紙Sの引き込み開始からの経過時間である。t1は、ACT102で上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの端部T2を検出したタイミングである。
【0035】
搬送制御部111は、時間t1まで搬送速度Aで単票用紙Sを正転搬送した後、一端、単票用紙Sの搬送を停止する。その後、搬送制御部111は、正転搬送時と同じ搬送速度Aで単票用紙Sを逆転搬送する。この際、搬送制御部111は、経路切換部170を制御して、単票用紙Sの搬送経路を用紙セットテーブル側から用紙反転部180側に切り換える。さらに、搬送制御部111は、読取部150を制御して、単票用紙Sから情報の読み取りを開始する。単票用紙Sは用紙搬送路120から用紙反転部180に送り出されるとともに、読取部150によってMICRデータがリードされる。
【0036】
なお、搬送制御部111は、単票用紙Sの逆転搬送に合わせて用紙反転部180の反転搬送部184を動作させる。
図8(B)は、反転搬送部184(第2の搬送手段)の搬送速度を示すタイミングチャートである。縦軸Vが反転搬送部184の搬送速度であり、横軸tが単票用紙Sの引き込み開始からの経過時間である。t1は、ACT102で上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの端部T2を検出したタイミングである。
【0037】
搬送制御部111は、
図8(B)に示すように、時間t1まで搬送停止状態を維持する。そして、搬送部130が逆転搬送を開始するタイミング(
図8(A)に示すt1)と略同じタイミング(
図8(B)に示すt1)で、反転搬送部184は単票用紙Sの反転搬送を開始する。このとき、搬送制御部111は、搬送部130の搬送速度Aよりも速い搬送速度B1で単票用紙Sを反転搬送する。搬送速度B1は、例えば、搬送速度Aよりも1〜20%速い速度、望ましくは1〜10%速い速度である。
図9は、単票用紙Sが用紙搬送路120から用紙反転部180に入る様子を示している。反転搬送部184の搬送速度が搬送部130の搬送速度よりも速いので、単票用紙Sには張力がかかる。これにより、単票用紙Sの紙シワが少なくなる。
【0038】
次に、搬送制御部111は、上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの下流側の端部(
図9の例であれば、端部T1)を検出したか判別する(ACT104)。上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの下流側の端部を検出していない場合(ACT104:No)、搬送制御部111は単票用紙Sの反転搬送及び逆転搬送を継続する。上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの下流側の端部を検出している場合(ACT104:Yes)、搬送制御部111は搬送部130の逆転搬送を停止する。
図10は、単票用紙Sの端部T1が上流用紙検出センサ142の設置位置を通過した様子を示している。
【0039】
そして、搬送制御部111は、反転搬送部184の搬送速度を変更する。また、搬送制御部111は、搬送部130の正転搬送を開始する(ACT105)。
図8(A)及び
図8(B)を参照して搬送部130および反転搬送部184の動作を説明する。図に示すt2は、ACT104で上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの下流側の端部を検出したタイミングである。
【0040】
搬送制御部111は、
図8(A)に示すように、時間t2で搬送部130(第1の搬送手段)の逆転搬送を一端停止する。その後、搬送制御部111は、搬送部130の正転搬送を開始する。このとき、搬送制御部111は、逆転搬送時と同じ搬送速度Aで単票用紙Sを正転搬送する。
【0041】
また、搬送制御部111は、
図8(B)に示すように、時間t2で反転搬送部184(第2の搬送手段)の反転搬送の速度を搬送部130の搬送速度Aよりも遅い搬送速度B1に変更する。搬送速度B2は、例えば、搬送速度Aよりも1〜20%遅い速度、望ましくは搬送速度Aよりも1〜10%遅い速度である。
図11は単票用紙Sが用紙反転部180から用紙搬送路120に出る様子を示している。搬送部130の搬送速度が反転搬送部184の搬送速度よりも速いので、単票用紙Sには張力がかかる。これにより、単票用紙Sの紙シワが少なくなる。
【0042】
次に、搬送制御部111は、上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの上流側の端部(
図11の例であれば端部T1)を検出したか判別する(ACT106)。上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの上流側の端部を検出していない場合(ACT106:No)、搬送制御部111は単票用紙Sの正転搬送を継続する。上流用紙検出センサ142が単票用紙Sの上流側の端部を検出している場合(ACT106:Yes)、搬送制御部111は単票用紙Sの正転搬送を停止する。
図12は、単票用紙Sの端部T1が上流用紙検出センサ142の設置位置を通過した様子を示している。
【0043】
続いて、搬送制御部111は、ACT103で、読取部150によるMICRデータの読み取りが成功しているか否か判別する(ACT107)。MICRデータの読み取りが成功していない場合(ACT107:No)、搬送制御部111は、ACT103に戻り、単票用紙Sの反対面からMICRデータをリードする。
【0044】
MICRデータの読み取りが成功している場合(ACT107:Yes)、印字制御部112は、印字部160を制御して、単票用紙Sに印字を行う(ACT108)。このとき、印字制御部112は、下流用紙検出センサ141の検出結果に基づいて、搬送部130を制御することによって、単票用紙S上の印字位置を調整してもよい。なお、単票用紙Sの反対側の面に印字が必要な場合は、搬送制御部111がACT103〜ACT106を実行することによって、単票用紙Sを反転させてもよい。
【0045】
印刷が完了したら、搬送制御部111は経路切換部170及び搬送部130を制御して、用紙搬送路120にある単票用紙Sを用紙セットテーブルに排出する。単票用紙Sの排出が完了したら、制御部110は読取処理を終了する。
【0046】
本実施形態によれば、単票用紙Sが用紙搬送路120から用紙反転部180に入るときには、搬送制御部111は、反転搬送部184(第2の搬送手段)の反転搬送が搬送部130(第1の搬送手段)の逆転搬送よりも速くなるように、反転搬送部184の搬送速度を制御している。これにより搬送時に単票用紙Sに張力がかかるので、単票用紙Sの紙シワが少なくなる。結果として、用紙ジャム、用紙の弛み等も少なくなるので、読取装置100の情報読み取りエラーは少ない。
【0047】
また、単票用紙Sが用紙反転部180から用紙搬送路120に出るときには、搬送部130の正転搬送が反転搬送部184の反転搬送よりも速くなるように、反転搬送部184の搬送速度を制御している。これにより搬送時に単票用紙Sに張力がかかるので、単票用紙Sの紙シワがさらに少なくなる。結果として、用紙ジャム、用紙の弛みもさらに少なくなる。
【0048】
また、搬送制御部111は、搬送部130の搬送速度は、正転搬送時も反転搬送時も同じとし、反転搬送部184の反転搬送の搬送速度を変化させることにより単票用紙Sに張力を加えている。搬送制御部111は、反転搬送部184の搬送速度のみコントロールすればよいので、搬送制御をシンプルなものとすることができる。搬送部130の搬送速度は一定であり、複雑な速度制御が必要ないので、搬送部130の駆動手段を安価なDCモーターとすることが可能となる。
【0049】
なお、DCモーターは負荷に対して速度変動があるため、駆動手段にDCモーターを使用した場合、単票用紙Sの搬送速度が安定しない。しかしながら、本実施形態では、反転搬送部184はステッピングモーターによって駆動されている。ステッピングモーターの回転速度は極めて安定している。従って、反転搬送部184の搬送速度は安定したものとなる。
【0050】
なお、単票用紙Sが用紙反転部180に入っていくときは、搬送部130の搬送速度よりも反転搬送部184の搬送速度が速い。そのため、単票用紙Sが用紙反転部180に入っていくときの単票用紙Sの搬送速度は、反転搬送部184の搬送速度が支配的となる。本実施形態の読取部150は、単票用紙Sが用紙反転部180に入っていくときに単票用紙Sから情報を読み取っている。反転搬送部184はステッピングモーターによって駆動され、その搬送速度は安定している。従って、読取部150の情報の読み取りも安定したものとなる。
【0051】
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0052】
例えば、上述の実施形態では、搬送制御部111は、搬送部130の正転搬送及び逆転搬送を一定速度とし、反転搬送部184の搬送速度を制御することによって、単票用紙Sに張力を加えた。しかし、搬送制御部111は、反転搬送部184の搬送速度を一定とし、搬送部130の正転搬送及び逆転搬送の速度を制御することによって、単票用紙Sに張力を加えてもよい。例えば、搬送制御部111は、反転搬送部184の反転搬送の速度を一定速度とし、単票用紙が用紙搬送路から用紙反転部に入るときは、搬送部130の逆転搬送の速度を反転搬送部184の搬送速度よりも遅くし、単票用紙が前記用紙反転部から前記用紙搬送路に出るときには、搬送部130の正転搬送の速度を反転搬送部184の搬送速度よりも速くする。勿論、搬送制御部111は、搬送部130と反転搬送部184の双方の搬送速度を制御してもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、印刷部15はサーマル方式のプリントユニットであるものとしたが、印刷部15はサーマル方式のプリントユニットに限定されない。例えば、印刷部15は、ドットインパクト方式、インクジェット方式、或いは電子写真方式のプリントユニットであってもよい。
【0054】
同様に、印字部160もドットインパクト方式のプリントユニットに限定されない。印刷部15は、サーマル方式、インクジェット方式、或いは電子写真方式のプリントユニットであってもよい。印字部160が行う印字は、磁気インク或いは磁気トナーを使った印字、例えば、MICR方式の印字であってもよい。
【0055】
また、上述の実施形態では、搬送部130(第1の搬送手段)を構成するローラの数は2つであるものとしたが、ローラの数は2つに限定されない。搬送部130は1又は3以上のローラで構成されていてもよい。また、搬送部130は、ローラではなく、搬送ベルトにより構成されていてもよい。また、搬送部130を駆動するモーターはDCモーターに限定されない。例えば、搬送部130を駆動するモーターはステッピングモーターであってもよい。単票用紙Sを用紙セットテーブル或いは用紙反転部180から取り込んだり、用紙セットテーブル或いは用紙反転部180に送出したりできるのであれば、搬送部130の構成は任意に変更可能である。
【0056】
また、上述の実施形態では、反転搬送部184(第2の搬送手段)は、搬送ベルト184cと、搬送ベルト184cを駆動するローラ184a、184bと、により構成されるものとした。しかしながら、反転搬送部184の構成はこれに限定されない。例えば、反転搬送部184はループ状の反転搬送経路に沿って配置された搬送ローラであってもよい。また、搬送部130を駆動するモーターはステッピングモーターに限定されない。例えば、搬送部130を駆動するモーターはDCモーターであってもよい。単票用紙Sを反転搬送経路に沿って搬送できるのであれば、反転搬送部184の構成は任意に変更可能である。
【0057】
また、上述の実施形態では、読取装置100は、単票用紙SからMICRデータを読み取るものとしたが、読取装置100が読み取る情報はMICRデータに限定されない。読取装置100が読み取る情報は、単に文字情報であってもよい。この場合、読取部150は、光学の読み取り装置であってもよい。勿論、読取装置100が読み取る情報は、MICRデータ以外の磁気データであってもよい。
【0058】
また、上述の実施形態では、読取装置100は、単票用紙Sに印字する印字部160を備えるものとしたが、読取装置100は必ずしも単票用紙Sに印字するための装置を備えていていなくてもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、商品情報処理装置1は読取装置100が固定或いは内蔵されるものとした。しかし、商品情報処理装置1は、読取装置100介することなく、直接、単票用紙Sから情報を読み取れるよう構成されていてもよい。例えば、商品情報処理装置1は、読取装置100が備える各部(制御部110〜用紙反転部180)を、直接、備えていてもよい。このとき、制御部110は商品情報処理装置1の制御部11と共通であってもよい。
【0060】
また、上述の実施形態では、商品情報処理装置1は、POS端末であるものとしたが、商品情報処理装置1はPOS端末に限定されない。例えば、商品情報処理装置1は、ネットワーク接続機能を持たない単体動作型のキャッシュレジスターであってもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、読取装置100は商品情報処理装置1に固定或いは内蔵されるものとしたが、読取装置100は商品情報処理装置1に外付できるよう構成されていてもよい。例えば、読取装置100はUSB(Universal Serial Bus)等の接続インタフェースを備え、USBケーブル等の通信ケーブルで商品情報処理装置1に接続できるよう構成されていてもよい。
【0062】
また、読取装置100が固定、内蔵、或いは接続される装置は商品情報処理装置1に限られない。読取装置100が固定、内蔵、或いは接続される装置は、例えば、銀行の
ATM(Automated Teller Machine)であってもよい。
【0063】
また、読取装置100は、操作部、出力部等のユーザインタフェースを備え、商品情報処理装置1等の他の装置から独立して動作できるよう構成されていてもよい。また、読取装置100は、パーソナルコンピュータに接続され、パーソナルコンピュータの指示に基づいて動作するよう構成されていてもよい。
【0064】
本実施形態に係る読取装置100或いは商品情報処理装置1を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムによって実現してもよいし、通常のコンピュータシステムにより実現してもよい。例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成してもよい。このとき、制御装置は、読取装置100或いは商品情報処理装置1に内部されたコンピュータ(プロセッサ)であってもよいし、読取装置100或いは商品情報処理装置1を外部から制御するコンピュータであってもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0065】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。